JP5011499B2 - 電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、電解コンデンサ、電気2重層コンデンサ、電気化学キャパシタ、電池等に用いられる電子部品素子がラミネートフィルムで覆われ、前記電子部品素子から突出するタブ部に接続されて前記ラミネートフィルムの外部に一部が突出される端子部材を備えた電子部品に関する。
従来、ラミネートフィルムで覆われたコンデンサには、例えば、特許文献1に記載の非水電解液電池(電子部品)に示すように、扁平角型(直方体状)に形成された積層電極体(電子部品素子)のリード部(タブ部)に正極端子(端子部材)及び負極端子(端子部材)を取り付け、積層電極体とリード部の上下両面をラミネートフィルムで挟み込むように覆い、上面側のラミネートフィルムに形成された導出孔から正極端子及び負極端子を外部に突出させている。
また、特許文献2に記載のコンデンサ(電子部品)に示すように、扁平状(直方体状)コンデンサ素子(電子部品素子)を複数積層してコンデンサ素子の側方に延びる外部導出端子(端子部材,タブ部)同士を互いに接続し、このコンデンサ素子を金属薄板である平板状の底蓋(ラミネートフィルム)上に配置して、その上に深い凹型に形成された上蓋(ラミネートフィルム)を被せ、底蓋に設けられた孔部を介して外部導出端子が導出されているものもある。
特開平9−199173号公報(第3頁、第1図) 特開昭62−43118号公報(第3頁、第8図)
しかしながら、特許文献1に記載の非水電解液電池(電子部品)にあっては、積層電極体(電子部品素子)が扁平角型(直方体状)に形成されているので、上下幅の薄い非水電解液電池を形成できるが、リード部(タブ部)が正極端子(端子部材)及び負極端子(端子部材)とともに、積層電極体の側方に延びているため、非水電解液電池の横幅が大きくなってしまい、基板上に非水電解液電池を配置する際に、広い配置面積が必要になる。
また、特許文献2に記載のコンデンサ(電子部品)にあっては、凹型をなす上蓋(ラミネートフィルム)内に、コンデンサ素子(電子部品素子)の側方に延びる外部導出端子(端子部材,タブ部)が配置される空間を確保しなければならず、外部導出端子が突出された分だけ上蓋の内容積が増え、コンデンサが大きくなってしまう。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、直方体状をなす電子部品素子がラミネートフィルムによって覆われて密封されており、その電子部品素子に取り付けられた端子部材の一部がラミネートフィルムの外部に突出される電子部品を小型化することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の電子部品は、電子部品素子がラミネートフィルムで覆われ、該ラミネートフィルムの外部に一部が突出される端子部材が、前記電子部品素子から突出するタブ部に接続される電子部品であって、
前記端子部材には、前記タブ部に接続される内部端子と、該内部端子に接続されて前記ラミネートフィルムの外部に突出される外部端子とが設けられ、前記内部端子及び前記外部端子を構成する陰極用の端子と、陽極用の端子が、前記内部端子と前記電子部品素子との間に絶縁樹脂で形成される絶縁部材によって一体となっており、前記電子部品素子が略直方体状をなし、その最も広い面の同一面から前記外部端子が突出されることを特徴としている。
この特徴によれば、略直方体状をなす電子部品素子を形成して、その最も広い面の真下面(または真上面)より外部端子を突出させることで電子部品の小型化がなされ、且つ電子部品の基板への専有面積を低減できる。また内部端子が電子部品素子に接触されることを容易に防止できるので、内部端子を介して電子部品素子が短絡してしまう虞がなくなる。更に絶縁部材によって陰極用と陽極用の内部端子及び外部端子を互いに一体となった部品とすれば、端子部材の取り扱いが容易になり、電子部品素子を用いた電子部品の組立作業が容易になる。
本発明の請求項に記載の電子部品は、請求項に記載の電子部品であって、
前記端子部材には、絶縁樹脂で形成される封口部材が設けられ、該封口部材が前記内部端子の表面に熱融着され、前記外部端子が前記封口部材に形成される貫通孔を介して前記内部端子から突設されており、前記封口部材の表面と前記ラミネートフィルムが熱融着されることを特徴としている。
