JP5004489B2 - 燃料電池用セルおよびその製造方法、固体高分子型燃料電池 - Google Patents

燃料電池用セルおよびその製造方法、固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池に備えられる燃料電池用セルおよびその製造方法、燃料電池用セルを有する固体高分子型の燃料電池に関する。
燃料電池は、水素を含む燃料と酸素を含む酸化剤とを連続的に供給し、これらが反応したときの化学エネルギーを電力として取り出す発電システムである。燃料電池としては様々な種類のものが知られているが、中でも、燃料電池を構成する電解質膜が固体高分子である固体高分子型燃料電池が普及しつつある。
固体高分子型燃料電池は、燃料電池用セルを有している。燃料電池用セルとしては、例えば、酸化剤の供給口および排出口が形成された第1のセパレータと、酸化剤を拡散させる第1の導電性多孔質体と、イオン伝導性を有する電解質膜と、燃料を拡散させる第2の導電性多孔質体と、燃料の供給口および排出口が形成された第2のセパレータとを具備するものが知られている。前記第1の導電性多孔質体としては、例えば、電解質膜側に設けられ、酸化剤から酸素イオンを生成させるイオン化触媒を含有する第1の触媒層と、第1のセパレータ側に設けられた第1のガス拡散層とを有するものが使用されている。また、前記第2の導電性多孔質体としては、例えば、電解質膜側に設けられ、燃料から水素イオンを生成させるイオン化触媒を含む第2の触媒層と、第2のセパレータ側に設けられた第2のガス拡散層とを有するものが使用されている。
燃料電池用セルの導電性多孔質体としては、発電性能を高くするために、ガス拡散性および導電性が高いものが要求されている。その要求を満たすために、例えば、特許文献1では、炭素繊維を含むものが提案されている。
特開2005−294115号公報
しかし、特許文献1に記載の導電性多孔質体を具備する燃料電池用セルを用いた固体高分子型燃料電池は、発電性能が充分に高いとはいえなかった。例えば、電流密度を上げようとすると急激に電圧が低下することがあった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、発電性能に優れた固体高分子型燃料電池を得るための燃料電池用セルおよびその製造方法を提供することを目的とする。また、発電性能に優れた固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らが、特許文献1に記載の導電性多孔質体を具備する燃料電池用セルの発電性能が不充分である理由について検討した結果、発電によって生成した水が充分に排出されずに導電性多孔質体内に蓄積してしまい、電荷やイオンの移動を妨げるためであることを見出した。そして、その知見に基づき、検討した結果、以下の燃料電池用セルおよびその製造方法と固体高分子型燃料電池を発明した。
[1] 電解質膜と、該電解質膜を挟むように積層され、少なくとも電解質膜側にイオン化触媒を含むシート状または板状の導電性多孔質体と、前記電解質膜および該導電性多孔質体を挟むように積層され、流体の供給口および排出口が形成されたシート状のセパレータとを具備する燃料電池用セルであって、
少なくとも一方の導電性多孔質体が、結着樹脂と導電性繊維とを含む導電性繊維含有多孔質体であり、該導電性繊維含有多孔質体が、電解質膜側に配置され、イオン化触媒と導電性物質と結着樹脂とを含む触媒層と、セパレータ側に配置され、導電性物質を含むガス拡散層とを有し、前記触媒層が、導電性繊維が流体の流動方向に沿って配向している配向層を備えることを特徴とする燃料電池用セル。
[2] 電解質膜と、該電解質膜を挟むように積層され、少なくとも電解質膜側にイオン化触媒を含むシート状または板状の導電性多孔質体と、前記電解質膜および該導電性多孔質体を挟むように積層され、流体の供給口および排出口が形成されたシート状のセパレータとを具備する燃料電池用セルであって、
少なくとも一方の導電性多孔質体が、結着樹脂と導電性繊維とイオン化触媒とを含む導電性繊維含有多孔質体であり、該導電性繊維含有多孔質体が、導電性繊維が流体の流動方向に沿って配向している配向層からなることを特徴とする燃料電池用セル。
[3] 電解質膜の両面に、少なくとも電解質膜側にイオン化触媒を含むシート状または板状の各導電性多孔質体を形成し、各導電性多孔質体に、流体の供給口および排出口が形成されたシート状のセパレータを積層する燃料電池用セルの製造方法であって、
少なくとも一方の導電性多孔質体が、電解質膜側に配置され、イオン化触媒と導電性物質と結着樹脂とを含む触媒層と、セパレータ側に配置され、導電性物質を含むガス拡散層とを有し、前記触媒層は、導電性繊維と結着樹脂と分散媒とを含む導電性繊維含有スラリーを用いて導電性繊維を一方向に配向させることにより形成した導電性繊維含有層を備える導電性繊維含有多孔質体であり、
該導電性繊維含有多孔質体にセパレータを積層する際には、導電性繊維含有層中の導電性繊維が流体の流動方向に沿って配向するように積層することを特徴とする燃料電池用セルの製造方法。
[4] 電解質膜の両面に、少なくとも電解質膜側にイオン化触媒を含むシート状または板状の各導電性多孔質体を形成し、各導電性多孔質体に、流体の供給口および排出口が形成されたシート状のセパレータを積層する燃料電池用セルの製造方法であって、
少なくとも一方の導電性多孔質体が、導電性繊維と結着樹脂とイオン化触媒と分散媒とを含む導電性繊維含有スラリーを用いて導電性繊維を一方向に配向させることにより形成した導電性繊維含有層からなる導電性繊維含有多孔質体であり、
該導電性繊維含有多孔質体にセパレータを積層する際には、導電性繊維含有層中の導電性繊維が流体の流動方向に沿って配向するように積層することを特徴とする燃料電池用セルの製造方法。
] 請求項1または2に記載の燃料電池用セルを有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
なお、本発明において、積層とは、層同士を直接重ねることを意味するだけでなく、層の間に別の層を介在させて重ねることも意味する。
本発明の燃料電池用セルによれば、発電性能に優れた固体高分子型燃料電池を得ることができる。
本発明の燃料電池用セルの製造方法によれば、発電性能に優れた燃料電池を得るための燃料電池用セルを製造できる。
本発明の固体高分子型燃料電池は、発電性能に優れたものである。
<燃料電池用セル>
(第1の実施形態例)
本発明の燃料電池用セル(以下、セルと略す。)の第1の実施形態例について説明する。本実施形態例は、導電性多孔質体がガス拡散層と触媒層とを有し、ガス拡散層が配向層を備える例である。
図1に、本実施形態例のセルを示す。本実施形態例のセル1aは、第1のセパレータ10と、第1の導電性多孔質体20a、電解質膜30と、第2の導電性多孔質体40aと、第2のセパレータ50とを具備し、これらが積層されたものである。すなわち、電解質膜30と、電解質膜30を挟むように積層された第1の導電性多孔質体20aおよび第2の導電性多孔質体40aと、電解質膜30および第1の導電性多孔質体20aおよび第2の導電性多孔質体40aを挟むように積層された第1のセパレータ10および第2のセパレータ50とを具備するものである。
なお、一般に、セルにおいて、酸化剤が供給される側をカソード側といい、燃料が供給される側をアノード側という。
[第1のセパレータ]
