JP5003192B2 - タンク底板の取替方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建屋内の狭いスペースに据え付けられている平底タンクの底板を取り替えるためのタンク底板の取替方法に関するものである。
各種プラント等において、所要の流体等を貯留するために広く用いられている容器の1つとして、図7に示す如く、円筒型のタンク胴板2の下端に平板状のタンク底板3を備えた平底タンク(平底容器)1がある。4はタンク据付個所の基礎、5は上記基礎4に設けた平底タンク1据付用の基礎台であり、通常、上記平底タンク1は、タンク底板3の外周縁部を図示しないボルト等により上記基礎台5に固定して据え付けを行うようにしてある。なお、本明細書における平底タンク1とは、無蓋の平底タンク1に加えて、図示してないが、タンク胴板2の上端側に取外し可能な蓋や、マンホール付きの蓋を有する形式の平底タンク1を含むものとする。
この種の平底タンク1は、通常、定期的に貯留物を空にし、作業者がタンク内部に入る等してタンク胴板2やタンク底板3の板厚を検査し、腐食により減肉が生じている場合は適宜補修を行うようにしている。しかし、タンク底板3の腐食による減肉量が大きい場合や、たとえば、平底タンク1が据え付けてある基礎台5の上面と、平底タンク1の底面との間に水分が溜まる等して、タンク底板3の下面側に腐食等による減肉が生じている場合は、タンク底板3の健全化を図るために、既設の平底タンク1を撤去した後、新たな平底タンク1を搬入して設置するか、又は、既設の平底タンク1のタンク底板3を、新たなタンク底板3に取り替える必要が生じる。
ところで、上記平底タンク1の据え付けは、たとえば、プラント等の建屋の建設途中にてタンク据付個所へのアクセスが容易な状態のときに、工場等で予め一体に製作した平底タンク1を、建屋内の所望のタンク据付個所へ搬入して据え付けを行い、その後、上記据え付けられた平底タンク1の周囲の建屋の建設を続けることによって、上記平底タンク1が、図7に示すように、建屋のコンクリート壁6に囲まれた狭いスペースに据え付けられることがある。
このような建屋内の狭いスペースに平底タンク1が据え付けられていて、建屋の外部から上記建屋内のタンク据付個所まで、工場等で製作された一体製作物としての新たな平底タンク1全体を通過させて搬入可能な大きな搬入経路を確保することが難しい場合は、建屋内で、既設の平底タンク1のタンク底板3を、新たなタンク底板3に取り替える工事を行うようにしている。
上記のように、建屋内で既設の平底タンク1のタンク底板3を、新たなタンク底板3に取り替える場合は、先ず、底板取替工事の対象となる平底タンク1の周囲に設置されている配管、機器等を一時撤去すると共に、タンク据付個所の周囲の建屋コンクリート壁6の一部を破壊して一時撤去した後、上記平底タンク1を吊り上げて、改造作業が可能となる場所まで移動させるようにしてある。次いで、上記平底タンク1のタンク胴板2よりタンク底板3を切り離した後、上記タンク胴板2の下端部に、予め工場等で製作して上記改造作業現場まで搬入した新たなタンク底板3を、溶接により水密に接合して平底タンク1を形成させるようにし、しかる後、上記タンク底板3が取り替えられた平底タンク1を、元のタンク据付個所へ戻して、再び据え付けるようにしてある。
ところで、石油や重油を貯蔵する大型の平底タンクについては、その底板を、タンク据付現場で取り替える手法として、たとえば、胴板(側板)と底板との接合部を切断し、タンクの胴板に取り付けたブラケットをジャッキで押し上げて、上記平底タンクの胴板を持ち上げ、この状態で、既設の底板を新規な底板に取り替えるようにしたジャッキアップ工法が知られている。(たとえば、特許文献1参照)。
更に、上記と同様のジャッキアップ工法において、胴板と底板との接合部を切断した後、胴板をジャッキアップして持ち上げた状態で、上記胴板より切り離された底板を分割して搬出し、その後、新しい底板を分割して上記胴板の下方へ搬入して組み立て、しかる後、該組み立てられた新しい底板の上側に、上記胴板をジャッキダウンさせて、該胴板を、上記組み立てられた新しい底板に接合するようにする手法も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開平9−228651号公報 特表2003−182790号公報
ところが、各種プラント等において使用される平底タンク1は、通常、タンク底板3に高い平坦度が要求される。そのために、上記したように建屋内で既設の平底タンク1のタンク底板3のみの取替工事を実施する場合に使用する取替用のタンク底板3は、工場等で予め一体物として製作するようにして、複数の鋼板を溶接してタンク底板3に所望される大きさの円板形状を形成する際に、溶接作業に伴って生じる歪や変形については、プレス加工により修正することで、要求される高い平坦度を満足させることができるようにしている。
したがって、上記のようにタンク底板3のみを取り替える場合であっても、建屋外部から建屋内における平底タンク1の改造作業現場まで、上記工場等で予め一体物として製作されたタンク底板3を通過させることが可能な大きさの搬入経路を確保しなければならないというのが実状である。
