JP5002485B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、電線の接続等に使用されるコネクタに関し、特に耐振動構造を備えたコネクタに関する。
移動体としての自動車には、多種多様な電子機器が搭載されており、この電子機器はワイヤハーネスを介して、自動車や他の電子機器と接続されている。そして、これらの電子機器とワイヤハーネスとは、それぞれが備えたコネクタ同士が嵌合することにより接続されている。
コネクタは、コネクタハウジングと、該コネクタハウジングに収容される端子金具と、を備えている。コネクタ同士が嵌合すると、それぞれのコネクタハウジング内の端子金具が電気的に接続する。
前述したコネクタとして、例えば、エンジンルーム等の過酷な振動条件下で用いられる、耐振動構造を備えたコネクタ(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。このコネクタは、雄型のコネクタハウジング(以下、雄ハウジングと呼ぶ)と、該雄ハウジングと嵌合する雌型のコネクタハウジング(以下、雌ハウジングと呼ぶ)と、これら雄ハウジングと雌ハウジングとの間に介在するフロントホルダと、を備えている。
雄ハウジングは、雄型の端子金具を収容した端子収容部と、該端子収容部に連なる筒状の嵌合筒部とを備えている。雌ハウジングは、雌型の端子金具を収容した筒状の内筒部と、この内筒部の外側に該内筒部と間隔をあけて設けられた筒状の外筒部と、を備えている。端子金具は、導電性の板金からなり前記電線の芯線と電気的に接続する。
フロントホルダは、内筒部の外周に沿って筒状に形成されており、該内筒部の雄ハウジング寄りの外周面に取り付けられている。また、フロントホルダは、雄ハウジングと相対する側の端部に、ゴム等の弾性材料で構成された円環状の弾性体が当該フロントホルダの全周に亘って設けられている。
前述した構成のコネクタは、雌ハウジングの外筒部と内筒部との間に雄ハウジングの嵌合筒部が挿入されて、該嵌合筒部の内周面と内筒部の外周面との間にフロントホルダを位置付けることで、これらの雄ハウジングと雌ハウジングとが互いに嵌合する。そして、フロントホルダは、外周面が雄ハウジングの嵌合筒部により内筒部に向かって押圧されるとともに、弾性体が前記嵌合筒部により嵌合方向に押圧されることによって、これらの雄ハウジングと雌ハウジングとのガタつきを抑制する。
特開平8−96878号公報
しかしながら、前述した特許文献1に開示されたコネクタは、雄ハウジングと雌ハウジングとが互いに嵌合した際に、雄ハウジングの嵌合筒部の内側と雌ハウジングの本体部の外側との間にフロントホルダを位置付けて、これら雄ハウジングと雌ハウジングとのガタつきを抑制していた。このため、部品点数及び組み付け作業工数が増加するという問題があった。
したがって、本発明は、部品点数及び組み付け作業工数を増加させることなく、簡単な構造で一方及び他方のコネクタハウジング同士のガタつきを抑えて、端子金具の導通不良を防ぐことができるコネクタを提供することを目的とする。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、筒状のフード部を有する一方のコネクタハウジングと、筒状の筒部と、該筒部内に収容され且つ端子金具を収容する本体部と、を有する他方のコネクタハウジングと、を備え、前記フード部が前記筒部内に挿入され、且つ、前記フード部内に前記本体部を位置付けて、前記一方のコネクタハウジングと前記他方のコネクタハウジングとが嵌合するコネクタにおいて、前記筒部は、内周が前記フード部の外周よりも小さく形成されているとともに、該筒部の前記フード部と相対する側の一端部から前記フード部の挿入方向先端側の他端部に向かって延在した貫通孔を備えていることを特徴とするコネクタである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の発明において、前記筒部が、該筒部の前記一端部の内周面に該一端部から前記他端部に向かうにしたがって徐々に当該筒部の内周方向に向かって傾斜した傾斜面を備えていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記貫通孔には、該貫通孔の前記筒部の外周側の内面から突出する突部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載の発明において、前記突部が、前記貫通孔の長手方向の全長に亘って延在していることを特徴とするものである。
