JP5007270B2 - 車体後部構造 - Google Patents
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Description
このロアバックパネルは、リヤサイドフレームの後端部に上下に延びて設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
ロアバックパネルを上下に延びた柱状部材とすることで、衝突する相手車両の車高に関わらずロアバックパネルで衝突荷重を受けることができるとされている。
よって、車高の異なる相手車両が、ロアバックパネルの上下の端部に衝突した場合に、上下の端部が比較的簡単に折れ曲がることが考えられる。
このため、ロアバックパネルの上下の端部に作用した衝撃荷重を、リヤサイドフレームに伝えることができなくなり、衝撃荷重を良好に吸収することができない。
そして、車高の異なる相手車両が後方から衝突した場合に、相手車両のバンパビームがリヤバンパビームの上方や下方に侵入することが考えられる。
このロアクロスメンバを、左右の脚部およびロア梁部で略U字形状に形成し、上下のクロスメンバで略矩形状の枠状骨格を形成した。
そして、左右の脚部の略中央部を左右のリヤサイドフレームの後端部にリヤパネルを介して連結した。
また、左右のリヤサイドフレーム(すなわち、リヤバンパビーム)の下方に、左右の脚部の下端部を配置することができる。
そして、左右のリヤサイドフレーム(すなわち、リヤバンパビーム)の上方に、左右の脚部の上端部を配置した。
また、左右のリヤサイドフレーム(すなわち、リヤバンパビーム)の下方に、左右の脚部の下端部を配置した。
左右の脚部は枠状骨格の一部を構成する部材である。よって、左右の脚部は剛性が高いので、左右の脚部の上端部に作用した衝撃荷重を左右のリヤサイドフレームに効率よく伝えて良好に吸収することができる。
さらに、車高の高い相手車両のバンパビームを、左右の脚部の上端部に当てることで、相手車両が高さ方向上側にすれ違うことを防いで、相手車両の車体後部構造側への侵入を抑えることができる。
左右の脚部は剛性が高い部材なので、一方の上端部に作用した衝撃荷重を、アッパクロスメンバを経て他方の上端部に伝えることができる。
これにより、一方の上端部に作用した衝撃荷重を、左右のリヤサイドフレームに効率よく伝えて良好に吸収することができる。
さらに、車高の高い相手車両のバンパビームを、左右の脚部の一方の上端部に当てることで、相手車両が車幅方向にすれ違うことを防いで、相手車両の車体後部構造側への侵入を抑えることができる。
左右の脚部は枠状骨格の一部を構成する部材である。よって、左右の脚部は剛性が高い部材なので、左右の脚部の下端部に作用した衝撃荷重を左右のリヤサイドフレームに効率よく伝えて良好に吸収することができる。
さらに、車高の低い相手車両のバンパビームを、左右の脚部の下端部に当てることで、相手車両が高さ方向下側にすれ違うことを防いで、相手車両の車体後部構造側への侵入を抑えることができる。
左右の脚部は剛性が高い部材なので、一方の下端部に作用した衝撃荷重を、アッパクロスメンバを経て他方の下端部に伝えることができる。
これにより、一方の下端部に作用した衝撃荷重を、左右のリヤサイドフレームに効率よく伝えて良好に吸収することができる。
さらに、車高の低い相手車両のバンパビームを、左右の脚部の一方の下端部に当てることで、相手車両が車幅方向にすれ違うことを防いで、相手車両の車体後部構造側への侵入を抑えることができる。
さらに、相手車両のバンパビームを左右の脚部の上端部や下端部に当てることで、相手車両が高さ方向にすれ違うことを防いで相手車両の車体後部構造側への侵入を抑えることができるという利点がある。
さらに、相手車両のバンパビームを左右の脚部の一方の上端部や一方の下端部に当てることで、相手車両が車幅方向にすれ違うことを防いで相手車両の車体後部構造側への侵入を抑えることができるという利点がある。
よって、枠状骨格の剛性(すなわち、左右の脚部の剛性)を一層高めることができる。
