JP5001783B2 - 衝撃吸収部材の取付部構造 - Google Patents

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本発明は、衝撃吸収部材の取付部構造に関する。
繊維強化樹脂製且つ開断面構造のエネルギ吸収体(衝撃吸収部材)を、支持体(ジョイント部材)を介して衝突荷重が伝達される部材(車両骨格部材)に結合した構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
本構造において、ジョイント部材を衝撃吸収部材の上部等に接着し、そのジョイント部材を車両骨格部材にボルトにより締結する場合、輸送時の船舶への固縛等により衝撃吸収部材に車両下向きの荷重が入力されると、ジョイント部材と衝撃吸収部材の上部との接着部における荷重入力側の端部において、応力集中が生じる。このため、当該接着部におけるせん断破壊又は剥離を防止する対策として、接着面積の拡張による接着強化や、非接着領域の形成による応力集中の緩和等が必要となる(例えば、特許文献2参照)。前者の場合には、ジョイント部材の大型化等、後者の場合には、非接着部の形成等の応力緩和部の形成工程の増加等といった問題がある。
特開2005−195155号公報 特開平9−213150号公報
本発明は上記事実を考慮し、衝撃吸収部材に対して車両下向きの荷重が入力される場合において、ジョイント部材と衝撃吸収部材との接着状態を良好に維持することが可能な衝撃吸収部材の取付部構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の衝撃吸収部材の取付部構造は、衝突荷重が入力される荷重入力部に対して車両前後方向一端部が取り付けられ、衝突荷重が伝達される車両骨格部材の車両前後方向一端部に対して車両前後方向他端部がジョイント部材を介して取り付けられ、衝突エネルギを車両前後方向に圧縮変形することにより吸収する衝撃吸収部材の取付部構造であって、車両上下方向に重ねられ前記衝撃吸収部材の一部を挟んだ状態で共に当該一部に接着された上下一対の結合部が、前記ジョイント部材に設けられており、車両下側の前記結合部における前記荷重入力部側の端部を、車両上側の前記結合部における前記荷重入力部側の端部よりも前記荷重入力部側にオフセットさせて配置したことを特徴とする。
請求項1に記載の衝撃吸収部材の取付部構造では、上記衝撃吸収部材の車両前後方向一端部が、衝突荷重が入力される荷重入力部に取り付けられ、該衝撃吸収部材の車両前後方向他端部が、ジョイント部材を介して上記車両骨格部材の車両前後方向一端部に取り付けられており、荷重入力部に入力された衝突荷重が衝撃吸収部材を介して車両骨格部材に伝達される。その際、衝撃吸収部材は、車両前後方向に軸圧縮変形することにより、衝突エネルギを吸収する。
また、ジョイント部材に車両上下方向に重なった状態で設けられた上下一対の結合部が、衝撃吸収部材の一部を挟んだ状態で当該一部と接着されている。このため、衝撃吸収部材に対して車両下向きの荷重(曲げ荷重)が入力された場合には、車両上側の結合部と衝撃吸収部材の上記一部との接着部にせん断荷重が入力され、当該接着部の荷重入力部側の端部にせん断応力が集中する。
ここで、車両下側の結合部における荷重入力側の端部が、車両上側の結合部における荷重入力部側の端部よりも荷重入力部側にオフセットされて配置されている。これにより、車両下側の接着部における荷重入力部側の端部が、車両上側の接着部における荷重入力部側の端部に先行してせん断応力を負担し、車両上側の接着部における荷重入力部側の端部に生じるせん断応力を分散させて低下させる。また、これに伴って、車両上側の結合部と接着された衝撃吸収部材の上記一部における面外変形が抑制されるため、車両上側の接着部に生じる剥離応力を低下させることができる。
よって、衝撃吸収部材に対して車両下向きの荷重が入力される場合において、ジョイント部材と衝撃吸収部材との接着状態を良好に維持することが可能である。
請求項2に記載の衝撃吸収部材の取付部構造は、請求項1に記載の衝撃吸収部材の取付部構造であって、前記衝撃吸収部材を繊維強化複合材製としたことを特徴とする。
請求項2に記載の衝撃吸収部材の取付部構造では、衝撃吸収部材を、繊維強化複合材製とすることにより金属製とする場合と比して軽量化させている。