更に、建屋内で既設の平底タンク1のタンク底板3を新たなタンク底板3に取り替えるための従来の工法では、狭い設置スペースに据え付けられている平底タンク1を、一旦改造作業が可能となる場所まで移動できるようにするために、予め、平底タンク1の周囲に設置されている配管、機器、構造物を一時撤去すると共に、タンク据付個所の周囲の建屋コンクリート壁の一部を破壊して一時撤去する必要がある。そのために、平底タンク1の周辺に著しい数の配管や機器や構造物が存在し、更に、それらの配管や機器や構造物が、プラント運転上の理由等により一時撤去することが不可能な場合や、平底タンク1の据付個所が、たとえば、建屋地下階である等、タンク据付個所の周囲の建屋のコンクリート壁6を一時撤去することが不可能な場合は、上記したような従来工法による平底タンク1のタンク底板3の取替工事を実施することができないという問題が生じてしまう。
なお、引用文献2には、既設の平底タンクの底板を、タンク据付個所にて分割状態で搬入する新たな底板に取り替える手法が示されているが、これは、重油や石油等を貯蔵するための非常に大型の平底タンクについて適用するための手法であって、各種プラント等において使用するためにタンク底板3に高い平坦度が要求されるような平底タンク1に適用することは困難である。
すなわち、上記引用文献2に記載されたタンク底板の取替方法では、ジャッキアップした胴板の下方となるタンク据付個所の基礎上に、分割状態で搬入した底板を並べるように配置して、該各底板の隣接する端部同士を、溶接して水密に接合する必要があるが、この場合の溶接作業は底板の上面側からのみしか実施できない。そのため、溶接時の熱によって底板に生じる変形を抑えることが困難で、形成される底板の平坦度を高めることが難しい。
そこで、本発明は、狭いスペースに設置され、且つ底板に高い平坦度が要求されるような各種プラント等において使用される平底タンクの底板を、該平底タンクの据付個所の周辺の配管や機器や構造物を一時撤去することが不可能な場合や、該平底タンクの据付個所の周囲の建屋コンクリート壁を一時撤去することが不可能な場合であっても、新たな底板に取り替えることが可能なタンク底板の取替方法を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、本願の請求項1に対応して、建屋内の既設の平底タンクのタンク胴板とタンク底板を切り離した後、上記タンク胴板を所要高さ位置まで上昇させて、上記タンク底板を撤去し、次に、上記上昇させたタンク胴板の下方に、タンク底板組立用仮設架台を設け、上記タンク組立用仮設架台の上側に、組立式タンク底板を構成する複数のセグメントを搬入して、該各セグメントの組み合わせによって所望するタンク底板の形状が形成されるように配置した状態で、各セグメントの近接端同士を接合して一体物の組立式タンク底板を現地製作し、次いで、該現地製作された一体物の組立式タンク底板の上側に、上記タンク胴板の下端部を接合して、上記組立式タンク底板が取り付けられた平底タンクを形成し、しかる後、該平底タンクの下方より、上記タンク底板組み立て用仮設架台を撤去して、平底タンクを、基礎上に下降させて据え付けるようにするタンク底板の取替方法とする。
又、上記構成において、組立式タンク底板を構成する複数のセグメントの近接端同士を、上下両面側から溶接により接合して一体物の組立式タンク底板を現地製作するようにする。
更に、建屋内の既設の平底タンクのタンク胴板に、該タンク胴板の真円形状を保持させるための補強材を取り付け、しかる後、上記タンク胴板とタンク底板を切り離すようにする。
上記各構成において、タンク底板が切り離されたタンク胴板の上昇作業を、建屋のコンクリート壁に設けたタンク吊り治具との間でワイヤロープにより吊り上げるか、又は、上記コンクリート壁に支持させたジャッキによる押し上げにより行うようにする。
又、上記各構成における組立式タンク底板を構成する複数のセグメントとして、既設の平底タンクのタンク底板と同様の円板形状を、中央部に同心状に配した所要径の円形分割線により分割して該円形分割線の内側に形成する円形セグメントと、上記円形分割線の外側の領域を、周方向所要間隔で上記円形分割線より放射方向に延びる複数の径方向分割線により分割して形成してなる複数の扇形セグメントとを用いるようにする。
更に、上記各構成におけるタンク底板組立用仮設架台として、建屋内の基礎の所要寸法上方位置に、組立式タンク底板を構成する複数のセグメントを、該各セグメントの組み合わせによって所望するタンク底板の形状が形成されるように配置した状態で、且つ各セグメント同士の近接端部分を下面側に露出させた状態で保持できる構成を有するタンク底板組立用仮設架台、より具体的には、梁部材を組み合わせて形成した上面側が平坦な格子構造の底板支持部と、該底板支持部の下側に取り付けた支柱部材とからなり、更に、上記底板支持部の上側に、組立式タンク底板を構成する複数のセグメントを、該各セグメントの組み合わせによって所望するタンク底板の形状が形成されるよう配置するときに、上記各セグメント同士の近接端の近傍となる上記底板支持部の各梁部材の所要個所の上面側に、凹部を設けてなる構成を有するタンク底板組立用仮設架台を用いるようにする。
本発明によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)建屋内の既設の平底タンクのタンク胴板とタンク底板を切り離した後、上記タンク胴板を所要高さ位置まで上昇させて、上記タンク底板を撤去し、次に、上記上昇させたタンク胴板の下方に、タンク底板組立用仮設架台を設け、上記タンク組立用仮設架台の上側に、組立式タンク底板を構成する複数のセグメントを搬入して、該各セグメントの組み合わせによって所望するタンク底板の形状が形成されるように配置した状態で、各セグメントの近接端同士を接合して一体物の組立式タンク底板を現地製作し、次いで、該現地製作された一体物の組立式タンク底板の上側に、上記タンク胴板の下端部を接合して、上記組立式タンク底板が取り付けられた平底タンクを形成し、しかる後、該平底タンクの下方より、上記タンク底板組み立て用仮設架台を撤去して、平底タンクを、基礎上に下降させて据え付けるようにするタンク底板の取替方法としてあるので、タンク底板を切り離してから上昇させたタンク胴板の下方にて、タンク底板組立用仮設架台に定盤の役目を担わせた状態で、その上側で組立式タンク底板の各セグメントを、組立精度を十分に確保しながら溶接して一体に組み立てることができる。
