以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態を示す内視鏡洗浄消毒装置の斜視図、図2は、図1のトップカバーが開放され、洗浄消毒槽に内視鏡が収納自在な状態を示す内視鏡洗浄消毒装置の斜視図である。
同図に示すように、洗浄消毒装置1は、使用済みの内視鏡100を洗浄、消毒するための装置であり、装置本体2と、その上部に、例えば図示しない蝶番を介して開閉自在に接続された蓋体であるトップカバー3とにより、主要部が構成されている。
図1に示すように、トップカバー3が、装置本体2に閉じられている状態では、装置本体2とトップカバー3とは、装置本体2及びトップカバー3の互いに対向する位置に配設された、例えばラッチ8により固定される構成となっている。
装置本体2の操作者が近接する図中前面(以下、前面と称す)であって、例えば左半部の上部に、洗剤/アルコールトレー11が、装置本体2の前方へ引き出し自在に配設されている。
洗剤/アルコールトレー11には、内視鏡100を洗浄する際に用いられる液体である洗浄剤が貯留された洗剤タンク11aと、洗浄消毒後の内視鏡100を乾燥する際に用いられる液体であるアルコールが貯留されたアルコールタンク11bとが収納されており、洗剤/アルコールトレー11が引き出し自在なことにより、各タンク11a、11bに、所定に液体が補充できるようになっている。
尚、洗剤/アルコールトレー11には、2つの窓部11mが設けられており、該窓部11mにより、各タンク11a、11bに注入されている洗浄剤及びアルコールの残量が操作者によって確認できるようになっている。この洗浄剤は、図示しない給水フィルタにより濾過処理がされた水道水により所定の濃度に希釈される濃縮洗剤である。本実施の形態では、以下の説明において、前記洗浄剤と前記水道水との混合液を洗浄液という。
また、装置本体2の前面であって、例えば右半部の上部に、カセットトレー12が、装置本体2の前方へ引き出し自在に配設されている。カセットトレー12には、内視鏡100を消毒する際に用いる、液体である、例えば過酢酸等の消毒液が注入された薬液ボトル12aが収納されており、カセットトレー12が、引き出し自在なことにより、薬液ボトル12aを所定にセットできるようになっている。
さらに、装置本体2の前面であって、カセットトレー12の上部に、洗浄消毒時間の表示や、消毒液を加温するための指示釦等が配設されたサブ操作パネル13が配設されている。また、装置本体2の図中前面の下部に、装置本体2の上部に閉じられているトップカバー3を、操作者の踏み込み操作により、図2に示すように、装置本体2の上方に開くためのペダルスイッチ14が配設されている。
また、図2に示すように、装置本体2の上面の、例えば操作者が近接する前面側の両端寄りに、装置本体2の洗浄、消毒動作スタートスイッチ、及び洗浄、消毒モード選択スイッチ等の設定スイッチ類が配設されたメイン操作パネル25が設けられている。
また、装置本体2の上面であって、操作者が近接する前面に対向する背面側に、装置本体2に水道水を供給するための、後述する水道蛇口5(図3参照)に接続された後述する給水ホース31a(図3参照)が接続される給水ホース接続口31が配設されている。尚、給水ホース接続口31に、水道水を濾過するメッシュフィルタが配設されていてもよい。
さらに、装置本体2の上面の略中央部に、内視鏡収納口をトップカバー3によって開閉される、内視鏡100が収納自在な洗浄消毒槽4が設けられている。洗浄消毒槽4は、槽本体50と該槽本体50の内視鏡収納口の外周縁に連続して周設されたテラス部51とにより構成されている。
槽本体50は、使用後の内視鏡100が洗浄消毒される際、該内視鏡100が収納自在であり、槽本体50の槽内の面である底面50tには、槽本体50に供給された洗浄液、水、アルコール、消毒液等を槽本体50から排水するとともに、後述する給水循環ノズル24から槽本体50に再度上記液体を供給するための第1の排水口55が設けられている。
また、槽本体50の槽内の面である周状の側面50sの任意の位置に、槽本体50に供給された洗浄液、水、消毒液等を、後述する接続チューブ75(図3参照)を介して内視鏡100の内部に具備された各管路に供給する循環口56が設けられている。尚、循環口56には、洗浄液等を濾過するメッシュフィルタが設けられていても良い。
尚、上述した循環口56は、槽本体50の底面50tに設けられていてもよい。循環口56が槽本体50の底面50tに設けられていれば、内視鏡100の各管路への、洗浄液、水、消毒液等の供給タイミングを早めることができる。さらに、ユーザが循環口56に設けられたメッシュフィルタ等を交換するに際し、底面に設けられていると、操作者がアプローチしやすくなるといった利点がある。
