JP5001692B2 - 車両用シートベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の衝突時にプリテンショナによりシートベルトを巻き込んだ後、シートベルトの緩みを除去する車両用シートベルト装置に関する。
従来、車両用シートベルト装置としては、車両の衝突時にシートベルトを瞬時にリトラクタ内に引き入れるものが知られている(例えば、特許文献1、および特許文献2参照)。この車両用シートベルト装置のリトラクタは、シートベルトを巻き取るベルトドラムと、車両の衝突時にベルトドラムを瞬時に回転させるプリテンショナと、ベルトドラムに巻き取られたシートベルトがリトラクタから引き出されないようにロックするロック機構と、一定以上の衝撃が加わった際にシートベルトを送り出すフォースリミッタとを備えている。
このような車両用シートベルト装置では、車両の衝突時に乗員が慣性で座席から離れる方向に移動しようとする際に、例えば、プリテンショナで瞬時にシートベルトが引き入れられた後にロック機構でシートベルトがロックされるか、あるいはロック機構でシートベルトがロックされた後にプリテンショナでシートベルトが引き入れられてこのシートベルトがロック機構でロックされる。その結果、乗員は、緩みが除去されたシートベルトによって座席に拘束されることとなる。そして、フォースリミッタが乗員を座席に拘束するために充分な張力をシートベルトに維持しながらリトラクタからシートベルトを送り出す。その結果、衝突時にシートベルトが乗員に与える衝撃が緩和される。
特開平06−156187号公報 特開平10−67300号公報
しかしながら、従来の車両用シートベルト装置では、車両の衝突時にリトラクタがシートベルトを引き入れてから前記したようにロックするまでの間に、慣性で移動する乗員に引かれたシートベルトはリトラクタから引き出される場合がある。つまり、衝突時にシートベルトが緩むことによって乗員を座席に拘束しようとするシートベルトの張力がロスする場合がある。
そこで、本発明の課題は、従来の車両用シートベルト装置と比較して、車両の衝突時にシートベルトの張力のロスをより確実に防止することができる車両用シートベルト装置を提供することにある。
前記課題を解決した本発明は、車体に固定されたリング状部材を通して、リトラクタに取り付けられたシートベルトを車両衝突時に前記リトラクタ内に引き入れるプリテンショナを備えた車両用シートベルト装置において、前記リング状部材は、回動可能にそれぞれ軸部材で支持されてシートベルトを挟むように配置された第1部材および第2部材を備え、前記第1部材および前記第2部材は、前記リトラクタ内に前記プリテンショナで引き入れる方向へのシートベルトの移動を許容するとともに、前記プリテンショナで前記リトラクタ内に引き入れられたシートベルトが前記リトラクタから引き出される方向に第1の荷重より大きくかつ第2の荷重以下の荷重がシートベルトに加わると、シートベルトを挟持してこの引き出される方向へのシートベルトの移動を制止し、前記第1部材および前記第2部材は、前記プリテンショナで前記リトラクタ内に引き入れられたシートベルトが前記リトラクタから引き出される方向に前記第1の荷重以下の荷重、または前記第2の荷重より大きい荷重がシートベルトに加わると、互いの間隔をあけることでこの引き出される方向へのシートベルトの移動を許容することを特徴とする。
この車両用シートベルト装置では、リング状部材は、リトラクタ側に巻き取られる方向へのシートベルトの移動を許容する。したがって、この車両用シートベルト装置では、車両の衝突時に、リトラクタがシートベルトを巻き取ることができ、乗員の装着したシートベルトの緩みが除去される。
また、この車両用シートベルト装置では、シートベルトが、衝突時における慣性で座席から離れる方向に移動しようとする乗員によって引かれる。
このようにリトラクタからシートベルトが引き出される方向に第1の荷重より大きくかつ第2の荷重以下の荷重がシートベルトに加わると、この引き出される方向へのシートベルトの移動を制止する。その結果、この車両用シートベルト装置では、従来の車両用シートベルト装置(例えば、特許文献1参照)と異なって、リトラクタがシートベルトを引き入れてからロックするまでの間に、慣性で移動する乗員に引かれたシートベルトがリトラクタから引き出されることが防止される。したがって、この車両用シートベルト装置は、従来の車両用シートベルト装置と比較して、車両の衝突時にシートベルトの張力のロスをより確実に防止することができる。つまり、車両用シートベルト装置は、より安全に乗員を座席に拘束することができる。
