JP5013714B2 - 電動圧縮機 - Google Patents

電動圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP5013714B2
JP5013714B2 JP2006000568A JP2006000568A JP5013714B2 JP 5013714 B2 JP5013714 B2 JP 5013714B2 JP 2006000568 A JP2006000568 A JP 2006000568A JP 2006000568 A JP2006000568 A JP 2006000568A JP 5013714 B2 JP5013714 B2 JP 5013714B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casing
sealing member
drive casing
drive
lead wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006000568A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006250145A (ja
Inventor
昌彦 尾坂
芳隆 小板橋
昌宏 松島
茂幸 小山
和彦 亀山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanden Holdings Corp
Original Assignee
Sanden Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanden Corp filed Critical Sanden Corp
Priority to JP2006000568A priority Critical patent/JP5013714B2/ja
Publication of JP2006250145A publication Critical patent/JP2006250145A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5013714B2 publication Critical patent/JP5013714B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、電動圧縮機に係り、詳しくは、車両の空調システムの冷凍回路等に組み込まれて好適な電動圧縮機に関する。
この種の圧縮機は駆動部と圧縮部とから構成され、この圧縮部には冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施する圧縮ユニットが備えられている。
例えばスクロール型圧縮機では、互いに噛み合うような固定スクロール及び可動スクロールを備えており、可動スクロールが固定スクロールに対して旋回運動する。これにより、各スクロールで形成される空間の容積が減少し、上記一連のプロセスが行われる。一方、このユニットは回転軸によって駆動され、回転軸はモータを通電することにより駆動される。これら回転軸やモータは上記駆動部に設けられている。
ここで、上記モータは圧縮機の外部に配設された駆動回路とリード線を介して電気的に接続されており、モータに電力を供給するためにはリード線の絶縁対策が必須となる。このため、圧縮機のハウジングの内部に絶縁性樹脂を充填することによりハウジングとリード線との絶縁距離を確保する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
また、このリード線は密封端子を介して駆動回路に接続されるが、ハウジングの内圧が高くなると、密封端子を設けた部分から冷媒がハウジング外に漏洩するとの懸念がある。そこで、このリード線と密封端子とのシールに関し、導電部である金属体に樹脂材を嵌合させ、加圧による樹脂材の塑性変形を利用して金属体と樹脂材とをシールする技術が開示されている(例えば、特許文献2、3)。
特開平6−235388号公報 特開平7−55011号公報 特開平7−127746号公報
ところで、絶縁性能の向上を図るには電流の洩れ得る箇所を少しでも減らすことが望ましい。換言すれば、上述した密封端子をなくし、リード線と密封端子との接続部分を省略する必要がある。
しかしながら、上記従来の技術のように密封端子の存在を前提とした絶縁やシールの単なる改良では、部品点数の多さや組み付け作業の繁雑さを鑑みれば絶縁性能の大幅な向上は期待できず、絶縁性能の向上を図る点については依然として課題が残されている。
