JP5001859B2 - 腫瘍診断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生殖器腫瘍の診断方法に関するものである。
生殖器の腫瘍、特に卵巣及び精巣の腫瘍は具体的には若い人々(又は30〜50歳の人々の大きなグループ)に影響を及ぼす。これらの腫瘍の大部分は初期の診断が生存に最も重要である。生殖系には、性腺、即ち男性の精巣及び女性の卵巣、並びに他の付随する管及び腺(gonos=種子)が含まれる。これらは生殖手段、種の存続、及び次世代への遺伝物質の伝達を提供する。
卵巣腫瘍は卵巣の芽細胞腫である。3人に1人の卵巣腫瘍は癌腫であるか癌腫に発展する。卵巣癌は女性では5番目に一般的な癌であり、女性では全ての癌の5%、全ての癌死の6%を占める。55人に1人の女性は人生のいつかに卵巣癌を発症する。卵巣癌の症状は非癌性の嚢胞症又は腫瘍の症状に類似しているため、日常的な医療において重要な問題である。通常、卵巣腫瘍は双合診、超音波診断、コンピュータ断層撮影法、腹腔鏡検査、及び試験開腹によって診断される。
最も公知であって十分に記載されている卵巣癌の血清マーカーはCA125抗原である(Whitehouseら、Gynecol Oncol 88、S152、2003)。CA125抗原は卵巣腫瘍細胞だけでなく多くのさまざまな細胞種にも発現するため、単独で用いた場合、初期卵巣癌を検出するには特異性及び感受性が十分ではない。初期診断における改善と偽陽性結果の減少は、血清CA125レベルを他のマーカーと組み合わせて用いる場合に達成され得る。
精巣癌(TC)は男性では新生物の約1%を占め、幼児期から老齢まで男性に影響を及ぼし得る。TCは15〜35歳の男性に最も一般的な悪性腫瘍であり、2番目に最も一般的なの35〜39歳の男性の癌であり、3番目に最も一般的なのは15〜19歳の男性の悪性腫瘍である。TC罹患率は、近年、新規症例が1年あたりおよそ7,000件増加している。現役軍人についての1988〜1996年の研究では、この9年間で78%のTCの増加が観察されている。
精巣新生物は組織学的に主に2群に分類される:胚細胞腫瘍(全精巣腫瘍の95%)と非胚細胞腫瘍(4%〜5%)である。胚細胞腫瘍は、全胚細胞腫瘍の約40%を示す精上皮腫(S)と、全胚細胞腫瘍の60%以下を示す非精上皮腫(NS)とに分けられる。非精上皮腫は更に4つのカテゴリーに分けられる:胎芽性癌(15%〜20%)、奇形腫(20%〜25%)、卵黄嚢癌(10%)、及び絨毛癌(1%)である(近年の概説として、Mac−Vicarら、2004、Curr Opin Oncol 16:253−256;Parkerら、1996、CA Cancer J Clin 46:5−27;及びHellerstedtら、Curr.Opin.Oncol.14(2002)、260−264を参照されたい)。精上皮腫は典型的には局所リンパ節を介して鎖骨上窩リンパ節、縦隔リンパ節、及び腹膜後リンパ節へと広がる。非精上皮腫は、リンパ管経路や造血経路によって肝臓や肺に優先的に転移する。TCの生存率は通常良好であるが、TCの生存性や治療可能性は初期検出に大きく依存する(Parkerら、1996)。局所リンパ節を越えていったん癌が広がると(第III期)生存率は劇的に低下するが、第I期及び第II期の精巣癌の5年生存率は95%より高い。結果として、初期診断はより良い長期予後を伴うが、診断の遅延は患者の死亡率上昇を伴う。腫瘍の発達が進むと確立した治療からの反応率がより低下するためである。
精巣に関する全ての異常な発見が精巣新生物ではないので、腫瘍と精巣上体炎のような他の精巣疾患とを区別するには多大な労力を注ぐ必要がある。癌診断の確認のために一般に用いられている方法である細い針による生検は、転移拡散の危険性が増大するためTCの場合は禁忌であるため、罹患精巣の根治手術による摘出は大部分の治療計画の第1段階であるだけでなく、確定診断のためにしばしば行われる。
子宮頚癌は世界中の女性で2番目に最も一般的な癌であり、1年あたり500,000人を越える新規症例があり、約288,000人が死亡する(WHO:ヒトパピローマウイルス感染と子宮頚癌、2004.http://www.who.int/vaccine research/diseases/hpv/en/より)。多くの発展途上国では状況は更に悪く、2/3を越える子宮頚癌が進行期に初めて診断されており、典型的には生存に関する非常に悪い予後と組み合わされる。一方、前癌病変が時機を逃さずに同定されて治療が直ちに開始される場合、子宮頚癌による死亡は完全に避けられるであろう。
癌予防プログラムは、子宮頚癌が軽度(CIN I)から中等度(CIN II)及び重篤CIN(CIN III)へ、最終的には癌へと発達するという発見に基づいている。頚部上皮内癌(CIN)とは、頚部の前癌変化、即ち頚部表面の上皮組織の異常増殖を表す。CINは長期にわたって癌へと進行し(典型的には5〜20年)、無症状である。したがって、CINは好適な試験法によってのみ検出することができる。特に若い女性では軽度CINは自然退化し得るが、中等度又は重篤CINを治療することは重要である。さもなければ癌へと進行し得るからである。
