JP5002151B2 - エチレングリコールを含有する排水を処理する方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エチレングリコールを含有する排水を処理する技術、特に、例えば使用済みの自動車用エンジン冷却水を含んだ排水等のエチレングリコールを含有した排水を処理する方法及びその装置に関する。
自動車等の車両に装備されるエンジンの冷却水はその主成分がエチレングリコールである。また、エンジン冷却水にはトリエタノールアミン等の防錆剤が含まれている。そして、使用済みの冷却水は、通常30〜50%の高濃度のエチレングリコールを含有し、さらにアミン等の防錆剤、エンジン部品から溶出した鉄、銅、アルミニウム等の金属成分も含まれることもある。
エンジン冷却水のようなエチレングリコール含有排水中のエチレングリコールを分解処理する方法及びこれに供される微生物は例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。また、エチレングリコール含有排水中のエチレングリコールを分解処理する方法及びその装置は例えば特許文献3及び特許文献4に開示されている。
特許文献1、特許文献2及び特許文献3に示された排水処理方法はエチレングリコール分解に適した微生物群(例えばシュードモナス・プチダに属する微生物群)を包括固定化法によって合成高分子で包括固定した担体を有する生物処理槽内に排水を導入して空気曝気している。
特許文献4に示された排水処理方法は、廃液の温度変化に影響を受けないで処理する方法として、前記微生物群を固定化した合成高分子からなる担体を有する生物処理槽内に杉チップを備えたものである。
特許第3414618号明細書 特許第3680545号明細書 特開2003−1291号公報 特開2005−13993号公報
先に述べた排水処理技術をエチレングリコール含有排水、特に、自動車エンジン冷却水含有排水の処理に適用した場合の問題点を以下に述べる。
先ず、自動車整備工場の排水に適用した場合(排水にはLLC以外のものが含まれ、LLCは希釈されて存在)について述べる。
特許文献1〜3には、自動車整備工場より採取した使用済みエンジン冷却水(LLC:Long Life Coolant)を含んだ排水の浄化試験が実施例として記載されている。その浄化試験の結果として、特許文献1及び特許文献2には自動車整備工場より排出される使用済みLLCを含んだ排水を環境基準値以下までに浄化可能であると記載されている。
また、特許文献3には、自動車整備工場より採取した使用済み自動車エンジン冷却水含有排水の浄化試験を行った結果、エチレングリコール含有排水は水質汚濁防止法に定める全ての水質基準項目が満たされることが記載されている。
上記のように特許文献1〜3の処理方法による浄化試験では、水質面において良好に浄化できた記載されているが、実用に際しては以下の問題が発生した。
反応槽において悪臭が常時発生する。さらに、反応槽において発泡が大量に発生する。
また、微生物活性を維持するために、pH調整、栄養剤注入といった付帯設備が必要で設備コストが高くなる。
ところで、特許文献1〜3記載の浄化試験の対象排水は自動車整備工場により採取した使用済みLLCを含んだ排水であり、その処理前のCOD、エチレングリコール濃度は次のようである。
特許文献1の浄化試験の対象排水はCODが1100〜3580mg/lである。
特許文献2の浄化試験の対象排水はCODが1860〜6300mg/lでありエチレングリコールが1800〜6700mg/lである。
特許文献3の浄化試験の対象排水はエチレングリコールが約1000〜11000mg/lである。
通常LLCのエチレングリコール濃度、CODは約300000〜500000mg/lである。このことから、上記対象排水において、使用済みLLCは希釈されて存在している。例えば、特許文献1の対象排水ではCODで計算すると約80〜450倍に、特許文献2の対象排水ではエチレングリコールで計算すると約45〜280倍に、特許文献3の対象排水ではエチレングリコールで計算すると約28〜500倍に希釈されていると推測される。これは対象排水である自動車整備工場の排水には、使用済みLLC以外の排水(例えば洗車で使用した排水など)も含まれるためである。
このように、特許文献1〜3に記載されている実施例は生物処理に適切な濃度まで既に使用済みLLCが希釈されている排水を対象としている。
次に、自動車解体事業場でのLLC分別回収に適用する場合について述べる。
使用済みLLCは自動車解体事業場においても発生する。自動車解体事業場において使用済みLLCは解体車両のラジエータから抜き取られ、分別回収される。
この使用済みLLCは他の排水等で希釈されていないため、エチレングリコール濃度、CODは約300000〜500000mg/lと、特許文献1〜3の浄化試験対象排水に比べて非常に高い。
このLLCを特許文献1〜3の方法で浄化するには、相当な希釈(前記例でいえば約28〜500倍)が必要となると考えられ、その場合、希釈によるランニングコストも非常に高くなると予想され、問題である。
そして自動車解体場で発生する日量300リットル規模の使用済みLLCを対象とした廃LLC分解微生物による浄化プラントの検討が発明者らによって行われている。
特許文献1〜3の浄化試験では廃LLC分解微生物を合成高分子に包括固定化した担体を用いているが、日量300リットル規模の使用済みLLCを対象とした浄化試験を特許文献1〜3の実施例に従った場合、微生物包括固定化担体が大量に必要となる。包括固定化担体の製造には、多大な時間と労力を要するため、コストも非常に高い。そのため、包括固定化担体の量を少なくできる特許文献4の方法を用いて、連続処理プラントを設計施工し、実際に連続処理による浄化試験を試みられている。
