JP5006506B2 - 燃料電池及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポータブル電源、電気自動車用電源、家庭内コージェネレーションシステム等に使用する燃料電池、特に高分子電解質膜を用いた燃料電池およびその運転方法に関する。
高分子電解質膜を用いた燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと、空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることで、電力と熱とを同時に発生させるものである。この燃料電池は、基本的には、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜、高分子電解質膜の両面に形成された一対の電極、すなわちアノードとカソードから構成される。前記の電極は、白金族金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とし、高分子電解質膜の表面に形成される触媒層、および触媒層の外面に形成される、通気性と電子導電性を併せ持つガス拡散層からなる。
電極に供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスが外にリークしたり、二種類のガスが互いに混合したりしないように、電極の周囲には高分子電解質膜を挟んでガスシール材やガスケットが配置される。これらのガスシール材やガスケットは、電極及び高分子電解質膜と一体化してあらかじめ組み立てられる。これを、MEA(電解質膜電極接合体)と呼ぶ。MEAの外側には、これを機械的に固定するとともに、隣接したMEAを互いに電気的に直列に接続するための導電性のセパレータ板が配置される。セパレータ板のMEAと接触する部分には、電極面に反応ガスを供給し、生成水や余剰ガスを運び去るためのガス流路が形成される。ガス流路は、セパレータ板と別に設けることもできるが、セパレータ板の表面に溝を設けてガス流路とする方式が一般的である。
これらの溝に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するためには、燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給する配管を、使用するセパレータ板の枚数に分岐し、その分岐先を直接セパレータ板の溝につなぎ込む配管治具が必要となる。この治具をマニホールドと呼び、上記のような燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給配管からセパレータの溝に直接つなぎ込むタイプを外部マニホールドと呼ぶ。このマニホールドには、構造をより簡単にした内部マニホールドと呼ぶ形式のものがある。内部マニホールドとは、ガス流路を形成したセパレータ板に、貫通した孔を設け、ガス流路の出入り口をこの孔まで連絡し、この孔から直接ガス流路に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給する。
燃料電池は、運転中に発熱するので、電池を良好な温度状態に維持するために、冷却水等で冷却する必要がある。通常、1〜3セル毎に、冷却水を流す冷却部が設けられる。冷却部をセパレータ板とセパレータ板との間に挿入する形式と、セパレータ板の背面に冷却水流路を設けて冷却部とする形式とがあり、後者が多く利用される。これらのMEAとセパレータ板および冷却部を交互に重ねていき、10〜200セル積層し、その積層体を集電板と絶縁板を介して端板で挟み、締結ロッドで両端から固定するのが一般的な燃料電池の構造である。
この種の燃料電池の高分子電解質膜には、通常パーフルオロカーボンスルホン酸系の材料が使われている。この高分子電解質膜は、水分を含んだ状態でイオン伝導性を発現するため、通常は燃料ガスや酸化剤ガスを加湿して供給する必要がある。一方、カソード側では、反応によって水が生成する。このため、電池の動作温度より高い露点をもつように加湿されたガスを供給すると、電池内部のガス流路や電極内部で結露が発生し、水詰まりなどによって電池性能が安定しないばかりか、性能が低下するという問題が生じる。通常、このような濡れすぎによる電池性能の低下や動作不安定が発現する現象をフラッディング現象と呼ぶ。
燃料電池を発電システムとする場合には、供給ガスの加湿などを含めたシステム化が必要である。システムの簡素化、およびシステム効率の向上のためには、供給ガスの加湿露点を少しでも低減することが好ましい。
以上のように、フラッディング現象の防止、システム効率の向上、およびシステムの簡素化などの観点から、供給ガスは、電池温度より少し低めの露点となるように加湿して供給するのが普通であった。
しかしながら、電池の高性能化のためには、高分子電解質膜のイオン伝導度を向上させる必要があり、そのためには供給ガスは、相対湿度が100%に近い湿度、またはそれ以上の湿度を有するように加湿することが好ましい。また、本発明者らは、高分子電解質膜の耐久性の観点からも、供給ガスを高度に加湿することが好ましいことを見いだした。ガスを相対湿度100%に近い湿度を有するように加湿して供給しようとすると、以下のような様々な問題がある。
第1は、前述のフラッディングの問題である。フラッディングを回避するためには、供給ガスの圧力損失を上げて、結露した水を吹き飛ばすようにする手法が一般的である。しかしながら、供給ガスの圧力損失の増加は、システム化した場合のガス供給ブロワ、またはコンプレッサ等の補機動力を極端に増加させることになるため、システム効率の悪化を招来する。
第2は、ガス拡散層や触媒層の担体カーボンの水に対する濡れ性(接触角)が経時的に変化することにより、結露水の排出効率が経時的に悪くなり、電池の耐久特性に影響を及ぼすことである。
第3は、ガス拡散層や触媒層の担体カーボンの水に対する濡れ性(接触角)が経時的に変化することにより、セパレータ板のガス流路を流れるガス流量と、ガス拡散層を流れるガス流量の比が経時的に変化することである。具体的には、ガス拡散層の濡れ性が経時的に増大し、ガス拡散層中への結露水の停滞量が増大する。これによって、局所的に電極へのガス供給が滞り、ガス供給が滞った部分では電流密度が低下するため、電池面内での電流密度分布が増大し、結果的に電池全体の特性が低下する。
第4は、ガス拡散層や触媒層の担体カーボンの水に対する濡れ性(接触角)が経時的に変化することにより、セパレータ板のガス流路を流れるガス流量と、ガス拡散層を流れるガス流量の比が経時的に変化し、セパレータ板のガス流路の隣り合う流路間にガス拡散層を介してガスが流れる、いわゆる伏流する度合いが変化することである。具体的には、仮にガス拡散層が無ければ、供給したガスは必ずガス流路に沿って流れるが、実際にはガス流路に隣接してガス拡散層が存在するため、特にサーペンタイン型ガス流路の場合には、隣り合う流路間にガス拡散層を介してガスが流れ込む。例えば、単数の連続したサーペンタイン型流路の場合、ガス流路の直線部のある点での隣り合う二つのガス流路は、ガスが流れる方向が対向しているため、上流部のガス流路から下流部のガス流路にガス流路を通ってガスが流通する圧力損失と、隣り合うガス流路間でガス拡散層を介してガス流路間のリブ部分を越えて上流部から下流部に流れ込む圧力損失とが釣り合うような割合で、ガス拡散層を介したガスの伏流が発生しているはずである。