一般的な性感染症のHPV(ヒトパピローマウイルス)のうち数種が、前駆病変の発達のための主な病原因子として同定されている。ある種のHPV、特に16型と18型だが、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、及び68のような他のもの(一般に「高危険型HPV」といわれている)も、頚部上皮内癌に関連しており、いくつかの病変や癌を引き起こす可能性が高い。HPV感染は人々に広まっているが、全ての子宮頚癌患者に見いだすことはできない。更に、高危険型HPV感染の全てが子宮頚癌を発症するわけではない。したがって、子宮頚癌発症の病原因子が他にも想定される。
CINは通常、子宮頸膣部の扁平上皮と子宮頚部の円柱上皮とが接触する頚部領域に起こる。この領域の細胞は、細胞学的スクリーニング(即ちパパニコロースクリーニング)のためにサンプリングする必要があり、又は視覚スクリーニング法(即ち膣鏡診)で試験される必要がある。この2つはHPV−DNA分類以外で最も一般的に用いられる診断ツールである。
パパニコロースクリーニングは、CINは細胞核と細胞全体の大きさとの比が増加する細胞変化であるという観察結果を用いている。この方法は、膣管由来の細胞を回収し、顕微鏡検査のためにスライドグラスへ細胞を塗布する方法としてパパニコローによって1923年に初めて記載された。依然として広く用いられているが、パパコロニースクリーニングはほんの中程度に有効なスクリーニング技術である。近年のメタ分析研究は、パパコロニー塗布スクリーニングはあらゆる悪性度のCINの検出感度が全体的にわずか約50%であることを示しており、これは、CIN罹患女性の半数しか正しく診断されないことを意味している。パパコロニースクリーニングの偽陰性率は、サンプル収集の悪さ、間違ったスライド調製、及び実験室の解釈の誤りのために25%〜50%もの高さであると推定されている(Mandelblattら、JAMA 287(2002)、2372−2381)。細胞形態学的変化の解釈は非常に主観的であり、誤判別の危険性が高い。パパコロニー塗布スクリーニングの正確な結果を得るには、非常によく訓練されたヘルスケアの専門家が頚部の形質転換領域から細胞を採取する必要がある。更に、サンプリングの質だけでなくサンプルの顕微鏡的解釈の正確さも確実にするには、十分に確立した細胞学実験室と経験豊かな細胞学者がもう1つの必須条件である。こうした制限の全てとサンプル間の相違が、有効なパパコロニースクリーニングの提供を不可能にしている。
サンプリング精度を改善するために薄層液体ベースの細胞学のような新しい技術が開発されているが、依然として細胞形態の解釈は誤判別と偽診断の主な原因である。薄層液体ベースの細胞学では、自動スライド調製のために、サンプルは頚部から小さなブラシ(即ち細胞ブラシ)を用いて機械的に回収され、細胞保存液に懸濁される。液体をマイクロフィルターに通し、残留細胞を単層としてマイクロフィルターからスライドへ移す。次にスライド自体が処理され、慣用のパパコロニースクリーニング試験として解釈されるが、通常これがこの方法の正確さを限定する。閉経後女性をスクリーニングすると、頚部の変化のために形質転換領域から適切なサンプルを得ることを困難にし、感度は更により低いものとなり得る。更に、米国で明らかに広く使用されるようになっている単層細胞学(即ちThin−Prep、Cytyc社、ボックスボロー、マサチューセッツ州)は、パパコロニースクリーニングよりも非常に高価である。疫学データは、最新のパパコロニースクリーニング法は集団において60%を越える子宮頚癌を予防する見込みはないことを示唆している(Sasieni P.D.、J Am Med Wom Assoc.55(2000)、216−219)。
子宮頚癌の検出に広く用いられているもう1つの方法である視覚スクリーニング(膣鏡診)は、頚部形質転換領域の病理変化を発見するための頚部目視検査である。初めはこのアプローチは目視検査単独で用いられており、前駆病変の同定において非常に不正確であった。頚部形質転換領域を酢酸で前「染色」した後の目視検査は、この方法を簡便で費用効率の高いスクリーニング技術として確立している。この改変目視検査は、頚部の目視検査の前に膣鏡の挿入と3%〜5%酢酸溶液で頚部を掃除することを包含する。正常上皮はピンク色に見えるが、CIN病変は、頚部上皮の核タンパク質とサイトケラチンの量が増加したために酢酸適用後数分間白くなるであろう。この改善にもかかわらず、この方法は、CIN II病変及びCIN III病変の検出精度が限られたままである。更に、膣鏡診の結果の解釈はパパコロニースクリーニングと同様に検査する者の経験に大きく依存している。