また、ハウジングからの冷媒の漏洩を防止するには、リード線と密封端子とのシールのみならず、密封端子とハウジングとのシールについても留意しなければならない。前記従来の技術は、この点についても格別な配慮がなされていない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、絶縁性能の大幅な向上を図り、簡易、且つ、確実なシールを行うことができる電動圧縮機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の電動圧縮機は、駆動ケーシング及び駆動ケーシングに気密に嵌合された圧縮ケーシングを有するハウジングと、駆動ケーシング内に形成され、回転自在に支持された回転軸を通電により駆動させるモータを備えた機械室と、圧縮ケーシング内に収容され、回転軸によって駆動されて冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを行う圧縮ユニットと、駆動ケーシングに配設され、駆動ケーシングの外部の駆動回路からモータに電力を供給するためのリード線を囲繞した密封部材とを具備し、リード線は、モータに接続される入力部と、入力部に連なり、密封部材に囲繞されて駆動ケーシングを貫通する中間部と、中間部に連なり、駆動回路に接続される出力部とを含み、駆動ケーシングに外側から当接され、ボルトの軸方向の力により密封部材を押圧させる押さえ板を更に具備し、密封部材は、駆動ケーシングの内側端面から駆動ケーシング内に向けて延設され、母線長さを絶縁距離とする内側円筒部と、駆動ケーシングの外側端面から駆動ケーシング外に向けて延設され、母線長さを絶縁距離とする外側円筒部と、駆動ケーシングに気密に嵌合され、駆動ケーシング外に向けて拡径される内側裁頭円錐筒部と、内側裁頭円錐筒部に連なるとともに、押さえ板に気密に嵌合され、駆動ケーシング外に向けて縮径される外側裁頭円錐筒部とを含むことを特徴としている。
また、請求項記載の発明では、リード線は、モータの各相毎に1本又は複数本で構成されていることを特徴としている。
従って、請求項1記載の本発明の電動圧縮機によれば、リード線は、その中間部が密封部材に囲繞されて駆動ケーシングを貫通し、この中間部の一端側の入力部がモータに接続される一方、中間部の他端側の出力部が外部の駆動回路に接続されており、駆動ケーシング内のリード線がそのまま駆動ケーシングの外側に引き出されている。よって、従来のような密封端子装置が不要になり、具体的には、リード線と密封端子との接続部分を省くことができる。従って、電流の洩れ得る箇所が削減され、絶縁性能が大幅に向上する。
更に、上記リード線と密封端子との接続部分の省略化は、従来の如くのハウジング内に対する樹脂の充填作業を不要にすることができ、圧縮機の生産効率が向上するし、また、圧縮機の構成部品の再利用も容易になる。
また、密封部材に囲繞されて駆動ケーシングを貫通したリード線は、駆動ケーシングの内側及び外側においても各円筒部に囲繞され、これら円筒部の母線長さが絶縁距離とされている。従って、駆動ケーシングとリード線とが確実に絶縁され、絶縁性能が飛躍的に向上する。
また、従来の密封端子装置が不要になる結果、駆動ケーシングに対するリード線の組み付け性が良好になる。
更に、ボルトによる軸方向の力によって各裁頭円錐筒部が変形し、くさびの作用により駆動ケーシング及び押さえ板にそれぞれ気密に嵌合される。従って、リード線と密封部材とのシールの他、密封部材と駆動ケーシングとのシールも達成される。これにより、従来に比してシールに関する部品点数が削減されるし、シール工程も簡略化されて製造コストの低減が達成可能となる。
更にまた、請求項記載の発明によれば、各相のリード線の構成、例えば、単相モータではリード線は2本となり、三相モータであれば3本となる。そして、密封部材もリード線の本数に一致する。この結果、駆動ケーシングに対する密封装置の小型化が可能となり、ひいては圧縮機の小型化にも寄与する。
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1実施例に係る電動圧縮機4を示す。
当該電動圧縮機4は水平方向に延びるハウジング20を備え、この圧縮機4は車両の空調システムの冷凍回路に組み込まれている。具体的には、この冷凍回路には圧縮機4、図示しないガスクーラ、膨張弁及び蒸発器が順次配置され、圧縮機4は蒸発器から自然系冷媒であるCO冷媒(以下、単に冷媒と称す)を吸入し、この冷媒を圧縮してガスクーラに向けて吐出する。
