JP5008611B2 - 車両用表示装置 - Google Patents
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Description
この点について詳しく説明する。
遠方を見ているドライバが表示器の虚像表示を見る場合、2重に見えてしまう2重像の問題が発生する。従来では、1対象物、例えば前方車両に対して、2個以上の表示像を所定間隔離す、又は所定長の横長表示にしているが、それぞれの表示は、2重像の作用から、1対称物に対して4視標が視認されるため、対称物と視標の対応が困難となる問題が生じる。
図1は実施例1の車両用表示装置の概要説明図である。
実施例1の車両用表示装置1は、コントローラ2、光源3、LCD4、ミラー5からなり、ドライバ用カメラ7、車外用カメラ11と連携する。
コントローラ2は、ドライバ用カメラ7を用いてドライバの目の位置や視線を検出するドライバモニタリングシステムや、車外用カメラ11による車両前方の障害物検出システム、LCD4の表示内容、及び光源3、ナビ、車速センサ等からの入力の演算や制御を行う。
LCD4は、コントローラ2で設定される表示内容の画像表示を行う。
ミラー5は、LCD4からの表示光をフロントウィンドシールド6の所定位置へ向かうよう反射する。なお、フロントウィンドシールド6には、所定の反射率、透過率となるように半反射部材等を設けるようにしてもよい。
また、ミラー5の上方のインストパネル10は、開口して表示光を通過させる構造とする。
車外用カメラ11は、例えば車両前端部に設置され、車両の前方を撮像する。この車外用カメラ11はステレオカメラであってもよい。
また、コントローラ2は、直接、あるいは車内通信を介して、ナビや車速センサから情報を取得する。入力情報13とする。
なお、実施例1の車両用表示装置1は、フロントウィンドシールド6の比較的広い範囲で表示を行い、ドライバの前方視界に重畳させて虚像表示を行うものとする。
コントローラ2は、ドライバ視線検知部21、車外情報処理部22、車両情報処理部23、表示画像生成部24、画像表示位置制御部25、HUD表示部26を備えている。
ドライバ視線検知部21は、ドライバモニタリングシステムとして、ドライバの顔を撮像した画像から、特徴点を検出するなどの画像処理を行い、眼球の位置を検知する。
車両情報処理部23は、ナビや車速センサ等からの入力情報13を入力、処理し、処理結果を車両情報として、表示画像生成部24へ出力する。
画像表示位置制御部25は、ドライバの眼球位置から、画像の表示位置を演算し、HUD表示部26へ出力する。
HUD表示部26は、指令された表示内容を指令されたLCD4の表示位置に表示する処理を行う。
実施例1では、検知された障害物に重畳させて、図3に示すドットパターン201を表示する。
ドットパターン201は、小円形状のドット201aを所定範囲内に多数配置したものである。なお、この所定範囲は、ドライバから見える障害物の大きさに応じて変化させる。その際には、ドット201aの数を増減させてもよいし、ドット201aの大きさを大小させてもよい。
[対象物と指標の対応性を向上させる作用]
図4は実施例1の車両用表示装置による表示例を示す説明図である。
実施例1の車両用表示装置では、ドライバ用カメラ7で検知した前方車両や歩行者等を障害物とし、虚像表示によりドライバに認識させるための強調表示を行う。
例えば、車外用カメラ11により前方車両を障害物(対象物)として検知した際、そのことを表示画像生成部24では、車外情報として得て、車両情報として得る自車の車速を考慮して、前方車両をドライバに認識させるための表示を行う。
この表示は、2重像として表示された際に、前方車両を覆う矩形範囲に表示される大きさとなるようにする。そして、その矩形範囲内にドットパターン202a,202bが表示されるようにする。
ドットパターン201は、2重像表示されたドットパターン202a,202bと比較して、大きさのみが異なり、同じ意匠であると言ってもよい。左右にドット数が増加するのみである。そのため、ドライバに2重像表示かどうかの違和感を与えない。
HUD表示は、フロントウィンドシールドやコンバイナなどの反射部材にドライバーセンタの視線方向に対して少し下方向、又はドライバーセンタに対して少し左下または右下方向に、スピード表示や経路誘導アイコン、接近警報、ワーニングなどを表示し、他の表示器によるものより視線移動が少ないことを利点としている。また、さらに焦点調節速度が速くなるため、表示を遠方結像させることが望ましいとされている。これにより通常走行状態では、ドライバが見ている対象物(障害物)または風景に対して、表示を見に行く時の焦点距離差、つまり対象物と表示結像位置の差が小さくなるため、より良好な運転状態を保つことにつながる。
これにより2重像表示の対策を行いつつ、ドットパターン201が障害物(対象物)に重畳して表示されることで非常に対象を強調した表示としている点が有利である。
対象を強調するためには、重畳した表示にすることが考えられる。
図5は重畳表示の例を示す説明図である。
重畳した表示により、対象を強調する場合は、図5に示すように、例えば前方車両であるならば、矩形枠内に車両の形状を設けた意匠の表示像401を、ドライバから前方車両を見る視線上に重畳させて表示することが考えられる(図5(c)参照)。
実施例1では、このような2重像の問題を解決している。
図6は対象物の下方に棒状の表示を行う例を示す説明図である。
この例では、2重像となる場合の表示像502a,502bと、焦点が合った場合の表示像501で、水平方向の長さが変わるのみであり、2重像に対しては充分な対策となる(図6(a),(b)参照)。