ところが、ガス拡散層の濡れ性が経時的に増大し、ガス拡散層中への結露水の停滞量が増大することで、ガス拡散層を介したガスの伏流が滞る現象が発生する。この現象は、当然隣り合うガス流路間の圧力損失が小さい場所ほど頻発する。従って、サーペンタイン型流路の場合には、ガス流路のターン部近辺でガス拡散層を介した伏流量が経時的に減少し、その結果、ガス供給が滞ったガス拡散層部分では電流密度が低下する。このため、セル内での電流密度分布が増大し、その結果、電池全体の特性が低下する。
さらに、以上のフラッディング現象がアノード側で発生すると、燃料ガスの欠乏を招き、これは電池にとって致命傷となってしまう。これは燃料ガスが不足している状態であり、負荷電流が強制的に取られると、燃料のない状態で電子とプロトンを作るために、アノードの触媒を担持しているカーボンが雰囲気中の水と反応してしまう。その結果、触媒層のカーボンの溶出により、アノードの触媒層が破壊されるのである。そのため、アノード側のフラッディングについては最善の注意を払わなくてはならない。
また、この積層電池を搭載したシステムでは、電池を定格出力条件で運転するだけではなく、電力需要に応じて出力を抑えた、低負荷運転ができることが望ましい。低負荷運転では、効率を維持するために、燃料ガスや酸化剤ガスの利用率を定格運転時と同じにして運転を行わなければならない。すなわち、例えば、負荷を定格運転時の1/2にした場合、燃料ガスや酸化剤ガスの流量も定格運転時の1/2程度に低減しなければ、余分な燃料ガスや酸化剤ガスを使用することになり、発電効率が低下する。しかし、ガスの利用率を一定にして低負荷運転を行うと、ガス流路内のガス流速が低下するから、凝縮水や生成水をセパレータ板外に排出できなくなる。このため、上述のようなフラッディング現象が発生し、電池性能が低下し、あるいは不安定になる。
本発明は、以上に鑑み、低負荷運転の際に、凝縮水や生成水によるガス流路閉塞によって電池性能の低下または不安定化がなく、信頼性の高い高分子電解質型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、セパレータ板の面内に複数の独立したガス流路を設け、低負荷運転を行う際には、ガス供給領域を限定することによって、ガス流速を確保できる信頼性の高い高分子電解質型燃料電池を提供する。
本発明の燃料電池は、水素イオン伝導性高分子電解質膜、前記高分子電解質膜を挟む一対の電極、前記電極の一方に燃料ガスを供給・排出する燃料ガス流路を有するアノード側導電性セパレータ板、および他方の電極に酸化剤ガスを供給・排出する酸化剤ガス流路を有するカソード側導電性セパレータ板からなる単位セルを積層した燃料電池であって、
前記アノード側導電性セパレータ板は、前記燃料ガス流路として、その面内に複数の独立した第1ガス流路を有し、
前記カソード側導電性セパレータ板は、前記酸化剤ガス流路として、その面内に複数の独立した第2ガス流路を有し、
前記複数の第1ガス流路および前記複数の第2ガス流路は、電極反応が起こる電極の部位がアノード側とカソード側で実質的に同部位で同面積となるように複数の組をなしており、
前記複数の組のなかの1つまたは複数を選択し、前記選択された組に対応する前記第1ガス流路および第2ガス流路にそれぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するか供給しないかの切り替え制御を行うガス供給の切替制御装置を具備し、
前記切り替え制御装置は、低負荷運転時には、前記少なくとも一つの組に対応する第1ガス流路および第2ガス流路に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給しないように制御することを特徴とする。
独立した各第1ガス流路が位置する領域の面積(大きさ)は、必要に応じて同じであっても異なっていても良い。独立した各第2ガス流路が位置する領域の面積(大きさ)は、必要に応じて同じであっても異なっていても良い。その際、「面積」は、セパレータ板の同一面上での各流路の投影を意味する。異なる流路の断面積が概して同じであれば、投影面積が異なることは流路の長さが異なることを意味する。いずれの場合においても、各流路の総容積は同じであっても異なっていても良い。
独立した第1ガス流路および第2ガス流路に合わせて電極の触媒層および/またはガス拡散層を複数に分割することが好ましい
ノード側導電性セパレータ板の背面とカソード側導電性セパレータ板の背面との間に冷却水の流路を有する組み合わせセパレータ板を具備する燃料電池においては、前記冷却水の流路を、前記第1ガス流路および第2ガス流路の分割に応じて複数に分割することが好ましい。
本発明は、前記ガス供給の切替制御装置により、分割された第1ガス流路および第2ガス流路のなかの特定の組に対応する第1ガス流路および第2ガス流路それぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給して低負荷運転を行う燃料電池の運転方法をも提供する。
前記の低負荷運転においては、燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給する特定の組に対応する第1ガス流路および第2ガス流路を経時的に変更する工程を有することが好ましい。
本発明によれば、低負荷運転時に水によるガス流路の閉塞を低減することができるから、低負荷運転時の電池性能の低下あるいは不安定現象を回避することができる。
本発明の燃料電池は、セパレータ板の面内に複数の独立したガス流路を持つことを特徴としている。本発明の燃料電池は、低負荷運転を行う際には、ガス供給領域を限定することによって、ガス流速を確保することができる。
従来の燃料電池のセパレータ板は、燃料ガス及び酸化剤ガスの各々のガスは、一つの入り口側マニホールド孔からセパレータ板のガス流路に供給され、一つの出口側マニホールド孔から排出される構成であった。
燃料電池発電システムの商品性を高めるためには、電力需要に応じた燃料電池の負荷を、発電効率を低下させることなく変動できることが望ましい。そのためには、定格出力に対して負荷を増大させる場合には、それに見合うように燃料ガス及び酸化剤ガスの流量を増大させ、定格出力に対して負荷を減少させる場合には、それに見合うように燃料ガス及び酸化剤ガスの流量を減少させて運転できることが望まれる。
通常、導電性セパレータ板に設けられるガス流路は、定格出力において最も適したガス流速となるように設計されている。従って、電力負荷を増大させた場合には、ガス流量の増大に伴ってガス流路におけるガス流速が増大し、電力負荷を減少する場合には、ガス流量の減少に伴ってガス流路におけるガス流速が減少する。ガス流路におけるガス流速が増大した場合には、供給ガスの圧力損失が増大するため、補機動力の増大により発電効率が若干は低下するものの、ガス流速が増大するため、セパレータ板のガス流路内の結露水や生成水はむしろ効率よく除去可能となり、フラッディング現象が発生することはない。しかしながら、電力負荷を減少させる場合には、ガス流量の減少に伴ってガス流速も減少する。ガス流路におけるガス流速が減少した場合には、流速の減少度合いによって、セパレータ板のガス流路内の結露水や生成水を効率よく除去することが困難になり、フラッディング現象が発生する。このとき、電力負荷を減少したにもかかわらず、供給ガス流量を減少させなければ、発電出力に対する補機動力の割合が相対的に大きくなり、発電システム全体での発電効率が低下する。