ハウジング20は駆動ケーシング22、リアケーシング23及び圧縮ケーシング24を有している。駆動ケーシング22はその両端が開口され、圧縮ケーシング24は駆動ケーシング22に向けて開口したカップ形状をなし、この開口端と駆動ケーシング22の一端側とがボルト28を介して気密に嵌合されている。また、リアケーシング23も駆動ケーシング22に向けて開口したカップ形状をなし、この開口端と駆動ケーシング22の他端側とがボルト29を介して気密に嵌合されている。なお、駆動ケーシング22とリアケーシング23とは一体に形成されていても良い。
駆動ケーシング22の一端側の開口端部分には環状の支持ブロック46が設けられ、駆動ケーシング22内、具体的には、支持ブロック46と本実施形態ではリアケーシング23の有底部分との空間がモータ室(機械室)26として形成されている。このモータ室26には段付きの回転軸30が配置され、この回転軸30は小径軸部32と大径軸部34とを有する。小径軸部32はニードル軸受38を介してリアケーシング23の有底部分から突出するボス48に回転自在に支持され、大径軸部34はボール軸受36を介して支持ブロック46に回転自在に支持されている。
一方、リアケーシング23の周壁にはモータ室26に連通する吸入口25が形成されており、吸入口25は前述した蒸発器に接続され、冷凍回路の吸入冷媒としてモータ室26内に導入させる。
回転軸30は電動モータ40への通電により駆動される。詳しくは、モータ室26にはブラシレスの電動モータ40が配設されており、希土類の永久磁石、例えばネオジウム磁石を有するロータ42が回転軸30の外周側に固着され、このロータ42の外周側には電機子巻線43を有するステータ44が配置されている。
本実施形態の電動モータ40は三相同期或いは三相誘導等のモータであり、圧縮機4の外部に配設され、インバータを備えた駆動回路98からリード線90を介して電力が供給される(図2)。このリード線90は各相1本で構成され、換言すれば、三相の電動モータ40に対して計3本のリード線90が並設されている。また、これら各リード線90は、その表面が電機子巻線43と同様にエナメル等で被覆されており、電機子巻線43の結線部分や、電機子巻線43とリード線90との接続部分には絶縁処理が施されている。そして、電機子巻線43がリード線90を介して通電されると、ロータ42は電機子巻線43で発生した磁界の回転に伴って回転し、回転軸30と一体的に回転する。
ここで、圧縮ケーシング24内にはスクロールユニット(圧縮ユニット)52が収容され、このスクロールユニット52は可動スクロール54及び固定スクロール56を備えている。これら可動スクロール54及び固定スクロール56は互いに噛み合うような渦巻きラップ61,79をそれぞれ有し、これら渦巻きラップ61,79は互いに協働し、図示しないシール等を介して圧縮室58を形成する。この圧縮室58は可動スクロール54の旋回運動により、渦巻きラップ61,79の径方向外周側から中心に向けて移動し、この際にその容積が減少される。
上述した可動スクロール54の旋回運動を達成するため、可動スクロール54の基板60は駆動ケーシング22側に向けて突出するボス62を有しており、このボス62はニードル軸受64を介して偏心ブッシュ66を回転自在に支持している。この偏心ブッシュ66はクランクピン68に支持され、このクランクピン68が大径軸部34から偏心して突出している。従って、回転軸30の回転に伴い、クランクピン68及び偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が旋回運動することなる。
また、偏心ブッシュ66には、カウンタウエイト70が連結ピン71を介して偏心ブッシュ66と大径軸部34との間に取り付けられており、このカウンタウエイト70は可動スクロール54の旋回運動に対するバランスウエイトとなる。
固定スクロール56は圧縮ケーシング24の有底部分にボルト57を介して固定され、その基板78が圧縮ケーシング24内を圧縮室58側と吐出室80側とを仕切っている。基板78にはその中央に圧縮室58に連なる吐出孔82が形成され、この吐出孔82はリード弁84により開閉される。このリード弁84はその弁押さえ86とともに基板78の吐出室80側に取り付けられている。
更に、圧縮ケーシング24の有底部分には吐出室80に連通する吐出口87が形成されており、吐出室80は吐出口87を介して前述したガスクーラに接続され、吐出冷媒として冷凍回路中に吐出させる。
ところで、本実施形態の圧縮機4には、リード線90を囲繞してリアケーシング23を貫通した樹脂製の密封部材100が具備されている。
