JP5009084B2 - 発光装置 - Google Patents
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Description
図11は、特開2002−287671号公報に記載されたスカッフプレート発光装置の垂直断面を示している。図に示すように、スカッフプレート発光装置900は、LED910と、長手方向991の端面となる側面922がLED910に対向して配置され上面921が発光面となる導光板920と、を備えている。導光板920の裏面923には、該裏面923に設けられた意匠用の溝925の底面926がLED910から遠いほど上面921の近くに位置するように表示部が複数形成されている。
図12に示すスカッフプレート発光装置901には、LED930から導光板940内に入射した光の進行方向993を矢印で示している。同図に示すように、LED930からの入射光が主に長手方向992に沿って進むので、導光板940の裏面に形成された溝945のうち長手方向に向いた部分945aは、短手方向994を向いた部分945b等その他の部分と比べて照射量が少なくなり、暗くなる。そこで、スカッフプレート発光装置の意匠が部分的に暗くならないようにすることが望まれている。
なお、導光板の短手方向の端面近傍にLEDを設けることは、車輌設計上スカッフプレート発光装置の設置空間が限られ、部品点数の増加によるスカッフプレート発光装置のコストアップや製造工数増大に繋がるため、難しい。
以上の構成により、光源から板状導光体の長手方向の端面に入射した光は、導光体の短手方向の粗面化された端面で反射する。これにより、導光体内で短手方向に進む光が増え、該光により各意匠の長手方向に沿った部分が照らされる。従って、導光体の各意匠の長手方向に沿った部分を明るくすることができる。
導光体の形状である板状は、上記凹みを有する形状を含み、自動車に取り付けるための形を有する形状を含む。また、板状の導光体は、平板状の導光体、発光面や裏面や端面が曲面とされた板状の導光体、曲がった板状とされた導光体、等を含む。
導光体における短手方向の端面の粗面化された部位は、導光体の短手方向の端面にブラスト材を吹き付けるブラスト処理など後加工により粗面化した部位でもよいし、成形面が粗面化された成形型で導光体を成形することにより成形と同時に粗面化した部位でもよい。また、粗面化は、つや消し程度の凹凸化、溝形状にすること、これらの組み合わせ、等を含む。
図1は本発明の一実施形態に係る発光装置10を採用した自動車の内装を示す要部斜視図、図2は発光装置10の平面図、図3は図2に示す発光装置10を同図のA1−A1の位置で断面視して示す垂直断面図、図4は反射フィルム76の平面図、図5は種々の発光装置10a〜10dを図2のA2−A2の位置で断面視して示す垂直断面図、図6〜図8は種々の導光体20e〜20iの要部を示す平面図、図9はブラスト装置100を模式的に示す図である。図2では、カバー74が断面視されている。
なお、図2に示すように、導光体20の長手方向D1は発光面21に臨んだときに長い方向とし、導光体20の短手方向D2は発光面21に臨んだときに短い方向とする。光源62からの入射光は、導光体20内で長手方向D1を中心とする方向へ進むことになる。また、図3に示すように、導光体20の厚み方向D3は、長手方向D1及び短手方向D2に直交する方向とする。発光面21から出た光は、厚み方向D3を中心とする方向へ進むことになる。
スカッフプレートは、ドア開口部の下縁を構成する車体パネルを被覆して乗降口の足元部分を保護するとともに、車名といったロゴタイプ等の意匠を表したプレート等により車室の意匠性を高める機能を有する。本実施形態のスカッフプレート1は、発光装置10の発光面21から文字やロゴタイプ等の意匠が浮かび上がるため、車室の装飾効果がより一層高められ、自動車に高級感を付与することができる。
導光体20は、意匠を表示するための凹み30が裏面22に形成され、長手方向D1の端面23,24からの入射光に基づいて裏面22とは反対側の発光面21から前記意匠を表示する。すなわち、発光面21は、導光体20において凹み30に対応した意匠を現出させる表面とされている。光源62は、導光体20の長手方向D1の端面23,24に光を入射させる。すなわち、これらの端面23,24は、光源62から照射される光の受光面とされている。導光体20における短手方向D2の端面25,26の少なくとも一部は、粗面化されている。これにより、本発光装置10は、導光体20の意匠の短手方向D2に沿った部分32と比べて導光体20の意匠の長手方向D1に沿った部分31が暗くなりすぎないように表示する。
ケース72,74には、ステンレス等の金属をプレス成形等により成形したもの、着色剤を添加した熱可塑性樹脂等の遮光性の樹脂成形材料を射出成形やプレス成形等により成形したもの、等を用いることができる。また、金属や樹脂成形材料を成形したものに不織布、織物、編物、等の表皮材を積層してケースを形成してもよい。
なお、反射フィルム76の大きさが導光体20の裏面22よりも若干広いと、発光装置10の見た目をより良好にさせることができる。
光源62には、小型で、照射方向に指向性を有し、長寿命であるLED(発光ダイオード)を好適に用いることができる。むろん、光源62に、白熱電球、ハロゲン電球、蛍光ランプ、放電ランプ、等を用いることも可能である。また、光源の発光色は白、赤、緑、青、等、種々の色を採用することができ、同じ発光装置10に異なる発光色の光源を組み合わせて使用してもよい。