本発明は、セパレータ板の面内に複数の独立したガス流路を形成することで、特に低負荷運転時にもフラッディングが起こらない燃料電池を実現するものである。例えば、定格発電出力に対して、2倍から1/2まで負荷を変動させることが想定される場合、セパレータ板の面内のガス流路を4つに独立させて形成し、定格発電時には4つの内の2つのガス流路にガスを供給し、2倍の負荷時には4つ全てのガス流路にガスを供給し、1/2の低負荷運転時には4つの内の1つのガス流路にガスを供給する。これによって、負荷変動時にも全てのガス流路においてほぼ同一のガス流速を保つことができる。このとき、例えば2倍の負荷から定格の1倍負荷まで負荷を変動させる場合には、各ガス流路のガス流速をできる限り一定に保つよう、ガス流路の供給本数やガス流量を制御しながら負荷を変動させることが望ましい。
定格発電出力に対して、負荷を低下する方向にのみ変動させ、定格負荷から1/4まで負荷を変動させることが想定される場合、セパレータ板の面内のガス流路を4つに独立させて形成し、定格発電時には4つの内の全てのガス流路にガスを供給し、1/2倍の負荷時には4つの内の2つのガス流路にガスを供給し、1/4の低負荷運転時には4つの内の1つのガス流路にガスを供給する。これによって、負荷変動時にも全てのガス流路においてほぼ同一のガス流速を保つことができる。そのため負荷に見合う以上のガス流量を供給する必要がなくなり、最適な発電効率を維持したまま電力負荷を変動させることが可能となる。
上記の複数のガス流路から選択された、独立のガス流路にガスが供給され、電極反応が起こる電極の部位は、アノード側とカソード側で実質的に同部位で同面積であることが望ましい。さらに好ましくは、冷却水が供給される部位も電極反応が起こる部位と実質的に同部位、同面積となるように、冷却水流路も独立させることが望ましい。ガスを供給せず、電極反応が発生していない部位に接する冷却水流路に冷却水を供給すると、その部分では電極反応が起こらず発熱することがないため、冷却水の熱が消費され、冷却水をコージェネレーションシステムなどの熱源として用いる場合には、熱効率が低下する。
一方、ガスが供給されていない電極面では電極反応が起こらない。仮に、ガスが供給されていないガス流路に接する電極面に、ガスが供給されている独立のガス流路から、ガス拡散層などを介してガスがにじみ出た場合、電極は全面にわたって同一電位が保たれるから、にじみでたガス量に応じた電流密度分布が発生する。従って、ガスが供給されていない電極面に過剰に電流が流れることはなく、従って強制酸化や強制還元による電極劣化の問題も全くない。
さらに、ガスが供給されていない電極面では、電極反応が起こらず、ガスの流動もほとんど無い。このため、特定の独立したガス流路に長期間ガスを供給しない状態を維持したまま、発電を続けると、ガスを供給していないガス流路と、それに接するガス拡散層に水が停滞する。そのため、次にそのガス流路にガスを供給して発電を行う際、停滞している水を除去し、濡れた電極面をリフレッシュするのにしばらく時間を要する。そこで、特定の独立したガス流路に長期間ガスを供給しないまま発電を続けず、一定時間毎にガスを供給するガス流路を変更しながら運転することが望ましい。一定時間毎にガスを供給するガス流路を変更することによって、特定の独立したガス流路に面した電極面の濡れが充分に進行する前に電極面をリフレッシュすることで、特定の電極面だけの濡れを進行させることを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
《実施の形態1》
本実施の形態のセパレータ板を図1、図2および図3に示す。図1はセパレータ板のアノード側の正面図、図2はその背面図であり、カソード側の正面図である。図3は冷却部を構成するアノード側セパレータ板の背面図である。
このセパレータ板10は、燃料ガスの入り口側マニホールド孔11a、11bおよび出口側マニホールド孔13a、13b、酸化剤ガスの入り口側マニホールド孔12a、12bおよび出口側マニホールド孔14a、14b、並びに冷却水の入り口側マニホールド孔17a、17bおよび出口側マニホールド孔18a、18bを有する。セパレータ板10は、アノードと対向する面にそれぞれ入り口側マニホールド孔11aおよび11bと出口側マニホールド孔13aおよび13bを連絡する独立の燃料ガス流路15aおよび15bを有する。セパレータ板10は、カソードと対向する面にそれぞれ入り口側マニホールド孔12aおよび12bと出口側マニホールド孔14aおよび14bを連絡する独立の酸化剤ガス流路16aおよび16bを有する。図の点線1Eで囲まれた部分に膜電極接合体(MEA)の電極が接する。
この実施の形態では、セパレータ板10の燃料ガス流路は15aと15bとに2分割され、これに対応する酸化剤ガスの流路は16aと16bとに2分割されている。
上記のセパレータ板10は、アノード側導電性セパレータ板とカソード側導電性セパレータ板を兼ねている。
冷却部を構成するセパレータ板は、アノード側セパレータ板とカソード側セパレータ板との組み合わせからなる。アノード側セパレータ板10’は、アノード側が上記のセパレータ板10と同じ構成で、背面には、図3に示すように、入り口側マニホールド孔17aおよび17bと出口側マニホールド孔18aおよび18bを連絡する2つの独立の冷却水流路19aおよび19bを有する。カソード側セパレータ板は、カソード側が上記のセパレータ板10と同じ構成で、背面に前記と同様に入り口側マニホールド孔と出口側マニホールド孔を連絡する2つの独立の冷却水流路を有する。これらアノード側セパレータ板10’とカソード側セパレータ板とは、冷却水の流路を有する部分が向き合うように組み合わされる。
セルスタックを組み立てるには、例えばMEAと、上記のアノード側セパレータ板およびカソード側セパレータ板を兼ねるセパレータ板とを交互に積層する。そして、2セル毎に、前記のセパレータ板の代わりに、冷却部を構成する上記の組み合わせたセパレータ板を挿入する。
上記のセルスタックを用いた燃料電池の各マニホールド孔に連結されるガス供給及び排出パイプは、電池への出入り口直近で2つに分岐し、分岐したパイプは相互に同じ径を有することで、各セルの2つのガス流路に均等にガスを分配できるようにする。また、出入り口共に分割したパイプの途中に電磁弁を設け、一方を閉じることで、独立したガス流路の一方だけにガスを供給・排出できる構造とする。そのため、2つに分岐したガスパイプの長さを等しくして2本のガスパイプの圧力損失を等しくすることが重要である。また、セパレータ板の2分割されたガス流路の長を等しくして、独立した2つのガス流路の圧力損失を等しくすることが、ガスの均等分配を行う上で重要である。
