JP5013371B2 - 光源装置、表示装置、端末装置及び透明・散乱切替素子 - Google Patents

光源装置、表示装置、端末装置及び透明・散乱切替素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5013371B2
JP5013371B2 JP2007133524A JP2007133524A JP5013371B2 JP 5013371 B2 JP5013371 B2 JP 5013371B2 JP 2007133524 A JP2007133524 A JP 2007133524A JP 2007133524 A JP2007133524 A JP 2007133524A JP 5013371 B2 JP5013371 B2 JP 5013371B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
liquid crystal
transparent
state
scattering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007133524A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007334344A (ja
Inventor
伸一 上原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tianma Japan Ltd
Original Assignee
NLT Technologeies Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NLT Technologeies Ltd filed Critical NLT Technologeies Ltd
Priority to JP2007133524A priority Critical patent/JP5013371B2/ja
Publication of JP2007334344A publication Critical patent/JP2007334344A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5013371B2 publication Critical patent/JP5013371B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)

Description

本発明は、照明光の照射角を切り替えることができる光源装置、この光源装置を搭載して視野角を切り替えることができる表示装置、この表示装置を搭載した端末装置、及び前記光源装置に組み込まれる透明・散乱切替素子に関する。
近時、薄型、軽量、小型、低消費電力等の利点から、液晶を使用した表示装置は、モニタ及びテレビジョン(TV:Television)等の大型の端末装置から、ノート型パーソナルコンピュータ、キャッシュディスペンサ及び自動販売機等の中型の端末装置、またパーソナルTV、PDA(Personal Digital Assistance:個人用情報端末)、携帯電話及び携帯ゲーム機等の小型の端末装置にまで広く搭載され、使用されている。これらの液晶表示装置は、使用する光源の種類に応じて、透過型、反射型、透過光と反射光とを併用する半透過型に大別できる。反射型は、表示に外光を利用できるため低消費電力化が可能であるが、透過型と比較するとコントラスト等の表示性能が劣るため、現在では透過型及び半透過型が液晶表示装置の主流となっている。透過型及び半透過型の液晶表示装置では、液晶パネルの背面に光源装置を設置し、その光源装置が発する光を利用して表示を実現している。即ち、現在主流の液晶表示装置では、液晶パネルの他に光源装置が必須となっている。
液晶表示装置の主要構成部品である液晶パネルは、液晶分子の配向状態を電界により制御して情報を表示するが、液晶分子の種類、初期配向状態及び電界の方向等の組み合わせにより多数のモードが提案されている。これらのモードのうち、従来の端末装置に最も良く使用されるモードには、単純マトリクス構造によるSTN(Super Twisted Nematic)モード及びアクティブマトリクス構造によるTN(Twisted Nematic)モードがあるが、これらのモードの液晶パネルは階調を正しく視認できる角度範囲が狭く、最適な観察位置から外れると階調反転が発生してしまう。
この階調反転の問題は、表示内容が電話番号等の文字主体の内容であった頃の携帯電話等の端末装置では大きな問題とならなかった。しかし、近年の技術進展により、端末装置が文字情報だけでなく画像情報も多く表示するようになったため、階調反転によって画像の視認性が著しく低下する点が問題になっている。このため、階調反転が発生せず階調を正しく視認できる視野角度範囲が広いモードの液晶パネルが、徐々に端末装置へ搭載されつつある。このようなモードの液晶パネルは、一般に広視野角液晶パネルと総称され、IPS(イン・プレイン・スイッチング)方式等の横電界モード及びマルチドメイン垂直配向モード等が実用化されている。これらの広視野角液晶パネルの使用により広い視野角度範囲で正しい階調が視認できるため、中小型の端末装置は基本的にパーソナルツールでありながらも、複数人で同時に鑑賞し他人と情報を共有するアプリケーションが開発され、徐々に搭載されつつある。
一方で、中小型の端末装置はその性格上、秘密保持が厳重になされた密室の中だけではなく公共の場でも使用される。このとき、プライバシー情報及び秘密情報の表示に対しては、第三者の眼に触れない秘密保持が必要となる。特に近時、端末装置の進展に伴い、プライバシー情報及び秘密情報を表示する機会が増加し、覗き見防止技術への要望が強まっている。そこで、表示を視認できる角度範囲、即ち、視野角度範囲を狭くすることにより、使用者のみが視認でき、覗き見を防止できる技術の実現が望まれている。
上述の如く、視認角度範囲が広く複数人で同時に鑑賞できる表示と、視認角度範囲が狭く使用者のみが視認できる表示の実現が夫々望まれており、一つの端末装置がこれらの二種類の表示を切り替えて実現できることが望ましい。そこで、このような要求を満たすために、液晶表示装置に必須である光源装置に工夫を施し、視認角度範囲を変更可能にした表示装置が提案されている。
図38は、特許文献1に記載されている従来の第1の視野角制御型液晶表示装置を模式的に示す断面図である。図38に示すように、従来の第1の視野角制御型液晶表示装置1001は、散乱を制御できる液晶素子1170と、旋光性及び複屈折性を制御できる液晶素子1180とから構成されている。散乱を制御できる液晶素子1170は、可視域で光学的に透明な基板1110及び1111と、透明電極1120及び1121と、散乱モードの液晶1130と、電圧供給源1100と、スイッチ1190とから構成されている。旋光性及び複屈折性を制御できる液晶素子1180は、可視域で光学的に透明な基板1111及び1112と、透明電極1122及び1123と、偏光子1140及び1141と、配向膜1150及び1151と、旋光性及び複屈折性を持つ液晶層1160と、電圧供給源1101と、スイッチ1191とから構成されている。散乱モードの液晶1130としてはポリマー分散液晶を、また旋光性、複屈折性を制御できる液晶素子1180としてはTN液晶を夫々使用している。偏光子1140及び1141は直交ニコルで配置されている。
このように構成された特許文献1に記載の従来の第1の視野角制御型液晶表示装置においては、透明電極1122と透明電極1123との間に電圧を印加することにより、液晶層1160の旋光性、複屈折性を変化させ、この変化を利用して光の透過率を制御することができる。このような旋光性、複屈折性を利用した表示モードにおいては、視角方向により実質的に入射光が受ける旋光性及び複屈折性が異なるために、視角に依存して輝度、色相が低減又は反転する現象が起こる。
そこで、このような視角依存性のある液晶素子1180の上部に散乱を制御できる液晶素子1170を配置し、視角依存性を低減する。即ち、散乱を制御できる液晶素子1170の液晶1130に電界を印加しない場合には、液晶分子がランダムに配列しているために、全視角にわたってほぼ等方的に散乱され、視角依存性が少ない表示を得ることができる。一方、液晶1130に電界を印加としたときには、印加電界により液晶分子は電界にほぼ平行に配列するために、液晶素子1180からの出射光は、液晶分子により散乱されることなく、そのまま出射される。この場合には、視覚特性が良くなることはなく、従来のTN液晶の視角特性に近い特性であるが、画面の正面に位置する使用者のみは画像を正しく視認することができる。従って、画面の正面に位置する使用者一人のみが正しく視認できればよいときには、液晶1130に電界を印加しないことにより、他人に覗き見されることを防止できる。
図39は、特許文献2に記載されている従来の第2の視野角制御型液晶表示装置を模式的に示す断面図であり、図40は、視野角制御型液晶表示装置に使用される照明装置を模式的に示す斜視図である。図39に示すように、従来の第2の視野角制御型液晶表示装置2101は、液晶表示素子2102と、散乱性制御素子(散乱性制御手段)2103と、照明装置(バックライト)2104とから構成されている。散乱性制御素子2103は、液晶表示素子2102と照明装置2104との間に配置されている。図40に示すように、照明装置2104は、散乱性制御素子2103の基板側に配置され、遮光スリット付シート(透光性シート体)2120、及び照射部2121を備えている。照射部2121には、蛍光管等の光源2122が設けられており、光源2122からの光を出射させて遮光スリット付シート2120に導くための光出射面2123が形成されている。照射部2121における光出射面2123と対向する面には、光源2122から出射した光を反射させるため反射シート2124が設けられている。遮光スリット付シート2120は、透光性を有するシートの一方の面に線状の遮光材が互いに平行に多数配置されている。遮光材が延設される方向は、表示画面の垂直方向に一致している。
このように構成された特許文献2に記載の従来の第2の視野角制御型液晶表示装置においては、光源2122から発した光は、照射部2121の光出射面2123から出射され、遮光スリット付シート2120を介して散乱性制御素子2103に照射される。遮光スリット付シート2120は、光出射面2123より出射する光がこの遮光スリット付シート2120を透過するときに、遮光スリット付シート2120の光入射面に対して大きく傾斜した方向から入射する光を遮断する。これにより、この遮光スリット付シート2120の面と垂直な方向に平行度の高い透過光が得られる。照明装置2104から出射した光は、散乱性制御素子2103に入射する。散乱性制御素子2103は、印加電圧の有無に応じて入射した光線の散乱性を制御する。散乱性制御素子2103が散乱状態にある場合には、照明装置2104から出射した光は散乱性制御素子2103により散乱され、散乱性制御素子2103が透明状態にある場合には、照明装置2104からの光は散乱されない。
この従来の第2の視野角制御型液晶表示装置2101においては、散乱性制御素子2103が散乱状態であるとき、照明装置2104から出射した平行度が高い光は、散乱性制御素子2103により散乱されて液晶表示素子2102に入射する。この結果、液晶表示素子2102を通過した光は、表示部の全視角方向に抜けて行き、表示部に正対する位置以外の位置からも表示内容の認識が可能となる。これに対して、散乱性制御素子2103が透明状態であるとき、照明装置2104からの平行度の高い光は、散乱性制御素子2103によって散乱されず、平行度の高い光のまま液晶表示素子2102に入射する。この結果、表示部を水平方向の左右より斜めに見る位置からでは、光が透過せず真っ暗になり、表示内容の認識が不可能となる。換言すれば、表示部に正対する使用者だけが表示内容を認識できる。
以上のように、従来の第2の視野角制御型液晶表示装置2101は、散乱性制御素子2103によって光の散乱性を制御できるため、表示内容の視野角特性を制御できる。また、照明装置2104によって平行度が高い光を液晶表示素子2102に向けて出射することができるため、散乱性制御素子2103が透明状態におかれるとき、表示画面に正対する使用者だけが表示内容を認識できる視野角特性を確実に得ることができる。従って、表示特性の視野角依存性が少なく、全視角方向にわたって表示特性が均一に保たれる状態と、表示画面に正対する位置からのみ表示内容を認識できる状態とを任意に切り替えることが可能な液晶表示装置を得ることができる。
特開平5−72529号公報 特開平9−244018号公報
しかしながら、上述の従来の第1及び第2の視野角制御型液晶表示装置には、以下に示すような問題点がある。上述の従来の視野角制御型液晶表示装置においては、視野角を切り替えたときに、画像の色味が変化してしまう。特に、視野角度範囲が狭い狭視野角表示から視野角度範囲が広い広視野角表示に切り替えたときに、画像が黄色味を帯びてしまい、使用者に違和感を与えてしまう。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、照射角度範囲を切り替えることができる光源装置において、照射角度切替時の色味の変化を抑制できる光源装置、この光源装置を搭載し視野角度範囲を切替可能な表示装置、この表示装置を搭載した端末装置、及び前記光源装置に組み込まれる透明・散乱切替素子を提供することにある。
本発明に係る光源装置は、光を面状に出射する面状光源と、この面状光源から出射した光を透過させる透明状態と散乱させる散乱状態とに切替可能であり、高分子膜の中に液晶分子の領域が分散した構成を有した高分子分散型液晶層を有する透明・散乱切替素子と、を備え、前記高分子分散型液晶層には、透明状態と散乱状態との間の透過光の波長スペクトルの差異を吸収する二色性色素が混入していることを特徴とする。
本発明においては、二色性色素を使用することにより、透明・散乱切替素子の透過状態と散乱状態とで、出射光の色味が変化する現象を抑制することができる。
更に、前記透明・散乱切替素子は透状態よりも散乱状態において、ある特定波長帯域の光をこの特定波長帯域以外の光より多く散乱し、前記二色性色素が透状態よりも散乱状態において、前記特定波長帯域以外の光を主として吸収してもよい。これにより、散乱状態での出射光の色味が透状態と異なる現象を抑制でき、かつ入射光の色味に近付ける
ことができる。
また、前記透明・散乱切替素子は透状態よりも散乱状態において、ある特定波長帯域の光をこの特定波長帯域以外の光より多く散乱し、前記二色性色素が散乱状態よりも透状態において、前記特定波長帯域の光を主として吸収してもよい。これにより、透状態
での出射光の色味を、散乱状態での出射光の色味に近付けることができる。
更にまた、前記特定波長帯域は、可視光における短波長帯域とすることができる。微小構造体の屈折率分布により散乱状態を実現する透明・散乱切替素子では、短波長の光が良く散乱される傾向があり、本発明を好適に適用することができる。
また、前記二色性色素は、前記液晶分子の領域に存在するのが好ましい。これにより、電圧印加時に液晶配向の変化に追従して二色性色素の配向も変化させることができるため、透過状態と散乱状態との切替に追従して二色性色素の吸収を変化させることができ、切替動作に伴う出射光の色味が変化する現象を抑制することができる。
更にまた、前記二色性色素は、前記高分子膜の中にも存在していてもよい。これにより、透明・散乱切替素子を構成する透明基板及び/又は透明電極等の構成要素に色味が付いている場合、この色味も含めて補正することができる。
また、前記二色性色素は、棒状の分子構造を有する色素を好適に使用することができる。
更にまた、前記二色性色素は、円盤状の分子構造を有していてもよい。これにより、斜め方向の色味変化を効果的に補正することができる。
また、前記二色性色素は、分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より青色を呈していてもよい。これにより、散乱状態において、短波長帯の光散乱に対して長波長帯の光吸収が実現できるため、透過状態と散乱状態とで出射光の色味が変化する現象を抑制できる。
更にまた、前記二色性色素は、分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より黄色を呈していてもよい。これにより、二色性色素の短軸方向の短波長吸収を使用して、透過状態と散乱状態とで出射光の色味が変化する現象を抑制でき、かつ使用可能な色素の種類も増やせるため、高信頼性、低コストの色素材料を選択することで装置の低コスト化が可能となる。
