JP5015069B2 - 酸化タングステン光触媒体の製造方法 - Google Patents

酸化タングステン光触媒体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、蛍光灯等の実用光源の光の照射によって高い光触媒活性を示す酸化タングステン光触媒体の製造方法に関する。
半導体にバンドギャップ以上のエネルギーをもつ光を照射すると、価電子帯の電子が伝導帯に励起し、価電子帯に正孔、伝導帯に電子が生成する。これらはそれぞれ強い酸化力と還元力を有し、半導体に接触した分子種に酸化還元作用を及ぼす。このような作用を光触媒作用と呼び、この光触媒作用を利用することによって、大気中の有機物などを分解除去することができる。詳しくは、光触媒作用による有機物の分解反応では、価電子帯に生成した正孔が直接有機物を酸化分解するか、正孔が水を酸化し、そこから生成する活性酸素種が有機物を酸化分解すると考えられており、さらに、それ以外にも、伝導帯に生成した電子が酸素を還元し、そこから生成する活性酸素種が有機物を酸化分解すると考えられる。
光触媒作用を示す物質としては、従来、酸化チタンが一般的であり、各種媒体や担体などに酸化チタン粒子を分散もしくは担持させた光触媒体が実用化されている。しかしながら、酸化チタンは、太陽光など比較的波長の短い紫外領域の光の照射下では良好な光触媒作用を示すものの、蛍光灯のように可視光が大部分を占める光源で照らされた屋内空間では、充分な光触媒作用を発現しにくい場合があった。そのため、近年、可視光照射下での光触媒作用を高めた可視光応答型光触媒体が注目されており、そのような光触媒体として、これまでに、酸化タングステンが有効であることが知られている。
例えば、メタタングステン酸アンモニウムを酸化チタンに混合して焼成することにより得られる、酸化タングステン−酸化チタン混合光触媒体が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この光触媒体は、その製造条件や使用時に照射される光の種類などによって充分な光触媒作用が得られない場合があり、未だ満足しうる性能には至っていないのが現状であった。
他方、酸化タングステン〔WO3〕は、従来、タングステン酸ナトリウム〔Na2WO4〕を塩酸で中和した後、洗浄、焼成する方法や、パラタングステン酸アンモニウムを熱分解する方法によって製造できることが知られている(非特許文献1参照)。しかし、これらの方法で得られた酸化タングステンは、単独で光触媒体として用いた場合、必ずしも充分に高い光触媒活性を示さなかった。
このように、酸化タングステンは可視光応答型光触媒体への利用が期待されているものの、可視光照射下で高い光触媒活性を示す酸化タングステン光触媒体は実用化に至っていないのが現状であった。
特開2006−198464号公報 新実験化学講座8 無機化合物の合成I(丸善株式会社)、250〜251ページ
そこで、本発明の課題は、蛍光灯等の実用光源の光に多く含まれる可視光線によって高い光触媒活性を示しうる酸化タングステン光触媒体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた。その結果、焼成により酸化タングステンを作製するにあたり、焼成に供する原料の種類と焼成温度の組合せが得られる酸化タングステンの光触媒活性に大きく影響することを突き止め、原料としてオルトタングステン酸またはその塩を選択し、これを430℃以上の温度で焼成することが、可視光の照射下における光触媒活性を高めるのに最も有効であることを見出した。さらに、従来の酸化タングステンが可視光によって期待されるだけの光触媒活性を発現しなかった理由として、焼成時の加熱で生じる何らかの不純物が光触媒活性を阻害する要因となっていることを突き止め、焼成後に得られた酸化タングステンに洗浄を施すことにより阻害要因となる不純物を除去すれば、より高い光触媒活性を得ることができることを見出し、加えて、この洗浄による光触媒活性の向上効果は酸化タングステンを作製する際の原料とその焼成温度に依存し、充分な光触媒活性の向上効果を得るには、オルトタングステン酸またはその塩を原料として650℃以下の温度で焼成することが重要であることをも見出した。本発明は、これらの知見に基づき完成したものである。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)オルトタングステン酸またはその塩を430〜650℃で焼成した後、得られた酸化タングステンを洗浄する、ことを特徴とする酸化タングステン光触媒体の製造方法。
