JP5004341B2 - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザプリンタ、デジタル複写機、普通紙ファックス等に用いられる光走査装置および画像形成装置に関する。
レーザプリンタ、デジタル複写機、普通紙ファックス等で用いられる電子写真画像形成装置において、カラー化、高速化が進み、感光体を複数(通常は4つ)有するタンデム対応の画像形成装置が普及してきている。カラーの電子写真画像形成装置としては、感光体を1つのみ有し、色の数だけ感光体を回転するという方式もあるが(4色、1ドラム方式)、この方式だと4回転する必要が有り、生産性に劣る。
ところが、タンデム方式の場合、どうしても、光源数が増えてしまい、それに伴い、部品点数の増加、複数光源間の波長差に起因する色ずれ、コストアップが生じてしまう。 また、書込ユニットの故障の原因として半導体レーザの劣化が挙げられている。光源数が多くなると、故障の確率が増え、リサイクル性が劣化する。
タンデム方式で光源の数を増やさない工夫がなされた例がある。すなわち、一つの光源をハーフミラーで2分割し、その分割された光束を位相のずらした2段のポリゴンミラーに入射させる(例えば、特許文献1 参照。)。この際、2段のポリゴンミラーの一方は感光体に入射し、もう一方は捨てるような光学系になっている。これによって、一方の光束は無駄になっており、エネルギ的な損失と光源にも2倍の光量を要求することになる。
そこで、液晶などの光スイッチを利用することで、光路のスイッチングを行うことは容易に発想できるが、強誘電液晶を用いた場合(例えば、特許文献2 参照)であっても、スイッチングでは駆動速度は数msec程度である。本形態ではポリゴンミラーの走査速度などから数μsecの応答速度が必要とされ、利用することは難しい。また、MEMSを用いた場合でも、長さ1mm近いミラーを数μsecで動かすことは難しい(例えば、特許文献3 参照)。
特開2006−284822号公報 特開2005−338804号公報 特開2006−201519号公報
本発明は、光源数を減らしながらも、光量を無駄にすることなく、高速な画像出力を可能にする光走査装置を提供する。
請求項1に記載の発明では、変調駆動される面発光レーザである光源と、共通の回転軸を有し、所定の角度だけ互いに位相をずらして重ねた少なくとも2段の多面反射鏡を有する偏向手段と、前記光源からのビームを分割し前記偏向手段の相異なる段の多面反射鏡に入射させる光束分割手段と、前記偏向手段により走査されビームを被走査面に導く走査光学系と、を有し、前記光束分割手段により分割されたビームが相異なる被走査面を走査するように構成した光走査装置において、前記光束分割手段は、透過スペクトルの波長を制御する側面に電極が形成された電気光学材料を一対のミラーで挟んだキャビティ型の光スイッチと、前記電極に電圧を印加する手段とを有し、前記電極に電圧を印加することで前記キャビティ型の光スイッチを制御して前記ビームを分割し、該分割されたビームを前記偏向手段の相異なる段の多面反射鏡に入射させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項に記載の光走査装置において、前記電気光学材料はPLZTであることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の光走査装置において、前記PLZTは、焼結材により構成され、研磨によって所望の厚さに加工されたものであることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項ないしのいずれか1つに記載の光走査装置において、前記キャビティ型光スイッチは、1面を光の入射面とする平行平面基板の前記光の入射面に隣接する面と、1面を光の出射面とする補助光学素子の前記光の出射面に隣接する面と、の間に互いに密着して挟まれて光束分割素子を構成することを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の光走査装置において、前記光の入射面は反射防止膜が施されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1つに記載の光走査装置において、前記被走査面に照射される光量をモニタする手段を備えたことを特徴とする。
