JP5005700B2 - アルミニウムアジュバントに即座に吸着されるインフルエンザワクチン - Google Patents

アルミニウムアジュバントに即座に吸着されるインフルエンザワクチン Download PDF

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Description

明細書中に引用されるすべての文書は、その全体が参考として援用される。
(政府の利益)
National Institutes of Health/National Institute of Allergy and Infectious Diseasesからの米国政府契約HHSN266200400032Cによる支援によって、本発明は、全体または一部が行われた。したがって、米国政府は、本発明において特定の権利を有する。
(技術分野)
本発明は、インフルエンザウイルス感染を防御するためのアジュバントワクチン(adjuvanted vaccine)の分野にある。
(背景技術)
水中油型エマルションアジュバントを含むChiron Vaccines製のFLUADTM製品を除いて、現在、インフルエンザワクチンは、一般的使用においてアジュバント添加(adjuvanted)されない。これらのワクチンは、参考文献1の第17章および第18章においてさらに詳細に記載される。それらのワクチンは、生ウイルス(live virus)または不活化ウイルスに基づき、そして不活化ワクチンは、全ウイルス(whole virus)、「スプリット」ウイルス(「split」virus)または精製された表面抗原(赤血球凝集素およびノイラミニダーゼを含む)に基づき得る。
より最近、アルミニウム塩アジュバントを含めることが、インフルエンザワクチンについて提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、非特許文献1)。さらなる混合工程を必要とし、それによって製造全体を減速させることに加え、これらの塩を含むことは、種々の懸案事項に関連する。例えば、それらの不溶性は、吸着された抗原は懸濁から沈殿することを意味するので、バルクワクチンからの個々の用量の調製はさらなる配慮を必要とする。さらに、上記塩に対する抗原の結合は、最終的なワクチンの品質管理を難しくする。特に、インフルエンザワクチンに関するいくつかの力価試験は、結合されていない抗原を必要とするインビトロイムノアッセイに基づく(すなわち、アジュバントへの吸着は、これらの試験を使用することができないことを意味する)。
米国特許第6,372,223号明細書 国際公開第WO00/15251号パンフレット 国際公開第WO01/22992号パンフレット Hehmeら、Virus Res.、2004年、第103巻(1−2)、p.163〜171
さらなるアジュバントインフルエンザワクチンおよび改良されたアジュバントインフルエンザワクチン(流行中における使用および大流行の間の使用の両方のため)、ならびにそれらの調製のための方法を提供することが、本発明の目的である。
(発明の開示)
本発明にしたがって、アジュバントインフルエンザワクチンの抗原成分および上記アジュバント成分は、製造の間に混合されないが、使用時に即時混合するために別個の成分として提供される。本発明は、上記抗原の上記アジュバントへの吸着は、実質的に即座に生じ、かつワクチン接種の間に直面する条件下で不可逆的であることが見出されている(本明細書中の例を参照のこと)が故に、有効である。したがって、本発明は、製造の間に混合を行うことによって生じる種々の懸案事項を回避する。
したがって、本発明は、(i)インフルエンザウイルス抗原を含む抗原成分;および(ii)アルミニウム塩を含むアジュバント成分;を備えるキットを提供する。成分(i)は、アルミニウム塩アジュバントを含まず、そして成分(ii)は、インフルエンザウイルス抗原を含まない。
本発明はまた、同時の分離した使用または連続的な使用のための、(i)インフルエンザウイルス抗原を含む抗原成分と、(ii)アルミニウム塩を含むアジュバント成分を提供する。
本発明はまた、インフルエンザウイルス抗原とアルミニウム塩アジュバントとを含む免疫原性組成物を提供し、その組成物は、使用時点においてその抗原とそのアジュバントとを即時混合することによって調製された。
本発明はまた、(i)インフルエンザウイルス抗原を含む抗原成分を調製する工程;(ii)アルミニウム塩を含むアジュバント成分を調製する工程;および(iii)その抗原成分とそのアジュバント成分とをキット中に組み合わせる工程を包含する、インフルエンザワクチンを調製するための方法を提供する。その方法はまた、(iv)患者に対する投与のために上記抗原成分および上記アジュバント成分を混合する工程を提供し得るが、工程(iv)は、代表的に、製造業者よりもむしろ、使用時に医療専門家によって行われ得る。
本発明はまた、(i)インフルエンザウイルス抗原を含む抗原成分と、アルミニウム塩を含むアジュバント成分とを備えるキットの成分を混合する工程;および(ii)上記混合された成分を患者に投与する工程を包含する、インフルエンザワクチンを調製および投与するための方法を提供する。この方法は、代表的に、上記アジュバント成分を振盪して、任意の沈殿したアルミニウム塩を分散させること;上記抗原成分を上記アジュバント成分に無菌的に添加すること;上記混合された成分を反転するか、または穏やかに振盪すること;上記混合された成分を注射器中に引くこと;および上記混合された成分を上記患者に投与することを包含する。患者に対する投与は、代表的に、上記混合後24時間未満(例えば≦18時間、≦12時間、≦6時間、≦3時間、≦2時間、≦1時間、≦30分間、≦20分間、≦10分間、≦5分間、≦2分間、≦1分間など)で行われる。
(キット)
本発明のキットは、以下の2つの成分を備える:抗原を含む成分およびアジュバントを含む成分。これらの2つの成分は、患者に対する投与のためのワクチンを調製することを決定するまで、キット中で別個に保持され、そのワクチンの調製を決定した時点で、それらの成分は、上記抗原が上記アジュバントに吸着されるワクチンを得るために混合される。
したがって、上記2つの成分は、上記キット内で、互いから物理的に分離した形態であり、そしてこの分離は、種々の手段で達成され得る。例えば、上記2つの成分は、2つの分離したバイアルなどの容器中にあり得る。次いで、上記2つのバイアルの成分は、例えば、一方のバイアルの成分を取り出し、そしてそれらを他方のバイアルに添加すること、または両方のバイアルの成分を別々に取り出し、そしてそれらを第3の容器中で混合することによって混合され得る。
好ましい構成(arrangement)において、キット成分のうちの一方は、注射器中にあり、そして他方は、バイアルなどの容器中にある。予め充填された注射器(例えば、針を有する)が、その成分を混合のための第2の容器中に挿入するために使用され得、次いでその混合物は、その注射器中に引かれ得る。次いで、その注射器の混合された成分は、代表的に、新規の滅菌針を通して患者に投与され得る。したがって、予め充填された注射器中に1つの成分を包装することは、患者への投与のために別個の注射器を使用する必要性を排除する。
別の好ましい構成において、上記2つのキット成分は、同じ注射器(例えば、二重室注射器(dual−chamber syringe)(例えば、参考文献6〜13などに開示されるもの))において、一緒であるが分離して保持される。その注射器が、作動される場合(例えば、患者に対する投与の間)、その2つの室の成分は、混合される。この構成は、使用時における別個の混合工程に対する必要性を回避する。その2つの室の成分は、一般に、両方とも水性形態である。
いくつかの構成において、上記成分のうちの一方(代表的に、アジュバント成分よりもむしろ抗原成分)は、乾燥形態(例えば、凍結乾燥された形態)であり、他方の成分は、水性形態である。上記2つの成分は、上記乾燥成分を再活性化し、そして患者に対する投与のための水性組成物を得るために混合され得る。他のあまり好ましくない構成において、両方の成分は、乾燥形態である。凍結乾燥された成分は、代表的に、注射器よりもむしろバイアル内におかれる。乾燥された成分は、安定剤(例えば、乳糖、ショ糖またはマンニトール、およびそれらの混合物(例えば、乳糖/ショ糖混合物、ショ糖/マンニトール混合物)など)を含み得る。
1つの好ましい構成は、予め充填された注射器中の水性アジュバント成分およびバイアル中の凍結乾燥された抗原成分を使用する。
両方の成分が、水性である場合、それらは、例えば、1:5(過剰な容量の水性抗原)と5:1(過剰な容量の水性アジュバント)との間の種々の容量比で混合され得る。1:2と2:1との間の比が、好ましい(例えば、約1:1)。
キットに適した容器としては、バイアルおよび使い捨て可能な注射器が挙げられる。これらの容器は、無菌であるべきである。