第1のセパレータ10は、図2に示すように、矩形状のシートからなり、長手方向の一方の縁に幅方向に沿う略矩形状の酸化剤の供給口11aが形成され、他方の縁に幅方向に沿う略矩形状の酸化剤の排出口11bが形成され、供給口11aから排出口11bに向けて(すなわち、長手方向に沿って)直線状の溝12が複数形成されたものである。このように、長手方向に沿って直線状の溝12が複数形成されたセパレータは、一般に、ストレート型セパレータと称されるものである。
この第1のセパレータ10では、供給口11aから供給された酸化剤が溝12に沿って流動し、発電に使用されなかった酸化剤が排出口11bにて排出されるようになっている。ここで、酸化剤としては、例えば、酸素、空気などが挙げられる。
第1のセパレータ10は、電極としての機能を持たせるために導電性を有していることが好ましい。また、第1のセパレータ10は耐食性に優れることが好ましい。導電性および耐食性を有する第1のセパレータ10としては、たとえば、黒鉛、ステンレス等の金属などからなるセパレータが挙げられる。
[第1の導電性多孔質体]
第1の導電性多孔質体20aは、第1のセパレータ10側に配置された第1のガス拡散層21と、電解質膜30側に配置された第1の触媒層22とを有するものであり、結着樹脂と導電性繊維を含む導電性繊維含有多孔質体である。
・第1のガス拡散層
本実施形態例における第1のガス拡散層21は、結着樹脂と、流体である酸化剤の流動方向に沿って配向している導電性繊維とを含む配向層21a、および、導電性繊維を含まない多孔質性の非配向層21bを備えるものである。この第1のガス拡散層21は、第1のセパレータ10の供給口11aから供給された酸化剤を拡散させるものである。
ここで、「酸化剤の流動方向に沿って配向している導電性繊維」とは、酸化剤の流動方向に対して角度0〜35度で配置されている導電性繊維のことを意味する。
配向層21aは、結着樹脂中に導電性繊維が含まれることにより、多孔質になっている。
配向層21aを構成する結着樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(ポリフッ化ビニリデン、PVdF)、ポリヘキサフルオロプロピレン(HFP)、エチレン・テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)などが挙げられる。
配向層21aに含まれる導電性繊維としては、例えば、炭素繊維、金属繊維などが挙げられる。
炭素繊維としては、例えば、気相成長炭素繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、フェノール系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維などが挙げられる。
金属繊維としては、例えば、ステンレス繊維、金繊維、銀繊維などが挙げられるが、酸化雰囲気中で酸化しにくいものであればどのような材質でも構わない。金属繊維としては、導電性が特に高い上に、セル1a内の酸性雰囲気に耐えられることから、上記例示の中でも、ステンレス繊維が好ましい。
導電性繊維の中でも、電気抵抗率が低く、電荷をより効率的に集電でき、発電性能がより高くなることから、炭素繊維が好ましい。
導電性繊維のアスペクト比は50〜10000であることが好ましく、100〜2000であることがより好ましい。導電性繊維のアスペクト比が50以上であれば、燃料電池の発電性能がより高くなり、10000以下であれば、容易に配向させることができる。
配向層21aは、導電性物質である上記導電性繊維を含有することによって導電性が発現するが、導電性繊維以外の導電性物質(以下、他の導電性物質という。)を含有して、導電性を高めてもよい。他の導電性物質としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、フラーレンなどが挙げられる。
配向層21aにおける導電性繊維および他の導電性物質の合計量aと結着樹脂の量bの質量比(a/b)は、0.5〜3.0であることが好ましい。a/bが0.5以上であれば、配向している導電性繊維の量が多くなり、セル1aを用いる燃料電池の発電性能がより向上し、a/bが3.0以下であれば、配向層21aを容易に形成できるようになる。
非配向層21bとしては、例えば、酸化剤の流動方向に沿って配向している導電性繊維を含まない以外は配向層21aと同じ構成の層、結着樹脂と他の導電性物質を含む層、カーボンペーパー、カーボンクロスなどが挙げられる。
第1のガス拡散層21の厚さは、100〜400μmであることが好ましい。厚さが100μm以上であれば、破断しにくくなり、400μm以下であれば、厚さ方向の電気抵抗値が小さくなる。なお、第1のガス拡散層21の厚さは、マイクロメーター(打点式厚み計)を用いて測定した値である。
・第1の触媒層
第1の触媒層22は、イオン化触媒と導電性物質と結着樹脂とを含有する層であり、導入された酸化剤から酸素イオンを生成させるものである。第1の触媒層22は、結着樹脂中にイオン化触媒および導電性物質が含まれることにより、多孔質になっている。
イオン化触媒としては、酸化剤から酸素イオン(O2−)を高い効率で生成できることから、白金触媒が好ましい。
また、イオン化触媒は、触媒効率が高くなることから、炭素材料に担持されていることが好ましい。触媒担持に使用される炭素材料としては、ファーネスブラックやチャネルブラックなどのカーボンブラックを用いることができる。
カーボンブラックとしては、比表面積や粒子径の大きさによらずいずれのグレードのものも使用可能であるが、触媒層の性能と生産性の両立の点では、比表面積が大きく、かつ二次凝集粒子の大きさが大きい高ストラクチャーのものが好ましい。高ストラクチャーのカーボンブラックとしては、例えば、ライオンアクゾ社製商品名:ケッチェンEC、キャボット社製商品名:VulcanXC72Rなどが挙げられる。これらの高ストラクチャーのカーボンブラックは、イオン化触媒を含有するスラリー中での分散性の高さと、電気抵抗の低さからも、好ましく用いられる。
また、カーボンブラック以外の炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック、黒鉛、フラーレンなどが挙げられる。
導電性物質としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、フラーレンなどが挙げられる。
第1の触媒層22に含まれる結着樹脂としては、電解質膜30からの水素イオンの伝達が容易になることから、イオン伝導性樹脂が好ましい。イオン伝導性樹脂としては、プロトン(水素イオン)交換基を有するものが用いられる。プロトン交換基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、などが好適に用いられる。中でも、フルオロアルキルエーテル側鎖とフルオロアルキル主鎖から構成されるプロトン交換基を有する樹脂、例えば、デュポン社製 商品名:ナフィオン等がより好ましく用いられる。
第1の触媒層22は、発電性能がより高くなることから、酸化剤の流動方向に沿って配向している導電性繊維を含むことが好ましい。導電性繊維としては、配向層21aに含まれるものと同じものが挙げられる。