これにより、衝撃荷重を左右のリヤサイドフレームに効率よく伝えて衝撃荷重を一層良好に吸収することができるという利点がある。
よって、枠状骨格の剛性(すなわち、左右の脚部の剛性)を一層高めることができる。
これにより、衝撃荷重を左右のリヤサイドフレームに効率よく伝えて衝撃荷重を一層良好に吸収することができるという利点がある。
よって、左右のガセットを、リヤパネルを介して左右の脚部の上端部に設けることができ、左右の脚部の上端部の剛性をさらに高めることができる。
これにより、車高の高い相手車両が後方から衝突した場合に、衝撃荷重を左右のリヤサイドフレームに効率よく伝えて衝撃荷重を一層良好に吸収することができるという利点がある。
これにより、車高の低い相手車両が後方から衝突した場合に、衝撃荷重を左右のリヤサイドフレームに効率よく伝えて衝撃荷重を一層良好に吸収することができるという利点がある。
車体後部構造10は、左右のリヤサイドフレーム11,12が車体前後方向を向いて設けられ、左右のリヤサイドフレーム11,12に架け渡されたリヤサイドフレームクロスメンバ13と、リヤサイドフレームクロスメンバ13の後方に設けられたリヤフロアパン14(図2も参照)と、左右のリヤサイドフレーム11,12のそれぞれの後端部11a,12a(図2も参照)に架け渡されたリヤパネル15と、リヤパネル15に設けられた枠状骨格16と、枠状骨格16に設けられたリヤバンパビームアッセンブリ18とを備えている。
左右のリヤサイドフレーム11,12は、それぞれが車体前後方向を向いて互いに平行に所定間隔をおいて設けられている。
左右のリヤサイドフレーム11,12にリヤサイドフレームクロスメンバ13が車幅方向に向けて架け渡されている。
リヤフロアパン14は、トランク室21の底部22を形成するとともに、スペアタイヤ(図示せず)を収納するスペアタイヤ収納凹部23が設けられている。
前壁25は、リヤサイドフレームクロスメンバ13に溶接で接合されている。左側壁26は、左リヤサイドフレーム11に溶接で接合され、右側壁27は、右リヤサイドフレーム12に溶接で接合されている。
また、リヤフロアパン14の後端部28がリヤパネル15に溶接で接合されている。
リヤパネル15は、略矩形状に形成されたパネルであり、左端部15aが左リヤサイドフレーム11の後端部11aに溶接で接合され、右端部15bが右リヤサイドフレーム12の後端部12aに溶接で接合されている。
このリヤパネル15でトランク室21の後壁が形成されている。
リヤパネル15に枠状骨格16が設けられている。
枠状骨格16は、リヤパネル15の上部15cに沿って設けられたアッパクロスメンバ31と、アッパクロスメンバ31に設けられたロアクロスメンバ32と、アッパクロスメンバ31およびロアクロスメンバ32に架け渡された中央脚部33とを備えている。
この枠状骨格16は、リヤパネル15に設けられ、アッパクロスメンバ31およびロアクロスメンバ32で略矩形状に形成されている。
右脚部52は、アッパクロスメンバ31の右端部31bおよびロア梁部53の右端部(アッパクロスメンバ31の右端部)53bを連結する支柱である。
この右脚部52は、左脚部51の右側に所定間隔をおいて略平行に配置されている。
左右の脚部51,52およびロア梁部53でロアクロスメンバ32が、後面視で略U字形状に形成されている。
左右の脚部51,52の剛性を高めることで、左右の脚部51,52の上端部51c,52cに衝撃荷重が作用した場合に、上端部51c,52cの折れ曲がり(変形)が生じることを防止できる。
よって、上端部51c,52cに作用した衝撃荷重を左右のリヤサイドフレーム11,12に効率よく伝えることができる。
アッパクロスメンバ31の車幅方向中央部31cおよびロア梁部53の車幅方向中央部53cを中央脚部33で連結することで、枠状骨格16の剛性(すなわち、左右の脚部51,52の剛性)を一層高めることができる。
アッパクロスメンバ31は、リヤパネル15の上部15cに沿ってインナパネル35およびアウタパネル36が設けられた梁部材である。
アウタパネル36は、下壁41および後壁42で断面略L形に形成され、下壁41の下端部41aがリヤパネル15の上部15c表面に溶接で接合されている。