成分が、バイアル中におかれる場合、そのバイアルは、好ましくは、ガラス材料またはプラスチック材料から作製される。上記バイアルは、好ましくは、上記組成物が添加される前に滅菌される。ラテックス感受性患者に関する懸案事項を回避するために、バイアルは、好ましくは、ラテックスを含まないストッパーによって密封され、そして全ての包装用物質中にラテックスが存在しないことが、好ましい。上記バイアルは、単回用量のワクチンを含み得るか、またはそのバイアルは、1つよりも多い用量(例えば10用量)を含み得る(「複数回用量」バイアル)。好ましいバイアルは、無色のガラスから作製される。
インフルエンザワクチンは、代表的に、約0.5mlの投薬容量で投与されるが、半用量(すなわち、約0.25ml)が、小児に投与され得る。容器は、半用量の容量を示して小児に対する半用量の送達を容易にするために、標識され得る(例えば、0.5ml用量を含む注射器は、0.25ml容量を示す標識を有し得る)。
バイアルは、予め充填された注射器がそのキャップ中に挿入され得るように適合したキャップ(例えば、Luerロック)を有し得、その注射器の内容物は、(例えば、その中の凍結乾燥された物質を再構成するために)そのバイアル中に排出され得、そしてそのバイアルの内容物は、その注射器中に戻され得る。上記バイアルから上記注射器を取り外した後、次いで針が、接続され得、そして組成物が、患者に投与され得る。上記キャップが、好ましくは、シールまたはカバーの内側に配置されて、そのシールまたはカバーは、そのキャップが接触され得る前に取り外される必要がある。バイアルは、特に、複数回用量バイアルに関して、その内容物の無菌的な取り出しを可能にするキャップを有し得る。
成分が、注射器中に包装される場合、その注射器は、それに接続された針を有し得る。針が接続されない場合、別個の針が、組み立ておよび使用のために注射器とともに提供され得る。そのような針は、シースで覆う(sheathe)ことができる。安全針が、好ましい。1インチ23ゲージの針、1インチ25ゲージの針および5/8インチ25ゲージの針が、代表的である。注射器には、その上に内容物のロット番号および使用期限日がプリントされ得る剥ぎ取りラベルが提供され得、記録維持を容易にする。上記注射器中のプランジャーは、好ましくは、ストッパーを有し、プランジャーが吸引の間に偶発的に外れることを防ぐ。上記注射器は、ラテックスゴムキャップおよび/またはプランジャーを有し得る。使い捨て可能な注射器は、単回用量のワクチンを含む。上記注射器は、一般に、針の接続前に先端を密封するために先端キャップを有し、そしてその先端キャップは、好ましくは、ブチルゴムから作製される。上記注射器と針とが別個に包装される場合、その針は、好ましくは、ブチルゴムシールドが取り付けられる。好ましい注射器は、商標名「Tip−Lok」TMで市販されるものである。
ガラス容器(例えば、注射器またはバイアル)が使用される場合、ソーダ石灰ガラス製のよりもホウケイ酸ガラス製の容器を用いることが好ましい。
上記キットは、上記ワクチンの詳細(例えば、投与のための指示書、ワクチン内の抗原の詳細など)を含む印刷物と一緒に(例えば、同じ箱中に)含まれ得る。その指示書はまた、警告、例えば、ワクチン接種の後のアナフィラキシー反応の場合、直ちに利用できるようにアドレナリンの溶液を準備しておくことなどを含み得る。
上記キットは、好ましくは、2℃と8℃との間にて保存される。それは、凍結されるべきではない。
(インフルエンザウイルス抗原)
上記キット成分のうちの1つは、インフルエンザウイルス抗原を含む。これらの抗原は、代表的に、インフルエンザビリオンから調製されるが、その代わりとして、赤血球凝集素などの抗原が、組換え宿主(例えば、バキュロウイルスベクターを使用した昆虫細胞株)において発現され、そして精製された形態で使用され得る[14、15]。しかし、一般に、抗原は、ビリオン由来である。
上記抗原は、生ウイルスの形態、またはより好ましくは、不活化ウイルスの形態をとり得る。ウイルスを不活化するための化学的手段としては、以下の因子の1種以上の有効量による処理が挙げられる:洗浄剤、ホルムアルデヒド、ホルマリン、β−プロピオラクトン、またはUV光。不活化のためのさらなる化学的手段としては、メチレンブルー、ソラレン、カルボキシフラーレン(C60)または任意のその組合せによる処理が挙げられる。ウイルス不活化の他の方法は、当該分野において公知である(例えば、第二級エチルアミン、アセチルエチレンイミン、またはγ線照射など)。INFLEXALTM製品は、全ビリオン不活化ワクチンである。
不活化ウイルスが使用される場合、上記ワクチンは、全ウイルス、スプリットウイルス、または精製された表面抗原(赤血球凝集素を含み、そして通常は、ノイラミニダーゼをまた含む)を含み得る。
ビリオンは、種々の方法によってウイルス含有流体から回収され得る。例えば、精製プロセスは、ビリオンを破壊するための洗浄剤を含む直線ショ糖勾配溶液を使用したゾーン遠心分離を含み得る。次いで、抗原は、必要に応じた希釈後に、透析濾過(diafiltration)によって精製され得る。
スプリットウイルスは、ビリオンを洗浄剤(例えば、エチルエーテル、ポリソルベート80、デオキシコール酸塩、トリ−N−ブチルホスフェート、Triton X−100、Triton N101、臭化セチルトリメチルアンモニウム、Tergitol NP9など)により処理(「Tween−エーテル」分解(splitting)プロセスを含む)してサブビリオン調製物を産生することによって得られる。インフルエンザウイルスを分解する方法は、当該分野において周知である(例えば、参考文献16〜21などを参照のこと)。ウイルスの分解は、代表的に、破壊する濃度の分解剤(splitting agent)によって全ウイルスを破壊または断片化する(感染性であっても非感染性であってもよい)ことによって行われる。上記破壊は、ウイルスタンパク質の完全または部分的な可溶化をもたらし、ウイルスの完全性を変化させる。好ましい分解剤は、非イオン性界面活性剤およびイオン性(例えば、カチオン性)界面活性剤(例えば、アルキルグリコシド、アルキルチオグリコシド、アシル糖(acyl sugar)、スルホベタイン、ベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、N,N−ジアルキル−グルカミド(Glucamide)、Hecameg、アルキルフェノキシポリエトキシエタノール、第四級アンモニウム化合物、サルコシル、CTAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム)、トリ−N−ブチルホスフェート、Cetavlon、ミリストイルトリメチルアンモニウム塩、リポフェクチン(lipofectin)、リポフェクタミン(lipofectamine)、およびDOT−MA、オクチル−またはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えば、Triton X−100またはTriton N101などのTriton界面活性剤)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(Tween界面活性剤)、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステルなどである。1つの有用な分解手順は、デオキシコール酸ナトリウムおよびホルムアルデヒドの継続的な効果を使用し、そして分解は、(例えば、ショ糖密度勾配溶液における)最初のビリオン精製の間に行われ得る。したがって、分解プロセスは、ビリオン含有材料の清澄化(非ビリオン材料を除去するため)、回収されたビリオンの濃縮(例えば、CaEDPO吸着などの吸着方法を使用する)、非ビリオン材料からの全ビリオン分離、密度勾配遠視分離工程(例えば、デオキシコール酸ナトリウムなどの分解剤を含むショ糖勾配を使用する)において分解剤を使用したビリオンの分解、および所望されない物質を除去するためのその後の濾過(例えば、限外濾過)を含み得る。スプリットビリオン(split virion)は、通常、リン酸ナトリウムによって緩衝化された等張塩化ナトリウム溶液に再懸濁され得る。BEGRIVACTM製品、FLUARIXTM製品、FLUZONETM製品およびFLUSHIELDTM製品は、スプリットワクチン(split vaccine)である。
精製された表面抗原ワクチンは、インフルエンザ表面抗原の赤血球凝集素、および代表的には、ノイラミニダーゼをまた含む。精製された形態でこれらのタンパク質を調製するためのプロセスは、当該分野において周知である。FLUVIRINTM製品、AGRIPPALTM製品およびINFLUVACTM製品は、サブユニットワクチンである。
HAおよびNA以外のインフルエンザタンパク質はまた、天然のタンパク質のフラグメントを含むインフルエンザ抗原として使用され得る。その組合せもまた、使用され得る。