この特徴によれば、絶縁樹脂で形成される封口部材と内部端子との間が熱融着され、かつ封口部材の表面もラミネートフィルムに熱融着されているので、長年の使用や温度変化により内部端子、封口部材及び外部端子が膨張したり収縮しても、ラミネートフィルムの内部を密封状態を維持でき、ラミネートフィルム内部に水分や空気が入り込んで、電子部品素子が劣化する虞がなくなる。
本発明の請求項に記載の電子部品は、請求項1または2に記載の電子部品であって、
前記電子部品素子と前記内部端子には、アルミニウムが用いられており、前記外部端子がアルミニウム以外の金属で形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、内部端子が電子部品素子と同じアルミニウムで形成されていることで、アルミニウム以外の金属がラミネートフィルム内に入り込むことで生じる電子部品素子の劣化が防止され、かつ外部端子がアルミニウム以外の金属で形成されることで、外部端子を形成する材料に、他の部品や基板等にはんだ付けし易い材料を選択できる。
本発明に係る電子部品を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、実施例における電解コンデンサを示す分解斜視図であり、図2は、端子部材の製造工程を示しており、図2(a)は、内部端子に外部端子を取り付ける状態を示す斜視図であり、図2(b)は、内部端子に絶縁樹脂体を取り付ける状態を示す斜視図であり、図3は、端子部材をコンデンサ素子に取り付けた状態を示す縦断側面図であり、図4は、電解コンデンサを示す縦断側面図である。以下、図3及び図4の上方側を電解コンデンサの上面側、左方側を電解コンデンサの正面側として説明する。
図1の符号1は、本発明の電子部品として適用された電解コンデンサであり、この電解コンデンサ1は、本実施例における電子部品素子としてのコンデンサ素子2と、端子部材3と、ラミネートフィルム4とを有している。
コンデンサ素子2は、アルミニウムからなる陽極箔及び陰極箔で構成される電極箔(図示略)が、電解紙としてのセパレータ(図示略)を挟んで交互に積層されて形成された略直方体状(扁平状)をなしており、陽極箔及び陰極箔の各々に設けられてセパレータの外方に突出する2つのタブ部5が形成されている。また、コンデンサ素子2は製造時に電解液に含浸されることで、セパレータに電解液が保持されるようになっている。
端子部材3は、アルミニウムで形成された平板状をなす内部端子6と、鉄にスズメッキを施した略円筒形状をなす外部端子7と、ポリプロピレンなどの絶縁性を有する樹脂で形成された平板状をなす絶縁樹脂体8,9とを有している。
更に、外部端子7は内部端子6の一方の面から突出するように溶接されるとともに、2枚の絶縁樹脂体8,9が内部端子6の両面に各々接着され、2つの内部端子6が絶縁樹脂体8,9によって互いに連結されている。
また、一方の絶縁樹脂体8には、2つの貫通孔8aが形成されており(図2(b)参照)、各々の貫通孔8aから外部端子7が突出されている。更に、ラミネートフィルム4には、外部端子7を外部に露出させるための2つの貫通孔4aが形成されており、後述するように、外部端子7はラミネートフィルム4に形成された貫通孔4aから導出されるようになっている(図4参照)。
尚、本実施例では外部端子7がスズメッキを施した鉄で形成されているが、その他にも例えば、銅、真鍮、金、銀、ニッケル等のはんだ付けが容易な材質からなるアルミニウム以外の金属で外部端子7を形成してもよい。また、外部端子7の表面に、スズメッキに代えて、はんだ、金、銀などによるメッキ層を形成してもよい。
更に尚、本実施例では絶縁樹脂体8,9がポリプロピレンで形成されているが、その他にも例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、結晶性エンジニアリングプラスチック、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル等の絶縁性を有し、かつアルミニウムで形成された内部端子6とラミネートフィルム4の双方に熱接着性を示す樹脂で絶縁樹脂体8,9を形成してもよい。
図1に示すように、コンデンサ素子2の2つタブ部5は、陽極箔から突出されたタブと陰極箔から突出されたタブとが各々束ねられて形成されており、2つのタブ部5の先端部には、端子部材3に設けられた各々の内部端子6が接続される。
尚、各々のタブは、アルミニウムからなる平板状の部材をステッチ、冷間圧接、超音波溶接、レーザ溶接、摩擦攪拌溶接などの手段により陽極箔及び陰極箔にそれぞれ接続されたものや、陽極箔及び陰極箔の一部を突出させてタブとすることもできる。