図4は、燃料電池の燃料ガスの流れを立体的に表す模式図である。燃料ガスの入り口パイプ1は、燃料ガスを切り替える切替部4でパイプ1Aと1Bの2つに分岐している。パイプ1Aはセパレータ板10の入り口側マニホールド孔11aに、またパイプ1Bはセパレータ板10の入り口側マニホールド孔11bにそれぞれ連絡している。従って、パイプ1Aに供給される燃料ガスは、図の矢印A1のようにパイプ1Aに連なる入口側マニホールドを、またパイプ1Bに供給された燃料ガスは、図の矢印B1のようにパイプ1Bに連なるマニホールドをそれぞれ流れる。そして、燃料ガスは、矢印A1で示される流路からセルのセパレータ板10のガス流路15aを流れる。未反応のガスおよび生成物は、矢印A2で示されるように、出口側マニホールドを流れ、出口パイプ3Aより排出される。同様に、燃料ガスは、矢印B1で示される流路からセルのセパレータ板10のガス流路15bを流れ、未反応のガスおよび生成物は出口側マニホールドを矢印B2のように流れ、出口パイプ(図示しない)より排出される。
出口側マニホールドに連絡する2つのパイプは、入り口パイプの場合と同様に切替部で1本の出口パイプにつながっている。入り口パイプの切替部4および出口パイプの切替部は、制御装置5により切り替えが制御されて、燃料ガスは矢印A1およびA2で示される流路の一方または双方に供給され、その切り替えに応じて出口パイプより排出される。セパレータ板の1つの面に3つあるいはそれ以上のガス流路が設けられている場合は、ガス供給パイプは、その切替部では、セパレータ板のガス流路の数に応じた数に分岐する。
図4には、燃料ガスの流れのみを示したが、酸化剤ガスおよび冷却水の流れも上記燃料ガスの場合と同様に制御される。
《実施の形態2》
本実施の形態では、燃料ガスおよび酸化剤ガスの各流路をガス流路の流路領域の面積比が2:1の割合となるように分割した例を示す。独立した各ガス流路が位置する流路領域の面積(大きさ)は、必要に応じて同じであっても異なっていても良い。本明細書において使用している「流路領域」という用語は、各流路が位置するセパレータ板の領域を意味する。面積比は、セパレータ板の同一面上に投影された流路の面積に基づく。異なる流路の断面積は同じであっても異なっていても良い。断面積が同じであれば、面積比が2:1であることは長さの比も約2:1であることを意味する。いずれの場合においても、各流路の総容積は同じであっても異なっていても良く、流路の断面積または長さを変えることにより、総容積を同じにしたり異ならせたりすることができる。
本実施の形態のセパレータ板10Aのアノード側の正面図を図5に、その背面図を図6に示す。図1および図2と同じ番号は同じ構成要素を示すものとし、説明は省略する(以下においても同様とする。)。
ガス流路15bおよび16bは、それぞれガス流路15aおよび16aの2倍のガス流量となるように設計されている。従って、各マニホールド孔に連結されたガス供給及び排出パイプは、電池への出入り口直近で2つに分岐し、分岐したパイプは、ガス流路の流路領域の面積の比に応じて断面積が2:1となるようにする。また、出入り口共に分岐したパイプの途中に電磁弁を設け、一方を閉じることで、独立したガス流路の一方だけにガスを供給・排出できる構造とする。なお、冷却水の流路は、2つに分割しない例を図示しているが、当業者には、必要に応じて、ガス流路と同様に分割することができることは容易に理解できよう。
《実施の形態3》
本実施の形態のセパレータ板を図7および図8に示す。
図7および8は、本実施の形態のセパレータ板を示す。これは、2つに分割されたガス流路にあわせてMEAの電極を物理的に異なる2つの部分に分割した例である。電極を2つの部分に物理的に分離することにより、水および反応ガスが一方の電極部分から他方の電極部分へ移動することが防止または削減される。電極部分の間に、空気の間隙を設けたり、水および反応ガスを透過しない物質を介在させたりすることにより、物理的な分離を行うことができる。
燃料ガスの流路15aおよび酸化剤ガスの流路16aに対応してMEAの電極部1Eaが、また燃料ガスの流路15bおよび酸化剤ガスの流路16bに対応してMEAの電極部1Ebがそれぞれ設けられる。この他の構成は実施の形態1と同様である。
《実施の形態4》
本実施の形態のセパレータ板10Bを図9および図10に示す。燃料ガスおよび酸化剤ガスの流路は、実施の形態1と同様にそれぞれ2つに分割されている。ただし、燃料ガスの出口側マニホールド孔13は、ガス流路15aと15bに共通である。
《実施の形態5》
本実施の形態のセパレータ板10Cを図11および図12に示す。燃料ガスおよび酸化剤ガスの流路は、実施の形態1と同様にそれぞれ2つに分割されている。ただし、燃料ガスの入り口側マニホールド孔11は、ガス流路15aと15bに共通である。
《実施の形態6》
本実施の形態のセパレータ板10Dを図13および図14に示す。燃料ガスおよび酸化剤ガスの流路は、実施の形態1と同様にそれぞれ2つに分割されている。ただし、燃料ガスの流路15a、15bと酸化剤ガスの流路16a、16bがそれぞれ直交するように構成されている。
《実施の形態7》
以上の実施の形態では、サーペンタイン型のガス流路を有するセパレータ板を示したが、本実施の形態ではストレートのガス流路を有するセパレータ板を示す。本実施の形態のセパレータ板を図15および図16に示す。
セパレータ板30は、アノードと対向する面に、燃料ガスの入り口側マニホールド孔31aおよび31bと出口側マニホールド孔33aおよび33bをそれぞれ連絡する7本の並行するガス流路35aおよび35bを有する。セパレータ板30は、カソードと対向する面に、酸化剤ガスの入り口側マニホールド孔32aおよび32bと出口側マニホールド孔34aおよび34bをそれぞれ連絡するガス流路36aおよび36bを有する。ガス流路36aおよび36bは、マニホールド孔から直線状に伸びる凹部42、および、リブ48によって区画され、凹部42間を連絡する直線状の溝部46からなる。凹部42にはリブ44が設けられている。37は冷却水の入口側マニホールド孔、38は出口側マニホールド孔を表す。点線3Eで囲まれた部分に電極が接する。
いずれのガス流路も実質的に直線状であるため、ガス流路の総長が短くなる。そのため、定格運転時のガス供給圧損、およびガス流速が小さくなる。ガス流速を上げるには、サーペンタイ型流路に比べてガス流路の溝幅を狭くする必要がある。
《実施の形態8》
本実施の形態では、セパレータ板のガス流路を均等面積となるように3分割した例を示す。このセパレータ板10Eは、図17および図18に示すように、燃料ガスのマニホールド孔11a、11b、11cおよび13a、13b、13c、並びに酸化剤ガスのマニホールド孔12a、12b、12cおよび14a、14b、14cの3組を有する。従って、各マニホールド孔に連結されたガス供給及び排出パイプは、電池への出入り口直近で3つに分岐し、分岐したパイプは同じ径を有することで、分割したパイプに均等にガスが分配できる構造とする。また、出入り口共に分岐したパイプの途中に電磁弁を設け、一カ所または二カ所を閉じることで、3分割したガス流路の二分割分または一分割分にだけガスを供給・排出できる構造とする。そのため、3つに分岐したガスパイプの長さを等しくして3本のガスパイプの圧力損失を等しくすることが重要である。また、3分割されたガス流路15a、15b、15cの長さを等しくするとともに、ガス流路16a、16b、16cの長さを等しくして、各々独立した3つのガス流路の圧力損失を等しくすることが、ガスの均等分配を行う上で重要である。