インフルエンザ抗原はまた、ビロソームの形態で提供され得る[22]。
上記インフルエンザウイルスは、弱毒化され得る。上記インフルエンザウイルスは、温度感受性であり得る。上記インフルエンザウイルスは、低温適応性であり得る。これらの3つの可能性は、特に、生ウイルスに適合する。
ワクチンに使用するためのインフルエンザウイルス株は、季節により変化する。最近の大流行間期において、ワクチンは、代表的に、2種のA型インフルエンザ株(H1N1およびH3N2)および1種のB型インフルエンザ株を含み、そして三価ワクチンが、代表的である。本発明はまた、(特に、A型インフルエンザウイルスの)H2サブタイプ株、H5サブタイプ株、H7サブタイプ株またはH9サブタイプ株などの流行株(すなわちワクチンのレシピエントおよび一般的なヒト集団が免疫学的にナイーブである株)に由来するウイルスを使用し得、そして流行株に対するインフルエンザワクチンは、一価であっても、流行株によって補充された通常の三価ワクチンに基づいてもよい。しかし、季節および上記ワクチンに含まれる抗原の性質に依存して、本発明は、HAサブタイプであるH1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15またはH16の1種以上を防御し得る。
本発明のアジュバント添加組成物は、流行株に対して免疫感作するために特に有用である。流行の発生を引き起こす可能性をインフルエンザ株に与えるインフルエンザ株の特性は、以下である:(a)そのインフルエンザ株が、最近広まっているヒト株における赤血球凝集素と比較して新規の赤血球凝集素(すなわち、10年以上にわたってヒト集団において顕性でない赤血球凝集素(例えばH2))を含むか、またはヒト集団において先に全く見出されていない(例えば、一般には鳥類集団においてのみ見出されているH5、H6またはH9)ことにより、ヒト集団がその株の赤血球凝集素に対して免疫学的にナイーブであること;(b)そのインフルエンザ株が、ヒト集団において水平伝播し得ること;および(c)そのインフルエンザ株が、ヒトに対して流行性であること。H5型赤血球凝集素を有するウイルスは、流行性インフルエンザ(例えば、H5N1株)に対する免疫感作のために好ましい。他の可能性のある株としては、H5N3、H9N2、H2N2、H7N1およびH7N7、および任意の他の顕在する潜在的な流行株が挙げられる。H5サブタイプにおいて、ウイルスは、HAクレード1、HAクレード1’、HAクレード2またはHAクレード3に分類され得[23]、クレード1およびクレード3は、特に、関連性がある。
上記組成物に通常含まれ得る他の株は、抗ウイルス療法に対して抵抗性(例えば、オセルタミビル[24]および/またはザナミビルに対して抵抗性)の株であり得、その株は、抵抗性の流行株を含む[25]。
本発明の組成物は、A型インフルエンザウイルスおよび/またはB型インフルエンザウイルスを含む1種以上(例えば1種、2種、3種、4種またはそれ以上)のインフルエンザウイルス株由来の抗原を含み得る。ワクチンが、1種より多い株のインフルエンザを含む場合、それらの異なる株は、代表的に、別個に増殖され、かつそれらのウイルスが回収された後に混合され、そして抗原が、調製される。したがって、本発明の方法は、1種より多いインフルエンザ株由来の抗原を混合する工程を含み得る。2種のA型インフルエンザウイルス株および1種のB型インフルエンザウイルス株由来の抗原を含む三価ワクチンが、好ましいが、一価ワクチンもまた、(例えば、流行株に対して)有用である。
上記インフルエンザウイルスは、リアソータント(reassortant)株であり得、そして逆方向遺伝学技術によって得ることができた。逆方向遺伝学技術[例えば、26〜30]は、プラスミドを使用してインビトロで調製される所望のゲノムセグメントを有するインフルエンザウイルスを可能にする。代表的に、それは、(a)例えば、polIプロモーターにより、所望のウイルスRNA分子をコードするDNA分子を発現すること、および(b)例えば、polIIプロモーターにより、ウイルスタンパク質をコードするDNA分子を発現することを含むことで、細胞における両方の型のDNAの発現が、完全なインタクト感染性ビリオンの構築を生じる。上記DNAは、好ましくは、全ての上記ウイルスRNAおよびウイルスタンパク質の全てを提供するが、そのRNAおよびタンパク質のいくつかを提供するためにヘルパーウイルスを使用することもまた、可能である。各ウイルスRNAを産生するために別個のプラスミドを使用するプラスミドベースの方法が、好ましく[31〜33]、そしてこれらの方法はまた、上記ウイルスタンパク質の全てまたはいくつか(例えば、PB1タンパク質、PB2タンパク質、PAタンパク質およびNPタンパク質だけ)を発現するためのプラスミドの使用を包含し、12種のプラスミドが、いくつかの方法において使用される。
必要とされるプラスミドの数を減少させるために、最近のアプローチ[34]は、(ウイルスRNA合成のための)同じプラスミド上の複数のRNAポリメラーゼI転写カセット(例えば、1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種または8種全てのA型インフルエンザvRNAセグメントをコードする配列)と、別のプラスミド上のRNAポリメラーゼIIプロモーターを有する複数のタンパク質コード領域(例えば、1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種または8種全てのA型インフルエンザmRNA転写物をコードする配列)を合わせる。参考文献34の方法の好ましい局面は、以下を含む:(a)単一プラスミド上のPB1 mRNAコード領域、PB2 mRNAコード領域およびPA mRNAコード領域;および(b)単一プラスミド上の全8種のvRNAコードセグメント。1つのプラスミド上にNAセグメントおよびHAセグメントを含み、そして別のプラスミド上に6種の他のセグメントを含むこともまた、問題を容易にし得る。
上記ウイルスRNAセグメントをコードするためにpolIプロモーターを使用する代わりに、バクテリオファージポリメラーゼプロモーターを使用することが、可能である[35]。例えば、SP6ポリメラーゼ、T3ポリメラーゼまたはT7ポリメラーゼのためのプロモーターが、慣用的に使用され得る。polIプロモーターの種特異性に起因して、バクテリオファージポリメラーゼプロモーターは、多くの細胞型(例えばMDCK)に関してより慣用的であり得るが、細胞はまた、外因性ポリメラーゼ酵素をコードするプラスミドによってトランスフェクトされる必要がある。
他の技術において、単一の鋳型に由来して上記ウイルスRNAおよび発現可能なmRNAを同時にコードするために二重のpolIプロモーターおよびpolIIプロモーターを使用することが、可能である[36、37]。
したがって、ウイルス(特に、A型インフルエンザウイルス)は、特に、そのウイルスが卵において増殖される場合、A/PR/8/34ウイルス由来の1種以上のRNAセグメント(代表的に、6セグメントは、A/PR/8/34に由来し、上記HAセグメントおよびNセグメントは、ワクチン株に由来する、すなわち、6:2リアソータント)を含み得る。それはまた、ワクチン調製物のためのリアソータントウイルスを産生するために、A/WSN/33ウイルス由来の1種以上のRNAセグメント、または有用な任意の他のウイルス株の1種以上のRNAセグメントを含み得る。代表的に、上記株のゲノムは、通常、哺乳動物(例えば、ヒト)インフルエンザウイルスに由来する少なくとも1種のRNAセグメントを含むので、本発明は、ヒト同士の伝染が可能である株から防御する。それは、鳥インフルエンザウイルスに由来するNSセグメントを含み得る。
上記抗原の供給源として使用されるウイルスは、SPF卵または細胞培養のいずれかにおいて増殖され得る。インフルエンザウイルス増殖についての現在の標準的な方法は、有胚の鶏卵を使用し、そのウイルスは、その卵の内容物(尿膜腔液)から精製される。しかし、さらに最近、ウイルスは、動物細胞培養において増殖され、そして速さおよび患者のアレルギーの理由に起因して、この増殖方法が、好ましい。卵ベースのウイルス増殖が使用される場合、1種以上のアミノ酸がウイルスと一緒に卵の尿膜の流体中に導入され得る[18]。
細胞基質は、代表的に、哺乳動物細胞株である。適切な哺乳動物細胞の起源としては、ハムスター細胞、ウシ細胞、霊長類細胞(ヒト細胞およびサル細胞を含む)およびイヌ細胞が挙げられるが、これらに限定されない。腎細胞、線維芽細胞、網膜細胞、肺細胞などのような種々の細胞型が、使用され得る。適切なハムスター細胞の例は、BHK21またはHKCCの名前を有する細胞株である。適切なサル細胞は、例えば、アフリカミドリザル細胞(例えば、Vero細胞株のような腎細胞)である。適切なイヌ細胞は、例えば、MDCK細胞株のような腎細胞株である。したがって、適切な細胞株としては、MDCK;CHO;293T;BHK;Vero;MRC−5;PER.C6;WI−38;などが挙げられるが、これらに限定されない。哺乳動物細胞株の使用は、ワクチンが、ニワトリDNAを含まず、そして卵タンパク質(例えば、オボアルブミンおよびオボムコイド)を含まないことができ、それによってアレルゲン性を減少させることを意味する。