より詳しくは、図2及び図3に示されるように、密封部材100は、リアケーシング23の有底部分からモータ室26内に向けて延設される内側円筒部102を備え、この内側円筒部102の母線長さがリアケーシング23とリード線90との絶縁距離とされている。なお、この絶縁距離は使用電圧によるが、本実施形態では約15mm程度に設定される。
また、密封部材100はリアケーシング23外に向けて拡径される内側裁頭円錐筒部104を備えており、この内側裁頭円錐筒部104の裁頭部分が内側円筒部102に連なっている。更に、密封部材100はリアケーシング23外に向けて縮径される外側裁頭円錐筒部106を備え、この外側裁頭円錐筒部106の裁頭部分の反対側部分が内側裁頭円錐筒部104に連なっている。なお、これら内側裁頭円錐筒部104及び外側裁頭円錐筒部106はリアケーシング23のケーシング貫通孔23h及び押さえ板110の押さえ板貫通孔110hよりも若干大きく形成されている。
更にまた、密封部材100は押さえ板110の外側端面からリアケーシング23の外方向に向けて延設される外側円筒部108を備えており、外側裁頭円錐筒部106の裁頭部分が外側円筒部108に連なっている。この外側円筒部108の母線長さが押さえ板110、つまり、リアケーシング23とリード線90との絶縁距離とされている。なお、この絶縁距離も約15mm程度に設定される。
また、同図に示されるように、密封部材100には、これら内側円筒部102、内側裁頭円錐筒部104、外側裁頭円錐筒部106及び外側円筒部108を長手方向に亘って貫通する同径のリード線導入孔101が形成されており、リード線90はリード線導入孔101を有する密封部材100に部分的に囲繞されている。
すなわち、リード線90は、モータ室26にて電動モータ40の入力端子に接続される入力部92と、この入力部92に連なり、密封部材100に囲繞されてリアケーシング23を貫通する中間部94と、この中間部94に連なり、駆動回路98の出力端子に接続される出力部96とから構成されている。
そして、リード線90を囲繞した密封部材100は、内側裁頭円錐筒部104がリアケーシング23外に向けて拡径されたケーシング貫通孔23hに位置合わせされ、次いで、外側裁頭円錐筒部106がリアケーシング23外に向けて縮径された押さえ板貫通孔110hに位置合わせされた状態でリアケーシング23及び押さえ板110を外側からボルト112,112で固定すると、その軸方向の力に応じて内側裁頭円錐筒部104及び外側裁頭円錐筒部106が塑性変形する。より詳しくは、内側裁頭円錐筒部104とケーシング貫通孔23hとの当接面、外側裁頭円錐筒部106と押さえ板貫通孔110hとの当接面の法線方向にそれぞれ抗力が生じ、内側裁頭円錐筒部104の外周側はリアケーシング23に、外側裁頭円錐筒部106の外周側は押さえ板110にそれぞれ気密に嵌合され、リアケーシング23及び押さえ板110と密封部材100とがシールされる。このシールと同時に、内側裁頭円錐筒部104及び外側裁頭円錐筒部106の各内周側は上記変形によってリード線90の中間部94により密着され、密封部材100とリード線90とがシールされる。
上記圧縮機4では、駆動回路98からの電力供給により電動モータ40が駆動されて回転軸30が回転すると、偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が固定スクロール56の軸心周りを旋回運動する。この際、可動スクロール54の自転は複数個の回転阻止機構50の働きにより阻止された状態にある。この結果、可動スクロール54はその旋回姿勢を一定に維持した状態で固定スクロール56に対して旋回運動し、この旋回運動は吸入口25を通じてモータ室26から圧縮室58内に冷媒を吸い込み、この吸い込んだ冷媒を圧縮し、圧縮冷媒を吐出室80内に吐出する。
この吐出室80から吐出された高温高圧ガス状態の冷媒は吐出口87を経てガスクーラ内で冷却され、膨張弁に供給され、絞り作用による膨張を受けて蒸発器内に噴出され、冷媒の気化熱により蒸発器の周囲の空気が冷却される。次いで、冷気が車室内に送り込まれて車室内の冷房が行われる。なお、この蒸発器内の冷媒は圧縮機4の吸入口25に戻り、この後、圧縮機4により再度圧縮され、上述の如く循環する。
以上のように、第1実施例の圧縮機4のリード線90は、その中間部94が密封部材100に囲繞されてリアケーシング23を貫通し、入力部92が電動モータ40に接続される一方、出力部96が外部の駆動回路98に接続されており、モータ室26内のリード線90がそのままリアケーシング23の外側まで引き出されている。従って、従来の如くの密封端子装置が不要になり、具体的には、リード線と密封端子との接続部分が省略できる。これは、電流の洩れ得る箇所の削減に繋がり、絶縁性能が大幅に向上する。