更にまた、前記二色性色素は、分子短軸方向と分子長軸方向とで異なる波長帯域に吸収スペクトルを有していてもよい。これにより、散乱状態での色補正効果を低減することができ、光散乱の波長特性が小さな場合に効果的に適用できる。
また、前記透明・散乱切替素子は、前記高分子分散液晶層が1対の平面電極間に挟まれており、この1対の平面電極間に発生する縦電界により駆動されてもよい。
更にまた、前記透明・散乱切替素子は櫛歯電極を有し、この櫛歯電極間に発生する横電界により駆動されてもよい。これにより、透明状態又は散乱状態の色味及び散乱特性の視野角依存性を改善することができる。
前記高分子分散型液晶層は、前記液晶分子が棒状の分子構造で正の誘電率異方性を有し、前記液晶分子の短軸方向の屈折率と前記高分子膜の屈折率がほぼ同等であり、前記二色性色素は棒状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より青色を呈し、この高分子分散型液晶層は縦電界により駆動されてもよい。これにより、散乱状態にある透明・散乱切替素子から出射される光が、黄色味がかる現象を抑制でき、透明状態と同等の白色を保つことができる。そして、広視野角表示状態と狭視野角表示状態とで、色味の違いを抑制した表示装置を実現することができる。また、正面方向だけでなく斜め方向においても、出射光が、黄色味がかる現象を抑制でき、特に透明状態では黄色味を低減する効果を強く発揮することができる。
前記高分子分散型液晶層は、前記液晶分子が棒状の分子構造で正の誘電率異方性を有し、前記液晶分子の短軸方向の屈折率と前記高分子膜の屈折率がほぼ同等であり、前記二色性色素は円盤状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向から見た場合にそれ以外の方向から見た場合よりも、より青色を呈し、この高分子分散型液晶層は縦電界により駆動されてもよい。これにより、散乱状態にある透明・散乱切替素子から出射される光が、黄色味がかる現象を抑制でき、透明状態と同等の白色を保つことができる。更に、透明状態においては、円盤状の二色性色素が斜め方向に大きな吸収効果を発揮することができる。即ち、斜め方向に関してはより黄色味を低減する効果を強く発揮することができる。
前記高分子分散型液晶層は、前記液晶分子が棒状の分子構造で正の誘電率異方性を有し、前記液晶分子の短軸方向の屈折率と前記高分子膜の屈折率がほぼ同等であり、前記二色性色素は棒状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より青色を呈し、この高分子分散型液晶層は横電界により駆動され、前記透明・散乱切替素子の面内におけるこの電界方向と垂直な方向に透過軸を配置した偏光板を光入射面に有していてもよい。これにより、散乱状態にある透明・散乱切替素子から出射される光が、黄色味がかる現象を抑制でき、透明状態と同等の白色を保つことができる。更に、透明状態においては、斜め方向から観察しても散乱及び色味変化を抑制することができる。
前記高分子分散型液晶層は、前記液晶分子が棒状の分子構造で正の誘電率異方性を有し、前記高分子膜は屈折率異方性を有し、少なくとも前記液晶分子の短軸方向の屈折率と前記高分子膜の最小屈折率値がほぼ同等であり、前記二色性色素は棒状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より青色を呈し、この高分子液晶層は横電界により駆動され、この電界方向に透過軸を配置した偏光板を光入射面に有していてもよい。これにより、散乱状態にある透明・散乱切替素子から出射される光が黄色味がかる現象を抑制でき、透明状態と同等の白色を保つことができ、かつ透明状態、散乱状態共に優れた視野角特性を実現することができる。
前記高分子分散型液晶層は、前記液晶分子が棒状の分子構造で正の誘電率異方性を有し、前記液晶分子の長軸方向の屈折率と前記高分子膜の屈折率がほぼ同等であり、前記二色性色素は棒状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より黄色を呈し、この高分子分散型液晶層は横電界により駆動され、この電界方向に透過軸を配置した偏光板を光入射面に有していてもよい。これにより、散乱状態と透明状態とで、出射光の色味の違いを低減することができる。また、使用可能な色素の種類も増やせるため、高信頼性、低コストの色素材料を選択することで装置の低コスト化が可能となる。
更に、前記光源装置は、前記面状光源から出射された光の光線方向を規制して前記透明・散乱切替素子に対して出射する光線方向規制素子を有していてもよい。これにより、面状光源から出射した光の指向性を高めることができる。
本発明に係る表示装置は、前記光源装置と、この光源装置から出射した光を透過させることによりこの光に画像を付加する透過型表示パネルと、を有することを特徴とする。
本発明においては、前述の光源装置により光の照射角度範囲を切り替えられるため、表示装置の視野角を切り替えることができる。
また、前記透過型表示パネルは液晶パネルであってもよい。このとき、前記液晶パネルが、横電界モード、マルチドメイン垂直配向モード又はフィルム補償TNモードの液晶パネルであることが好ましい。これにより、透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときに、表示が階調反転することを抑制でき、視認性が向上する。
本発明に係る端末装置は、前記表示装置を有することを特徴とする。また、この端末装置は、携帯電話、個人用情報端末、ゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ビデオプレーヤ、ノート型パーソナルコンピュータ、キャッシュディスペンサ又は自動販売機であってもよい。
本発明に係る透明・散乱切替素子は、入射した光をそのまま透過させる透明状態と散乱
させる散乱状態とに切替可能であり、高分子膜の中に液晶分子の領域が分散した構成を有した高分子分散型液晶層を有する透明・散乱切替素子であって、前記高分子分散型液晶層には、透明状態と散乱状態との間の透過光の波長スペクトルの差異を吸収する二色性色素が混入していることを特徴とする。
また、前記透明・散乱切替素子は透状態よりも散乱状態において、ある特定波長帯域の光をこの特定波長帯域以外の光より多く散乱し、前記二色性色素が透状態よりも散乱状態において、前記特定波長帯域以外の光を主として吸収してもよい。
または、前記透明・散乱切替素子は透状態よりも散乱状態において、ある特定波長帯域の光をこの特定波長帯域以外の光より多く散乱し、前記二色性色素が散乱状態よりも透状態において、前記特定波長帯域の光を主として吸収してもよい。
更にまた、前記特定波長帯域は、可視光における短波長帯域とすることができる。
更にまた、前記二色性色素は、前記液晶分子の領域に存在していてもよい。
または、前記二色性色素は、前記高分子膜の中にも存在していてもよい。
また、前記二色性色素は、棒状の分子構造を有していてもよい。
または、前記二色性色素は、円盤状の分子構造を有していてもよい。
また、前記二色性色素は、分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より青色を呈していてもよい。
または、前記二色性色素は、分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より黄色を呈していてもよい。
または、前記二色性色素は、分子短軸方向と分子長軸方向とで異なる波長帯域に吸収スペクトルを有していてもよい。
本発明に係る光源装置は、光を面状に出射する面状光源と、この面状光源から出射した
光を透過させる透明状態と散乱させる散乱状態とに切替可能であり、高分子膜の中に液晶分子の領域が分散した構成を有した高分子分散型液晶層を有する透明・散乱切替素子と、を備え、前記高分子分散型液晶層には、透明状態と散乱状態とにおいて異なる発光状態又は光吸収状態を呈する二色性蛍光色素分子又は発光性液晶分子が混入しており、この二色性蛍光色素分子又は発光性液晶分子は、透明状態と散乱状態との間の透過光の波長スペクトルの差異を吸収するように動作することを特徴とする。
本発明においては、透明状態と吸収状態とにおいて異なる発光状態又は光吸収状態を呈
する分子を使用することにより、透明・散乱切替素子の透過状態と散乱状態とで、出射光の色味が変化する現象を抑制することができる。また、散乱状態での出射光の色味が透過状態と異なる現象を抑制でき、明るい表示が可能となる。
また、前記透明・散乱切替素子は透状態よりも散乱状態において、ある特定波長帯域の光をこの特定波長帯域以外の光より多く散乱し、前記二色性蛍光色素分子又は前記発光性液晶分子が透状態よりも散乱状態において、前記特定波長帯域の光を主として発光してもよい。これにより、散乱状態での出射光の色味が透状態と異なる現象を抑制でき、かつ入射光の色味に近付けることができ、明るい表示が可能となる。
また、前記透明・散乱切替素子は透状態よりも散乱状態において、ある特定波長帯域の光をこの特定波長帯域以外の光より多く散乱し、前記二色性蛍光色素分子又は前記発光性液晶分子が散乱状態よりも透状態において、前記特定波長帯域以外の光を主として発光してもよい。これにより、透状態での出射光の色味を、散乱状態での出射光の色味に近付けることができ、明るい表示が可能となる。
更にまた、前記特定波長帯域は、可視光における短波長帯域とすることができる
更にまた、前記二色性蛍光色素分子又は前記発光性液晶分子は、前記液晶分子の領域に存在することが好ましい。これにより、透明状態と散乱状態との切替に伴う液晶分子の動きを利用して前記二色性蛍光色素分子又は前記発光性液晶分子を配向変化させることができるため、色味の補償をより効果的に実現することができる。また、前記二色性蛍光色素分子は、分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より青色を呈していてもよい。
また、前記高分子分散型液晶層は、前記液晶分子が棒状の分子構造で正の誘電率異方性を有し、前記液晶分子の短軸方向の屈折率と前記高分子膜の屈折率がほぼ同等であり、前記二色性蛍光色素分子は棒状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より青色を呈し、前記高分子分散型液晶層が1対の平面電極間に挟まれており、この1対の平面電極間に発生する縦電界により駆動されることが好ましい。
また、前記光源装置は、前記面状光源から出射された光の光線方向を規制して前記透明・散乱切替素子に対して出射する光線方向規制素子を有していてもよい。
本発明に係る表示装置は、前記光源装置と、この光源装置から出射した光を透過させることによりこの光に画像を付加する透過型表示パネルと、を有することを特徴とする。また、前記透過型表示パネルは液晶パネルであってもよい。
本発明に係る端末装置は、前記表示装置を有することを特徴とする。また、この端末装置は、携帯電話、個人用情報端末、ゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ビデオプレーヤ、ノート型パーソナルコンピュータ、キャッシュディスペンサ又は自動販売機であってもよい。
本発明に係る透明・散乱切替素子は、入射した光をそのまま透過させる透明状態と散乱させる散乱状態とに切替可能であり、高分子膜の中に液晶分子の領域が分散した構成を有した高分子分散型液晶層を有する透明・散乱切替素子であって、前記高分子分散型液晶層には、透明状態と散乱状態とにおいて異なる発光状態又は光吸収状態を呈する二色性蛍光色素分子が混入しており、この二色性蛍光色素分子は、透明状態と散乱状態との間の透過光の波長スペクトルの差異を吸収するように動作することを特徴とする。
また、前記透明・散乱切替素子は、前記液晶分子の短軸方向の屈折率と前記高分子膜の屈折率がほぼ同等であり、前記二色性蛍光色素分子は棒状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より青色の蛍光を呈し、この二色性蛍光色素分子は前記高分子分散型液晶層の前記液晶分子の領域に存在し、前記高分子分散型液晶層が1対の平面電極間に挟まれており、この1対の平面電極間に発生する縦電界により駆動されてもよい。
本発明によれば、照射角度範囲を切り替えることができる光源装置において、二色性色素分子を透明・散乱切替素子に導入することにより、照射角度切替時の色味の変化を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態に係る光源装置、表示装置、端末装置及び透明・散乱切替素子について添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態に係る光源装置、表示装置、端末装置及び透明・散乱切替素子について説明する。図1は本実施形態に係る表示装置を示す斜視図であり、図2はその構成要素である光源と導光板、光学フィルムを示す断面図であり、図3は表示装置の構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図であり、図4は本実施形態に係る表示装置を搭載した端末装置を示す斜視図である。
図1に示すように、本第1実施形態に係る表示装置2は、光源装置1と透過型液晶表示パネル7とにより構成されている。光源装置1においては、透明材料からなる導光板3が設けられている。導光板3の形状は矩形の板状である。そして、この導光板3の1つの側面(光入射面3a)に対向する位置に、光源が配置されている。光源は、例えば、白色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)51である。この白色LED51は、導光板3の光入射面3aに沿って複数個配置されており、その個数の一例は5個である。導光板3は、光入射面3aから入射された光を、その主面(光出射面3b)から均一に出射するものである。
導光板3の光出射面3b側には、光学フィルム4が配置されている。光学フィルム4は、導光板3から出射した光を導光板3の光出射面法線方向に偏向するためのものである。また、光学フィルム4の光出射面側に、透明・散乱切替素子122が設けられている。透明・散乱切替素子122は、光学フィルム4から入射した光をその反対側に出射する際に、この光を散乱させる状態と、散乱させずにそのまま透過させる状態とを切り替えるものである。図1に示すように、少なくとも白色LED51、導光板3、光学フィルム4、透明・散乱切替素子122により、光源装置1が構成されている。なお、前述の透過型液晶表示パネル7は、透明・散乱切替素子122の光出射面側に配置され、光を透過させることによりこの光に画像を付加するものである。
なお、本明細書においては、便宜上、以下のようにXYZ直交座標系を設定する。白色LED51から導光板3内に向かう方向を+X方向とし、その反対方向を−X方向とする。+X方向及び−X方向を総称してX軸方向という。また、導光板3の光出射面3bに平行な方向のうち、X軸方向に直交する方向をY軸方向とする。更に、X軸方向及びY軸方向の双方に直交する方向をZ軸方向とし、このZ軸方向のうち、導光板3内から光出射面3bに向かう方向を+Z方向とし、その反対方向を−Z方向とする。+Z方向は前方、即ち、使用者に向かう方向である。そして、+Y方向は、右手座標系が成立する方向とする。即ち、人の右手の親指を+X方向、人差指を+Y方向に向けたとき、中指は+Z方向を向くようにする。
上述の如く、XYZ直交座標系を設定すると、導光板3の光出射面3bはXY平面となり、白色LED51は導光板3から見て−X方向に配置され、光学フィルム4は+Z方向に配置されることになる。また、透明・散乱切替素子122は光学フィルム4から見て+Z方向に配置されることになる。
図2は、図1に示すA−A線による導光板3と光学フィルム4の断面図である。なお、図2には光線の軌跡の一例が示されているが、これについては後述する。図1に示すように、光入射面3aには、LEDの配置場所に起因する光出射面3bでの面内輝度ムラを低減するため、拡散パターンが形成されている。また、図2に示すように、導光板3の光拡散面3cには斜面3dが形成されている。斜面3dは、光源である白色LED51から出射され、導光板3の内部を+X方向に透過してきた光が照射される方向に傾斜している。斜面3dのX軸方向に対する傾斜角は例えば6度である。斜面3dはX軸方向に複数配列され、夫々の斜面はY軸方向に沿って導光板3の全長に亘って延びている。導光板の光出射面3bには、XY平面内で異方性を有するホログラムパターン(図示せず)が形成されている。導光板3内を伝搬し、光出射面3bより出射する光は、このホログラムパターンによりY軸方向の指向性が高められる。
