JP5009120B2 - チャック装置 - Google Patents
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このため、一般に、加工基準が両センタ基準の軸状(シャフト状)のワークである場合、そのワークの外周が両センタ基準で仕上げが行われていないと、各把持爪5のうち、先にワークに当たった把持爪の力がワークwに加わり、両センタ支持されているワークを弾性変形させて加工後の両センタ基準に対する精度を悪くするとともに、ドローバ推力の多くが先に当たった把持爪に費やされるため、均等把握ができずにワークがスリップして安全上問題が生じる場合がある。
このため、ワークwを変形させないように、さらに緩やかな力で把持できるチャック装置が望まれる。
このように、把持爪を設けたジョウアクチュエータを、シリンダのピストンの径方向の動きによって揺動させるようにしたので、ピストンを動作させる圧力流体の働きによって心補償機能を発揮し、ワークを変形させないように把持することができる。
なお、圧力流体によるシリンダの動作の制御については、一般的な油圧による制御のほか、圧力流体を気体としてその供給する気圧による制御を採用することができる。特に軸状のワークの場合は剛性が低いので、圧力流体として気体を用いると、ワークの変形防止にさらに有効である。
このようにすれば、ジョウアクチェエータの揺動をスムースにし、ピストンと保持部との係止状態を、揺動の前後及びその揺動中において確実に維持することができる。
軸状を成すワークであって、そのワークにおける把持爪の当接部分(把持部)の断面が四角形である場合、そのワークの把持部を2つの把持爪で把持しようとすると、その断面四角形の各辺の方位(前記チャック本体の中心軸周りの方位)が必ずしも把持爪の方位に向いているとは限らない。このため、前記把持爪のフラット面の面方向と、把持しようとする前記ワークの把持部外周における対向するフラット面の面方向とが平行でない状態が生じ得る。
そこで、上記構成とすれば、前記把持爪のフラット面の面方向と前記ワークの把持部外周における面方向とが平行でない場合も、把持爪の動きに合わせてその把握後に平行になるよう、前記ワークの方位(前記中心軸周りの方位)が自動的に矯正されるようにすることができる。
このため、各ジョウアクチュエータ10は、その球状部15を中心にチャック本体1の径方向へ揺動自在である。
また、ベアリングレース16は、上下一対の半円状のものからなっており、ボルト等によりチャック本体1のハウジング7の前面壁に不動に固定されている。
なお、前記エアシリンダ20のピストン21とジョウアクチュエータ10の保持部11との係止については、その係止位置と前記ジョウアクチュエータ10の揺動中心からの距離が、二つのジョウアクチュエータ10,10において正確に統一されている。このため、ピストン21の進退量に対するジョウアクチュエータ10の揺動角度が、両方のジョウアクチュエータ10,10で同一となっている。
前記各ジョウアクチュエータ10は、そのプレート17の窓17aに挿通されて、前記対のフラット部10a,10aは、その窓17aの平行な対向縁に摺接する。
また、二つのジョウアクチュエータ10の前記対のフラット部10a,10a間の各距離W3,W3は同一に設定されて、その距離W3と前記距離W2とがほぼ同じ寸法であるか、あるいは距離W3が距離W2よりも僅かに大きい寸法となっている。
すなわち、ジョウアクチュエータ10のフラット部10a,10a両側において、前記窓17aの両対向縁との間に成す各隙間S1,S2;S1’,S2’の寸法の合計S1+S2,S1’+S2’が、二つのジョウアクチュエータ10間で異なる設定となっている。
ワークwの先端は断面正方形であり、固定センタ14は、ワークwの先端の端面から軸方向に向かって形成された前記基準孔hにぴったりと挿入される。また、テールセンタ17も、ワークの後端の端面から軸方向に向かって形成された前記基準孔hにぴったりと挿入される。前後端面及び各基準孔hが加工済みであるので、テールセンタ17で押し付ければ、そのワークwがチャック本体1に対して軸方向及び径方向に位置決めされる。
なお、この内径側に位置するシリンダ室23bは、もう一つのエアシリンダ20における内径側に位置するシリンダ室23bと連通しているので、そのもう一つのエアシリンダ20のピストン21も同時に外径側へ向かって等しい力で押圧する。
このため、前記両センタ14,17に位置決めされたワークを前記把持爪が把持する際、その位置決めされたワークwの軸周り方位は一定ではないので、図4(a)に示すように、前記把持爪5のフラット面の面方向と前記ワークwの把持部外周におけるフラット面の面方向とが平行でない場合も生じ得る。
このような作用は、2つの把持爪5をチャック本体1の中心軸6を挟んで対向して設けた構成において、そのワークwにおける把持爪5の当接部分(把持部)の断面が長方形の場合にも採用することができる。また、正方形又は長方形以外の四角形を成す断面形状のワークwの場合は、そのワークwの対向する2面のフラット面に相当する方位に、前記把持爪5を設ければ同様な作用を発揮し得る。