(2)したがって、高い平坦度が要求される平底タンクのタンク底板を現地製作することが可能になるため、従来、周辺の配管や機器や構造物の一時撤去が困難で改造が不可能とされてきた平底タンクや、周囲の建屋コンクリート壁を一時撤去することが不可能な据付個所に据え付けられていて改造が不可能とされてきた平底タンクであっても、タンク底板の取替工事を実施することが可能になる。更に、従来のタンク底板取替工事の工法に比して、工事に干渉する周辺の機器や構造物の撤去、復旧に要する作業を最小限に抑えることができるため、大幅な工期短縮と費用削減効果が期待できる。
(3)組立式タンク底板を構成する複数のセグメントの近接端同士を、上下両面側から溶接により接合して一体物の組立式タンク底板を現地製作するようにすることにより、上記各セグメントを溶接して一体物として形成する組立式タンク底板に歪や変形が生じる虞を抑えることができる。
(4)建屋内の既設の平底タンクのタンク胴板に、該タンク胴板の真円形状を保持させるための補強材を取り付け、しかる後、上記タンク胴板とタンク底板を切り離すようにすることにより、タンク底板を切り離した後にタンク胴板を昇降させる際に、該タンク胴板の真円形状が変形する虞を未然に防止することができる。
(5)タンク底板が切り離されたタンク胴板の上昇作業を、建屋のコンクリート壁に設けたタンク吊り治具との間でワイヤロープにより吊り上げるか、又は、上記コンクリート壁に支持させたジャッキによる押し上げにより行うようにすることにより、上記持ち上げられたタンク胴板の下方に、タンク底板組立用仮設架台を容易に設置することができる。
(6)組立式タンク底板を構成する複数のセグメントとして、既設の平底タンクのタンク底板と同様の円板形状を、中央部に同心状に配した所要径の円形分割線により分割して該円形分割線の内側に形成する円形セグメントと、上記円形分割線の外側の領域を、周方向所要間隔で上記円形分割線より放射方向に延びる複数の径方向分割線により分割して形成してなる複数の扇形セグメントとを用いるようにすることにより、各セグメントの近接端同士を、上記各分割線に沿って溶接して一体物の組立式タンク底板を現地製作するときに、製作される組立式タンク底板を、溶接時の熱が周方向に偏りなく加えられたものとすることができる。したがって、上記組立式タンク底板の歪や変形を最小限に抑えた状態で製作することが可能になる。
(7)タンク底板組立用仮設架台として、建屋内の基礎の所要寸法上方位置に、組立式タンク底板を構成する複数のセグメントを、該各セグメントの組み合わせによって所望するタンク底板の形状が形成されるように配置した状態で、且つ各セグメント同士の近接端部分を下面側に露出させた状態で保持できる構成を有するタンク底板組立用仮設架台、より具体的には、梁部材を組み合わせて形成した上面側が平坦な格子構造の底板支持部と、該底板支持部の下側に取り付けた支柱部材とからなり、更に、上記底板支持部の上側に、組立式タンク底板を構成する複数のセグメントを、該各セグメントの組み合わせによって所望するタンク底板の形状が形成されるよう配置するときに、上記各セグメント同士の近接端の近傍となる上記底板支持部の各梁部材の所要個所の上面側に、凹部を設けてなる構成を有するタンク底板組立用仮設架台を用いるようにすることにより、上記組立式タンク底板の各セグメントの近接端同士を、上下両面側から溶接して接合することが可能になるため、現地製作される組立式タンク底板に生じる歪や変形を最小限に抑えることが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1(イ)(ロ)(ハ)乃至図5(イ)(ロ)(ハ)(ニ)は本発明のタンク底板の取替方法の実施の一形態を示すものである。
ここで、先ず、図3(イ)(ロ)に示す組立式タンク底板7について説明する。上記組立式タンク底板7は、底板取替工事の対象となる平底タンク1のタンク底板3(図7参照)の形状と同様の円板形状を、建屋外部より建屋内のタンク据付個所に至る搬入経路、たとえば、人の通路を利用する図示しない搬入経路を経て搬入可能な寸法となるように、所要の分割線10a,10bに沿って分割した形状の複数のセグメント8,9からなる分割構造とする。
具体的には、上記平底タンク1のタンク底板3と同様の円板形状を、中央部に同心状に配した所要径の円形の分割線10aにより分割して、該円形分割線10aの内側に円形セグメント8を形成する。更に、上記円形分割線10aよりも外側のリング状の領域を、上記円形分割線10aにおける周方向所要間隔の複数個所、たとえば、周方向に中心角36度間隔の10個所よりそれぞれ放射方向に延びる径方向分割線10bにより分割して、10個の扇形のセグメント9を形成する。これにより、図3(イ)に示したように上記円形セグメント8の外周に、上記各扇形セグメント9を周方向に沿って配列させた状態とした後、内外方向に隣接する円形セグメント8の外周側と各扇形セグメント9の内周側の近接端同士を、円形分割線10aに沿って溶接して水密に接合すると共に、周方向に隣接する各扇形セグメント9の近接端同士を、径方向分割線10bに沿ってそれぞれ溶接して水密に接合することで、すべてのセグメント8,9を一体化して、上記底板取替工事の対象となる平底タンク1のタンク底板3の形状と同様の円板形状を備えた一体物の組立式タンク底板7を形成できるようにしてある。