洗浄消毒槽4の槽本体50には、さらに、図示しない超音波振動子と、ヒータとが配設されており、槽本体50の底面50tの略中央部に、洗浄ケース6が配設されている。この超音波振動子は、洗浄消毒槽4に貯留される洗浄水、或いは水道水に振動を与えて、内視鏡100の外表面を超音波洗浄、或いは濯ぐものである。また、ヒータは、洗浄消毒槽4内に貯留される洗浄液、水道水等を所定の温度に加温するためのものである。
洗浄ケース6には、内視鏡100の各スコープスイッチ等のボタン類等、内視鏡100に併設されている取り外し可能な部品が収容される。その結果、各ボタン類及び取り外した部品は、内視鏡100と一緒に洗浄、消毒される。
槽本体50の側面50sの任意の位置に、槽本体50に供給された洗浄液、水、消毒液等の水位を検出するカバー付き水位センサ32が設けられている。
テラス部51のテラス面51t以外の面、即ち槽本体50の底面50tと平行な面に、槽本体50に対し、洗剤タンク11aから、図示しない洗剤用ポンプにより、水道水により所定の濃度に希釈される洗浄剤を供給するための洗剤ノズル22及び、後述する薬液タンク58(図3参照)から、後述する薬液ポンプ65(図3参照)により、消毒液を供給するための消毒液ノズル23が配設されている。
さらに、テラス部51の槽本体50の底面50tと平行な面に、槽本体50に対し、給水するための、または槽本体50の第1の排水口55から吸引した洗浄液、水、消毒液等を、再度槽本体50に供給するための給水循環ノズル24が配設されている。尚、洗剤ノズル22、消毒液ノズル23及び給水循環ノズル24は、テラス面51tに配設されていても良い。
また、テラス部51のテラス面51tの操作者近接位置4kに対向する側の面51fに、内視鏡100の内部に具備された管路に、洗浄液、水、アルコール、消毒液、またはエア等を供給するための複数、ここでは2つの送気送水/鉗子口用ポート33と、鉗子起上用ポート34と、漏水検知用ポート35とが配設されている。
次に、図3〜図5に基づいて、本実施の形態の洗浄消毒装置1の内部構成の概略について説明する。図3は、図1の内視鏡洗浄消毒装置の内部構成の概略を示す図、図4は、図3の三方弁の内部構成を拡大して示す部分断面図、図5は、図4の三方弁に接続されたドレイン管路に介装されたチェックバルブから吸気を行い、三方弁内の残液を、ドレイン管路を介して排出する様子を示す部分断面図である。
尚、以下に示す説明においては、主要部以外の構成は、周知であることから省略して説明する。
図3に示すように、洗浄消毒装置1は、給水ホース接続口31に給水ホース31aの一端が接続され、この給水ホース31aの他端が外部の水道蛇口5に接続されることにより、水道水が供給される構成を有している。
給水ホース接続口31は、複数の管路を構成する給水管路9aの一端と連通している。この給水管路9aは、他端が可変部材である電磁弁から構成された切換ブロック10に接続されており、給水管路9aの中途位置において、逆止弁が介装されている。
切換ブロック10には、給水循環ノズル24に連通する複数の管路を構成する給水管路9bと、複数の管路を構成する液体管路18の一端とが接続されている。切換ブロック10は、一の管路である給水管路9bに対する他の管路である給水管路9aと他の管路である液体管路18との連通を、図示しない内部の弁によって切り換えるものである。
つまり、給水管路9bは、切換ブロック10の切り換え動作により、給水管路9aと液体管路18とのいずれか一方と連通する。よって、切換ブロック10は、洗浄消毒槽4に対する、給水管路9aを介した水道水と液体管路18を介した液体Mとの供給を切り換えるものである。尚、液体Mは、水道水、消毒液、洗浄液、アルコール等から構成されている。また、給水管路9bと液体管路18とは、洗浄消毒槽4に対して液体Mを循環させる循環管路を構成している。
また、切換ブロック10は、内部の弁を保持するハウジングを具備している。尚、ハウジングは、液体Mが貯留されやすい部位となっている。これは、給水管路9bに対する給水管路9aと液体管路18との連通を切り換える際に、切換ブロック10のハウジングに、残液Zが貯留されやすいためである。さらに、切換ブロック10に、該切換ブロック10のハウジングに貯留された液体Mの残液Zを排出する複数の管路を構成する第2の排出管路であるドレイン管路44の一端が接続されている。
ドレイン管路44の中途位置であって、切換ブロック10の近傍に、切換ブロック10のハウジングに貯留された液体Mの残液Zの排出を吸気により促進する逆止弁であるチェックバルブ61が設けられている。
洗浄消毒槽4に配設された循環口56は、複数の管路を構成するチャンネル管路21の一端に接続されている。チャンネル管路21の中途位置に、チャンネルポンプ26が介装されており、チャンネル管路21の他端は、各送気送水/鉗子口用ポート33に連通している(尚、図3においては、各送気送水/鉗子口用ポート33は1つのみ図示している)。また、図示しないが、チャンネル管路21の他端は、上述した鉗子起上用ポート34にも連通している。