インフルエンザウイルスを増殖させるために好ましい哺乳動物細胞株としては、以下が挙げられる:Madin Darbyイヌ腎臓に由来するMDCK細胞[38〜41];アフリカミドリザル(Cercopithecus aethiops)腎臓に由来するVero細胞[42〜44];またはヒト胚性網膜芽細胞に由来するPER.C6細胞[45]。これらの細胞株は、例えば、American Type Cell Culture(ATCC)コレクション[46]、Coriell Cell Repositories[47]、またはEuropean Collection of Cell Cultures(ECACC)から広範に入手可能である。例えば、ATCCは、カタログ番号CCL−81、CCL−81.2、CRL−1586およびCRL−1587の種々の異なるVero細胞を提供し、そしてATCCは、カタログ番号CCL−34のMDCK細胞を提供する。PER.C6は、寄託番号96022940においてECACCから入手可能である。あまり好ましくない哺乳動物細胞株の代替物として、ウイルスは、アヒル(例えば、アヒル網膜)または雌鶏(例えば、ニワトリ胚線維芽細胞(CEF))などに由来する細胞株を含む鳥類細胞株[例えば、参考文献4850]において増殖され得る。例としては、ニワトリ胚性幹細胞、EB45、EB14、およびEB14−074に由来するEBx細胞株[52]を含む鳥類胚性幹細胞[48、51]が挙げられる。
インフルエンザウイルスを増殖させるために最も好ましい細胞株は、MDCK細胞株である。元のMDCK細胞株は、CCL−34としてATCCから入手可能であるが、この細胞株の派生物もまた、使用され得る。例えば、参考文献38は、懸濁培養物における増殖に適合したMDCK細胞株(DSM ACC 2219として寄託された「MDCK 33016」)を開示する。同様に、参考文献53は、無血清培養の懸濁物において増殖するMDCK由来細胞株(FERM BP−7449として寄託された「B−702」)を開示する。参考文献54は、非腫瘍形成性MDCK細胞(「MDCK−S」(ATCC PTA−6500)、「MDCK−SF101」(ATCC PTA−6501)、「MDCK−SF102」(ATCC PTA−6502)および「MDCK−SF103」(PTA−6503)を含む)を開示する。参考文献55は、感染に対して高い感受性を有するMDCK細胞株(「MDCK.5F1」細胞(ATCC CRL−12042)を含む)を開示する。任意のこれらのMDCK細胞株が、使用され得る。
ウイルスが哺乳動物細胞株において増殖された場合、上記キット中の抗原成分は、有益に、卵タンパク質(例えばオボアルブミンおよびオボムコイド)およびニワトリDNAを含まず、それによってアレルゲン性を減少させる。
ウイルスが細胞株において増殖された場合、増殖のための培養物、およびまた、培養を開始するために使用されるウイルス接種物は、好ましくは、単純ヘルペスウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス3型、SARSコロナウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、レオウイルス、ポリオーマウイルス、ビルナウイルス、サーコウイルス、および/またはパルボウイルスを含まない[56](すなわち、それらの培養物および接種物は、これらのウイルスについて試験され、そしてこれらのウイルスによる汚染についてネガティブな結果を得る)。単純ヘルペスウイルスが無いことは、特に好ましい。
ウイルスが細胞株において増殖された場合、上記抗原成分は、好ましくは、1用量あたり10ng未満(好ましくは、1ng未満、およびより好ましくは、100pg未満)の残留宿主細胞DNAを含むが、微量の宿主細胞DNAが、存在し得る。混入したDNAは、標準的な精製手順(例えば、クロマトグラフィーなど)を使用して、ワクチン調製の間に除去され得る。残留宿主細胞DNAの除去は、例えば、DNaseを使用することによるヌクレアーゼ処理によって増強され得る。宿主細胞DNAの混入を減少させるために好都合な方法は、参考文献57および58に開示され、その方法は、最初に、ウイルス増殖の間に使用され得るDNase(例えば、ベンゾナーゼ(Benzonase))を使用し、次いで、ビリオンの破壊の間に使用され得るカチオン性洗浄剤(例えばCTAB)を使用する、2工程の処理を含む。アルキル化剤(例えば、β−プロピオラクトン)による処理がまた、宿主細胞DNAを除去するために使用され得、そしてまた、有益に、ビリオンを不活化するために使用され得る[59]。
0.25ml容量あたり<10ng(例えば<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含むワクチンであるような、15μgの赤血球凝集素あたり<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含むワクチンが、好ましい。0.5ml容量あたり<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含むワクチンであるような、50μgの赤血球凝集素あたり<10ng(例えば、<1ng、<100pg)の宿主細胞DNAを含むワクチンが、より好ましい。
任意の残留宿主細胞DNAの平均の長さは500bp未満(例えば、400bp未満、300bp未満、200bp未満、100bp未満など)であることが、好ましい。
細胞株(例えば、MDCK細胞)における増殖について、ウイルスは、懸濁物における細胞[38、60、61]または付着培養(adherent culture)中の細胞において増殖され得る。懸濁培養のための1つの適切なMDCK細胞株は、MDCK 33016(DSM ACC 2219として寄託された)である。代替物として、マイクロキャリア培養(microcarrier culture)が、使用され得る。
インフルエンザウイルス複製を補助する細胞株は、好ましくは、無血清培地および/またはタンパク質を含まない培地において増殖される。培地は、ヒト起源または動物起源の血清に由来する添加物が存在しない本発明の文脈において、無血清培地と称される。タンパク質を含まないは、上記細胞の増殖がタンパク質、成長因子、他のタンパク質添加物および非血清タンパク質の排除によって生じるが、ウイルス増殖に必要であり得るトリプシンまたは他のプロテアーゼなどのタンパク質を必要に応じて含み得る培養を意味すると理解される。そのような培養物において増殖する細胞は、培養物自体のタンパク質を天然に含む。
インフルエンザウイルス複製を補助する細胞株は、好ましくは、例えば、ウイルス複製の間に、37℃未満(例えば、30〜36℃、または約30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃)で増殖される[62]。
培養された細胞においてウイルスを増殖させるための方法は、一般に、その培養された細胞に培養されるべき株を接種する工程、ウイルス増殖(例えば、ウイルス力価または抗原発現によって決定される)のために所望の期間(例えば、接種の24時間後と168時間後との間)にわたって、感染された細胞を培養する工程、および増殖されたウイルスを回収する工程を包含する。上記培養された細胞は、1:500〜1:1、好ましくは、1:100〜1:5、より好ましくは、1:50〜1:10の細胞比まで、ウイルス(PFUまたはTCID50によって測定される)を接種される。上記ウイルスは、上記細胞の懸濁物に添加されるか、または上記細胞の単一層に適用され、そしてそのウイルスは、25℃〜40℃(好ましくは、28℃〜37℃)にて、少なくとも60分間(しかし通常は、300分未満(好ましくは、90分間と240分間との間))にわたってその細胞上に吸着される。上記感染された細胞の培養物(例えば、単一層)は、回収される培養上清のウイルス含量を増大させるために、凍結解凍または酵素作用のいずれかによって除去され得る。次いで、回収された流体は、凍結されて不活化または保存のいずれかが行われる。培養された細胞は、約0.0001〜10、好ましくは、0.002〜5、より好ましくは、0.001〜2の感染多重度(「m.o.i.」)にて感染され得る。よりさらに好ましくは、上記細胞は、約0.01のm.o.iにて感染される。感染された細胞は、感染後30時間〜60時間で回収され得る。好ましくは、上記細胞は、感染後34時間〜48時間で回収される。よりさらに好ましくは、上記細胞は、感染後38時間〜40時間で回収される。プロテアーゼ(代表的に、トリプシン)は、一般に、ウイルスの放出を可能にするために細胞培養の間に添加され、そしてそのプロテアーゼは、その培養の間の任意の適切な段階において添加され得る。