以上説明したように、本発明によれば、衝撃吸収部材に対して車両下向きの荷重が入力される場合において、ジョイント部材と衝撃吸収部材との接着状態を良好に維持することが可能な衝撃吸収部材の取付部構造を提供できる。
本発明における車体構造の一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
なお、図中矢印UPは車両上方方向を示し、図中矢印FRは車両前方方向を示し、図中矢印INは車幅内側方向を示している。
図1、図2には、本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収部材の取付部構造を備える車体前部構造が示されている。これらの図に示されるように、本実施形態では、衝撃吸収部材としてのクラッシュボックス10が、車両前部の車幅方向両端下部で車両前後方向に沿って配設され、車両骨格部材としてのフロントサイドメンバ12の前端部に結合されている。クラッシュボックス10の前端部には、荷重入力部としてのバンパリインホース11が結合されている。
フロントサイドメンバ12は、アルミニウム合金製とされており、閉じ断面構造として構成されている。また、クラッシュボックス10は、繊維強化複合材であるCFRP(炭素繊維強化樹脂)によって構成されており、車両前後方向から見た断面形状が凸凹状となっている。なお、クラッシュボックス10は、CFRPのみならず、GFRP(ガラス繊維強化樹脂)等の他の繊維強化樹脂、他の繊維強化複合材により構成してもよい。
フロントサイドメンバ12の前端部には、クラッシュボックス10の後端部を結合するための車両前後方向視にて矩形枠状の結合部12Aが形成されており、この結合部12A内にクラッシュボックス10の後端部とジョイント部材14、16とが配置されている。
クラッシュボックス10は、車両前後方向を長手方向とする複数の壁部10A、10B、10C、10D、10E、10F、10Gを備えており、これらの壁部10A〜Gは、上下に連結された2つのコ字状断面を形成している。なお、このコ字状断面は車幅方向内側に開口している。また、複数の壁部10A〜Gは、車両上方から下方へ記載順に配設されており、壁部10A、10C、10E、10Gは、水平面に対して僅かに傾斜した横壁部とされ、壁部10B、10D、10Fは、垂直面に対して略平行とされた縦壁部とされている。
また、上端の壁部10Aの車幅方向内側端には、車両上方へ延出した上端縦壁部10Uが形成されており、下端の壁部10Gの車幅方向内側端には車両下方に延出した下端縦壁部10Lが形成されている。
壁部10Aの後端部は、結合部12Aの上部を構成する上壁部12Bと対向して配設され、壁部10B、10Fの後端部は、結合部12Aの車幅方向外側部を構成する側壁部12Cに対向して配設され、また、壁部10D、上端縦壁部10U、下端縦壁部10Lの後端部は、結合部12Aの車幅方向内側部を構成する側壁部12Dに対向して配設され、さらに、壁部10Gは、結合部12Aの下部を構成する下壁部12Eに対向して配設されている。
また、結合部12Aの内部には、ジョイント部材14、16が配設されており、このジョイント部材14、16を介して、結合部12Aとクラッシュボックス10の後端部とが結合されている。
図3には、フロントサイドメンバ12の前端部(結合部12A)とクラッシュボックス10の後端部との結合構造が、車両前方から見た断面図にて示されている。この図に示されるように、ジョイント部材14、16は、クラッシュボックス10の後端部に接着されると共に、結合部12AにボルトBにより締結されている。また、ジョイント部材14、16は、アルミニウム合金製とされており、車両前後方向から見た断面形状が、車両上下方向に凹凸が繰り返される凸凹状となっている。
ジョイント部材14は、結合部12Aの側壁部12CにボルトBにより締結される縦壁部14Aと、縦壁部14Aの上下方向中央部に形成され、クラッシュボックス10の壁部10C、10Eに接着剤S(図中太線で図示)で接合される接合部14Bと、縦壁部14Aの上端部に形成され、結合部12Aの上壁部12BにボルトBにより締結される締結部20と、縦壁部14Aの下端部に形成され、結合部12Aの下壁部12EにボルトBにより締結される締結部22とにより構成されている。