このことにより、循環口56から排出された洗浄消毒槽4内の液体Mは、チャンネルポンプ26の駆動後、チャンネル管路21により、ポート33、34に接続された接続チューブ75を介して、内視鏡100内の各管路に供給されるようになっている。
また、チャンネル管路21には、図示しないが、アルコールタンク11b内のアルコールを供給する管路等が接続されている。
洗浄消毒槽4の第1の排水口55には、弁の切り換え動作により、洗浄消毒槽4の外部へ液体Mを排出するための開閉自在な切換弁57が配設されている。
切換弁57には、複数の管路を構成する液体管路20の一端が接続されている。尚、液体管路20は、循環管路を構成しているとともに、洗浄消毒槽4内及び循環管路内の液体Mを、装置本体2外へと排出する第1の排出管路を構成している。
液体管路20の他端は、図4に示すように、例えば三方ボール弁から構成された可変部材を構成する弁体である三方弁151に接続されている。三方弁151には、薬液タンク58に連通する複数の管路を構成する薬液回収管路69と、複数の管路を構成する液体管路19の一端とが接続されており、一の管路である液体管路20に対する他の管路である薬液回収管路69と他の管路である液体管路19との連通を、内部のモータ78により切換自在なボール弁77によって切り換えるものである。
つまり、液体管路20は、三方弁151の切り換え動作により、薬液回収管路69と液体管路19とのいずれか一方と連通する。よって、三方弁151は、洗浄消毒槽4から液体管路20を介して排出された消毒液Sを、薬液タンク58内に回収するか、装置本体2外に排出するかを切り換える弁である。尚、液体管路19は、循環管路及び第1の排出管路を構成している。
また、三方弁151は、図4に示すように、内部のボール弁77を保持するハウジング151hを具備しており、該ハウジング151hとボール弁77との間の隙間79は、液体Mが貯留されやすい部位となっている。これは、液体管路20に対し、液体管路19と薬液回収管路69との連通を切り換える際に、ハウジング151hの隙間79に、残液Zが貯留されやすいためである。
さらに、三方弁151に、該三方弁151の隙間79に貯留された液体Mの残液Zを排出する複数の管路を構成する第2の排出管路であるドレイン管路46の一端が接続されている。
図4に示すように、ドレイン管路46の中途位置であって、三方弁151の近傍に、三方弁151の隙間79に貯留された液体Mの残液Zの排出を吸気により促進する逆止弁であるチェックバルブ63が設けられている。
ここで、ボール弁77により、液体管路20に対して液体管路19と薬液回収管路69とのいずれかが連通している際には、三方弁151内にエアEが吸引し難くなることから、三方弁151内及びドレイン管路46内が真空状態となり、隙間79の残液を、後述する排出ブロック120の吸引及び残液Zの自重により、ドレイン管路46を介して排出し難くなっている。
しかしながら、ドレイン管路46の中途位置にチェックバルブ63が設けられていることにより、液体管路20に対して液体管路19と薬液回収管路69とのいずれかが連通していたとしても、ドレイン管路46を介して残液Zを排出する際、図5に示すように、ドレイン管路46内にエアEを導入することが可能となることから、隙間79内の残液Zは、後述する排出ブロック120の吸引及び残液Zの自重により、ドレイン管路46を介して排出しやすくなる。
尚、チェックバルブ63は、図5の点線に示すように、三方弁151の隙間79に連通するよう設けられていても構わない。
薬液タンク58は、薬液ボトル12aからの消毒液が供給されるように、薬液ボトル12aに一端が接続された図示しない管路の他端が接続されている。また、薬液タンク58内に、複数の管路を構成する薬液管路64の一端の吸い込み口64kが開口されており、薬液管路64の他端は、消毒液ノズル23に接続されている。また、薬液管路64の中途位置に、薬液タンク58内の消毒液Sを、消毒液ノズル23へと持ち上げる用の薬液ポンプ65が介装されている。
液体管路19の他端は、例えば三方ボール弁から構成された可変部材を構成する弁体である三方弁152に接続されている。また、液体管路19の中途位置に、排出ポンプ60が介装されている。
三方弁152には、図4に示すように、複数の管路を構成する排出管路59aの一端と、液体管路18の他端とが接続されており、一の管路である液体管路19に対する他の管路である排出管路59aと他の管路である液体管路18との連通を、内部のボール弁77によって切り換えるものである。尚、三方弁152は、上述した三方弁151と同様の構成を有している。