特許文献4の方法は特許文献1、2と同程度の性状の排水を浄化対象としているので、浄化試験においては、使用済みLLCを水道水で希釈したものを対象原水とすると、以下のような問題が生じることが確認されている。
浄化後のCODを水質汚濁防止法排水基準に適合させるためには、廃LLC計画投入量の28%程度しか処理できず、また375倍程度の非常に大きい希釈を必要とする。その結果、LLC希釈に伴うコストが非常に高くなり、全体的なランニングコストも高くなる。
また、反応槽、沈殿槽、消毒槽において悪臭が常時発生する。
反応槽において発泡が大量に発生する。
このように、日量300リットル程度というような特許文献1〜3の浄化試験に比べて大規模な浄化試験を行うにあたっては、充填する担体、設備などを必要最低限とし、イニシャルコストをできるだけ抑制する必要がある。また、より高濃度な使用済みLLC含有排水をできるだけ低いコストで浄化する必要がある。さらに、実用面において悪臭をできるだけ抑える必要がある。そして、反応槽において発泡をできるだけ抑えることが必要である。
本発明は以上の事情に鑑みなされたもので、その目的はエチレングリコール含有排水を低廉に処理すると共に悪臭及び発泡現象を抑制させることができる処理方法及びその装置の提供にある。
請求項1のエチレングリコールを含有する排水の処理方法は、エチレングリコールを含有する排水の処理に適した微生物群を固定させた担体を具備した第一反応槽を複数直列的に連通配置させると共に、前記担体を具備しない第二反応槽を複数直列的に連通配置させた排水処理装置における当該排水の処理方法であって、前記排水を前記第一反応槽に供して前記担体と接触させる工程と、前記第一反応槽から供給された処理水を前記第二反応槽に供して前記処理水を前記担体から生成した浮遊性物質と接触させる工程前記複数の第一及び第二反応槽のうちでその処理水のCOD残存率が略同等となっている隣接の反応槽がある場合にこの隣接の反応槽のうちの最上流側反応槽の処理水を次工程の固液分離処理に供する一方で当該最上流側反応槽の下流側全ての反応槽を休止させる工程とを有する。
請求項2のエチレングリコールを含有する排水の処理方法は、請求項1のエチレングリコールを含有する排水の処理方法において、前記担体は結合固定化法によって前記微生物群を固定したものである。
請求項3のエチレングリコールを含有する排水の処理方法は、請求項1または2のエチレングリコールを含有する排水の処理方法において、前記第二反応槽の液相の一部を前記第一反応槽に返送する。
請求項4のエチレングリコールを含有する排水の処理方法は、請求項1から3のいずれかのエチレングリコールを含有する排水の処理方法において、前記第二反応槽から供給された液相を膜分離処理手段に供給して固液分離処理する。
請求項5のエチレングリコールを含有する排水の処理方法は、請求項1から4のいずれかのエチレングリコールを含有する排水の処理方法において、前記排水は水道水によって希釈された後に前記第一反応槽に供給される。
請求項6のエチレングリコールを含有する排水の処理方法は、請求項1から5のいずれかのエチレングリコールを含有する排水の処理方法において、前記微生物群はシュードモナス・プチダU−TCH011株(FERM BP−5948)である。
請求項7のエチレングリコールを含有する排水の処理装置は、エチレングリコールを含有する排水の処理に適した微生物群を固定させた担体を具備した第一反応槽を複数直列的に連通配置すると共に、前記担体を具備しない第二反応槽を複数直列的に連通配置し、前記第一反応槽は前記排水を好気的雰囲気のもとで前記担体と接触させ、前記第二反応槽前記第一反応槽から供給された処理水を前記担体から生成した浮遊性物質と接触させ、前記複数の第一及び第二反応槽のうちでその処理水のCOD残存率が略同等となっている隣接の反応槽がある場合にこの隣接の反応槽のうちの最上流側反応槽はその処理水を次工程の固液分離処理に供する一方で当該最上流側反応槽の下流側全ての反応槽は休止状態となる
請求項8のエチレングリコールを含有する排水の処理装置は、請求項7のエチレングリコールを含有する排水の処理装置において、前記担体は結合固定化法によって前記微生物群を固定したものである。
請求項9のエチレングリコールを含有する排水の処理装置は、請求項7または8のエチレングリコールを含有する排水の処理装置において、前記第二反応槽は槽内の液相の一部を前記第一反応槽に返送する。
請求項10のエチレングリコールを含有する排水の処理装置は、請求項7から9のいずれかのエチレングリコールを含有する排水の処理装置において、前記第二反応槽から供された液相を固液分離処理する膜分離処理手段を備える。
請求項11のエチレングリコールを含有する排水の処理装置は、請求項7から10のいずれかのエチレングリコールを含有する排水の処理装置において、前記微生物群はシュードモナス・プチダU−TCH011株(FERM BP−5948)である。
請求項1〜11の発明によれば、前記第一反応槽及び第二反応槽のように複数の反応槽を用いて段階的に排水を処理するようにしているので、反応条件や流入負荷に応じて排水処理に必要な反応槽数を選択できる。また、第二反応槽においては第一反応槽内の担体で生成した浮遊性物質が排水処理に供される。前記浮遊物質はエチレングリコールを含有する排水の処理に適した微生物群に富んでいる。したがって、前記微生物群を固定させた担体の充填量の削減が可能となる。さらに、複数の反応槽で段階的に処理することにより、発泡及び悪臭が多い反応槽、発泡及び悪臭が少ない反応槽、発泡及び悪臭がほとんどない反応槽と明確に区別できるようになるので、発泡及び悪臭の対策を行なうべき範囲を限定させることができる。また、前記第一反応槽及び第二反応槽の水質に基づいて前記第一反応槽及び第二反応槽の稼働数が設定されるので、前記第一反応槽及び第二反応槽の稼働数を必要最小限に抑えることができる。
