JP5004266B2 - 使用済み平版印刷版の再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、使用済み平版印刷版の再生方法に係り、特に、使用済みの平版印刷版から高純度のアルミニウム原材料(アルミニウム製支持体を製造するための再生地金)を高収率で得ることができ、且つ再生処理における印刷情報の漏洩を防止するための技術に関する。
平版印刷版の支持体は表面親水性が高いことが要求されるために、高純度のアルミニウム板が用いられていることが通常である。即ち、平版印刷版は、アルミニウム板をブラッシングや電解処理等の粗面化処理を施して得られるアルミニウム支持体面に画像記録層を設けることにより製造され、露光及び現像を経て画像記録層に印刷する情報が記録された後、印刷機上に装着されてインク及び湿し水を供給して印刷が行われる。
印刷に使用された後は、使用済みの平版印刷版から高純度のアルミニウム再生地金を高収率で得て、再びアルミニウム支持体の原材料として再利用することが平版印刷版の生産コスト削減において重要になる。また、平版印刷版の画像記録層には機密情報が記録されることもあるために、使用済み平版印刷版の再生処理において機密情報が漏洩しないことも重要になる。
従来の使用済み平版印刷版の再生方法としては、例えば特許文献1がある、特許文献1では、インクと残存する記録層を除去するために、Si成分を含有する研磨パミスを含む研磨液を供給しながら研磨ブラシで処理する方法が記載されている。
特開2005−186415号公報
しかしながら、特許文献1の使用済み平版印刷版の再生方法の場合、アルミニウム支持体自体も同時に研磨されるために、回収する収率が低下する。また、研磨パミスが平版印刷版表面に残存することがあるために、溶解炉での溶解時にアルミニウムに混入してアルミニウム純度の低下原因にもなる。
また、特許文献1の研磨方法ではなく、酸やアルカリでインクと残存する記録層をエッチングにより除去する化学的処理方法(雑誌アルトピア、2003年4月号9ページ)もあるが、アルミニウム支持体自体もエッチングしてしまい、回収する収率が低下する。画像記録層を研磨することで、インクや記録層が除去されアルミニウム純度が向上すると共に、機密情報の漏洩防止も可能であるが、研磨することでアルミニウムが削られてしまうために、収率が低下するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、使用刷済みの平版印刷版から高純度のアルミニウム原材料を高収率で得ることができ、しかも再生処理において印刷情報の漏洩を防止することができる使用済み平版印刷版の再生方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、画像記録層を設ける支持体としてアルミニウム板が使用され、印刷の終了した使用済みの平版印刷版を、溶解炉で溶解してアルミニウム溶湯を得ると共に、該アルミニウム溶湯を支持体原材料として再利用する使用済み平版印刷版の再生方法において、前記溶解炉で溶融する前に前記平版印刷版を、短辺が0.5〜10cmで且つ長辺が10〜140cmの帯状細片に細片化する細片化工程と、前記細片化された帯状細片を混合する混合工程と、前記混合した帯状細片を圧縮する圧縮工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする使用済み平版印刷版の再生方法を提供する。
本発明によれば、使用済み平版印刷版を溶解炉で溶融する前に平版印刷版を細片化してから溶解炉で溶解することにより溶解効率が向上するので、樹脂系塗布液が塗布された画像記録層や印刷時に使用されるインクが燃焼して除去され易くなる。従って、従来のように画像記録層やインクを除去するための工程を行う必要がないか、行っても軽度の処理で済むので、高純度のアルミニウム再生地金を高収率で得ることができる。