請求項に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1つに記載の光走査装置を用いた画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、波長フィルタの波長スペクトルを時間制御することで、反射もしくは透過を任意に選択することが可能となる。これによって、時系列的に多面反射鏡の照射位置を上段下段と選択することができる。これにより走査に利用されない光がなくなることで光利用効率が向上する。本発明により、光源数を減らしながらも、高速かつ良好な画像出力を可能にする光走査装置を提供できる。さらに、異なる感光体面を走査するビーム間の品質の差異が低減できる。 同一の被走査面に1度の走査で複数の走査線を形成することができ、高速、高密度化を実現できる。適切な濃度で、濃度むらの少ない画像出力が可能となる。 設定光量の調整により、色再現性の優れた画像出力が可能になる。
図1は本発明の実施形態における光走査装置の構成の概要図である。
同図において、符号1、1’は光源としての面発光レーザ、2は面発光レーザの支持ベース、3、3’はカップリングレンズ、4は光束分割素子、4aは光束分割手段としてのエタロン型波長フィルタ(本件ではこれをキャビティ型光スイッチと呼ぶ)、5a、5bはシリンドリカルレンズ、6は防音ガラス、7は多面反射鏡としての上段ポリゴンミラー7aと、同じく多面反射鏡としての下段ポリゴンミラー7bからなる偏向手段、8a、8bは走査光学系としての第1走査レンズ、9は走査光学系としてのミラーを、10a、10bは走査光学系としての第2走査レンズ、11K、11Cは被走査面としての感光体、12は開口絞りをそれぞれ示す。
同図では2つの感光体に対応する構成のみ示しているが、実際には偏向手段7を挟んで、図示された光学系と同様の光学系を配備することにより、4つの感光体を走査するようになっている。
半導体レーザ1、1’から出射した発散光束はカップリングレンズ3、3’により、弱い収束光束、または平行光束、または弱い発散光束に変換される。カップリングレンズ3、3’を出たビームは被走査面上でのビーム径を安定させるための開口絞り25を通過し、キャビティ型光スイッチ4aに入射する。
キャビティ型光スイッチ4aに入射した共通の光源からのビームは上下段に分割され、キャビティ型光スイッチ4aを出射するビームは全部で4本のビームとなる。
図2は光束分割素子の副走査断面図を示す。同図(a)は光束を2分割する図、同図(b)は光束を4分割する図である。
同図において符号4bは全反射面、41は補助光学素子、41aは光束出射面、42は平行平面基板、42aは光束入射面、42bは光束出射面をそれぞれ示す。
平行平面基板42は側断面が平行四辺形をなしており、その隣接しない2つの角が例えば45度に形成されている。これに対し、補助光学素子41は両底角が45度に形成された直角二等辺三角プリズム状に形成され、その斜面が平行平面基板42の1面に対し、キャビティ型光スイッチ4aを密着させて挟んで一体化されて光束分割素子4を構成している。キャビティ型光スイッチ4aに対し、45度の頂角を挟んだ他の1面42aが光の入射面となり、同図(a)の場合、キャビティ型光スイッチ4aが密着した面と平行な1面には全反射面4bが設けられている。
同図(b)の場合、平行平面基板42の下側の斜面は全反射面ではなく、透過面に形成されている。平行平面基板42と同じ構成の平行平面基板42’、および平行平面基板42”が平行平面基板42の下側に直列に連なっており、それぞれの間にはキャビティ型光スイッチ4a’および4a”が挟まれて密着している。最下段の平行平面基板42”の下側の斜面には全反射面4bが形成されている。
補助光学素子41の直角を挟む1つの面41aは、平行平面基板42の光の入射面42aと平行になっている。
入射光は平行平面基板42の1面42aに垂直に入射し、キャビティ型光スイッチに斜め入射する。キャビティ型光スイッチ4aは、透過光と反射光とに時間制御で分離する。
キャビティ型光スイッチ4aの制御によって入射光が透過したときは、キャビティ型光スイッチの背面に設けた補助光学素子41を通って、平行平面基板42の入射面と平行な他面41aから方向を変えずに出射する。
キャビティ型光スイッチ4aの制御によって入射光が反射したときは、同図(a)の場合、平行平面基板42に設けた全反射面4bにより反射され、光の入射面と平行に配置されている他の面42bから方向を変えずに出射する。