縦壁部14Aは、壁部10Bの上端部近傍から壁部10Fの下端部近傍まで延在しており、その上部は、壁部10B及び側壁部12Cに挟み込まれ、その下部は、壁部10F及び側壁部12Cに挟み込まれている。また、縦壁部14Aの上下方向中央部には、車幅方向内側へ突出したボス14Hが形成され、このボス14Hには、車幅方向に貫通するネジ孔14Iが形成され、さらに、側壁部12Cの上下方向中央部には、ネジ孔14Iに対向して貫通孔12Fが形成されている。貫通孔12Fを通して車幅方向外側からネジ孔14Iに挿入されたボルトBにより、側壁部12Cと縦壁部14Aとの上下方向中央部同士が締結されている。
接合部14Bは、壁部10C、10D、10Eにより形成される車幅方向内側へ凹んだ凹部と嵌合可能な雌雄の関係とされており、接着剤S(図中太線で図示)により壁部10Cの下面に接着される壁部14Eと、壁部10Dに当接される壁部14Fと、接着剤S(図中太線で図示)により壁部10Eの上面に接着される壁部14Gとにより構成されている。
また、締結部20は、車両前後方向に貫通した中空部21を囲むボス24、連結片26、基部28、及び連結片30により等脚台形状に構成されている。ボス24は、車両上下方向を軸方向とする円筒状に構成されている。このボス24の軸心には、車両上下方向に貫通するネジ孔24Aが形成され、また、上壁部12Bには、ネジ孔24Aに対向して貫通孔12Gが形成されており、貫通孔12Gを通して車両上方側からネジ孔24Aに挿入されたボルトBにより、上壁部12Bとボス24とが締結されている。
また、基部28は、縦壁部14Aの上端部から壁部10Aの上面に沿って車幅方向内側へ延在する板片であり、接着剤S(図中太線で図示)により壁部10Aの上面に接着されている。また、連結片26は、縦壁部14Aの上端部とボス24の車幅方向外側とを連結する板片とされ、連結片30は、基部28の車幅方向内側端部とボス24の車幅方向内側とを連結する板片とされている。
締結部22は、締結部20と上下対称の構成とされており、この締結部22においては、ボス24がボルトBにより下壁部12Eに締結され、基部28が接着剤S(図中太線で図示)により壁部10Gの下面に接着されている。
また、ジョイント部材16は、結合部12Aの側壁部12Dに2本のボルトBにより締結される縦壁部16Aと、縦壁部16Aの上側部に形成され、クラッシュボックス10の壁部10A、10Cに接合される接合部16Bと、縦壁部16Aの下側部に形成され、接着剤S(図中太線で図示)でクラッシュボックス10の壁部10E、10Gに接合される接合部16Cと、縦壁部16Aの上端部に形成され、結合部12Aの上壁部12CにボルトBにより締結される締結部32と、縦壁部16Aの下端部に形成され、結合部12Aの下壁部12EにボルトBにより締結される締結部34とにより構成されている。
縦壁部16Aは、側壁部12Dの上端部近傍から下端部近傍まで延在しており、その上端部は、上端縦壁部10U及び側壁部12Dに挟み込まれ、その下端部は、下側縦壁部10L及び側壁部12Dに挟み込まれ、さらに、その上下方向中央部は、壁部10D及び側壁部12Dに挟み込まれている。
また、縦壁部16Aの上側部及び下側部には、車幅方向外側へ突出したボス16Dがそれぞれ形成され、このボス16Dには、車幅方向に貫通するネジ孔16Eが形成され、さらに、側壁部12Dの上側部及び下側部にはそれぞれ、ネジ孔16Eに対向して貫通孔12Hが形成されている。貫通孔12Hを通して車幅方向内側からネジ孔16Eに挿入されたボルトBにより、側壁部12Dと縦壁部16Aとの上側部及び下側部同士が締結されている。
接合部16Bは、壁部10A、10B、10Cにより形成される車幅方向外側へ凹んだ凹部と嵌合可能な雌雄の関係とされており、接着剤S(図中太線で図示)により壁部10Aの下面に接着される壁部16Fと、壁部10Bに当接される壁部16Gと、接着剤S(図中太線で図示)により壁部10Cの上面に接着される壁部16Hとにより構成されている。
また、接合部16Cは、壁部10E、10F、10Gにより形成される車幅方向外側へ凹んだ凹部と嵌合可能な雌雄の関係とされており、接着剤S(図中太線で図示)により壁部10Eの下面に接着される壁部16Iと、壁部10Fに当接される壁部16Jと、接着剤S(図中太線で図示)により壁部10Gの上面に接着される壁部16Kとにより構成されている。
また、締結部32は、ボス36と、ボス36を縦壁部16Aの上端部に連結する連結片38とにより構成されている。ボス36は、車両上下方向を軸方向とする円筒状に構成されている。ボス36の軸心には、車両上下方向に貫通するネジ孔36Aが形成され、また、上壁部12Bには、ネジ孔36Aに対向して貫通孔12Iが形成されており、貫通孔12Iを通して車両上方側からネジ孔36Aに挿入されたボルトBにより、上壁部12Bとボス36とが締結されている。
また、連結片38は、縦壁部16Aの上端部とボス36の車幅方向内側とを連結する板片とされている。
また、締結部34は、締結部32と上下対称の構成とされており、この締結部34においては、ボス36がボルトBにより下壁部12Eに締結され、連結片38により、縦壁部16Aの下端部とボス36の車幅方向外側とが連結されている。
図4(A)には、図3における4(A)−4(A)断面図が示され、図5には、図3における5−5断面図が示されている。
図4(A)に示すように、クラッシュボックス10の一部である壁部10Aは、車両上下方向に重なった状態で配設された上下一対の結合部としての基部(車両上側の結合部)28及び壁部(車両下側の結合部)16Fにより挟まれており、上述したように、壁部10Aの上面と基部28の下面とが接着剤Sにより接着され、壁部10Aの下面と壁部16Fの上面とが接着剤Sにより接着されている。
ここで、壁部16Fの車両前後方向への幅は、基部28の車両前後方向への幅よりも広くされており、壁部16Fの車両後側の端部と基部28の車両後側の端部との車両前後方向の位置は略一致されている。一方、壁部16Fの車両前方側(バンパリインホース11側)の端部は、基部28の車両前方側の端部よりも、車両前方側にオフセットされて配置されている。
なお、壁部16Fの車両前後方向への幅全体及び基部28の車両前後方向への幅全体が接着剤Sにより壁部10Aに接着されており、車両下側の接着剤Sの車両前方側の端部が、車両上側の接着剤Sの車両前方側の端部よりも、車両前方側にオフセットして配置されている。
また、図5に示すように、クラッシュボックス10の一部である壁部10Cは、車両上下方向に重なった状態で配設された上下一対の結合部としての壁部(車両上側の結合部)16H及び壁部(車両下側の結合部)14Eにより挟まれており、上述したように、壁部10Cの上面と壁部16Hの下面とが接着剤Sにより接着され、壁部10Cの下面と壁部14Eの上面とが接着剤Sにより接着されている。
ここで、壁部14Eの車両前後方向への幅は、壁部16Hの車両前後方向への幅よりも広くされており、壁部14Eの車両後側の端部と壁部16Hの車両後側の端部との車両前後方向の位置は略一致されている。一方、壁部14Eの車両前方側(バンパリインホース11側)の端部は、壁部16Hの車両前方側の端部よりも、車両前方側にオフセットして配置されている。
また、壁部16F及び基部28と壁部10Aとの接着と同様、壁部14Eの車両前後方向への幅全体及び壁部16Hの車両前後方向への幅全体が接着剤Sにより壁部10Cに接着されており、車両下側の接着剤Sの車両前方側の端部が、車両上側の接着剤Sの車両前方側の端部よりも、車両前方側に位置している。
なお、説明は省略するが、壁部10E及びその下方側の壁部10Gとジョイント部材14、16との接着も、壁部10A及び壁部10Cと同様、車両下側の結合部が車両上側の結合部よりも車両前方側へ延出するように構成されている。
次に、本実施形態における作用について説明する。
前面衝突時にバンパリインホース11に衝突荷重が入力され、バンパリインホース11からフロントサイドメンバ12へ、クラッシュボックス10を介して衝突荷重が伝達される。この際、クラッシュボックス10は、軸方向(車両前後方向)に圧縮変形することにより衝突エネルギを吸収する。