また、光学フィルム4は、平板部4aと、この平板部4aの導光板3に対向する面上に形成された複数の一次元プリズム体4bから構成されている。一次元プリズム体4bは、その稜線がY軸方向に延び、−Z方向に突出したプリズム体であり、この一次元プリズム体4bがX軸方向に沿って複数個(図示例では10個)配列されている。一次元プリズム体4bの頂角は、例えば70度に設定されている。また、一次元プリズム体4bの突出方向、即ち、一次元プリズム体4bの側面を2等分する面に平行で且つY軸方向に直交する方向は、Z軸方向と一致する。一次元プリズム体4bが形成された光学フィルム4は、導光板3から出射された光をXZ平面内で+Z方向に偏向させ、指向性高く+Z方向に出射するものである。
前述のように、導光板の光出射面3bに形成されたホログラムパターンは、Y軸方向の指向性を高める働きがあるため、光学フィルム4から出射される光は、X軸方向及びY軸方向の双方に関して、+Z方向に指向性の高められた光となる。導光板3と光学フィルム4の材料には、加工性の容易さから透明樹脂が好適に使用されるが、本実施形態において、屈折率が1.5であるポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethyl-methacryl
ate)が使用されている。
図3は、光学フィルム4の光出射面側に設けられている透明・散乱切替素子122の断面図である。透明・散乱切替素子122においては、相互に平行に配置された1対の透明基板109が設けられており、各透明基板109における他方の透明基板109に対向する面に、透明基板109の表面を覆うように電極110が設けられている。そして、1対の透明基板109間、即ち、電極110間には、二色性色素分子が混入されたPDLC(Polymer Dispersed Liquid-Crystal:高分子分散型液晶)層111が設けられている。PDLC層111においては、高分子膜である高分子マトリクス111a中に液晶分子111b及び青色二色性色素分子150が分散している。PDLC層111は、例えば光硬化性樹脂と液晶材料、二色性色素の混合物を露光して硬化させることにより形成されたものである。
なお、本実施形態では、高分子マトリクス111aの屈折率は、液晶分子111bの短軸方向の屈折率、即ち屈折率異方性の最小値とほぼ一致するように、材料を選択してある。また、液晶分子111bは、誘電率異方性が正の液晶分子であり、分子の長軸方向に大きな誘電率異方性を有する材料を使用する。
次に、青色二色性色素分子150について説明する。一般的に、その形状に異方性を有する分子は、光学的にも異方性を有する。特にこの異方性が発現される波長帯が可視光の領域である場合、屈折率の実部に異方性が存在すると偏光依存性が発現するが、屈折率の虚部に異方性が存在すると光吸収に異方性が発現することになり、これが二色性と言われる。即ち、二色性色素とは、光の吸収に異方性を有する色素のことである。このような二色性を有する分子の例としては、アゾ系色素分子、アントラキノン系色素分子、ジオキサジン系色素分子等が一般的に知られている。なお、屈折率の実部に異方性が存在し偏光依存性が発現した典型例は液晶分子であるが、細長い棒状の形状を有する液晶分子では、分子長軸方向の屈折率が分子短軸方向の屈折率より大きな場合が多い。同様に、二色性色素分子でも、細長い棒状である色素分子は、分子の分極率楕円体が分子長軸方向に平行に細長く、吸収の遷移モーメントも分子長軸と一致する場合が多い。本実施形態で使用する青色二色性色素分子150は、このように細長い棒状の分子形状を有し、分子長軸方向に分子短軸方向よりも大きな光吸収特性を有するものである。また、可視光領域における光吸収特性は、青の波長帯である420nmから480nmの波長帯域における光吸収が他の波長帯よりも弱いため、青の波長帯以外の光が吸収され、青色を呈している。即ち、この青色二色性色素分子150を分子短軸方向から見た場合、分子長軸方向から見た場合よりも、より青色を呈することになる。なお本実施形態では、光硬化性樹脂よりも液晶材料の方に相溶性の高い二色性色素を選択しているため、高分子マトリクス111a中には青色二色性色素分子150が殆ど存在せず、液晶分子111bが形成するドロップレット中にのみ存在する。
そして、透明・散乱切替素子122においては、1対の電極110によりPDLC層111に電圧を印加することにより、PDLC層111中の液晶分子111bの配向状態が変化し、これに伴って青色二色性色素分子150の配向状態も変化する。例えば、PDLC層111に電界が印加されていないときは、液晶分子は様々な方向に配向し、高分子マトリクス111aと液晶分子の見かけの屈折率が異なるため、入射した光が散乱して出射される散乱状態となる。また、このときには、青色二色性色素分子150も液晶分子111bの配向に追従して様々な方向に向いているため、等方的に青味がかった状態、即ち黄色の光を吸収する状態となる。
一般的に、PDLC層のように微小な構造を有し、その微小構造体の屈折率分布により光を散乱する素子においては、光の散乱の程度は光の波長に依存し、波長が短い光ほど強く散乱され、波長が長い光ほど散乱され難い性質がある。即ち、透明・散乱切替素子が散乱状態の場合には、青色の光は散乱されやすく、赤色の光は散乱され難いため、透明・散乱切替素子から出射される光は、青色の割合が低下し、黄色味がかったものとなる。そこで本実施形態では、散乱状態の場合に、この黄色味がかった色を白色に補正する程度の青色二色性色素分子を混在させてある。即ち、青色二色性色素分子を混入してあるものの、その量は、散乱状態でほぼ白色を呈する程度の極少量である。
一方、PDLC層に電界が印加されているときは、液晶分子111bは、その長軸方向がZ軸方向となるように配向変化する。この時、正面方向から見ると、高分子マトリクス111aと液晶分子111bの見かけの屈折率がほぼ一致して、入射した光が散乱されずに出射される透明状態となる。この透明状態の場合には、見かけの屈折率分布が小さくなるため、散乱状態の場合のような色味の変化は殆ど発生しない。また、青色二色性色素分子150も液晶分子111bの配向変化に追従して、長軸方向がZ軸方向となるように配向変化し、正面方向から見た場合には青色の光は殆ど吸収されず、ほぼ透明な状態となる。このようにして、透明・散乱切替素子122は、入射した光を散乱又は透過すると共に、その色味を補正して透過型液晶パネル7に出射する。なお、透明・散乱切替素子には、焼き付きを防止するために60Hzの矩形波が印加されている。
図4に示すように、この表示装置2は、例えば、携帯電話9の表示部に搭載される。即ち、本実施形態に係る携帯端末としての携帯電話9は、上述の表示装置2を備えている。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る表示装置の動作、即ち、本実施形態に係る光源装置の動作について説明する。図5は、本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図であり、図6は、本実施形態における透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。
先ず、広視野角表示時の動作について説明する。広視野角表示時には、白色LED51を発光させるように電流を流し、透明・散乱切替素子122が散乱状態になるように駆動する。その結果、白色LED51が点灯し、白色LED51から発した光は、導光板3の光入射面3aから導光板中に入射する。前述のように、光入射面3aには拡散パターンが設けられているために、導光板中に入射した光は導光板中でY軸方向にも拡散され、これにより各白色LED51から発した光は混合される。
以下、この混合された光のうち、X−Z平面内を伝搬する光に着目して、この光の光路を説明する。図2に示すように、空気と導光板3を形成する樹脂材料との屈折率の違いにより、導光板3に入射した後の光の進行方向と+X方向とがZ軸方向になす角度は、スネルの法則に基づき、41.8度より小さくなる。そこで、+X方向に対して+Z方向に41.8度傾斜した光線L1について考えることにする。
この光線は、導光板3の光出射面3bに到達するが、Z軸方向に対する角度が48.2度であり、臨界角41.8度より大きいため、導光板3から出射せずに全反射する。同様に、光拡散面3cにおいても、斜面3d以外の領域に入射した場合には同じ角度で全反射するので、光出射面3bと光拡散面3cとの間で全反射を繰り返しつつ、白色LED51から離れる方向に伝搬することになる。この伝搬中に、光L1が、X軸方向に対する傾斜角が6度である斜面3dに入射すると、斜面3dの法線からの角度が42.2度となるが、この値は臨界角41.8度より大きいので、斜面41から導光板3外に光は出射せず全反射する。しかし、全反射後の光L1のZ軸方向に対する角度は36.2度となり、臨界角より小さいため、光出射面3bに到達した光は導光板3から外部に出射し、出射後の角度はZ軸方向に対して62.4度となる。
前述の如く、導光板3に入射した光は、必ず入射後のX軸方向に対する角度が41.8度以下となる。このため、この入射光が導光板3の光出射面3b又は光拡散面3cに到達したときのZ軸方向に対する角度は48.2度以上となり、全反射する。そして、この光が光出射面3b及び光拡散面3cにおいて全反射して導光板3中を伝搬する過程で、傾斜角が6度の斜面3dで全反射する度に、Z軸方向に対する光の進行方向の角度が臨界角に近づくことになり、この角度が臨界角より小さくなった時点で、光出射面3b又は光拡散面3cの平坦面から出射する。この結果、導光板3から出射した光は、XZ平面内においては、Z軸方向から約60度傾斜した方向に強い指向性を有することになる。
導光板3からZ軸方向に対して62.4度傾斜して出射した光L1は、光学フィルム4に入射するが、一次元プリズム体4bの頂角は70度であるため、一次元プリズム体4bに入射する角度は7.4度であり、一次元プリズム体4bの内部に入射した光線の進行方向と円錐体入射面の法線との間の角度は4.9度となる。その後、光L1は一次元プリズム体4bの反対側の側面に到達するが、この側面に対する角度は面法線から65.1度となるため全反射し、Z軸から11.1度の方向に進行する。その後、光学フィルム4から出射する光L1の角度は、スネルの法則により、Z軸から16.8度の方向となる。即ち、光学フィルム4から出射した光は、XZ平面内においては、ほぼZ軸方向に強い指向性を有することになる。
次に、Y軸方向の指向性について説明する。前述のように、白色LED51から発した光は、導光板3に入射後、少なくともXY平面内に拡散する。このY軸方向に拡散した成分の光は、前述のように光出射面に形成されたホログラムパターンにより集光されて指向性が高められる。即ち、光学フィルム4から出射される光の照射範囲としては狭い角度範囲に限定されることになる。
そして、光学フィルム4から出射した光は、透明・散乱切替素子122に入射する。透明・散乱切替素子122には電圧が印加されず散乱状態にあるため、高指向性の光は透明・散乱切替素子122により均一に散乱され、広い角度範囲に分散される。即ち、透明・散乱切替素子122によって散乱されて指向性が低下し、広角の光となる。この広範囲に広がった分布の光は、透過型液晶パネル7に入射し、画像が付加され、広角の光のまま出射する。このようにして、広視野角で画像が表示される。
次に、狭視野角表示時の動作について説明する。狭視野角表示時には、白色LED51を発光させるように電流を流し、透明・散乱切替素子122が透明状態になるように駆動する。その結果、白色LED51が点灯し、この白色LED51から発した光は導光板3中を伝搬して、広視野角表示時と同様に光学フィルム4から狭い角度範囲に出射される。この光は、次に透明・散乱切替素子122に入射される。透明・散乱切替素子122は電圧が印加され透明状態にあるため、高指向性の光は透明・散乱切替素子122により散乱されることなく、そのまま透過する。即ち、高指向性を維持した状態で透明・散乱切替素子122から出射される。この指向性が高い分布の光が、透過型液晶パネル7に入射し、画像が付加され、高指向性のまま出射する。このようにして、狭視野角で画像が表示される。
次に、広視野角表示時、狭視野角表示時の光の色味について説明する。上述の如く、本実施形態に係る表示装置においては、光学フィルム4と透過型液晶パネル7との間に透明・散乱切替素子122が設けられており、透明・散乱切替素子122にはPDLC層111が設けられており、PDLC層111が光を透過させたり散乱させたりすることにより、光の照射角を切り替えている。前述のように、PDLC層のように微小な構造を有し、その微小構造体の屈折率分布により光を散乱する素子においては、光の散乱の程度は光の波長に依存し、波長が短い光ほど強く散乱され、波長が長い光ほど散乱され難い性質がある。即ち、透明・散乱切替素子が散乱状態の場合には、青色の光は散乱されやすく、赤色の光は散乱され難いため、透明・散乱切替素子から出射される光は、青色の割合が低下し、黄色味がかったものとなる。一方で、透明状態の場合には、見かけの屈折率分布が小さくなるため、このような色味の変化は殆ど発生しない。
そこで本実施形態では、分子長軸方向に高い吸光性を有する青色二色性色素分子150をPDLC層111の液晶分子111bが形成するドロップレット中に導入している。図5に示すように、透明・散乱切替素子に電圧が印加されず散乱状態にある場合には、液晶分子は様々な方向に配向し、この配向状態に追従して青色二色性色素分子150も様々な方向に配向する。この結果、正面方向となるZ軸方向から観察した場合、高分子マトリクス111aと液晶分子111bの見かけの屈折率が異なるため、PDLC111層に入射した光は散乱され、前述のように特に青色の光が良く散乱されるが、それ以外の黄色の光は青色二色性色素分子150で吸収されるため、PDLC層から出射する光は白色を保つことができる。即ち、散乱状態で出射光が黄色味がかる現象を抑制することができる。
この散乱状態にある透明・散乱切替素子を斜め方向から観察した場合には、PDLC層を通過する光の長さ、即ち光路長が正面方向よりも長くなるが、本実施形態においては、正面方向の光路長が最小となる場合において出射光が白色を保つように調整されており、かつ光路長に依存せずに色味変化を抑制できるように構成されているため、斜め方向で光路長が大きくなった場合でも、同様に白色を保つことができる。一般的に、色素分子を含有しない透明・散乱切替素子においては、光路長が大きくなると散乱が大きくなり、短波長の光はより多く散乱されて色味の変化が大きくなるが、本実施形態では光路長が長くなっても色味変化を抑制できるため、広視野角表示時の色味変化を抑制することができる。
次に透明・散乱切替素子が透明状態となった場合の色味について説明する。図6に示すように、PDLC層111に電界が印加されているときは、液晶分子111bは、その長軸方向がZ軸方向となるように配向変化し、青色二色性色素分子150も液晶分子111bの配向変化に追従して、長軸方向がZ軸方向となるように配向変化する。
この電圧印加状態にある透明・散乱切替素子を正面方向から観察すると、高分子マトリクス111aの屈折率は液晶分子111bの短軸方向の屈折率、即ち屈折率異方性の最小値とほぼ一致するように設定されているため、両者の見かけの屈折率がほぼ一致して、入射した光が散乱されずに出射される透明状態となる。この透明状態の場合には、見かけの屈折率分布が小さくなるため、色素を混入しなくても散乱状態の場合のような色味の変化は殆ど発生しない。更に、青色二色性色素分子150は液晶分子111bの配向変化に追従して、長軸方向がZ軸方向となるように配向変化しているため、正面方向から見た場合にはほぼ透明な状態となる。