更に、このリード線と密封端子との接続部分の省略化は、従来のようなハウジング内に対する樹脂の充填作業が不要になって圧縮機4の生産効率が向上するし、しかも、ステータ44や駆動ケーシング22及びリアケーシング23等の圧縮機4の構成部品の再利用も容易になる。
また、密封部材100に囲繞されてリアケーシング23を貫通したリード線90は、リアケーシング23の内側及び外側においても内側円筒部102及び外側円筒部108に囲繞され、これら内側円筒部102及び外側円筒部108の母線長さが絶縁距離とされている。このため、リアケーシング23とリード線90とが確実に絶縁され、絶縁性能が飛躍的に向上する。また、従来の密封端子装置が不要になる結果、リアケーシング23に対するリード線90の組み付け性も良好化される。
更に、リード線90を囲繞した密封部材100は、押さえ板110をリアケーシング23の外側からボルト112,112で押さえ込めば、内側裁頭円錐筒部104及び外側裁頭円錐筒部106が塑性変形し、くさびの作用によって2箇所のシール、すなわち、リード線90と密封部材100とのシールの他、密封部材100とリアケーシング23とのシールも同時に達成される。従って、圧縮機4の稼動によってハウジング20内の圧力が上昇しても、これらリード線90と密封部材100との当接部分や、密封部材100とリアケーシング23との当接部分の面圧が上昇してシール性が向上し、ハウジング20からの冷媒の漏洩は確実に防止される。また、本実施形態のシール方法によれば、従来に比してシールに関する部品点数が削減されるし、しかも、シール工程も簡略化されて圧縮機4の製造コストの低廉化が図られる。
本発明は上述した第1実施例に制約されるものではなく種々の変形が可能であり、図4〜図7を参照して第2〜第4実施例の電動圧縮機について以下に説明する。なお、これら第2〜第4実施例を説明するあたり、第1実施例と同様な部材及び部位には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
第2実施例の電動圧縮機は図4及び図5に示されており、密封部材100Aが1つの裁頭円錐部分を有して形成されている。具体的には、この密封部材100Aは、リアケーシング23の有底部分からモータ室26内に向けて延設される内側円筒部102Aを備え、この内側円筒部102Aの母線長さがリアケーシング23とリード線90との絶縁距離とされている。また、この内側円筒部102Aの端部には、電機子巻線43を覆うボビンに外側から嵌合されるボビン受容部(受容部)116が形成されている。詳しくは、図5に示されるように、ボビン受容部116は内周側に向けて延びる係合爪118を有し、この係合爪118が図示しないボビンの凹部に係合され、内側円筒部102Aがステータ44に対して固定されている。
一方、密封部材100Aはリアケーシング23外に向けて縮径される裁頭円錐筒部104Aを備えており、この裁頭円錐筒部104Aの裁頭部分の反対側部分が内側円筒部102Aに連なっている。なお、この裁頭円錐筒部104Aはリアケーシング23のケーシング貫通孔23Ahよりも若干大きく形成されている。また、密封部材100Aは、裁頭円錐筒部104Aの裁頭部分に連なり、リアケーシング23の外方向に向けて延設される外側円筒部108Aを備えている。この外側円筒部108Aの母線長さがリアケーシング23とリード線90との絶縁距離とされている。そして、図4に示される如く、この外側円筒部108Aの外周側にはナット114に螺合される雄ネジ部が形成されている。
本実施例においても、リード線90を囲繞した密封部材100Aは、裁頭円錐筒部104Aがケーシング貫通孔23Ahに位置合わせされた状態で外側円筒部108Aの雄ネジ部にナット114をリアケーシング23の外側から螺合させると、その軸方向の力に応じて裁頭円錐筒部104A及び外側円筒部108Aが塑性変形し、裁頭円錐筒部104A及び外側円筒部108Aの外周側はリアケーシング23にそれぞれ気密に嵌合され、リアケーシング23と密封部材100Aとがシールされる。このシールと同時に、裁頭円錐筒部104A及び外側円筒部108Aの各内周側は上記変形によってリード線90の中間部94により密着され、密封部材100Aとリード線90とがシールされる。