第1の触媒層22におけるイオン化触媒および導電性物質の合計量cと結着樹脂の量dの質量比(c/d)は、0.5〜3.5であることが好ましい。c/dが0.5以上であれば、セル1aを用いる燃料電池の発電性能がより向上し、c/dが3.5以下であれば、第1の触媒層22を容易に形成できるようになる。
また、触媒量としては、第1の触媒層22中の15〜40質量%であることが好ましい。触媒量が15質量%未満であると、セル1aを用いる燃料電池の発電性能が低下することがある。また、触媒量が40質量%を超えても、セル1aを用いる燃料電池の発電性能が低下することがある。この理由は明らかではないが、触媒量を増加させた場合には、相対的にイオン伝導樹脂の含有量が低下し、触媒層内のイオン輸送性が低下するためであると考えられる。
第1の触媒層22の厚さは、10〜50μmであることが好ましい。厚さが10μm以上であれば、破断しにくくなり、50μm以下であれば、厚さ方向のイオン移動距離が小さくなる。なお、第1の触媒層22の厚さも、マイクロメーター(打点式厚み計)を用いて測定した値である。
第1の導電性多孔質体20aの空隙率は、15〜75%であることが好ましい。空隙率が15%以上であれば、充分な空隙を有するために流体が流れやすくなり、75%以下であれば、充分な強度を有するものとなる。ここで、空隙率は、ユアサアイオニクス株式会社製水銀圧入式細孔分布測定装置ポアマスター33Pを用いて、6nm〜900μmの細孔容積を測定して求めた値である。
[電解質膜]
電解質膜30としては、イオン伝導性を有する固体高分子電解質膜からなるものを用いることができ、例えば、デュポン社製 商品名:ナフィオン117、同社製 商品名:ナフィオン112等が挙げられる。
[第2の導電性多孔質体]
第2の導電性多孔質体40aは、第2のガス拡散層41と第2の触媒層42とを備えるものである。
・第2のガス拡散層
第2のガス拡散層41としては、第1のガス拡散層21と同様のものを用いてもよいし、第1のガス拡散層21の非配向層21bと同様のもののみを用いてもよい。
・第2の触媒層
第2の触媒層42としては、第1の触媒層22と同様のものを用いることができる。ただし、第2の触媒層42に含まれるイオン化触媒としては、燃料から水素イオン(H)を高効率で生成できることから、白金とルテニウムからなる合金触媒が好ましい。
[第2のセパレータ]
第2のセパレータ50は第1のセパレータ10と同様のものを使用することができる。
この第2のセパレータ50では、供給口11aから供給された燃料が溝12に沿って流動し、発電に使用されなかった燃料が排出口11bから排出されるようになっている。ここで、燃料としては、例えば、水素、メタノールやエタノール等のアルコールなどが挙げられる。
[製造方法]
上述したセル1aの製造方法の一例について説明する。
セル1aを製造するためには、あらかじめ、第1のガス拡散層21、第2のガス拡散層41、第1の触媒層22、第2の触媒層42を形成しておく。
第1のガス拡散層21を形成するためには、導電性繊維含有層を形成する。導電性繊維含有層を形成するためには、まず、導電性繊維と結着樹脂と分散媒とを含む導電性繊維含有スラリーを調製する。
導電性繊維含有スラリー用の分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
次いで、導電性繊維含有スラリーに配向処理を施して、最終的に配向層21aになる導電性繊維含有層を形成する。ここで、配向処理とは、導電性繊維を一方向に配向させる処理のことである。配向処理の方法としては、導電性繊維含有スラリーに一方向に剪断力をかける処理方法が適用され、例えば、ロールコート法、ドクターブレード法などの導電性繊維含有スラリーを一方向に引き伸すように塗工する方法、導電性繊維含有スラリーをシートの上に塗布した後、ロールにより圧延する方法、スクリーン印刷法などが挙げられる。
次いで、導電性繊維含有層に非配向層21bを積層して第1のガス拡散層21を得る。その際の積層方法としては、ロールプレスによって圧着する方法などが挙げられる。
第2のガス拡散層41を形成するためには、まず、導電性物質と結着樹脂と分散媒とを含む第2のガス拡散層形成用スラリーを調製する。
第2のガス拡散層形成用スラリー用の分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
次いで、第2のガス拡散層形成用スラリーを支持体上に塗布、乾燥して第2のガス拡散層41を得る。支持体としては、触媒層22,42の形成に用いたものを使用でき、塗布、乾燥方法についても触媒層22,42の形成と同じ方法が適用できる。
第1の触媒層22および第2の触媒層42を形成するためには、まず、イオン化触媒と導電性物質と結着樹脂と分散媒とを含み、必要に応じて導電性繊維をさらに含む触媒層形成用スラリーを調製する。ここで、触媒層形成用スラリー用の分散媒としては、水が好ましく、水の中でもイオン交換水がより好ましい。また、分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどを使用することもできる。
イオン化触媒と導電性物質と結着樹脂と分散媒とを混合する際には、イオン化触媒の分散性を高めるために、超音波分散装置を用いることが好ましい。
そして、触媒層形成用スラリーを支持体に塗布、乾燥して支持体付きの第1の触媒層22および第2の触媒層42を形成する。
支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ四フッ化エチレン、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)等からなるフィルムが挙げられる。また、表面が離型処理された樹脂フィルムを用いることもできる。
触媒層形成用スラリーの塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法などが挙げられる。ただし、第1の触媒層22を一方向に配向している導電性繊維を含む触媒層とする場合には、ロールコート法、ドクターブレード法などの触媒層形成用スラリーを一方向に引き伸ばすように塗工する方法、スクリーン印刷法を適用することが好ましい。
乾燥は、自然乾燥であってもよいし、ドライヤー等を用いた加熱乾燥であってもよい。
次いで、電解質膜30の一方の面に支持体付きの第1の触媒層22を積層し、他方の面に支持体付きの第2の触媒層42を積層し、各支持体を各触媒層22,42から剥離する。
次いで、第1の触媒層22に第1のガス拡散層21を、導電性繊維含有層21aが接するように積層して、導電性繊維含有多孔質体である第1の導電性多孔質体20aを形成し、第2の触媒層42に第2のガス拡散層41を積層して第2の導電性多孔質体40aを形成する。
そして、第1のガス拡散層21に第1のセパレータ10を、導電性繊維含有層中の導電性繊維が酸化剤の流動方向に沿って配向するように積層する。この積層により導電性繊維含有層が配向層21aになる。
また、第2のガス拡散層41に第2のセパレータ50を積層して、セル1aを得る。
本実施形態例のセル1aでは、配向層21a中の導電性繊維が、酸化剤の流動方向に沿って配向しているため、発電の際に第1の触媒層22にて生成した水が、酸化剤の流れに伴って第1のセパレータ10の排出口11bに移送されやすくなっている。したがって、このセル1aを用いれば、発電の際に生成した水を排出口11bから容易に排出でき、水による酸化剤の移動の阻害を防止できるため、発電性能が向上するものと考えられる。
(第2の実施形態例)