なお、上記組立式タンク底板7を、建屋外部より建屋内のタンク据付個所に至る搬入経路を経て搬入可能な寸法となるよう各セグメント8,9に分割するための分割線を、中央部の円形分割線10a及び周方向に所要間隔で配置された径方向分割線10bとしたのは、各セグメント8,9の近接端同士を、上記各分割線10a,10bに沿って溶接することで一体物として形成される円板形状の組立式タンク底板7を、溶接時の熱が周方向に偏りなく加えられたものとすることができるようにして、該一体物として形成される組立式タンク底板7の歪や変形を最小限に抑えることができるようにするためである。
次に、図1(イ)(ロ)(ハ)に示すタンク底板組立用仮設架台11について説明する。上記タンク底板組立用仮設架台11は、底板取替工事の対象となる平底タンク1の据付個所の基礎4に設けてある基礎台5の真上の所要高さ位置に、上述した如き分割構造としてある組立式タンク底板7の円形セグメント8と各扇形セグメント9を、全体形状が図3(イ)に示した如き円板形状となるように互いに隣接させて配置させた状態で、且つ該各セグメント8,9間の分割線10a,10bをすべて下面側に露出させた状態で、下方から支持できる構成とする。
具体的には、上記タンク底板組立用仮設架台11は、たとえば、上記組立式タンク底板7の半径寸法よりもやや長い寸法を有する径方向梁部材13を、中心角36度間隔で放射状に10本配置する。更に、隣接する上記各径方向梁部材13の外端部同士及び長手方向所要間隔の複数個所(図では3個所)同士の間に、周方向梁部材14を、それぞれ介装させるように配置すると共に、該各周方向梁部材14の両端部を、上記各径方向梁部材13の対応する個所に図示しない連結金具を介しそれぞれ連結して、上記各径方向梁部材13と、略同心円状に配置された各周方向梁部材14とからなる格子構造を備えた上面側が平坦な円盤状の底板支持部12を形成する。
更に、上記底板支持部12における所要個所、たとえば、各径方向梁部材13の内端部には、上記基礎台5の中心に配置するための所要の高さ寸法を有する中心支柱部材15の上端部を図示しない連結金具を介して取り付ける。又、各径方向梁部材13の外端部には、上下方向に所要の高さ寸法を有する外周側支柱部材16の上端部を図示しない連結金具を介して取り付ける。更に、各径方向梁部材13における最内周側の周方向梁部材14との連結個所には、各々上下方向に所要の高さ寸法を有する内周側支柱部材17の上端部をそれぞれ図示しない連結金具を介して取り付ける。これにより、上記中心支柱部材15を、底板取替工事の対象となる平底タンク1のタンク据付個所の基礎台5の中心に配置することで、各支柱部材15,16,17により、上記底板支持部12を、上記基礎台5の上方にて底板支持部12の上側に載置する上記組立式タンク底板7を構成する各セグメント8,9同士の下面側からの溶接作業が実施可能となる高さ位置に、水平、又は、上記基礎台5の上面に傾斜が設けてある場合には、該基礎台5上面と平行に保持できるようにしてある。なお、図では、上記各外周側支柱部材16が、タンク据付個所の基礎台5の周囲の基礎4上に配置されるものとしてある。
更に、上記底板支持部12の上側に上記組立式タンク底板7の各セグメント8,9を載置するときに、該各セグメント8,9同士の分割線10a,10bの位置と対応する個所となる上記各径方向梁部材13の長手方向所要個所、及び、各周方向梁部材14の長手方向所要個所には、それぞれ図1(ロ)及び図1(ハ)に示すように、下方へクランク状に屈曲した部分を設けて、該各梁部材13,14の上面側に凹部18を形成する。これにより、上記底板支持部12の上側に載置される上記組立式タンク底板7の各セグメント8,9同士の各分割線10a,10bを、上記各径方向梁部材13と周方向梁部材14による格子構造の格子目を通して下面側に露出できるようにすると共に、上記各分割線10a,10bが上記各径方向梁部材13や周方向梁部材14と交差する個所では、該各分割線10a,10bを、上記各径方向梁部材13や周方向梁部材14に設けてある凹部18を通して下面側に露出できるようにしてある。
更に又、上記タンク底板組立用仮設架台11は、建屋外部より建屋内のタンク据付個所まで、上記組立式タンク底板7を構成する各セグメント8,9と同様の搬入経路、たとえば、人の通路を利用する図示しない搬入経路を経て搬入可能な寸法に分解可能な組立構造とする。すなわち、上記各径方向梁部材13と、各周方向梁部材14と、各支柱部材15,16,17とを、個別に分解可能な構造としたり、あるいは、上記図示しない搬入経路を通過可能な寸法の範囲内で、複数の部材を連結してなるブロックごとに分解可能な構造としてあるものとする。更に、上記図示しない搬入経路を通して搬入可能とするために、部材の長さ寸法が制限される場合には、長尺の部材を長手方向に複数分割可能な構造としてもよい。たとえば、図1(イ)(ロ)(ハ)に示したタンク底板組立用仮設架台11では、各径方向梁部材13を、最内周側の周方向梁部材14及び内周側支柱部材17との連結個所で、内側部材13aと外側部材13bに二分割可能な構成としてある。
19は径方向梁部材13と、外周側支柱部材16、内周側支柱部材17との連結個所を補強するための斜め材である。