赤血球凝集素(HA)は、不活化インフルエンザワクチン中の主要な免疫原であり、そしてワクチン用量は、代表的に、一次元放射状免疫拡散(SRID)アッセイによって測定されるようなHAレベルを参照することによって標準化される。ワクチンは、代表的に、1株あたり約15μgのHAを含むが、より低い用量がまた、例えば、小児のためかまたは流行性の状況において使用される。1/2(すなわち、1株あたり7.5μgのHA)、1/4および1/8のような分割量が、より高い用量(例えば、3×用量または9×用量[63、64])を有する場合に使用されている[4、5]。したがって、ワクチンは、1つのインフルエンザ株あたり0.1μgと150μgとの間のHA、好ましくは、0.1μgと50μgとの間(例えば、0.1μg〜20μg、0.1μg〜15μg、0.1μg〜10μg、0.1μg〜7.5μg、0.5μg〜5μgなど)のHAを含み得る。特定の用量は、例えば、1株あたり約45、約30、約15、約10、約7.5、約5、約3.8、約1.9、約1.5などを含む。これらのより低い用量は、本発明のようにアジュバントがワクチン中に存在する場合、最も有用である。
生ワクチンについて、投薬量は、HA含量よりもむしろ50%組織培養感染量(TCID50)によって測定され、そして1株あたり10と10との間(好ましくは、106.5〜107.5)のTCID50が、代表的である。
本発明で使用されるHAは、ウイルスにおいて見出されるような天然のHAであっても、改変されていてもよい。例えば、ウイルスを鳥類種において非常に病原性にする決定因子(例えば、HA1とHA2との切断部位周辺の超塩基性領域(hyper−basic region))を除去するためにHAを改変することが、公知である。なぜならば、これらの決定因子は、そうでなければウイルスが卵において増殖されることを妨げ得るからである。
本発明のキットの抗原成分は、特に、スプリットワクチンまたは表面抗原ワクチンのために、洗浄剤(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(「Tweens」として公知である)、オクトオキシノール(例えば、オクトオキシノール−9(Triton X−100)またはt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(「CTAB」)、またはデオキシコール酸ナトリウム)を含み得る。上記洗浄剤は、微量でのみ存在し得る。したがって、上記ワクチンは、各々1mg/ml未満のオクトオキシノール−10、α−コハク酸水素トコフェロールおよびポリソルベート80を含み得る。残りの他の微量成分は、抗生物質(例えば、ネオマイシン、カナマイシン、ポリミキシンB)であり得る。
不活化されている非全細胞ワクチン(例えば、ウイルス成分ワクチンまたは精製された表面抗原ワクチン)は、この抗原内に位置するさらなるT細胞エピトープからの利益を受けるために、マトリックスタンパク質を含み得る。したがって、赤血球凝集素およびノイラミニダーゼを含む非全細胞ワクチン(特に、スプリットワクチン)は、M1および/またはM2マトリックスタンパク質をさらに含み得る。マトリックスタンパク質が存在する場合、検出可能なレベルのM2マトリックスタンパク質またはM1タンパク質のフラグメントを含むことが、好ましい。核タンパク質もまた、存在し得る。
(アジュバント)
インフルエンザワクチンにおいて使用されているアジュバントとしては、キトサン[65]、水中油型エマルション(例えば、MF59[66])、水/油/水型(water−in−oil−in−water)エマルション[67]、アルミニウム塩[2、5]、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(例えば、CpG 7909[68])、E.coli易熱性毒素[69、87]およびその解毒された変異体[70〜71]、モノホスホリルリピドA[72]およびその3−o−脱アセチル化誘導体[73]、百日咳毒素変異体[74]、ムラミルジペプチド[75]などが挙げられる。
しかし、本発明に従って、上記アジュバント成分は、アルミニウム塩に基づく。これらの塩は、水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムとして公知であるアジュバントを含む。これらの名前は、慣習的であるが、便宜上のみに使用され、いずれも存在している実際の化合物の正確な説明でもない[例えば、参考文献76の第9章を参照のこと]。本発明は、アジュバントとして一般的に使用される任意の「水酸化物」アジュバントまたは「リン酸塩」アジュバントを使用し得る。
「水酸化アルミニウム」として公知であるアジュバントは、代表的に、オキシ水酸化アルミニウム塩であり、それは、通常、少なくとも部分的に結晶性である。式AlO(OH)によって表され得るオキシ水酸化アルミニウムは、赤外(IR)分光学によって、特に、1070cm−1における吸収帯および3090〜3100cm−1における強力なショルダーの存在によって水酸化アルミニウムAl(OH)のようなその他のアルミニウム化合物と区別され得る[参考文献76の第9章])。水酸化アルミニウムアジュバントの結晶化度の程度は、回折バンドの半価幅(WHH)に反映され、結晶性の低い粒子は、同様の微結晶サイズに起因して、より大きい線幅拡大を示す。WHHが増大する場合、表面積は、増大し、そしてより高いWHH値を有するアジュバントは、抗原吸着についてのより大きい能力を有することが見出されている。繊維状の形態学(例えば、透過型電子顕微鏡写真において見られるような)は、水酸化アルミニウムアジュバントに関して代表的である。水酸化アルミニウムアジュバントのpIは、代表的に、約11である(すなわち、そのアジュバント自体は、生理学的pHにて正の表面電荷を有する)。pH7.4において1mgのAl+++あたり1.8mg〜2.6mgの間の吸着力が、水酸化アルミニウムアジュバントについて報告されている。
「リン酸アルミニウム」として公知であるアジュバントは、代表的に、ヒドロキシリン酸アルミニウムであり、それはまた、しばしば少量の硫酸塩(すなわち、ヒドロキシリン酸アルミニウムサルフェート)を含む。それらのアジュバントは、沈殿によって得られ得、そして沈殿の間の反応条件および濃度は、上記塩におけるヒドロキシルに対するリン酸の置換の程度に影響を及ぼす。ヒドロキシリン酸塩は、一般に、0.3と1.2との間のPO/A1モル比を有する。ヒドロキシリン酸塩は、厳密なAlPOからヒドロキシル基の存在によって区別され得る。例えば、3164cm−1におけるIRスペクトルバンド(例えば、200℃まで加熱される場合)は、構造的なヒドロキシルの存在を示す[参照番号76の第9章]。
リン酸アルミニウムアジュバントのPO/A13+モル比は、一般に、0.3と1.2との間、好ましくは、0.8と1.2との間、そしてより好ましくは、0.95±0.1である。上記リン酸アルミニウムは、一般に、特にヒドロキシリン酸塩については一般に非晶質である。代表的なアジュバントは、0.84と0.92の間のPO/Al3+モル比を有する非晶質のヒドロキシリン酸アルミニウムを有し、1mlあたり0.6mgのAl3+で含む。上記リン酸アルミニウムは、一般に、粒子状(例えば、透過型電子顕微鏡写真において見られるような板状の形態学)である。その粒子の代表的な直径は、任意の抗原吸着の後において0.5μm〜20μm(例えば、約5μm〜10μm)の範囲である。pH7.4において1mgのAl+++あたり0.7mg〜1.5mgの間のタンパク質を吸着する能力が、リン酸アルミニウムアジュバントについて報告されている。
リン酸アルミニウムの荷電ゼロ点(PZC)は、ヒドロキシルに対するリン酸の置換の程度に逆に相関し、そしてこの置換の程度は、沈殿によって上記塩を調製するために使用される反応条件および濃度に依存して変動し得る。PZCはまた、溶液中の遊離リン酸イオンの濃度(より多いリン酸塩=より酸性のPZC)を変化させること、またはヒスチジン緩衝液(PZCをより塩基性にする)などの緩衝液を添加することによって変えられる。本発明に従って使用されるリン酸アルミニウムは、一般に、4.0と7.0との間、より好ましくは5.0と6.5との間(例えば、約5.7)のPZCを有する。
本発明の組成物を調製するために使用されるアルミニウム塩の懸濁物は、緩衝液(例えば、リン酸緩衝液またはヒスチジン緩衝液またはTris緩衝液)を含み得るが、これは、常に必要であるとは限らない。上記懸濁物は、好ましくは、無菌であり、かつ発熱物質を含まない。懸濁物は、例えば、1.0mMと20mMとの間、好ましくは5mMと15mMとの間、そしてより好ましくは約10mMの濃度で存在する、遊離型の水性リン酸イオンを含み得る。上記懸濁物はまた、塩化ナトリウムを含み得る。