本発明のセルの第2の実施形態例について説明する。本実施形態例は、導電性多孔質体がガス拡散層と触媒層とを有し、触媒層が配向層である例である。
図3に、本実施形態例のセルを示す。本実施形態例のセル1bは、第1のセパレータ10と、第1の導電性多孔質体20b、電解質膜30と、第2の導電性多孔質体40aと、第2のセパレータ50とを具備し、これらが積層されたものである。すなわち、電解質膜30と、電解質膜30を挟むように積層された第1の導電性多孔質体20bおよび第2の導電性多孔質体40aと、電解質膜30および第1の導電性多孔質体20bおよび第2の導電性多孔質体40aを挟むように積層された第1のセパレータ10および第2のセパレータ50とを具備するものである。
なお、本実施形態例において第1の実施形態例と同じ構成のものは図1と同じ符号を付して説明を省略する。
[第1の導電性多孔質体]
本実施形態例における第1の導電性多孔質体20bは、第1のセパレータ10側に配置された第1のガス拡散層23と、電解質膜30側に配置された第1の触媒層24とを有するものであり、結着樹脂と導電性繊維を含む導電性繊維含有多孔質体である。
本実施形態例における第1の導電性多孔質体20bの空隙率は、第1の実施形態例の第1の導電性多孔質体20aと同様である。
・第1のガス拡散層
本実施形態例の第1のガス拡散層23は、導電性物質を含み、酸化剤の流動方向に沿って配向している導電性繊維を含まない層からなる。第1のガス拡散層23としては、例えば、第1の実施形態例における非配向層21bと同様のものを使用することができる。
本実施形態例の第1のガス拡散層23の厚さは、第1の実施形態例の第1のガス拡散層21と同様である。
・第1の触媒層
第1の触媒層24は、イオン化触媒と酸化剤の流動方向に沿って配向している導電性繊維と結着樹脂とを必須成分として含有し、任意成分として導電性物質を含有する配向層である。イオン化触媒および導電性繊維としては、第1の実施形態例と同じものを使用できる。また、結着樹脂としては、第1の実施形態例の第1の触媒層22と同様のものを使用できる。
第1の触媒層24におけるイオン化触媒および導電性繊維の合計量eと結着樹脂の量fの質量比(e/f)は、0.5〜3.5であることが好ましい。e/fが0.5以上であれば、セル1bを用いる燃料電池の発電性能がより向上し、e/fが3.5以下であれば、第1の触媒層24を容易に形成できるようになる。
また、触媒量としては、第1の触媒層24中の15〜40質量%であることが好ましい。触媒量が15質量%未満であると、セル1bを用いる燃料電池の発電性能が低下することがある。また、触媒量が40質量%を超えても、セル1bを用いる燃料電池の発電性能が低下することがある。この理由は明らかではないが、触媒量を増加させた場合には、相対的にイオン伝導樹脂の含有量が低下し、触媒層内のイオン輸送性が低下するためであると考えられる。
本実施形態例の第1の触媒層24の厚さは、第1の実施形態例の第1の触媒層22と同様である。
[製造方法]
上述したセル1bの製造方法の一例について説明する。
セル1bを製造するためには、あらかじめ、第1のガス拡散層23、第2のガス拡散層41、第1の触媒層24、第2の触媒層42を形成しておく。
第1の触媒層24を形成するためには、まず、イオン化触媒と導電性繊維と結着樹脂と分散媒と、必要に応じて導電性物質を含む導電性繊維含有スラリーを調製する。ここで、導電性繊維含有スラリー用の分散媒として水が好ましく、水の中でもイオン交換水がより好ましい。また、分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどを使用することもできる。
イオン化触媒と導電性繊維と結着樹脂と分散媒とを混合する際には、イオン化触媒の分散性を高めるために、超音波分散装置を用いることが好ましい。
次いで、導電性繊維含有スラリーに配向処理を施して、導電性繊維が一方向に配向している導電性繊維含有層を形成し、この導電性繊維含有層を第1の触媒層24として用いる。配向処理としては、第1の実施形態例と同様の方法を適用することができる。
次いで、第1のガス拡散層23として、第1の実施形態例の非配向層21bと同様のものを用意し、また、第1の実施形態例と同様にして第2のガス拡散層41および第2の触媒層42を形成する。
次いで、電解質膜30の一方の面に導電性繊維含有層である第1の触媒層24を積層し、他方の面に第2の触媒層42を積層する。また、第1の触媒層24に第1のガス拡散層23を積層して、導電性繊維含有多孔質体である第1の導電性多孔質体20bを形成し、第2の触媒層42に第2のガス拡散層41を積層して第2の導電性多孔質体40aを形成する。
次いで、第1のガス拡散層23に第1のセパレータ10を、第1の触媒層24中の導電性繊維が酸化剤の流動方向に沿って配向するように積層する。この積層により第1の触媒層24が配向層になる。
また、第2のガス拡散層41に第2のセパレータ50を積層して、セル1bを得る。
本実施形態例のセル1bでは、第1の触媒層24中の導電性繊維が、酸化剤の流動方向に沿って配向しているため、発電の際に第1の触媒層24にて生成した水が酸化剤の流れに伴って第1のセパレータ10の排出口11bに移送されやすくなっている。したがって、このセル1bを用いれば、発電の際に生成した水を排出口11bから容易に排出でき、水による酸化剤の移動の阻害を防止できるため、発電性能が向上するものと考えられる。
(第3の実施形態例)
本発明のセルの第3の実施形態例について説明する。本実施形態例は導電性多孔質体が配向層からなる例である。
図4に、本実施形態例のセルを示す。本実施形態例のセル1cは、第1のセパレータ10と、第1の導電性多孔質体20cと、電解質膜30と、第2の導電性多孔質体40bと、第2のセパレータ50とを具備し、これらが積層されたものである。すなわち、電解質膜30と、電解質膜30を挟むように積層された第1の導電性多孔質体20cおよび第2の導電性多孔質体40bと、電解質膜30および第1の導電性多孔質体20および第2の導電性多孔質体40bを挟むように積層された第1のセパレータ10および第2のセパレータ50とを具備するものである。
なお、本実施形態例において第1の実施形態例と同じ構成のものは図1と同じ符号を付して説明を省略する。
[第1の導電性多孔質体]
第1の導電性多孔質体20cは、イオン化触媒と酸化剤の流動方向に沿って配向している導電性繊維と結着樹脂とを含む配向層であり、導電性繊維含有多孔質体である。イオン化触媒および導電性繊維としては、第1の実施形態例と同じものを使用できる。また、結着樹脂としては、第1の実施形態例の第1の触媒層22と同様のものを使用できる。
[第2の導電性多孔質体]
第2の導電性多孔質体40bは、イオン化触媒と結着樹脂と導電性物質とを含むものである。イオン化触媒および導電性物質としては、第1の実施形態例と同じものを使用できる。また、結着樹脂としては、第1の実施形態例の第1の触媒層22と同様のものを使用できる。
第1の導電性多孔質体20cおよび第2の導電性多孔質体40bの厚さは、各々50〜300μmであることが好ましい。厚さが50μm以上であれば、破断しにくくなり、300μm以下であれば、厚さ方向の電気抵抗値が小さくなる。
本実施形態例における第1の導電性多孔質体20cおよび第2の導電性多孔質体40bは、第1の実施形態例および第2の実施形態例におけるガス拡散層および触媒層の両方の機能を併せ持つものである。