なお、キャビティ型光スイッチ4aへの光の入射角度を、上記例では45度としたが、この角度が部品の製作上最も都合がよいからであって、この角度に厳密な意味はない。要は二つに分かれた出射光がほぼ平行になりさえすればよい。
キャビティ型光スイッチ4を出射したビームは上下段それぞれに配備されるシリンドリカルレンズ5a、5bにより、偏向反射面の近傍にて主走査方向に長い線像に変換される。ここで、偏向手段7は上下段にそれぞれポリゴンミラー7a、7bが配置され、互いに回転方向に所定の位相角度θだけずれている。ここでは2段の4面のポリゴンミラーをθ=45度ずらしている。なお、上下段のポリゴンミラー7a、7bは一体的に形成されてもよく、別体として組み付けてもよい。所定の角度はポリゴンミラーの段数と1段あたりの面数によって変わる。通常は360度を段数と面数の積で割った値にしている。
同図(b)の場合は反射光が次のキャビティ型光スイッチ4a’に入射し、ここで反射か透過かが切り換えられる。さらに、キャビティ型光スイッチ4a”に入射した光束も同様に反射か透過かが切り換えられる。かくして、同図(b)の構成によれば、キャビティ型光スイッチ4a、4a’、4a”の制御により、光束を4段階に切り換えることができ、分割された光束を画像の色別K、C、M、Yそれぞれに対応させた感光体に向かうよう偏向手段を対応させれば、光量損失のほとんどない4色時分割走査ができる。
図3はポリゴンミラーの回転位置によって走査される光束が切り替わることを説明するための図である。同図(a)は上段のポリゴンミラーが走査中の図、同図(b)は下段のポリゴンミラーが走査中をそれぞれ示す図である。
同図(a)に示すように、共通の光源から光スイッチ4aを透過した上段のビームB1が、上段のポリゴンミラーによって感光体面(被走査面)を走査しているときは、下段ポリゴンミラーにビームが到達しないようになっている。
同図(b)に示すように、共通の光源から光スイッチ4aによって反射された下段のビームB2が、下段のポリゴンミラーによって上段とは異なる感光体面(被走査面)を走査しているときは、上段ポリゴンミラーにビームは到達しないようにする。
さらに、面発光レーザの変調駆動も上段と下段でタイミングをずらし、上段に対応する感光体を走査するときは、上段に対応する色(例えばブラック)の画像情報に基づき、光源(面発光レーザ)の変調駆動を行い、下段に対応する感光体を走査するときは下段に対応する色(例えばマゼンタ)の画像情報に基づき、光源の変調駆動を行う。
光スイッチ4aによる光束の切り替えが100%の効率で行える場合は迷光が生ずることはないが、例えば、透過率が90%で反射率が10%であったような場合は、同図(a)において、上段のポリゴン7aに向かう光束B1の他に、光量は少ないが、下段のポリゴン7bに向かう光束B2’が存在することになる。この光束もポリゴン7bによって一見走査されるように見えるが、反射光は感光体の存在しない方向に向かい、そのままでは迷光になる。そこで、この本来の走査に寄与しない光束は遮光板を設けて吸収若しくは遮断する。同図(b)においても同様なことが生ずる。
図4は上下2段のポリゴンを用いるときのタイミングチャートの一例である。
同図において実線部は黒(ブラック)用の露光タイミング、破線はマゼンタ用の露光タイミングをそれぞれ示す。
ブラック、マゼンタにおける書き出しのタイミングは、有効走査幅外に配備される図示しない同期受光手段で走査ビームを検知することにより決定される。なお、同期受光手段としては、通常はフォトダイオードが用いられる。この受光手段は光量モニタとして兼用することもできる。勿論、専用の光量モニタを設けてもかまわない。
同図ではブラックとマゼンタの領域での光量を同じに設定しているが、実際には光学素子(キャビティ型光スイッチ4a)の透過率、反射率が相対的に違うため、光源の光量を同じにしてしまうと、感光体に到達するビームの光量が異なってしまう。
図5は色情報毎に発光量を異ならせるタイミングチャートの一例である。
同図に示すように、異なる感光体面を走査するときに互いの設定光量を異ならせることにより、異なる感光体面上に到達するビーム光量を等しくできる。
図2の4aに示したキャビティ型光スイッチは光路の切り替えだけではなく、光量の微調整も行うことができる。これは後述するように、入射光のスペクトルとキャビティ型光スイッチの透過率スペクトルとの整合を電気的に制御することで実現できる。