上壁38の後端部38aが後壁42の上端部42aに溶接で接合されている。
アッパクロスメンバ31が閉断面に形成されることで、アッパクロスメンバ31の剛性を高めることができる。
ストライカ45は、リヤパネル15の後方に備えられ、トランクリッド46(図1参照)の施錠用ラッチ(図示せず)が係止可能な部材である。
一方、施錠用ラッチによるストライカ45の係止を解放することで、トランクリッド46が開放可能に保たれる。
よって、ストライカ45を設ける部材を個別に用意する必要がない。
これにより、部品点数を少なく抑えることができ、かつ、コンパクト化を図ることができる。
左脚部51は、後面55および左右の側壁56,57で断面略コ字状に形成され、左右の側壁56,57の前辺56a,57aがリヤパネル15に溶接で接合されている。
よって、左脚部51およびリヤパネル15で閉断面が形成されている。
よって、右脚部52およびリヤパネル15で閉断面が形成されている。
よって、ロア梁部53およびリヤパネル15で閉断面が形成されている。
このロアクロスメンバ32は、左脚部51およびリヤパネル15で閉断面が形成され、右脚部52およびリヤパネル15で閉断面が形成されている。加えて、ロア梁部53およびリヤパネル15で閉断面が形成されている。
加えて、アッパクロスメンバ31も閉断面に形成されている。
よって、枠状骨格16の剛性(すなわち、左右の脚部51,52の剛性)を一層高めることができる。
中央脚部33は、後面71および左右の側壁72,73で断面略コ字状に形成され、左右の側壁72,73の前辺72a,73aがリヤパネル15に溶接で接合されている。
中央脚部33およびリヤパネル15で閉断面が形成されている。
中央脚部33およびリヤパネル15で閉断面が形成されることで、枠状骨格16の剛性(すなわち、左右の脚部51,52の剛性)を一層高めることができる。
リヤバンパビームアッセンブリ18は、左脚部51の後面55に設けられた左衝撃吸収部75と、右脚部52の後面61に設けられた右衝撃吸収部76と、左右の衝撃吸収部75,76に架け渡されたリヤバンパビーム77とを備えている。
よって、左衝撃吸収部75は、リヤパネル15を介在させた状態で左リヤサイドフレーム11の後端部11aに対向されている。
この左衝撃吸収部75は、衝突時に衝撃荷重を吸収する部材である。
よって、右衝撃吸収部76は、リヤパネル15を介在させた状態で右リヤサイドフレーム12の後端部12aに対向されている。
この右衝撃吸収部76は、衝突時に衝撃荷重を吸収する部材である。
リヤバンパビーム77は、左右の衝撃吸収部75,76に架け渡され、衝突時に衝撃荷重を吸収する部材である。
まず、車高の高い相手車両80が枠状骨格16の上部に正面衝突した例を図8〜図9に基づいて説明する。
車高の高い相手車両80が後方から衝突した場合に、相手車両80のフロントバンパビーム81を、枠状骨格16の上部に当てることができる。
具体的には、フロントバンパビーム81を、左脚部51の上端部51cおよび右脚部52の上端部52cにそれぞれ当てることができる。
左右の脚部51,52の上端部51c,52cに衝撃荷重F1が作用する。
よって、左右の脚部51,52の上端部51c,52cに衝撃荷重F1が作用した場合に、衝撃荷重F1で上端部51c,52cが折れ曲がる虞がない。
(a),(b)に示すように、左右の脚部51,52の上端部51c,52cの折れ曲がりを防止することで、上端部51c,52cに作用した衝撃荷重F1は、左右の脚部51,52の上下方向略中央部51b,52bまで矢印Aの如く効率よく伝えられる。
同様に、右脚部52の右上下方向略中央部52bまで伝えられた衝撃荷重F1は、リヤパネル15を経て右リヤサイドフレーム12の後端部12aに矢印Bの如く効率よく伝えられる。
これにより、左右のリヤサイドフレーム11,12の後端部11a,12aに伝えられた衝撃荷重F1を、左右のリヤサイドフレーム11,12で良好に吸収することができる。
すなわち、アッパクロスメンバ31は、閉断面に形成されて剛性が高められている。よって、フロントバンパビーム81をアッパクロスメンバ31に当てた場合に、衝撃荷重を左右の脚部51,52の上端部51c,52cに効率よく伝えることができる。