[製造方法]
上述したセル1cの製造方法の一例について説明する。
セル1cを製造するためには、あらかじめ、第1の導電性多孔質体20c、第2の導電性多孔質体40bを形成しておく。
第1の導電性多孔質体20cを形成するためには、まず、イオン化触媒と結着樹脂と導電性繊維と分散媒とを含む導電性繊維含有スラリーを調製する。
次いで、導電性繊維含有スラリーに配向処理を施して、導電性繊維が一方向に配向している導電性繊維含有層を形成し、その導電性繊維含有層のみを第1の導電性多孔質体20cとして用いる。配向処理としては、第1の実施形態例と同様の方法を適用することができる。
第2の導電性多孔質体40bを形成するためには、まず、イオン化触媒と結着樹脂と導電性物質と分散媒とを含む第2の導電性多孔質体形成用スラリーを調製する。そして、第2の導電性多孔質体形成用スラリーを支持体に塗布し、乾燥して支持体付きの第2の導電性多孔質体40bを形成する。
次いで、電解質膜30の一方の面に、導電性繊維含有層からなる導電性繊維含有多孔質体である第1の導電性多孔質体20cを積層し、他方の面に第2の導電性多孔質体40bを積層し、支持体を剥離する。
次いで、第1の導電性多孔質体20cに第1のセパレータ10を、第1の導電性多孔質体20c中の導電性繊維が酸化剤の流動方向に沿って配向するように積層し、第2の導電性多孔質体40bに第2のセパレータ50を積層して、セル1cを得る。
本実施形態例のセル1cでは、第1の導電性多孔質体20c中の導電性繊維が、酸化剤の流動方向に沿って配向しているため、発電の際に第1の導電性多孔質体20cにて生成した水が、酸化剤の流れに伴って第1のセパレータ10の排出口11bに移送されやすくなっている。したがって、このセル1cを用いれば、発電の際に生成した水を排出口11bから容易に排出でき、水による酸化剤の移動の阻害を防止できるため、発電性能が向上するものと考えられる。
なお、本発明は上述した実施形態例に限定されない。例えば、第1の実施形態例では第1のガス拡散層が配向層を1層有していたが、配向層を2層以上有してよい。また、第1のガス拡散層が非配向層を有せず、配向層のみからなってもよい。
また、第2の実施形態例では触媒層が配向層からなっていたが、イオン化触媒を含む非配向層を備えてもよい。
また、上述した第1〜第3の実施形態例では、セパレータとして、例えば、ストレート型セパレータ(図2参照)を用いたが、例えば、サーペンタイン型セパレータ、格子型セパレータなどを使用することもできる。
サーペンタイン型セパレータとしては、例えば、図5に示すように、矩形状のシートからなり、四角形状のセパレータの一つのかど(第1のかど)付近に形成され、幅方向に沿う略矩形状の供給口11aと、前記第1のかどの対角線の位置にある第2のかど付近に形成され、幅方向に沿う略矩形状の排出口11bと、供給口11aから排出口11bにかけて、折り返し部分を有して流動方向が反復するようになっている溝13とを有するものが挙げられる。
溝13は、具体的には、長手方向に沿って形成された第1〜第3の主部13a〜13cと、幅方向に沿って形成され、第1の主部13aと第2の主部13bとを接続して流動方向を反転させる第1の折り返し部13dと、幅方向に沿って形成され、第2の主部13bと第3の主部13cとを接続して流動方向を反転させる第2の折り返し部13dとを有するものである。
サーペンタイン型セパレータでは、供給口11aから供給された流体が、まず、第1の主部13aに沿って流動して第1の折り返し部13dに達し、流動方向が反転するようになっている。次いで、第2の主部13bに沿って流動して第2の折り返し部13eに達し、流動方向が反転するようになっている。そして、第3の主部13cに沿って流動して排出口11bに達するようになっている。
第1の折り返し部13dおよび第2の折り返し部13eは、幅方向に沿って形成されているが、溝13全体から見れば割合として小さいため、サーペンタイン型セパレータを用いた場合には、配向層中の導電性繊維が第1〜第3の主部13a〜13cに沿って配向していればよく、第1の折り返し部13dおよび第2の折り返し部13eに沿って配向していなくてもよい。
格子型セパレータとは、四角形状のセパレータの一辺の縁に、幅方向に沿う略矩形状の供給口11aが形成され、前記一辺に対向する他方の縁に、幅方向に沿う略矩形状の排出口11bが形成され、供給口11aと排出口11bとの間に格子状の溝14が形成されたものである(図6参照)。
格子型セパレータでは、供給口11aから供給された流体のほとんどが排出口11bに向けて直線的に流動する。
また、第1〜第3の実施形態例では、第2の導電性多孔質体が第1の導電性多孔質体と異なるものであったが、第2の導電性多孔質体が第1の導電性多孔質体と同じものであってもよい。
特に、燃料がメタノール等の液体である場合には、燃料が第2の導電性多孔質体中のイオン化触媒に供給されやすくなることから、第2の導電性多孔質体として第1の導電性多孔質体と同じものを用いて、第2の導電性多孔質体中の導電性繊維を燃料の流動方向に沿って配向させることが好ましい。
<燃料電池>
次に、本発明の固体高分子型燃料電池(以下、燃料電池と略す。)について、第1の実施形態例のセル1aを有するものを例にとって説明する。
図7に、本例の燃料電池を示す。本例の燃料電池1は、上記セル1aを有し、第1のセパレータ10と第2のセパレータ50とが、負荷61を有する外部回路60を介して接続されたものである。
以下、燃料電池による発電方法を、燃料として水素、酸化剤として酸素を例に挙げて説明する。
まず、第2のセパレータ50の供給口から水素を供給して第2のガス拡散層41に導入して全体に行き渡るように拡散させる。次いで、水素を第2の触媒層42に導き、イオン化触媒によって水素イオンと電子に解離させる。なお、第2の触媒層42に達せず、使用されなかった水素は第2のセパレータ50の排出口から排出させる。
また、第1のセパレータ10の供給口から酸素を供給して第1のガス拡散層21に導入して全体に行き渡るように拡散させた後、第1の触媒層22に導く。なお、第1の触媒層22に達せず、使用されなかった酸素は第1のセパレータ10の排出口から排出させる。
第2の触媒層42にて生成した水素イオンは電解質膜30を透過して第1の触媒層22に達し、一方、電子(e)は、第2のガス拡散層41および第2のセパレータ50を通って外部回路60を流れる。この外部回路60での電子の流れ(電流)が発電された電気である。
その後、外部回路60を流れた電子は、第1のセパレータ10および第1のガス拡散層21を通って第1の触媒層22に達する。第1の触媒層22中に達した電子は、イオン化触媒により、酸素と結合して酸素イオンを生成する。そして、その酸素イオンと、電解質膜30を透過した水素イオンとが結合することにより、水を生成する。
上記のことが連続的に繰り返されて、発電が行われる。
本発明の燃料電池は、上述したセル1a〜1cのいずれかを有するものであるから、発電の際に生成した水を、第1のセパレータ10の排出口から容易に排出できる。したがって、水によるイオンや電荷の移動の阻害を防止できるため、発電性能が向上するものと考えられる。
(実施例1)
[第1の導電性多孔質体(カソード側の導電性多孔質体)]
・第1のガス拡散層A(カソード側のガス拡散層)の作製