図6は本発明の光走査装置を適用するタンデム型の多色画像形成装置を示す図である。
同図において符号13は帯電器、14は現像器、15は転写手段、16はクリーニング手段、17は転写ベルト、18は定着手段、19は光走査装置をそれぞれ示す。
多色画像形成装置は、転写ベルト18の移動方向に沿って並置された4つの感光体11Y、11M、11C、11Kを有している。イエロー画像形成用の感光体11Yの周りには、その矢印で示す回転方向において順に、帯電器13Y、現像器14Y、転写手段15Y、クリーニング手段16Yが配置されている。他の色についても同様の構成を有しており、色別の欧文字(M:マゼンタ、C:シアン、K:ブラック)を付して区別し、説明は省略する。
帯電器13は、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。帯電器13と現像器14の間において感光体表面に光走査装置19によりビームが照射され、感光体11に静電潜像が形成されるようになっている。
そして、静電潜像に基づき、現像器14により感光体面上にトナー像が形成される。転写手段15により、転写ベルト17で搬送される記録媒体(転写紙)に各色の転写トナー像が順次転写され、最終的に定着手段18により重ね合わせ画像が転写紙に定着される。
キャビティ型光スイッチ4aについて説明する。
図7は本発明の実施例を示すキャビティ型光スイッチの概略斜視図である。
同図において符号20はキャビティ型光スイッチ、21は石英基板、22、24は誘電体多層膜からなるミラー面、23は電気光学材料、25は電極、26は配線をそれぞれ示す。
このキャビティ型光スイッチ20の下方には、入射光として面発光レーザを利用した。面発光レーザは一般的なLDに比べ、共振器長が短い。一般的なLD(レーザダイオード)の共振器長は数百μmに対し、面発光レーザは100nm程度である。共振器長は発振する波長を決めており、その波長λの整数倍が共振器長となる。一般的なLDの場合では、その整数は数百となるのに対し、面発光レーザでは、通常1となるように設定される。一般的なLDの場合には、整数nに隣接するn+1のモードの発振が起きる。このモードの変動が頻繁に起きることで、発振波長は安定しない。それに対し、面発光レーザでは発振モードが安定しており、波長も安定している。キャビティ型の光スイッチは安定した波長の光源でないとスイッチングの原理上難しい。このため、キャビティ型光スイッチは面発光レーザとの組み合わせで、安定したスイッチングが可能なる。一般的なLDでは、ホッピングが起き、波長は一定にならない。これに比べ、面発光レーザ光源の発光スペクトルは波長が安定しており、波長可変フィルタでの光路切り替えが可能となる。また、波長が安定しているガスレーザなどに比べはるかに小型で低コストである。
面発光レーザの光が入射しており、キャビティ型光スイッチ20によって変調された光が出射光として上方に出射される。出射光の変調は電気光学材料23の左右の電極25a,25bに印加される電圧により行われ、その左右の電極25a,25からは配線26a,26bが左右に出されている。この配線26a,26bを介して電気信号が電極25a,25bに入ることによって電気光学材料23に電圧が印加され、光スイッチ20が電気信号を光信号へ変換する。
キャビティ型光スイッチ20は石英基板21上に形成されており、上下のミラー面22,24で挟んだ電気光学材料23及び側面電極25a,25bからなっている。この構成例では入射面は入射側のミラー面22であり、このミラー面(入射面)22の法線方向がz方向であり、電圧の印加方向はx方向であるため、電気光学材料23に光が入斜するミラー面(入射面)22の法線方向(z方向)と電極25a,25bへの電圧の印加方向(x方向)とがほぼ垂直となっている。また、基板21の法線方向もz方向であり、入射面22の法線方向と平行である。
同図の構成の光スイッチ20に使用する電気光学材料23としては、電気光学定数が大きいPLZT(Pb(1−x)LaxZryTi(1−y)O3)を利用した。この電気光学材料(PLZT)23の入射面と出射面に形成するミラー面22,24としては、それぞれの界面に起こる屈折率差を利用した。すなわち、電気光学材料(PLZT)23の上面(出射側)のミラー面24は、電気光学材料(PLZT)23と空気の界面となり、屈折率はそれぞれ2.5と1となる。また、電気光学材料(PLZT)23の下面(入射側)のミラー面22は、電気光学材料(PLZT)23と樹脂となり、屈折率にして2.5と1.46とした。これらの屈折率差によって反射が起き、ミラーとしての働きを成し、ファブリペロー共振器の機能が得られる。