また、このコンデンサ素子2と端子部材3は、ラミネートフィルム4で密封状に外装されるようになっている。コンデンサ素子2を外装する際には、1枚のラミネートフィルム4がコンデンサ素子2と端子部材3を挟み込むように折り曲げられ、重ねられたラミネートフィルム4の周囲を熱融着させるようになっている。
更に詳述すると、ラミネートフィルム4は、耐熱性樹脂やアルミ箔や熱融着性樹脂によって複数の層が形成されており、外側の層には耐熱性樹脂が配置され、中心の層にはアルミ箔が配置され、内側の層には熱融着性樹脂の層が配置されている。そして、ラミネートフィルム4を2つ折りにして曲げて熱融着性樹脂の層同士を当接させて重ねられた部位に熱を加えると、熱融着性樹脂同士が融けて熱融着され、コンデンサ素子2をラミネートフィルム4の内部に密封できるようになっている。
次に、電解コンデンサ1の製造工程について詳述する。図2(a)に示すように、端子部材3を製造する際には、先ず各々の内部端子6の一方の端部近傍の表面に外部端子7を当接させ、スポット溶接によって内部端子6と外部端子7とを接続させる。
尚、内部端子6と外部端子7との接続には、スポット溶接以外の溶接方法やろう付けを用いて両端子を接続してもよい。このように端子部材3は、陰極用の内部端子6及び外部端子7と、陽極用の内部端子6及び外部端子7とを有しており、陰極用と陽極用の両端子が、絶縁樹脂体8,9によって一体となって形成される。
次に、図2(b)に示すように、陽極用及び陰極用2つの内部端子6が平行に配置され、両内部端子6を両面側から絶縁樹脂体8,9で挟み込むように覆うとともに、絶縁樹脂体8の貫通孔8aから外部端子7を挿通させる。そして、内部端子6の両面側から絶縁樹脂体8,9同士を熱を加えながら押圧して、絶縁樹脂体8,9を内部端子6の表面に熱融着させるとともに、絶縁樹脂体8,9同士を互い熱融着させる。
尚、端子部材3に用いられる2枚の絶縁樹脂体8,9のうち貫通孔8aが形成された絶縁樹脂体8は、内部端子6における外部端子7が接続される側の面に接着され、この絶縁樹脂体8が本実施例における封口部材を構成している。また、他方の絶縁樹脂体9は、内部端子6における外部端子7が接続される側の面の反対側の面に接着され、この絶縁樹脂体9が本実施例における絶縁部材を構成している。
図3に示すように、ラミネートフィルム4に形成された貫通孔4aに外部端子7を挿設させるとともに、ラミネートフィルム4と絶縁樹脂体8,9とを上下方向から熱を加えながら押圧し、ラミネートフィルム4と絶縁樹脂体8とを熱融着させる。
タブ部5は略直方体状をなすコンデンサ素子2の正面側に突出されるとともに、複数のタブが重ね合わされ、このとき重ね合わせたタブは、コンデンサ素子2の上面側か下面側のいずれか一方側と面一になるように束ねられてタブ部5を形成すると好ましい。尚、本実施例では、コンデンサ素子2の下面側と面一になるようにタブを寄せて束ねてタブ部5を形成している。
そして、端子部材3の内部端子6の端部を束ねられたタブ部5に下方側から当接させ、この当接部を冷間圧接によって上下方向から押圧してタブ部5と内部端子6の端部を接続固定する。
図4に示すように、タブ部5を屈曲させるとともに、内部端子6をコンデンサ素子2の正面及び上面に沿うように屈曲させる。つまり、外部端子7が内部端子6を介してコンデンサ素子2に近接するように内部端子6が屈曲され、かつ外部端子7がコンデンサ素子2の真上面側に突出されるように配置される。尚、内部端子6は絶縁樹脂体9を介してコンデンサ素子2の上面に当接されている。
そして、コンデンサ素子2及び端子部材3をラミネートフィルム4で覆い、ラミネートフィルム4の重ねられた部位(電解コンデンサ1の外周縁)を上下方向から熱を加えならながら押圧して熱融着させることで、電解コンデンサ1が形成される。
以上、本実施例における電解コンデンサ1にあっては、略直方体状のコンデンサ素子2を用いることで、略直方体状をなす電解コンデンサ1を形成でき、かつコンデンサ素子2の最も広い面である真上面(または真下面)から外部端子7がラミネートフィルム4の外部に突出されることで、電解コンデンサ1の小型化が実現できる。更に、外部端子7が電解コンデンサ1におけるプリント基板等に接着する上面(または下面)から突出されるので、外部端子7をプリント基板等に形成された半田付け用の孔部等に挿設し易くなる。