特に、請求項2及びの発明によれば、エチレングリコールを含有する排水の処理に適した微生物群を従来の包括固定化法よりも安価な結合固定化法によって担体に固定しているので、前記微生物群を固定させた担体のイニシャルコストの低減が可能となる。
また、請求項3及びの発明によれば、前記第二反応槽の液相の一部を前記第一反応槽に返送するようにしているので、第一反応槽の排水処理機能を安定させることがきる。
さらに、請求項4及び10の発明によれば、前記第二反応槽から供給された液相を膜分離処理手段によって固液分離処理しているので、凝集沈殿処理法による固液分離処理に比べ清澄な処理水が得られる。また、凝集沈殿処理に比べ維持管理が容易になる。さらに、消毒設備が不要となる。
さらに、請求項の発明によれば、第一反応槽の供給される排水が水道水によって希釈処理されるので、反応系のpHが中性域で安定するので、pH調整機能を設ける必要がなくなる。
以上のように請求項1〜11の発明によればエチレングリコール含有排水を低廉に処理すると共に悪臭及び発泡現象を抑制させることができる。
本発明の排水処理方法は自動車使用済みLLC含有排水を好気的雰囲気のもとで本発排水処理に適した微生物群を固定化した担体に接触させた後に前記担体から生成した浮遊性微生物群に接触させている。
また、本発明の排水処理方法を実施するための排水処理装置は、自動車使用済みLLC含有排水の処理に適した微生物群を固定化した担体を具備して好気的に自動車使用済みLLC含有排水を処理する反応槽を複数備えると共に、前記担体を具備しないで好気的に前記排水を処理する反応槽を複数備える。
図1は本発明の一実施形態に係る排水処理装置の処理フローを示した概要図である。
排水処理装置1は廃LLC槽2と希釈水貯留槽3と調整槽4と反応槽Aと反応槽Bとを備える。反応槽Aは少なくとも1つ以上できれば複数設置される。反応槽Bも少なくとも1つ以上できれば複数設置される。
廃LLC槽2は自動車使用済みLLC含有排水(以下、LLC排水と称する)を貯留させている。前記排水はポンプによって調整槽4に定量的に送水される。希釈水貯留槽3はLLC排水を希釈する希釈水を貯留させている。前記希釈水はポンプによって調整槽4に定量的に送水される。このように調整槽4にLLC排水と希釈水とが定量的に供給されて対象原水が調製される。対象原水は自然流下にて調整槽4から最初の反応槽A1に供給される。尚、前記希釈水としては水道水が挙げられる。
反応槽A1はLLC排水の処理に適した微生物群を固定化した担体が充填されている。反応槽A1内に導入された排水はブロア等の空気供給装置によって連続的に曝気されて好気的に処理される。反応槽Aは前述のように1つ以上具備されており、図1に例示された第1番目の反応槽Aは反応槽A1と、第2番目の反応槽Aは反応槽A2と、第n番目の反応槽Aは反応槽Anと称されている。調整槽4内の対象原水は自然流下により反応槽A1に供給されて好気的に処理される。反応槽A1にて好気的に処理された対象原水は自然流下により反応槽A2に移行する。反応槽A2において好気的に処理された対象原水はさらに後段の反応槽Aに移行する。
反応槽Aは前記微生物群が担体に高濃度に固定化されて保持されている。浮遊性の微生物群のように処理水とともに後段に移行することなく、また、浮遊性の微生物群のように対象原水の負荷によって激しく増減したりすることがない。したがって、ある程度の流入負荷変動にも耐えられる反応槽として機能する。このことは自動車の整備台数、解体台数によって変動するLLC排水の発生量に対応することが可能になる。
反応槽Aに充填する担体に固定する微生物群としては例えばシュードモナス・プチダに属するものが挙げられ、具体的には特許文献1、2、3等に記載されているN−GF055株、U−TCH01株、TCM01株等が例示される。
反応槽Aに充填する担体としては結合固定化法に採用されているものであればよい。例えば特許文献4記載の杉チップ、市販のポリビニルアルコール製ゲルビーズ、プラスチック製筒型担体等が挙げられる。
反応槽Aの好気的排水処理の主な担い手は、担体に固定化した微生物群であるが、排水処理の過程において、微生物群と同様にLLC排水の処理に適した浮遊性微生物群や、廃LLCが分解されて生成した代謝産物を処理するのに適した浮遊性微生物群が発生する。これらは反応槽Aの液相と共に後段の反応槽Bに移行する。反応槽Bではこれらの反応槽Aから供された微生物群を有効に活用して、排水処理をさらに進める。
反応槽Bは微生物群を固定させる担体が充填されない。反応槽Bは、前段の反応槽Aからの流入水中に含まれる浮遊性の微生物群を利用し、ブロア等の空気供給装置による連続的な曝気によって排水を好気的に処理する。反応槽Bは前述のように1つ以上具備されており、図1に例示された第1番目の反応槽Bは反応槽B1と、第2番目の反応槽Bは反応槽B2と、第n番目の反応槽Bは反応槽Bnと称されている。前段の最終番目の反応槽Aから供された処理水は反応槽B1に移行する。反応槽B1で好気的に処理された排水は自然流下によって反応槽B2に移行する。そして、反応槽B2において好気的に処理されてさらに後段の反応槽Bに移行する。反応槽Bの好気的排水処理の担い手は反応槽Aから流入した浮遊性の微生物群の他に前記微生物群から反応槽Bにおいて増殖した微生物群である。
排水処理装置1は反応槽Bから排出された処理水を反応槽Aに返送するためのポンプ5を備える。処理水の循環供給を行わなくても処理は可能であるが、より浄化が進んだ後段の排水を前段に循環的に供給することにより、前段の反応槽に対する負荷が軽減、廃LLC希釈率の低減、また浮遊性微生物の自己酸化が促進される。
以上のように対象原水(LLC排水)は複数の反応槽Aと複数の反応槽Bを直列に経由し、好気的に段階的に処理される。この過程で対象原水のエチレングリコール濃度、CODは各反応槽を経るごとに徐々低減していく。