電気光学材料23であるPLZTはその組成を9/35/65として、厚さ500μmのPLZT板として燒結作製される。このPLZT板を所望の厚さにするため、両面に光学研磨を施し、PLZT板を厚さ約10μmとした。電極となる金属薄膜25はスパッタ装置で成膜し、スパッタ電圧をできるだけ小さい値として、PLZT23の側面への成膜が進むように工夫する。成膜する金属薄膜25は一般的に利用されるアルミニウム(Al)等でも構わない。PLZT23からの酸化を気にする時には、白金(Pt)や金(Au)なども利用できる。今回は一例としてAlを利用し、膜厚は500nm程度とした。同図に見られるように、PLZT23の上面にはリフトオフによってAl電極25が剥がされた開口部が形成される。この開口部は左右の電極25から隔離された絶縁領域となるため、両側の電極25(図1の左右の25a,25bに相当)に電圧を印加することで、開口部に横方向の電界を印加することができる。
一般的にはキャビティ型光スイッチを設計する場合には、キャビティの厚さは数百nmと考えるのが常識的である。これはキャビティをスパッタなどの薄膜の成膜方法を念頭においていることに起因する。しかし、数百nmキャビティでは、透過スペクトル形状を自由に設計することが難しい。具体的には透過スペクトルのピーク位置を高精度に制御することが製造上困難になる。しかし、キャビティが数μmとなれば、透過スペクトルのピークが隣接して立つようになり、所望のスペクトル位置にあわせこむために、駆動電圧での補正を加えることが可能なる。これは一般的にエタロン構造のフリースペクトルレンジに関する常識的な考え方である。本発明の目的にはキャビティ厚さは数μm程度が最適であるが、ゾルゲルやスパッタなどでは困難であり、逆に研磨での薄膜化は数百μmが限界であるとされていた。しかし、基板の保持方法や砥粒の選択、加圧のバランスなど、さまざまなノウハウを蓄積することで、10μmオーダーの研磨が可能になった。この技術は世の中の最先端であり、この技術を利用することで、初めて、約10μm厚さレベルのキャビティをもつ、キャビティ型光スイッチを実現することが可能になった。
このようにPLZTをキャビティに持つキャビティ型光スイッチは従来の方式では実現できなかった。これは研磨技術を高めることで実現でき、このような構成は従来に無く、そのような着想も無かったものである。
電気光学材料(PLZT)23の膜厚は光路長が入射波長の1/4の偶数倍2N(Nは整数)になるようにする。これにより、入射光の波長λと透過率スペクトルのピーク位置とが一致することになる。
図8はキャビティ型光スイッチとミラーとを個別に実装した比較例を示す図である。
図2に示すようにキャビティ型光スイッチ4aは一体化した透明基板(平行平面基板42)に貼り合わされている。これは先の基板21を加工して形成する。比較のために、図8に一体化されていない構成を示す。同図に示す比較例ではキャビティ型光スイッチから出射した光が基板から一度空気中に出される。この基板から空気中に出るときに少なからず反射がおきる。この反射は光利用効率を下げることから低減することが望まれる。図7に示すように光スイッチの基板の裏面にミラーを形成することで、空気中に光を出すことなくミラーに光を入射することができるため、無駄な光がなく、光利用効率が高まる。また、略平行平面基板の両面を利用することができるため、研磨加工がしやすく、一体型であることから、製造コストがかかる高精度の実装を行う必要がない。実装にかかる誤差によっては光効率を低減することから、それぞれの位置を数μmオーダーで制御する必要がある。数μmオーダーの制御には光源の光を使用するアクティブ実装が必要となるが、製造コストがかかる。
また、図2に示す本実施例では斜入射としたことを特徴としている。キャビティ型光スイッチに光源の光が垂直入射すると、反射光はそのまま光源へと戻ることになる。戻ってきた光を反射するミラーや光源からの光と分離するための1/4λ板など様々な光学素子が必要となる。光学素子をできるだけ少なくし、製造コストを低減する必要がある。また、入射光が基板に入る面には反射防止膜を形成しており、反射による光の利用効率の低減を抑えている。
図9はキャビティ型光スイッチの動作原理を示すスペクトル図である。
