JP5012620B2 - コーティング層を有するゴムロールの製造方法 - Google Patents
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かかるゴムロールの製造方法では、塗布工程と加熱硬化工程を別工程にしなければならないため、装置が大型になるとともに、ゴムロールの製造に多くの時間を要していた。また、液状コーティング材料を塗布したゴムロールの運搬中に、ゴムロールに塗布した液状コーティング材料にゴミ、埃等が付着するという問題もあった。
第1発明に係るコーティング層を有するゴムロールの製造方法は、周面にゴム層が形成されたパイプ状コアの内部に加熱手段を挿入し、パイプ状コアを軸を中心として回転させ、パイプ状コアの上方においてパイプ状コアの軸方向に沿って移動する塗布ノズルから、ゴム層に液状コーティング材料をかけ流すと共に、塗布ノズルと共に移動するブレードを液状コーティング材料に当てて、液状コーティング材料の厚さを調節し、さらに、ブレードによって厚さが調節された液状コーティング材料の表面に補助ブレードを接触させて、液状コーティング材料の表面からスパイラル模様を無くすと共に、ゴム層の周面に液状コーティング材料の塗布層を形成した後、加熱手段によってパイプ状コアの内部から塗布層を加熱して、塗布層を硬化させるものである。
さらに、一般的なフローコート法で見られる液状材料表面のスパイラル模様を、補助ブレードにより無くすことができるので、ゴムロールを画像形成装置で使用しても、スパイラル模様に起因した筋が画像にあらわれるという現象が発生しない。
第2発明に係るコーティング層を有するゴムロールの製造方法は、周面にゴム層が形成されたパイプ状コアの内部に加熱手段を挿入し、パイプ状コアを軸を中心として回転させ、パイプ状コアの上方においてパイプ状コアの軸方向に沿って移動する塗布ノズルから、ゴム層に液状コーティング材料をかけ流すと共に、塗布ノズルと共に移動するブレードを液状コーティング材料に当てて、液状コーティング材料の厚さを調節し、さらに、ブレードによって厚さが調節された液状コーティング材料の表面に、パイプ状コアの軸方向とは垂直な方向に回転軸を有する回転部材を接触させて、液状コーティング材料の表面からスパイラル模様を無くすと共に、ゴム層の周面に液状コーティング材料の塗布層を形成した後、加熱手段によってパイプ状コアの内部から塗布層を加熱して、塗布層を硬化させるものである。
第3発明に係るコーティング層を有するゴムロールの製造方法は、周面にゴム層が形成されたパイプ状コアの内部に加熱手段を挿入し、パイプ状コアを軸を中心として回転させると共に、軸方向に移動させ、パイプ状コアの上方において塗布ノズルからゴム層に液状コーティング材料をかけ流すと共に、ブレードを液状コーティング材料に当てて液状コーティング材料の厚さを調節し、さらに、ブレードによって厚さが調節された液状コーティング材料の表面に補助ブレードを接触させて、液状コーティング材料の表面からスパイラル模様を無くすと共に、ゴム層の周面に液状コーティング材料の塗布層を形成した後、加熱手段によってパイプ状コアの内部から塗布層を加熱して、塗布層を硬化させるものである。
第4発明に係るコーティング層を有するゴムロールの製造方法は、周面にゴム層が形成されたパイプ状コアの内部に加熱手段を挿入し、パイプ状コアを軸を中心として回転させると共に、軸方向に移動させ、パイプ状コアの上方において塗布ノズルからゴム層に液状コーティング材料をかけ流すと共に、ブレードを液状コーティング材料に当てて液状コーティング材料の厚さを調節し、さらに、ブレードによって厚さが調節された液状コーティング材料の表面に、パイプ状コアの軸方向とは垂直な方向に回転軸を有する回転部材を接触させて、液状コーティング材料の表面からスパイラル模様を無くすと共に、ゴム層の周面に液状コーティング材料の塗布層を形成した後、加熱手段によってパイプ状コアの内部から塗布層を加熱して、塗布層を硬化させるものである。
表面にゴム層が形成されたパイプ状コアの内部に加熱手段を挿入し、パイプ状コアを軸を中心として回転させる。そして、パイプ状コアの上方を軸方向に沿って移動するノズルから液状コーティング材料を、ゴム層の周面にかけ流してゴム層の周面に液状コーティング材料の塗布層を形成する。
尚、図3、図4および図5は、説明を分かり易くするため、パイプ状コア1のみにハッチングをかけている。
まず、本発明に係るゴムロールを製造するための装置について説明する。
図1に示すように、周面にゴム層6が形成されたパイプ状コア1の両端は、先端コーン形状のチャック2Aおよび2Bによって支持されている。このパイプ状コア1は、直径が20〜30mmのスチール、ステンレススチール、アルミニウム等の金属からなり、あらかじめ洗浄液によって洗浄され、乾燥されている。