このことにより、排水処理装置1は、水温などの条件、流入負荷などの設定条件によって必要な反応槽数が選択可能であり、ランニングコストの低減が可能となる。例えば、一定の流入負荷条件のもとで、微生物群の活性が高い高水温時期では、複数設置された反応槽のうちで半数の反応槽を経た時点で期待したレベルの水質まで浄化されている場合がある。また、微生物群の活性が低い低水温時期では、全ての反応槽を経ないと期待したレベルの水質まで浄化されない場合がある。このように水温等によって必要反応槽数が異なる場合に有効である。尚、前記期待したレベルの水質には例えば水質汚濁防止法で定められた排水基準項目であるCODの基準値であったり地域によって異なる上乗せ基準値が挙げられる。
また、一定の水温条件のもとでは、LLC排水投入量を増加させたとき、すなわち流入負荷を増加させたとき、全ての反応槽を経ないと期待したレベルの水質まで浄化できない場合がある。一方、廃LLCを減量させたとき、すなわち流入負荷を減少させたとき、例えば1/3数の反応槽を経た時点で期待したレベルの水質まで浄化できる場合がある。排水処理装置1はこのような流入負荷設定に応じて反応槽の稼働数を任意に選択できる。
さらに、例えば一定の水温条件、一定の廃LLC投入量のもとでは、希釈水量を増加させたとき、少ない反応槽で期待したレベルの水質まで浄化可能となる場合がある。逆に、希釈水量を減らしたとき、期待したレベルの水質まで浄化するのに全ての反応槽が必要である場合が起こりうる。このように全設備を有効に活用し、設備稼働の効率化を図ることを目的として、全ての反応槽を用いて期待したレベルの水質まで浄化するのに、必要な希釈水量をどこまで減らせるか等という設定条件決定の場合にも、複数の反応槽による段階処理は有効である。
このように第一反応槽A及び第二反応槽Bの水質に基づいて第一反応槽A及び第二反応槽Bの稼働数を設定すれば、第一反応槽A及び第二反応槽Bの稼働数を必要最少限に抑えることができる。
また、既存の技術で問題となっている反応槽における発泡対策については、排水処理装置1のように、複数の反応槽で段階的に処理することを可能とすることにより、発泡の量により、発泡が多い反応槽、発泡が少ない反応槽、ほとんど発泡が生じない反応槽と明確に区分することができる。このことは、発泡対策の打つべき範囲を狭くすることができ、発泡対策のイニシャルコスト(例えば消泡設備)、また維持管理コスト(例えば消泡水、消泡剤コスト、人件費等)の低減ができる。
さらに、既存の技術において問題となった反応槽における悪臭対策についても、複数の反応槽で段階的に処理することにより、悪臭の程度が反応槽によって異なり、悪臭がひどい反応槽、悪臭が少ない反応槽、ほとんど悪臭がない反応槽と明確に区分することができるようになる。このことは、悪臭対策の打つべき範囲を狭くすることができ、悪臭対策のイニシャルコスト(例えば脱臭設備)、また維持管理コスト(例えば活性炭等の消耗品、人件費等)の低減ができる。
反応槽Aにおいて発生する浮遊性の微生物群はLLC排水の処理に適したものや、LLC排水中のエチレングリコール等の分解産物を処理するのに適したものであるが、反応槽Aに滞留しないで流出する。この浮遊性の微生物群は反応槽Bでの排水処理に供されるので、微生物群を固定化した担体使用量の削減が可能となる。
次に、本発明の実施例について説明する。
排水処理のイニシャルコスト及びランニングコストを考慮して低減自動車解体場で発生する日量300リットル規模の使用済みLLCを対象とした廃LLC分解微生物による浄化試験を行った。
1.微生物担体の選定
LLC分解微生物群がプラント(排水処理系)から流出させずにプラント内に保持するための方法として微生物固定化がある。前記微生物群を固定化した担体をプラント内に保持して、前記微生物群のプラント内保持を図る。
微生物の固定化法には包括固定化法、結合固定化法などがある。特許文献1、2、3では包括固定化法が採用されている。包括結合固定化による微生物群固定担体の製作には非常に労力、時間を要し、コストも高い。特に、大規模なプラントではイニシャルコストが非常に高くなってしまうという欠点がある。
そこで、担体への微生物群の固定は、包括固定化法に代えて安価な結合固定化法を採用した。4種の市販の担体A(株式会社クラレ製,微生物固定化担体PVAゲルビーズ)、担体B(筒中プラスチック工業株式会社製,バイオステージ RK10Z098)、担体C(大日本プラスチックス株式会社製,ラメールチューブ)、担体D(筒中プラスチック工業株式会社製,バイオステージ RK04Z098)に微生物群を結合固定化させた微生物固定担体を以下のように製作した。そして、以下のようにCOD、エチレングリコールの分解特性を評価した。
LLC分解微生物(シュードモナス・プチダ,U−TCH011株(FERM BP−5948)の培養液500ml中に供試担体(担体A〜D)を10vol%(体積%)充填し、2日間振とう培養することにより前記供試担体に前記LLC分解微生物を結合固定させた。
そして、ビーカーに前記LLC分解微生物固定担体を50ml、供試原水を450ml充填し、周囲温度20℃、曝気風量1[l/分]で連続的に曝気し、担体を流動させて、回分処理を行なった。次いで、この処理水を孔径0.45μmろ紙でろ過して得られた試料についてエチレングリコールの濃度及びCODを測定することによりCOD分解特性の評価を行なった。
供試原水の組成は廃LLC:10ml/l、KH2PO4:685mg/l、NH4NO3:343mg/l、MgSO4:65mg/l、FeCl3:6.5mg/l、初期pH:7(NaOH溶液で調製)に設定した。