《実施の形態9》
本実施の形態では、セパレータ板のガス流路を均等面積となるように4分割した例を示す。このセパレータ板10Fは、図19および図20に示すように、燃料ガスのマニホールド孔11a、11b、11c、11dおよび13a、13b、13c、13d並びに酸化剤ガスのマニホールド孔12a、12b、12c、12dおよび14a、14b、14c、14dの各4組を有する。実施の形態8と同様にして各マニホールド孔に連結されたガス供給及び排出パイプは、電池への出入り口直近で4つに分岐し、分岐したパイプは同じ径を有することで、分割したパイプに均等にガスが分配できる構造とする。また、出入り口共に分岐したパイプの途中に電磁弁を設け、一カ所、二カ所または三カ所を閉じることで、4分割したガス流路の三分割分、二分割分または一分割分にだけガスを供給・排出できる構造とする。また、独立した4つのガス流路に、ガスが均等に分配されるようにするのは実施の形態8と同様である。
《実施の形態10》
本実施の形態のセパレータ板を図21および図22に示す。このセパレータ板50は、アノードに対向する面に、燃料ガスの入り口側マニホールド孔51aと出口側マニホールド孔53aを連絡するガス流路55a、および入り口側マニホールド孔51bと出口側マニホールド孔53bを連絡するガス流路55bを有する。セパレータ板50は、カソードに対向する面に、酸化剤ガスの入り口側マニホールド孔52aと出口側マニホールド孔54aを連絡するガス流路56a、および入り口側マニホールド孔52bと出口側マニホールド孔54bを連絡するガス流路56bを有する。ガス流路55aおよび55bは、凹部61に多数のリブ63を設けた構成を有する。同様に、ガス流路56aおよび56bは、凹部62に多数のリブ64を設けた構成を有する。57は冷却水の入り口側マニホールド孔、58は出口側マニホールド孔を表す。点線5Eで囲まれた部分に電極が接する。
燃料ガスおよび酸化剤ガスの流路は、凹部内にリブを多数有する構成であるため、ガス流路の総長が短くなる。従って、定格運転時のガス供給圧損、およびガス流速が小さくなる。そこで、セパレータ板のガス流路部にリブ63および64を設けて、ガス流速が実施の形態1と同様となるようにするのがよい。
《実施の形態11》
本実施の形態のセパレータ板を図23および図24に示す。このセパレータ板70は、アノードに対向する面に、燃料ガスの入り口側マニホールド孔71aと出口側マニホールド孔73aを連絡するガス流路75a、および入り口側マニホールド孔71bと出口側マニホールド孔73bを連絡するガス流路75bを有する。セパレータ板70は、カソードに対向する面に、酸化剤ガスの入り口側マニホールド孔72aと出口側マニホールド孔74aを連絡するガス流路76a、および入り口側マニホールド孔72bと出口側マニホールド孔74bを連絡するガス流路76bを有する。ガス流路75aと75b、並びにガス流路76aと76bは、それぞれ並行するサーペンタイン型である。すなわち、セパレータ板の電極と接する部位の面積を2分割するという構成ではなく、隣り合う流路同士を独立させる構成である。77は冷却水の入り口側マニホールド孔、78は出口側マニホールド孔を表す。点線7Eで囲まれた部分に電極が接する。
以下本発明の実施例を説明する。
《実施例1》
アセチレンブラック系カ−ボン粉末に、平均粒径約30Åの白金粒子を25重量%担持した。これをカソード側触媒とした。また、アセチレンブラック系カ−ボン粉末に、平均粒径約30Åの白金−ルテニウム合金粒子を25重量%担持した。これをアノード側触媒とした。これらの触媒粉末のイソプロパノ−ル分散液に、パーフルオロカーボンスルホン酸粉末のエチルアルコール分散液を混合し、ペースト状のインクを得た。これらのインクをスクリ−ン印刷法により、それぞれ厚み250μmのカ−ボン不織布の一方の面に塗工してカソード側触媒層およびアノード側触媒層を形成した。触媒層に含まれる触媒金属量は0.3mg/c2、パーフルオロカーボンスルホン酸の量は1.2mg/cm2となるようにした。
これらの触媒層を有するカーボン不織布からなる一対の電極を、電極より一回り大きい面積を有する水素イオン伝導性高分子電解質膜の中心部の両面に、触媒層が電解質膜側に接するようにホットプレスによって接合した。電解質膜の周縁部の露出部には、厚さ250μmのフッ素ゴムシートを所定の大きさに切断したガスケットを重ね合わせ、ホットプレスによって接合させ、電解質膜電極接合体(MEA)を作製した。水素イオン伝導性高分子電解質として、パーフルオロカーボンスルホン酸を30μmの厚みに薄膜化したものを用いた。
導電性セパレータ板には実施の形態1にかかるものを用いた。この導電性セパレータ板は、厚さ3mmの等方性黒鉛材に機械加工によってガス流路及びマニホールド孔を形成したものである。ガス流路の溝幅は2mm、深さは1mm、溝間のリブ幅は1mmとした。
上記のMEAとセパレータ板とを交互に積層して50セル積層されたセルスタックを組み立てた。実施の形態1で説明したように、2セル毎に冷却部を有する組み合わせセパレータ板が挿入されている。セルスタックは、金メッキした銅板からなる集電板とポリフェニレンサルファイド(PPS)製の絶縁板を介して、ステンレス鋼製の端板で挟み、端板同士を締結ロッドで締結した。締結圧は電極の面積当たり10kgf/cm2とした。このように構成した燃料電池を、セパレータ板が垂直方向となるように設置した。
上記の燃料電池を70℃に保持し、アノードに70℃の露点となるよう加湿・加温した燃料ガスを、カソードに70℃の露点となるように加湿・加温した空気をそれぞれ供給した。燃料ガスは、水素ガス80%、二酸化炭素20%、および一酸化炭素10ppmからなる。この電池の定格運転条件は、燃料利用率75%、酸素利用率40%、電流密度0.3A/cm2である。
この電池を定格の50%の低負荷となる電流密度0.15A/cm2で耐久試験を行った。ただし、利用率は定格条件と同等とした。また、本実施例では、ガスの入り口側および出口側の2つに分岐したパイプに設置された電磁弁を操作することにより、2分割されたガス流路の片方のみに所定の流量でガスを供給し、燃料ガス及び酸化剤ガス共に分割された同じ側の流路にガスを供給した。そして、1時間毎に供給するガス流路を切替え、長期間同一のガス流路にガスを供給しない状態を回避した。本実施例の電池の平均セル電圧の経時変化を図27に示す。セル電圧は初期の値を100%として表している。
本実施例の電池では、3000時間経過しても初期と変わらず安定した電池性能を維持していた。この結果より、電池の低負荷運転時において、ガスが供給されず発電にほとんど寄与しない電極部分は、発電を行っている領域と同電位に保たれるため、劣化はまったく起こらないことが確認された。また、本実施例の電池は、低負荷運転時に、ガス拡散層の内部を伏流することによって、ガス供給がなされていない領域にもガスが微量ではあるが供給され、発電が若干行われることが確認された。