このため、例えば、図4(c)に示すように、ワークwの把持部における断面四角形の部分に施工誤差が生じ、前記両把持爪5,5に当接するワークwのフラット面同士が完全な平行状態でなく、僅かにずれている場合においても、他方のジョウアクチュエータ10の軸周り回転がその平行状態の誤差を吸収することができる。
この状態で、チャック本体1をワークwとともに回転させ、そのワークwの円筒研削加工を行うことができる。
もう一方の圧力流体通路30aは、固定軸13の中程で径方向外側へ屈曲して前記バックプレート2内の通路に連通し、そのバックプレート2内の通路が両エアシリンダ20の外径側に位置するシリンダ室23aに向かって開口している。
弾性部材24は、ピストン21の外径側端面に開口して設けた凹部25aに嵌って固定されている。この弾性部材24としては、図6に示すように、コイルバネを採用してもよいし、他の弾性体を用いても良い。
このように、弾性部材24を介在させたことにより、二つの圧力流体通路30a,30bを必要とせず、ワークwを把持するに必要な一方の圧力流体通路30bのみで足りるので、装置の構成を簡単なものとすることができる。
また、保持部11の外周面11aを円弧面以外とした構成も採用し得る。例えば、図8(b)に示すように、保持部11の外周面11aを円筒面とし、その保持部11の円筒面に接する係止孔22の内周面22aの全周又は一部を、前記中心軸6に平行な方向に沿う円弧面としてもよい。
なお、上記実施形態では、シリンダ20のピストン21を動作させる圧力流体としてエア(気体)を用いたが、前記エアに代えて作動油などを用いた油圧制御によりシリンダのピストンを動作させる構成を採用することもできる。
2 バックプレート
3 ドローバ
4 アクチュエータ
5 把持爪
6 中心軸
7 ハウジング
8 ドローバボルト
9 スライディングボール
10 ジョウアクチュエータ
11 保持部
11a 外周面
13 固定軸
14 固定センタ
15 球状部
16 ベアリングレース
20 エアシリンダ
21 ピストン
21a,21b 端面
22 係止孔
22a 内周面
23 円筒状空間
23a,23b シリンダ室
24 弾性部材
25a,25b 凹部
26 ガイドピン
27,28 ガイド孔
30a,30b 圧力流体通路
w ワーク
h 基準孔
Claims (4)
- チャック本体1の中心軸6上に固定センタ14を配し、そのチャック本体1の中心軸6周りに複数の把持爪5を設け、前記固定センタ14及び前記中心軸6の延長線上に設けたテールセンタ17を基準に位置決めされた軸状を成すワークwの外周部を前記各把持爪5により把持するチャック装置において、
前記チャック本体1に直径を同一とするシリンダ20を前記把持爪5と同数設け、その各シリンダ20内にピストン21を配置してそのピストン21を前記チャック本体1の径方向へ進退自在とし、前記チャック本体1にジョウアクチュエータ10を揺動自在に設けてそのジョウアクチュエータ10の前端に前記把持爪5を設けるとともにそのジョウアクチュエータ10の後端に設けた保持部11を前記ピストン21と係合させ、前記各ピストン21の進退により前記ジョウアクチュエータ10が揺動して前記把持爪5を径方向に移動するようになっており、
前記各シリンダ20のシリンダ室に圧力流体を同圧力で供給することにより、前記ワークwの把持部における前記中心軸6に対する芯振れに影響を受けることなく、前記各把持爪5が径方向に移動して等しい把握力で前記ワークwを把持し、そのワークwの外周加工後、両センタ14,17基準で外周振れが生じないことを特徴とするコンペセイティング型チャック装置。 - 前記ジョウアクチュエータ10の前記保持部11を断面円形とし、前記ピストン21に、前記中心軸6に平行な方向に向く断面円形の係止孔22を設けて、その係止孔22内に前記保持部11を挿入することによりその保持部11を前記ピストン21に係合したことを特徴とする請求項1に記載のコンペセイティング型チャック装置。
- 前記保持部11の外周面に前記中心軸6方向の円弧面を形成し、前記係止孔22の内周面を円筒面として、前記円弧面は、前記ピストン21の進退とともに係止孔22の内周面に摺接することを特徴とする請求項2に記載のコンペセイティング型チャック装置。
- 前記ワークwは、前記把持爪5による把持部が断面四角形となっており、前記把持爪5は前記中心軸6を挟んで対称となる2箇所に設けられており、前記把持爪5の先端を前記中心軸6に対して平行で且つチャック本体1の径方向に直交するフラット面として、前記両センタ14,17に位置決めされたワークwを前記把持爪5が把持する際、前記把持爪5のフラット面の面方向と前記ワークwの把持部外周における面方向とが平行でない場合も、把握後に平行になるよう矯正されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンペセイティング型チャック装置。
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