次に、電圧印加状態にある透明・散乱切替素子を斜め方向から観察した場合について説明する。前述のように、高分子マトリクス111aの屈折率は液晶分子111bの短軸方向の屈折率とほぼ一致するように設定されており、電圧が印加された場合には液晶分子111b及び青色二色性色素分子150は長軸方向がZ軸方向となるように配向変化している。このため、斜め方向から観察した場合には、液晶分子111bの見かけの屈折率は高分子マトリクス111aの屈折率と異なるものとなり、特に正面方向から傾くに従ってこの屈折率の差は大きくなる。また、正面方向からの傾きが大きくなると光路長も大きくなるため、結果として散乱が大きくなる。即ち、電圧印加状態にある透明・散乱切替素子は、正面方向からの傾きが大きくなると散乱性が高くなり、色素を混入しない場合には黄色味がかることになる。これに対して、本実施形態の青色二色性色素分子150を混入した場合には、青色二色性色素分子150は液晶分子111bに追従して長軸方向がZ軸方向となるように配向変化しているため、正面方向では色素の光吸収効果は殆ど発生せず、角度が大きくなるに従い光吸収効果は大きくなる。特に本実施形態では、青色二色性色素分子150が様々な方向に配向している際に、ほぼ白色を呈するように調整されているため、長軸方向がZ軸方向となるように配向変化している場合には、より黄色味を低減する効果を強く発揮することができる。なお、狭視野角表示状態では、正面方向から大きく傾いた方向の光は基本的に存在しないが、正面方向からある角度範囲では光が存在するため、特にこの範囲での色味変化を抑制する効果を発揮することができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態に係る表示装置によれば、二色性色素分子を透明・散乱切替素子に導入することにより、散乱状態にある透明・散乱切替素子から出射される光が黄色味がかる現象を抑制でき、透明状態と同等の白色を保つことができる。これにより、広視野角表示状態と狭視野角表示状態とで、色味の違いを抑制した表示装置を実現することができる。また、正面方向だけでなく斜め方向においても、出射光が黄色味がかる現象を抑制でき、特に透明状態では黄色味を低減する効果を強く発揮することができる。
更に、本発明の大きな特長として、自己補償効果を挙げることができる。これは即ち、視野角状態の切替に伴う色味変化の主因である透明・散乱切替素子自体に、色味変化を抑制する機能を持たせることで実現されている。これに対し例えば、色味変化を抑制する他の構成として視野角状態の切替時に光源の色味を切り替える方法では、別途光源の色味制御も必要になり、制御の複雑化を招く。本発明では透明・散乱切替素子自体が、自らの色味変化を抑制するように構成されているため、単に透明状態と散乱状態とを切り替えるだけで済み、制御の簡素化が可能となる。
このような自己補償効果により、例えば透明・散乱切替素子に厚みムラなどが発生した場合でも、色味ムラを低減することができる。厚みムラの種類としては、素子内での面内厚みムラや、素子の個体差によるばらつきなどがある。特に素子内での面内厚みムラが発生した場合、本発明の自己補償効果が存在しないと、厚みの大きな部分は色味の変化が大きく観察されるため、散乱性のムラ以上の違和感を使用者に与えてしまう。本発明では、自己補償効果により色味の変化を厚みにかかわらず抑制できるため、高画質化が可能となる。なお、この効果は、個体差のばらつきに対しても同様に有効である。
更に、別の効果として、温度変化時の色味変化抑制を挙げることができる。一般的に、透明・散乱切替素子は、温度が変化すると散乱性能も変化する。例えば、電圧を印加しない場合に散乱状態となる素子では、温度が低下すると動作が鈍くなり、透明状態になりにくくなる。本発明では、透明・散乱切替素子の状態に応じて色味の補正が可能なため、低温時に透明状態にならない場合には、色味補正もその散乱状態に応じた補正量を保つことになる。これに対して、前述のように光源の色味で補正する場合には、透明・散乱切替素子の温度変化とは無関係に補正が実行されてしまう。この結果、温度が変化した際に、十分な補正を実行することができない。温度検出機能を追加すれば対応可能であるが、制御が複雑になってしまう。このように本発明の構成では、温度変化に対しても自己補償性を持たせることができるため、簡易な制御で高画質化が可能となる。
なお、本発明の表示装置においては、狭視野角表示状態と広視野角表示状態とで光源である白色LEDの光量を変えても良い。仮に、狭視野角表示状態と広視野角表示状態とで光源の光量が同じであると、狭視野角表示状態と比較して広視野角表示状態の正面輝度が低下する。これは、狭視野角状態においては、透過型液晶パネルから出射する光は指向性が高い状態のままであるのに対し、広視野角状態においては、透明・散乱切替素子により散乱され、正面方向に進行する光束が減少して正面輝度が相対的に低下するからである。一方で、正面方向に位置するメインの使用者に対しては、狭視野角表示と広視野角表示とで輝度が変化しない方が好ましい。そこで、広視野角表示状態では、狭視野角表示状態よりも光源の光量を増大する。これにより、正面方向の輝度は狭視野角表示と広視野角表示とで同等の状態を実現することができる。
更に、広視野角表示と狭視野角表示とで光源の光量を変えることにより、光源の発する光の色度座標値が変化する場合には、この変動分を考慮して色素の濃度を決定しても良い。光源として白色LED、特に青色LEDと、この青色LEDの発する青色の光により黄色の光を発する黄色蛍光体とから構成され、青色と黄色の光により白色の光を発する方式の白色LEDを使用した場合には、青色LEDと黄色蛍光体の特性の違いから、光量を増大すると光源が僅かに青味を帯びる傾向がある。即ち、より多くの光量が必要な広視野角表示では、光源の発する光が僅かに青味がかることにより、透明・散乱切替素子が白色状態を保つと、表示が青味がかる現象が発生する。この場合には、青色二色性色素分子の量を僅かに減らすことにより、表示は白色を保つことができる。
更にまた、本発明で使用する光源は白色LEDを使用するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、冷陰極管などの他の手段も好適に使用することができる。
更にまた、PDLC層は、例えば光硬化性樹脂と液晶材料、二色性色素の混合物を露光して硬化させることにより形成されたものであるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の手段を用いて形成しても良い。一例では、予め光硬化性樹脂と液晶材料のみの混合物を露光硬化させることにより、二色性色素を含まないPDLC層を形成しておき、その後に一方の基板を剥離し、二色性色素を混合した液晶材料を浸透させて、二色性色素を含有したPDLC層を作製することもできる。
更にまた、本発明で使用する透明・散乱切替素子は、PDLC層を有するものに限定されず、透明状態と散乱状態をスイッチングできる素子であれば好適に使用できる。一例として、ポリマーネットワーク液晶(PNLC)を使用した素子、及びダイナミック・スキャッタリング(DS)を使用した素子を挙げることができる。また、前述のPDLC層においては、電圧を印加していないときは散乱状態であり、電圧印加時には透明状態であるものを使用している。これにより、前記透明・散乱素子は、入射された光を散乱する状態のときに電力を消費しないため、バックライト光源にその分の電力を割り当てられるため、散乱状態時の光源装置の明るさを向上させることが容易である。但し、電圧を印加していないときは透明状態であり、電圧印加時には散乱状態であるPDLC層を使用してもよい。このようなPDLC層は、電圧を印加しながら露光して硬化させることによって作製することができる。これにより、携帯情報端末において使用頻度が高い狭視野表示時に、PDLC層に電圧を印加する必要がなく、電力消費を抑制することができる。更に、PDLC層に使用する液晶分子としてコレステリック液晶又は強誘電性液晶等を用いてもよい。これらの液晶は、印加電圧をオフにしても電圧を印加していたときの配向状態のままであり、メモリー性がある。このようなPDLC層を使用することにより、消費電力を低減することが可能となる。
本発明の面状光源装置と組み合わせて使用する表示パネルは、液晶パネルに限定されず、光源装置を使用する表示パネルであれば使用可能である。また、液晶パネルは透過型に限定されず、各画素に透過領域が設けられたパネルであれば使用可能であり、各画素の一部に反射領域を有する半透過型液晶パネル、微透過型液晶パネル、微反射型液晶パネルでも使用可能である。また、液晶パネルは、視野角依存性が少ないものが好ましい。これにより、広視野角表示時の階調反転を抑制できる。そのような液晶パネルのモードの例としては、横電界モードではIPS(イン・プレイン・スイッチング)方式、FFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)方式、AFFS(アドヴァンスト・フリンジ・フィールド・スイッチング)方式等が挙げられる。また、垂直配向モードではマルチドメイン化され視野角依存性が低減されたMVA(マルチドメイン・ヴァーティカル・アライメント)方式、PVA(パターンド・ヴァーティカル・アライメント)方式、ASV(アドヴァンスト・スーパー・ヴイ)方式等が挙げられる。更に、フィルム補償TNモードの液晶表示パネルも好適に使用することができる。
更にまた、本実施形態においては、端末装置として携帯電話を示したが、本発明はこれに限定されず、本実施形態に係る表示装置は、携帯電話のみならず、PDA(Personal Digital Assistant:個人用情報端末)、ゲーム機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、及びビデオプレーヤ等の各種の携帯端末装置に好適に適用することができる。また、本実施形態に係る表示装置は、携帯端末装置のみならず、ノート型パーソナルコンピュータ、キャッシュディスペンサ、自動販売機等の各種の端末装置に適用することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図7は本実施形態に係る表示装置を示す斜視図であり、図8はその構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図である。
図7及び図8に示すように、本第2の実施形態に係る表示装置21及び光源装置11は、前述の第1の実施形態に係る表示装置2、光源装置1と比較して、透明・散乱切替素子122の代わりに透明・散乱切替素子123が使用され、青色二色性色素分子150の代わりに青色二色性色素分子151が使用されている点が異なる。透明・散乱切替素子123はPDLC層113を有する。前述の青色二色性色素分子150は、光硬化性樹脂よりも液晶材料の方に相溶性の高い二色性色素であるため、高分子マトリクス111a中には青色二色性色素分子150が殆ど存在せず、液晶分子111bが形成するドロップレット中にのみ存在していた。これに対し、本実施形態の青色二色性色素分子151は、液晶材料だけでなく光硬化性樹脂にも僅かな相溶性を有する二色性色素であるため、液晶分子111bが形成するドロップレット中だけでなく、高分子マトリクス111a中にも青色二色性色素分子151が少量存在している。なお、高分子マトリクス111a等方性の媒体であり、青色二色性色素分子151を配向させることはないため、青色二色性色素分子151は高分子マトリクス111a中で様々な方向を向いている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
本実施形態においては、PDLC層113の高分子マトリクス111a中に青色二色性色素分子151が様々な方向を向いて少量存在しているため、第1実施形態のPDLC層111よりも僅かに青味がかった色を呈する。この結果、透明基板や電極が黄色味がかっている場合に、この着色の影響も含めて補正することが可能となる。特に、透明基板としてプラスチック基板を使用した場合には、基板自体が黄色味を帯びる傾向にある。また、プラスチック基板は耐熱性が低いため、電極の成膜も低温で実施しなければならず、この結果電極自体も黄色味を帯びる傾向にある。本実施形態においては、特別な部材を追加することなく、他の部材の着色の影響を低減することが可能となる。本第2実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図9は本実施形態に係る表示装置を示す斜視図であり、図10はその構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図であり、図11はこの透明・散乱切替素子を示す上面図であり、図12は本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図であり、図13は、この透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。
図9に示すように、本第3の実施形態に係る表示装置22及び光源装置12は、前述の第1の実施形態に係る表示装置2、光源装置1と比較して、透明・散乱切替素子122の代わりに透明・散乱切替素子124が使用され、この透明・散乱切替素子124の光学フィルム4側には偏光板6が配置され、透過型液晶表示パネル7の代わりに透過型液晶表示パネル71が配置されている点が異なる。
図10及び図11に示すように、透明・散乱切替素子124は、前述の第1の実施形態における透明・散乱切替素子122と比較して、1対の透明基板109、二色性色素分子が混入されたPDLC層111は同一であり、電極110の構造が異なる。即ち、前述の第1の実施形態における透明・散乱切替素子122では、各透明基板109における他方の透明基板109に対向する面に、透明基板109の表面を覆うように電極110が設けられていたのに対し、本実施形態における透明・散乱切替素子124では、Z軸方向のマイナス側に位置する透明基板109の+Z側の面、即ちZ軸方向のプラス側に配置された透明基板109に対向する面に、横電界を発生させるための櫛歯電極110aが形成されている。櫛歯電極110aは、電圧印加時にY軸方向に横電界が発生するよう、X軸方向に延びた棒状の電極がY軸方向に多数配列されている。
更に、偏光板6の吸収軸はY軸方向に設定されており、透過型液晶表示パネル71の透明・散乱切替素子124側に設けられた偏光板とは、平行ニコルの関係、即ち吸収軸が平行に配置された関係となっている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る表示装置の動作、即ち、本実施形態に係る光源装置の動作について説明する。先ず、広視野角表示時の動作について説明するが、この時の動作は前述の第1実施形態と同じである。即ち、図12に示すように、透明・散乱切替素子124は電圧が印加されず散乱状態にあるため、光学フィルム4から出射した高指向性の光は、透明・散乱切替素子124により均一に散乱され、広い角度範囲に分散されて、広視野角の表示を実現する。また、透明・散乱切替素子124では、微小構造体の屈折率分布により短波長の光が良く散乱されるが、混入された青色二色性色素分子150が液晶分子111bと同様に様々な方向に配向して、長波長の光を吸収する。これにより、透明・散乱切替素子124から出射する光は、黄色味を帯びることなく白色を保っている。なお、偏光板6は、透明・散乱切替素子124に入射する光の偏光状態をX軸方向の直線偏光に揃える働きをしているが、散乱状態にある透明・散乱切替素子124はXY平面内で屈折率異方性は存在しないため、基本的な散乱動作に及ぼす影響はない。
次に、狭視野角表示時の動作について説明する。図13に示すように、透明・散乱切替素子124の櫛歯電極110aに電圧が印加されると、PDLC層111にはY軸方向の横電界が印加される。このY軸方向の横電界により、PDLC層111中の液晶分子111bは、長軸方向がY軸方向となるように配向変化し、青色二色性色素分子150も液晶分子111bの配向変化に追従して、長軸方向がY軸方向となるように配向変化する。前述のように、高分子マトリクス111aの屈折率は液晶分子111bの短軸方向の屈折率とほぼ一致するように設定されているため、X軸方向には高分子マトリクス111aと液晶分子111bに屈折率差は発生せず、Y軸方向には屈折率差が発生している。また、青色二色性色素分子150も長軸方向がY軸方向となるように配向変化しているため、X軸方向には色素の光吸収は殆ど発生せず、Y軸方向に大きな吸収が発生している。即ち、透明・散乱切替素子124は、X軸方向の直線偏光が入射した場合には、散乱及び吸収は発生せず、Y軸方向の直線変更が入射した場合に散乱及び吸収が発生する状態となっている。ここで、透明・散乱切替素子124に入射する光は、偏光板6によりX軸方向の直線偏光となっているため、透明・散乱切替素子124から出射する光は、散乱及び吸収が発生しない状態となっている。これにより、色味変化のない狭視野角表示状態が実現される。