つまり、液体管路19は、三方弁152の切り換え動作により、排出管路59aと液体管路18とのいずれか一方と連通する。よって、三方弁152は、洗浄消毒槽4から液体管路20、19を介して排出された液体Mを、排出管路59aを介して装置本体2外に排出するか、液体管路18を介して、給水循環ノズル24から再度洗浄消毒槽4に供給するかを切り換える弁である。尚、排出管路59aは、第1の排出管路を構成している。
また、三方弁152は、三方弁151同様、内部のボール弁77を保持するハウジング152hを具備しており、該ハウジング152hとボール弁77との隙間79は、液体Mが貯留されやすい部位となっている。これは、液体管路19に対し、液体管路18と排出管路59aとの連通を切り換える際に、ハウジング152hの隙間79に、残液Zが貯留されやすいためである。
さらに、三方弁152に、該三方弁152の隙間79に貯留された液体Mの残液を排出する複数の管路を構成する第2の排出管路であるドレイン管路45の一端が接続されている。
ドレイン管路45の中途位置であって、三方弁152の近傍に、三方弁152の隙間79に貯留された液体Mの残液Zの排出を吸気により促進する逆止弁であるチェックバルブ62が設けられている。
ここで、ボール弁77により、液体管路19に対して液体管路18と排出管路59aとのいずれかが連通している際には、三方弁152内にエアEが吸引し難くなることから、三方弁152内及びドレイン管路45内が真空状態となり、隙間79の残液Zを、後述する排出ブロック120の吸引及び残液Zの自重により、ドレイン管路45を介して排出し難くなっている。
しかしながら、図5に示すように、ドレイン管路45の中途位置にチェックバルブ62が設けられていることにより、液体管路19に対して液体管路18と排出管路59aとのいずれかが連通していたとしても、ドレイン管路45を介して残液Zを排出する際、ドレイン管路45内にエアEを導入することが可能となることから、隙間79内の残液Zは、後述する排出ブロック120の吸引及び残液Zの自重により、ドレイン管路45を介して排出しやすくなる。
尚、チェックバルブ62は、三方弁152であっても、図5の点線に示すように、隙間79に連通するよう設けられていても構わない。
排出管路59aの中途位置であって、装置本体2の高さ方向の最下部に、吸引部材である排出ブロック120が介装されており、該排出ブロック120に、各ドレイン管路44、45、46の他端が接続されている。尚、以下、図6〜図8を用いて吸引部材120の構成について説明する。
図6は、図3の排出ブロックを拡大して示す部分断面図、図7は、図6の排出ブロックの第3の空間を、逆流防止部材とともに上方側からみて示す図、図8は、図6の逆流防止部材が排出ブロックの第2の空間を塞いでいる状態を示す部分断面図である。
図6に示すように、排出ブロック120は、ハウジング部120hを具備しており、該ハウジング部120hは、第1の空間121r1、第2の空間121r2、第3の空間121r3、第4の空間121r4、第5の空間121r5を有している。
詳しくは、第1の空間121r1に、3本のドレイン管路44〜46の他端が接続されており、第1の空間121r1の高さ方向の底部側には、連通空間である第2の空間121r2を介して、第3の空間121r3が形成されている。
第3の空間121r3の高さ方向底部側の第5の空間121r5に、排出管路59aの他端が接続されており、第2の空間121r5の排出方向Hの先端側には、第2の空間121r5の流路を絞る絞り部122が形成されている。即ち、第2の空間121r5は、アスピレータ形状を有している。
絞り部122は、排出ポンプ60を駆動して、洗浄消毒槽4内の液体Mを、第1の排出管路を構成する液体管路20、19、排出管路59a、後述する排出管路59bを介して、装置本体2外に排出する際、各第1の排出管路内の流路に負圧を生じさせて、洗浄消毒槽4内及び各管路20、19、59a内の液体Mを吸引するために形成されたものである。
排出ブロック120において、第5の空間121r5の排出方向Hの先端側、即ち、流出側に、第5の空間121r5に連通する第4の空間121r4が形成されており、第4の空間に、複数の管路及び第1の排出管路を構成する排出管路59bが接続されている。
第4の空間121r4の高さ方向上部に、該第4の空間121r4に連通する第3の空間121r3が形成されている。このことにより、排出ポンプ60駆動後、絞り部122によって生じた負圧により、切換ブロック10及び各三方弁151、152内の残液Zは、各ドレイン管路44〜46内、第1の空間121r1〜第3の空間121r3を介して、第4の空間121r4に吸引され、その後、排出管路59bから排出される。