このように、第2実施例によれば、裁頭円錐筒部104A及び外側円筒部108Aはくさびの作用によりリアケーシング23に気密に嵌合される。よって、上記第1実施例と同様に、2箇所のシールが達成されるし、また、内側円筒部102A及び外側円筒部108Aの構成によって絶縁性能が飛躍的に向上する。しかも、第2実施例では押さえ板が不要になり、製造コストの更なる低減が達成可能となる。また、上述した内側円筒部102Aの構成によって密封部材100Aの位置決めが容易になる。なお、密封部材100Aと上記ボビンとは一体に構成されていても良い。
次に、第3実施例の電動圧縮機は図6に示されている。
密封部材100Bは、上述した2箇所のシールに着目したものであり、リアケーシング23と押さえ板110Bとの間に狭持されている。そして、この密封部材100Bは、リアケーシング23に気密に嵌合される段付の円筒部104Bを備え、その小径部分がケーシング貫通孔23Bhに嵌合され、その大径部分の背面側がリアケーシング23の外側に当接されている。なお、この小径部分はケーシング貫通孔23Bhよりも若干大きく形成されている。また、密封部材100Bは、リアケーシング23外に向けて縮径される裁頭円錐筒部106Bを備えており、この裁頭円錐筒部104Bの裁頭部分の反対側部分が上記大径部分に連なっている。この大径部分は押さえ板貫通孔110Bhよりも大きく構成されている。
そして、本実施例のリード線90は所定2本で構成されており、このリード線90を囲繞した密封部材100Bは、円筒部104Bがケーシング貫通孔23Bhに位置合わせされ、次いで、裁頭円錐筒部106Bが押さえ板貫通孔110Bhに位置合わせされた状態でリアケーシング23及び押さえ板110Bを外側からボルト112B,112Bで固定すると、その軸方向の力に応じて円筒部104B及び裁頭円錐筒部106Bが塑性変形し、円筒部104B及び裁頭円錐筒部106Bの外周側はリアケーシング23及び押さえ板110Bにそれぞれ気密に嵌合され、リアケーシング23と密封部材100Bとがシールされる。同時に、円筒部104B及び裁頭円錐筒部106Bの各内周側は上記変形によってリード線90の中間部94により密着され、密封部材100Bとリード線90とがシールされる。
続いて、第4実施例の電動圧縮機は図7に示されている。
この密封部材100Cもまた上述した2箇所のシールに着目したものである。そして、密封部材100Cはリアケーシング23と押さえ板110Cとの間に狭持されるのに対し、この押さえ板110Cがリアケーシング23外に向けて縮径されている。具体的には、図7(a)に示されるように、押さえ板110Cは、その外周側ではボルト112Cを介してリアケーシング23に当接される固定部120を有しており、この固定部120の内周側に密封部材100Cに気密に嵌合されるテーパ部122を有している。このテーパ部122の内側によって形成される空間は密封部材100Cよりも小さく構成されている。
そして、本実施例のリード線90は所定3本で構成され、このリード線90を囲繞した密封部材100Cはリアケーシング23の外側に配置され、更にその外側から押さえ板110Cが密封部材100Cを覆う状態でリアケーシング23及び押さえ板110Cを外側からボルト112C,112Cで固定すると、同図(b)に示される如く、その軸方向の力に応じてテーパ部122が密封部材100Cを内側に向けて押圧して塑性変形させる。これにより、密封部材100Cの外周側はリアケーシング23及び押さえ板110Cにそれぞれ気密に嵌合され、リアケーシング23と密封部材100Cとがシールされる。同時に、密封部材100Cの内周側は上記変形によってリード線90の中間部94により密着され、密封部材100Cとリード線90とがシールされる。この結果、現有のリアケーシングを用いて2箇所のシールが達成され、製造コストの低減が達成可能となる。なお、この密封部材100Cは、リード線90を両側、換言すれば、リード線90を挟んで図の手前側と奥側とに2分割されていても良く、この場合には、ボルト112Cによる軸方向の力によって密封部材100Cが変形する際に、リアケーシング23に対する密封部材100Cの位置のずれが生じ難くなるとの効果を奏する。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態の電動モータ40は三相モータであるが、必ずしもこの形態に限定されるものではなく、例えば、単相モータにも適用可能であり、各相の数だけリード線90や密封部材100(100A,100B,100C)が設けられる。この場合にも、密封装置の小型化が可能となり、ひいては圧縮機4の小型化に寄与する。なお、モータ電圧の大きさによっては上記第1,2実施例においても、第3,4実施例の如く所定2本以上のリード線で構成させても良い。