次に、電圧印加状態にある透明・散乱切替素子124を斜め方向から観察した場合について説明する。前述のように、高分子マトリクス111aの屈折率は液晶分子111bの短軸方向の屈折率とほぼ一致するように設定されており、電圧が印加された場合には液晶分子111b及び青色二色性色素分子150は長軸方向がY軸方向となるように配向変化している。また、透明・散乱切替素子124に入射する光は、偏光板6によりX軸方向の直線偏光となっているため、X軸方向の光学的な効果が有効になっている。即ち、屈折及び吸収共に異方性が最小となる方向が使用され、この状態は正面方向から傾いても変化することはない。このため、斜め方向から観察しても、光路長が増大する影響は依然存在するものの、屈折及び吸収が変動しないため、散乱及び吸収が著しく大きくなることはない。これにより、斜め方向から観察しても散乱及び色味変化を抑制することができる。
なお、本実施形態における櫛歯電極110aは、Z軸方向のマイナス側に位置する透明基板109の+Z側の面に形成されているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、Z軸方向のプラス側に位置する透明基板109の−Z側の面に形成されていても良いし、両者の基板のそれぞれ相対する面に分離して形成されていても良い。本第3実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図14は本実施形態に係る表示装置を示す斜視図であり、図15はその構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図であり、図16は本実施形態における透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図であり、図17は、この透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。
図14に示すように、本第4の実施形態に係る表示装置23及び光源装置13は、前述の第3の実施形態に係る表示装置22、光源装置12と比較して、透明・散乱切替素子124の代わりに透明・散乱切替素子125が使用され、透過型液晶表示パネル7の代わりに透過型液晶表示パネル72が使用され、偏光板6の代わりに偏光板61が使用されている点が異なる。
図15に示すように、透明・散乱切替素子125は、前述の第3の実施形態における透明・散乱切替素子124と比較して、透明基板109、櫛歯電極110aの構造は同一であり、二色性色素分子が混入されたPDLC層111の代わりに、二色性色素分子が混入されたPDLC層114が使用されている点が異なる。二色性色素分子が混入されたPDLC層114は、PDLC層111と比較して、液晶分子111b及び青色二色性色素分子150は同一であり、高分子マトリクス114aが使用されている点が異なる。高分子マトリクス114aは液晶製モノマーをポリマー化したものであり、ラビング法などの公知の技術を用いて配向処理されており、屈折率の最大となる方向がX軸方向に、また屈折率の最小となる方向がY軸方向になっている。なお、高分子マトリクス114aの屈折率は、少なくともその最小値が、液晶分子111bの屈折率の最小値とほぼ同じ値となるように調整されている。更に、液晶分子111bの初期配向は、高分子マトリクス114aの配向の影響により、長軸方向がX軸方向となっている。青色二色性色素分子150も液晶分子111bと同様に、長軸方向がX軸方向を向いて配向している。また、偏光板61の吸収軸はX軸方向に設定されており、透過型液晶表示パネル72の透明・散乱切替素子125側に設けられた偏光板とは、平行ニコルの関係、即ち吸収軸が平行に配置された関係となっている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第3の実施形態と同様である。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る表示装置の動作、即ち、本実施形態に係る光源装置の動作について説明する。先ず、狭視野角表示時の動作について説明する。図16に示すように、透明・散乱切替素子125に電圧が印加されない場合には、PDLC層114は初期配向を保持する。即ち、高分子マトリクス114aの屈折率が最小となる方向はY軸方向であり、液晶分子111bの短軸方向はY軸方向であり、両者のY軸方向における屈折率はほぼ一致している。また、前述のように、青色二色性色素分子150も液晶分子111bと同様に、長軸方向がX軸方向を向いて配向しているため、Y軸方向における色素分子の光吸収は最低となっている。即ち、Y軸方向には、屈折率差に起因する散乱や二色性色素分子に起因する吸収は発生せず、透明状態を保っている。本状態にある透明・散乱切替素子125には、偏光板61によりY軸方向の直線偏光が入射するため、入射した光は透明・散乱切替素子125で変調を受けることなく、そのままの状態で出射する。これにより、狭視野角表示が実現される。
次に、広視野角表示時の動作について説明する。図17に示すように、透明・散乱切替素子125に電圧が印加されると、PDLC層114にはY軸方向の横電界が印加される。このY軸方向の横電界により、PDLC層114中の液晶分子111bは、長軸方向がY軸方向となるように配向変化し、青色二色性色素分子150も液晶分子111bの配向変化に追従して、長軸方向がY軸方向となるように配向変化する。前述のように、高分子マトリクス111aの屈折率は、Y軸方向が最小となるように配向処理されているため、長軸方向がY軸方向となるように配向変化した液晶分子111bとの屈折率差は最大となり、Y軸方向の散乱は最大となる。また、青色二色性色素分子150も長軸がY軸方向となるように配向変化しているため、Y軸方向における色素の吸収も最大となる。即ち、透明・散乱切替素子125は、Y軸方向の直線偏光が入射した場合には、散乱及び吸収が最大となっている。ここで、透明・散乱切替素子125に入射する光は、偏光板6によりY軸方向の直線偏光となっているため、透明・散乱切替素子125から出射する光は均一に散乱され、広視野角の表示を実現する。また、透明・散乱切替素子125では、微小構造体の屈折率分布により短波長の光が良く散乱されるが、混入された青色二色性色素分子150が液晶分子111bと同様にY軸方向に配向変化しているため、長波長の光を吸収する。これにより、透明・散乱切替素子125から出射する光は、黄色味を帯びることなく白色を保っている。これにより、色味変化のない広視野角表示状態が実現される。
次に、電圧を印加していない状態にある透明・散乱切替素子125を斜め方向から観察した場合について説明する。前述のように、電圧非印加時には、高分子マトリクス114aの屈折率が最小となる方向はY軸方向であり、液晶分子111b及び二色性色素分子150の短軸方向はY軸方向であり、両者のY軸方向における屈折率はほぼ一致している。また、透明・散乱切替素子125に入射する光は、偏光板61によりY軸方向の直線偏光となっているため、Y軸方向の光学的な効果が有効になっている。即ち、屈折及び吸収共に異方性が最小となる方向が使用され、この状態は正面方向から傾いても変化することはない。このため、斜め方向から観察しても、光路長が増大する影響は依然存在するものの、屈折及び吸収が変動しないため、散乱及び吸収が著しく大きくなることはない。これにより、斜め方向から観察しても散乱及び色味変化を抑制することができる。
更に、電圧印加状態にある透明・散乱切替素子125を斜め方向から観察した場合については、液晶分子111b及び二色性色素分子150は長軸方向がY軸方向となるように配向変化し、高分子マトリクス114aの屈折率が最小となる方向はY軸方向のままである。また、透明・散乱切替素子125に入射する光は、偏光板61によりY軸方向の直線偏光となっているため、Y軸方向の光学的な効果が有効になっている。即ち、屈折及び吸収共に異方性が最大となる方向が使用され、この状態は正面方向から傾くに従って小さくなる。結果として、斜め方向から観察すると、光路長は増大するものの、屈折率差及び二色性色素による光吸収は小さくなるため、視野角依存性としては良好な状態を保つことができる。即ち、本第4実施形態においては、広視野角表示状態、狭視野角表示状態共に優れた視野角特性を実現することができる。本第4実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図18は本実施形態に係る表示装置を示す斜視図であり、図19はその構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図であり、図20は本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び黄色二色性色素分子の配向状態を示す断面図であり、図21は、この透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び黄色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。
図18に示すように、本第5の実施形態に係る表示装置24及び光源装置14は、前述の第3の実施形態に係る表示装置22、光源装置12と比較して、透明・散乱切替素子124の代わりに透明・散乱切替素子126が使用され、透過型液晶表示パネル7の代わりに透過型液晶表示パネル72が使用され、偏光板6の代わりに偏光板61が使用され、光源として白色LED51の代わりに青白色LED52が使用されている点が異なる。
青白色LED52は、一例では、青色LEDと、この青色LEDの発する青色の光により黄色の光を発する黄色蛍光体とから構成され、青色と黄色の光により白色の光を発する方式のLEDであり、黄色蛍光体の発する黄色光よりも青色LEDの発する青色光の方が強く、青白い色の光が発せられるものである。
図19に示すように、透明・散乱切替素子126は、前述の第3の実施形態における透明・散乱切替素子124と比較して、透明基板109、櫛歯電極110aの構造は同一であり、二色性色素分子が混入されたPDLC層111の代わりに、二色性色素分子が混入されたPDLC層115が使用されている点が異なる。二色性色素分子が混入されたPDLC層115は、PDLC層111と比較して、液晶分子111bは同一であり、黄色二色性色素分子160が使用されている点と、高分子マトリクス115aが使用されている点が異なる。黄色二色性色素分子160は、分子長軸方向に分子短軸方向よりも大きな光吸収特性を有するものであり、また可視光領域における光吸収特性は、青の波長帯である420nmから480nmの波長帯域における光吸収が他の波長帯よりも強いため、青の波長帯の光が吸収され、黄色を呈しているものである。即ち、この黄色二色性色素分子160を分子短軸方向から見た場合、分子長軸方向から見た場合よりも、より黄色を呈することになる。高分子マトリクス115aは、その屈折率が、液晶分子111bの長軸方向の屈折率、即ち屈折率異方性の最大値とほぼ一致するように、材料を選択したものである。
更に、偏光板61の吸収軸はX軸方向に設定されており、透過型液晶表示パネル72の透明・散乱切替素子126側に設けられた偏光板とは、平行ニコルの関係、即ち吸収軸が平行に配置された関係となっている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第3の実施形態と同様である。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る表示装置の動作、即ち、本実施形態に係る光源装置の動作について説明する。先ず、広視野角表示時の動作について説明する。図20に示すように、広視野表示時は、透明・散乱切替素子126は電圧が印加されず散乱状態にあるため、光学フィルム4から出射した高指向性の光は、透明・散乱切替素子126により均一に散乱され、広い角度範囲に分散されて、広視野角の表示を実現する。また、透明・散乱切替素子126では、微小構造体の屈折率分布により短波長の光が良く散乱されるが、混入された黄色二色性色素分子160が液晶分子111bと同様に様々な方向に配向して、短波長の光を吸収する。これにより、透明・散乱切替素子126から出射する光は、入射光に対して黄色味を帯びた光となる。しかし、光源である青白色LED52からは、青味がかった光が出射されているため、透明・散乱切替素子126から出射される光は結果として白色となる。
次に、狭視野角表示時の動作について説明する。図21に示すように、透明・散乱切替素子126の櫛歯電極110aに電圧が印加されると、PDLC層115にはY軸方向の横電界が印加される。このY軸方向の横電界により、PDLC層115中の液晶分子111bは、長軸方向がY軸方向となるように配向変化し、黄色二色性色素分子160も液晶分子111bの配向変化に追従して、長軸方向がY軸方向となるように配向変化する。前述のように、高分子マトリクス115aの屈折率は液晶分子111bの長軸方向の屈折率とほぼ一致するように設定されているため、Y軸方向には高分子マトリクス115aと液晶分子111bに屈折率差は発生しない。また、黄色二色性色素分子160も長軸方向がY軸方向となるように配向変化しているため、Y軸方向に大きな吸収が発生している。即ち、透明・散乱切替素子126は、Y軸方向の直線偏光が入射した場合には、散乱は発生せず、吸収のみが発生する状態となっている。ここで、透明・散乱切替素子126に入射する光は、偏光板61によりY軸方向の直線偏光となっているため、透明・散乱切替素子126から出射する光は、入射する光と比較して、散乱は発生せず、黄色味を帯びた状態となっている。ここで前述のように、光源である青白色LED52からは青味がかった光が出射されているため、透明・散乱切替素子126から出射される光は結果として白色となる。
前述の第1乃至第4実施形態では青色二色性色素分子を使用していたが、本実施形態においては黄色二色性色素分子を使用しており、使用する色素の候補を増やすことができ、高信頼性、低コストの色素材料を選択することで装置の低コスト化が可能となる。なお、本実施形態は黄色二色性色素分子を使用するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、視野角切替における表示画面の色味変化を抑制可能な材料であれば好適に使用することができる。本第5実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図22は本実施形態に係る表示装置を示す斜視図であり、図23はその構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図であり、図24は本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図であり、図25は、この透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。
図22に示すように、本第6の実施形態に係る表示装置25及び光源装置15は、前述の第1の実施形態に係る表示装置2、光源装置1と比較して、透明・散乱切替素子122の代わりに透明・散乱切替素子127が使用されている点が異なる。
図23に示すように、透明・散乱切替素子127は、前述の第1の実施形態における透明・散乱切替素子122と比較して、透明基板109、電極110の構造は同一であり、二色性色素分子が混入されたPDLC層111の代わりに、二色性色素分子が混入されたPDLC層116が使用されている点が異なる。二色性色素分子が混入されたPDLC層116は、PDLC層111と比較して、高分子マトリクス111a及び液晶分子111bは同一であり、青色二色性色素分子152が使用されている点が異なる。前述の第1実施形態における青色二色性色素分子150が、細長い棒状の分子形状を有し、分子長軸方向に短軸方向よりも大きな光吸収特性を有していたのに対し、本第6実施形態における青色二色性色素分子152は、円盤状のディスコティックな形状を有し、分子短軸方向の光吸収がその他の方向よりも小さい光吸収特性を有している。また、この光吸収特性は、青の波長帯である420nmから480nmの波長帯域における光吸収が他の波長帯よりも弱いため、青の波長帯以外の光が吸収され、青色を呈している。即ち、この青色二色性色素分子152を分子短軸方向から見た場合、その他の方向から見た場合よりも、より青色を呈することになる。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る表示装置の動作、即ち、本実施形態に係る光源装置の動作について説明する。先ず、広視野角表示時の動作について説明する。図24に示すように、広視野表示時は、透明・散乱切替素子127は電圧が印加されず、液晶分子111bが様々な方向に配向するため、微小な屈折率分布が発生し、散乱状態となる。これにより、光学フィルム4から出射した高指向性の光は、透明・散乱切替素子127により均一に散乱され、広い角度範囲に分散されて、広視野角の表示を実現する。この時、ディスコティックな形状を有する青色二色性色素分子152は、液晶分子111bと同様に様々な方向に配向する。即ち、微小構造体の屈折率分布により短波長の光が良く散乱されるが、混入されたディスコティックな青色二色性色素分子152が液晶分子111bと同様に様々な方向に配向して、長波長の光を吸収するため、透明・散乱切替素子127から出射する光は、入射光と同等の白色を保つことができ、色味変化のない広視野角表示状態が実現される。