また、使用済み平版印刷版を細片化して得られた帯状細片を混合及び圧縮することにより、画像記録層に機密情報等が記録されていても、再生処理において漏洩することがない。即ち、細片を混合すれば、細片同士のつながりが分からなくできると共に、細片を圧縮してブロック化すれば、ブロックの表面しか見えなくなる。
尚、平版印刷版を細片化する手段としては、ギロチン刃による切断装置、ロータリー刃による切断装置、プレス切断装置、レーザー切断装置、ウォータージェット切断装置、粉砕機等から適当な切断手段を適宜選択することができる。
請求項1によれば、細片の短辺が0.5〜10cm、長辺が10〜140cmの帯状細片であれば、多数の帯状細片を混合するときに、弱く混合すれば絡み合わずに混合が可能であり、強く混合すると適度に絡み合って一塊になりハンドリングが容易になる。しかし、帯状細片の短辺が0.5cmよりも細い紐状になると、弱く混合しても帯状細片同士が絡み合い過ぎて混合できなくなる。また、帯状細片を圧縮する場合にも、帯状細片の短辺が0.5〜10cmの帯状であれば、一塊にしてからプレスすれば良いので作業性がよいが、裁断片の短辺が0.5cmよりも細い紐状になると、帯状細片同士が絡み合い過ぎてプレスするときにも取り扱いにくくなる。尚、帯状細片を得るには、ギロチン刃による切断装置が好ましい。
請求項2は請求項1において、前記細片化工程の前又は後に平版印刷版を有機溶剤と界面活性剤を含有する中性水溶液で洗浄して前記画像記録層に付着したインクを除去するインク除去工程を設けることを特徴とする使用済み平版印刷版の再生方法である。
また、請求項3は請求項2において、前記インクが重金属を含有していることを特徴とする。
請求項2は、インクの種類として顔料インクのように重金属を含有している場合に特に重要である。これは、溶解炉での溶解処理時に重金属が残存してアルミニウム溶湯に混入し、アルミニウム純度を下げる要因になるためである。従って、平版印刷版を有機溶剤と界面活性剤とを含有する中性水溶液で洗浄して前記画像記録層に付着したインクを除去すればよい。酸やアルカリでの洗浄と異なり、有機溶剤と界面活性剤で洗浄することで、アルミニウム支持体自体が溶解することがないので、収率が低下することはない。
本発明の請求項4は前記目的を達成するために、画像記録層を設ける支持体としてアルミニウム板が使用され、印刷の終了した使用済みの平版印刷版を、溶解炉で溶解してアルミニウム溶湯を得ると共に、該アルミニウム溶湯を支持体原材料として再利用する使用済み平版印刷版の再生方法において、前記使用済みの平版印刷版を回収ボックスに回収する回収工程と、前記回収した平版印刷版を有機溶剤と界面活性剤とを含有する中性水溶液で洗浄して前記画像記録層に付着したインクを除去するインク除去工程と、前記インクを除去した平版印刷版を、短辺が0.5〜10cmで且つ長辺が10〜140cmの帯状細片に細片化する細片化工程と、前記細片化した帯状細片を混合する混合工程と、前記混合した帯状細片を圧縮する圧縮工程と、前記混合及び圧縮工程を経た帯状細片を溶解炉で溶解する溶解工程と、を備えたことを特徴とする使用済み平版印刷版の再生方法を提供する。
請求項4は使用済み平版印刷版の再生方法の全体ステップを示したものであり、先ず使用済みの平版印刷版を回収ボックスに回収する。次に、回収した平版印刷版を有機溶剤と界面活性剤で処理して前記画像記録層に付着したインクを除去する。これは、上述したように、印刷時のインクの種類として顔料インクのように重金属を含有している場合には、溶解炉で溶解したアルミニウム地金の純度が低下するためである。
次に、インクを除去した平版印刷版を細片化して細片(帯状細片も含む)を得る、この細片を混合及び/又は圧縮してから溶解炉で溶解する。これにより、使用刷済みの平版印刷版から高純度のアルミニウム再生地金を高収率で得ることができ、しかも再生処理において印刷情報の漏洩を防止することができる。