また、上記実施形態ではスクロール型の電動圧縮機について説明されているが、本発明の圧縮ユニットは、スクロール型又はピストン往復動型のいずれのタイプにも適用可能であり、更に、冷凍回路に使用される冷媒もCO冷媒の他、代替フロンを用いても良い。これらの場合にも上述したように、絶縁性能の大幅な向上が達成され、簡易、且つ、確実なシールが可能となる。
本発明の第1実施例に係るスクロール型圧縮機を示した縦断面図である。 図1の圧縮機における部分拡大縦断面図である。 図1の密封部材の斜視図である。 第2実施例の圧縮機における部分拡大縦断面図である。 図4の密封部材の断面図である。 第3実施例の圧縮機における部分拡大縦断面図である。 第4実施例の圧縮機における部分拡大縦断面図である。
符号の説明
4 電動圧縮機
20 ハウジング
22 駆動ケーシング
23 リアケーシング(駆動ケーシング)
24 圧縮ケーシング
26 モータ室(機械室)
30 回転軸
40 電動モータ
42 ロータ
43 電機子巻線
44 ステータ
52 スクロールユニット(圧縮ユニット)
90 リード線
92 入力部
94 中間部
96 出力部
98 駆動回路
100、100A、100B、100C 密封部材
102、102A 内側円筒部
104 内側裁頭円錐筒部
104A 裁頭円錐筒部
104B 円筒部
106 外側裁頭円錐筒部
106B 裁頭円錐筒部
108、108A 外側円筒部
110、110B、110C 押さえ板
112、112B、112C ボルト
114 ナット
116 ボビン受容部(受容部)
120 固定部
122 テーパ部

Claims (2)

  1. 駆動ケーシング及び該駆動ケーシングに気密に嵌合された圧縮ケーシングを有するハウジングと、
    前記駆動ケーシング内に形成され、回転自在に支持された回転軸を通電により駆動させるモータを備えた機械室と、
    前記圧縮ケーシング内に収容され、前記回転軸によって駆動されて冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを行う圧縮ユニットと、
    前記駆動ケーシングに配設され、該駆動ケーシングの外部の駆動回路から前記モータに電力を供給するためのリード線を囲繞した密封部材とを具備し、
    前記リード線は、
    前記モータに接続される入力部と、
    該入力部に連なり、前記密封部材に囲繞されて前記駆動ケーシングを貫通する中間部と、
    該中間部に連なり、前記駆動回路に接続される出力部と
    を含み、
    前記駆動ケーシングに外側から当接され、ボルトの軸方向の力により前記密封部材を押圧させる押さえ板を更に具備し、
    前記密封部材は、
    前記駆動ケーシングの内側端面から該駆動ケーシング内に向けて延設され、母線長さを絶縁距離とする内側円筒部と、
    前記駆動ケーシングの外側端面から該駆動ケーシング外に向けて延設され、母線長さを絶縁距離とする外側円筒部と、
    前記駆動ケーシングに気密に嵌合され、該駆動ケーシング外に向けて拡径される内側裁頭円錐筒部と、
    該内側裁頭円錐筒部に連なるとともに、前記押さえ板に気密に嵌合され、前記駆動ケーシング外に向けて縮径される外側裁頭円錐筒部と
    を含むことを特徴とする電動圧縮機。
  2. 前記リード線は、前記モータの各相毎に1本又は複数本で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
JP2006000568A 2005-02-08 2006-01-05 電動圧縮機 Expired - Fee Related JP5013714B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006000568A JP5013714B2 (ja) 2005-02-08 2006-01-05 電動圧縮機

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005031693 2005-02-08
JP2005031693 2005-02-08
JP2006000568A JP5013714B2 (ja) 2005-02-08 2006-01-05 電動圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006250145A JP2006250145A (ja) 2006-09-21
JP5013714B2 true JP5013714B2 (ja) 2012-08-29

Family

ID=37090882