尚、排出ブロック120を設けない場合、即ち、各ドレイン管路44〜46が、単に第1の排出管路19、20、59a、59bに接続されている場合は、切換ブロック10及び各三方弁151、152内の残液Zは、該残液Zの自重のみで排出されるため、残液Zが確実に排出されるとは限らないが、本実施の形態においては、排出ブロック120により吸引することから、切換ブロック10及び各三方弁151、152内の残液Zは、各ドレイン管路44〜46を介して確実に排出される構成となっている。
第3の空間121r3の底部には、高さ方向上方に延出する、図7に示すように、例えば4本の爪部123が形成されており、該4本の爪部123に、逆流防止部材であるボール124が載置されている。よって、ボール124と、第3の空間121r3の底部との間には、第2の空間121r2からの残液Zが、第4の空間121r4に流れるよう、隙間125が形成されている。
ボール124は、第2の空間121r2の流路よりも大径に形成されている。これは、図8に示すように、第1の排出管路において、排出ブロック120よりも流出側に設けられた排出管路59bの流路が、例えば異物200によって塞がれてしまった際、洗浄消毒槽4から排出された液体Mが、第3の空間121r3内に逆流してしまい、第2の空間121r2、第1の空間121r1を介して、各ドレイン管路44〜46内に逆流してしまうことを、第3の空間121r3における逆流により、ボール124が爪部123から持ち上げられ、第2の空間121r2を塞ぐことによって防止するためである。
次に、以上のように構成された本実施の形態の作用について説明する。
尚、洗浄消毒装置1の作用は、濯ぎ後の水切り工程の作用を例に挙げて説明する。尚、その他の装置本体2内の各管路内の洗浄消毒する際の作用や、内視鏡100の外表面及び内視鏡100が具備する内視鏡管路内を洗浄消毒する際の作用は、周知であるため、その説明は省略する。
先ず、ユーザにより、メイン操作パネル25の所定のボタン操作がなされると、水抜き工程が実行される。
具体的には、先ず、切換ブロック10によって、液体管路18と給水管路9bとが連通するよう切り換えられ、三方弁151により、液体管路20と液体管路19とが連通するよう切り換えられ、さらに、三方弁152により、液体管路19と排出管路59aとが連通するよう切り換えられた後、切換弁57が開成され、排出ポンプ60が駆動される。
その結果、洗浄消毒槽4内の濯ぎ水は、液体管路20、19、排出管路59a、排出ブロック120の第5の空間121r5、第4の空間121r4を介して、排出管路59bから装置本体2外に排出される。
この際、排出ブロック120の第4の空間121r4に、上述した絞り部122が形成されていることから、絞り部122により、第1の排出管路20、19、59a、59b内の流路に負圧を生じさせて、該負圧を用いて、洗浄消毒槽4及び各管路20、19、59a内の濯ぎ水が吸引されることにより、各管路内に濯ぎ水が残液することなく、濯ぎ水は、排出管路59bから確実に排出される。
また、上述したように、切換ブロック10、三方弁151、152内には、濯ぎ水の残液Zが貯留しやすくなっているが、各ドレイン管路44〜46に、吸気用のチェックバルブ61〜63が介装されているとともに、各ドレイン管路44〜46の他端は、排出ブロック120の第1の空間121r1〜第3の空間121r3を介して、第5の空間121r5の絞り部122によりも流出側に設けられた第4の空間121r4に連通していることにより、切換ブロック10、三方弁151、152内の残液Zは、各チェックバルブ61〜63からの吸気による残液Zの自重及び絞り部122による負圧により、各ドレイン管路44〜46を介して、確実に、排出ブロック120に吸引され、排出管路59bから排出される。
尚、この濯ぎ水の水抜きにおいて、図8に示すように、仮に、排出管路59bの流路が異物200により塞がれてしまったとしても、洗浄消毒槽4から、各管路20、19、59a、排出ブロック120の各空間121r5、121r4を介して排出された濯ぎ水は、第3の空間121r3には逆流するが、該逆流により、ボール124が、第2の空間121r2の流路を塞ぐため、各ドレイン管路44〜46に逆流してしまうことがない。
洗浄消毒槽4及び第1の排出管路20、19、59a内の濯ぎ水を排出した後、三方弁152のボール弁77を、液体管路18と排出管路59aとが連通するよう切り換える。その結果、給水管路9b、液体管路18内の濯ぎ水は、自重及び排出ブロック120の吸引により、排出管路59a、59bを介して、確実に装置本体2外に排出される。
尚、以上のことは、濯ぎ水に限らず、洗浄液、消毒液を排出する場合であっても同様である。