請求項5は請求項4において、前記インク除去工程では、完全に除去することなく平版印刷版の表面当たりのインク付着量が1g/m 以下になるように除去することを特徴とする。平版印刷版を細片化してから溶解炉で効率的に溶解する場合には、平版印刷版の表面当たりのインク付着量が1g/m 以下になるように除去すれば、アルミニウム純度に与える影響は殆どないので、インクを完全に除去する場合に比べてインク除去工程の処理時間を短縮化できる。
請求項6は請求項4又は5において、前記回収ボックスの蓋に開閉防止の鍵を設けると共に、各工程同士の間の使用済み平版印刷版の搬送は、蓋に鍵をかけた搬送容器で行うことを特徴とする。
請求項6のように、回収ボックスの蓋に開閉防止の鍵を設けると共に、各工程同士の間の使用済み平版印刷版の搬送は、蓋に鍵をかけた搬送容器で行うようにすれば、再生処理における機密情報の漏洩防止を一層確実に行うことができる。
請求項7は請求項1〜6のいずれか1において、前記混合工程は、前記帯状細片同士が絡み合わない程度に弱く混合する弱混合工程と、前記弱混合工程で混合した帯状細片を毬状に絡まるように強く混合する強混合工程と、からなることを特徴とする。
使用刷済みの平版印刷版から高純度のアルミニウム原材料を高収率で得ることができ、しかも再生処理において印刷情報の漏洩を防止することができる。
以下、添付図面に従って、本発明の印刷済み平版印刷版の再生方法の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の印刷済み平版印刷版の再生方法の各ステップを示したものであり、各ステップについて以下詳細に説明する。尚、細片化工程では、前述の通り、ギロチン刃による切断装置、ロータリー刃による切断装置、プレス切断装置、レーザー切断装置、フォータージェット切断装置、粉砕機等から適当な切断手段を適宜選択することができるが、本実施の形態では、平版印刷版をギロチン装置で裁断することによって、帯状細片とする裁断工程で説明する。
[回収工程]
使用済みの平版印刷版は、先ず回収工程10において、鍵付きの回収ボックスに回収される。回収ボックスの大きさは平版印刷版のサイズ(縦・横)に応じて複数種類設けられている。回収ボックスはボックス本体と開閉蓋と鍵とで構成され、平版印刷版が回収されてボックス本体内に束状に積層された後は開閉蓋が開かないように鍵をかけた状態で保管される。これにより、平版印刷版の画像形成層に記録された機密情報が漏洩しないようにする。
[インク除去工程]
インク除去工程12に先立って、回収された使用済み平版印刷版に付着する汚れ、埃どの付着物を除去することが好ましい。付着物の除去方法としては、例えば高圧エアーブロー、水洗、アルミニウム支持体自体に傷をつけない程度でブラッシングする等を行うことができる。これにより、インク除去工程12における中性水溶液に不純物が混入するのを防止できる。
インク除去工程12は、平版印刷版の印刷の際にインクとして顔料インクのように重金属を含有するインクを使用する場合に、再生されたアルミニウム原材料のアルミニウム純度を低下させないために特に重要である。従って、重金属を含まないインクであり、溶解炉での溶解時に燃焼可能なインクであれば、インク除去工程を設けないことも可能である。
このインク除去工程12は、使用済み平版印刷版を、有機溶剤と界面活性剤とを含有する中性水溶液で洗浄する工程である。ここで用いられる中性水溶液は、インクは溶解するがアルミニウムは溶解しない有機溶剤と、有機溶剤を水に可溶化させる界面活性剤と、溶媒としての水とで構成される。中性水溶液はpHが5.0〜9.0の範囲であることが好ましい。中性水溶液に用いられる有機溶剤としては、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−アニリノエタノール等を好適に使用でき、中でもベンジルアルコールが特に好ましい。
中性水溶液の有機溶剤の量は、インクの種類やインク付着量により適宜選択することができるが、固形分で10〜45質量%の範囲であることが好ましく、更に好ましくは15〜40質量%の範囲である。