導電性物質である10gのアセチレンブラックと、10gの気相成長炭素繊維(アスペクト比;200)と、結着樹脂である15gのポリ四フッ化エチレン(以下、PTFEともいう。)とを混合し、メタノールを滴下して混練して導電性繊維含有スラリーを得た。この導電性繊維含有スラリーをPTFEのシート上に塗布し、乾燥させた後、PTFEから剥離し、ロールプレスにて厚さ50μmになるまで圧延し、気相成長炭素繊維を一方向に配向させて導電性繊維含有層を作製した。
次いで、導電性繊維含有層を、厚さ200μmのカーボンペーパー(非配向層)にロールプレスにより圧着させ、さらに、大気中370℃で加熱して第1のガス拡散層Aを得た。
・第1の触媒層A(カソード側の触媒層)の作製
イオン化触媒である1gの白金担持カーボンブラックと、イオン伝導性樹脂である2.5gのデュポン社製ナフィオン溶液DE2020と、0.3gの気相成長炭素繊維と、0.2gのアセチレンブラックを8gの水に添加し、乳鉢中で混合し、さらに、超音波分散装置を用いて混合して導電性繊維含有スラリーを得た。この導電性繊維含有スラリーをポリ四フッ化エチレン製シートに、白金触媒担持量が1mg/cmになるように、ドクターブレード法により塗布し、50℃で乾燥し、気相成長炭素繊維を一方向に配向させて、導電性繊維含有層である第1の触媒層Aを得た。
[第2の導電性多孔質体(アノード側の導電性多孔質体)]
・第2のガス拡散層(アノード側のガス拡散層)の作製
アセチレンブラックを結着樹脂であるポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリドン溶液に、アセチレンブラックとポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを質量比が2:1となるように、分散させて導電性多孔質シート形成用スラリーを調製した。次いで、その導電性多孔質シート形成用スラリーをポリエチレンナフタレートのフィルム上に、ドクターブレード法により塗工し、150℃で1時間乾燥させて、厚さ50μmの導電性多孔質シートを作製した。
この導電性多孔質シートを、厚さ200μmのカーボンペーパーに、200℃の加熱ロールプレスによって熱圧着させて第2のガス拡散層を得た。
・第2の触媒層(アノード側の触媒層)の作製
1gの白金担持カーボンブラックと、2.5gのデュポン社製ナフィオン溶液DE2020と、0.5gのアセチレンブラックとを8gの水に添加し、乳鉢中で混合し、さらに、超音波分散装置を用いて混合して触媒層形成用スラリーを得た。この触媒層形成用スラリーをポリ四フッ化エチレン製シートに、白金触媒担持量が1mg/cmになるように、ドクターブレード法により塗布し、50℃で乾燥して第2の触媒層を得た。
[第1のセパレータおよび第2のセパレータ]
第1のセパレータおよび第2のセパレータとして、黒鉛製の矩形状の板からなり、長手方向の一方の縁に幅方向に沿う略矩形状の供給口11aが形成され、他方の縁に幅方向に沿う排出口11bが形成され、供給口11aから排出口11bに向けて(すなわち、長手方向に沿って)直線状の溝12が複数形成されたストレート型セパレータを用いた。
第1のガス拡散層A、第1の触媒層A、第2のガス拡散層、第2の触媒層をそれぞれ2.3cm角に裁断した。
次いで、電解質膜(デュポン製ナフィオン117)の一方の面に第1の触媒層Aを積層し、他方の面に第2の触媒層を積層し、温度120℃でのホットプレスにより圧着して膜電極接合体を得た。
次いで、この膜電極接合体の第1の触媒層Aに第1のガス拡散層Aを、第1の触媒層A中の気相成長炭素繊維の配向方向と、第1のガス拡散層Aの導電性繊維含有層中の気相成長炭素繊維の配向方向との角度が0度(平行)になるように、かつ、第1の触媒層Aに導電性繊維含有層が接するように積層して第1の導電性多孔質体を形成した。
次いで、第1の導電性多孔質体の第1のガス拡散層Aに第1のセパレータを、導電性繊維含有層中の気相成長炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向との角度が0度になるように積層した。
また、第2の触媒層に第2のガス拡散層を、第2の触媒層に導電性多孔質シートが接するように積層して第2の導電性多孔質体を形成した。次いで、第2の導電性多孔質体の第2のガス拡散層に第2のセパレータを積層して、セルを得た。
(実施例2)
第1のガス拡散層Aに第1のセパレータを積層する際に、導電性繊維含有層中の気相成長炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向との角度が30度になるように積層したこと以外は実施例1と同様にしてセルを得た。この場合、第1の触媒層A中の気相成長炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向との角度も30度となる。
参考例3)
気相成長炭素繊維を配合しなかったこと以外は、第1の触媒層Aと同様にして第1の触媒層Bを作製し、その第1の触媒層Bを第1の触媒層Aの代わりに用いたこと以外は実施例1と同様にしてセルを得た。
参考例4)
第1のガス拡散層Aに第1のセパレータを積層する際に、導電性繊維含有層中の気相成長炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向との角度が30度になるように積層したこと以外は参考例3と同様にしてセルを得た。
(実施例5)
15gのアセチレンブラックと、結着樹脂である15gのポリ四フッ化エチレン(PTFE)とを混合し、メタノールを滴下して混練して導電性多孔質シート形成用スラリーを得た。この導電性多孔質シート形成用スラリーをPTFEのシート上に塗布し、乾燥させた後、PTFEから剥離し、ロールプレスにて厚さ50μmになるまで圧延して導電性多孔質シートを作製した。この導電性多孔質シートを、厚さ200μmのカーボンペーパーにロールプレスにより圧着させ、大気中370℃で加熱して第1のガス拡散層Bを得た。そして、この第1のガス拡散層Bを第1のガス拡散層Aの代わりに用い、第1の触媒層A中の気相成長炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向との角度が0度になるように積層したこと以外は実施例1と同様にしてセルを得た。
(実施例6)
実施例5で得た第1のガス拡散層Bを介して、第1の触媒層Aと第1のセパレータとを、第1の触媒層A中の気相成長炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向との角度が30度になるように積層したこと以外は実施例1と同様にしてセルを得た。
(実施例7)
10gのアセチレンブラックと、10gの気相成長炭素繊維を、10%のポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリドン溶液150gに添加して導電性繊維含有スラリーを調製した。次いで、その導電性繊維含有スラリーをポリエチレンナフタレートのフィルム上に、ドクターブレード法により塗工し、150℃で1時間乾燥させて、気相成長炭素繊維が一方向に配向している厚さ50μmの導電性繊維含有層を作製した。
この導電性繊維含有層を、厚さ200μmのカーボンペーパーに、200℃の加熱ロールプレスによって熱圧着させて第1のガス拡散層Cを得た。
そして、第1のガス拡散層Aの代わりに第1のガス拡散層Cを用いたこと以外は実施例1と同様にしてセルを得た。
参考例8)