なお、上記においては、タンク底板組立用仮設架台11の各径方向梁部材13及び各周方向梁部材14が、周方向に均等に配置されるものとして示したが、たとえば、上記各径方向梁部材13及び周方向梁部材14の周方向の配置が多少不均等になってもよい。
すなわち、たとえば、底板取替工事の対象となる既設の平底タンク1のタンク底板3の所要個所の下面側に、排出用配管等の付属物が取り付けられている場合は、上記組立式タンク底板7を構成する各セグメント8,9のうち、対応する個所に配置される所要のセグメント8,9の下面側に、上記排出用配管等の付属物(図示せず)を予め取り付けるようにする。このために、上記所要のセグメント8,9の下面側に予め取り付けられている付属物が、上記タンク底板組立用仮設架台11の周方向や径方向の各梁部材13,14と干渉する虞が生じる場合は、たとえば、図2に示す如く、上記付属物と干渉する虞が生じる個所(図ではタンク底板組立用仮設架台11の右端部)の径方向梁部材13の位置を部分的に周方向へずらしたり、周方向梁部材14を部分的に省略する等、各梁部材13,14の配置を適宜変更するようにすればよい。又、上記のように各梁部材13,14の配置を変更した個所に、適宜支柱部材20を追加して取り付けるようにしてもよい。
以上の構成としてあることにより、上記底板取替工事の対象となる既設の平底タンク1が設置されていた基礎台5及びその周囲の基礎4上にて、上記タンク底板組立用仮設架台11を組み立てると、上記基礎台5の所要寸法上方に配置される底板支持部12の上側に、上記組立式タンク底板7の各セグメント8,9を、全体形状が図3(イ)に示した如き円板形状となるように互いに隣接させて配置でき、該各セグメント8,9の近接端同士を、上面側から各分割線10a,10bに沿って溶接できると共に、上記各径方向梁部材13と周方向梁部材14による格子構造の格子目と、該各径方向梁部材13及び周方向梁部材14に設けてある凹部18を通して、下面側から上記各分割線10a,10bに沿って溶接できるようにしてある。更に、後述するように、上記各セグメント8,9を溶接して一体化してなる組立式タンク底板7を製作した後、該組立式タンク底板7の上側に、底板取替工事の対象となる平底タンク1のタンク胴板2よりタンク底板3を予め切除したものを載置して、上記タンク胴板2の下端部を、上記組立式タンク底板7に溶接して平底タンク1を形成し、その後、この組立式タンク底板7を新たに取り付けた平底タンク1を一旦持ち上げた状態とすることにより、その下方にて上記タンク底板組立用仮設架台11を分解して、上記タンク設置個所の基礎台5上より容易に撤去できるようにしてある。
次いで、上記組立式タンク底板7及びタンク底板組立用仮設架台11を用いて行うタンク底板の取替方法について説明する。
かかるタンク底板の取替方法を実施する場合は、予め、工場にて、上記図3(イ)(ロ)に示した如き組立式タンク底板7を構成する各セグメント8,9を製作しておく。
そして、先ず、図4(イ)に示す如く、既設の平底タンク1のタンク胴板2の外周面における所要個所、たとえば、タンク上部と下部の外周面における周方向所要間隔の複数個所に、外向きに所要寸法突出するタンク支持用治具21を取り付ける。一方、該平底タンク1が据え付けられている建屋室内のコンクリート壁6における上記各タンク支持用治具21と対応する個所に、内向きに所要寸法突出するタンク支持用構造物22をそれぞれ取り付けて、該各タンク支持用構造物22の突出端部が、それぞれ対応する上記各タンク支持用治具21の突出端部の所要寸法下方に配置されるようにする。
又、上記平底タンク1の上部における所要の複数個所、たとえば、タンク胴板2の上端部外周面の周方向所要間隔の複数個所に、吊り金具23を取り付ける。一方、上記建屋室内のコンクリート壁6の上部又は天井壁における上記吊り金具23と個別に対応する所要個所に、タンク吊り治具24を取り付ける(図では上記タンク吊り治具24をコンクリート壁6の上部に設けた状態を示してある。)。
更に、必要に応じて、上記平底タンク1のタンク胴板2の外周に、タンク底板3を切除した状態でも該タンク胴板2の真円形状を保持できるようにするための補強材としての補強リング25を取り付ける。なお、上記補強リング25は、建屋外部より建屋内のタンク据付個所まで、上記組立式タンク底板7を構成する各セグメント8,9と同様に、人の通路を利用した搬入経路を経て搬入可能な寸法に分解可能な組立構造としてあるものとする。すなわち、たとえば、上記補強リング25は、予め周方向所要間隔個所で分割された複数の円弧状の部材として製作しておき、該円弧状の部材を、上記建屋内のタンク据付個所まで搬入した後、タンク胴板2の外周で周方向に互いに連結して現地組立を行うことで、高剛性の補強リング25を構築すると共に上記タンク胴板2への取り付けを行うことができるようにすればよい。又、上記補強リング25は、上記タンク胴板2の外周に上下方向複数段に亘り取り付けるようにしてもよい。更に、上記タンク胴板2の内側に、該タンク胴板2の真円形状を保持させるための補強材として、補強用の梁部材(図示せず)を適宜取り付けるようにしてもよい。
次に、図4(ロ)に示す如く、上記平底タンク1のタンク胴板2の下端部と、タンク底板3とを切り離す。この場合、タンク胴板2の下端部におけるタンク底板3との既存の隅肉溶接部を切り離すようにすれば、タンク胴板2の高さ寸法の変化を小さく抑えることが可能になる。又、上記タンク胴板2の下端部と、タンク底板3との切り離しに用いる切断方法としては、ガス切断や、ガス切断が好まれない建屋内の場合にはグラインダによる切断等、作業環境に応じた切断方法を適宜選択して用いるようにすればよい。なお、図4(ロ)では、図示する便宜上、切断されたタンク胴板2とタンク底板3を分離した状態で記載してある。