本発明の1つの実施形態において、上記アジュバント成分は、水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムの両方の混合物を含む[4]。この場合において、水酸化アルミニウムよりも多いリン酸アルミニウム(例えば、少なくとも2:1(例えば、≧5:1、≧6:1、≧7:1、≧8:1、≧9:1など)の重量比)が、存在し得る。
患者に対する投与のための組成物におけるAl+++の濃度は、好ましくは、10mg/ml未満(例えば、≦5mg/ml、≦4mg/ml、≦3mg/ml、≦2mg/ml、≦1mg/mlなど)である。好ましい範囲は、0.3mg/mlと1mg/mlとの間である。0.85mg/用量未満の最大量が、好ましい。
1種以上のアルミニウム塩アジュバントを含むことに加えて、上記アジュバント成分は、1種以上のさらなるアジュバントまたは免疫刺激剤を含み得る。そのようなさらなる成分としては、いかが挙げられるが、これらに限定されない:3−O−脱アシル化モノホスホリルリピドAアジュバント(「3d−MPL」);および/または水中油型エマルション。3d−MPLはまた、3脱−O−アシル化モノホスホリルリピドAまたは3−O−脱アシル−4’−モノホスホリルリピドAと称される。この名前は、モノホスホリルリピドA中の還元末端グルコサミンの位置3が脱アシル化されることを示す。それは、S.minnesotaのヘプトースのない(heptoseless)変異体から調製され、そして化学的にリピドAに類似しているが、酸に不安定なホスホリル基および塩基に不安定なアシル基を欠いている。それは、単球/マクロファージ系統の細胞を活性化し、そしてIL−1、IL−12、TNF−αおよびGM−CSFを含む数種のサイトカインの放出を刺激する。3D−MPLの調製は、最初は参考文献77に記載され、そしてその産物は、Corixa Corporationによって、商標名MPLTMの下で製造および販売されている。さらなる詳細は、参考文献78〜81に見出され得る。
最終的に、本発明の代替的な実施形態において、カルシウム塩が、アルミニウム塩の代わりに使用される。これらの実施形態において、上記アジュバント成分は、代表的に、リン酸カルシウム塩を含む。
(薬学的組成物)
上記キットの上記抗原成分および上記アジュバント成分は、それらの混合の産物である場合、両方とも薬学的に受容可能である。その混合された産物は、上記抗原およびアジュバントに加えて成分を含み得、そしてこれらは、上記抗原成分および/または上記アジュバント成分および/または必要に応じた第3の成分から生じ得る。
したがって、最終混合物は、代表的に、1つ以上の薬学的キャリアおよび/または賦形剤を含有する。そのようなキャリアおよび賦形剤の徹底的な考察は、参考文献82において入手可能である。
上記最終混合物は、チオメルサールまたは2−フェノキシエタノールなどの保存剤を含み得る。しかし、上記ワクチンは実質的に水銀物質を含まない(すなわち、5μg/ml未満)(例えば、チオメルサールを含まない)べき[17、83]であることが、好ましい。水銀を含まないワクチンが、より好ましい。保存剤を含まないワクチンが、特に好ましい。
張度を制御するために、生理的塩(例えば、ナトリウム塩)を含有することが好ましい。塩化ナトリウム(NaCl)が好ましく、その塩化ナトリウムは、1mg/mlと20mg/mlの間で存在し得る。存在し得る他の塩としては、塩化カリウム、二水素リン酸カリウム、無水二ナトリウムリン酸塩、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。
上記組成物は、クエン酸イオンを含み得る。
投与のための組成物は、一般に200mOsm/kgと400mOsm/kgの間、好ましくは240mOsm/kg〜360mOsm/kgの間の浸透圧モル濃度を有し、より好ましくは290〜310mOsm/kgの範囲内となる。浸透圧モル濃度は、ワクチン接種により引き起こされる痛みに対して影響を有しないことが以前に報告されている[84]が、この範囲に浸透圧モル濃度を維持することが、やはり好ましい。
投与のための組成物は、1つ以上の緩衝液を含有し得る。代表的な緩衝液としては、以下が挙げられる:リン酸緩衝液;Tris緩衝液;ホウ酸緩衝液;コハク酸緩衝液;ヒスチジン緩衝液;またはクエン酸緩衝液。緩衝液は、代表的に5〜20mMの範囲で含有される。
投与のための組成物のpHは、一般に、5.0と8.1との間、より代表的には6.0と8.0との間、または6.5と7.5との間、または7.0と7.8との間である。したがって、本発明の方法は、包装前にバルクワクチンのpHを調整する工程を包含し得る。
個々のキット成分(容器を含む)は、好ましくは、無菌である。
キット成分は、好ましくは、非発熱性である(例えば、1用量あたり<1EU(エンドトキシン単位、標準的な測定単位)、そして好ましくは1用量あたり<0.1EUを含む)。
キット成分は、好ましくは、グルテンを含まない。
上記キット成分は、単回免疫感作のための物質を含んでも、複数回免疫感作(すなわち、「複数回用量」キット)のための物質を含んでもよい。したがって、例えば、10用量のための抗原が、1つの容器中に含まれ得、10用量のためのアジュバントが、第2の容器中に含まれ得る。上記2つの成分は、外科手術において使用日の朝に混合されて、その日の間における一連の患者に対する投与のための10用量を提供し得る。各用量は、投与のために新しい注射器中に引かれる。保存剤を含むことが、複数回用量の準備において好ましい。複数回用量組成物中に保存剤を含むことの代わりとして(またはそれに加えて)、その組成物は、物質を除去するための無菌のアダプターを有する容器中に含まれ得る。
(処置およびワクチンの投与の方法)
混合後において、本発明の組成物は、ヒト患者への投与に適しており、そして本発明は、患者における免疫応答を惹起する方法を提供し、本発明の組成物をその患者に投与する工程を包含する。
本発明はまた、医薬として使用するための本発明のキットまたは組成物を提供する。
本発明はまた、患者における免疫応答を惹起するための医薬の製造における、(i)インフルエンザウイルス抗原および(ii)アルミニウム塩を含むアジュバント成分の使用を提供し、その医薬は、分離した成分として上記抗原とアジュバントとを含む。
これらの方法および使用によって惹起された免疫応答は、一般に、抗体応答(好ましくは、防御的な抗体応答)を含む。インフルエンザウイルスワクチン接種後の抗体応答、中和能力および防御を評価するための方法は、当該分野において周知である。ヒト研究は、ヒトインフルエンザウイルスの赤血球凝集素に対する抗体価は防御と相関することを示している(約30〜40の血清サンプル赤血球凝集−抑制力価(titre)は、同種のウイルスによる感染に対する約50%の防御を与える)[85]。抗体応答は、代表的に、赤血球凝集抑制、マイクロ中和、一次元放射状免疫拡散(SRID)、および/または単純放射溶血(single radial hemolysis)(SRH)によって測定される。これらのアッセイ技術は、当該分野において周知である。
本発明の組成物は、種々の手段で投与され得る。最も好ましい免疫感作経路は、筋肉内注射(例えば、腕または脚)によるものであるが、他の利用可能な経路としては、皮下注射、鼻腔内[86〜88]、経口[89]、皮内[90,91]、経皮(transcutaneous)、経皮(transdermal)[92]などが挙げられる。
本発明に従って調製されるワクチンは、小児および成人の両方を処置するために使用され得る。インフルエンザワクチンは、最近、小児および成人の免疫感作における6月齢からの使用について推奨される。したがって、上記患者は、1歳未満、1〜5歳、5〜15歳、15〜55歳、または少なくとも55歳であり得る。上記ワクチンを受容するための好ましい患者は、高齢者(例えば、50歳以上、60歳以上、および好ましくは65歳以上)、若年者(例えば5歳以下)、入院患者、医療従事者、国軍および軍人、妊婦、慢性疾患患者、免疫不全患者、そのワクチンを受容する前の7日間において抗ウイルス化合物(例えば、オセルタミビルまたはザナミビル化合物(例えば、リン酸オセルタミビル)−以下を参照のこと)を摂取している患者、卵アレルギーを有する者および海外渡航者である。上記ワクチンは、これらの群に対してのみ適しているわけではないが、より一般的には集団において使用され得る。流行株に関して、全ての年齢群に対する投与が、好ましい。