第1の触媒層Aの代わりに第1の触媒層Bを用い、また、第1のガス拡散層Cに第1のセパレータを積層する際に、導電性繊維含有層中の気相成長炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向との角度が30度になるように積層したこと以外は実施例7と同様にしてセルを得た。
(実施例9)
15gのアセチレンブラックを、10%のポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリドン溶液150gに添加して導電性多孔質シート形成用スラリーを調製した。次いで、その導電性多孔質シート形成用スラリーをポリエチレンナフタレートのフィルム上に、ドクターブレード法により塗工し、150℃で1時間乾燥させて導電性多孔質シートを作製した。この導電性多孔質シートに、厚さ200μmのカーボンペーパーにロールプレスにより圧着させて第1のガス拡散層Dを得た。そして、この第1のガス拡散層Dを第1のガス拡散層Aの代わりに用いた以外は実施例1と同様にしてセルを得た。
(実施例10)
10gのアセチレンブラックと、12gのPAN系炭素繊維(アスペクト比;900)とを、10%のポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリドン溶液200gに添加して導電性繊維含有スラリーを調製した。次いで、その導電性繊維含有スラリーをポリエチレンナフタレートのフィルム上に、ドクターブレード法により塗工し、150℃で1時間乾燥させて、PAN系炭素繊維が一方向に配向している厚さ100μmの導電性繊維含有層を作製した。この導電性繊維含有層を第1のガス拡散層Eとした。
そして、電解質膜(デュポン製ナフィオン117)の一方の面に第1の触媒層Aを積層し、他方の面に第2の触媒層を積層し、温度120℃でのホットプレスにより圧着して膜電極接合体を得た。
次いで、この膜電極接合体の第1の触媒層Aに第1のガス拡散層Eを、第1の触媒層A中の気相成長炭素繊維の配向方向と第1のガス拡散層E中のPAN系炭素繊維の配向方向との角度が30度になるように積層した。次いで、第1のガス拡散層Eに第1のセパレータを、第1のガス拡散層E中のPAN系炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向との角度が0度になるように積層した。
また、第2の触媒層に第2のガス拡散層を、第2の触媒層にカーボンペーパーが接するように積層した。次いで、第2のガス拡散層に第2のセパレータを積層して、セルを得た。
参考例11)
第1の触媒層Aの代わりに第1の触媒層Bを用いたこと以外は実施例10と同様にしてセルを得た。
(実施例12)
第1のガス拡散層EにPAN系炭素繊維を配合しない以外は第1のガス拡散層Eと同様にして第1のガス拡散層Fを得た。また、第1の触媒層Aにおいて気相成長炭素繊維の代わりにPAN系炭素繊維を用いた導電性繊維含有層である第1の触媒層Cを作製した。
そして、電解質膜の一方の面に、第1の触媒層Cを積層し、第1のガス拡散層Fを介して第1の触媒層Cに第1のセパレータを、第1の触媒層C中のPAN系炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向との角度が0度になるように積層したこと以外は実施例10と同様にしてセルを得た。
(実施例13)
電解質膜(デュポン製ナフィオン117)の一方の面に第1の触媒層Aを積層し、他方の面に第2の触媒層を積層し、温度120℃でのホットプレスにより圧着して膜電極接合体を得た。本例では、第1の触媒層Aのみを第1の導電性多孔質体として用い、第2の触媒層のみを第2の導電性多孔質体として用いた。
次いで、この膜電極接合体の第1の触媒層Aに第1のセパレータを、第1の触媒層A中の気相成長炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向の角度が0度(平行)になるように積層した。また、第2の触媒層に第2のセパレータを積層して、セルを得た。
(実施例14)
第1の触媒層Aの代わりに第1の触媒層Cを用い、第1の触媒層Cに第1のセパレータを、第1の触媒層C中のPAN系炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向の角度が30度になるように積層したこと以外は実施例13と同様にしてセルを得た。
(比較例1)
第1の触媒層A中の気相成長炭素繊維の配向方向および第1のガス拡散層Aの導電性繊維含有層中の気相成長炭素繊維の配向方向と、酸化剤の流動方向との角度が60度になるように、第1の触媒層Aと第1のガス拡散層Aと第1のセパレータとを積層したこと以外は実施例1と同様にして、セルを得た。
(比較例2)
第1の触媒層A中の気相成長炭素繊維の配向方向と、酸化剤の流動方向との角度が30度になるように、かつ、第1のガス拡散層Cの導電性繊維含有層中の気相成長炭素繊維の配向方向と、酸化剤の流動方向との角度が90度になるように、第1の触媒層Aと第1のガス拡散層Cと第1のセパレータとを積層したこと以外は実施例7と同様にして、セルを得た。
(比較例3)
10gのアセチレンブラックと、12gのPAN系炭素繊維とを、10%のポリフッ化ビニリデンのN−メチルピロリドン溶液200gに混合分散させて得たスラリーを支持体にスプレーして第1のガス拡散層Gを作製した。
また、1gの白金担持カーボンと、2.5gのデュポン社製ナフィオン溶液DE2020と、0.3gの気相成長炭素繊維と、0.2gのアセチレンブラックを8gの水に添加して得た触媒層形成用スラリーを支持体にスプレーして第1の触媒層Dを得た。なお、スプレーによる塗布では気相成長炭素繊維は配向しない。
そして、第1のガス拡散層の代わりに第1のガス拡散層Gを用い、第1の触媒層Aの代わりに第1の触媒層Dを用いたこと以外は実施例10と同様にして、セルを得た。
(比較例4)
比較例3における第1の触媒層Dのみを第1の導電性多孔質体として用いたこと以外は実施例13と同様にして、セルを得た。
(比較例5)
第1のガス拡散層Aおよび第1の触媒層Aに気相成長炭素繊維を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、セルを得た。
なお、表1〜3に、各実施例および各比較例におけるセルのタイプ、第1のガス拡散層中の炭素繊維の種類およびその炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向との角度(表中では配向角度と記載する。)、第1の触媒層中の炭素繊維の種類およびその炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向との角度(表中では配向角度と記載する。)を示す。
表1〜3において、セルのタイプAは、第1の導電性多孔質体が、2つの層からなるガス拡散層と第1の触媒層とを備えるものである。Bは、第1の導電性多孔質体が、1つの層からなる第1のガス拡散層と第1の触媒層とを備えるものである。Cは、第1の導電性多孔質体が1層のみからなるものである。また、表中では、気相成長炭素繊維をVGCFと表記し、PAN系炭素繊維をPANCFと表記する。
Figure 0005004489
Figure 0005004489
Figure 0005004489
(発電性能評価)