次に、狭視野角表示時の動作について説明する。図25に示すように、透明・散乱切替素子127の電極110に電圧が印加されると、PDLC層116にはZ軸方向の電界が印加される。このZ軸方向の電界により、PDLC層116中の液晶分子111bは、長軸方向がZ軸方向となるように配向変化する。これに対して、青色二色性色素分子152は、Z軸方向に立ち上がった液晶分子111bの間に、XY平面内にコインを立てたように配向変化する。この時の青色二色性色素分子152の短軸方向は、XY平面内で様々な方向を向いている。前述のように、高分子マトリクス111aの屈折率は液晶分子111bの短軸方向の屈折率とほぼ一致するように設定されているため、Z軸方向には高分子マトリクス111aと液晶分子111bに屈折率差は発生しない。また、青色二色性色素分子152もXY平面内においてコインを立てたように配向変化しているため、Z軸方向に大きな吸収は発生しない。これにより、透明・散乱切替素子127から出射する光は散乱及び吸収が発生しない状態となり、入射光と同等の白色を保つことができるため、色味変化のない狭視野角表示状態が実現される。
次に、電圧印加状態にある透明・散乱切替素子127を斜め方向から観察した場合について説明する。前述のように、高分子マトリクス111aの屈折率は液晶分子111bの短軸方向の屈折率とほぼ一致するように設定されており、電圧が印加された場合には液晶分子111bは長軸方向がZ軸方向となるように配向変化し、青色二色性色素分子152はXY平面内においてコインを立てたように配向変化している。この配向状態をZ軸方向から傾いた斜め方向から観察すると、液晶分子111bの見かけの屈折率は高分子マトリクス111aの屈折率と異なるものとなり、特に正面方向から傾くに従ってこの屈折率の差は大きくなる。また、正面方向からの傾きが大きくなると光路長も大きくなるため、結果として散乱が大きくなる。即ち、電圧印加状態にある透明・散乱切替素子は、正面方向からの傾きが大きくなると散乱性が高くなり、色素を混入しない場合には黄色味がかることになる。これに対して、本実施形態の青色二色性色素分子152を混入した場合には、青色二色性色素分子152は正面方向では色素の光吸収効果は殆ど発生しないが、角度が大きくなるに従い大きな光吸収効果が発現する。本実施形態では色素分子がディスコティックな形状を有し、XY平面内でコインを立てたように配向するため、本発明の第1実施形態と比較して、斜め方向に大きな吸収効果を発揮することができる。即ち、斜め方向に関してはより黄色味を低減する効果を強く発揮することができる。本第6実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図26は本実施形態に係る表示装置を示す斜視図であり、図27はその構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図であり、図28は本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図であり、図29は、この透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。
図26に示すように、本第7の実施形態に係る表示装置26及び光源装置16は、前述の第1の実施形態に係る表示装置2、光源装置1と比較して、透明・散乱切替素子122の代わりに透明・散乱切替素子128が使用されている点が異なる。
図27に示すように、透明・散乱切替素子128は、前述の第1の実施形態における透明・散乱切替素子122と比較して、透明基板109、電極110の構造は同一であり、二色性色素分子が混入されたPDLC層111の代わりに、二色性色素分子が混入されたPDLC層117が使用されている点が異なる。二色性色素分子が混入されたPDLC層117は、PDLC層111と比較して、高分子マトリクス111a及び液晶分子111bは同一であり、二色性色素分子161が使用されている点が異なる。前述の第1実施形態における青色二色性色素分子150が、細長い棒状の分子形状を有し、分子長軸方向に短軸方向よりも大きな光吸収特性を有していたのに対し、本第7実施形態における二色性色素分子161は、分子の長軸方向と短軸方向とで夫々異なる波長帯に光吸収特性を有している。一例では、分子の長軸方向には青の波長帯域以外の光が吸収され、分子の短軸方向には青の波長帯域の光が吸収される光吸収特性である。この結果、この二色性色素分子161を分子長軸方向から観察した場合には黄色を呈しているのに対し、分子短軸方向から観察した場合には青色を呈している。また、多数の二色性色素分子161が様々な方向を向いてランダムに配向した場合、基本的には青色と黄色が相殺されるものの、青色の方が強いために、薄青色を呈している。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る表示装置の動作、即ち、本実施形態に係る光源装置の動作について説明する。先ず、広視野角表示時の動作について説明する。図28に示すように、広視野表示時は、透明・散乱切替素子128は電圧が印加されず、液晶分子111bが様々な方向に配向するため、微小な屈折率分布が発生し、散乱状態となる。これにより、光学フィルム4から出射した高指向性の光は、透明・散乱切替素子128により均一に散乱され、広い角度範囲に分散されて、広視野角の表示を実現する。この時、二色性色素分子161は、液晶分子111bと同様に様々な方向に配向する。即ち、微小構造体の屈折率分布により短波長の光が良く散乱されるが、混入された二色性色素分子161が液晶分子111bと同様に様々な方向に配向して、長波長の光を吸収する。この吸収は、本発明の第1実施形態よりも弱いため、透明・散乱切替素子128から出射する光は、入射光と同等の白色よりも僅かに黄色味を帯びたものとなる。
次に、狭視野角表示時の動作について説明する。図29に示すように、透明・散乱切替素子128の電極110に電圧が印加されると、PDLC層117にはZ軸方向の電界が印加される。このZ軸方向の電界により、PDLC層117中の液晶分子111bは、長軸方向がZ軸方向となるように配向変化し、二色性色素分子161も同様に長軸方向がZ軸方向となるように配向変化する。前述のように、高分子マトリクス111aの屈折率は液晶分子111bの短軸方向の屈折率とほぼ一致するように設定されているため、Z軸方向には高分子マトリクス111aと液晶分子111bに屈折率差は発生しない。更に、二色性色素分子161も長軸方向がZ軸方向となるように配向変化しているため、正面方向から観察すると僅かに黄色を呈する状態となる。この色味は、透明・散乱切替素子128が散乱状態である場合に、透明・散乱切替素子128から出射する光と同等であり、入射光よりも僅かに黄色味を帯びた白色である。以上により、広視野角表示時と狭視野角表示時で色味変化のない表示切替が実現できる。
本実施形態では色素分子が軸方向により異なる光吸収特性を有するため、本発明の第1実施形態と比較して、広視野角表示時の色補正効果を低減することができ、光散乱の波長特性が小さなPDLCに対して効果的に適用できる。本第7実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。図30は本実施形態に係る表示装置を示す斜視図であり、図31はその構成要素であり光線方向規制素子であるルーバを示す斜視図である。
図30及び図31に示すように、本第8の実施形態に係る表示装置27及び光源装置17は、前述の第1の実施形態に係る表示装置2及び光源装置1と比較して、その構成要素に光線方向規制素子としてのルーバ112を有する点を特徴とする。ルーバ112は、光学フィルム4と透明・散乱切替素子122との間に配置されている。
図31に示すように、ルーバ112は、光を透過する透明領域112aと光を吸収する吸収領域112bとが、ルーバ表面に平行な方向に交互に配置されている。透明領域と吸収領域とが交互に配置されている方向は、図30に示すY軸方向に設定されている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
本実施形態においては、光学フィルム4から出射した光線のうち、+Z方向に対してY軸方向に一定値以上の角度で傾斜した光線は、吸収領域112bに到達して吸収されて除去される。これにより、ルーバ112は、光学フィルム4から出射した光のY軸方向における指向性を高めることができる。この結果、狭視野角表示時における斜め方向への光漏れを抑制でき、覗き見防止効果をより高めることができる。本第8実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態においては、ルーバの透明領域及び吸収領域の配列方向がY軸方向である例を示したが、本発明はこれに限定されず、XY平面内において回転配置されていてもよい。これにより、ルーバと表示パネルとの間で発生するモアレを目立ちにくくでき、表示品質を向上させることができる。
また、光線方向規制素子として、ルーバ112を単独で使用するのではなく、複数枚のルーバ112を使用することもできる。特に、2枚のルーバにおいて、各々のルーバにおける透明領域と吸収領域とが交互に配置されている方向が平行にならないように配置した場合には、出射光の指向性をより高めることができるため、覗き見防止効果をより高めることができる。
更には、複数枚のルーバを使用する代わりに、透明領域と吸収領域とが交互に配置されている方向が1枚のルーバ上に複数存在するように形成してもよい。これにより、複数枚のルーバを使用する場合よりも、薄型化が可能となる。本第8実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。図32は本発明の第9の実施形態に係る表示装置を示す斜視図であり、図33は本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び二色性蛍光色素分子の配向状態を示す断面図であり、図34は本実施形態における透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び二色性蛍光色素分子の配向状態を示す断面図である。
図32に示すように、本第9実施形態に係る表示装置28及び光源装置18は、前述の第1実施形態に係る表示装置2及び光源装置1と比較して、透明・散乱切替素子129が使用され、白色LED53が使用されている点が異なる。透明・散乱切替素子129は、前述の第1の実施形態における透明・散乱切替素子122と比較して、透明基板109、電極110の構造は同一である。そして、二色性色素分子が混入されたPDLC層111の代わりに、二色性蛍光色素分子170が混入されたPDLC層118が使用されている点が異なる。二色性蛍光色素分子170が混入されたPDLC層118は、PDLC層111と比較して、高分子マトリクス111a及び液晶分子111bは同一であり、二色性蛍光色素分子170が使用されている点が異なる。二色性蛍光色素分子170は、紫外線を照射すると蛍光により発光する色素分子において、この発光に異方性を有するものである。このような二色性蛍光色素分子は、蛍光色素分子の側鎖に液晶基を導入することにより実現でき、主鎖を配向させることが可能となるため、特定方向に強い発光を持たせることができる。本実施形態における二色性蛍光色素分子170は、分子長軸方向に平行に細長い棒状の分子形状を有し、分子短軸方向に分子長軸方向よりも大きな蛍光発光特性を有するものである。そして、その蛍光色は青色である。即ち、紫外線を照射すると、蛍光により青色の光を発する。
更に、白色LED53は、発光スペクトルに紫外線を含むタイプのLEDである。このようなLEDの例としては、紫外光を発して赤色、青色、緑色の3色の蛍光体を発光させ、白色の発光を実現するタイプがある。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る表示装置の動作、即ち、本実施形態に係る光源装置の動作について説明する。先ず、広視野角表示時の動作について説明する。図33に示すように、広視野表示時は、透明・散乱切替素子129は電圧が印加されず、液晶分子111bが様々な方向に配向するため、微小な屈折率分布が発生し、散乱状態となる。これにより、光学フィルム4から出射した高指向性の光は、透明・散乱切替素子129により均一に散乱され、広い角度範囲に分散されて、広視野角の表示を実現する。この時、二色性蛍光色素分子170は、液晶分子111bと同様に様々な方向に配向する。即ち、微小構造体の屈折率分布により短波長の光が良く散乱されるが、混入された二色性蛍光色素分子170が液晶分子111bと同様に様々な方向に配向して、光源の紫外線により短波長の光を蛍光発光する。これにより、透明・散乱切替素子129から出射する光は、入射光と同等の白色をとなる。
次に、狭視野角表示時の動作について説明する。図34に示すように、透明・散乱切替素子129の電極110に電圧が印加されると、PDLC層118にはZ軸方向の電界が印加される。このZ軸方向の電界により、PDLC層118中の液晶分子111bは、長軸方向がZ軸方向となるように配向変化し、二色性蛍光色素分子170も同様に長軸方向がZ軸方向となるように配向変化する。前述のように、高分子マトリクス111aの屈折率は液晶分子111bの短軸方向の屈折率とほぼ一致するように設定されているため、Z軸方向には高分子マトリクス111aと液晶分子111bに屈折率差は発生しない。更に、二色性蛍光色素分子170も長軸方向がZ軸方向となるように配向変化しているため、正面方向から観察すると、蛍光による発光は殆ど観察されない。更に、狭視野角表示時には広視野角表示時よりも狭い範囲を照射すれば良いため、狭視野角表示時は広視野角表示時よりも光源の光量を低下させることが好ましい。これにより紫外線の光量も低下するため、蛍光発光自体を抑制することができる。以上により、正面方向では蛍光発光による青色の発光は殆ど観察されず、透明・散乱切替素子129が散乱状態である場合と同様の色味を実現することができる。即ち、広視野角表示時と狭視野角表示時で色味変化のない表示切替が実現できる。
本実施形態においては二色性蛍光色素分子を使用して、広視野角表示時と狭視野角表示時で色味の変化を抑制することができる。特に、本発明の第1実施形態と比較して、二色性色素分子による可視光の吸収がないため、輝度の低下がなく、明るい表示を実現することができる。このため、特に携帯型の端末装置に対して好適に使用することができる。
なお、本実施形態における色味の補正は、光源の発する紫外線の強度に左右される。このため、広視野角表示時に光源の光量を低下させると、紫外光の発光強度も低下するため、色味の補正効果が低下することになる。しかし、表示の輝度が低下すると、色味の認識力も低下するため、大きな問題にはならない。また、前述の実施形態と同様に、二色性色素分子を併用することもできる。
更に、本実施形態では青色の蛍光を発する二色性蛍光色素分子を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。前述の実施形態と同様に構成して、青色以外の蛍光色を発する二色性蛍光色素を使用することもできる。また、棒状の分子のみならず、円盤状の分子を適用することも可能である。本第9実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。図35は本発明の第10の実施形態に係る表示装置を示す斜視図であり、図36は本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び発光性液晶分子の配向状態を示す断面図であり、図34は本実施形態における透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び発光性液晶分子の配向状態を示す断面図である。