これらの他に、広い意味で視覚ベースのスクリーニング法であるHPV−DNA分類は、ここ数年間より重要になってきている。高危険型HPV由来DNAの検出(即ちポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と組み合わせたHybrid Capture IIテスト(Digene社、ゲイサーズバーグ、メリーランド州))における近年の進歩により、HPV試験はHPVに関連する頚部上皮内癌及び頚癌のスクリーニングツールとして使用可能となっている。Hybrid Capture II DNAアッセイは、改変酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)において非放射性リボ核酸プローブを用いて高危険型HPV種からDNAを検出する。HPV試験は有効だが、パパコロニースクリーニングよりも非常に高価であるという事実によってその流通は限られている。FDAの指針によれば、HPV−DNA試験は、通常のパパコロニースクリーニングに取って代わることも、パパコロニースクリーニングの結果が正常な30歳以下の女性をスクリーニングすることも意図していない。更に、HPV−DNA試験自体がHPV誘導性CIN病変とHPV誘導性子宮頚癌とに限られている。
子宮頚癌の病期分類が癌の増殖の程度を記述するために開発されている。子宮頚癌の病期は、腫瘍の大きさ、頚部の侵入の深さ、並びに頚部内及びそれを越えた広がりを記述している。子宮頚癌の病期分類は、通常、国際産科婦人科連合によって開発された病期分類案であるFIGOシステムで記載されている。FIGO分類は、第0期〜第IV期(0〜4)と表示される基本的な病期にグループ分けされる:
* 第0期又は上皮内癌は非常に初期の癌である。異常細胞は頚部裏打ち層細胞の第1層に見られるのみであり、頚部の更に深い組織へは浸潤していない。
* 第I期癌は頚部を侵すが近隣には広がっていない。
* 第IA期は、顕微鏡下でのみ目に見え、頚部組織のより深部に見られる、非常に少量の癌を表す。
* 第IB期は、頚部組織に見られるより多量の癌を示す。
* 第II期癌は近隣領域まで広がっているが、依然として骨盤領域内である。
* 第IIA期癌は頚部を越えて膣の上部2/3まで広がっている。
* 第IIB期癌は頚部周辺組織まで広がっている。
* 第III期癌は骨盤領域全体に広がっている。癌細胞は膣の下部まで広がり得る。細胞は更に広がって腎臓と膀胱をつなぐ管をブロックし得る。
* 第IV期癌は身体の他の部分まで広がっている。
* 第IVA期癌は膀胱又は直腸(頚部に近接した臓器)まで広がっている。
* 第IVB期癌は肺などの他の臓器へ広がっている。
初期検出(特に第0期の前(前第0期))によって子宮頚癌の発生率を顕著に低下させる能力があるにもかかわらず、この疾患のスクリーニング法には現在のところ依然として限界がある。最も優勢なのは、多くの患者が近年利用可能なスクリーニング方法を知らないという事実である。日常的に実施されている血清解析において血清サンプルで子宮頚癌を検出することによりこの問題は解決されるであろう。現在のスクリーニング法は血清サンプルでCIN及び/又は子宮頚癌を検出することができず、頚部細胞の解析用にデザインされたものである。これまでに確立されたスクリーニング法には全て特定の限界があり、これらの方法で頚部形質転換領域由来のもの以外のサンプルにおいてCIN又は子宮頚癌の検出を可能にするものはない。更に、これらのスクリーニングプログラムはいずれも、特に発展途上国において集団検診に用いられる可能性をはるかに越えている。この状況は正確で迅速で安価なCIN及び/又は子宮頚癌の診断ツールの開発により劇的に変化するであろう。
明らかに、より高特異性でより高感受性のより良い診断ツールは緊急の問題である。これに関し、血清マーカーは生殖系の癌、特にTC、卵巣癌、及び子宮頚癌の有用な指標であるだけでなく、これら腫瘍の形態の診断、病期分類、及び追跡調査にも用いることができるであろう。
現在、例えばいくつかの血清マーカーを用いて精巣新生物が診断されている:
(1)ヒト絨毛性ゴナドトロピンβ−サブユニット(β−HCG)は、非精上皮腫性胚細胞腫瘍の30%〜35%、精上皮腫患者の10%〜25%で上昇している。これは、ある種の腫瘍による大量のβ−HCGの分泌能によるものである可能性が高い。(2)α−フェトプロテイン(AFP)レベルは、非精上皮腫性胚細胞腫瘍症例のおよそ55%で上昇することが知られているが、精上皮腫では上昇しない。(3)乳酸脱水素酵素(LDH)は全精巣新生物患者の約50%で上昇する。通常、LDHは腫瘍の大きさに比例して上昇し、腫瘍の種類のいずれか1つに特異的なわけではない。LDHはいくつかの組織で発現するため、異常LDHレベルは他の疾患の存在を反映することが多い。HCG、AFP、及びLDHのレベルは全ての患者において罹患精巣の根治切除術(精巣摘出)を行う前に熟慮される必要があるという事実にもかかわらず、大きな患者群がこれら古典的マーカーに対して陰性であるため、3つの血清マーカー全てによる予測値は非常に限られている。したがって、多くの場合、臨床医はこれら3つの診断マーカーに関して精巣摘出を実施するかどうかの決定を下すことができない。更に、精巣摘出後も、HCG、AFP、及びLDHの血清レベル予測値は、それぞれの癌の治療をモニターする際、分類があいまいなままである。したがって、精巣新生物に対する新規腫瘍マーカーは、単体のマーカーとしてだけでなく、既存の診断ツールと組み合わせるべきマーカーとしても差し迫って必要とされている。残念ながら、LDHはいくつかの組織で発現しているため、LDH濃度の上昇は他の疾患の実体を反映することが多い。
他の新規腫瘍マーカー(上皮成長因子、NES−1、及びi(12p)を含む)がいくつか報告されている(Hellerstedtら、2002、Curr Opin Oncol 14:260−264)。