(2)前記洗浄は水を用いて行う、前記(1)記載の酸化タングステン光触媒体の製造方法。
本発明によれば、蛍光灯等の実用光源による光照射下で高い光触媒活性を示しうる酸化タングステン光触媒体を提供することができる。これにより、紫外光が照射されない環境下であっても、効率よく有機物を酸化分解することが可能になる。
本発明の酸化タングステン光触媒体の製造方法においては、まず、オルトタングステン酸〔H2WO4〕またはその塩(以下、「オルトタングステン酸(塩)」と表記する)を特定の焼成温度で焼成する。これにより、高い光触媒活性を発現しうる酸化タングステンを生成させることができる。
焼成に供するオルトタングステン酸(塩)としては、オルトタングステン酸、オルトタングステン酸アンモニウム、オルトタングステン酸ナトリウム、オルトタングステン酸カリウム、オルトタングステン酸セシウム等が挙げられる。ただし、アルカリ金属の塩であると、アルカリ金属の残留による光触媒活性の低下が懸念される場合があるため、そのような懸念のないオルトタングステン酸やオルトタングステン酸アンモニウムが特に好ましい。焼成に供するオルトタングステン酸(塩)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
焼成に供するオルトタングステン酸(塩)の形状や形態は、特に制限されるものではない。例えば、最終的に得られる光触媒体に所望する形状(例えば、粒子状、繊維状、チューブ状、薄膜状等)に予め成形しておいたオルトタングステン酸(塩)成形物を焼成に供してもよい。
焼成温度は、430〜650℃とすることが重要である。焼成温度が430℃未満であると、たとえ酸化タングステン(WO3)に結晶転位しても、結晶性が不充分となるため、高い光触媒活性は得られない。一方、焼成温度が650℃を超えると、後述する洗浄による光触媒活性の向上効果が充分に得られなくなり、さらに、焼成温度が高すぎると、得られる酸化タングステンの表面積が低下するため、反応基質の吸着量が少なくなり、光触媒活性は不充分となる。好ましくは、焼成温度の下限は480℃以上であり、上限は550℃以下とするのがよい。なお、焼成時の昇温速度は、特に制限されないが、通常、100℃/時間以上が好ましく、200℃/時間以上がより好ましい。
オルトタングステン酸(塩)の焼成は、通常、気流焼成炉、トンネル炉、回転炉などの焼成装置を用いて行うことができる。焼成時間は、焼成温度や焼成装置の種類等に応じて適宜設定すればよいが、通常、10分以上、好ましくは30分以上であり、かつ、30時間以内、好ましくは10時間以内である。焼成は、空気、窒素、酸素、アルゴン等の雰囲気中で行うのが好ましい。
焼成により得られる酸化タングステンのBET比表面積は、特に制限されないが、4.0〜12.0m2/gであるのが好ましい。BET比表面積が4.0m2/g未満であると、反応基質の吸着量が少なくなり、高い光触媒活性が得られなくなるおそれがあり、一方、12.0m2/gを超えると、酸化タングステンの結晶性が低下して、高い光触媒活性が得られなくなるおそれがある。BET比表面積は、例えば、実施例で後述する窒素吸着法により測定することができる。なお、本発明の酸化タングステン光触媒体の製造方法においては、前記焼成後に、洗浄および必要に応じて乾燥等の処理が施されるが、焼成後に行うこれら処理は比表面積に大きな影響を及ぼすものではないので、焼成により得られる酸化タングステンのBET比表面積が前記範囲であれば、本発明の製造方法で最終的に得られる光触媒体のBET比表面積も前記とほぼ同様の範囲となる。
本発明の酸化タングステン光触媒体の製造方法においては、前記焼成後、得られた酸化タングステンを洗浄する。これにより、光触媒体の表面に付着している光触媒活性の阻害要因となる不純物は除去され、より高い光触媒活性を発現させることができる。
前記洗浄は、溶媒を用いて行う。溶媒としては、通常、水が好ましく用いられる。ただし、洗浄に用いる溶媒は、水に限定されるものではなく、各種水溶液や水と水系溶媒との混合溶媒などを用いて洗浄を行ってもよい。溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、洗浄は必要に応じて複数回行ってもよく、その場合、用いる溶媒を適宜変更することもできる。