本発明によって産生されるワクチンは、他のワクチン(麻疹ワクチン、流行耳下腺炎ワクチン、風疹ワクチン、MMRワクチン、水痘ワクチン、MMRVワクチン、ジフテリアワクチン、破傷風ワクチン、百日咳ワクチン、DTPワクチン、結合体化b型H.influenzaeワクチン、不活性化ポリオウイルスワクチン、B型肝炎ウイルスワクチン、髄膜炎菌結合体ワクチン(例えば、四価A−C−W135−Yワクチン)、RSウイルスワクチン、肺炎球菌結合体ワクチンなど)と実質的に同時(例えば、医療専門家またはワクチン接種センターによる同一の医学的な対診または診察の間)に患者に対して投与され得る。肺炎球菌ワクチンまたは髄膜炎菌ワクチンと実質的に同時の投与は、特に、高齢患者において有用である。
同様に、本発明のワクチンは、抗ウイルス化合物、および特に、インフルエンザウイルスに対して活性な抗ウイルス化合物(例えばオセルタミビル)と実質的に同時(例えば、医療専門家による同一の医学的な対診または診察の間)に患者に対して投与され得る。これらの抗ウイルス剤としては、ノイラミニダーゼインヒビター(例えば、(3R,4R,5S)−4−アセチルアミノ−5−アミノ−3(1−エチルプロポキシ)−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸(そのエステル(例えば、エチルエステル)およびその塩(例えば、リン酸塩)を含む))が挙げられる。好ましい抗ウイルス剤は、(3R,4R,5S)−4−アセチルアミノ−5−アミノ−3(1−エチルプロポキシ)−1−シクロヘキセン−1−カルボン酸,エチルエステル,ホスフェート(1:1)(リン酸オセルタミビル(TAMIFLUTM)としても公知である)である。
処置は、単回用量スケジュールまたは複数回用量スケジュールによるものであり得る。複数回用量は、一次免疫感作スケジュールおよび/または追加免疫感作スケジュールにおいて使用され得る。1つより多い用量(代表的に、2用量)の投与は、特に、免疫学的にナイーブな患者において有用である(例えば、以前にインフルエンザワクチンを受容したことがない者のためか、または新規のHAサブタイプに対してワクチン接種するため(流行の発生において))。複数回用量は、代表的に、少なくとも1週間(例えば、約2週間、約3週間、約4週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約16週間など)の間隔を空けて投与される。
本発明の組成物およびキットが、アルミニウムベースのアジュバントを含む場合、成分の沈殿が保存の間に生じ得る。したがって、上記組成物は、患者への投与の前に振盪されなければならない。振盪された組成物は、不透明な白色の懸濁物である。
(一般)
用語「含む(comprising)」は、「含有する(including)」および「からなる」を包含し、例えば、Xを「含む」組成物は、専らXからなり得るか、またはさらなる何かを含有し得る(例えば、X+Y)。
用語「実質的に」は、「完全に」を排除せず、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まなくても良い。必要である場合、語「実質的に」は、本発明の定義から省略され得る。
数値xに関する用語「約」は、例えば、x±10%を意味する。
詳細に述べられていなければ、2つ以上の成分を混合する工程を含むプロセスは、混合の任意の特定の順序を要求しない。したがって、成分は任意の順序で混合され得る。3つの成分が存在するとき、そのときは、2つの成分が互いと組み合わされ得、そして次にこの組み合わせが、第3の成分と組み合わされ得るなどである。
抗原がアジュバントに「吸着される」と記載される場合、少なくとも50重量%(例えば、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、98重量%またはそれ以上)の抗原が吸着されることが好ましい。
動物(および特にウシ)材料が細胞の培養に使用される場合、それらを、伝染性海綿状脳症(TSE)のない、および特にウシ海綿状脳症(BSE)のない供給源から取得しなければならない。総合的に、動物に由来する材料の完全な非存在下で細胞を培養することが、好ましい。
細胞基質が、リアソータント手順または逆方向遺伝学手順のために使用される場合、それは、好ましくは、例えば、Ph Eur総論(general chapter)5.2.3にあるようなヒトワクチン生産における使用について承認されているものである。
(本発明を実施するための様式)
インフルエンザウイルスワクチンにアジュバント添加するためのアルミニウム塩の使用に関連する上記の懸案事項に起因して、アジュバント成分および抗原成分が使用時まで別々に保持されるが、抗原吸着が依然として行われ得るワクチンが調製され得るか否かを調査することを、決定した。このアプローチの可能性を決定するために、インフルエンザウイルス由来の精製された表面抗原を、水酸化アルミニウム懸濁物と混合した。混合の直後、そのアルミニウム塩を、卓上遠心分離によって沈殿させ、その上清中に残存するタンパク質の量(すなわち、吸着されていないタンパク質の量)を、測定した。
(現在のA型インフルエンザウイルス株)
赤血球凝集素を、インフルエンザウイルスA/New Caledonian(H1N1)またはインフルエンザウイルスA/Wyoming(H3N2)から精製し、そして希釈して、1mlあたり75μgのHAを得た。水酸化アルミニウムアジュバントを、4.25mg/ml(1mlあたり約1.5mgのAl+++)にて調製した。1mlのアジュバント懸濁物を、15ml Falconチューブ中の4mlの抗原溶液に添加し、そしてその混合物を、反転し、そして室温でインキュベートした。サンプルを、時間0にて採取し、次いで5分、10分、20分、30分、60分、90分および120分にて採取した。コントロールは、抗原単独(10mM PBS(pH7.7))またはアジュバント単独(10mM PBS(pH7.7))であった。サンプルを、4000rpmにて直ちに遠心分離して、吸着された材料を分析のために沈殿させた。タンパク質含量を、BioRadTMタンパク質アッセイおよび未変性SDS−PAGEによって評価した。
上記2つの株についての吸着研究の結果は、以下の通りであり、抗原のみのコントロールのタンパク質含量である100%に対して正規化された。
Figure 0005005700
したがって、高い程度の吸着が、非常に迅速に生じる。種々の時点における違いは、有意ではなかった。その結果を確かめるために、SYPROルビー色色素(ruby dye)染色を、上清のSDS−PAGE分離において使用した。タンパク質バンドは、アジュバントコントロール、0分、5分、10分、20分または30分のサンプルにおいて見ることができなかった。したがって、任意のタンパク質の存在は、1〜2ngのタンパク質を検出するために十分に感受性であるこの方法による検出の限界を下回った。
結果は、上記抗原の少なくとも97%が上記アジュバントに迅速に吸着したことを示した。驚くべきことに、吸着は、本質的に即座に生じ、上記アジュバントに予め吸着することなくアジュバントインフルエンザワクチンが分配されることを可能にする。したがって、アジュバントワクチンは、より迅速に調製され得、このことは、流行性の状況において最も有用である。これらの結果は、A型インフルエンザウイルスの2つの異なる株によって達成され、そして同じ効果が他の株および不溶性アルミニウム塩に基づく他のアジュバントによって見られることは、十分に予期される。
(流行性インフルエンザA株)
A/Vietnam/1203/2004 x A/PR/8/34(H5N1)インフルエンザウイルス2:6リアソータントの精製された表面抗原の処方物を、調製した。SRIDによって測定したところ、赤血球凝集素含量を、1mLあたり41μgのHAであると推定した。30mLのA/H5N1を、Ultrafree−15遠心分離フィルターデバイスを使用して、約15mLまで濃縮した。元のA/H5N1および濃縮したA/H5N1の両方の総タンパク質含量を、0〜50μg/mLのγグロブリン検量線を用いてBio−Radタンパク質アッセイによって決定した。この結果を使用して、総タンパク質に対するHAの割合を、算出した。次いでこの値を使用して、A/H5N1の溶液1mLあたり60μgのHAに必要とされる最終容量を算出した。
0.7mLの2mg/mL水酸化アルミニウムアジュバントを、1.5mL微量遠心チューブにおける、0.7mLの、MBP 1mLあたり60μgのHAに添加した。その溶液を、反転によって混合し、そして室温(約20℃)でインキュベートした。2連のサンプルを、5分、10分、30分、2時間、8時間、および24時間にて採取した。コントロールは、HA 0.7mLの10mM PBS(pH7.7)を0.7mLの、MBP 1mLあたり60μgのHAに添加したもの、および0.7mLの10mM PBS(pH7.7)を0.7mLの2mg/mL水酸化アルミニウムに添加したものであった。サンプルを、13000rpmで1分間にわたって室温にて遠心分離して、懸濁した水酸化アルミニウムを取り出し、そして上清を、標識した7mL滅菌ビジョウ(bijou)中にデカントした。結果を、上に記載したように、BioRadTMタンパク質アッセイ、およびSYPRO色素を用いた未変性SDS−PAGEによって分析し、そしてその結果は、以下の通りであった。