また、中性水溶液に含まれる界面活性剤の量は、使用する有機溶媒を40〜100質量%程度、水もしくは水系溶媒に可溶化しうるものであれば特に制限はなく、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤のいずれであってもよい。有機溶媒の溶解性の観点からはアニオン性界面活性剤であることが特に好ましく、例えばアルキルアリールスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、脂肪族塩類等があり、中でもブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
中性水溶液中の界面活性剤の量は、併用する有機溶剤の種類や量により適宜選択することができるが、固形分で10〜45質量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは固形分で15〜40質量%の範囲である。上記好ましい範囲において、有機溶剤の溶解性を確保し、高いインク除去性をえることができる。
中性水溶液には、上述の有機溶剤、界面活性剤、及び溶媒となる水に加えて、目的に応じて種々の併用成分、例えば、消泡剤、pH調整剤、粘度調整剤、クレート剤などを用いることができる。
中性水溶液による使用済み平版印刷版のインク除去方法としては、例えば、使用済み平版印刷版を中性水溶液に浸漬する方法、中性水溶液を使用済み平版印刷版表面にスプレーやシャワーリングする方法を適宜採用することができる。
浸漬条件としては、液温が15〜45℃の中性水溶液を満たした浴槽に、20〜300分の間浸漬することが好ましい。インク除去効率の観点からは、浸漬中に機械的振動や超音波振動を与えたり、浴槽中に気体を吹き込んでバブリングしたり、浴槽内を攪拌機で攪拌することが好ましい。浸漬は1回に複数枚の使用済み平版印刷版を浸漬して処理をしてもよく、使用済み平版印刷版を一枚ずつ浴槽内を通過するように搬送して連続処理してもよい。
中性水溶液による使用済み平版印刷版のインク除去が終了したら、使用済み平版印刷版から中性水溶液を洗い流す洗浄処理を行うことが好ましい。洗浄処理は、例えば、使用済み平版印刷版の画像記録層面に水洗水をスプレー等により吹き付けながら、ナイロンブラシ等で擦る方法や、平版印刷版が水浴中を搬送されるようにする方法を好適に使用できる。洗浄処理された平版印刷版は公知の方法、例えば非接触ヒータ乾燥器、エアナイフ型乾燥器、熱風吹き出し型乾燥器等により乾燥することが好ましい。
以上の、インク除去処理により、使用済み平版印刷版の画像記録層に付着するインクが除去される。この場合、平版印刷版の表面(画像記録層の面)当たりのインク付着量が1g/m以下になるように除去することが好ましい。従って、インク除去工程の後にインク付着量を検出する工程を設けるようにしてもよい。
尚、本実施の形態では、インク除去工程を次の裁断工程の前で行うようにしたが、裁断工程の後で行ってもよい。
[裁断工程]
裁断工程14では、インク除去工程12が終了した使用済み平版印刷版を裁断して帯状細片とする工程である。裁断機としては公知のものを使用できるが、使用済み平版印刷版を複数枚積層した状態で裁断することに適したギロチン方式の裁断機が好ましい。
使用済み平版印刷版を溶解炉で溶融する前に平版印刷版を帯状細片に裁断してから溶解炉で溶解することにより溶解効率が向上するので、樹脂系塗布液が塗布された画像記録層や印刷時に使用されるインクが燃焼して除去され易くなる。従って、従来のように画像記録層やインクを除去するための工程を行う必要がないか、行っても軽度の処理で済むので、高純度のアルミニウム原材料を高収率で得ることができる。