マーカーの異常な結果は、通常、精巣癌患者において疾患を反映する。偽陽性マーカー(例えば遺伝性AFP産生)は稀であるが、顕著な過剰治療をもたらし得る(化学療法、外科手術)。一方、腫瘍マーカーによる治療のモニタリングは非精上皮腫性胚細胞腫瘍(NSGCT)においてのみ可能であり、精上皮腫患者では、明らかに限界がある画像診断法(CTスキャン、PETスキャン)の結果によって治療反応を評価する必要がある。
生殖系腫瘍、特に精巣癌及び卵巣癌、具体的には上で報告したマーカー陰性のかなり大きな群(NSGCTの1/3と大部分の精上皮腫)に対する新規腫瘍マーカーの探索が差し迫って必要とされている。
本発明の目的は、生殖系腫瘍、特に卵巣腫瘍及び精巣腫瘍並びに子宮頚癌の診断のための新規戦略を提供することである。
したがって、本発明は、生殖器(即ち生殖系)腫瘍の診断方法を提供するものであり、この方法は、体液サンプル又は組織サンプル中のアファミン含量の測定を特徴とし、サンプル中のアファミン含量が、生殖器腫瘍の無い個人から採取したサンプル中のアファミン含量と比較して減少している場合に腫瘍が診断される。
アファミンは、アルブミン群に属し、例えばヒト血清アルブミン(HSA)、ヒトα−フェトプロテイン(AFP)、又はヒトビタミンD結合タンパク質などのこの群のタンパク質と構造的にそして生化学的観点から多くを共有する87kDaのタンパク質である。アファミンは既にクローニングされて配列決定されているため、組換え型も利用可能である(WO95/27059号)。アファミンは、主として肝臓由来の血液循環に分泌される糖タンパク質である。アファミンは血漿や、卵胞液、脳脊髄液、及び精液のような他の体液に豊富に存在することが示されている。アルブミンに対する配列相同性は別として、アファミンの機能についてはほとんど知られていない。アファミンはステロール結合部位を有するが、おそらくアクチンには結合しないという可能性が議論されている。圧倒的ではないがアファミンとアルブミンとのあいだに相同性が存在するため、これらのタンパク質は同一のリガンドに結合することが疑われている(Lichensteinら、The Journal of Biological Chemistry、269(27)(1994)、pp.18149−18154)。ビタミンE結合特性を有することもin vitro及びin vivoで示されている(Voegeleら、2002、Biochemistry 41:14532−14538)。標的破壊によるアファミン遺伝子のノックアウトマウスは、(他の表現型の中で)平均臓器サイズが顕著に減少し、場合によっては精巣癌を有する精巣を示した。何匹かの雌性マウスは生殖器(子宮及び卵巣)が極めて肥大しており、やはりこれらの臓器の腫瘍を示唆していた。哺乳動物の生殖能力を測定するためのアファミンの使用はWO01/01148A1号に記載されている。
本発明に関し、ヒトにおける精巣癌発症の際のアファミンの役割も生殖系腫瘍患者で調べた(治療処置の後の症例/対照研究及びモニタリング設計において)。驚くべきことに、アファミンは、これらの腫瘍に対する非常に重要な腫瘍マーカーとして同定されている。このことは、更にさまざまな形態の雄性胚細胞腫瘍でも臨床的に実証されている。
精巣腫瘍又は卵巣腫瘍は、本発明により診断されることが好ましい。特に、本発明は具体的に胚細胞腫瘍に対して好適である。
好ましい態様によれば、本発明により診断される腫瘍は、精上皮腫、非精上皮腫、胎生期精巣腫瘍、奇形腫、卵黄嚢腫瘍又は絨毛癌、及び上記腫瘍の混合型から選択される。
好ましくは、本発明の方法によって診断されるべき卵巣腫瘍は、原発性上皮性卵巣腫瘍、特に嚢胞腺腫、嚢胞腺癌、又はブレンナー腫瘍、原発性間葉性卵巣腫瘍及び混合型腫瘍、特に卵巣線維腫又は腺線維腫、性索腫瘍、特に顆粒膜細胞腫瘍、莢膜細胞腫、アンドロブラストーマ、又はギナンドロブラストーマ、胚細胞腫瘍、特に未分化胚細胞腫、奇形腫、類皮腫、卵巣甲状腺腫、胎芽性癌、多胎芽腫、内胚葉洞腫瘍又は悪性絨毛上皮腫、転移性に生じた二次性卵巣腫瘍、特に乳癌、胃腸癌、又は子宮体癌由来のもの、並びに上記腫瘍の混合型から選択される。
好ましくは、本発明により診断されるべき精巣(生殖細胞)腫瘍は、胚細胞由来の精巣腫瘍、特に精上皮腫、精巣芽細胞腫(orchioblastoma)、奇形癌、絨毛癌又は部分的な精上皮腫との混合型腫瘍、又は非胚細胞由来の精巣腫瘍、特に精巣間質の腫瘍、ライディッヒ細胞腫、セルトリ細胞腫、又は顆粒膜細胞腫瘍、及び上記腫瘍の混合型から選択される。
一方、本発明による方法は、子宮頚癌、特に既にこの種の癌の初期にあるもの(例えば前第0期、第0期、第I期、第IA期、又は第IB期)の診断に有効であることも証明されている。
本発明の方法は、他の生殖系腫瘍の診断方法、例えば指診、組織学的検査、又は腫瘍マーカー診断と組み合わせることができる。本発明を、サンプル中で、特に生殖系腫瘍に対する他の腫瘍マーカー又はそれらのマーカーの組み合わせに関する追加試験と組み合わせることが特に好ましい。精巣腫瘍に対する好ましい追加マーカーは、α−フェトプロテイン、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβ−サブユニット、乳酸脱水素酵素、上皮成長因子、NES−1、又はi(12p)である(Hellerstedtら、2002)。卵巣腫瘍に対する好ましい追加マーカーは、CA125、リゾホスファチジン酸(LPA)、CA130、又はα−葉酸受容体である。頚部腫瘍に対する好ましい追加マーカーは、SCC(扁平上皮癌抗原;Gadducci Aら、Biomed Pharmacother 2004、58:24−38)である。