ところで、船舶輸送時等に車両前部を船舶等の床面に固縛する場合には、クラッシュボックス10に対して車両下向きの荷重(曲げ荷重)が入力される。このため、基部28と壁部10Aとの接着部や壁部16Fと壁部10Aとの接着部、及び壁部16Hと壁部10Cとの接着部や壁部14Eと壁部10Cとの接着部等には、せん断荷重(車両上下方向の荷重)が入力される。これにより、壁部10Aの上面側の接着部の車両前方側(荷重入力部側)や壁部10Cの上面側の接着部における車両前方側の端部にせん断応力が集中する。特に、クラッシュボックス10の車両上側ほど入力される曲げ荷重が大きくなるため、壁部10Aの上面側の接着部における車両前方側(荷重入力部側)の端部に生じるせん断応力が最大となる。
ここで、壁部10Aの上下両面に接着された基部28及び壁部16Fにおける車両前方側の端部は、壁部16Fの当該部位が基部28の当該部位よりも車両前方側に位置するように車両前後方向にオフセットして配置されている。
これにより、壁部16Fと壁部10Aの下面との接着部における車両前方側の端部が、基部28と壁部10Aの上面との接着部における車両前方側の端部に先行してせん断応力を負担し、当該部位に生じるせん断応力を分散させて低下させる。また、これに伴って、壁部10Aの上面における基部28と接着された部位に生じる面外変形(壁部10Aの上面と交差する方向への変形)が抑制されるため、基部28と壁部10Aの上面との接着部に生じる剥離応力を低下させることができる。
一方、基部28の車両前方側の端部と壁部16Fの車両前方側の端部との車両前後方向の位置を一致させた場合には、上下の接着部に対して同時にせん断力が入力されるため、図4(B)のグラフに破線で示すように、接着部の車両前方側の端部に生じるせん断応力の集中が、実線で示す本実施形態の場合と比較して大きくなる。
従って、本実施形態によれば、船舶輸送時等に車両前部を船舶等の床面に固縛する場合等、クラッシュボックス10に対して車両下向きの荷重(曲げ荷重)が入力される場合において、ジョイント部材14、16とクラッシュボックス10との接着状態を良好に維持することが可能である。
また、本実施形態では、壁部10Aの上面と基部28、又は壁部10Cの上面と壁部16Hとの接着面積を拡張させることなく、十分な接着性を確保することを可能としている。このため、スペース制約等により基部28における壁部10Aの上面との接着面を広く取ることができないような場合に有効である。
また、本実施形態では、基部28及び壁部16F等の接着面の全体に接着剤Sを塗布すればよく、当該接着面に非接着領域を形成する場合のように非接着領域を形成するための当該接着面へのテープの貼付等の工程が不要であるため、作業効率の面においても有効である。
また、本実施形態では、クラッシュボックス10を金属製ではなく、繊維強化複合材製としたことにより、クラッシュボックス10を、金属製とした場合と比して軽量化できる。
なお、本実施形態では、基部28及び壁部16Fと壁部10Aとの接着部のみならず、壁部16H及び壁部14Eと壁部10Cとの接着部等にも本発明構造を適用したが、これらの少なくとも一箇所に適用されていればよく、全箇所に適用することは必須ではない。
また、本実施形態では、ジョイント部材14、16を介したクラッシュボックス10とフロントサイドメンバ12との結合部に本発明構造を適用したが、例えば、車両後部における、ジョイント部材を介したクラッシュボックスとサイドシルの結合構造等にも本発明を適用することが可能である。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態では、クラッシュボックス100が正面視にて矩形状の閉断面構造とされており、このクラッシュボックス100の後端部が、ジョイント部材102、104を介してフロントサイドメンバ12の前端部に結合されている。ジョイント部材102、104は、正面視にて矩形状の閉断面構造とされている。
ジョイント部材102は、クラッシュボックス100の断面外側に嵌合され、ジョイント部材104は、クラッシュボックス100の断面内側に嵌合されており、ジョイント部材102の内壁とクラッシュボックス100の外壁とが接着剤Sにより接着され、ジョイント部材104の外壁とクラッシュボックス100の内壁とが接着剤Sにより接着されている。
また、ジョイント部材102の上壁102Aの車幅方向中央部には、締結部20が配設され、ジョイント部材102の下壁102Bの車幅方向中央部には、締結部22が配設されており、締結部20、22によりジョイント部材102の上下両側が、フロントサイドメンバ12の結合部12Aにボルト締結されている。