酸化タングステンの洗浄は、例えば、焼成後の酸化タングステンが粒子状である場合には、酸化タングステンを溶媒に分散させ、所定時間(通常、5〜60分間程度)攪拌した後、固液分離により固形分を回収する方法で行うことができる。固液分離は、遠心分離、デカンテーション、濾過など通常の手段で行えばよい。このような溶媒への分散、攪拌および固液分離からなる操作で洗浄を行う場合、これら操作は、必要に応じて、複数回(通常、3回以上)繰り返して行うことが望ましい。また、焼成後の酸化タングステンが粒子状以外の成形体である場合には、例えば、酸化タングステン成形体の表面に溶媒を吹きつけて洗い流すようにしたり、溶媒中に酸化タングステン成形体を浸漬して超音波をかけるなどの洗浄方法を採用することができる。
洗浄に用いる溶媒の量(複数回の洗浄を行った場合には合計使用量)は、特に制限されないが、洗浄に供する酸化タングステンの重量に対して、10倍以上、好ましくは20倍以上であり、かつ200倍以下、好ましくは100倍以下とするのがよい。溶媒の量が10倍未満であると、不純物の除去が不充分となり、光触媒活性が低下するおそれがある。一方、溶媒の量が200倍を超えて使用しても、溶媒の増量に見合うだけの光触媒活性の向上効果は得られないので、コスト面で不利となる傾向がある。
上述したように、溶媒への分散、攪拌および固液分離からなる操作で洗浄を行う場合、洗浄に供する酸化タングステンには、あらかじめ粉砕を施しておくことが好ましい。粉砕は、水などの液体を加えることなく乾燥状態で粉砕する乾式粉砕であってもよいし、水などの液体を加えて湿潤状態で粉砕する湿式粉砕であってもよい。乾式粉砕により粉砕する場合には、例えば、転動ミル、振動ボールミル、遊星ミルなどのボールミル、ピンミルなどの高速回転粉砕機、媒体攪拌ミル、ジェットミルなどの粉砕装置を用いることができる。湿式粉砕により粉砕する場合には、例えば、上記と同様のボールミル、高速回転粉砕機、媒体攪拌ミルなどの粉砕装置を用いることができる。なお、粉砕は、必要に応じて、洗浄後もしくは後述する乾燥後に行ってもよい。
洗浄後の酸化タングステンには、必要に応じて、乾燥等を施すことができる。乾燥は、気流乾燥機、媒体流動乾燥機、静置乾燥機などで行えばよい。
以上のようにして製造された酸化タングステンからなる光触媒体は、実用光源である蛍光灯等の照射によって高い光触媒活性を示すので、屋内空間においても、反応基質に含まれる有害な有機物(例えば、大気中の悪臭物質、水中の有機溶剤、農薬、界面活性剤等)の分解除去を効率よく行うことができる。
本発明の製造方法で得られた酸化タングステン光触媒体を有機物の分解除去に適用する際には、そのまま用いることもできるが、必要に応じて、各種添加剤と混合したり、分散体(コーティング液)としたり、成形するなどして用いてもよい。
酸化タングステン光触媒体を各種添加剤と混合する場合、酸化タングステン光触媒体の吸着性や光触媒活性をさらに向上させうる添加剤を選択するのが好ましい。そのような添加剤としては、例えば、非晶質シリカ、シリカゾル、水ガラス、オルガノポリシロキサンのような珪素化合物、非晶質アルミナ、アルミナゾル、水酸化アルミニウムのようなアルミニウム化合物、ゼオライト、カオリナイトのようなアルミノ珪酸塩、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムのようなアルカリ土類金属(水)酸化物、リン酸カルシウム、モレキュラーシーブ、活性炭、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Tl、Ge、Sn、Pb、Bi、La、Ceのような金属元素の水酸化物や、これらの金属元素の酸化物、有機ポリシロキサン化合物の重縮合物、リン酸塩、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。これら添加剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸化タングステン光触媒体を分散体として用いる場合には、本発明の製造方法で得られた酸化タングステン光触媒体を水やアルコール等の有機溶媒中に分散させればよい。その際、酸化タングステン光触媒体の分散性を向上させる目的で、必要に応じて分散剤を添加することができる。さらに、塗膜にしたときの基材との密着性を向上させる目的で、必要に応じて公知の無機系バインダーや有機系バインダーを添加することもできる。このような分散体(コーティング液)は、例えば、壁、天井、窓ガラス、タイルなど、可視光線を多く含む蛍光灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、発光ダイオード、太陽光線等を照射可能な場所に塗布される。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における各物性の測定およびその光触媒活性の評価については、以下の方法で行った。