このように、本実施の形態においては、第1の排出管路20、19、59a、59bの中途位置において、排出ポンプ60よりも流出側に排出ブロック120を設け、該排出ブロック120内に形成された第1の排出管路の流路を絞る絞り部122による負圧によって、洗浄消毒槽4、及び各管路18、9b、20、19、59a内の液体Mを確実に吸引して排出するとともに、排出ブロック120に接続された各ドレイン管路44〜46を介して、切換ブロック10及び三方弁151、152内の液体Mの残液Zを確実に吸引して排出すると示した。
また、本実施の形態においては、各ドレイン管路44〜46の中途位置に、それぞれチェックバルブ61〜63を設けると示した。
このことによれば、排出ブロック120の絞り部122による負圧により、排出ポンプ60を通常よりも長く駆動したり、水切り工程後、各管路内にエアを送気したりしなくとも、確実に、残液なく、各管路18、9b、20、19、59a、洗浄消毒槽4、切換ブロック10、三方弁151、152からなる排出対象部材内の液体Mを装置本体2外に排出することができる。
また、切換ブロック10、三方弁151、152により、各管路が連通し、密閉状態となっている場合であっても、各チェックバルブ61〜63によって吸気を行うことができることから、切換ブロック10、三方弁151、152内の残液Zを、より確実に、排出ブロック120によって吸引することができる。
さらに、本実施の形態においては、排出ブロック120の第3の空間121r3内に設けられたボール124は、第2の空間121r2の流路径よりも大径に形成されているため、排出管路59bに異物200が詰まり、液体Mが逆流した際、ボール124が、第2の空間121r2の流路を塞ぐことから、逆流した液体Mが、各ドレイン管路44〜46に逆流してしまうことがない。
以上から、排出対象部材内の液体Mを、短時間で確実に除去することができる構成を具備する洗浄消毒装置1を提供することができる。
尚、本実施の形態においては、液体Mが残液されやすい可変部材として、三方弁151、152、切換ブロック10を例に挙げて示したが、液体Mは、排出ポンプ60にも残液しやすい。よって、排出ポンプ60から排出ブロック120に繋がるドレイン管路を別途設け、排出ポンプ60の残液を、排出ブロック120から吸引しても良いことは勿論である。また、この場合であっても、ドレイン管路に、チェックバルブが設けられているとよい。
また、以下、別の変形例を、図22を用いて示す。図22は、図1の内視鏡洗浄消毒装置の内部構成の変形例の概略を示す図である。
本実施の形態においては、洗浄消毒槽4の第1の排水口から排出された液体は、第1の排出管路20、19、59a、59bを介して装置本体2外に排出されるか、循環管路、20、19、18、9bを介して再度、洗浄消毒槽4に供給されると示した。即ち、液体管路20、液体管路19は、三方弁ユニット151、152により、第1の排出管路と循環管路とを兼ねていると示した。
これに限らず、装置本体2内において、第1の排出管路と循環管路とが別々に設けられていても構わない。詳しくは、図22に示すように、本構成においては、切換弁57は、三方切換弁から構成されており、切換弁57には、薬液回収管路69と、排出管路59aと、循環管路180との各一端が接続されている。
薬液回収管路69の他端は、薬液タンク58に開口している。よって、切換弁57が薬液回収管路69に連通するように切換られると、洗浄消毒槽中の消毒液Sは、薬液回収管路を介して、薬液タンク58に回収される。
また、排出管路59aの他端は、上述した排出ブロック120に接続されている。尚、排出管路59aの中途位置には、上述した排出ポンプ60が介装されている。よって、よって、切換弁57が排出管路59aに連通するように切換られた後、排出ポンプ60が駆動されると、洗浄消毒槽4中の液体Mは、排出管路59a、排出ブロック120、排出管路59bを介して、装置本体2外に排出される。
また、循環管路180の他端は、切換ブロック10に接続されており、循環管路180の中途位置には、循環用ポンプ160が介装されている。よって、切換弁57が循環管路180に連通するように切換られた後、循環用ポンプ160が駆動されると、洗浄消毒槽4中の液体Mは、循環管路180、切換ブロック10、給水管路9bを介して、給水循環ノズル24から再度洗浄消毒槽4に供給される。
尚、その他の構成は、上述した図3に示した構成と同様であるため、その説明は省略する。
このような、図22に示した構成であっても、排出ブロック120の絞り部122による負圧により、排出ポンプ60を通常よりも長く駆動したり、水切り工程後、各管路内にエアを送気したりしなくとも、確実に、残液なく、各管路59a内の液体Mを装置本体2外に排出することができる。
また、排出ブロック120の絞り部122による負圧により、確実に、切換ブロック10内の液体Mを、ドレイン管路44を介して装置本体2外に排出することができる。尚、その他の効果は、上述した実施の形態と同様である。