請求項1に記載された発明によれば、他方のコネクタハウジングの筒部は、内周が一方のコネクタハウジングのフード部の外周よりも小さく形成されるとともに、当該筒部のフード部と相対する側の一端部から該フード部の挿入方向先端側の他端部に向かって延在した貫通孔を備えているので、一方のコネクタハウジングのフード部を他方のコネクタハウジングの筒部内に挿入した際に、フード部によって筒部が外周方向に押圧されて、該筒部の貫通孔が縮径することで当該筒部の内周を押し広げることができる。このため、一方のコネクタハウジングのフード部が他方のコネクタハウジングの筒部の内周面を該筒部の外周方向に押圧した状態で、該筒部内に挿入することができる。
請求項2に記載された発明によれば、筒部が、フード部と相対する側の一端部の内周面に、該一端部からフード部の挿入方向先端側の他端部に向かうにしたがって徐々に当該筒部の内周方向に向かって傾斜した傾斜面を備えているので、フード部の先端を筒部の傾斜面に当接させて、該傾斜面に沿ってスライドさせることで、筒部の内周より大きく形成されたフード部を該筒部内にスムーズに挿入することができる。
請求項3に記載された発明によれば、貫通孔には、該貫通孔の筒部の外周側の内面から突出する突部が設けられているので、一方のコネクタハウジングのフード部を他方のコネクタハウジングの筒部内に挿入して、フード部が筒部を外周方向に押圧して該筒部の貫通孔が縮径した際に、突部を貫通孔の筒部の内周側の内面と当接させることができる。このため、貫通孔が過大に縮径することを防止することができ、よって、筒部の内周面が当該筒部の外周方向に過大に変位することを防止することができる。
請求項4に記載された発明によれば、突部が、貫通孔の長手方向の全長に亘って延在しているので、貫通孔の長手方向の全長に亘って突部を該貫通孔の筒部の内周側の内面と当接させることができる。このため、貫通孔が当該貫通孔の長手方向の全長に亘って過大に縮径することを防止することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明は、一方のコネクタハウジングのフード部を他方のコネクタハウジングの筒部内に挿入した際に、フード部によって筒部が外周方向に押圧されて、該筒部の貫通孔が縮径することで当該筒部の内周を押し広げることができる。このため、一方のコネクタハウジングのフード部が他方のコネクタハウジングの筒部の内周を該筒部の外周方向に押圧した状態で、該筒部内に挿入することができ、よって、一方のコネクタハウジングのフード部と他方のコネクタハウジングの筒部とがガタつくことを抑えることができる。したがって、部品点数及び組み付け作業工数を増加させることなく、簡単な構造で一方のコネクタハウジングと他方のコネクタハウジングとのガタつきを抑えて、端子金具の摩耗等による導通不良を防ぐことができる。
請求項2に記載の本発明は、フード部の先端を筒部の傾斜面に当接させて、該傾斜面に沿ってスライドさせることで、筒部の内周より大きく形成されたフード部を該筒部内にスムーズに挿入することができる。このため、一方のコネクタハウジングと他方のコネクタハウジングとの組み付けをスムーズに行うことができる。
請求項3に記載の本発明は、一方のコネクタハウジングのフード部を他方のコネクタハウジングの筒部内に挿入して、フード部が筒部を外周方向に押圧して該筒部の貫通孔が縮径した際に、突部を貫通孔の筒部の内周側の内面と当接させることができる。このため、貫通孔が過大に縮径することを防止することができ、よって、筒部の内周面が当該筒部の外周方向に過大に変位することを防止することができる。したがって、一方のコネクタハウジングのフード部と他方のコネクタハウジングの筒部とがガタつくことを確実に抑えることができる。