図2はLLC分解微生物を結合固定させた担体による溶解性COD除去特性を示したCODの経時的変化である(図2記載のLはリットルを意味する。以下、図3、図7、図8及び表1においても同様。)。いずれの担体もCODを除去することができたが、特許文献1〜3のポリビニルアルコールに包括固定化した担体の性能と同等以上の性能を確認できたのは、担体A、B、Dであった。したがって、これらの担体をLLC分解微生物の結合固定用担体として採用すれば、担体のイニシャルコストを低減させることができる。
2.浮遊菌体による処理性
次に、微生物固定化担体の利用率を最小限にすることを目的として、反応槽において生成される浮遊物質を活用したエチレングリコールの処理を検討した。
LLC排水の処理に適した微生物群を包括固定化した担体を反応槽容積の10%量充填した回分処理装置を用いて、CODが約3000mg/lであるエチレングリコール含有水を回分処理した。回分処理は8回繰り返して、前記回分処理装置内に浮遊物質を生成させた。その後、固定化担体を回収し、浮遊物質のみで引き続き回分処理を行ない、浮遊物質中に含まれると予想される浮遊性微生物群によるCOD除去能力を評価した。
その結果、前記浮遊物質のみを用いたエチレングリコール含有排水の処理において、前記担体回収前と同等の速度で、CODが低減することが確認された。エチレングリコールが分解されれば、CODが低減することは従来の試験で確認済みであるので、前記浮遊物質にはエチレングリコール、COD除去能力があると評価できる。これは浮遊物質中にLLC排水の処理に適した浮遊性の微生物群が含まれることを示唆する。
微生物群を固定化した担体を充填させた反応槽を用いて連続処理を行なう場合、処理の過程において前記反応槽内で生成される浮遊物質は連続処理の性質上、前記反応槽から流出してしまう。前記の結果から、浮遊物質はLLC排水の処理能力を有すると考えられ、そのまま流亡させずに後段の反応槽で積極的に処理することによって処理効率の向上が期待できる。前記浮遊物質のLLC排水の処理能力を活用できれば、微生物群固定担体の使用量を削減することができる。したがって、微生物群固定担体にかかるイニシャルコスト低減に繋がる。
3.発泡対策の検討
特許文献1〜4のいずれの浄化試験においても発泡の問題が発生している。
図3は自動車解体事業場に設置した特許文献4の方法による連続処理プラントの反応槽においてLLC排水を回分処理したときのCODの経時的変化である。この回分処理の発泡経過を観察した結果、発泡は60時間程から100時間程にかけて急激に増加し、それ以降は少なかったという状況を観察した。
図3の試験以外に同じ反応槽で時期を変えて、また他の反応槽においても回分処理を行ない、経過を観察したが、発泡は回分処理過程にある一定時間の間に急増し、その期間を過ぎると急減することが確認された。
前記回分処理で観察されたように、LLC排水中のエチレングリコールが微生物により分解され、その分解産物がさらなる微生物群による分解を受け、徐々にCODが低減していく一連の過程において、発泡の急増する過程が存在するとならば、連続処理においても、反応槽を分割するなどのように段階的に処理が進行するような構成が実現できれば、反応槽全体で発泡させることなく、発泡が生じる反応槽を限定できる可能性があると考えられる。
4.小型連続処理装置による浄化試験
以上の検討に基づいて微生物群固定担体を充填させた複数の反応槽と微生物群固定担体を充填していない複数の反応槽からなる小型連続処理装置によるLLC排水の連続処理試験を行なった。
(1)実験方法
実験装置の第一槽目に原水を原水供給ポンプで連続的に通水し、周囲温度20℃のもとで連続処理を行なった。
供試原水は、希釈倍率の異なるLLC排水を用いた。各試験によって希釈倍率は異なるが、供給流量を操作することにより、各試験における反応槽容積あたりの投入COD負荷はいずれも1.4g/l/日に設定した。
供試原水、各反応槽からの流出水を週2回採水し、エチレングリコール濃度及びCOD、SS等の水質測定を行なった。
水質測定の結果に基づいて処理状況が安定した時点をもって各試験を評価した。
(2)実験装置
図4に実験装置の概略構成を示した。生物処理槽は円筒型水槽(内径150mm,高さ300mm)の反応槽を4槽直列で接続して構成した。
各槽の有効容量は図4に示された反応槽A1、A2が4.2リットル、反応槽B1が3.9リットル、反応槽B2が3.5リットルとなるように構成された。
反応槽A1,A2は微生物群を固定させた担体を充填しており前記微生物群によって供試原水を好気的に処理するようにした。
反応槽B1,B2は前記担体を充填せずに反応槽A2から供給された浮遊物質に含まれると推測される浮遊性微生物群によって供試原水を好気的に処理するようにした。
供試原水はポンプPによって原水槽4から反応槽A1に移送させた。そして、自然流下によって反応槽A2,B1,B2に順次移送させるようにした。各反応槽における好気処理はエアポンプ41と散気球42とによる曝気によって行なった。
(実施例1)
担体の構成
反応槽A1,A2にそれぞれ市販の杉チップ(株式会社スィート製,杜杉チップBb−1)を充填率が5%となるように充填した。杉チップはステンレス製のかごに充填、固定し曝気によって流動、流亡することのないようにした。
また、反応槽A1,A2にそれぞれLLC排水の処理に適した微生物群をポリビニルアルコール(PVA)に包括固定化した担体を種菌として10g充填した。
実験条件
供試原水は自動車解体事業場で分別回収された廃LLC1%、市販栄養剤(環境エンジニアリング株式会社製,バルヒビターKEZ−3L,成分:窒素15%,リン3%)を窒素87.4mg−N/l、リン17.5mg−P/lで、希釈水として水道水を用いた。供試原水は100倍希釈LLC排水に相当するように調製した。そして、この供試原水を5.8[l/日]で実験装置に連続供給し、連続処理を行なった。
(実施例2)
担体の構成