これにより、フロントバンパビーム81をアッパクロスメンバ31に当てた場合にも衝撃荷重を良好に吸収することができる。
図10は第1実施の形態に係る枠状骨格の下部に相手車両が正面衝突した例を説明する図である。
車高の低い相手車両83が後方から衝突した場合に、相手車両83のフロントバンパビーム84を、枠状骨格16の下部に当てることができる。
具体的には、フロントバンパビーム84を、左脚部51の下端部51aおよび右脚部52の下端部52aにそれぞれ当てることができる。
左右の脚部51,52の下端部51a,52aに衝撃荷重F2が作用する。
よって、左右の脚部51,52の下端部51a,52aに衝撃荷重F2が作用した場合に、衝撃荷重F2で下端部51a,52aが折れ曲がる虞がない。
(a),(b)に示すように、左右の脚部51,52の下端部51a,52aの折れ曲がりを防止することで、下端部51a,52aに作用した衝撃荷重F2は、左右の脚部51,52の上下方向略中央部51b,52bまで矢印Cの如く効率よく伝えられる。
同様に、右脚部52の右上下方向略中央部52bまで伝えられた衝撃荷重F2は、リヤパネル15を経て右リヤサイドフレーム12の後端部12aに矢印Dの如く効率よく伝えられる。
これにより、左右のリヤサイドフレーム11,12の後端部11a,12aに伝えられた衝撃荷重F2を、左右のリヤサイドフレーム11,12で良好に吸収することができる。
これにより、左右のリヤサイドフレーム11,12に衝撃荷重F1,F2を効率よく伝えて良好に吸収することができる。
図12(a),(b)は第1実施の形態に係るバンパビームに相手車両が正面衝突した例を説明する図である。
(a),(b)に示すように、相手車両86が後方からフロントバンパビーム87に衝突した場合、衝撃荷重F3は左右の衝撃吸収部材75,76に伝えられる。
衝撃吸収部材75,76が変形して衝撃荷重F3の一部が吸収される。
これにより、左右のリヤサイドフレーム11,12の後端部11a,12aに伝えられた衝撃荷重F3を、左右のリヤサイドフレーム11,12で良好に吸収することができる。
図13は第1実施の形態に係る枠状骨格の左側上部に相手車両がオフセット衝突した例を説明する図である。
車高の高い相手車両80が後方から左側にずれてオフセット衝突した場合に、相手車両80のフロントバンパビーム81を、枠状骨格16の左側上部に当てることができる。
具体的には、フロントバンパビーム81を、左脚部51の上端部51cに当てることができる。
左脚部51の上端部51cに衝撃荷重F4が作用する。
よって、左脚部51の上端部51cに衝撃荷重F4が作用した場合に、衝撃荷重F4で上端部51cが折れ曲がる虞がない。
一方、残りの衝撃荷重は、アッパクロスメンバ31に矢印Gの如く伝えられる。アッパクロスメンバ31に伝えられた衝撃荷重は、右脚部52の上端部52cを経て右脚部52の上下方向略中央部52bまで矢印Hの如く効率よく伝えられる。
同様に、右脚部52の右上下方向略中央部52bまで伝えられた衝撃荷重は、リヤパネル15を経て右リヤサイドフレーム12の後端部12aに矢印Jの如く効率よく伝えられる。
これにより、左右のリヤサイドフレーム11,12の後端部11a,12aに伝えられた衝撃荷重を、左右のリヤサイドフレーム11,12で良好に吸収することができる。
すなわち、アッパクロスメンバ31は、閉断面に形成されて剛性が高められている。よって、フロントバンパビーム81をアッパクロスメンバ31に当てた場合に、衝撃荷重を左脚部51の上端部51cに効率よく伝えることができる。
これにより、フロントバンパビーム81をアッパクロスメンバ31に当てた場合にも衝撃荷重を良好に吸収することができる。
図14は第1実施の形態に係る枠状骨格の左側下部に相手車両がオフセット衝突した例を説明する図である。
車高の低い相手車両83が後方から左側にずれてオフセット衝突した場合に、相手車両83のフロントバンパビーム84を、枠状骨格16の左側下部に当てることができる。