次いで、図4(ハ)に示す如く、上記タンク胴板2側の吊り金具23に一端部を接続したワイヤロープ26を、建屋室内のコンクリート壁6側に設けてあるタンク吊り治具24に掛け回した状態として、該ワイヤロープ26の他端側を図示しないウインチ等により牽引することで、上記タンク底板3を切り離した平底タンク1のタンク胴板2を、タンク底板組立用仮設架台11の高さ寸法と組立式タンク底板7の厚み寸法との和よりもやや高い位置まで吊り上げる(上昇させる)。その後、上記タンク胴板2と一体に上昇させられる上記タンク支持用治具21の先端部と、建屋室内のコンクリート壁6側に取り付けてあるタンク支持用構造物22の先端部との間に、所要の高さ寸法を有する支持柱27を介在させるように挿入することにより、上記上昇させたタンク胴板2を、上記タンク支持用治具21、支持柱27、タンク支持用構造物22を介して建屋室内のコンクリート壁6に支持させるようにする。
その後、上記タンク胴板2より切り離されたタンク底板3を、基礎台5上より取り外すと共に、上記タンク胴板2とタンク底板3との切断に用いた切断方法と同様の切断方法により、上記タンク底板3を、たとえば、人の通路を利用する搬出経路を経て搬出可能な寸法以下となるように切り刻んでから、図4(ニ)に示す如く、タンク据付個所より撤去する。
なお、上記のようにタンク胴板2を上昇させた状態のときに、後工程で組立式タンク底板7と溶接する該タンク胴板2の下端部の全周に亘り、開先加工を施しておくことが好ましい。
上記のようにして既設の平底タンク1のタンク底板3の撤去が完了すると、本発明のタンク底板の取替方法では、先ず、図5(イ)に示す如く、上記タンク据付個所に、図1(イ)(ロ)(ハ)に示した如きタンク底板組立用仮設架台11を、分解状態で人の通路を利用した搬入経路を経て搬入した後、上記基礎台5の上側で組み立てて、上記持ち上げたタンク胴板2の下方に、該タンク底板組立用仮設架台11の設置を行う。
次に、図5(ロ)に示す如く、上記タンク据付個所に、組立式タンク底板7を、各セグメント8,9に分解した状態で人の通路を利用した搬入経路を経て搬入して、上記タンク底板組立用仮設架台11の底板支持部12の上側に、上記各セグメント8,9を、全体で所望するタンク底板の円板形状が形成されるように互いに隣接させて載置する。この際、図1(イ)(ロ)(ハ)に示したように、上記各セグメント8,9同士の分割線10a,10bが、上記タンク底板組立用仮設架台11の径方向及び周方向の各梁部材13,14に設けてある凹部18の上側で、該各梁部材13,14と交差するように配置させるようにする。
次いで、上記タンク底板組立用仮設架台11上にて、互いに隣接させた状態で載置した上記各セグメント8,9の上側に、上記タンク胴板2を下ろした後、上記隣接させて配置してある各セグメント8,9の近接端同士を、上記分割線10a,10bに沿って上面側及び下面側の両側から溶接して水密に接合して一体構造の組立式タンク底板7を現地製作する。この際、上記各セグメント8,9のタンク胴板2よりも内側に位置する部分の近接端同士を上面側から溶接するときには、作業者が上記タンク胴板2の内側に入って溶接作業を行うようにすればよい。又、各セグメント8,9の近接端同士を上記分割線10a,10bに沿って下面側から溶接する場合は、上記タンク底板組立用仮設架台11の各径方向梁部材13と周方向梁部材14による格子構造の格子目と、該各径方向梁部材13及び周方向梁部材14に設けてある凹部18を通して溶接作業を行うようにすればよい。
なお、上記組立式タンク底板7の各セグメント8,9を溶接する際には、上記各セグメント8,9同士を、予めクランプのような図示しない拘束部材で仮止めして溶接時に相対変位が生じる虞を阻止するようにしたり、各セグメント8,9における隣接するセグメント8,9との分割線10a,10bと干渉しない個所に、鋼材を仮止めする等して、該各セグメント8,9自体が溶接時に変形する虞を阻止するようにすればよい。
上記組立式タンク底板7を一体物として製作した後は、上記タンク胴板2の下端部を、上記一体物とした組立式タンク底板7の上面に、全周に亘り溶接により水密に接合して上記組立式タンク底板7を新たに取り付けてなる平底タンク1を形成する。
その後、必要に応じて既設の基礎台5の補修を行ってから、図5(ハ)に示す如く、上記ワイヤロープ26を少し牽引して上記組立式タンク底板7を取り付けてなる平底タンク1を少し持ち上げ、この状態で、上記タンク底板組立用仮設架台11を分解して、タンク据付個所の基礎台5上より撤去する。
しかる後、前述したタンク支持用治具21とタンク支持用構造物22との間に介在させて配置してある支持柱27を撤去してから、上記ワイヤロープ26を弛めることで、図5(ニ)に示す如く、上記組立式タンク底板7を取り付けてなる平底タンク1を、基礎台5上に下降させ、上記組立式タンク底板7の外周縁部を、基礎台5上に固定して、上記組立式タンク底板7を取り付けてなる平底タンク1の据え付けを行うようにする。
その後、上記タンク胴板2に取り付けてある補強リング25等の補強用の治具を取り外す。又、状況に応じて、上記タンク支持用治具21、吊り金具23を、タンク胴板2より取り外し、同様に、状況に応じて、上記タンク支持用構造物22、タンク吊り治具24を建屋室内のコンクリート壁6より取り外して、タンク底板取替工事を終了する。