請求項4に記載の本発明は、貫通孔の長手方向の全長に亘って突部を該貫通孔の筒部の内周側の内面と当接させることができる。このため、貫通孔が当該貫通孔の長手方向の全長に亘って過大に縮径することを防止することができ、よって、筒部の内周面が該筒部の全長に亘って当該筒部の外周方向に過大に変位することを防止することができる。したがって、一方のコネクタハウジングのフード部と他方のコネクタハウジングの筒部とがガタつくことをより確実に抑えることができる。
以下、本発明の一実施形態にかかるコネクタを図1乃至図5を参照して説明する。本発明の一実施形態にかかるコネクタ1は、図1に示すように、雄コネクタハウジング(以下、雄ハウジングと呼ぶ)2と、雌コネクタハウジング(以下、雌ハウジングと呼ぶ)3と、を備えている。
なお、本実施形態において、雄ハウジング2は特許請求の範囲に記載の一方のコネクタハウジングに相当し、雌ハウジング3は他方のコネクタハウジングに相当する。
雄ハウジング2は、絶縁性の合成樹脂等で形成されている。雄ハウジング2は、図3に示すように、内部に電線の端末に取り付けられた複数の雄型の端子金具(以下、雄端子と呼ぶ)4を収容する。雄ハウジング2は、図1又は図3に示すように、内側に雄端子4の主に電線接続部(図示せず)を収容する端子収容部10と、該端子収容部10に連なり且つ雄端子4の主に雄タブ4aを収容するフード部13とを一体に備えている。
雄端子4は、導電性の板金などからなり、図示しない電線と接続される電線接続部(図示せず)と、雄タブ4aとを一体に備えている。この雄タブ4aは、直線状に延在した棒状に形成されている。雄タブ4aは、雄ハウジング2と雌ハウジング3とが嵌合した際に、該雌ハウジング3の後述する本体部30の孔33から端子収容室34内に侵入して、該端子収容室34内の雌端子と電気的及び機械的に接続する。
端子収容部10は、有底筒状に形成されており、底壁11と、該底壁11の周縁に連なる周壁12とを備えている。端子収容部10は、内側に前述した雄端子4の図示しない電線接続部を収容する。
フード部13は、端子収容部10の周壁12に連なった周壁14を備えて筒状に形成されている。フード部13は、周壁14の端子収容部10から離れた側、即ち雌ハウジング3の後述する筒部20内に挿入される挿入方向先端15側が、当該フード部13即ち雄ハウジング2の外表面に開口している。フード部13は、内側に雌ハウジング3の後述する本体部30を収容し且つ該雌ハウジング3の後述する筒部20内に収容される。
また、フード部13には、ロック突起16と、ガイドリブ17とが設けられている。ロック突起16は、フード部13の周壁14から該フード部13即ち雄ハウジング2の外方向に突出して形成されている。ロック突起16は、雌ハウジング3の後述する筒部20に設けられたロックアーム23の係合孔25aに係合することで、雄ハウジング2と雌ハウジング3との嵌合を保持する。
ガイドリブ17は、フード部13の周壁14の外表面から凸に形成され且つ一対設けられている。一対のガイドリブ17は、雄ハウジング2と雌ハウジング3との嵌合方向K(図1中に矢印で示す)と直交する方向、即ち雄ハウジング2の幅方向に互いに間隔をあけて配されている。一対のガイドリブ17は、それぞれ、雌ハウジング3の後述する筒部20の各ガイド凹部26内に侵入して、雄ハウジング2と雌ハウジング3とを正しい向きで嵌合させる。
なお、前述した嵌合方向Kとは、雄ハウジング2と雌ハウジング3とが嵌合する際に、これらが互いに近づく方向をなしているとともに、これらが互いに嵌合する方向をなしている。
雌ハウジング3は、絶縁性の合成樹脂等で形成されており、図1又は図2に示すように、外側に筒状に形成された筒部20と、該筒部20内に収容され且つ箱状に形成された本体部30とを備えている。
筒部20は、有底筒状に形成されており、底壁21と、該底壁21の外周縁から立設した周壁22とを備えている。筒部20は、周壁22の内周が前述した雄ハウジング2のフード部13の外周よりも小さく形成されている。筒部20は、周壁22の底壁21から離れた側即ち雄ハウジング2と相対する側の一端部22aが、当該筒部20即ち雌ハウジング3の外表面に開口している。