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006000568A Expired - Fee Related JP5013714B2 (ja) 2005-02-08 2006-01-05 電動圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5013714B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4916421B2 (ja) * 2007-11-16 2012-04-11 サンデン株式会社 電動圧縮機の端子装置
JP4992759B2 (ja) * 2008-02-28 2012-08-08 株式会社デンソー 電動圧縮機
JP5192440B2 (ja) * 2009-05-15 2013-05-08 株式会社神戸製鋼所 モータ及びこれを備えた圧縮機
WO2017037778A1 (ja) * 2015-08-28 2017-03-09 株式会社日立産機システム スクロール式流体機械およびそのメンテナンス方法
KR102232268B1 (ko) * 2019-07-23 2021-03-24 엘지전자 주식회사 전동식 압축기
US11658538B2 (en) 2020-12-07 2023-05-23 Lg Electronics Inc. Motor operated compressor

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61247251A (ja) * 1985-04-24 1986-11-04 Mitsubishi Electric Corp 冷媒圧縮機
JPH0788995B2 (ja) * 1989-08-18 1995-09-27 三菱電機株式会社 冷媒用ポンプ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006250145A (ja) 2006-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101042160B1 (ko) 전동 컴프레서
JP5013714B2 (ja) 電動圧縮機
US6564576B2 (en) Motor-driven compressors
EP2662566B1 (en) Compressor motor and electric compressor using same
EP2325488A1 (en) Electric compressor
EP2072754A2 (en) Motor-driven compressor with multi-part casing
WO2017141877A1 (ja) 電動装置および電動過給機
US9482229B2 (en) Motor-driven compressor
JP2008019766A (ja) 電動圧縮機
US20110158833A1 (en) Electric compressor
JP2006042409A (ja) モータ一体型コンプレッサ
JP4259126B2 (ja) 回転式圧縮機
JP5131032B2 (ja) 電動圧縮機
JP4649157B2 (ja) モータ内蔵圧縮機の端子接続部構造
KR101959666B1 (ko) 전동 압축기
JP2008019767A (ja) 電動圧縮機
JP2008082279A (ja) 電動コンプレッサ
JP2010106683A (ja) 圧縮機
JP2008019765A (ja) 電動圧縮機
JP2005171943A (ja) アンモニア冷媒用密閉形圧縮機
JP4026537B2 (ja) 流体機械、流体機械の製造方法及び蒸気圧縮式冷凍機
KR20130057889A (ko) 전동 압축기
JP4062060B2 (ja) 密閉型圧縮機
CN111247719B (zh) 定子、电动机和压缩机
JP2001263239A (ja) 密閉型圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110414

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120509

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120605

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees