JP5012233B2 - 電力変換装置および積層配線導体の接続方法 - Google Patents
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Description
ここで、電力変換装置では、直流回路の平滑コンデンサと半導体スイッチング素子との間に配線インダクタンスが存在するため、スイッチング時の電流の変化に伴って電圧の跳ね上がりが発生する。
図7において、スイッチング素子Q1、Q2には、帰還ダイオードD1、D2がそれぞれ逆並列接続され、スイッチング素子Q1、Q2は互いに直列接続されている。ここで、スイッチング素子Q1、Q2の接続点には、交流端子Uが設けられ、直列接続されたスイッチング素子Q1、Q2の両端には、直流電源正側端子Pおよび直流電源負側端子Nがそれぞれ設けられている。そして、直列接続されたスイッチング素子Q1、Q2には、接続部ConP、ConNを介して平滑コンデンサCが並列接続されている。
そして、スイッチング時の電流の変化に伴って電圧の跳ね上がりが発生すると、その電圧は直流電圧に加え合わされてスイッチング素子Q1、Q2に印加される。そして、その値がスイッチング素子Q1、Q2の電圧定格を超えると、スイッチング素子Q1、Q2の破壊を引き起す。
スイッチング素子Q1、Q2に流れる電流を小さくする方法では、電力変換装置の容量を下げることになるので、コストアップの要因になる。このため、配線インダクタンスを小さくすることで、スイッチング時の電流の変化に伴う電圧の跳ね上がりを抑制することが通常行われる。スイッチング時の電流の変化に伴う電圧の跳ね上がりを抑制する方法として、スナバ回路を取り付ける方法もあるが、半導体素子、抵抗およびコンデンサなどが別途必要になることから、電力変換装置の大型化や高価格化を招く要因となる。
このため、配線503、504を対にして配置するとともに、配線505、507を対にして配置することで、スイッチング素子Q1のターンオフ時に発生する磁束を打ち消し合わせることができ、インダクタンス成分を相殺することが可能となることから、スイッチング時の電流の変化に伴う電圧の跳ね上がりを抑制することができる。
このように配線503、504を対にして配置したり、配線505、507を対にして配置したりするために、配線503〜507に平板導体を使用し、電流の変化の向きが互いに異なる部分を向かい合わせて平行に配置し、これらの平板導体間を絶縁物にて絶縁する方法がある。この方法では、電力変換装置が大型化すると、積層配線導体を複数に分割し、これらを接続する必要がある。
図8から図10において、積層配線導体201には、電位が互いに異なる2枚の平板導体151、152が設けられ、平板導体151、152は、平面部分が互いに向かい合うようにして平行に配置され、平板導体151、152間を絶縁する絶縁材にて周囲が覆われている。ここで、平板導体151、152には、平面部分が互いに重ならないように配置された引き出し部151a、152aがそれぞれ設けられ、引き出し部151a、152aは絶縁材から露出されている。
図11および図12において、積層配線導体201には、電位が互いに異なる2枚の平板導体151、152が設けられ、平板導体151、152は、平面部分が互いに向かい合うようにして平行に配置され、平板導体151、152間を絶縁する絶縁材にて周囲が覆われている。ここで、平板導体151、152には、平面部分が互いに重ならないように配置された引き出し部151a、152aがそれぞれ設けられ、引き出し部151a、152aは絶縁材から露出されている。さらに、引き出し部151a、152aの内側の側端部には、折り曲げ部151b、152bが設けられ、折り曲げ部151b、152bは平面部分が互いに向かい合うようにして配置されている。
そして、引き出し部151a、153aは互いに重なるように配置されるとともに、引き出し部152a、154aは互いに重なるように配置され、引き出し部151a、153aは接続材701にて固定され、引き出し部152a、154aは接続材702にて固定されている。
図13において、スイッチング素子Q11〜Q14には、帰還ダイオードD11〜D14がそれぞれ逆並列接続され、スイッチング素子Q11〜Q14は互いに直列接続されている。ここで、スイッチング素子Q12、Q13の接続点には、交流端子ACが設けられ、直列接続されたスイッチング素子Q11〜Q14の両端には、直流電源正側端子Pおよび直流電源負側端子Nがそれぞれ設けられている。そして、直列接続されたスイッチング素子Q11〜Q14の両端には、互いに直列接続された直流コンデンサC1、C2が接続部ConP、ConNを介して並列接続されている。また、直列接続されたスイッチング素子Q12、Q13の両端には、互いに直列接続されたダイオードD15、D16が並列接続され、直流コンデンサC1、C2の接続点には、直流電源中性点端子Mが設けられるとともに、ダイオードD15、D16の接続点は、接続部ConMを介して直流電源中性点端子Mに接続されている。
このように経路K11、K12のそれぞれの配線導体を組み合わせて配置したり、経路K13、K14のそれぞれの配線導体を組み合わせて配置したりするために、直流電源正側端子P、直流電源負側端子Nおよび直流電源中性点端子Mにそれぞれ接続される3枚の平板導体を配線導体に使用し、これらの3枚の平板導体を向かい合わせて平行に配置し、これらの平板導体間を絶縁物にて絶縁する方法がある。この方法では、電力変換装置が大型化すると、積層配線導体を複数に分割し、これらを接続する必要がある。
図14において、積層配線導体205には、電位が互いに異なる3枚の平板導体161〜163が設けられ、平板導体161〜163は、平面部分が互いに向かい合うようにして平行に配置され、平板導体161〜163間を絶縁する絶縁材にて周囲が覆われている。ここで、平板導体161〜163には、平面部分が互いに重ならないように配置された引き出し部161a〜163aがそれぞれ設けられ、引き出し部161a〜163aは絶縁材から露出されている。
一方、平板導体151〜154の幅L1を基準に設計すると、引き出し部151a〜154aの幅L2が小さくなり、引き出し部151a〜154aの抵抗が増大することから、引き出し部151a〜154aの発熱が増大し、電力変換装置の温度上昇を招く要因となる。
また、図14の構成においても、引き出し部161a〜166aの接続部に接続材701〜703を取り付ける必要があることから、引き出し部161a〜166aを互いに重なるように配置することが困難となり、引き出し部161a〜166aの幅が平板導体161〜166の幅よりも小さい部分が存在するため、インダクタンス成分を完全には相殺することができないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、装置の大型化を抑制しつつ、配線導体間の絶縁性を確保するとともに、積層配線導体の接続部の配線インダクタンスを小さくすることが可能な電力変換装置および積層配線導体の接続方法を提供することである。
所定の間隔を隔てて並列配置された第4および第5の平板導体を有するとともに、前記第4および第5の平板導体の平面部分と互いに向かい合うようにして平行に配置され、絶縁材にて互いに絶縁された上で、前記第4および第5の平板導体の間の隙間に沿うようにして切り欠き部が形成された第6の平板導体を有する第2の積層配線導体と、前記第1および第4の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成され、前記第1の平板導体と前記第4の平板導体とを同一面上で接続可能な第1および第4の折り曲げ部と、前記第2および第5の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成され、前記第2の平板導体と前記第5の平板導体とを同一面上で接続可能な第2および第5の折り曲げ部と、前記第3および第6の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成され、前記第3の平板導体と前記第6の平板導体とを同一面上で接続可能な第3および第6の折り曲げ部と、前記第1および第2の積層配線導体の接続部における絶縁材に形成され、前記第1および第3の平板導体に沿って第1および第3の平板導体の間に配置されるとともに、前記第4および第6の平板導体に沿って第4および第6の平板導体の間に配置された第1の溝と、前記第1および第2の積層配線導体の接続部における絶縁材に形成され、前記第2および第3の平板導体に沿って第2および第3の平板導体の間に配置されるとともに、前記第5および第6の平板導体に沿って第5および第6の平板導体の間に配置された第2の溝と、前記第1および第2の積層配線導体の接続部における絶縁材に形成され、前記第1および第2の平板導体に沿って第1および第2の平板導体の間に配置されるとともに、前記第4および第5の平板導体に沿って第4および第5の平板導体の間に配置された第3の溝とを備えることを特徴とする。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置における積層配線導体の接続部の概略構成を示す斜視図、図1(b)は、図1(a)の積層配線導体の接続部を電流経路に沿って切断した断面図、図2(a)は、図1の積層配線導体の接続面の概略構成を示す斜視図、図2(b)および図2(c)は、図1の積層配線導体の導体部分の概略構成を示す斜視図である。
また、積層配線導体11、12の接続部の絶縁材には溝51が形成されている。ここで、溝51は、平板導体101、102の間に平板導体101、102に沿って配置するとともに、平板導体103、104の間に平板導体103、104に沿って配置することができる。
なお、上述した第1実施形態では、平板導体101、103および平板導体102、104をそれぞれ接続するために、接続材701、702をそれぞれ1個つづ設ける方法について説明したが、平板導体101、103および平板導体102、104を複数の接続材にてそれぞれ接続するようにしてもよい。
また、平板導体217には、図6(c)に示すように、平板導体211、212の間の隙間に沿うようにして切り欠き部217bが形成され、折り曲げ部217aは切り欠き部217bにて分割され、接続部ConM1、ConM2が構成されている。
また、積層配線導体11、12の接続部の絶縁材には溝51〜53が形成されている。ここで、溝51は、平板導体211、217の間に平板導体211、217に沿って配置するとともに、平板導体214、218の間に平板導体214、218に沿って配置することができる。また、溝52は、平板導体212、217の間に平板導体212、217に沿って配置するとともに、平板導体215、218の間に平板導体215、218に沿って配置することができる。また、溝53は、平板導体217の切り欠き部217bを通して平板導体217を貫通するようにして、平板導体211、212の間に配置するとともに、平板導体218の切り欠き部を通して平板導体218を貫通するようにして、平板導体214、215の間に配置することができる。
101〜104、211〜216、217、218 平板導体
101a〜104a、211a〜216a、217a、218a 折り曲げ部
701〜703 接続材
51〜53 溝
217b 切り欠き部
Claims (4)
- 所定の間隔を隔てて並列配置された第1および第2の平板導体を有するとともに、前記第1および第2の平板導体の平面部分と互いに向かい合うようにして平行に配置され、絶縁材にて互いに絶縁された第3の平板導体を有する第1の積層配線導体と、
所定の間隔を隔てて並列配置された第4および第5の平板導体を有するとともに、前記第4および第5の平板導体の平面部分と互いに向かい合うようにして平行に配置され、絶縁材にて互いに絶縁された第6の平板導体を有する第2の積層配線導体と、
前記第1および第4の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成され、前記第1の平板導体と前記第4の平板導体とを同一面上で接続可能な第1および第4の折り曲げ部と、
前記第2および第5の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成され、前記第2の平板導体と前記第5の平板導体とを同一面上で接続可能な第2および第5の折り曲げ部と、
前記第3および第6の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成され、前記第3の平板導体と前記第6の平板導体とを同一面上で接続可能な第3および第6の折り曲げ部とを備えることを特徴とする電力変換装置。 - 所定の間隔を隔てて並列配置された第1および第2の平板導体を有するとともに、前記第1および第2の平板導体の平面部分と互いに向かい合うようにして平行に配置され、絶縁材にて互いに絶縁された上で、前記第1および第2の平板導体の間の隙間に沿うようにして切り欠き部が形成された第3の平板導体を有する第1の積層配線導体と、
所定の間隔を隔てて並列配置された第4および第5の平板導体を有するとともに、前記第4および第5の平板導体の平面部分と互いに向かい合うようにして平行に配置され、絶縁材にて互いに絶縁された上で、前記第4および第5の平板導体の間の隙間に沿うようにして切り欠き部が形成された第6の平板導体を有する第2の積層配線導体と、
前記第1および第4の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成され、前記第1の平板導体と前記第4の平板導体とを同一面上で接続可能な第1および第4の折り曲げ部と、
前記第2および第5の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成され、前記第2の平板導体と前記第5の平板導体とを同一面上で接続可能な第2および第5の折り曲げ部と、
前記第3および第6の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成され、前記第3の平板導体と前記第6の平板導体とを同一面上で接続可能な第3および第6の折り曲げ部と、
前記第1および第2の積層配線導体の接続部における絶縁材に形成され、前記第1および第3の平板導体に沿って第1および第3の平板導体の間に配置されるとともに、前記第4および第6の平板導体に沿って第4および第6の平板導体の間に配置された第1の溝と、
前記第1および第2の積層配線導体の接続部における絶縁材に形成され、前記第2および第3の平板導体に沿って第2および第3の平板導体の間に配置されるとともに、前記第5および第6の平板導体に沿って第5および第6の平板導体の間に配置された第2の溝と、
前記第1および第2の積層配線導体の接続部における絶縁材に形成され、前記第1および第2の平板導体に沿って第1および第2の平板導体の間に配置されるとともに、前記第4および第5の平板導体に沿って第4および第5の平板導体の間に配置された第3の溝とを備えることを特徴とする電力変換装置。 - 所定の間隔を隔てて並列配置された第1および第2の平板導体の平面部分と互いに向かい合うようにして平行に配置された第3の平板導体を有する第1の積層配線導体と、所定の間隔を隔てて並列配置された第4および第5の平板導体の平面部分と互いに向かい合うようにして平行に配置された第6の平板導体を有する第2の積層配線導体との間における積層配線導体の接続方法において、
前記第1および第4の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成された第1および第4の折り曲げ部の平面を互いに接続し、前記第2および第5の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成された第2および第5の折り曲げ部の平面を互いに接続し、前記第3および第6の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成された第3および第6の折り曲げ部の平面を互いに接続すること特徴とする電力変換装置。 - 所定の間隔を隔てて並列配置された第1および第2の平板導体の平面部分と互いに向かい合うようにして平行に配置された第3の平板導体を有する第1の積層配線導体と、所定の間隔を隔てて並列配置された第4および第5の平板導体の平面部分と互いに向かい合うようにして平行に配置された第6の平板導体を有する第2の積層配線導体との間における積層配線導体の接続方法において、
前記第1および第3の平板導体に沿って第1および第3の平板導体の間に配置されるとともに、前記第4および第6の平板導体に沿って第4および第6の平板導体の間に配置されるようにして、前記第1および第2の積層配線導体の接続部における絶縁材に第1の溝が形成され、
前記第2および第3の平板導体に沿って第2および第3の平板導体の間に配置されるとともに、前記第5および第6の平板導体に沿って第5および第6の平板導体の間に配置されるようにして、前記第1および第2の積層配線導体の接続部における絶縁材に第2の溝が形成され、
前記第1および第2の平板導体に沿って第1および第2の平板導体の間に配置されるとともに、前記第4および第5の平板導体に沿って第4および第5の平板導体の間に配置されるようにして、前記第1および第2の積層配線導体の接続部における絶縁材に第3の溝が形成された状態で、
前記第1および第4の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成された第1および第4の折り曲げ部の平面を互いに接続し、前記第2および第5の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成された第2および第5の折り曲げ部の平面を互いに接続し、前記第3および第6の平板導体の端部を鉛直面内にそれぞれ折り曲げることで構成された第3および第6の折り曲げ部の平面を互いに接続することを特徴とする積層配線導体の接続方法。
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