また、内部端子6とコンデンサ素子2との間に絶縁樹脂で形成される絶縁樹脂体9が配置されることで、内部端子6がラミネートフィルム4内でコンデンサ素子2に近接するように屈曲されても、内部端子6がコンデンサ素子2の電極箔やタブ部5に接触されることを容易に防止できるので、内部端子6を介してコンデンサ素子2が短絡してしまう虞がなくなる。
また、端子部材3を陰極用と陽極用とで別々の部品とするよりも、陰極用の内部端子6及び外部端子7と、陽極用の内部端子6及び外部端子7とが、絶縁樹脂体8,9によって互いに一体となった部品として形成されていることで、端子部材3の取り扱いが容易になり、コンデンサ素子2を用いた電解コンデンサ1の組立作業が容易になる。
また、絶縁樹脂体8,9が内部端子6の表面に熱融着され、外部端子7が絶縁樹脂体8に形成される貫通孔8aを介して内部端子6と接続されるとともに、貫通孔8aの周囲とラミネートフィルム4とが熱融着されることで、内部端子6や絶縁樹脂体8や外部端子7が、長年の使用や温度変化により膨張したり収縮しても、ラミネートフィルム4の内部を密封状態を維持でき、ラミネートフィルム4内部に水分や空気が入り込んで、コンデンサ素子2が劣化する虞がなくなる。
また、内部端子6がコンデンサ素子2に用いられている電極箔及びタブ部5と同じアルミニウムで形成されていることで、アルミニウム以外の金属がラミネートフィルム4内に入り込むことで生じるコンデンサ素子2の劣化が防止される。更に、外部端子7がアルミニウム以外のニッケル、鉄、銅、真鍮、金、銀等のはんだ付け容易な金属で形成されていることで、外部端子7が他の電子部品やプリント基板等にはんだ付けし易くなる。
また、内部端子6が屈曲されて外部端子7がコンデンサ素子2に近接されると、内部端子6及び外部端子7で構成される端子部材3がコンデンサ素子2から突出されずに済むようになり、端子部材3及びコンデンサ素子2をラミネートフィルム4で覆って形成される電解コンデンサ1の小型化が可能になる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例で、外部端子7が内部端子6を介して電子部品素子2に近接するように、内部端子6が屈曲されることで電解コンデンサ1,1’の小型化を可能にしていたが、本発明は、電子部品素子としてコンデンサ素子2が用いられた電解コンデンサ1以外にも、電気2重層コンデンサ、電気化学キャパシタ、電池等に適用することもでき、電子部品素子をラミネートフィルムで外装した電子部品であれば、本発明を適用することで、電子部品の小型化が可能になる。
実施例における電解コンデンサを示す分解斜視図である。 端子部材の製造工程を示しており、(a)は、内部端子に外部端子を取り付ける状態を示す斜視図であり、(b)は、内部端子に絶縁樹脂体を取り付ける状態を示す斜視図である。 端子部材をコンデンサ素子に取り付けた状態を示す縦断側面図である。 電解コンデンサを示す縦断側面図である。
符号の説明
1,1’ 電解コンデンサ(電子部品)
2 コンデンサ素子(電子部品素子)
3 端子部材
4 ラミネートフィルム
4a 貫通孔
5 タブ部
6 内部端子
7 外部端子
8 絶縁樹脂体(封口部材)
9 絶縁樹脂体(絶縁部材)
8a 貫通孔

Claims (3)

  1. 電子部品素子がラミネートフィルムで覆われ、該ラミネートフィルムの外部に一部が突出される端子部材が、前記電子部品素子から突出するタブ部に接続される電子部品であって、
    前記端子部材には、前記タブ部に接続される内部端子と、該内部端子に接続されて前記ラミネートフィルムの外部に突出される外部端子とが設けられ、前記内部端子及び前記外部端子を構成する陰極用の端子と、陽極用の端子が、前記内部端子と前記電子部品素子との間に絶縁樹脂で形成される絶縁部材によって一体となっており、前記電子部品素子が略直方体状をなし、その最も広い面の同一面から前記外部端子が突出されることを特徴とする電子部品。
  2. 前記端子部材には、絶縁樹脂で形成される封口部材が設けられ、該封口部材が前記内部端子の表面に熱融着され、前記外部端子が前記封口部材に形成される貫通孔を介して前記内部端子から突設されており、前記封口部材の表面と前記ラミネートフィルムが熱融着される請求項に記載の電子部品。
  3. 前記電子部品素子と前記内部端子には、アルミニウムが用いられており、前記外部端子がアルミニウム以外の金属で形成されている請求項1または2に記載の電子部品。
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