また、移動台14上の摺動台19からは、パイプ状コア1に向けてブレード20と、このブレード20に隣接して設けられた補助ブレード23が突出している。そして、摺動台19は、ダイヤル21を操作して前後(図2の矢印ハ方向)に摺動可能に構成されている。
また、補助ブレード23は、ブレード20によって厚みが調節された液状コーティング材料の表面に接触させて、液状コーティング材料の表面にできたスパイラル模様を消すためのものである。
このように、2つのブレードの機能が異なることから、補助ブレード23の板厚は、ブレード20の板厚よりも薄い方が望ましい。例えば、ブレード20の板厚が2mmに対して、補助ブレードの板厚を1mmにする。
(パイプ状コア)
まず、周面にゴム層が形成されたパイプ状コアの製造方法について説明する。
図3に示すように、直径が20〜30mmのスチール、ステンレススチール、アルミニウム等の金属からなるパイプ状コア1の表面(周面)をアルコール等を用いて脱脂する。
次に、前記したパイプ状コア30の表面にコーティング層を形成したゴムロールの製造方法について説明する。以下に説明する工程は、プライマー層P2を形成する第1工程と、コーティング層33を形成する第2工程とからなるが、ゴム層6とコーティング層33の接着性が良ければ、第1工程を省略して第2工程のみでも良い。
第1工程は、パイプ状コア1に形成されたゴム層6の表面にプライマーとして官能基を導入した変性テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(変性PFA)水性ディスパージョン(PFAプライマー)を塗布し、PFAプライマー層P2を形成するものである。ゴム層6の表面にPFAプライマー層P2を形成する前に、アルコール等を用いてゴム層6の表面を洗浄しても良い。
第2工程は、前記した第1工程におけるPFAプライマー層P2の表面にPFA水性ディスパージョンを塗布し、PFA離型層33を形成する。本第2工程で用いるPFA水性ディスパージョンは、変性されていないPFAを上記PFAプライマーと同様な溶媒に分散させたものである。尚、前記した第1工程を省略した場合は、本第2工程のみでゴム層6の表面にコーティング層33を形成しても良い。
〔第3工程〕
第3工程においては、このようにしてPFA離型層33を表面に形成したゴム層6を有するパイプ状コア1をゴムロールの製造装置からはずして加熱炉に導入しても良い。この場合は、通常150℃〜250℃、3時間〜5時間の加熱処理を行なう。上記加熱処理においてもコーティング層33は完全に硬化する、そしてコーティング層(PFA離型層)33の厚みは通常5μm〜50μmに設定される。
図6は、本実施例2に係るゴムロールを製造するための装置の正面図である。
尚、説明を分かり易くするため、実施例1に係るゴムロールの製造装置と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例2に係るゴムロールの製造装置における実施例1との主な相違点は、補助ブレード23の代わりに回転部材24を設けた点である。
図6に示すように、回転部材24は、パイプ状コア1の軸方向とは垂直な方向に回転軸を有し、昇降枠9に取付けられたモータ25により回転される。
その他の条件を実施例1と同じにし、直径25mmのパイプ状コア1の表面にゴム層6が形成された図3に示すパイプ状コア30を用いて、前記した第2工程により、図4に示すゴムロール35を製造した。
そして、パイプ状コア1を、軸を中心として125rpmで回転させ、パイプ状コア1の上方においてパイプ状コア1の軸方向に沿って8mm/秒で移動する塗布ノズル7Aから、ゴム層6に液状コーティング材料を0.25g/10秒でかけ流すと共に、塗布ノズル7Aと共に移動するブレード20を液状コーティング材料に当てて、液状コーティング材料の厚さを調節した。
図7は本第3実施例に係るゴムロールの製造装置の正面図、図8は本第3実施例に係るゴムロールの製造装置の側面図(図7におけるB−B断面図)である。
尚、説明を分かり易くするため、実施例1に係るゴムロールの製造装置と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例4に係るゴムロールの製造装置における実施例1との主な相違点は、移動台14の上に支持枠3Aおよび3Bを載せ、パイプ状コア1自体が移動する点である。
一方のチャック2Aは、支持枠3Aに摺動自在に支持されており、図示しないエアシリンダー、油圧シリンダー、スプリング等の押圧手段によって、図8における矢印イの向きに(チャック2Bに向かって)押圧されている。さらに、チャック2Aの軸5は、図示しないモータ等の駆動手段によって、図9における矢印ニの向きに回転させられる。
また、図8に示す様に、摺動台19および可動枠8は、基台13に直接固定されている。すなわち、実施例1に係るゴムロールの製造装置は、塗布ノズル7A、ブレード20および補助ブレード23がパイプ状コア1に対して移動台14によって移動するのに対し、本実施例4に係るゴムロールの製造装置は、パイプ状コア1が塗布ノズル7A、ブレード20および補助ブレード23に対して移動台14によって移動するのである。