そこで、3000時間経過後においては、分割されたガス流路の片方のみに所定の流量でガスを供給し続け、さらに1000時間の発電試験を行った。その間、電池性能は変わらず維持されていた。その後、負荷を定格条件(0.3A/cm2)に戻し、分割されたガス流路の両方にガスを供給した。この場合、電池性能は一旦低下し、徐々に回復して、全く初期の定格発電性能を発揮するまでに約1日間を要した。つまり、長期間一方のガス流路にガスを供給しない状態を続けたため、ガスを流していないガス流路が結露水によって閉塞してしまっており、再度ガスを供給しても、完全に元の状態まで復帰するのに約1日費やした。低負荷運転から定格運転に切り替えたときに、ガス流路がその結露水によって閉塞した領域では、ガス供給が瞬時にできず、発電を行うことができない状態であった。
この結果から、定期的にガス供給領域を交互に切り替え、ガス流路に停滞する結露水の排出を交互に行うことで、ガス流路の切替え時の負荷変動をスムーズに行うことが可能となることがわかる。
図28は上述の燃料電池の運転方法を示している。この方法では、工程S2801において、燃料電池において使用されているセパレータ板の一方の面に形成された複数の独立した流体流路群の第1の組に流体を供給する。実際には、この方法は、燃料電池スタック内の単セルのカソードおよびアノードの双方または一方のみに適用することができる。更に、この流体は、セパレータ板に供給される冷却水、燃料ガスまたは酸化剤ガスであってもよい。工程S2803において第1の時間が経過後、流体流路群の第1の組への流体の供給を中止し、代わりに工程S2805において流体流路群の第2の組へ流体を供給する。同様に、工程S2807において第2の時間が経過後、流体流路群の第2の組への流体の供給を中止し、工程S2801において独立した流体流路群の第1の組へ流体を供給する。この方法は、第1および第2の時間にとって望ましい回数だけ何回でも繰り返すことができる。第1および第2の時間は、同じであっても異なっていてもよく、時間の経過とともに変化させてもよい。
《比較例》
比較例の電池の導電性セパレータ板を図25および図26に示す。このセパレータ板20は、アノードと対向する面に、燃料ガスの入り口側マニホールド孔21と出口側マニホールド孔23を連絡する2本の並行するガス流路25を有し、カソードと対向する面に、酸化剤ガスの入り口側マニホールド孔22と出口側マニホールド孔24を連絡する2本の並行するガス流路26を有する。27は冷却水の入り口側マニホールド孔、28は出口側マニホールド孔を表す。点線2Eで囲まれた部分に電極が接する。ガス流路の溝幅は2mm、深さは1mm、ガス流路間のリブ幅は1mmとした。また、冷却部を構成するセパレータ板の冷却水の流路は、ガス流路同様に分割されていない。上記以外は実施例1と同じ燃料電池を組み立てた。
この比較例の燃料電池を、70℃に保持し、実施例1と同じ条件で燃料ガスおよび空気を供給した。この電池を定格の50%の低負荷となる電流密度0.15A/cm2で耐久試験を行った。ただし、利用率は定格条件と同等とし、ガス流量は半分とした。この電池の平均セル電圧の経時変化を図27に示す。
実施例1では、3000時間経過しても初期と変わらず安定した電池性能を維持していたが、比較例の電池は500時間を経過した時点で突然、電池電圧が低下して出力の取れない状態に陥ってしまった。
この理由を以下に説明する。実施例1では、50%の低負荷運転において、利用率を定格と同条件にしても、ガス供給範囲を定格運転時の半分にすることによって、ガス流路内のガス流速を一定に保ち、ガス供給ができた。これに対し、比較例の電池では、50%の低負荷運転においても定格運転時と同じガス流路を利用するため、利用率一定の運転では、ガス流路内でのガス流速が半減してしまった。その結果、比較例のように供給ガスの相対湿度が100%となっているような高加湿下での運転条件では、凝縮水や生成水の排出が困難となり、ガス流路やガス拡散層に徐々に滞留した水によって、ガスの反応部位への供給が遮断され、電池性能が急激に低下したのである。
次に、上記の耐久試験後の電池を定格条件で運転したところ、比較例の電池は電池電圧が初期値の80%以下まで低下してしまっていた。一方、実施例1の電池は、初期と同等の電池性能を3000時間後でも維持していた。
《実施例2》
実施の形態2に示すセパレータ板を用いた他は実施例1と同様の燃料電池を作製した。
この電池を、実施例1と同じ条件での定格運転と、定格に対して33%および66%の低負荷運転とを行った。定格運転を行う際には、セパレータ板の分割された両方のガス流路にガスが供給されるようにし、定格流量のガスを供給して、1万時間の耐久試験を行った。33%の低負荷運転を行う際には、分割比の小さい側のガス流路15aおよび16aにのみガスが供給されるようにし、定格時の33%相当の流量のガスを供給して、1万時間の耐久試験を行った。また、66%の低負荷運転を行う際には、分割比の大きい側のガス流路15bおよび16bにのみガスが供給されるようにし、定格時の66%相当の流量のガスを供給して、1万時間の耐久試験を行った。その結果、各条件ともに初期電圧に対する1万時間後の電圧劣化割合が約2%であり、安定した電池性能を維持できることが確認された。したがって、ガス流路の面積比を任意に変えて、運転の負荷割合に応じてガス供給領域を組み合わせることによって、様々な運転条件に対応することが可能であることがわかる。
《実施例3》
本実施例では、実施の形態3のように、分割されたガス流路領域に合わせて、触媒層およびガス拡散層も分割したMEAを用いた電池を作製した。その他の構成は実施例1と同様である。
この電池を実施例1と同じ運転条件で運転し、同様にガス供給領域を限定して、50%の低負荷運転による耐久試験を行った。その結果、実施例1と全く同一の結果が得られた。実施例1の電池では、ガスを供給していないガス流路にガス拡散層を経由して反応ガスが分配され、それに含まれている水分が凝縮してガス流路の閉塞が発生していた。しかし、本実施例のMEAを使用した電池では、ガス拡散層が分離されているため、そのようなガス拡散層内の伏流が起こらず、耐久試験を行った後も、ガス供給を行っていないガス流路の閉塞は確認できず、負荷変更時においてもスムーズな変更が可能であった。したがって、ガス閉塞を解消するためにガス供給領域を交互に切り替えて運転を行う必要がなく、電池を載せたシステムでの運転アルゴリズムの簡素化に有効である。
《実施例4》
本実施例では、セパレータ板のアノード側のみにおいて実施の形態1に示すような2つの独立したガス流路を有する電池を作製した。セパレータ板のカソード側は、図26に示すように、分割されないガス流路を有するものとした。そして、低負荷運転時に、凝縮水や生成水によってガス流路の閉塞が起こすのを防止するに十分なガス流速を保持できるように、カソード側のガス流路の溝幅を1mmに変更し、比較例で用いたカソード側セパレータ板と比較すると、定格運転時のガス流速が2倍となるよう設計した。その他の構成は実施例1と同様にして燃料電池を作製した。カソード側セパレータ板のガス流路は分割していないため、カソードに供給するガスパイプは1本で構成した。
この電池を実施例1と同じ運転条件で運転した。燃料ガスに関しては、実施例1と同様にガス供給領域を限定して定格時の1/2の流量のガスを供給し、空気は全領域のガス流路に供給したが、ガス供給量は定格運転時の1/2に絞って供給した。こうして定格の50%の低負荷運転による耐久試験を行った。その結果、実施例1と同様の結果が得られた。しかしながら、その後定格負荷の運転状態に戻したところ、電池特性は実施例1と同等の性能が得られたが、空気の流速が2倍となるようセパレータ板を設計したため、実施例1と比較するとカソード側の圧力損失が2倍以上に大きくなった。