導光体の長手方向の端面23,24は、光源62からの光の反射や屈折を少なくするため、平面形状とされている。光源62から導光体20へ入射した光は、長手方向D1を中心とする方向へ進行する。導光体の短手方向の端面25,26は、長手方向D1に沿って形成されている。
そこで、本発光装置10は、導光体の端面25,26の一部又は全部を粗面化した部位(粗面化部位)としている。図2では、両端面25,26全てが粗面化部位40とされていることが示されている。
発光装置10aの導光体20aの端面26aは、ブラスト材を吹き付けるブラスト処理により全て粗面化部位41とされている。ここで、ブラスト処理には、砂等を吹き付けて表面をつや消しにするサンドブラスト処理を採用することができる。ブラスト材には、砂、粒状ガラス、粒状アルミナ、鋼球等の粒状金属、粒状プラスチック、等を用いることができる。ブラスト処理により、導光体の端面に微細な凹凸が多数形成される。発光装置10bの導光体20bの端面26bは、一部がブラスト処理により粗面化部位42とされている。むろん、導光体20a,20bにおいて前記端面26a,26bとは反対側の端面も、ブラスト処理により一部または全部が粗面化部位とされてもよい。
短手方向D2の端面の少なくとも一部がブラスト処理により粗面化されると、長手方向D1の端面からの入射光が短手方向D2の端面の粗面化部位41,42で乱反射する。これにより、導光体内で短手方向D2に進む光が増え、また、粗面化部位41,42での反射光が種々の方向へ進むので、導光体の発光面21から出る光の量が適切に増加し、意匠の長手方向D1に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
以上の構成により、長手方向D1の端面からの入射光が粗面化部位42で乱反射する度合いは、各凹み30の合わせた位置の両端部分42b,42bよりも各凹み30の合わせた位置の中間部分42aの方が強くなる。これにより、各意匠の長手方向D1に沿った部分31をより自然な感じで適切に明るくすることができる。
導光体20cの形状の成形型で樹脂成形材料を成形する場合、成形型の成形面にダイヤモンドバイト等の成形型よりも硬いバイトを用いて複数の溝43に対応する細長い凸形状を形成すると、該凸形状が成形時に短手方向の端面に転写されて複数の溝43が形成される。成形後の導光体に溝を後加工により形成すると加工限界により微細な溝を形成することができないが、溝に対応する微細な凸形状を成形型に形成することにより導光体の短手方向の端面に微細な溝を形成することが可能になる。
また、導光体20cでは、長手方向D1へ複数並べられた凹み30のそれぞれに合わせた位置で導光体20cの短手方向D2の端面26cが粗面化されている。これにより、各凹み30の位置に合わせて短手方向D2に沿った光を増やすことができるので、意匠用の凹み30が導光体の長手方向D1へ複数並べられているときに各意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに明るくすることができる。
上記導光体20dは、例えば、複数の溝44bに対応する細長い凸形状を成形面に形成した成形型で樹脂成形材料を成形し、導光体の短手方向の端面にブラスト処理を施すことにより、形成される。
上記導光体20eでは、図6の矢印D5eに示すように、長手方向D1に向いた入射光が略V状溝の入射端面対向部分45a,45bでほぼ全て反射する。従って、導光体の発光面21から出る光の量を増やし、意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに明るくすることができる。
上記導光体20fでは、図6の矢印D5fに示すように、長手方向D1に向いた入射光が略V状溝の入射端面対向部分46aでほぼ全て反射する。一方、非対向部分46bが切り立っているので、設計外の光が非対向部分46bで反射して凹み30を照らしてしまうことが抑止される。従って、意匠の長手方向D1に沿った部分31を適切に明るくすることができる。
本導光体20gでは、光源から離れるほど溝47同士の間隔が徐々に狭くされている。これにより、意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに均一となるよう適切に表示することができる。
なお、第一、第二、第三及び第四の溝47a〜47dは、上述した関係を満たす範囲内で複数の溝47の中から選択可能である。
本導光体20hでは、光源から離れるほど溝が徐々に深くされている。これにより、意匠の長手方向D1に沿った部分31をさらに均一となるよう適切に表示することができる。
なお、第五及び第六の溝48a,48bは、上述した関係を満たす範囲内で複数の溝48の中から選択可能である。
導光体の長手方向の両端面近傍に光源がそれぞれ設けられる場合、導光体の長手方向の中間部分で溝同士の間隔を最も狭くしたり溝を最も深くしたりしてもよい。
上述した溝43,44b,45〜48を有する導光体は、例えば、硬いバイトを用いて複数の溝に対応する細長い凸形状を成形面に形成した金型に液状の樹脂成形材料を射出成形することにより形成される。すると、射出成形時に前記凸形状が短手方向の端面に転写されて複数の溝が形成される。