図9は、洗浄消毒槽から液体の排出が終了したことを検知する従来の液体検出センサが洗浄消毒槽に連通する液体管路に設けられた状態を概略的に示す図、図10は、図9の液体検出センサにより、洗浄消毒槽から液体の排出が終了したことを検知した状態を示す図である。
ところで、従来、洗浄消毒装置1において、洗浄消毒槽4からの洗浄液、消毒液、濯ぎ水等の液体Mの排出を検知する方法としては、洗浄消毒槽4に、異なる高さの液面を検知する2つ以上の液面検知器を設け、該液面検知器によって第1の液面を検知した後、該第1の液面よりも低い第2の液面を検知するまでの時間差を、洗浄消毒装置1の図示しない制御部がカウントすることによって排液予測時間を推定することにより、洗浄消毒槽4からの液体Mの排出を検知する手法が周知である。
しかしながら、この手法では、制御部に排液予測時間をカウントするソフトを組み込まなければならないことから、洗浄消毒槽4からの液体Mの排出の検知に複雑な制御を要するといった問題があった。
また、図9に示すように、洗浄消毒槽4に連通する上述した液体管路20に、静電容量式の液体検出センサ90を設け、図10に示すように、液体Mの水位が液体検出センサ90よりも下がったときに、液体検出センサ90が液体Mに非接触で水位の変化を検知することにより、洗浄消毒槽4からの液体Mの排出を検知する手法も周知である。
さらに、液体管路20を透明部材から構成するとともに、液体管路20に光検知センサを設け、液体Mが液体管路20を流れる際の、光検知センサによる液体管路20からの光の反射を利用して、洗浄消毒槽4からの液体Mの排出を検知する手法も周知である。
しかしながら、これらの手法では、高価な液体検出センサ90や光検知センサを別途用いることから、洗浄消毒装置1が高コストになってしまう他、各センサは、液体Mに対して非接触であることから、液体管路20に対する液体検出センサ90や光検知センサの取り付け位置に制約が多くなってしまうといった問題があった。
よって、以上から、精度良く、洗浄消毒槽4からの液体Mの排出完了を、安価かつ容易に検知することができる内視鏡洗浄消毒装置が望まれていた。
以下、このような問題を解決するための構成を、図11〜図21を用いて示す。図11は、洗浄消毒槽から液体の排出が終了したことを検知する2つの電極が洗浄消毒槽に連通する液体管路に設けられた状態を概略的に示す図、図12は、図11の液体管路において、洗浄消毒槽から排出された液体が第1の電極よりも低水位まで排出され、第1の電極と第2の電極とが非導通となった状態を示す図、図13は、図11の2つの電極を用いた、洗浄消毒槽からの液体の排出検知方法を示す回路図である。
また、図14は、2つの電極を液体管路において同じ側に設けた、従来の電極の配置状態を示す図、図15は、2つの電極を液体管路において高さ方向に近接して設けた、従来の電極の配置状態を示す図、図16は、2つの電極を液体管路において高さ方向に互いに離間するとともに上方から見た状態で重畳するよう設けた、従来の電極の配置状態を示す図、図17は、図16を、XVII方向からみた液体管路及び電極を示す図である。
さらに、図18は、2つの電極を液体管路において、同じ高さにおいて所定距離離間するよう設けた変形例を示す図、図19は、2つの電極を液体管路において、所定の高さ離間するとともに、異なる側に設けた変形例を示す図、図20は、2つの電極を液体管路において、同じ高さにおいて上方から見た状態で所定の距離離間するよう設けた変形例を示す図、図21は、図20の液体管路及び電極の上面図である。
図11に示すように、洗浄消毒槽4に連通する液体管路20において、第1の電極91が一方側20iに設けられているとともに、第2の電極92が、第1の電極91に接触することなく、第1の電極91よりも高さ方向下方において、具体的には、図19に示すように、高さA1=2cm以上離間する下方において、上方からみた状態で第1の電極91と平面視した状態で重ならないよう、他方側20tに設けられている。
第1の電極91及び第2の電極92は、消毒液や洗浄液に対して耐液性のある導電部材、例えばステンレスから構成されており、図13に示すように、第1の電極91は、GNDに接続されており、第2の電極92は、比較器95に接続されている。尚、比較器95には、基準電圧(Vref)が入力されるようになっている。
このような構成を用いれば、洗浄消毒槽4から液体管路20を介して液体Mの排液を開始すると、液体Mが液体管路20を流れることにより、図11に示すように、第1の電極91と第2の電極92とは、液体Mを介して導通する。この際、比較器95には、液体Mの抵抗分、基準電圧(Vref)よりも低い電圧(Vin)が入力される(Vin <Vref)。このことにより、洗浄消毒装置1の制御部は、比較器95からの出力から、洗浄消毒槽4から液体Mが排出し始めたことを検知する。