本発明によれば、サンプルのアファミン含量は好適なアファミン測定法で測定され、基準アファミンとの比較により、サンプル中のアファミンが減少しているかどうかを分析する。これは、例えばサンプル中のアファミン含量を、健常者又は生殖系腫瘍の無い個人からの基準アファミン値のような標準アファミンと比較することにより行うことができる。あるいは(又は更に)、生殖系腫瘍患者からの基準値が提供される。基準値は、例えば1以上の基準サンプル、参照表、基準曲線、又は類似手段、及びそれらの組み合わせの形態で提供することができる。サンプル中の量が減少しているかどうかを分析する上で、当該技術分野に熟練した者には多くの可能性がある。例えば、公開されている体液又は組織中のアファミン基準値との直接比較である。本発明による方法は、決して最終的な医学的診断を提供するものではなく、生殖系腫瘍、特に精巣腫瘍又は卵巣腫瘍の無い所定の若しくは仮想のサンプルのアファミン値と比較して、腫瘍状態が未知の1つのサンプルのアファミン値、又は生殖系腫瘍の危険性がある個人若しくは生殖系腫瘍を有することが疑われる個人のアファミン値を提供する。次いで、本発明によるin vitro診断や解析法から独立して、そうした診断をする資格のある個々の医学知識のある人によって最終的な医学的診断が与えられる。
本発明の好ましい態様によれば、サンプル中のアファミン含量は、生殖器腫瘍の無い個人から採取したサンプル中のアファミン含量よりも少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、特に少なくとも50%少ない場合、減少しているとみなされる。
あるいは、サンプル中のアファミン含量は、本発明によれば、生殖器腫瘍の無い個人から採取したサンプル中のアファミン含量よりも少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、特に少なくとも60%少ない場合、減少しているとみなされる。
生殖器腫瘍の無い個人は、血清1リットルあたりのアファミン含量が50〜70mg、特に60mgの健常者であることが好ましい。次いで60mgの値又は50mgの下限から上記%値が計算される(特定体液(例えば血漿又は血清)に関する比較値又はアファミン検出システムにも依存する)。
体液又は組織の好ましいサンプルは、血液、血清、血漿、脳脊髄液、精液、卵胞液、卵巣、精巣、又は精巣上体から選択される。
正常アファミン値と低下アファミン値とを区別可能なアファミン測定法は全て本発明に好適であるが、アファミン含量は、抗アファミン抗体、特にモノクローナル抗体で測定することが好ましい。そのような抗体は、検出マーカー、好ましくは発色マーカー、蛍光マーカー、又は放射性マーカーを含むことができる。
更なる側面によれば、本発明は、体液サンプル又は組織サンプル中のアファミン量を測定するためのキットの使用に関するものであり、キットは生殖器腫瘍を診断するためのアファミン測定手段及び基準アファミンを含む。アファミン測定キットは、当該技術分野において周知である(例えばWO01/01148号又はWO95/27059号)。本発明による使用は、上記のような本発明による方法の適用による実施に帰することが好ましい。
そのようなアファミン測定キットの通常の成分の中で、標準アファミンが特に好ましい(例えばマイクロタイターELISAによい標準、あるいは遺伝子チップ若しくはタンパク質(抗体)マイクロアレイチップ上の標準ドット又は領域など)。
本発明を以下の実施例及び図面において更に説明するが、それらに限定されるものではない。
患者及び手順
2004年1月から2005年1月まで、泌尿器科で16人の精巣癌患者(精上皮腫 n=11、NSCGT n=1、混合型腫瘍 n=4)を診断し、処置した。精巣腫瘍を鼠径部精巣摘出術後の組織に基づいて分類した。4人の患者はAFP又はHCGレベルの上昇に基づき偽陽性と診断され、そのうち2人は組織学的に膀胱癌であると診断された。
直接化学発光技術によるADVIA(登録商標)Centaurイムノアッセイシステム(バイエル・ダイアグノスティクス、ドイツ)を用いて血清についてHCG及びAFPの免疫測定解析を行った。AFP及びHCGに関し、それぞれ>10ng/ml及び>10mIU/mlの値を病理学的に検討した。総タンパク質は比色分析(Folin−CieuCalteau、メルク・ケミカルズ、ダルムシュタット、ドイツ)で測定した。
マイクロタイタープレートコーティング用の親和性精製したポリクローナル抗ヒトアファミンウサギ抗体及び検出用のPOX結合モノクローナル抗ヒトマウス抗体N13を用いて、近年記載されたサンドイッチELISA(Voegeleら、2002)により血清アファミン濃度を測定した。ヒト血漿から精製し、アミノ酸組成分析によって定量したアファミンは、2次血漿サンプルを較正することに役立てた。