裁断された後の帯状細片の大きさとしては、短辺が0.5〜10cmの帯状であることが好ましい。帯状細片の短辺が0.5〜30cmの帯状であれば、次の混合/圧縮工程16において、多数の帯状細片を混合するときに、弱く混合すれば絡み合わずに混合が可能であり、強く混合すると適度に絡み合って毬状の塊となり、ハンドリングが容易になる。従って、混合においては、最初に帯状細片同士が絡み合わない程度に弱く混合して帯状細片同士を混合して機密情報の漏洩防止を行い、次に毬状に絡まるように強く混合してハンドリング性を向上させるとよい。
ちなみに、帯状細片の短辺が0.5cmよりも細い紐状になると、弱く混合しても帯状細片同士が絡み合い過ぎて混合できなくなるだけでなく、取り扱い性も悪くなる。また、帯状細片を圧縮して一塊(ブロック)にする場合にも、帯状細片の短辺が0.5〜10cmの帯状であれば、毬状にしてからプレスすれば良いので作業性がよいが、帯状細片の短辺が0.5cmよりも細い紐状になると、帯状細片同士が絡み合い過ぎてプレスするときにも取り扱いにくくなる。帯状細片の短辺の長さは、より好ましくは1〜10cmの範囲である。
帯状細片の長辺の長さとしては、10〜140cmの範囲が好まく、より好ましくは20〜50cmの範囲である。これは帯状細片の長辺の長さが長すぎると、混合や圧縮しにくくなると共に、取り扱い性も悪くなるためである。
尚、帯状細片の短辺や長辺のサイズを上記した範囲内の幾らにするかは、使用済み平版印刷版の画像記録層に記録された機密情報の重要性等により適宜変更することができる。要は、機密情報の漏洩を防止でき、且つハンドリング性を向上し、更には後述する溶解炉で帯状細片を溶解するときに溶解効率を向上できる程度まで細片化すればよい。
[混合/圧縮工程]
帯状細片に細片化された使用済み平版印刷版は、混合/圧縮工程16において、上記の如く混合してからプレス機で一塊にブロック化された状態で次の工程である溶解工程18に搬送される。尚、混合/圧縮のうちの両方を行うことに限定されず、混合のみを行って一塊にしたものを溶解工程18に搬送してもよい。又は、圧縮のみを行ってブロック化したものを溶解工程18に搬送してもよい。混合/圧縮のうちのいずれか一方の処理によっても、機密情報の漏洩防止に寄与すると共に、ハンドリングが容易になる。
混合装置としては、パドルを備えた攪拌機よりもむしろ、帯状細片を容器内に入れた状態で容器を回転する回転ドラム方式の混合装置を好適に使用できる。即ち、多数の帯状細片を回転ドラム内で投入した状態で回転ドラムを回転することにより、帯状細片同士を混合する。この場合、回転ドラムは水平配置よりも45度程度傾斜配置して回転するものが好ましい。また、各工程間を搬送する搬送容器を回転装置に支持して回転することで、特別な混合装置を設けないことも可能である。
また、圧縮のためのプレス機としては、多数の帯状細片を四角形状のプレス容器に投入した状態で上からプレス板で圧縮することにより、四角形のブロックを形成できるものが好ましい。多数の帯状細片を混合したり、圧縮したりして一塊にしたブロックの重さは、ハンドリングのし易さから1Kg以上、10Kg以下程度であることが好ましい。
溶解工程18までの搬送は、蓋に鍵をかけることのできる搬送容器(例えば蓋つきの鉄籠)で行うことが好ましい。これにより、搬送時における機密情報の漏洩を防止できるからである。尚、混合/圧縮工程16と溶解工程18との間の搬送に限らず、各工程間の搬送は蓋に鍵をかけることのできる搬送容器で行うことが好ましい。
[溶解工程]
溶解工程18に搬送された帯状細片(ブロック化されたものも含む)は、溶解炉において溶解され、アルミニウム溶湯とすることで新たなアルミニウム原材料を得ることができる。本発明では、上述したように、使用済み平版印刷版を溶解炉で溶融する前に平版印刷版を細片化してから溶解炉で溶解することにより溶解効率を向上させることができる。