その後、洗浄消毒槽4からの液体Mの排出が終わると、図12に示すように、液体管路20において、液体Mの水位が、第1の電極91よりも低くなると、第1の電極91と第2の電極92とは非導通状態となる。この際、比較器95には、基準電圧(Vref)よりも高い電圧(Vin)が入力される(Vin >Vref)。このことにより、洗浄消毒装置1の制御部は、比較器95からの出力から、洗浄消毒槽4からの液体Mの排出が終了したことを検知する。
尚、液体管路20において、第1の電極91が一方側20iに設けられているとともに、第2の電極92が、第1の電極91に接触することなく、第1の電極91よりも高さ方向下方において、具体的には、図19に示すように、所定高さA1、例えばA1=2cm以上離間する下方において、上方からみた状態で第1の電極91と平面視した状態で重ならないよう、他方側20tに設けられているのは、図14に示すように、第1の電極91と第2の電極92とが、同じ側、例えば一方側20iに設けられていると、液体管路20において、液体Mが、第2の電極92よりも低水位まで排出されたとしても、一方側20iの側面を伝う残流Pによって、第1の電極91と第2の電極92とが導通してしまい、洗浄消毒槽4からの排液が完了しているにも関わらず、未排液であると、制御部が誤検知してしまう場合があるためである。
また、図15に示すように、第1の電極91と第2の電極92とが異なる側に設けられていたとしても、高さ方向において、第1の電極91と第2の電極92とを、例えば2cm以内に近接して設けると、矢張り、液体管路20において、液体Mが、第2の電極92よりも低水位まで排出されたとしても、第1の電極91及び第2の電極92の各対向面における表面張力による残流Pによって、第1の電極91と第2の電極92とが導通してしまい、洗浄消毒槽4からの排液が完了しているにも関わらず、未排液であると、制御部が誤検知してしまう場合があるためである。
さらに、図16に示すように、第1の電極91と第2の電極92とが異なる側に設けられており、高さ方向に離間して設けられていたとしても、図16、図17に示すように、上方から見た状態で、第1の電極91と第2の電極92とが重畳していると、液体管路20を液体Mが流れている最中に、本来であれば、第1の電極91と第2の電極92とが導通しなくてはならないはずが、第1の電極91が第2の電極92の傘となってしまい、第1の電極91に当たった液体Mが飛散し、第1の電極91と第2の電極92とが非導通となった結果、洗浄消毒槽4から排液中であるにも関わらず、排液が完了したものと、制御部が誤検知してしまう場合があるためである。
尚、図18に示すように、液体管路20に対し、第1の電極91と第2の電極92とが同じ高さに設けられていたとしても、第1の電極91と第2の電極92とが異なる側に設けられており、第1の電極91と第2の電極92とが、一方側20iと他方側20tとを結ぶ方向Vにおいて、所定距離A2、例えばA2=1cm以上離間して設けられておれば、液体Mが各電極91よりも低水位まで排出された際、残流Pにより、各電極91、92間を導通させてしまうことがない。
また、図20、図21に示すように、液体管路20に対し、第1の電極91と第2の電極92とが同じ高さに設けられており、一方側20iと他方側20tとを結ぶ方向Vにおいて近接して設けられていたとしても、第1の電極91と第2の電極92とが異なる側に設けられており、上方からみた状態で、高さ方向及び方向Vに直交する方向Kに所定距離、例えば1cm以上離間して設けられておれば、液体Mが各電極91よりも低水位まで排出された際、残流Pにより、各電極91、92間を導通させてしまうことがない。
以上、図11、図18〜図21に示したように、液体管路20に2つの電極91、92が設けられていれば、各電極91、92は、液体Mと接触することから、従来と比べ、配置位置を工夫するのみで、液体管路20に対する2つの電極91、92の取り付け位置の制限が少なくなるため、汎用性が高まる。
また、ステンレス等の導電性部材からなる電極により、洗浄消毒槽4からの排出完了の検知を行うことから、検知に、高価な液体検出センサや光検知センサを別途用いる必要がないため、安価に、洗浄消毒槽4からの液体Mの排出検知を行うことができる。
さらに、2つの電極91、92を用いて、液体管路20内において、直接液体Mを検知することにより、高精度な液体Mの排出検知が可能となるとともに、排出時間のカウント等を行う必要がなくなることから、制御部に、排液予測時間をカウントするソフトを組み込む必要がなくなる。
以上から、精度良く、洗浄消毒槽4からの液体Mの排出完了を、安価かつ容易に検知することができる内視鏡洗浄消毒装置を提供することができる。