そして、筒部20は、内側に本体部30を収容するとともに、周壁22の内周面22cが本体部30の後述する外周面32aと間隔をあけて配されている。また、筒部20には、ロックアーム23と、ガイド凹部26(図5に示す)と、貫通孔27と、傾斜面29とが設けられている。
ロックアーム23は、図1又は図2などに示すように、筒部20の周壁22の底壁21側の他端部22bから立設した立設部24と、該立設部24の周壁22から離れた側の端部に連なり且つ筒部20の周壁22の他端部22bから一端部22aに向かう方向に延びたアーム部25とを一体に備えている。アーム部25には、該アーム部25を貫通して形成された係合孔25aが設けられている。ロックアーム23は、アーム部25の係合孔25aに前述した雄ハウジング2のロック突起16が係合することで、雄ハウジング2と雌ハウジング3との嵌合を保持する。
ガイド凹部26は、図5に示すように、筒部20の周壁22の内周面22cから凹に形成され且つ一対設けられている。一対のガイド凹部26は、雄ハウジング2と雌ハウジング3との嵌合方向Kに沿って延在している。一対のガイド凹部26は、雄ハウジング2と雌ハウジング3との嵌合方向Kと直交する方向、即ち雌ハウジング3の幅方向に沿って互いに間隔をあけて配されている。一対のガイド凹部26には、それぞれ、前述した雄ハウジング2の各ガイドリブ17が侵入して、雄ハウジング2と雌ハウジング3とを正しい向きで嵌合させる。
貫通孔27は、図1又は図5に示すように、平面が略楕円形状で且つ筒部20の周壁22を貫通して形成されているとともに、該周壁22に複数設けられている。複数の貫通孔27は、それぞれ、筒部20の周壁22の底壁21から離れた側の一端部22aから該底壁21側の他端部22bに向かって延在している。即ち、複数の貫通孔27は、それぞれ、筒部20の周壁22の前述した雄ハウジング2のフード部13と相対する側の一端部22aから該フード部13の挿入方向先端15側の他端部22bに向かって延在している。複数の貫通孔27は、本体部30の周壁21の周方向に沿って互いに間隔をあけて配されている。
また、複数の貫通孔27には、それぞれ、突部28が設けられている。突部28は、断面が略円弧状で且つ貫通孔27の筒部20の外周側の内面27aから突出して形成されている。突部28は、貫通孔27の長手方向の全長に亘って延在している。
傾斜面29は、図1又は図2に示すように、筒部20の周壁22の底壁21から離れた側の一端部22aの内周面22cに設けられている。傾斜面29は、筒部20の周壁22の底壁21から離れた側の一端部22aから該底壁21側の他端部22bに向かうにしたがって徐々に当該筒部20の内周方向に向かって傾斜して形成されている。
本体部30は、図1又は図2に示すように、前述した雄ハウジング2の雄端子4の雄タブ4aを通す孔33が複数設けられた相対壁31と、該相対壁31の外周縁から立設した周壁32とを備えた略矩形の箱状に形成されている。本体部30は、周壁32の相対壁31から離れた側の端部が前述した筒部20の底壁21と連結されている。本体部30は、内部に互いに並設された複数の端子収容室34が設けられている。本体部30は、各々の端子収容室34に電線の端末に取り付けられた図示しない雌型の端子金具(以下、雌端子と呼ぶ)を収容する。
複数の端子収容室34は、それぞれ、本体部30内に設けられた直線状の空間であり、長手方向が雄及び雌ハウジング2,3同士の嵌合方向と平行に形成されている。複数の端子収容室34は、それぞれ、長手方向の両端が本体部30即ち雌ハウジング3の外表面に開口している。複数の端子収容室34は、互いに平行に配置されている。端子収容室34の内面には、可撓性を有して雌端子と係止可能な係止ランス(図示せず)が設けられている。この係止ランスは、雌端子に係止して、端子収容室34内から該雌端子が抜け出ることを規制する。