得られたアルミニウム溶湯は、溶湯処理を行うことが好ましい。溶湯処理は、非金属不純物やその燃焼ガス、酸化物等を除去すると共にアルミニウム中に溶け込んだ水素ガスやナトリウムを除去する目的で行われる。溶湯処理の方法は、フラックス、ガス、フィルター等の公知の方法を用いることができる。中でも第1の溶湯処理槽においてガスを用いる溶湯処理を行い、ついで第2の溶湯処理槽においてフィルターを用いた溶湯処理を行う2段階の溶湯処理が好ましい。
(実施例1)
本発明の実施例1では、長さ1300mm、幅1000mm、厚さ0.3mmの使用済み平版印刷版(富士写真フイルム製 HN―N)を、回収工程10で回収ボックスに回収した後、インク除去工程12によりインク付着量(インク…エコピュアーSOY、藍(サカタINKS製))を0.5g/mまで低減した。この平版印刷版を裁断工程14において、100枚積層した状態でギロチン方式の裁断機で裁断し、短辺3cm、長辺40cmの帯状の帯状細片とした。次に、混合/圧縮工程16において、多数の帯状細片を搬送容器の中に入れた状態で搬送容器を回転装置で回転させることにより帯状細片同士を混合した。搬送容器から取り出した帯状細片をプレス機で四角なブロック状にプレスした。このブロックを搬送容器で溶解炉に搬送した後、溶解炉に投入して溶解した。これによりアルミニウム原材料を得た。
表1は、溶解炉で溶解して得られたアルミニウム原材料の収率、純度を調べた。
表1の比較例1は、Si成分を含有する研磨パミスにより、使用済み平版印刷版のインク及び記録層の除去を行った後は、細片化せずに溶解炉で溶解した場合である。
表1の比較例2は、アルカリ液により、使用済み平版印刷版のインク及び記録層をエッチングにより除去を行った後は、細片化せずに溶解炉で溶解した場合である。
表1の結果から分かるように、本発明の実施例1は、アルミニウム原材料の収率が97.25%であり、比較例1の94.55%、比較例2の89.52%に比べて良い結果であった。また、アルミニウム原材料の純度についても本発明の実施例1は、印刷前の平版印刷版と同じ純度であり、全く問題なかった。これにより、本発明によれば、特に平版印刷版への「Product to Product」リサイクルが可能になる。
これに対し、比較例1の純度はアルミニウムの純度が僅かに低下し、逆に珪素(Si)の純度が僅かに上昇した。これは、研磨パミスがアルミニウム溶湯に混入した為と考えられる。比較例2の純度は、実施例1と同等であった。
Figure 0005004266
(実施例2)
実施例2では、実施例1と同様に長さ1300mm、幅1000mm、厚さ0.3mmの使用済み平版印刷版について上述した図1のステップを行ったときのハンドリング性及び再生処理時における機密情報の漏洩防止効果を調べたものである。裁断片は短辺3cm、長辺40cmの帯状の裁断片とした。搬送容器としては、蓋なしの鉄籠の場合と、蓋及び鍵つきに鉄籠の2種類で行った。
表2のうち、実施例2-1は、裁断した裁断片を混合処理した場合であり、実施例2-2は、裁断した裁断片を圧縮処理してブロック化した場合である。
比較例3は、図1のステップのうち、裁断工程14及び混合/圧縮工程16を行わずインク除去工程12から直ちに溶解工程18を行うと共に、使用済みの平版印刷版を上記の大きさのまま鉄籠(平版印刷版の大きさの鉄籠)で搬送した場合である。
対比結果を表2に示す。尚、ハンドリング性は搬送のし易さ、搬送中の荷崩れ、搬送中の荷こぼれ、溶解炉投入時の投入作業性等を目視により判定した。また、機密情報の漏洩防止効果は、各ステップに判定者を置いて、再生処理中に平版印刷版の画像記録層に記録された内容が目視により読み取り可能であるかを判定した。
表2の結果から分かるように、本発明の実施例2-1は、ハンドリング性及び機密情報の漏洩防止効果ともに良好であった。特に、裁断片をブロック化した実施例2-2は、裁断片を混合した実施例2-2よりもハンドリング性において良好であった。また、裁断片は短辺3cm、長辺40cmであれば、溶解炉投入時に裁断片が舞うことはなく、投入作業性も良好であった。