診断時及び精巣摘出前に、その後の療法(化学療法、後腹膜手術)のあいだ頻繁に(少なくとも週2回)、そして追跡調査において少なくとも月3回、AFPとHCGを解析した。研究期間の終わりに凍結サンプルのアファミンを測定した。
結果
アファミンは、調査した3形態全ての精巣癌患者において無作為の集団に基づく対照群と比較して有意に低下した(表1、詳細なデータは表2及び表3並びに図面)。2、3週間以内に値はHCG/AFPレベルの正常化に非常に匹敵する正常レベルまで上昇した。患者の血漿総タンパク質レベルは正常であり、処置及び観察のあいだ変化しなかった。より興味深いことに、HCG又はAFPのレベルが上昇しているが組織学的検査では精巣腫瘍の徴候を示していない4人の患者において正常アファミンレベルが見られた。しかしながら、そのうち2人は膀胱癌陽性と診断された。
Figure 0005001859
考察
本発明の結果は、そのサブタイプ(S、NS、MT)と無関係に、有意に低下した血漿レベルと腫瘍摘出術後の正常値までの上昇によって精巣腫瘍を同定する、ヒト血漿由来の新規腫瘍マーカーに関する初めての報告である。このように、本発明の小さな研究グループでは、日常的に使用される腫瘍マーカーとは対照的に、全ての群の癌に対して信頼できるマーカーを提供する。
日常的に使用されるパラメータの異常を示さない4人の患者がアファミンレベルの低下によって検出されている(したがって偽陰性が減少する)。アファミンレベルが正常であり、HCG及び/又はAFP値が上昇した4人の症例を発見した。これらの発見は、それら古典的マーカーの非特異性による偽陽性及び偽陰性の結果を減らすことに役立った。
総合すると、生殖系腫瘍の代表的形態として精巣癌患者におけるアファミンを診断することにより、当該技術分野において公知であり適用されている特定マーカーと比較して検出特異性が上昇する。2番目に重要な問題は、精巣癌の全ての形態について低下したアファミン値の一般的適用性である。治療処置後の値の正常化の長期観察は、精巣癌の有益な腫瘍マーカーとしてのアファミンの有意性を強く裏付けている。
精巣腫瘍で発現される病理学的因子は、肝臓におけるアファミンの産生と分泌を抑制するのであろう。あるいは、増殖する腫瘍は、アファミンによって運ばれるリガンドを血漿から次第に奪うのであろう。これまでに唯一知られていたアファミンの生理的リガンドであるビタミンE(Voegeleら、2002、Biochemistry 41:14532−14538)は、発癌においていくつかの役割が与えられている(Sigounasら、1997、Nutr Cancer 28:30−35)。
Figure 0005001859
Figure 0005001859
更なる臨床試験:
精巣癌:
疾患の進行(腫瘍の消失及び再発)のモニタリングに関してもアファミンを腫瘍マーカーとして確立し、図1〜3に示す予備的研究の結果を確認するために、15人の精巣癌と診断された患者を腫瘍摘出術前及びそのおよそ1ヶ月後に測定した。低下した血漿アファミンレベルが、健常集団に典型的な値まで戻った(表2を参照されたい)。アファミン値は長期観察後(数年まで)であっても正常範囲内に留まっており、腫瘍再発を全く示していない。これは、精巣腫瘍の再発が非常に稀な臨床経験と一致している。
卵巣癌:
雌性アファミンノックアウトマウスにおいて示唆された生殖器腫瘍の類似性と予備的調査結果に基づき、ヒト卵巣癌患者においてもアファミンレベルを調査した。この疾患では、従来使用されている腫瘍マーカーCA125は卵巣癌に対して非常に非特異的であり、よって腫瘍のモニタリングにのみ好適であるため、診断状況は同様に満足できるものではない。
精巣癌患者と同様、111人の卵巣癌患者において、集団に基づく年齢適合対照(n=410)と比較して血漿アファミン濃度の有意な低下が見られた。精巣癌患者のように、差はより顕著でさえあった(32対62mg/l;図8)。
アファミンとCA125の血漿濃度が互いに相関したとき、非常に弱い、非有意性の陰の相関が観察された(図9)。これは、これら2つのマーカー間に事実上全く関連性がないことを示している。
卵巣癌腫瘍マーカーとして及びモニタリングデザインにおいてもアファミンの適合性を確認するために、10人の患者を癌診断時の手術前日から腫瘍再発までの長期に調査した。診断時に有意に低下していたアファミン値は健常対照の値まで上昇した(代表的な調査を図10に示す)。場合により、腫瘍診断時、CA125マーカーの上昇がないときでもアファミン濃度の低下を観察し(図11)、CA125と比較してアファミンの腫瘍特異性が高いことを示していた。
子宮頚癌:
最後に、他の生殖器腫瘍患者群のうち、女性では2番目に頻度の高い癌である子宮頚癌について調査した。この頻繁に起こる癌を同定するための特異的血清腫瘍マーカーは全く存在しない。従来使用されている血漿マーカーSCC(扁平上皮癌抗原)も、子宮頚癌に対して十分に特異的ではない。
本発明によって、18人の子宮頚癌患者において血漿アファミン濃度の有意な低下が見られただけでなく、長期デザインにおけるモニタリング腫瘍マーカーとしてのアファミンの適合性(n=16)も立証されるであろう。アファミンは、調査した全ての癌のFIGO期において低下し、腫瘍摘出後、健常対照の正常値まで上昇し、腫瘍再発時に再度低下した(図12及び13)。