反応槽A1,A2にそれぞれ市販のセラミックス製の球状担体(チュラルテック株式会社製,ヘドロセラミックス)を充填率が20%となるように充填した。前記球状担体はステンレス製のかごに充填、固定し曝気によって流動、流亡することのないようにした。
また、反応槽A1,A2にそれぞれLLC排水の処理に適した微生物群をポリビニルアルコール(PVA)に包括固定化した担体を種菌として10g充填した。
実験条件
供試原水は自動車解体事業場で分別回収された廃LLC1%、市販栄養剤(環境エンジニアリング株式会社製,バルヒビターKEZ−3L,成分:窒素15%,リン3%)を窒素87.4mg−N/l、リン17.5mg−P/lで、希釈水として水道水を用いた。供試原水は100倍希釈LLC排水に相当するように調製した。そして、この供試原水を5.8[l/日]で実験装置に連続供給し、連続処理を行なった。
(実施例3)
担体の構成
反応槽A1,A2にそれぞれ市販のプラスチック製の筒型担体(筒中プラスチック工業株式会社製,バイオステージ RK10Z098,φ10mm×長さ10mm)を充填率が20%となるように充填した。前記球状担体はステンレス製のかごに充填、固定することにより、曝気によって流動、流亡することのないようにした。
また、反応槽A1,A2にそれぞれLLC排水の処理に適した微生物群をポリビニルアルコール(PVA)に包括固定化した担体を種菌として10g充填した。
実験条件
供試原水は自動車解体事業場で分別回収された廃LLC1%、市販栄養剤(環境エンジニアリング株式会社製,バルヒビターKEZ−3L,成分:窒素15%,リン3%)を窒素87.4mg−N/l、リン17.5mg−P/lで、希釈水として水道水を用いた。供試原水は100倍希釈LLC排水に相当するように調製した。そして、この供試原水を5.8[l/日]で実験装置に連続供給し、連続処理を行なった。
(実施例4)
担体の構成
実施例3と同じ構成とした。
実験条件
実施例3と同じ実験を行なった後に以下の条件で引き続き実験を実施した。
供試原水は自動車解体事業場で分別回収された廃LLC2%、市販栄養剤(環境エンジニアリング株式会社製,バルヒビターKEZ−3L,成分:窒素15%,リン3%)を窒素174.8mg−N/l、リン35mg−P/lで、希釈水として水道水を用いた。供試原水は50倍希釈LLC排水に相当するように調製した。そして、この供試原水を2.9[l/日]で実験装置に連続供給し、連続処理を行なった。
(実施例5)
担体の構成
反応槽A1,A2にそれぞれ市販のPVA製の球状担体(株式会社クラレ 製,微生物固定化担体 PVAゲル)を充填率が10%となるように充填した。前記球状担体は曝気によって流動するように充填した。
前記球状担体は、予めLLC排水の処理に適した微生物群をポリビニルアルコール(PVA)に包括固定化した担体と共にLLC排水で数日間回分馴養し、微生物群を結合固定化したものを用いた。
実験条件
供試原水は自動車解体事業場で分別回収された廃LLC2%、市販栄養剤(環境エンジニアリング株式会社製,バルヒビターKEZ−3L,成分:窒素15%,リン3%)を窒素174.8mg−N/l、リン35mg−P/lで、希釈水として水道水を用いた。供試原水は50倍希釈LLC排水に相当するように調製した。そして、この供試原水を2.9[l/日]で実験装置に連続供給し、連続処理を行なった。
(実施例6)
担体の構成
実施例5と同じ構成とした。
実験条件
実施例5と同じ実験を行なった後に以下の条件で引き続き実験を実施した。
供試原水は自動車解体事業場で分別回収された廃LLC10%、市販栄養剤(環境エンジニアリング株式会社製,バルヒビターKEZ−3L,成分:窒素15%,リン3%)を窒素874mg−N/l、リン175mg−P/lで、希釈水として水道水を用いた。供試原水は10倍希釈LLC排水に相当するように調製した。そして、この供試原水を0.6[l/日]で実験装置に連続供給し、連続処理を行なった。
(3)実験結果
以上の実施例において、処理水質が安定した時点以降の水質結果を表1に示した。表1記載のEGはエチレングリコール濃度を意味する。SSは浮遊物質を意味する。N.Dは検出されないことを意味する。
Figure 0005002151
いずれの実施例においても、エチレングリコール濃度は検出限界以下まで除去できた。また、溶解性CODについても除去率97%以上の高い除去効率を示した。
CODの除去についてみると、担体の構成が同じである実施例3及び実施例4においては、供試原水の廃LLC希釈率が低い(つまり供試原水のCODが高い)ほうが高いCOD除去率が得られた。
以上の実施例では、供試原水の廃LLC希釈率が低い(つまり供試原水のCODが高い)ほうがCODの除去効率が高いことがわかった。供試原水の廃LLC希釈率を低く設定したほうが供試原水の希釈コストを低減できる。
図5は溶解性COD残存率の推移を示した特性図である。この特性図から明らかなように、実施例1においてCODの除去は反応槽A2までほぼ終了しており、反応槽B1,B2はCOD除去にあまり寄与していないことがわかる。したがって、COD除去の観点から、本条件では反応槽A1,A2までを稼動し、反応槽B1,B2を休止させても、同様の処理水CODが得られることになる。
実施例3においては、CODは反応槽B1にかけて段階的に除去が進んでいること、さらに反応槽B1,B2におけるCODの残存率がほぼ同じであることから、反応槽B2はCOD除去にあまり寄与していなかったことがわかる。COD除去の観点から、本条件では反応槽A1,A2,B1までを稼働させ、反応槽B2を休止させても、同様の処理水CODが得られることになる。
このように複数の反応槽において、段階的に処理を進行させ、除去対象水質を把握することにより、その時の処理条件に必要な槽、必要でない槽(処理に寄与しない槽)を判断することができる。処理に寄与しない槽を休止させる稼働パターンを選択することによりランニングコストの低減に繋げられる。