しかしながら、対象物を指し示す対応性としては、弱いものとなっている。特に対象物を強調する点では、図5のような重畳表示より弱くなる。
実施例1では、ドットパターン201により、重畳表示により前方障害物(対象物)を強調し、確実にドライバに認識させている点が有利である。
実施例1では、重畳表示とすることにより、非常に強い対応性となる。
つまり、実施例1では、ドットパターン201の表示範囲の高さ方向の大きさは、前方障害物(対象物)の大きさに応じて表示画像生成部24が大小させることになるので、ドットパターン201の位置そのものに前方障害物(対象物)があることになり、強い対応性となる。
これに対して実施例1では、矩形範囲内にドットパターン201が表示されることにより、2重像の作用では変化しない高さ方向の大きさにより、前方障害物(対象物)までの距離感をドライバに与える。これはドライバの運転支援において、非常に有利である。
実施例1の車両用表示装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
構成を説明する。
図7は実施例2における表示画像を示す説明図である。
実施例2において、表示画像生成部24は、検知された障害物の左右に縦棒と、縦棒の上下端に横棒を設けたI字状の「I」(Iマーク)を配置する虚像表示203を生成する(図7参照)。つまり、「I」(Iマーク)の縦棒が障害物の自車との距離に応じた高さを示し、上下端の横棒が、この高さを強調する。また、左右に配置される「I」(Iマーク、以下省略)のコ字状部分が、障害物の存在する範囲を強調する。
その他構成は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
[対象物と指標の対応性を向上させる作用]
図8は実施例2の車両用表示装置による表示例を示す説明図である。
実施例2の車両用表示装置では、例えば、車外用カメラ11により前方車両を障害物(対象物)として検知した際、前方車両をドライバに認識させるための表示を行う。
この表示は、2重像として表示された際に、図8(a)に示すように、前方車両を左右から囲むように「I」を配置した表示像204a,204bの表示を行う。
言い換えると、ドライバの視線が前方車両に焦点を合わせて見る場合に、2重に表示されることにより、前方車両(図8(a)の符号301参照)を囲む範囲に重畳した表示像204a,204bの表示となる。
そして、ドライバが視線の焦点を、虚像表示「I」に合わせた場合には、前方車両が2重に見えることになり、2重像表示でない虚像表示「I」が見えることになる。
その場合、虚像表示「I」(符号203)の縦棒が2重に見える障害物の間を仕切るように表示されつつ、障害物の高さをドライバへ伝達する。そして、虚像表示「I」の上下端の横棒が、この高さを強調する。
また、虚像表示「I」(符号203)の左右に向く2つのコ字状部分が、2重に見える前方車両の範囲を指し示すように表示される。以上のことから、虚像表示「I」に焦点が合っても意味を持つ一つの意匠として表示されるため、ドライバに2重像表示かどうかの違和感を与えない。
さらに、虚像表示「I」(符号203)の左右に向く2つのコ字状部分が、2重に見える前方車両の範囲を指し示すため、前方車両(障害物)と虚像表示「I」(符号203)との強い対応性を得る。
この実施例2の車両用表示装置にあっては、実施例1の(1),(2)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
また、この障害物範囲を指し示す表示は、障害物が複数になっても、良好な対応性により、障害物の大きさ、自車との距離がわかるために、見やすい表示にすることができる。
ドットパターンのドットは、整列した配置であってもよいし、ランダムな配置であってもよい。また、ドットの大きさ、数は、2重像表示と焦点の合った表示の差に気づき難くく、充分な強調表示が行えるよう設定することが好ましい。
2 コントローラ
21 ドライバ視線検知部
22 車外情報処理部
23 車両情報処理部
24 表示画像生成部
25 画像表示位置制御部
26 HUD表示部
3 光源
4 LCD
5 ミラー
6 フロントウィンドシールド
7 ドライバ用カメラ
8 ステアリングコラム
9 ステアリングホイール
10 インストパネル
11 車外用カメラ
12 シート
13 入力情報
102 虚像表示
201 ドットパターン
201a ドット
202a,202b (2重像に見える)ドットパターン
203 (「I」の)表示像
204a,204b (2重像に見える「I」の)表示像
301 (焦点が合って見える)前方車両
301a,301b (2重像に見える)前方車両
h ドライバ
401 (車両形状の)表示像
402a,402b (2重像に見える)表示像
501 (水平方向に伸びる棒状の)表示像
502a,502b (2重像に見える)表示像
Claims (2)
- 自車の前方障害物を検知する障害物検知手段と、
ドライバの視線位置を検出する視線検出手段と、
ドライバの前方視界方向に、検知した前記障害物をドライバに認識させる虚像表示を行う表示手段と、
を有する車両用表示装置において、
前記表示手段は、ドライバが前方障害物に焦点を合わせて見ることにより2重像表示となった際に、前記前方障害物を左右から囲むように前記虚像表示を表示することを特徴とする車両用表示装置。 - 請求項1に記載の車両用表示装置において、
前記表示手段は、前記前方障害物に重ねて、前記2重像表示の際に、前記前方障害物を左右から囲むように縦棒と縦棒の上下端の横棒で形成したI字状の表示を行うことを特徴とする車両表示装置。
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