図1はアファミンの平均濃度[mg/l]を示し、S=精上皮腫、NS=非精上皮腫、MT=混合型腫瘍、NTT=非精巣腫瘍である。 図2はAFPの平均濃度[ng/ml]を示し、S=精上皮腫、NS=非精上皮腫、MT=混合型腫瘍、NTT=非精巣腫瘍である。 図3はHCGの平均濃度[mIU/ml]を示し、S=精上皮腫、NS=非精上皮腫、MT=混合型腫瘍、NTT=非精巣腫瘍である。 図4は、代表的精上皮腫患者の期間内(日)の血清アファミン濃度[mg/l]及び血清HCG濃度[mIU/ml]の展開を示す。0時点は、腫瘍手術前日に採取したサンプルの血清値を示す;他の時点は術後70日にまでおよび、術後最初の2週間以内に正常値までアファミン値が上昇したことを示す。第2の曲線は、血清HCG濃度に関するそれぞれの値を示す。 図5は、代表的精上皮腫患者の期間内(日)の血清アファミン濃度[mg/l]及び血清HCG濃度[mIU/ml]の展開を示す。0時点は、腫瘍手術前日に採取したサンプルの血清値を示す;他の時点は術後135日にまでおよび、術後最初の2週間以内に正常値までアファミン値が上昇したことを示す。第2の曲線は、血清HCG濃度に関するそれぞれの値を示す。 図6は、代表的非精上皮腫患者の期間内(月)の血清アファミン濃度[mg/l]及び血清AFP濃度[ng/ml]の展開を示す。0時点は、腫瘍手術前日に採取したサンプルの血清値を示す;他の時点は術後34ヶ月にまでおよび、術後最初の2週間以内に正常値までアファミン値が上昇したことを示す。第2の曲線は、血清HCG濃度に関するそれぞれの値を示す。 図7は、精巣癌患者における最初の癌診断時、血漿アファミン濃度が有意に低下しており、成功した腫瘍/臓器摘出術後、生理的濃度まで上昇し、典型的には1ヶ月以内(n=15)に正常レベルまで上昇したことを示す。 図8は、集団に基づく女性対照群(n=410、95%CI 60.7〜63.3)及び卵巣癌患者(n=111、95%CI 29.9〜35.0)の腫瘍摘出術日(術前)の血漿アファミン濃度(平均+標準偏差)を示す。 図9は、111人の卵巣癌患者における腫瘍摘出術日(術前)の血漿アファミン濃度と従来の腫瘍マーカーCA125との相関を示す。 図10は、代表的卵巣癌患者における腫瘍摘出術日(第0日)から約80週後の腫瘍再発時の血漿アファミン濃度と従来の腫瘍マーカーCA125とを示す。低下した血漿アファミン濃度は正常レベルの60μg/mlまで上昇し、腫瘍再発の場合に再度低下する(矢印で示す)。 図11は、代表的卵巣癌患者における腫瘍摘出術日(第0日)から約80週後の腫瘍再発時の血漿アファミン濃度と従来の腫瘍マーカーCA125とを示す。低下した血漿アファミン濃度は正常レベルの60μg/mlまで上昇し、腫瘍再発の場合に再度低下する(矢印で示す)。CA125と比較して、アファミンはgonadotrophic cancersに非常に特異的である。 図12は、集団に基づく女性対照群(n=410)及びFIGO第IV期の子宮頚癌患者(n=18)の腫瘍摘出術日(術前)の血漿アファミン濃度(平均+標準偏差)を示す。 図13は、FIGO第I〜IV期の4人の代表的子宮頚癌患者の腫瘍摘出術日(第0日、術前)から腫瘍再発(矢印)までのさまざまな観察時後の血漿アファミン濃度(菱形)と従来の腫瘍マーカーSCC(四角)とを示す。低下した血漿アファミン濃度は正常レベルまで上昇し、腫瘍再発の場合に再度低下する。

Claims (29)

  1. 生殖器腫瘍の検出方法であって、体液サンプル又は組織サンプル中のアファミン含量の測定を特徴とし、サンプル中のアファミン含量が、生殖器腫瘍の無い個人から採取したサンプル中のアファミン含量と比較して減少していることが腫瘍の存在を示す検出方法。
  2. 腫瘍が精巣腫瘍又は卵巣腫瘍であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 腫瘍が胚細胞腫瘍であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 腫瘍が、精上皮腫、非精上皮腫、胎生期精巣腫瘍、奇形腫、卵黄嚢腫瘍又は絨毛癌、及び上記腫瘍の混合型から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 腫瘍が、原発性上皮性卵巣腫瘍原発性間葉性卵巣腫瘍及び混合型腫瘍性索腫瘍胚細胞腫瘍、転移性に生じた二次性卵巣腫瘍、並びに上記腫瘍の混合型から選択されることを特徴とする、請求項に記載の方法
  6. 腫瘍が、嚢胞腺腫;嚢胞腺癌;ブレンナー腫瘍;卵巣線維腫;腺線維腫;顆粒膜細胞腫瘍;莢膜細胞腫瘍;アンドロブラストーマ;ギナンドロブラストーマ;未分化胚細胞腫;奇形腫;類皮腫;卵巣甲状腺癌;胎芽性癌;多胚芽腫;内胚葉洞腫瘍;悪性絨毛上皮種;乳癌、胃腸癌、又は子宮体癌由来の転移性に生じた二次性卵巣腫瘍;及び上記腫瘍の混合型から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 腫瘍が、胚細胞由来の精巣腫瘍非胚細胞由来の精巣腫瘍及び上記腫瘍の混合型から選択されることを特徴とする、請求項に記載の方法