実施例1,2,5〜7,9,10,12〜14、参考例3,4,8,11および比較例1〜5の各セルの第1のセパレータと第2のセパレータとを外部回路で接続して燃料電池を作製した。そして、その発電性能を以下の方法で評価した。その評価結果を表1〜3に示す。
[発電性能評価方法]
まず、温度80℃の環境下、各セルの第1のセパレータの供給口から酸化剤である酸素を200ml/分で供給すると共に、第2のセパレータの供給口から燃料である水素を100ml/分で供給して発電した。その際の第1のセパレータと第2のセパレータとの間の開回路電圧を2時間測定した後に、電流走査速度0.2mA/(cm・秒)で電流電圧特性を測定した。そして、電流密度が100mA/cm、150mA/cmの際の電圧を読み取った。その電圧(セル電圧)を表1に示す。また、(150mA/cmでの電圧)/(100mA/cmでの電圧)×100(%)を低下率として求めた。低下率についても表1に示す。なお、低下率が高いほど、電流密度を上げても電圧が低下しにくいことを示す。
なお、測定は、ポテンショスタット/ガルバノスタットであるソーラトロン1287(ソーラトロン社製)を外部回路に接続することにより行った。
酸素の流動方向に沿って配向している炭素繊維を含む配向層を備える実施例1,2,5〜7,9,10,12〜14、参考例3,4,8,11のセルを適用した燃料電池は、電流密度を上げても電圧が低下しにくく、発電性能に優れていた。
配向層を備えていない比較例1〜5のセルを適用した燃料電池は、電流密度を上げると電圧が低下し、発電性能に劣っていた。
(実施例15)
実施例1の第1の導電性多孔質体と同じものを、第2の導電性多孔質体にも用いたこと以外は実施例1と同様にしてセルを得た。その際、第2の導電性多孔質体の導電性繊維含有層中の気相成長炭素繊維の配向方向と酸化剤の流動方向との角度が0度になるように積層した。
(実施例16)
実施例13の第1の導電性多孔質体と同じものを、第2の導電性多孔質体に用いたこと以外は実施例13と同様にしてセルを得た。その際、第2の導電性多孔質体の導電性繊維含有層中の気相成長炭素繊維の配向方向が燃料の流動方向との角度が0度になるように積層した。
(発電性能評価)
実施例15,16の各セルの第1のセパレータと第2のセパレータとを外部回路で接続して燃料電池を作製した。そして、その発電性能を以下の方法で評価した。その評価結果を表4に示す。
[発電性能評価方法]
まず、温度80℃の環境下、各セルの第1のセパレータの供給口から酸化剤である酸素を200ml/分で供給すると共に、実施例15では第2のセパレータの供給口から燃料である水素を100ml/分で供給し、実施例16ではメタノールの5質量%水溶液を1ml/分で供給して発電した。そして、実施例1〜14および比較例1〜5と同様にして、電流密度が100mA/cm、150mA/cmの際の電圧(セル電圧)を測定し、低下率を求めた。それらの結果を表4に示す。
Figure 0005004489
炭素繊維が流体の流動方向に沿って配向している配向層を第1の導電性多孔質体および第2の導電性多孔質体に備えた実施例15,16のセルを適用した燃料電池は、電流密度を上げても電圧が低下しにくく、発電性能に優れていた。
本発明の燃料電池用セルの第1の実施形態例を示す断面図である。 セパレータの一例を示す平面図である。 本発明の燃料電池用セルの第2の実施形態例を示す断面図である。 本発明の燃料電池用セルの第3の実施形態例を示す断面図である。 セパレータの他の例を示す平面図である。 セパレータの他の例を示す平面図である。 本発明の燃料電池の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 燃料電池
1a,1b,1c セル(燃料電池用セル)
10 第1のセパレータ
11a 供給口
11b 排出口
12,13,14 溝
20a,20b,20c 第1の導電性多孔質体
21,23 第1のガス拡散層
22,24 第1の触媒層
30 電解質膜
40a,40b 第2の導電性多孔質体
41 第2のガス拡散層
42 第2の触媒層
50 第2のセパレータ
60 外部回路
61 負荷

Claims (5)

  1. 電解質膜と、該電解質膜を挟むように積層され、少なくとも電解質膜側にイオン化触媒を含むシート状または板状の導電性多孔質体と、前記電解質膜および該導電性多孔質体を挟むように積層され、流体の供給口および排出口が形成されたシート状のセパレータとを具備する燃料電池用セルであって、
    少なくとも一方の導電性多孔質体が、結着樹脂と導電性繊維とを含む導電性繊維含有多孔質体であり、該導電性繊維含有多孔質体が、電解質膜側に配置され、イオン化触媒と導電性物質と結着樹脂とを含む触媒層と、セパレータ側に配置され、導電性物質を含むガス拡散層とを有し、前記触媒層が、導電性繊維が流体の流動方向に沿って配向している配向層を備えることを特徴とする燃料電池用セル。
  2. 電解質膜と、該電解質膜を挟むように積層され、少なくとも電解質膜側にイオン化触媒を含むシート状または板状の導電性多孔質体と、前記電解質膜および該導電性多孔質体を挟むように積層され、流体の供給口および排出口が形成されたシート状のセパレータとを具備する燃料電池用セルであって、
    少なくとも一方の導電性多孔質体が、結着樹脂と導電性繊維とイオン化触媒とを含む導電性繊維含有多孔質体であり、該導電性繊維含有多孔質体が、導電性繊維が流体の流動方向に沿って配向している配向層からなることを特徴とする燃料電池用セル。
  3. 電解質膜の両面に、少なくとも電解質膜側にイオン化触媒を含むシート状または板状の各導電性多孔質体を形成し、各導電性多孔質体に、流体の供給口および排出口が形成されたシート状のセパレータを積層する燃料電池用セルの製造方法であって、
    少なくとも一方の導電性多孔質体が、電解質膜側に配置され、イオン化触媒と導電性物質と結着樹脂とを含む触媒層と、セパレータ側に配置され、導電性物質を含むガス拡散層とを有し、前記触媒層は、導電性繊維と結着樹脂と分散媒とを含む導電性繊維含有スラリーを用いて導電性繊維を一方向に配向させることにより形成した導電性繊維含有層を備える導電性繊維含有多孔質体であり、
    該導電性繊維含有多孔質体にセパレータを積層する際には、導電性繊維含有層中の導電性繊維が流体の流動方向に沿って配向するように積層することを特徴とする燃料電池用セルの製造方法。
  4. 電解質膜の両面に、少なくとも電解質膜側にイオン化触媒を含むシート状または板状の各導電性多孔質体を形成し、各導電性多孔質体に、流体の供給口および排出口が形成されたシート状のセパレータを積層する燃料電池用セルの製造方法であって、
    少なくとも一方の導電性多孔質体が、導電性繊維と結着樹脂とイオン化触媒と分散媒とを含む導電性繊維含有スラリーを用いて導電性繊維を一方向に配向させることにより形成した導電性繊維含有層からなる導電性繊維含有多孔質体であり、
    該導電性繊維含有多孔質体にセパレータを積層する際には、導電性繊維含有層中の導電性繊維が流体の流動方向に沿って配向するように積層することを特徴とする燃料電池用セルの製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の燃料電池用セルを有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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