このように、本発明のタンク底板取替方法によれば、タンク据付個所にて、既設の平底タンク1のタンク胴板2とタンク底板3を切り離し、該タンク胴板2を上昇させた状態として、切り離されたタンク底板3を撤去した後、上記タンク胴板2の下方にタンク底板組立用仮設架台11を設置するようにしているため、該タンク底板組立用仮設架台11に定盤の役目を担わせた状態で、その上側で組立式タンク底板7を構成する各セグメント8,9を、組立精度を十分に確保しながら溶接して一体に組み立てることができる。更に、上記タンク組立用仮設架台11を、径方向と周方向の各梁部材13と14とからなる格子構造の底板支持部12を備え、且つ上記径方向及び周方向の各梁部材13,14における上記組立式タンク底板7を構成する各セグメント8,9間の分割線10a,10bと交差する個所に凹部18を備えてなる構成としてあるため、上記底板支持部12の上側に載置した上記組立式タンク底板7を構成する各セグメント8,9の近接端同士を、上記分割線10a,10bに沿って上下両面側から溶接することが可能になるため、溶接による歪や変形を最小限に抑えることが可能になる。したがって、高い平坦度が要求される平底タンク1の取替用のタンク底板を現地製作することが可能になるため、従来、周辺の配管や機器や構造物の一時撤去が困難で改造が不可能とされてきた平底タンク1や、建屋地下階のように、周囲の建屋コンクリート壁6を一時撤去することが不可能な据付個所に据え付けられていて改造が不可能とされてきた平底タンク1であっても、タンク底板の取替工事を実施することが可能になる。
更には、上記タンク底板組立用仮設架台11を使用することにより、作業中の安全確保という面でも大きな役割を担う効果が期待できる。
更に、上記したタンク底板の取替方法は、従来のタンク底板取替工事の工法に比して、工事に干渉する周辺の機器や構造物の撤去、復旧に要する作業が最小限に抑えられるため、大幅な工期短縮と費用削減効果が期待できる。
次に、図6は本発明の実施の他の形態を示すもので、図4(ハ)において、タンク底板3を切り離した後のタンク胴板2を、タンク胴板2に取り付けた吊り金具23に接続すると共に、タンク吊り治具24に掛け回したワイヤロープ26の牽引により持ち上げるようにした構成に代えて、タンク胴板2側に取り付けてあるタンク支持用治具21と、建屋室内のコンクリート壁6側に取り付けたタンク支持用構造物22との間に介装したジャッキ28の伸長作動により、上記タンク支持用治具21を押し上げて、上記タンク底板3を切り離した後のタンク胴板2を上昇させるようにしたものである。
その他の構成は図1(イ)(ロ)(ハ)乃至図5(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
本実施の形態によっても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。更に、タンク胴板2側の吊り金具23、及び、建屋室内のコンクリート壁6側のタンク吊り治具24は設置する必要がなく、更には、上記ジャッキ28が、伸長状態で長さ寸法を固定できる形式のものとすれば、支持柱27も不要になるため、本発明のタンク底板の取替方法の実施に用いる装置構成を、よりシンプルなものとすることができて、工期及び費用の更なる削減効果が期待できる。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、組立式タンク底板7を構成する各セグメント8,9は、該各セグメント8,9を溶接することで最終的に形成される一体物の組立式タンク底板7の歪や変形を最小限に抑えることができるようにする、という観点からは、上記組立式タンク底板7の中央部に配した同心状の円形分割線10aと、周方向に所要間隔で配した径方向分割線10bにより分割されたものとすることが好ましいが、上記組立式タンク底板7を、建屋外部より建屋内のタンク据付個所に至る搬入経路を経て搬入可能な寸法となるように分割してあれば、いかなる配置の分割線によって分割されたセグメントを用いるようにしてもよい。この場合は、上記各セグメント同士を、タンク底板組立用仮設架台11上に載置した状態で、上下両面側より溶接することが可能になるということによって、一体物として形成される組立式タンク底板7の平坦度を高める効果が期待できる。
上記タンク組立用仮設架台11は、組立式タンク底板7を構成する各セグメント8,9を載置するための底板支持部12を、径方向梁部材13と周方向梁部材14による格子構造とし、且つ上記底板支持部12上に載置される組立式タンク底板7の各セグメント8,9同士の分割線10a,10bと、上記径方向梁部材13及び周方向梁部材14が交差する個所では、該径方向梁部材13及び周方向梁部材14に凹部18を設ける構成として示したが、底板支持部12の上側に互いに隣接させて載置する上記組立式タンク底板7を構成する各セグメント8,9同士の分割線が、下面側に露出されるようにした状態で、上記組立式タンク底板7の各セグメント8,9を下方から支持できれば、上記底板支持部12はいかなる構造を採用してもよい。又、上記底板支持部12を、タンク据付個所にて所要高さ位置に配置することができれば、該底板支持部12の下方に取り付ける支柱部材の配置や数は適宜変更してもよい。