具体的には、フロントバンパビーム84を、左脚部51の下端部51aに当てることができる。
左脚部51の下端部51aに衝撃荷重F5が作用する。
よって、左脚部51の下端部51aに衝撃荷重F5が作用した場合に、衝撃荷重F5で下端部51aが折れ曲がる虞がない。
一方、残りの衝撃荷重は、ロア梁部53に矢印Lの如く伝えられる。ロア梁部53に伝えられた衝撃荷重は、右脚部52の下端部52aを経て右脚部52の上下方向略中央部52bまで矢印Mの如く効率よく伝えられる。
同様に、右脚部52の右上下方向略中央部52bまで伝えられた衝撃荷重は、リヤパネル15を経て右リヤサイドフレーム12の後端部12aに矢印Oの如く効率よく伝えられる。
これにより、左右のリヤサイドフレーム11,12の後端部11a,12aに伝えられた衝撃荷重を、左右のリヤサイドフレーム11,12で良好に吸収することができる。
これにより、左右のリヤサイドフレーム11,12に衝撃荷重F4,F5を効率よく伝えて良好に吸収することができる。
第2実施の形態の車体後部構造90は、左右のリヤサイドフレーム11,12の後端部11a,12aに左右のガセット91,92がそれぞれ設けられ、リヤサイドフレームクロスメンバ13およびロアクロスメンバ32(図2参照)に左右のパンフレーム94,95がそれぞれ架け渡されたもので、その他の構成は第1実施の形態の車体後部構造10と同じである。
左ガセット91は、左リヤサイドフレーム11の後端部11aの上壁(上面)11bからリヤパネル15(枠状骨格16(図2参照))に向けて上り勾配になるように設けられている。
具体的には、左ガセット91は、後端部11aの上面11bからリヤパネル15に向けて上り勾配に形成された傾斜壁97と、傾斜壁97の左辺から下方に向けて折り曲げられた左側壁98と、傾斜壁97の右辺から下方に向けて折り曲げられた右側壁99とを有している。
左ガセット91は、傾斜壁97および左右の側壁98,99で断面略コ字状に形成されている。
傾斜壁97の後端部97bおよび左右の側壁98,99の後端部に、後接合片98a,99aがそれぞれ設けられている。
後接合片97b,98a,99aは、リヤパネル15の裏面に溶接で接合されている。
右側壁99の下端部に右接合片99bが設けられている。右接合片99bは、左リヤサイドフレーム11の後端部11aのうち、右側壁11d(図18も参照)に溶接で接合されている。
なお、図18は左右のパンフレーム94,95の構成の理解を容易にするためにリヤフロアパン14を除去した状態で示す。
すなわち、左ガセット91の後端部91aは、リヤパネル15を介して左脚部51の上端部51cに設けられている。
これにより、左脚部51の上端部51cに衝撃荷重が作用した場合に、上端部51cが折れ曲がる(変形する)ことを一層良好に抑えることができる。
右リヤサイドフレーム12の後端部12aの上壁(上面)12bおよびリヤパネル15の裏面に右ガセット92を設けることで、右脚部52の上端部52cを右ガセット92で補強して、右脚部52の上端部52cの剛性をさらに高めることができる。
これにより、右脚部52の上端部52cに衝撃荷重が作用した場合に、上端部52cが折れ曲がる(変形する)ことを一層良好に抑えることができる。
前接合片101は、リヤサイドフレームクロスメンバ13の左端部13aのうち、後壁13bに溶接で接合されている。
後接合片102は、リヤパネル15の裏面のうち、左端部15aに溶接で接合されている。
すなわち、左パンフレーム94の後端部94aは、リヤパネル15を介してロア梁部53の左端部53aに設けられている。
よって、左脚部51の下端部51aを左パンフレーム94で補強して、左脚部51の下端部51aの剛性をさらに高めることができる。
これにより、左脚部51の下端部51aに衝撃荷重が作用した場合に、下端部51aが折れ曲がる(変形する)ことを一層良好に抑えることができる。
リヤサイドフレームクロスメンバ13の右端部13cおよびリヤパネル15(ロア梁部53の右端部53b)に右パンフレーム95を架け渡すことで、右脚部52の下端部52a(図4参照)を右パンフレーム95で補強して、右脚部52の下端部52aの剛性をさらに高めることができる。