図35に示すように、本第10実施形態に係る表示装置29及び光源装置19は、前述の第1実施形態に係る表示装置2及び光源装置1と比較して、透明・散乱切替素子120が使用され、青白色LED52が使用されている点が異なる。透明・散乱切替素子120は、前述の第1の実施形態における透明・散乱切替素子122と比較して、透明基板109、電極110の構造は同一である。そして、二色性色素分子が混入されたPDLC層111の代わりに、発光性液晶分子180が混入されたPDLC層119が使用されている点が異なる。発光性液晶分子180が混入されたPDLC層119は、PDLC層111と比較して、高分子マトリクス111a及び液晶分子111bは同一であり、発光性液晶分子180が使用されている点が異なる。発光性液晶分子180は、電界により電荷が注入されて発光する分子の一種であるが、通常の液晶分子と同様、分子構造に異方性を有しているため、分子の長軸方向と短軸方向とで異なる強度の発光を得ることができる。本実施形態における発光性液晶分子180は、分子長軸方向に平行に細長い棒状の分子形状を有し、分子短軸方向に分子長軸方向よりも大きな発光特性を有するものである。そして、その発光色は黄色である。即ち、電界を印加すると、分子短軸方向に黄色の光を発する。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る表示装置の動作、即ち、本実施形態に係る光源装置の動作について説明する。先ず、広視野角表示時の動作について説明する。図36に示すように、広視野表示時は、透明・散乱切替素子120は電圧が印加されず、液晶分子111bが様々な方向に配向するため、微小な屈折率分布が発生し、散乱状態となる。これにより、光学フィルム4から出射した高指向性の光は、透明・散乱切替素子129により均一に散乱され、広い角度範囲に分散されて、広視野角の表示を実現する。この時、発光性液晶分子180は、液晶分子111bと同様に様々な方向に配向する。即ち、混入された発光性液晶分子180は液晶分子111bと同様に様々な方向に配向するものの、電界が印加されていないため、発光しない。この結果、青白色LED52の光は、微小構造体の屈折率分布により短波長の光が良く散乱され、白色となって透明・散乱切替素子120から出射する。
次に、狭視野角表示時の動作について説明する。図37に示すように、透明・散乱切替素子120の電極110に電圧が印加されると、PDLC層119にはZ軸方向の電界が印加される。このZ軸方向の電界により、PDLC層119中の液晶分子111bは、長軸方向がZ軸方向となるように配向変化し、発光性液晶分子180も同様に長軸方向がZ軸方向となるように配向変化する。前述のように、高分子マトリクス111aの屈折率は液晶分子111bの短軸方向の屈折率とほぼ一致するように設定されているため、Z軸方向には高分子マトリクス111aと液晶分子111bに屈折率差は発生しない。そして、発光性液晶分子180も長軸方向がZ軸方向となるように配向変化しているため、正面方向に黄色の発光をする。以上により、正面方向では青白色LED52の光と、発光性液晶分子180の発する黄色の光が混ざって観察され、白色が実現される。これにより、透明・散乱切替素子120が散乱状態である場合と同様の色味を実現することができる。即ち、広視野角表示時と狭視野角表示時で色味変化のない表示切替が実現できる。
本実施形態においては、発光性液晶分子を使用して、広視野角表示時と狭視野角表示時で色味の変化を抑制することができる。特に、本発明の第1実施形態と比較して、二色性色素分子による可視光の吸収がないため、輝度の低下がなく、明るい表示を実現することができる。また、本発明の第9実施形態と比較して、光源の依存性がない。また、前述の実施形態と同様に、二色性色素分子を併用することもできる。
なお、本実施形態においては、電圧を印加した際に透明状態となる透明・散乱切替素子の場合について説明したが、電圧を印加した際に散乱状態となる透明・散乱切替素子の場合には、白色の光源と、青色発光の発光性液晶分子を使用するのが好ましいのは明らかである。これは、電圧が印加されない透明状態においては、発光性液晶分子の発光はなく、散乱による色味の変化もないため、光源の白色の光がそのまま出射される。そして、電圧が印加された散乱状態においては、散乱による短波長帯の散乱を発光性液晶分子の青色発光が補い、白色の光が出射されることになるからである。
更に、本実施形態における発光性液晶分子のかわりに、発光方向に異方性のない、単なる発光性分子を適用することもできる。この場合、発光性分子は、PDLC層の高分子マトリクスに混在していてもよい。本第10実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1実施形態と同様である。
なお、上述の各実施形態は夫々単独で実施してもよいが、適宜組み合わせて実施することも可能である。
本発明は、例えば、携帯電話、PDA、ゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ及びビデオプレーヤ等の携帯端末装置の表示装置、並びにノート型パーソナルコンピュータ、キャッシュディスペンサ及び自動販売機等の端末装置の表示装置に好適に利用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る表示装置を示す斜視図である。 その構成要素である光源、導光板及び光学フィルムを示す断面図である。 その構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図である。 本実施形態に係る端末装置を示す斜視図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る表示装置を示す斜視図である。 その構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る表示装置を示す斜視図である。 その構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図である。 その構成要素である透明・散乱切替素子を示す上面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る表示装置を示す斜視図である。 その構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る表示装置を示す斜視図である。 その構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び黄色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び黄色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る表示装置を示す斜視図である。 その構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び青色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。 本発明の第7の実施形態に係る表示装置を示す斜視図である。 その構成要素である透明・散乱切替素子を示す断面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び黄色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び黄色二色性色素分子の配向状態を示す断面図である。 本発明の第8の実施形態に係る表示装置を示す斜視図である。 その構成要素であるルーバを示す斜視図である。 本発明の第9の実施形態に係る表示装置を示す斜視図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び二色性蛍光色素分子の配向状態を示す断面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び二色性蛍光色素分子の配向状態を示す断面図である。 本発明の第10の実施形態に係る表示装置を示す斜視図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が散乱状態にあるときの液晶分子及び発光性液晶分子の配向状態を示す断面図である。 本実施形態における透明・散乱切替素子が透明状態にあるときの液晶分子及び発光性液晶分子の配向状態を示す断面図である。 特許文献1に記載されている従来の第1の視野角制御型液晶表示装置を模式的に示す断面図である。 特許文献2に記載されている従来の第1の視野角制御型液晶表示装置を模式的に示す断面図である。 特許文献2に記載の従来の視野角制御型液晶表示装置に使用される照明装置を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1、11、12、13、14、15、16、17、18、19;光源装置
2、21、22、23、24、25、26、27、28、29;表示装置
3;導光板
3a;光入射面
3b;光出射面
3c;光拡散面
3d;斜面
4;光学フィルム
4a;平板部
4b;一次元プリズム体
51、53;白色LED
52;青白色LED
6、61;偏光板
7、71、72;透過型液晶表示パネル
9;携帯電話
109;透明基板
110;電極
110a;櫛歯電極
111、113、114、115、116、117、118、119;PDLC層
111a、114a、115a;高分子マトリクス
111b;液晶分子
112;ルーバ
112a;透明領域
112b;吸収領域
122、123、124、125、126、127、128、129、120;透明・散乱切替素子
150、151、152;青色二色性色素分子
160;黄色二色性色素分子
161;二色性色素分子
170;二色性蛍光色素分子
180;発光性液晶分子
1001;視野角制御型液晶表示装置
1100、1101;電圧供給源
1110、1111、1112;基板
1120、1121、1122、1123;透明電極
1130;散乱モードの液晶
1140、1141;偏光子
1150、1151;配向膜
1160;液晶層
1170;液晶素子
1180;液晶素子
1190、1191;スイッチ
2101;視野角制御型液晶表示装置
2102;液晶表示装置
2103;散乱性制御素子
2104;照明装置
2115;基板
2120;遮光スリット付シート
2121;照射部
2122;光源
2123;光出射面
2124;反射シート
L1;光線

Claims (49)

  1. 光を面状に出射する面状光源と、この面状光源から出射した光を透過させる透明状態と散乱させる散乱状態とに切替可能であり、高分子膜の中に液晶分子の領域が分散した構成を有した高分子分散型液晶層を有する透明・散乱切替素子と、を備え、前記高分子分散型液晶層には、透明状態と散乱状態との間の透過光の波長スペクトルの差異を吸収する二色性色素が混入していることを特徴とする光源装置。
  2. 前記透明・散乱切替素子は透状態よりも散乱状態において、ある特定波長帯域の光をこ
    の特定波長帯域以外の光より多く散乱し、前記二色性色素が透状態よりも散乱状態にお
    いて、前記特定波長帯域以外の光を主として吸収することを特徴とする請求項に記載の
    光源装置。
  3. 前記透明・散乱切替素子は透状態よりも散乱状態において、ある特定波長帯域の光をこ
    の特定波長帯域以外の光より多く散乱し、前記二色性色素が散乱状態よりも透状態にお
    いて、前記特定波長帯域の光を主として吸収することを特徴とする請求項に記載の光源
    装置。
  4. 前記特定波長帯域は、可視光における短波長帯域であることを特徴とする請求項又は
    に記載の光源装置。
  5. 前記二色性色素は、前記液晶分子の領域に存在することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光源装置。
  6. 前記二色性色素は、前記高分子膜の中にも存在することを特徴とする請求項に記載の光
    源装置。
  7. 前記二色性色素は、棒状の分子構造を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか
    1項に記載の光源装置。
  8. 前記二色性色素は、円盤状の分子構造を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれ
    か1項に記載の光源装置。
  9. 前記二色性色素は、分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より
    青色を呈することを特徴とする請求項又はに記載の光源装置。
  10. 前記二色性色素は、分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より
    黄色を呈することを特徴とする請求項又はに記載の光源装置。
  11. 前記二色性色素は、分子短軸方向と分子長軸方向とで異なる波長帯域に吸収スペクトルを
    有することを特徴とする請求項又はに記載の光源装置。
  12. 前記透明・散乱切替素子は、前記高分子分散型液晶層が1対の平面電極間に挟まれており
    、この1対の平面電極間に発生する縦電界により駆動されることを特徴とする請求項
    11のいずれか1項に記載の光源装置。
  13. 前記透明・散乱切替素子は櫛歯電極を有し、この櫛歯電極間に発生する横電界により駆動
    されることを特徴とする請求項乃至11のいずれか1項に記載の光源装置。
  14. 前記高分子分散型液晶層は、前記液晶分子が棒状の分子構造で正の誘電率異方性を有し、
    前記液晶分子の短軸方向の屈折率と前記高分子膜の屈折率がほぼ同等であり、前記二色性
    色素は棒状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場
    合よりも、より青色を呈し、この高分子分散型液晶層は縦電界により駆動されることを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光源装置。
  15. 前記高分子分散型液晶層は、前記液晶分子が棒状の分子構造で正の誘電率異方性を有し、
    前記液晶分子の短軸方向の屈折率と前記高分子膜の屈折率がほぼ同等であり、前記二色性
    色素は円盤状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向から見た場合にそれ以外の方向から見
    た場合よりも、より青色を呈し、この高分子分散型液晶層は縦電界により駆動されること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光源装置。
  16. 前記高分子分散型液晶層は、前記液晶分子が棒状の分子構造で正の誘電率異方性を有し、
    前記液晶分子の短軸方向の屈折率と前記高分子膜の屈折率がほぼ同等であり、前記二色性
    色素は棒状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場
    合よりも、より青色を呈し、この高分子分散型液晶層は横電界により駆動され、前記透明
    ・散乱切替素子の面内におけるこの電界方向と垂直な方向に透過軸を配置した偏光板を光
    入射面に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光源装置。
  17. 前記高分子分散型液晶層は、前記液晶分子が棒状の分子構造で正の誘電率異方性を有し、
    前記高分子膜は屈折率異方性を有し、少なくとも前記液晶分子の短軸方向の屈折率と前記
    高分子膜の最小屈折率値がほぼ同等であり、前記二色性色素は棒状の分子構造を有し、か
    つ分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より青色を呈し、この
    高分子分散型液晶層は横電界により駆動され、この電界方向に透過軸を配置した偏光板を
    光入射面に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光源装置。
  18. 前記高分子分散型液晶層は、前記液晶分子が棒状の分子構造で正の誘電率異方性を有し、
    前記液晶分子の長軸方向の屈折率と前記高分子膜の屈折率がほぼ同等であり、前記二色性
    色素は棒状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場