<結晶構造>
X線回折装置(リガク社製「RINT2000/PC」)を用いて試料のX線回折スペクトルを測定し、そのスペクトルから主成分の結晶構造を求めた。
<BET比表面積>
比表面積測定装置(湯浅アイオニクス社製「モノソーブ」)を用いて窒素吸着法により測定した。
<光触媒活性の評価>
光触媒活性は、蛍光灯の光の照射下でのアセトアルデヒドの分解反応における一次反応速度定数を測定することにより評価した。
まず、光触媒活性評価用の試料を作製した。すなわち、内径60mmのシャーレに光触媒体0.1gを入れ、水を少量加えてペースト状にした後、得られたペーストをシャーレ全体に均一となるように展開した。次いで、このシャーレを110℃の乾燥機で1時間乾燥させ、光触媒活性評価用試料を作製した。得られた試料は、ブラックライト(紫外線強度2mW/cm2:トプコン社製紫外線強度計「UVR−2」に同社製受光部「UD−36」を取り付けて測定)を16時間照射することにより初期化しておいた。
次に、この初期化した光触媒活性評価用試料をシャーレごと密閉式ガラス製容器(直径8cm、高さ10cm、容量約0.5L)内に設置した後、この容器内を酸素20容量%と窒素80容量%とからなる混合ガスで満たし、さらにその中にアセトアルデヒド13.4μmolを封入した。その後、この容器を暗所で1時間放置した後、容器の外から蛍光灯の光を照度6000ルクス(ミノルタ製照度計「T−10」で測定)で照射して、アセトアルデヒドの分解反応を行った。このとき、反応開始(蛍光灯による光照射の開始)から、容器内のアセトアルデヒド濃度を光音響マルチガスモニタ(INNOVA製「1312型」)で経時的に測定した。そして、照射時間に対するアセトアルデヒドの濃度から一次反応速度定数を算出し、これをアセトアルデヒド分解能として評価した。一次反応速度定数が大きいほど、アセトアルデヒドの分解能(換言すれば、光触媒活性)が高いと言える。
(実施例1)
オルトタングステン酸(日本無機化学工業(株)製「タングステン酸(H2WO4)」)を空気中で500℃にて1時間焼成した。このとき、昇温速度は200℃/時間とした。焼成後の粉末は、結晶型が酸化タングステン(WO3)であり、そのBET比表面積は8.5m2/gであった。
次に、焼成後の粉末(酸化タングステン)2.0gを水30gに分散させた後、遠心分離機にて上澄みを除去した。この操作(水に分散させ、上澄みを除去する操作)を合計5回繰り返し、酸化タングステンの洗浄を行った。その後、得られた粉末を70℃にて一晩(18時間)真空乾燥して、光触媒体を得た。
得られた光触媒体を用いて蛍光灯の光の照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行い、その光触媒活性を評価したところ、反応速度定数は0.0167min-1であった。
(実施例2)
焼成温度を600℃とした以外は実施例1と同様にしてオルトタングステン酸の焼成を行った。焼成後の粉末は、結晶型が酸化タングステン(WO3)であり、そのBET比表面積は5.2m2/gであった。
次に、焼成後の粉末(酸化タングステン)を実施例1と同様に、水で洗浄した後、真空乾燥して、光触媒体を得た。
得られた光触媒体を用いて蛍光灯の光の照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行い、その光触媒活性を評価したところ、反応速度定数は0.0145min-1であった。
(実施例3)
焼成温度を450℃とした以外は実施例1と同様にしてオルトタングステン酸の焼成を行った。焼成後の粉末は、結晶型が酸化タングステン(WO3)であり、そのBET比表面積は10m2/gであった。
次に、焼成後の粉末(酸化タングステン)を実施例1と同様に、水で洗浄した後、真空乾燥して、光触媒体を得た。
得られた光触媒体を用いて蛍光灯の光の照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行い、その光触媒活性を評価したところ、反応速度定数は0.0108min-1であった。
(比較例1)
焼成温度を400℃とした以外は実施例1と同様にしてオルトタングステン酸の焼成を行った。焼成後の粉末は、結晶型が酸化タングステン(WO3)であり、そのBET比表面積は14.0m2/gであった。
得られた焼成後の粉末を、水で洗浄することなく、光触媒体として用いて蛍光灯の光の照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行い、その光触媒活性を評価したところ、反応速度定数は0.0054min-1であった。
(比較例2)
実施例3と同様にして(すなわち、焼成温度450℃でオルトタングステン酸を焼成して)得た焼成後の粉末(酸化タングステン)を、水で洗浄することなく、光触媒体として用いて、蛍光灯の光の照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行い、その光触媒活性を評価したところ、反応速度定数は0.0092min-1であった。
(比較例3)
実施例1と同様にして(すなわち、焼成温度500℃でオルトタングステン酸を焼成して)得た焼成後の粉末(酸化タングステン)を、水で洗浄することなく、光触媒体として用いて、蛍光灯の光の照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行い、その光触媒活性を評価したところ、反応速度定数は0.0105min-1であった。
(比較例4)
実施例2と同様にして(すなわち、焼成温度600℃でオルトタングステン酸を焼成して)得た焼成後の粉末(酸化タングステン)を、水で洗浄することなく、光触媒体として用いて、蛍光灯の光の照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行い、その光触媒活性を評価したところ、反応速度定数は0.0098min-1であった。
(比較例5)
焼成温度を700℃とした以外は実施例1と同様にしてオルトタングステン酸の焼成を行った。焼成後の粉末は、結晶型が酸化タングステン(WO3)であり、そのBET比表面積は2.7m2/gであった。
得られた焼成後の粉末を、水で洗浄することなく、光触媒体として用いて蛍光灯の光の照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行い、その光触媒活性を評価したところ、反応速度定数は0.0082min-1であった。
(比較例6)
比較例1と同様にして(すなわち、焼成温度400℃でオルトタングステン酸を焼成して)得た焼成後の粉末(酸化タングステン)を用いた以外は、実施例1と同様に、水で洗浄した後、真空乾燥して、光触媒体を得た。
得られた光触媒体を用いて蛍光灯の光の照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行い、その光触媒活性を評価したところ、反応速度定数は0.0051min-1であった。
(比較例7)
比較例5と同様にして(すなわち、焼成温度700℃でオルトタングステン酸を焼成して)得た焼成後の粉末(酸化タングステン)を用いた以外は、実施例1と同様に、水で洗浄した後、真空乾燥して、光触媒体を得た。
得られた光触媒体を用いて蛍光灯の光の照射下でのアセトアルデヒドの分解反応を行い、その光触媒活性を評価したところ、反応速度定数は0.0082min-1であった。
実施例1〜3のように、430〜650℃で焼成した後、洗浄すると、高い光触媒活性が得られる。しかも、例えば、実施例1と比較例3と、もしくは実施例2と比較例4とを比較すると、前記特定温度で焼成した場合には、洗浄によって光触媒活性(反応速度定数)が概ね1.5倍〜1.6倍に向上することが分かる。また、実施例3と比較例2とを比較しても、洗浄による光触媒活性の向上効果が明らかに認められる。
これに対して、比較例1または6のように、430℃未満の温度で焼成した場合や、比較例5または7のように、650℃を超える温度で焼成した場合には、光触媒活性(反応速度定数)は非常に低くなり、しかも、洗浄による光触媒活性(反応速度定数)の向上効果も認められない。

Claims (2)

  1. オルトタングステン酸またはその塩を430〜650℃で焼成した後、得られた酸化タングステンを洗浄する、ことを特徴とする酸化タングステン光触媒体の製造方法。
  2. 前記洗浄は水を用いて行う、請求項1記載の酸化タングステン光触媒体の製造方法。
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