雌端子は、導電性の金属で構成され、複数設けられている。雌端子は、筒状の電気接触部と、該電気接触部に連なる電線接続部とを一体に備えている。電気接触部は、内側に前述した雄端子4の雄タブ4aが侵入して、該雄タブ4a即ち雄端子4と電気的及び機械的に接続する。電線接続部は、電線(図示せず)が取り付けられて、該電線の芯線と電気的に接続する。そして、雌端子は、雄及び雌ハウジング2,3同士が嵌合した際に、電気接触部内に雄端子4の雄タブ4aが侵入して、電線と雄端子4とを電気的に接続する。
前述した構成のコネクタ1を組み立てる際には、まず、雄ハウジング2の端子収容部10内に電線付きの雄端子4を収容する。そして、雌ハウジング3の本体部30の端子収容室34内に電線付の雌端子を収容する。このとき、端子収容室34内に設けられた係止ランスが雌端子に係止して、該雌端子が端子収容室34内から抜け出ることを規制する。
次に、図1に示すように、雄ハウジング2と雌ハウジング3とを相対させる。そして、雄ハウジング2と雌ハウジング3とを互いに近づけていき、雄ハウジング2のフード部13の先端15を、雌ハウジング3の筒部20の周壁22の一端部22a側の内周面22cに設けられた傾斜面29に当接させて、該傾斜面29に沿ってスライドさせる。
すると、雄ハウジング2のフード部13が雌ハウジング3の筒部20が外周方向に押圧して、筒部20の周壁22の内周を、該周壁22の各貫通孔27を縮径させることで押し広げて、雄ハウジング2のフード部13が雌ハウジング3の筒部20と本体部30との間に侵入する。このとき、前記貫通孔27の筒部20の外周側の内面27aに設けられた突部が、該貫通孔27の筒部20の内周側の内面27bと当接することによって、貫通孔27が過大に縮径することを防止する。
さらに、雄ハウジング2のフード部13が雌ハウジング3の筒部20を外周方向に押圧して、該筒部20の周壁22の内周を押し広げつつ、雄ハウジング2と雌ハウジング3とを近づけていくと、図4又は図5に示すように、雄ハウジング2のフード部13に設けられた各ガイドリブ17が雌ハウジング3の筒部20の周壁22の内周面22cに設けられた各ガイド凹部26内に侵入するとともに、雌ハウジング3の筒部20に設けられたロックアーム23のアーム部25が雄ハウジング2のロック突起16と接触して、アーム部25が弾性変形してロック突起16を乗り越えて、アーム部25の係合孔25aにロック突起16が侵入して係合する。
このとき、雄ハウジング2の端子収容部10内に収容された雄端子4の雄タブ4aが、雌ハウジング3の端子収容室34内に収容された雌端子の電気接触部内に侵入して、雄端子4と雌端子とが電気的及び機械的に接続する。こうして、雄ハウジング2と雌ハウジング3とが嵌合して、コネクタ1が組み立てられる。
前述のように雄ハウジング2と雌ハウジング3とが嵌合すると、図4又は図5に示すように、雄ハウジング2のフード部13が雌ハウジング3の筒部20の周壁22の内周を該筒部20の外周方向に押圧した状態で、雌ハウジング3の筒部20と本体部30との間に位置付けられる。こうして、雄ハウジング2のフード部13が雌ハウジング3の筒部20を外周方向に押圧することにより、雄ハウジング2のフード部13と雌ハウジング3の筒部20とがガタつくことを防ぐ。
本実施形態によれば、雌ハウジング3の筒部20は、内周が雄ハウジング2のフード部13の外周よりも小さく形成されるとともに、当該筒部20のフード部13と相対する側の一端部22aから該フード部13の挿入方向先端15側の他端部22bに向かって延在した貫通孔27を備えているので、雄ハウジング2のフード部13を雌ハウジング3の筒部20内に挿入した際に、フード部13によって筒部20が外周方向に押圧されて、該筒部20の貫通孔27が縮径することで当該筒部20の内周を押し広げることができる。
このため、雄ハウジング2のフード部13が雌ハウジング3の筒部20の内周面22cを該筒部20の外周方向に押圧した状態で、該筒部20内に挿入することができ、よって、雄ハウジング2のフード部13と雌ハウジング3の筒部20とがガタつくことを抑えることができる。したがって、部品点数及び組み付け作業工数を増加させることなく、簡単な構造で雄ハウジング2と雌ハウジング3とのガタつきを抑えて、端子金具の摩耗等による導通不良を防ぐことができる。