次に、同様にカソード側のガス流路のみを分割し、アノード側のガス流路を分割しない電池について、低負荷運転特性を調べた。その結果、特性、耐久性共に同様の結果が得られたが、今度は逆にアノード側の定格負荷運転時の圧力損失が大きくなった。
《実施例5》
実施の形態4のセパレータ板を用いて電池を構成した。燃料ガスの出口側マニホールド孔は1つであるため、出口の燃料ガスパイプは1本で構成した。
この電池を実施例1と同じ運転条件で運転し、アノード側及びカソード側共に同様にガス供給領域を限定して定格時の1/2の流量でガスを供給し、50%の低負荷運転による耐久試験を行った。その結果、実施例1と同様の結果が得られた。次に、同様に酸化剤ガスの出口側マニホールド孔を共通としたセパレータ板を用いて同様に電池を構成した。その結果についても、同様の結果が得られた。
《実施例6》
実施の形態5のセパレータ板を用いて電池を構成した。燃料ガスの入り口側マニホールド孔は1つであるため、入り口側の燃料ガスパイプは1本で構成した。
この電池を実施例1と同じ運転条件で運転し、アノード側及びカソード側共に同様にガス供給領域を限定して定格時の1/2の流量でガスを供給し、50%の低負荷運転による耐久試験を行った。その結果、実施例1と同様の結果が得られた。同様に酸化剤ガスの入り口側マニホールド孔を共通としたセパレータ板を用いた電池についても同様の結果が得られた。
《実施例7》
実施の形態6のセパレータ板を用いて電池を構成した。その他の構成は実施例1と同じである。
本実施例の燃料電池を70℃に保持し、アノード側に65℃の露点となるよう加湿・加温した燃料ガス(80%水素ガス/20%二酸化炭素/10ppm一酸化炭素)を、カソード側に65℃の露点となるように加湿・加温した空気をそれぞれ供給した。電池の定格運転条件は、燃料利用率80%、酸素利用率50%、電流密度0.3A/cm2とした。この電池を定格の50%の低負荷となる電流密度0.15A/cm2で耐久試験を行った。ただし、利用率は定格条件と同等とした。
本実施例の電池では、分割されたガス流路の片方のみに所定の流量でガスを供給し、燃料ガス及び酸化剤ガス共に分割された同じ側にガスを供給し、耐久試験を実施した。その結果、この電池は、1万時間後に初期の98%と高い電圧を示し、耐久性に優れていることが確認された。電池の作動温度に対して、少し低い露点のガスを供給する運転条件の場合、アノード側とカソード側のガス流路が直交している方が、面内の均質加湿の観点から有効である。
次に、同様にして、燃料利用率75%、酸素利用率40%、電流密度0.075A/cm2において耐久試験を行った。このときの負荷は定格に対して約25%である。定格運転条件のガス利用率をやや高めに設定したため、定格の25%の負荷の場合にも、それほどガス利用率を低下させることなく安定運転が可能であった。その結果、電池は、1万時間後に初期の97%と高い電圧を示した。
《実施例8》
本実施例では、実施の形態7に示すセパレータ板を用いた電池を作製した。ガス流速が実施例1のセパレータ板と同一となるよう、ガス流路の溝幅を0.5mm、深さを0.5mmとした。その他の構成は実施例1と同じとした。
この電池を実施例1と同じ運転条件で運転し、アノード側及びカソード側共に同様にガス供給領域を限定して定格時の1/2の流量でガスを供給し、50%の低負荷運転による耐久試験を行った。その結果、実施例1と同様の結果が得られた。
《実施例9》
本実施例では、実施の形態8のセパレータ板を用いて電池を作製した。
この電池を実施例1と同じ運転条件で運転し、アノード側及びカソード側共に同様にガス供給領域を限定して、3分割したガス流路の二分割分にだけガスを供給し、定格時の2/3の流量でガスを供給し、定格の66%の低負荷運転による耐久試験を行った。その結果、実施例1と同様に優れた耐久性を示した。
次に、この電池を実施例1と同じ運転条件で運転し、アノード側及びカソード側共に同様にガス供給領域を限定して、3分割したガス流路の一分割分にだけガスを供給し、定格時の1/3の流量でガスを供給し、定格の33%の低負荷運転による耐久試験を行った。その結果、電池の耐久性は、実施例1同様優れた結果が得られた。
図29は上述の燃料電池の運転方法を示している。この方法では、工程S2901において燃料電池の出力電力を確認する。その後、工程S2903において、反応ガスを供給するために、複数の独立したガス流路群の1つの組を選択する。前述したように、ガス流路群の組は、すべてのガス流路の大きさ(容積など)の合計に対するその組の独立した各ガス流路の大きさの合計の比が、燃料電池の最大出力電力に対する確認された出力電力の比にほぼ等しくなるように選択することができる。ガス流路の組を選択すると、工程S2905において選択した流路にガスを供給し、確認した量の出力電力を発電する。実際には、この方法は、燃料電池スタック内の単セルのカソードおよびアノードの双方または一方のみに適用することができる。更に、このガスは、ガスが供給されるその電極に応じて、燃料ガスまたは酸化剤ガスであってもよい。
《実施例10》
本実施例では、実施の形態9のセパレータ板を用いて電池を作製した。
この電池を実施例1と同じ運転条件で運転し、アノード側及びカソード側共に同様にガス供給領域を限定して、4分割したガス流路の3分割分にだけガスを供給し、定格時の3/4の流量でガスを供給し、定格の75%の低負荷運転による耐久試験を行った。その結果、電池の耐久性は、実施例1と同様優れた結果が得られた。
次に、この電池を実施例1と同じ運転条件で運転し、アノード側及びカソード側共に同様にガス供給領域を限定して、4分割したガス流路の2分割分にだけガスを供給し、定格時の1/2の流量でガスを供給し、定格の50%の低負荷運転による耐久試験を行った。その結果、実施例1と同様優れた耐久性を示した。
次に、この電池を実施例1と同じ運転条件で運転し、アノード側及びカソード側共に同様にガス供給領域を限定して、4分割したガス流路の1分割分にだけガスを供給し、定格時の1/4の流量でガスを供給し、定格の25%の低負荷運転による耐久試験を行った。その結果、上と同様に優れた耐久性を示した。
《実施例11》
本実施例では、実施の形態10のセパレータ板を用いて電池を作製した。
この電池を実施例1と同じ運転条件で運転し、アノード側及びカソード側共に同様にガス供給領域を限定して定格時の1/2の流量でガスを供給し、定格の50%の低負荷運転による耐久試験を行った。その結果、実施例1と同様に優れた耐久性を示した。
《実施例12》
本実施例では、実施の形態11のセパレータ板を用いて電池を作製した。
この電池を実施例1と同じ運転条件で運転し、アノード側及びカソード側共に同様にガス供給領域を限定して定格時の1/2の流量でガスを供給し、定格の50%の低負荷運転による耐久試験を行った。その結果、実施例1と同様に優れた耐久性を示した。
本実施例の電池においては、低負荷運転時に、ガス拡散層の内部をガスが伏流することによって、ガス供給がなされていない領域にもガスが微量ではあるが供給され、発電が若干行われることが確認された。そこで、3000時間経過後から、独立したガス流路の片方のみに所定の流量でガスを供給し続け、さらに1000時間の発電試験を行った。その間、電池性能は変わらず維持していた。その後、負荷を定格条件(0.3A/cm2)に戻し、分割されたガス流路の両方にガスを供給した。