なお、金型から射出成形品をピンで押し出して取り出す際に上記溝が擦れてしまわないように、スライド機構を有する金型を使用するのが好ましい。
以下、本発光装置10の作用、効果を説明する。
光源62から板状導光体20の長手方向D1の端面23,24に入射した光は、意匠用の凹み30や裏面22や短手方向の端面25,26で反射等した後、発光面21から放射される。ここで、凹み30が入射光で照らされるので、凹み30の形状が意匠として表示される。また、図2に示すように、光源62から板状導光体20の長手方向D1の端面23,24に入射した光は、導光体20の短手方向D2の粗面化された端面25,26で反射する。
本発光装置10では、図2の矢印D5に示すように端面25,26で反射した光の少なくとも一部が導光体20内で短手方向D2へ進むので、該端面25,26から短手方向D2へ進む光により意匠の長手方向D1に沿った部分31が照らされる。従って、導光体20の意匠の短手方向D2に沿った部分32と比べて導光体20の意匠の長手方向D1に沿った部分31が暗くなりすぎないようにすることができる。
以下、実施例を示して具体的に本発明を説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
導光体には、長手方向の長さ145mm、短手方向の長さ18mm、厚み2mmの透明なアクリル樹脂の成形品を用いた。導光体の裏面の凹みは、5文字のローマ字からなる深さ1mmの溝形状とした。なお、左から2文字目を「E」とした。そして、短手方向の端面を粗面化していない導光体を、比較例の導光体サンプルとした。
また、文字「E」に合わせた位置で導光体の短手方向の両端面に深さ0.05mmの溝を間隔0.2mmで複数形成し、実施例1の導光体サンプルとした。
さらに、実施例1で得られる導光体サンプルに対して、文字「E」に合わせた位置で導光体の短手方向の両端面にブラスト材を吹き付けるブラスト処理を行い、実施例2の導光体サンプルとした。
底板に反射フィルムを載置し、この反射フィルムに導光体サンプルを載置し、導光体サンプルの長手方向の端面近傍にLED(日亜化学製NESW008)を2個ずつ配置し、カバーを底板に取り付けて発光装置を形成した。この発光装置を0.16lx(TOPCON社の照度計im-3で測定)の暗室環境に置き、各LEDに20mAの電流を流し、全LEDを点灯した。そして、発光面から700mmの高さで、文字「E」の上部、中間部、下部で長手方向を向いた3箇所の輝度をミノルタ社製液晶色分布測定装置CA1000で測定した。
図に示すように、比較例では、「E」の左右端部で輝度が高い一方、「E」の中間部で輝度が低いという、不自然な表示になった。一方、実施例では、「E」の中間部の輝度が比較例よりも高くなり、「E」の左右端部の輝度が比較例よりも低くなった。また、「E」の左右端部の輝度よりも「E」の中間部の輝度の方が高かった。従って、本発明の発光装置は導光体の短手方向の端面を粗面化することにより意匠の長手方向に沿った部分が適切に明るくなることが確認された。
なお、導光体の短手方向の端面を粗面化する際には、短手方向の両端面の一方のみを粗面化してもよい。また、短手方向の一方の端面と他方の端面とは、互いに異なる態様で粗面化されてもよい。
さらに、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
10,10a〜10d…発光装置、
20,20a〜20i…導光体、21…発光面、22…裏面、
23,24…長手方向の端面、25,26…短手方向の端面、27…切欠部、
30…凹み、31…長手方向に沿った部分、32…短手方向に沿った部分、
40,41,42,44a…粗面化部位、
42a…中間部分、42b…両端部分、
43,44b,45〜49…溝、45a,45b,46a…入射端面対向部分、
47a…第一の溝、47b…第二の溝、47c…第三の溝、47d…第四の溝、
48a…第五の溝、48b…第六の溝、
60…光源ユニット、62…光源、
72…底板、74…カバー、76…反射フィルム、
81…ドア開口部、82…前席、83…後席、84…ドア、
D1…導光体の長手方向、D2…導光体の短手方向、D3…導光体の厚み方向、
D4…入射光の進行方向の中心、D5…反射光の進行方向の例。
Claims (2)
- 意匠を表示するための凹みが裏面に形成され、長手方向の端面からの入射光に基づいて前記裏面とは反対側の発光面から前記意匠を表示するための板状の導光体と、
該導光体の長手方向の端面に光を入射させる光源とを備え、
前記導光体の裏面に前記凹みが前記長手方向へ複数並べられ、これらの凹みのそれぞれに合わせた位置で前記導光体における短手方向の端面が粗面化され、これら粗面化された部位同士の間に粗面化されていない部位が設けられていることを特徴とする発光装置。 - 前記複数の凹みのそれぞれに合わせた位置で前記導光体の短手方向の端面がブラスト処理により粗面化され、粗面化された各部位において前記長手方向の中間部分のブラスト処理が前記長手方向の両端部分のブラスト処理よりも強くされたことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
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