    合よりも、より黄色を呈し、この高分子分散型液晶層は横電界により駆動され、この電界
    方向に透過軸を配置した偏光板を光入射面に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光源装置。
  19. 前記面状光源から出射された光の光線方向を規制して前記透明・散乱切替素子に対して出
    射する光線方向規制素子を有することを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記
    載の光源装置。
  20. 請求項1乃至19のいずれか1項に記載の光源装置と、この光源装置から出射した光を透
    過させることによりこの光に画像を付加する透過型表示パネルと、を有することを特徴と
    する表示装置。
  21. 前記透過型表示パネルが液晶パネルであることを特徴とする請求項20に記載の表示装置
  22. 前記液晶パネルが、横電界モード、マルチドメイン垂直配向モード又はフィルム補償TN
    モードの液晶パネルであることを特徴とする請求項21に記載の表示装置。
  23. 請求項20乃至22のいずれか1項に記載の表示装置を有することを特徴とする端末装置
  24. 携帯電話、個人用情報端末、ゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ビデオプレーヤ
    、ノート型パーソナルコンピュータ、キャッシュディスペンサ又は自動販売機であること
    を特徴とする請求項23に記載の端末装置。
  25. 入射した光をそのまま透過させる透明状態と散乱させる散乱状態とに切替可能であり、高分子膜の中に液晶分子の領域が分散した構成を有した高分子分散型液晶層を有する透明・散乱切替素子であって、前記高分子分散型液晶層には、透明状態と散乱状態との間の透過光の波長スペクトルの差異を吸収する二色性色素が混入していることを特徴とする透明・散乱切替素子。
  26. 前記透明・散乱切替素子は透状態よりも散乱状態において、ある特定波長帯域の光をこ
    の特定波長帯域以外の光より多く散乱し、前記二色性色素が透状態よりも散乱状態にお
    いて、前記特定波長帯域以外の光を主として吸収することを特徴とする請求項25に記載
    の透明・散乱切替素子。
  27. 前記透明・散乱切替素子は透状態よりも散乱状態において、ある特定波長帯域の光をこ
    の特定波長帯域以外の光より多く散乱し、前記二色性色素が散乱状態よりも透状態にお
    いて、前記特定波長帯域の光を主として吸収することを特徴とする請求項25に記載の透
    明・散乱切替素子。
  28. 前記特定波長帯域は、可視光における短波長帯域であることを特徴とする請求項26又は
    27に記載の透明・散乱切替素子。
  29. 前記二色性色素は、前記液晶分子の領域に存在することを特徴とする請求項25乃至28のいずれか1項に記載の透明・散乱切替素子。
  30. 前記二色性色素は、前記高分子膜の中にも存在することを特徴とする請求項29に記載の
    透明・散乱切替素子。
  31. 前記二色性色素は、棒状の分子構造を有することを特徴とする請求項25乃至30のいず
    れか1項に記載の透明・散乱切替素子。
  32. 前記二色性色素は、円盤状の分子構造を有することを特徴とする請求項25乃至30のい
    ずれか1項に記載の透明・散乱切替素子。
  33. 前記二色性色素は、分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より
    青色を呈することを特徴とする請求項31又は32に記載の透明・散乱切替素子。
  34. 前記二色性色素は、分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より
    黄色を呈することを特徴とする請求項31又は32に記載の透明・散乱切替素子。
  35. 前記二色性色素は、短軸方向と長軸方向とで異なる波長帯域に吸収スペクトルを有するこ
    とを特徴とする請求項31又は32に記載の透明・散乱切替素子。
  36. 光を面状に出射する面状光源と、この面状光源から出射した光を透過させる透明状態と散乱させる散乱状態とに切替可能であり、高分子膜の中に液晶分子の領域が分散した構成を有した高分子分散型液晶層を有する透明・散乱切替素子と、を備え、前記高分子分散型液晶層には、透明状態と散乱状態とにおいて異なる発光状態又は光吸収状態を呈する二色性蛍光色素分子又は発光性液晶分子が混入しており、この二色性蛍光色素分子又は発光性液晶分子は、透明状態と散乱状態との間の透過光の波長スペクトルの差異を吸収するように動作することを特徴とする光源装置。
  37. 前記透明・散乱切替素子は透状態よりも散乱状態において、ある特定波長帯域の光をこ
    の特定波長帯域以外の光より多く散乱し、前記二色性蛍光色素分子又は前記発光性液晶分子が透状態よりも散乱状態において、前記特定波長帯域の光を主として発光することを特徴とする請求項36に記載の光源装置。
  38. 前記透明・散乱切替素子は透状態よりも散乱状態において、ある特定波長帯域の光をこ
    の特定波長帯域以外の光より多く散乱し、前記二色性蛍光色素分子又は前記発光性液晶分子が散乱状態よりも透状態において、前記特定波長帯域以外の光を主として発光することを特徴とする請求項36に記載の光源装置。
  39. 前記特定波長帯域は、可視光における短波長帯域であることを特徴とする請求項37又は
    38に記載の光源装置。
  40. 前記二色性蛍光色素分子又は前記発光性液晶分子は、前記液晶分子の領域に存在することを特徴とする請求項36乃至39のいずれか1項に記載の光源装置。
  41. 前記二色性蛍光色素分子は、分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向から見た場合より
    も、より青色を呈することを特徴とする請求項40に記載の光源装置。
  42. 前記高分子分散型液晶層は、前記液晶分子が棒状の分子構造で正の誘電率異方性を有し、
    前記液晶分子の短軸方向の屈折率と前記高分子膜の屈折率がほぼ同等であり、前記二色性
    蛍光色素分子は棒状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向から見た場合に分子長軸方向か
    ら見た場合よりも、より青色を呈し、前記高分子分散型液晶層が1対の平面電極間に挟ま
    れており、この1対の平面電極間に発生する縦電界により駆動されることを特徴とする請
    求項41に記載の光源装置。
  43. 前記面状光源から出射された光の光線方向を規制して前記透明・散乱切替素子に対して出
    射する光線方向規制素子を有することを特徴とする請求項36乃至42のいずれか1項に
    記載の光源装置。
  44. 請求項36乃至43のいずれか1項に記載の光源装置と、この光源装置から出射した光を
    透過させることによりこの光に画像を付加する透過型表示パネルと、を有することを特徴
    とする表示装置。
  45. 前記透過型表示パネルが液晶パネルであることを特徴とする請求項44に記載の表示装置
  46. 請求項44に記載の表示装置を有することを特徴とする端末装置。
  47. 携帯電話、個人用情報端末、ゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ビデオプレーヤ
    、ノート型パーソナルコンピュータ、キャッシュディスペンサ又は自動販売機であること
    を特徴とする請求項46に記載の端末装置。
  48. 入射した光をそのまま透過させる透明状態と散乱させる散乱状態とに切替可能であり、高分子膜の中に液晶分子の領域が分散した構成を有した高分子分散型液晶層を有する透明・散乱切替素子であって、前記高分子分散型液晶層には、透明状態と散乱状態とにおいて異なる発光状態又は光吸収状態を呈する二色性蛍光色素分子が混入しており、この二色性蛍光色素分子は、透明状態と散乱状態との間の透過光の波長スペクトルの差異を吸収するように動作することを特徴とする透明・散乱切替素子。
  49. 前記透明・散乱切替素子は、前記液晶分子の短軸方向の屈折率と前記高分子膜の屈折率がほぼ同等であり、前記二色性蛍光色素分子は棒状の分子構造を有し、かつ分子短軸方向か
    ら見た場合に分子長軸方向から見た場合よりも、より青色の蛍光を呈し、この二色性蛍光
    色素分子は前記高分子分散型液晶層の前記液晶分子の領域に存在し、前記高分子分散型液
    晶層が1対の平面電極間に挟まれており、この1対の平面電極間に発生する縦電界により
    駆動されることを特徴とする請求項48に記載の透明・散乱切替素子。
JP2007133524A 2006-05-19 2007-05-18 光源装置、表示装置、端末装置及び透明・散乱切替素子 Active JP5013371B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007133524A JP5013371B2 (ja) 2006-05-19 2007-05-18 光源装置、表示装置、端末装置及び透明・散乱切替素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006140676 2006-05-19
JP2006140676 2006-05-19
JP2007133524A JP5013371B2 (ja) 2006-05-19 2007-05-18 光源装置、表示装置、端末装置及び透明・散乱切替素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007334344A JP2007334344A (ja) 2007-12-27
JP5013371B2 true JP5013371B2 (ja) 2012-08-29

Family

ID=38933821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007133524A Active JP5013371B2 (ja) 2006-05-19 2007-05-18 光源装置、表示装置、端末装置及び透明・散乱切替素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5013371B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011136072A1 (ja) * 2010-04-28 2011-11-03 シャープ株式会社 表示装置
CN103988121B (zh) 2011-12-06 2017-03-15 株式会社Lg化学 液晶单元
TWI545377B (zh) 2012-05-11 2016-08-11 Sony Corp Lighting device and display device
JP6624494B2 (ja) * 2015-08-10 2019-12-25 大日本印刷株式会社 面光源装置および表示装置
JP6766894B2 (ja) * 2017-02-06 2020-10-14 Jsr株式会社 液晶素子及びその製造方法、並びに表示装置
JP7073635B2 (ja) * 2017-06-15 2022-05-24 凸版印刷株式会社 調光フィルム、および調光装置、並びにスクリーン
JP7135312B2 (ja) * 2017-12-11 2022-09-13 凸版印刷株式会社 調光装置
CN112041737A (zh) * 2018-04-27 2020-12-04 日东电工株式会社 调光膜及液晶显示装置
CN116449600A (zh) * 2023-04-11 2023-07-18 天马微电子股份有限公司 显示模组及显示装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2658282B2 (ja) * 1988-10-18 1997-09-30 富士通株式会社 液晶表示装置
JPH05159612A (ja) * 1991-04-25 1993-06-25 Matsushita Electric Works Ltd カラーフィルター付き照明器具
JPH05142530A (ja) * 1991-11-18 1993-06-11 Ricoh Co Ltd カラー液晶表示素子
JPH05297372A (ja) * 1992-04-22 1993-11-12 Ricoh Co Ltd 液晶表示装置
JPH08194211A (ja) * 1995-01-19 1996-07-30 Hitachi Cable Ltd 液晶表示素子
JP4467840B2 (ja) * 2000-07-31 2010-05-26 東芝モバイルディスプレイ株式会社 照明装置、及び導光板の製造方法
JP3999206B2 (ja) * 2004-02-05 2007-10-31 シャープ株式会社 視野角制御素子およびそれを用いた映像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007334344A (ja) 2007-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8446548B2 (en) Light source device, display device, terminal device, and transparent/scattering state switching element
JP4757577B2 (ja) 光源装置、表示装置、端末装置、光源ユニット及び光源装置の駆動方法
JP5013371B2 (ja) 光源装置、表示装置、端末装置及び透明・散乱切替素子
JP4442492B2 (ja) 面状光源装置、表示装置、端末装置及び面状光源装置の駆動方法
JP5093710B2 (ja) 表示装置、端末装置、光源装置及び光学部材
JP5304992B2 (ja) 表示装置
JP5489022B2 (ja) 表示装置、端末装置及び表示パネル
EP2653913B1 (en) Illumination device, display device and three-dimensional display device
JP4728688B2 (ja) 光源装置、表示装置、端末装置及び光ユニット
JP4633114B2 (ja) 表示装置
JP5512173B2 (ja) 液晶ディスプレイ装置
KR20070067335A (ko) 액정 표시 장치
JP2010211084A (ja) 表示装置
JP5239168B2 (ja) 表示装置、端末装置及び表示パネル
JP5321388B2 (ja) 液晶表示装置
KR102622741B1 (ko) 백 라이트 유닛 및 이를 포함하는 디스플레이 장치
CN112824960A (zh) 背光单元和包括背光单元的显示设备
KR101394319B1 (ko) 투명 액정표시장치
KR20010080974A (ko) 액정패널과 액정표시장치
JP2004118041A (ja) 表示装置及び電子機器
JP2009192961A (ja) 液晶表示装置
JP2003279986A (ja) 液晶表示装置および電子機器
CN117075380A (zh) 视角可切换的显示面板及显示装置
JP2003177386A (ja) 液晶表示装置
JP2001083324A (ja) 光反射素子およびそれを用いた散乱型液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080609

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100416

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120416

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120508

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120529

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5013371

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250