  8. 腫瘍が、精上皮腫、精巣芽細胞腫(orchioblastoma)、奇形癌、絨毛癌、部分的な精上皮腫との混合型腫瘍、精巣間質の腫瘍、ライディッヒ細胞腫、セルトリ細胞腫、顆粒膜細胞腫瘍、及び上記腫瘍の混合型から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 腫瘍が子宮頚癌であることを特徴とする、請求項に記載の方法
  10. 腫瘍の追加のマーカーをサンプル中で測定することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法
  11. 追加のマーカーが、生殖系腫瘍のマーカーであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 追加のマーカーが、α−フェトプロテイン、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβ−サブユニット、乳酸脱水素酵素、上皮成長因子、NES−1、i(12p)、PAP病期分類、扁平上皮癌抗原(SCC)、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  13. 追加のマーカーが、CA125、リゾホスファチジン酸(LPA)、CA130、又はα−葉酸受容体であることを特徴とする、請求項10に記載の方法
  14. 生殖器腫瘍の無い個人から採取したサンプル中のアファミン含量よりも少なくとも10%少ない場合サンプル中のアファミン含量が減少していることが示されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法
  15. 生殖器腫瘍の無い個人から採取したサンプル中のアファミン含量よりも少なくとも30%少ない場合、サンプル中のアファミン含量が減少していることが示されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  16. 生殖器腫瘍の無い個人から採取したサンプル中のアファミン含量よりも少なくとも50%少ない場合、サンプル中のアファミン含量が減少していることが示されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  17. 生殖器腫瘍の無い個人から採取したサンプル中のアファミン含量よりも少なくとも20%少ない場合サンプル中のアファミン含量が減少していることが示されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法
  18. 生殖器腫瘍の無い個人から採取したサンプル中のアファミン含量よりも少なくとも40%少ない場合、サンプル中のアファミン含量が減少していることが示されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  19. 生殖器腫瘍の無い個人から採取したサンプル中のアファミン含量よりも少なくとも60%少ない場合、サンプル中のアファミン含量が減少していることが示されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  20. 生殖器腫瘍の無い個人が、血清1リットルあたりのアファミン含量が50〜70mg健常者であることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法
  21. 生殖器腫瘍の無い個人が、血清1リットルあたりのアファミン含量が60mgの健常者であることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法
  22. 体液サンプル又は組織サンプルが、血液、血清、血漿、脳脊髄液、精液、卵胞液、卵巣、精巣、又は精巣上体から選択されることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法
  23. アファミン含量を抗アファミン抗体で測定することを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法
  24. 抗アファミン抗体がモノクローナル抗体であることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
  25. 抗体が、検出マーカーを含むことを特徴とする、請求項23または24に記載の方法
  26. 抗体が、発色マーカー、蛍光マーカー、又は放射性マーカーであることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
  27. 生殖器腫瘍を診断するためのアファミン検出手段及び基準アファミンを含む、体液サンプル又は組織サンプル中のアファミン量を測定するためのキット。
  28. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法に使用することを特徴とする、請求項27に記載のキット。
  29. 標準化量のアファミンを含有することを特徴とする、請求項27又は28に記載のキット。
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