同図において符号Giは入射光のスペクトル分布、Groは反射出射光のスペクトル分布、Grは光スイッチの反射率スペクトル分布をそれぞれ示す。添え字のon、offは光スイッチに対する制御電圧印加の入、および切をそれぞれ示す。
図7に示す構成のキャビティ型光スイッチ20では、PLZT23のキャビティと、P波に対して、キャビティ型光スイッチ20の透過スペクトルはほぼ一意に決まる。図9に本キャビティ型光スイッチの動作原理のスペクトルイメージ図を示す。透過スペクトルは一般的なエタロン構造と同様に或る周期をもった振動したスペクトル形状となる。そのスペクトル形状の周期は約8nmとなり、入射光波長780nm近辺にピーク位置がくる。また、PLZT23に電圧を印加していな状態(OFF時)での光の透過率は約80%程度となった。このキャビティ型光スイッチ20に印加する電圧を20Vとし、周波数は100kHz程度とした。この信号を受けて、透過スペクトルが約0.5nm程度低波長側に移動する。透過スペクトルが約0.5nm移動することで、電圧印加時(ON時)の光の透過率は約65%となる。
本発明の実施形態における光走査装置の構成の概要図である。 キャビティ型光スイッチの副走査断面図である。 ポリゴンミラーの回転位置によって走査される光束が切り替わることを説明するための図である。 上下2段のポリゴンを用いるときのタイミングチャートの一例である。 色情報毎に発光量を異ならせるタイミングチャートの一例である。 本発明の光走査装置を適用するタンデム型の多色画像形成装置を示す図である。 本発明の実施例を示すキャビティ型光スイッチの概略斜視図である。 キャビティ型光スイッチとミラーとを個別に実装した比較例を示す図である。 キャビティ型光スイッチの動作原理を示すスペクトル図である。
符号の説明
1 光源としての面発光レーザ
4 光束分割手段
7 偏向手段
11 感光体
20 キャビティ型光スイッチ
21 石英基板
23 電気光学材料
25 電極

Claims (7)

  1. 変調駆動される面発光レーザである光源と、共通の回転軸を有し、所定の角度だけ互いに位相をずらして重ねた少なくとも2段の多面反射鏡を有する偏向手段と、前記光源からのビームを分割し前記偏向手段の相異なる段の多面反射鏡に入射させる光束分割手段と、前記偏向手段により走査されビームを被走査面に導く走査光学系と、を有し、前記光束分割手段により分割されたビームが相異なる被走査面を走査するように構成した光走査装置において、前記光束分割手段は、透過スペクトルの波長を制御する側面に電極が形成された電気光学材料を一対のミラーで挟んだキャビティ型の光スイッチと、前記電極に電圧を印加する手段とを有し、前記電極に電圧を印加することで前記キャビティ型の光スイッチを制御して前記ビームを分割し、該分割されたビームを前記偏向手段の相異なる段の多面反射鏡に入射させることを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1に記載の光走査装置において、前記電気光学材料はPLZTであることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項2に記載の光走査装置において、前記PLZTは、焼結材により構成され、研磨によって所望の厚さに加工されたものであることを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項1ないしのいずれか一つに記載の光走査装置において、前記キャビティ型光スイッチは、1面を光の入射面とする平行平面基板の前記光の入射面に隣接する面と、1面を光の出射面とする補助光学素子の前記光の出射面に隣接する面と、の間に互いに密着して挟まれて光束分割素子を構成することを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項4に記載の光走査装置において、前記光の入射面は反射防止膜が施されていることを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項1ないしのいずれか1つに記載の光走査装置において、前記被走査面に照射される光量をモニタする手段を備えたことを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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