Figure 0005005700
A/H5N1処方物についての結果は、等量のA/New Caledonia調製物およびA/Wyoming調製物を使用して行った実験に匹敵した。非常に低いレベルのタンパク質が、全てのサンプルについての上清において、Bio−Radタンパク質アッセイを使用して検出され、このことは、ほぼ全てのタンパク質が水酸化アルミニウムペレットに結合したままであったことを確認した。SDS−PAGE分離後のそれらのサンプルの感受性SYPROルビー色色素染色は、アジュバントコントロールにも6つの時間サンプルのいずれにおいてもタンパク質バンドを示さなかった。したがって任意のタンパク質の存在は、この方法による検出の限界を下回った。任意の上記時点におけるタンパク質濃度の間において、有意差は存在しなかった。水酸化アルミニウムコントロールおよび時間サンプルについての全てのサンプル吸光度、およびその後のタンパク質濃度の推定は、5〜50μg/mLの検量線の下限を下回った。
したがって、そのデータは、A/H5TM1タンパク質が上記アルミニウム塩アジュバントに即座に吸着され、かつ少なくとも24時間にわたって安定して結合したままであることを示す。
(ヒト臨床データ)
参考文献93において報告される通り、非盲検の無作為化非対照第1相臨床試験における300人のボランティアは、6種の不活化された一価スプリットインフルエンザA/Vietnam/1194/2004(H5N1)ワクチン処方物(水酸化アルミニウムアジュバントを伴うかまたは水酸化アルミニウムアジュバントを伴わない、3種の異なる用量のHA(7.5μg、15μgまたは30μgを含む)のうちの1種を受容した。個体は、2回のワクチン接種を受け、そして血液サンプルを、赤血球凝集抑制およびマイクロ中和によって分析した。
上記ワクチンを、VAXIGRIPTM大流行間期ワクチン(interpandemic vaccine)に対して使用される使用許可された製造プロセスを使用して有胚の鶏卵において産生した[94]。ワクチン株は、NIBSCによって調製されたインフルエンザA/Vietnam/1194/2004/NIBRG14(H5N1)参照株であった。この株は、高度に病原性の鳥類株インフルエンザA/Vietnam/1194/2004由来の改変された赤血球凝集素およびノイラミニダーゼ、ならびにインフルエンザA/PR/8/34(H1N1)由来の他のウイルスタンパク質を含む。その赤血球凝集素を、改変して、切断部位における複数個の塩基性アミノ酸の配列(multibasic amino acid sequence)を除去した。
0.5ml注射器(23ゲージ、1インチの針)に、上記スプリットワクチンを、アジュバントを含まないリン酸緩衝化生理食塩溶液中の7.5μg、15μg、または30μgのレベルの赤血球凝集素にて充填した。アジュバント添加していないワクチン接種のために、これらの注射器を、患者に直接使用した。しかし、アジュバント添加したワクチン接種のために、注射器の内容物を、水酸化アルミニウムアジュバントを含む注射器の内容物であるような滅菌バイアルに注入した。この混合を、ベッドサイドで使用直前に行い、そして混合の10秒後に、その内容物を、上記抗原/アジュバント懸濁物を均質化するために穏やかに回転させながら、新しい注射器(23ゲージ、1インチの針)中に引き、そして患者に対して筋肉内(三角筋)に注射した。注射容量は、アジュバント添加した30μg処方物(1mI容量)を除いて、0.5mlであった。ワクチンの最終的なアジュバント含量は、600μgであった。抗原とアジュバントとを混合する予備的研究は、全3種の抗原用量について同様の吸光係数を示した。
各々の参加者は、21日間の間隔(0日目および21日目)を空けて2回の筋肉内注射を受けた。血液サンプルを、0日目、21日目および42日目に採取した。
全6種の処方物は、0日目と42日目との間における深刻な有害事象の報告、重篤な注射部位の疼痛、および38℃より高い口腔温度を伴う熱性のエピソードを伴わずに良好に許容された。
全ての処方物は、免疫応答を誘導し、その免疫応答は、1用量のみの後に幾人かの個体において検出可能な応答を有した。赤血球凝集素抑制に関して、各群の6%と34%との間は、21日目において32以上の力価を有し、42日目においてその割合は28〜67%まで増加した。中和抗体応答は、赤血球凝集素抑制の様式と同様の様式に従った。アジュバント添加した30μg処方物は、最も大きい応答(2回のワクチン接種後に67%の赤血球凝集素−抑制セロコンバージョン率)を誘導した。特に、アジュバント添加した30μg H5N1ワクチンによる2用量レジメンは、季節性インフルエンザワクチンの交付についての欧州規制基準(European regulatory requirement)と一致する免疫応答を示した。
本発明は例示のみによって記載され、そして改変は本発明の範囲および精神の中にあるままでもなされ得ることが、理解される。
(参考文献(その内容は、本明細書によって参考として援用される))
Figure 0005005700
Figure 0005005700
Figure 0005005700

Claims (18)

  1. (i)インフルエンザウイルス抗原を含む抗原成分;および
    (ii)アルミニウム塩を含むアジュバント成分
    を備える、キットであって、ここで、
    該抗原および該アジュバントは、患者に対する投与の30分前まで分離して保持され、かつ、混合されず、そして、該混合は、室温で実施される、キット。
  2. 前記成分の一方または両方は、バイアル中にある、請求項1に記載のキット。
  3. 前記成分の一方または両方は、注射器中にある、請求項1に記載のキット。
  4. 前記成分の一方は、注射器中にあり、そして他方の成分は、バイアル中にある、請求項1に記載のキット。
  5. 前記抗原成分は、注射器中にある、請求項4に記載のキット。
  6. 前記インフルエンザウイルス抗原は、不活化ウイルスである、請求項1〜5のいずれかに記載のキット。
  7. 前記インフルエンザウイルス抗原は、全ウイルス抗原、スプリットウイルス抗原、または精製された表面抗原を含む、請求項6に記載のキット。
  8. 前記インフルエンザウイルス抗原は、H1、H2、H3、H5、H7またはH9のA型インフルエンザウイルスサブタイプ由来である、請求項1〜7のいずれかに記載のキット。
  9. 前記インフルエンザウイルス抗原は、卵において増殖されたインフルエンザウイルスから調製される、請求項1〜8のいずれかに記載のキット。
  10. 前記インフルエンザウイルス抗原は、細胞培養物において増殖されたインフルエンザウイルスから調製される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のキット。
  11. 前記インフルエンザウイルス抗原成分は、オボアルブミン、オボムコイドおよびニワトリDNAを含まない、請求項1〜8のいずれか1項に記載のキット。
  12. 前記インフルエンザウイルス抗原成分は、前記細胞培養物の宿主由来の10ng未満の細胞DNAを含む、請求項10に記載のキット。
  13. 前記インフルエンザウイルス抗原成分は、該成分中に1ウイルス株あたり0.1μgと50μgとの間の赤血球凝集素を含む、請求項1〜12のいずれかに記載のキット。
  14. 前記アジュバント成分は、水酸化アルミニウムアジュバントを含む、請求項1〜13のいずれかに記載のキット。
  15. 前記アジュバント成分は、リン酸アルミニウムアジュバントを含む、請求項1〜14のいずれかに記載のキット。
  16. (i)インフルエンザウイルス抗原を含む抗原成分を調製する工程;
    (ii)アルミニウム塩を含むアジュバント成分を調製する工程;および
    (iii)該抗原成分と該アジュバント成分とをキット中に組み合わせる工程;
    を包含する、インフルエンザワクチンを調製するための方法であって、ここで、
    該抗原および該アジュバントは、患者に対する投与の30分前まで分離して保持され、かつ、混合されず、そして、該混合は、室温で実施される、方法。
  17. 医療において使用するための、請求項1〜15のいずれか1項に記載のキット。
  18. 患者において免疫応答を惹起するための医薬の製造における、(i)インフルエンザウイルス抗原および(ii)アルミニウム塩を含むアジュバント成分の使用であって、該医薬は、該抗原および該アジュバントを分離した成分として含み、該抗原および該アジュバントは、患者に対する投与の30分前まで混合されず、そして、該混合は、室温で実施される、使用。
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