かかる製造装置を用いてゴムロールを製造する方法を以下に説明する。
パイプ状コア1の表面にゴム層6が形成された図3に示すパイプ状コア30を、図7および図8に示す様に、パイプ状コア1の内部に加熱手段としてのヒータ37を挿入し、前記した製造装置にセットした。
図9は、本実施例4に係るゴムロールの製造装置の正面図である。
尚、説明を分かり易くするため、実施例1に係るゴムロールの製造装置と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例4に係るゴムロールの製造装置における実施例3との主な相違点は、補助ブレード23の代わりに回転部材24を設けた点である。
図9に示すように、回転部材24は、パイプ状コア1の軸方向とは垂直な方向に回転軸を有し、昇降枠9に取り付けられたモータ25により回転される。
パイプ状コア1の表面にゴム層6が形成されたパイプ状コア30を、図6に示す様に、パイプ状コア1の内部に加熱手段としてのヒータ37を挿入し、前記した製造装置にセットした。
2A,2B チャック
7A,7B 塗布ノズル
14 移動台(移動手段)
20 ブレード
23 補助ブレード
24 回転部材
31 ゴムロール
35 ゴムロール
37 ヒータ(加熱手段)
Claims (4)
- 周面にゴム層が形成されたパイプ状コアの内部に加熱手段を挿入し、
該パイプ状コアを、軸を中心として回転させ、
該パイプ状コアの上方において該パイプ状コアの軸方向に沿って移動する塗布ノズルから、該ゴム層に液状コーティング材料をかけ流すと共に、該塗布ノズルと共に移動するブレードを該液状コーティング材料に当てて、該液状コーティング材料の厚さを調節し、
さらに、該ブレードによって厚さが調節された該液状コーティング材料の表面に補助ブレードを接触させて、該液状コーティング材料の表面からスパイラル模様を無くすと共に、該ゴム層の周面に該液状コーティング材料の塗布層を形成した後、
前記加熱手段によって前記パイプ状コアの内部から該塗布層を加熱して硬化させることを特徴とするコーティング層を有するゴムロールの製造方法 - 周面にゴム層が形成されたパイプ状コアの内部に加熱手段を挿入し、
該パイプ状コアを、軸を中心として回転させ、
該パイプ状コアの上方において該パイプ状コアの軸方向に沿って移動する塗布ノズルから、該ゴム層に液状コーティング材料をかけ流すと共に、該塗布ノズルと共に移動するブレードを該液状コーティング材料に当てて、該液状コーティング材料の厚さを調節し、
さらに、該ブレードによって厚さが調節された該液状コーティング材料の表面に、前記パイプ状コアの軸方向とは垂直な方向に回転軸を有する回転部材を接触させて、該液状コーティング材料の表面からスパイラル模様を無くすと共に、該ゴム層の周面に該液状コーティング材料の塗布層を形成した後、
前記加熱手段によって前記パイプ状コアの内部から該塗布層を加熱して硬化させることを特徴とするコーティング層を有するゴムロールの製造方法 - 周面にゴム層が形成されたパイプ状コアの内部に加熱手段を挿入し、
該パイプ状コアを、軸を中心として回転させると共に、軸方向に移動させ、
該パイプ状コアの上方において塗布ノズルから該ゴム層に液状コーティング材料をかけ流すと共に、ブレードを該液状コーティング材料に当てて該液状コーティング材料の厚さを調節し、
さらに、該ブレードによって厚さが調節された該液状コーティング材料の表面に補助ブレードを接触させて、該液状コーティング材料の表面からスパイラル模様を無くすと共に、該ゴム層の周面に該液状コーティング材料の塗布層を形成した後、
前記加熱手段によって前記パイプ状コアの内部から該塗布層を加熱して硬化させることを特徴とするコーティング層を有するゴムロールの製造方法 - 周面にゴム層が形成されたパイプ状コアの内部に加熱手段を挿入し、
該パイプ状コアを、軸を中心として回転させると共に、軸方向に移動させ、
該パイプ状コアの上方において塗布ノズルから該ゴム層に液状コーティング材料をかけ流すと共に、ブレードを該液状コーティング材料に当てて該液状コーティング材料の厚さを調節し、
さらに、該ブレードによって厚さが調節された該液状コーティング材料の表面に、前記パイプ状コアの軸方向とは垂直な方向に回転軸を有する回転部材を接触させて、該液状コーティング材料の表面からスパイラル模様を無くすと共に、該ゴム層の周面に該液状コーティング材料の塗布層を形成した後、
前記加熱手段によって前記パイプ状コアの内部から該塗布層を加熱して硬化させることを特徴とするコーティング層を有するゴムロールの製造方法
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