また、図7に示すように、ジョイント部材104の上壁104Aの車幅方向中央部には、締結部106が配設されている。また、図示は省略するが、ジョイント部材104の下壁104Bの車幅方向中央部にも、締結部106と上下対称の締結部が配設されている。締結部106は、締結部20の車両後方側に近接して配設された基部106Aと、基部106Aとジョイント部材104の上壁104Aの車両後方側の端部とを連結する連結片104Bとから構成されている。基部106Aは、ボルトBにより結合部12Aに締結されている。
ここで、クラッシュボックス100の上壁100Aの下面に接着された上壁104Aにおける車両前方側(バンパリインホース11側)の端部は、上壁100Aの上面に接着された基部28の車両前方側の端部よりも車両前方側にオフセットして配置されている。
このため、第1実施形態と同様、船舶輸送時等に車両前部を船舶等の床面に固縛され、クラッシュボックス100に対して車両下向きの荷重(曲げ荷重)が入力される場合に、上壁104Aと壁部100Aとの接着部の車両前方側の端部が、基部28と上壁100Aとの接着部における車両前方側の端部に先行してせん断応力を負担し、当該部位に生じるせん断応力を分散させて低下させる。また、これに伴って、壁部100Aの上面における基部28と接着された部位に生じる面外変形(壁部100Aの上面と交差する方向への変形)が抑制されるため、基部28と壁部100Aの上面との接着部に生じる剥離応力を低下させることができる。
従って、本実施形態によれば、船舶輸送時等に車両前部を船舶等の床面に固縛する場合等、クラッシュボックス100に対して車両下向きの荷重が入力される場合において、ジョイント部材104、106とクラッシュボックス100との接着状態を良好に維持することが可能である。
本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収部材の取付部構造を備える車体前部を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収部材の取付部構造を備える車体前部を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る衝撃吸収部材の取付部構造を示す正断面図である。 (A)は、図3の4(A)−4(A)断面図であり、(B)は、本実施形態と比較例の接着部におけるせん断応力分布図である。 図3の5−5断面図である。 本発明の第2実施形態に係る衝撃吸収部材の取付部構造を備える車体前部を示す正断面図である。 図6の7−7断面図である。
符号の説明
10 クラッシュボックス(衝撃吸収部材)
12 フロントサイドメンバ(車両骨格部材)
14 ジョイント部材
14E 壁部(車両下側の結合部)
16 ジョイント部材
16F 壁部(車両下側の結合部)
16H 壁部(車両上側の結合部)
28 基部(車両上側の結合部)
100 クラッシュボックス(衝撃吸収部材)
102 ジョイント部材
104 ジョイント部材
104F 壁部(車両下側の結合部)

Claims (2)

  1. 衝突荷重が入力される荷重入力部に対して車両前後方向一端部が取り付けられ、衝突荷重が伝達される車両骨格部材の車両前後方向一端部に対して車両前後方向他端部がジョイント部材を介して取り付けられ、衝突エネルギを車両前後方向に圧縮変形することにより吸収する衝撃吸収部材の取付部構造であって、
    車両上下方向に重ねられ前記衝撃吸収部材の一部を挟んだ状態で共に当該一部に接着された上下一対の結合部が、前記ジョイント部材に設けられており、
    車両下側の前記結合部における前記荷重入力部側の端部を、車両上側の前記結合部における前記荷重入力部側の端部よりも前記荷重入力部側にオフセットさせて配置したことを特徴とする衝撃吸収部材の取付部構造。
  2. 前記衝撃吸収部材を繊維強化複合材製としたことを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収部材の取付部構造。
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