このとき、実施例1では電池性能は一旦低下し、徐々に回復して、初期の定格発電性能を発揮するまでに約1日間を要した。つまり、長期間一方のガス流路にガスを供給しない状態を続けたため、ガスを流していないガス流路が結露水によって閉塞してしまっており、再度ガスを供給しても、完全に元の状態に復帰するのに約1日を費やした。
しかしながら、本実施例では、独立したガス流路が近接しているため、実施例1の場合よりもガス拡散層内部の伏流ガス量が多く、従ってガス供給を行っていない領域にもガスが供給され、ガスを流していないガス流路が結露水によって充満しても、伏流したガスによって結露水が除去される結果となった。
《実施例13》
実施例1で使用した電池を実施例1と同じ運転条件で定格の50%の低負荷運転を行った。本実施例では、ガス供給の切り替えを供給側の電磁弁の開閉のみで制御した。つまり、排出側は両方共に開状態である。この制御方法によっても、ガス供給の切り替えが良好に行えることが確認された。そして、実施例1と同様に優れた耐久性を示した。
また、ガス供給側は開状態にし、ガス排出側の電磁弁によってガスの切り替えを制御する方法によってもガス切り替えが良好に行えることが確認された。
本発明の燃料電池は、家庭内コージェネレーションシステム等として有用である。また、ポータブル電源、電気自動車用電源等の用途にも応用できる。
本発明の実施の形態1の燃料電池の導電性セパレータ板のアノード側の正面図である。 同セパレータ板のカソード側の正面図である。 本発明の実施の形態1の燃料電池のアノード側導電性セパレータ板の背面図である。 本発明の実施の形態1の燃料電池の燃料ガスの流れを立体的に表す模式図である。 本発明の実施の形態2の燃料電池の導電性セパレータ板のアノード側の正面図である。 同セパレータ板のカソード側の正面図である。 本発明の実施の形態3の燃料電池の導電性セパレータ板のアノード側の正面図である。 同セパレータ板のカソード側の正面図である。 本発明の実施の形態4の燃料電池の導電性セパレータ板のアノード側の正面図である。
同セパレータ板のカソード側の正面図である。 本発明の実施の形態5の燃料電池の導電性セパレータ板のアノード側の正面図である。 同セパレータ板のカソード側の正面図である。 本発明の実施の形態6の燃料電池の導電性セパレータ板のアノード側の正面図である。 同セパレータ板のカソード側の正面図である。 本発明の実施の形態7の燃料電池の導電性セパレータ板のアノード側の正面図である。 同セパレータ板のカソード側の正面図である。 本発明の実施の形態8の燃料電池の導電性セパレータ板のアノード側の正面図である。 同セパレータ板のカソード側の正面図である。
本発明の実施の形態9の燃料電池の導電性セパレータ板のアノード側の正面図である。 同セパレータ板のカソード側の正面図である。 本発明の実施の形態10の燃料電池の導電性セパレータ板のアノード側の正面図である。 同セパレータ板のカソード側の正面図である。 本発明の実施の形態11の燃料電池の導電性セパレータ板のアノード側の正面図である。 同セパレータ板のカソード側の正面図である。 比較例の燃料電池の導電性セパレータ板のアノード側の正面図である。 同セパレータ板のカソード側の正面図である。 実施例1および比較例の燃料電池の平均セル電圧の経時変化を示す図である。 本発明による燃料電池の運転方法を示すフローチャートである。 本発明による燃料電池の他の運転方法を示すフローチャートである。
符号の説明
10 セパレータ板
11a、11b 燃料ガスの入り口側マニホールド孔
12a、12b 酸化剤ガスの入り口側マニホールド孔
13a、13b 燃料ガスの出口側マニホールド孔
14a、14b 酸化剤ガスの出口側マニホールド孔
15a、15b 燃料ガスの流路
16a、16b 酸化剤ガスの流路
17 冷却水の入り口側マニホールド孔
18 冷却水の出口側マニホールド孔
1E MEAの電極の接する領域

Claims (6)

  1. 水素イオン伝導性高分子電解質膜、前記高分子電解質膜を挟む一対の電極、前記電極の一方に燃料ガスを供給・排出する燃料ガス流路を有するアノード側導電性セパレータ板、および他方の電極に酸化剤ガスを供給・排出する酸化剤ガス流路を有するカソード側導電性セパレータ板からなる単位セルを積層した燃料電池であって、
    前記アノード側導電性セパレータ板は、前記燃料ガス流路として、その面内に複数の独立した第1ガス流路を有し、
    前記カソード側導電性セパレータ板は、前記酸化剤ガス流路として、その面内に複数の独立した第2ガス流路を有し、
    前記複数の第1ガス流路および前記複数の第2ガス流路は、電極反応が起こる電極の部位がアノード側とカソード側で実質的に同部位で同面積となるように、複数の組をなしており、
    前記複数の組のなかの1つまたは複数を選択し、前記選択された組に対応する前記第1ガス流路および第2ガス流路にそれぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給するか供給しないかの切り替え制御を行うガス供給の切替制御装置を具備し、
    前記切り替え制御装置は、低負荷運転時には、前記少なくとも一つの組に対応する第1ガス流路および第2ガス流路に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給しないように制御することを特徴とする燃料電池。
  2. 前記独立した第1ガス流路の流路領域の面積が相互に異なり、前記独立した第2ガス流路の流路領域の面積が相互に異なる請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記第1ガス流路および第2ガス流路に合わせて電極の触媒層またはガス拡散層が複数に分割されている請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 前記アノード側導電性セパレータ板の背面と前記カソード側導電性セパレータ板の背面との間に冷却水の流路を有する組み合わせセパレータ板を具備し、前記冷却水の流路が、前記第1ガス流路および第2ガス流路の分割に応じて複数に分割されている請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池の運転方法であって、前記ガス供給の切替制御装置により、分割された前記第1ガス流路および第2ガス流路のなかの特定の組に対応する第1ガス流路および第2ガス流路にそれぞれ燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給して低負荷運転を行うことを特徴とする燃料電池の運転方法。
  6. 前記の低負荷運転において、燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給する特定の組に対応する第1ガス流路および第2ガス流路を経時的に変更する工程を有する請求項5に記載の燃料電池の運転方法。
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