また、実施例3では、微生物群固定担体を充填していない反応槽B1においてもCOD除去が進行した。このことは前段の反応槽A2から流入した浮遊性の微生物群が反応槽B1でCOD除去に貢献した結果と考えられる。このように連続処理においても、前段から流入する浮遊性の微生物群を用いることで、COD除去を進行させることが可能である。浮遊性の微生物群を積極的に活用する反応槽を増やし、担体量を削減できれば、担体のイニシャルコスト低減に繋がる。
また、いずれの実施例でも、発泡は反応槽A1に集中した。このことから、発泡対策は全槽に対して行なわず、反応槽A1について行なえばよく、管理が容易となった。
5.大規模連続処理装置による浄化試験
(実施例7)
(1)連続処理装置
自動車解体場で発生する日量300リットル規模の使用済みLLCを対象とした廃LLC分解微生物による連続処理装置を製作し、浄化試験を実施した。
図6は処理装置の処理フローを示した概要図である。
処理装置は廃LLC貯留槽61と栄養剤貯留槽62と希釈水貯留槽63と調整槽64と反応槽65,66,67,68と膜分離槽69と排水槽70とを備える。
廃LLC貯留槽61は廃LLC(使用済みLLC)を貯留させる。廃LLCはポンプ71によって調整槽64に定量的に連続供給される。栄養剤貯留槽62は栄養剤を貯留させる。栄養剤はポンプ72によって調整槽64に定量的に連続供給される。栄養剤は微生物の活性が低下したとき等に使用されることが前提としているが、本実施例では使用されていない。希釈水貯留槽63は希釈水を貯留させる。希釈水はポンプ73によって調整槽64に定量的に連続供給される。希釈水は水道水が使用された。
調整槽64には廃LLC、希釈水が供給され、そして混合されて約3m3/日の原水が調製される。原水は自然流下にて調整槽64から反応槽65,66,67,68に移行する。反応槽65,66,67,68は直列に配置されている。
反応槽65,66,67には予めLLC排水の処理に適した微生物群を結合固定化させたポリビニルアルコール製の球状担体(株式会社クラレ 製,微生物固定化担体 PVAゲル)がそれぞれ反応槽に10%の充填率で充填された。前記担体はブロアによる空気曝気で流動し、担体に固定化された微生物群、また処理の過程で発生する浮遊性の微生物群によって好気的に排水を処理する。尚、前記担体にはシュードモナス・プチダ属(U−TCH011株(FERM BP−5948))が結合固定された。
原水は反応槽65に流入し、好気的排水処理を受けて、処理水は自然流下によって反応槽66に移行する。続いて反応槽66,67で順次好気的処理を受けた後に反応槽68に移行する。
反応槽68には前記担体が充填されず、前段の反応槽67から流入する廃LLC処理に適した浮遊性の微生物群が好気的処理に用いられる。
反応槽68から供された処理水は自然流下によって膜分離槽69に供給される。膜分離槽69の容量は16.2m3となるように設定された。また、これと同時に反応槽68から供された一部の処理水はポンプ74によって40[l/分]の流量で反応槽65に返送されるようにした。
膜分離槽69には浸漬型の公称孔径0.1μm程度の膜ろ過モジュール(株式会社エステム製,FRP精密ろ過プレート)が設置されており、槽内の水はポンプ76により吸引ろ過され、排水槽70に移送される。
膜ろ過水は孔径0.1μmで物理的にろ過されたものであり、濁質、大腸菌は膜を通過しないため、清澄な水が得られる。大腸菌が通過しないため、消毒は行なわれない。
ポンプ75は膜分離槽69内の水を前段の反応槽65,66,67,68に返送するためのポンプである。本実施例では使用されていないが、膜ろ過水の返送を行なうことにより、プラント系内の浮遊物質量を高濃度に保持することができる。
排水槽70には膜ろ過水が供給される。排水槽70内の処理水は必要に応じて希釈水が供給された後に系外排出される。
(2)実験条件
調整槽64から反応槽65へ供給される原水流量は期間を通じて3m3/日とし、連続的に供給された。
原水の組成は、LLC排水と希釈水(水道水)であり、栄養剤は添加しなかった。原水におけるLLC排水の希釈倍率は処理開始から60倍、30倍、15倍、10倍に処理状況を確認しながら順次低くした。
LLC排水を希釈した原水のpHは7台であり(中性付近であり)、pH調整の必要がないので、pH調整機能は設けなかった。
曝気が行なわれる反応槽65,66,67,68の容量はそれぞれ13.3、18.6、18.4、14.7m3となるように設定された。各反応槽の曝気量は反応槽65が約100m3/時、反応槽66,67,68がそれぞれ約50〜60m3/時、膜ろ過槽65が約100m3/時であった。
(3)実験結果
図7はエチレングリコール濃度の経時的変化を示した特性図である。また、図8はCODの経時的変化を示した特性図である。
LLC排水中の40500mg/lの高濃度エチレングリコールを検出限界以下に浄化できた。また、LLC排水中の44000mg/lのCODを排水基準の120mg/l以下に浄化できた。
供試原水のLLC希釈倍率は10倍まで低減できたため、特許文献4の方法による連続処理プラントの場合に比べて希釈にかかるランニングコストを低減できた。
また、市販のポリビニルアルコール製の球状担体を用いたことによって、特許文献1、2、3の浄化試験で使用された包括固定化法を用いる場合に比べて、微生物群を固定させる担体のイニシャルコストを低減させることができた。
微生物群固定担体を充填しない反応槽68が設置され、前段から流入する浮遊性の微生物群によって処理がなされることにより、プラント全体での担体充填量を削減でき、イニシャルコストを低減できた。
また、生物学的処理の後段に膜分離処理を配置することにより、特許文献1、2、3のような凝集沈殿処理に比べてより清澄な処理水が得られたことが確認された。さらに、維持管理は凝集沈殿処理に比べて容易である。また、消毒設備が不要となり、イニシャルコストを低減できた。