これに対し、比較例3は、ハンドリング中に平版印刷版のサイズが大きいために、鉄籠内で荷崩れし易いためにスムーズな搬送ができなかったと共に、大きすぎるために溶解炉への投入作業性も悪かった。また、比較例3は、小片化することなく各工程で処理され、各工程間を搬送されるために、機密情報の漏洩防止効果が悪かった。
Figure 0005004266
(実施例3)
実施例3は、感光層面に合紙が合わされた使用済みの平版印刷版を使用し、細片化手段として実施例1と同様にギロチン方式の裁断機で裁断した場合と、粉砕機で粉砕した場合とで、平版印刷版からの合紙の剥離性を比較した。これは、合紙が剥離せずに溶解炉に持ち込まれると、溶解炉で溶解して得られたアルミニウム原材料の収率、純度の低下要因となるからである。
その結果、合紙つきの平版印刷版をギロチン裁断機で細片化するよりも、粉砕機で細片化する方が、平版印刷版からの合紙の剥離性が良かった。
本発明に係る使用済み平版印刷版の再生方法の各工程を説明する説明図
符号の説明
10…回収工程、12…インク除去工程、14…裁断工程、16…混合/圧縮工程、18…溶解工程

Claims (7)

  1. 画像記録層を設ける支持体としてアルミニウム板が使用され、印刷の終了した使用済みの平版印刷版を、溶解炉で溶解してアルミニウム溶湯を得ると共に、該アルミニウム溶湯を支持体原材料として再利用する使用済み平版印刷版の再生方法において、
    前記溶解炉で溶融する前に前記平版印刷版を、短辺が0.5〜10cmで且つ長辺が10〜140cmの帯状細片に細片化する細片化工程と、
    前記細片化された帯状細片を混合する混合工程と、
    前記混合した帯状細片を圧縮する圧縮工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする使用済み平版印刷版の再生方法。
  2. 前記細片化工程の前又は後に平版印刷版を有機溶剤と界面活性剤を含有する中性水溶液で洗浄して前記画像記録層に付着したインクを除去するインク除去工程を設けることを特徴とする請求項1の使用済み平版印刷版の再生方法。
  3. 前記インクが重金属を含有していることを特徴とする請求項2の使用済み平版印刷版の再生方法。
  4. 画像記録層を設ける支持体としてアルミニウム板が使用され、印刷の終了した使用済みの平版印刷版を、溶解炉で溶解してアルミニウム溶湯を得ると共に、該アルミニウム溶湯を支持体原材料として再利用する使用済み平版印刷版の再生方法において、
    前記使用済みの平版印刷版を回収ボックスに回収する回収工程と、
    前記回収した平版印刷版を有機溶剤と界面活性剤とを含有する中性水溶液で洗浄して前記画像記録層に付着したインクを除去するインク除去工程と、
    前記インクを除去した平版印刷版を、短辺が0.5〜10cmで且つ長辺が10〜140cmの帯状細片に細片化する細片化工程と、
    前記細片化した帯状細片を混合する混合工程と、
    前記混合した帯状細片を圧縮する圧縮工程と、
    前記混合及び圧縮工程を経た帯状細片を溶解炉で溶解する溶解工程と、を備えたことを特徴とする使用済み平版印刷版の再生方法。
  5. 前記インク除去工程では、完全に除去することなく平版印刷版の表面当たりのインク付着量が1g/m以下になるように除去することを特徴とする請求項4の使用済み平版印刷版の再生方法。
  6. 前記回収ボックスの蓋に開閉防止の鍵を設けると共に、各工程同士の間の使用済み平版印刷版の搬送は、蓋に鍵をかけた搬送容器で行うことを特徴とする請求項4又は5の使用済み平版印刷版の再生方法。
  7. 前記混合工程は、
    前記帯状細片同士が絡み合わない程度に弱く混合する弱混合工程と、
    前記弱混合工程で混合した帯状細片を毬状に絡まるように強く混合する強混合工程と、からなることを特徴とする請求項1〜6の何れか1の使用済み平版印刷版の再生方法。
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