タンク据付個所にて、タンク底板3を切断したタンク胴板2を、その下方でタンク底板組立用仮設架台11の設置と、該タンク底板組立用仮設架台11上への組立式タンク底板7の各セグメント8,9の載置作業が実施可能な位置まで持ち上げることができれば、ワイヤロープ26による吊り上げや、ジャッキ28による押し上げ以外の手段により、上記タンク底板3を切断したタンク胴板2を上昇させるようにしてもよい。その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明のタンク底板の取替方法の実施の一形態で使用するタンク底板組立用仮設架台を示すもので、(イ)は概略平面図、(ロ)は(イ)のA−A方向矢視図、(ハ)は(イ)のB−B方向矢視拡大図である。 本発明の実施の他の形態として、図1のタンク底板組立用仮設架台の変形例を示す概略平面図である。 本発明のタンク底板の取替方法に用いる組立式タンク底板の実施の一形態を示すもので、(イ)は各セグメントを隣接させて配置した状態を、(ロ)は各セグメントを分離させて配置した状態をそれぞれ示す概略平面図である。 本発明のタンク底板の取替方法の手順を示すもので、(イ)は既設の平底タンクが設置された状態を、(ロ)はタンク胴板の下端よりタンク底板を切り離した状態を、(ハ)はタンク胴板を持ち上げた状態を、(ニ)はタンク底板を撤去した状態を、それぞれ示す概略側面図である。 図4(ニ)に続いて行うタンク底板の取替方法の手順を示すもので、(イ)はタンク底板組立用仮設架台を設置した状態を、(ロ)はタンク底板組立用仮設架台上に組立式タンク底板を載置した状態を、(ハ)は組立式タンク底板を取り付けた平底タンクの下方よりタンク底板組立用仮設架台を撤去した状態を、(ニ)はタンク底板を組立式タンク底板に取り替えた平底タンクを据え付ける状態を、それぞれ示す概略側面図である。 本発明のタンク底板の取替方法の実施の他の形態を示すもので、図4(ハ)に対応する図である。 従来の平底タンクの概要を示す側面図である。
符号の説明
1 平底タンク
2 タンク胴板
3 タンク底板
4 基礎
5 基礎台
6 コンクリート壁
7 組立式タンク底板
8 円形セグメント(セグメント)
9 扇形セグメント(セグメント)
10a 円形分割線(分割線)
10b 径方向分割線(分割線)
11 タンク底板組立用仮設架台
12 底板支持部
13 径方向梁部材
14 周方向梁部材
15 中心支柱部材(支柱部材)
16 外周側支柱部材(支柱部材)
17 内周側支柱部材(支柱部材)
18 凹部
20 支柱部材
21 タンク支持用治具
22 タンク支持用構造物
23 吊り金具
24 タンク吊り治具
25 補強リング(補強材)
26 ワイヤロープ
27 支持柱
28 ジャッキ

Claims (7)

  1. 建屋内の既設の平底タンクのタンク胴板とタンク底板を切り離した後、上記タンク胴板を所要高さ位置まで上昇させて、上記タンク底板を撤去し、次に、上記上昇させたタンク胴板の下方に、タンク底板組立用仮設架台を設け、上記タンク組立用仮設架台の上側に、組立式タンク底板を構成する複数のセグメントを搬入して、該各セグメントの組み合わせによって所望するタンク底板の形状が形成されるように配置した状態で、各セグメントの近接端同士を接合して一体物の組立式タンク底板を現地製作し、次いで、該現地製作された一体物の組立式タンク底板の上側に、上記タンク胴板の下端部を接合して、上記組立式タンク底板が取り付けられた平底タンクを形成し、しかる後、該平底タンクの下方より、上記タンク底板組み立て用仮設架台を撤去して、平底タンクを、基礎上に下降させて据え付けるようにすることを特徴とするタンク底板の取替方法。
  2. 組立式タンク底板を構成する複数のセグメントの近接端同士を、上下両面側から溶接により接合して一体物の組立式タンク底板を現地製作するようにする請求項1記載のタンク底板の取替方法。
  3. 建屋内の既設の平底タンクのタンク胴板に、該タンク胴板の真円形状を保持させるための補強材を取り付け、しかる後、上記タンク胴板とタンク底板を切り離すようにする請求項1又は2記載のタンク底板の取替方法。
  4. タンク底板が切り離されたタンク胴板の上昇作業を、建屋のコンクリート壁に設けたタンク吊り治具との間でワイヤロープにより吊り上げるか、又は、上記コンクリート壁に支持させたジャッキによる押し上げにより行うようにする請求項1、2又は3記載のタンク底板の取替方法。
  5. 組立式タンク底板を構成する複数のセグメントとして、既設の平底タンクのタンク底板と同様の円板形状を、中央部に同心状に配した所要径の円形分割線により分割して該円形分割線の内側に形成する円形セグメントと、上記円形分割線の外側の領域を、周方向所要間隔で上記円形分割線より放射方向に延びる複数の径方向分割線により分割して形成してなる複数の扇形セグメントとを用いるようにする請求項1、2、3又は4記載のタンク底板の取替方法。
  6. タンク底板組立用仮設架台として、建屋内の基礎の所要寸法上方位置に、組立式タンク底板を構成する複数のセグメントを、該各セグメントの組み合わせによって所望するタンク底板の形状が形成されるように配置した状態で、且つ各セグメント同士の近接端部分を下面側に露出させた状態で保持できる構成を有するタンク底板組立用仮設架台を用いるようにする請求項1、2、3、4又は5記載のタンク底板の取替方法。
  7. タンク底板組立用仮設架台として、梁部材を組み合わせて形成した上面側が平坦な格子構造の底板支持部と、該底板支持部の下側に取り付けた支柱部材とからなり、更に、上記底板支持部の上側に、組立式タンク底板を構成する複数のセグメントを、該各セグメントの組み合わせによって所望するタンク底板の形状が形成されるよう配置するときに、上記各セグメント同士の近接端の近傍となる上記底板支持部の各梁部材の所要個所の上面側に、凹部を設けてなる構成を有するタンク底板組立用仮設架台を用いるようにする請求項1、2、3、4、5又は6記載のタンク底板の取替方法。
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