分別回収したLLC排水を水道水で希釈し原水を調整することによって、pHが中性付近で安定したため、pH調整機能を設ける必要がなく、イニシャルコストを低減できた。
図9は供試原水に対する各反応槽の処理水のCOD残存率を示した特性図である。
この特性図から明らかなように原水の廃LLC希釈倍率が異なると、各槽でのCOD残存率変化は異なる。具体的には、原水の希釈倍率が30倍の場合、反応槽65から反応槽66で残存率が低下しているが、反応槽66から反応槽68ではほぼ同じであり推移しており、反応槽67,68はCOD除去にほとんど寄与していないことがわかる。したがって、COD除去の観点からランニングコスト低減を考慮すると、反応槽67,68を休止し、バイパスして処理を行なうということが可能となる。
このように、本実施例の排水処理装置であれば、処理条件に応じて必要な反応槽数が選択できるため、ランニングコストを低減することが可能となることが明らかである。
本発明の一実施形態に係る排水処理装置の処理フローを示した概要図。 LLC分解微生物群を結合固定させた担体による溶解性COD除去特性を示したCODの経時的変化。 LLC排水を回分処理したときのCODの経時的変化。 実験装置の概略構成図。 溶解性COD残存率の推移を示した特性図。 排水処理装置の処理フローを示した概要図。 エチレングリコール濃度の経時的変化。 CODの経時的変化。 供試原水に対する各槽の処理水のCOD残存率を示した特性図。
符号の説明
1…排水処理装置
2…廃LLC槽
3…希釈水貯留槽
4…調整槽
A1,A2,An,B1,B2,Bn…反応槽
5…ポンプ
61…廃LLC貯留槽、62…栄養剤貯留槽、63…希釈水貯留槽、64…調整槽、65,66,67,68…反応槽、69…膜分離槽、70…排水槽


Claims (11)

  1. エチレングリコールを含有する排水の処理に適した微生物群を固定させた担体を具備した第一反応槽を複数直列的に連通配置させると共に、前記担体を具備しない第二反応槽を複数直列的に連通配置させた排水処理装置における当該排水の処理方法であって
    前記排水を前記第一反応槽に供して前記担体と接触させる工程と、
    前記第一反応槽から供給された処理水を前記第二反応槽に供して前記処理水を前記担体から生成した浮遊性物質と接触させる工程
    前記複数の第一及び第二反応槽のうちでその処理水のCOD残存率が略同等となっている隣接の反応槽がある場合にこの隣接の反応槽のうちの最上流側反応槽の処理水を次工程の固液分離処理に供する一方で当該最上流側反応槽の下流側全ての反応槽を休止させる工程と
    を有すること
    を特徴とするエチレングリコールを含有する排水の処理方法。
  2. 前記担体は結合固定化法によって前記微生物群を固定したものであること
    を特徴とする請求項1記載のエチレングリコールを含有する排水の処理方法。
  3. 前記第二反応槽の液相の一部を前記第一反応槽に返送すること
    を特徴とする請求項1または2記載のエチレングリコールを含有する排水の処理方法。
  4. 前記第二反応槽から供給された液相を膜分離処理手段に供給して固液分離処理すること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のエチレングリコールを含有する排水の処理方法。
  5. 前記排水は水道水によって希釈された後に前記第一反応槽に供給されること
    を特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のエチレングリコールを含有する排水の処理方法。
  6. 前記微生物群はシュードモナス・プチダU−TCH011株(FERM BP−5948)であること
    を特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のエチレングリコールを含有する排水の処理方法。
  7. エチレングリコールを含有する排水の処理に適した微生物群を固定させた担体を具備した第一反応槽を複数直列的に連通配置すると共に、
    前記担体を具備しない第二反応槽を複数直列的に連通配置し
    前記第一反応槽は前記排水を好気的雰囲気のもとで前記担体と接触させ、
    前記第二反応槽前記第一反応槽から供給された処理水を前記担体から生成した浮遊性物質と接触させ、
    前記複数の第一及び第二反応槽のうちでその処理水のCOD残存率が略同等となっている隣接の反応槽がある場合にこの隣接の反応槽のうちの最上流側反応槽はその処理水を次工程の固液分離処理に供する一方で当該最上流側反応槽の下流側全ての反応槽は休止状態となること
    を特徴とするエチレングリコールを含有する排水の処理装置。
  8. 前記担体は結合固定化法によって前記微生物群を固定したものであること
    を特徴とする請求項記載のエチレングリコールを含有する排水の処理装置。
  9. 前記第二反応槽は槽内の液相の一部を前記第一反応槽に返送すること
    を特徴とする請求項または記載のエチレングリコールを含有する排水の処理装置。
  10. 前記第二反応槽から供された液相を固液分離処理する膜分離処理手段を備えたこと
    を特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のエチレングリコールを含有する排水の処理装置。
  11. 前記微生物群はシュードモナス・プチダU−TCH011株(FERM BP−5948)であること
    を特徴とする請求項から10のいずれか1項に記載のエチレングリコールを含有する排水の処理装置。
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