これにより、右脚部52の下端部52aに衝撃荷重が作用した場合に、下端部52aが折れ曲がる(変形する)ことを一層良好に抑えることができる。
まず、車高の高い相手車両80が枠状骨格16の上部に正面衝突した例を図19に基づいて説明する。
(a)において、車高の高い相手車両80のフロントバンパビーム81を、枠状骨格16の上部に当てる。
よって、左右の脚部51,52の上端部51c,52cに衝撃荷重F1が作用する。
左脚部51,52の上端部51c,52cが折れ曲がる(変形する)ことを左右のガセット91,92で一層良好に抑えることで、上端部51c,52cに作用した衝撃荷重F1は効率よく伝えられる。
後端部11aに伝えられた衝撃荷重F1の一部は、左リヤサイドフレーム11に伝えられて良好に吸収される。
後端部94aに伝えられた衝撃荷重は、左パンフレーム94に伝えられて良好に吸収される。
すなわち、右脚部52の上下方向略中央部52bから右リヤサイドフレーム12の後端部12a伝えられた衝撃荷重F1の一部は、右リヤサイドフレーム12で良好に吸収される。
さらに、上下方向略中央部52bで分散された衝撃荷重は、右パンフレーム95で良好に吸収される。
すなわち、アッパクロスメンバ31は、閉断面に形成されて剛性が高められている。よって、フロントバンパビーム81をアッパクロスメンバ31に当てた場合に、衝撃荷重を左右の脚部51,52の上端部51c,52cに効率よく伝えることができる。
これにより、フロントバンパビーム81をアッパクロスメンバ31に当てた場合にも衝撃荷重を良好に吸収することができる。
図20(a),(b)は第2実施の形態の枠状骨格の下部に正面衝突した例を説明する図である。
(a)において、車高の低い相手車両83のフロントバンパビーム84を、枠状骨格16の下部に当てる。
これにより、左右の脚部51,52の下端部51a,52aに衝撃荷重F2が作用する。
左右の脚部51,52の下端部51a,52aが折れ曲がる(変形する)ことを左右のパンフレーム94,95で良好に抑えることで、下端部51a,52aに作用した衝撃荷重F2は効率よく伝えられる。
左パンフレーム94に伝えられた衝撃荷重F1の一部は、左パンフレーム94で良好に吸収される。
上下方向略中央部51bに伝えられた衝撃荷重は、左リヤサイドフレーム11の後端部11aに矢印Sの如く効率よく伝えられる。
さらに、後端部11aに伝えられた衝撃荷重は、左リヤサイドフレーム11で良好に吸収される。
すなわち、右脚部52の下端部52aに作用した衝撃荷重F2の一部は、右パンフレーム95で良好に吸収される。
さらに、下端部52aで分散された衝撃荷重は、右リヤサイドフレーム12で良好に吸収される。
これにより、左右のリヤサイドフレーム11,12および左右のパンフレーム94,95に衝撃荷重F1,F2を効率よく伝えて良好に吸収することができる。
図21(a),(b)は第2実施の形態の枠状骨格の左側上部にオフセット衝突した例を説明する図である。
(a)において、車高の高い相手車両80のフロントバンパビーム81を、枠状骨格16の左側上部に当てる。
これにより、左脚部51の上端部51cに衝撃荷重F4が作用する。
左脚部51の上端部51cが折れ曲がる(変形する)ことを左ガセット91で一層良好に抑えることで、上端部51cに作用した衝撃荷重F4は効率よく伝えられる。
一方、残りの衝撃荷重は、アッパクロスメンバ31に矢印Gの如く伝えられる。アッパクロスメンバ31に伝えられた衝撃荷重は、右脚部52の上端部52cを経て右脚部52の上下方向略中央部52bまで矢印Hの如く効率よく伝えられる。
分散された衝撃荷重の一方は、左リヤサイドフレーム11に矢印Tの如く伝わり、他方は、左パンフレーム94に矢印Uの如く伝わる。
伝わった衝撃荷重は、左リヤサイドフレーム11および左パンフレーム94で良好に吸収される。
分散された衝撃荷重の一方は、右リヤサイドフレーム12に矢印Tの如く伝わり、他方は、右パンフレーム95に矢印Uの如く伝わる。
伝わったそれぞれの衝撃荷重は、右リヤサイドフレーム12および右パンフレーム95で良好に吸収される。