また、筒部20が、フード部13と相対する側の一端部22aの内周面22cに、該一端部22aからフード部13の挿入方向先端15側の他端部22bに向かうにしたがって徐々に当該筒部20の内周方向に向かって傾斜した傾斜面29を備えているので、フード部13の先端15を筒部20の傾斜面29に当接させて、該傾斜面29に沿ってスライドさせることで、筒部20の内周より大きく形成されたフード部13を該筒部20内にスムーズに挿入することができる。このため、雄ハウジング2と雌ハウジング3との組み付けをスムーズに行うことができる。
さらに、貫通孔27には、該貫通孔27の筒部20の外周側の内面27aから突出する突部28が設けられているので、雄ハウジング2のフード部13を雌ハウジング3の筒部20内に挿入して、フード部13が筒部20を外周方向に押圧して該筒部20の貫通孔27が縮径した際に、突部28を貫通孔27の筒部20の内周側の内面27bと当接させることができる。
このため、貫通孔27が過大に縮径することを防止することができ、よって、筒部20の内周面22cが当該筒部20の外周方向に過大に変位することを防止することができる。したがって、雄ハウジング2のフード部13と雌ハウジング3の筒部20とがガタつくことを確実に抑えることができる。
また、突部28が、貫通孔27の長手方向の全長に亘って延在しているので、貫通孔27の長手方向の全長に亘って突部28を該貫通孔27の筒部20の内周側の内面27bと当接させることができる。このため、貫通孔27が当該貫通孔27の長手方向の全長に亘って過大に縮径することを防止することができ、よって、筒部20の内周面22cが該筒部20の全長に亘って当該筒部20の外周方向に過大に変位することを防止することができる。したがって、雄ハウジング2のフード部13と雌ハウジング3の筒部20とがガタつくことをより確実に抑えることができる。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態にかかるコネクタを示す分解斜視図である。 図1に示されたコネクタの雌ハウジングをII−II線に沿って切った断面図である。 図1に示されたコネクタの雄ハウジングを雌ハウジング側から見た斜視図である。 図1に示されたコネクタの雄ハウジングと雌ハウジングとが嵌合した状態を示す斜視図である。 図4中のV−V線に沿う断面図である。
符号の説明
1 コネクタ
2 雄ハウジング(一方のコネクタハウジング)
3 雌ハウジング(他方のコネクタハウジング)
13 フード部
15 先端
20 筒部
22a 一端部
22b 他端部
22c 内周面
27 貫通孔
27a 内面
28 突部
29 傾斜面
30 本体部
K 嵌合方向

Claims (4)

  1. 筒状のフード部を有する一方のコネクタハウジングと、
    筒状の筒部と、該筒部内に収容され且つ端子金具を収容する本体部と、を有する他方のコネクタハウジングと、を備え、
    前記フード部が前記筒部内に挿入され、且つ、前記フード部内に前記本体部を位置付けて、前記一方のコネクタハウジングと前記他方のコネクタハウジングとが嵌合するコネクタにおいて、
    前記筒部は、内周が前記フード部の外周よりも小さく形成されているとともに、該筒部の前記フード部と相対する側の一端部から前記フード部の挿入方向先端側の他端部に向かって延在した貫通孔を備えていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記筒部が、該筒部の前記一端部の内周面に該一端部から前記他端部に向かうにしたがって徐々に当該筒部の内周方向に向かって傾斜した傾斜面を備えていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記貫通孔には、該貫通孔の前記筒部の外周側の内面から突出する突部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記突部が、前記貫通孔の長手方向の全長に亘って延在していることを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
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