すなわち、アッパクロスメンバ31は、閉断面に形成されて剛性が高められている。よって、フロントバンパビーム81をアッパクロスメンバ31に当てた場合に、衝撃荷重を左脚部51の上端部51cに効率よく伝えることができる。
これにより、フロントバンパビーム81をアッパクロスメンバ31に当てた場合にも衝撃荷重を良好に吸収することができる。
図22(a),(b)は第2実施の形態の枠状骨格の左側下部に作用した衝撃荷重を吸収する例を説明する図である。
(a)において、車高の低い相手車両83のフロントバンパビーム84を、枠状骨格16の左側下部に当てる。
これにより、左脚部51の下端部51aに衝撃荷重F5が作用する。
左脚部51の下端部51aの折れ曲がりを防ぐことで、下端部51aに作用した衝撃荷重F5は効率よく伝えられる。
一方、残りの衝撃荷重は、ロア梁部53に矢印Lの如く伝えられる。ロア梁部53に伝えられた衝撃荷重は、右脚部52の下端部52aを経て右脚部52の上下方向略中央部52bまで矢印Mの如く効率よく伝えられる。
分散された衝撃荷重の一方は、左パンフレーム94に矢印Vの如く伝わり、他方は、左リヤサイドフレーム11に矢印Wの如く伝わる。
伝わった衝撃荷重は、左パンフレーム94および左リヤサイドフレーム11で良好に吸収される。
分散された衝撃荷重の一方は、右パンフレーム95に矢印Vの如く伝わり、他方は、右リヤサイドフレーム12に矢印Wの如く伝わる。
伝わったそれぞれの衝撃荷重は、右パンフレーム95および右リヤサイドフレーム12で良好に吸収される。
これにより、左右のリヤサイドフレーム11,12および左右のパンフレーム94,95に衝撃荷重F4,F5を効率よく伝えて良好に吸収することができる。
Claims (5)
- 左右のリヤサイドフレームが車体前後方向を向いて設けられ、前記左右のリヤサイドフレームの後端部にリヤパネルが架け渡され、前記リヤパネルでトランク室の後壁が形成され、前記トランク室を開閉するトランクリッドの施錠部を前記リヤパネルの後方に備えた車体後部構造において、
前記リヤパネルの上部に沿って設けられ、前記トランク室の下側開口部を形成するとともに前記施錠部を備えたアッパクロスメンバと、
前記アッパクロスメンバの左右端部から左右の脚部がそれぞれ垂下されるとともに前記左右の脚部の下端部にロア梁部が架け渡されることにより、前記左右の脚部および前記ロア梁部で略U字形状に形成されたロアクロスメンバと、
を備え、
前記アッパクロスメンバおよび前記ロアクロスメンバで略矩形状の枠状骨格が形成されるとともに、前記枠状骨格が前記リヤパネルに設けられ、
前記枠状骨格のうち、前記左右の脚部の上下方向略中央部が、前記左右のリヤサイドフレームの後端部に前記リヤパネルを介してそれぞれ連結されたことを特徴とする車体後部構造。 - 前記アッパクロスメンバの車幅方向中央部および前記ロア梁部の車幅方向中央部を連結する中央脚部を備えたことを特徴とする請求項1記載の車体後部構造。
- 前記ロアクロスメンバが断面略コ字状に形成され、
前記ロアクロスメンバおよび前記リヤパネルで閉断面が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車体後部構造。 - 前記左右のリヤサイドフレームの各上面から前記リヤパネルに向けて左右のガセットが上り勾配になるようにそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車体後部構造。
- 前記ロアクロスメンバの前方において、前記左右のリヤサイドフレームに架け渡されたリヤサイドフレームクロスメンバを備え、
前記リヤサイドフレームクロスメンバの左端部および前記ロアクロスメンバの左端部に架け渡された左パンフレームを備え、
前記リヤサイドフレームクロスメンバの右端部および前記ロアクロスメンバの右端部に架け渡された右パンフレームを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車体後部構造。
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