また、この車両用シートベルト装置では、第1の荷重以下の荷重、または第2の荷重より大きい荷重がシートベルトに加わると、リング状部材は、この引き出される方向へのシートベルトの移動を許容する。つまり、この車両用シートベルトでは、第1の荷重以下の荷重がシートベルトに加わったときに、引き出される方向へのシートベルトの移動を許容するので、乗員は、シートベルトを装着するために、シートベルトを第1の荷重以下の荷重で引張ってリトラクタから引き出すことができる。
そして、この車両用シートベルト装置では、例えば、車両の衝突時における衝撃が大きく、リトラクタからシートベルトが引き出される方向に第2の荷重より大きい荷重がシートベルトに加わると、リング状部材は、この引き出される方向へのシートベルトの移動を許容する。その結果、従来の車両用シートベルト装置(例えば、特許文献1参照)に備えられているフォースリミッタが有効に駆動することとなる。つまり、シートベルトは、乗員を座席に拘束するために充分な張力を維持しつつリトラクタから送り出されることとなる。
また、このような車両用シートベルト装置においては、前記リング状部材は、前記第1部材および前記第2部材がシートベルトを挟持する位置で前記第1部材および前記第2部材の少なくともいずれかを支持する支持部材をさらに備え、前記リトラクタからシートベルトが引き出される方向に前記第2の荷重より大きい荷重がシートベルトに加わると、前記支持部材が破断するとともに、前記第1部材および前記第2部材が互いの間隔をあけてこの引き出される方向へのシートベルトの移動を許容するように構成することができる。
本発明の車両用シートベルト装置によれば、従来の車両用シートベルト装置と比較して、車両の衝突時にシートベルトの張力のロスをより確実に防止することができる。
次に、本発明の実施形態に係る車両用シートベルト装置について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。ここで参照する図1は、実施形態に係る車両用シートベルト装置の斜視図である。図2は、図1のA−A線におけるリトラクタの断面を模式的に示す部分断面図である。図3は、Dリングの斜視図である。図4(a)は、図3のB−B線におけるDリングの断面を模式的に示す部分断面図であり、図4(b)は、図3のC−C線におけるDリングの断面を模式的に示す部分断面図である。図5は、図3のB−B線におけるDリングの断面を模式的に示す部分断面図であり、(a)は、Dリングが、リトラクタ内にシートベルトを引き入れる方向へのシートベルトの移動を許容している様子を示す図、(b)は、Dリングが、リトラクタからシートベルトが引き出される方向へのシートベルトの移動を制止している様子を示す図、(c)は、Dリングが、リトラクタからシートベルトが引き出される方向へのシートベルトの移動を許容している様子を示す図である。なお、本実施形態では、車両(自動車)の右側前席に車両用シートベルト装置を適用した例について説明する。また、以下の説明において、上下左右の方向については、車両(自動車)の上下左右の方向を基準とする。
図1に示すように、実施形態に係る車両用シートベルト装置1は、シートベルト3と、車両Vの衝突時にシートベルト3を引き入れるリトラクタ2と、センタピラーCに固定されるとともにシートベルト3が通されるDリング10とを備えている。なお、センタピラーCは、特許請求の範囲にいう「車体」に相当し、Dリング10は、「リング状部材」に相当する。
この車両用シートベルト装置1においては、後記するように、Dリング10がシートベルト3に加えられた荷重に応じて、リトラクタ2からシートベルト3が引き出される方向D2(以下、単に「D2方向」という)へのシートベルト3の移動を制止し、またはこのD2方向へのシートベルト3の移動を許容するように構成されていることを特徴とする。
ここでは、まず実施形態に係る車両用シートベルト装置1の全体的な構造について説明する。
シートベルト3は、長尺のウェビング(織物)で形成されており、その一端側は、座席Sの右側で車両Vの床部にシートベルトアンカ4を介して固定されている。そして、シートベルトアンカ4側から延びたシートベルト3は、タング5のスリット状の穴部(図示省略)、およびDリング10に通されるとともに、その他端側が次に説明するリトラクタ2のベルトドラム23(図2参照)に取り付けられている。ちなみに、このシートベルト3が車両Vの乗員7に装着される際には、座席Sの左側で車両Vの床部に固定されたバックル6に、タング5が結合されることとなる。
リトラクタ2としては、車両Vの衝突時にシートベルト3を瞬時に引き入れる構造を有する公知の構造を有するものを使用することができる。このようなリトラクタ2は、例えば、図2に示すように、プリテンショナPと、このプリテンショナPによって回転駆動される第1ギヤ21と、この第1ギヤ21に噛み合う第2ギヤ22と、この第2ギヤ22と同軸上に取り付けられたベルトドラム23とを備えて構成することができる。そして、リトラクタ2は、第1ギヤ21をF2方向の回転のみに規制するフリーホイール(図示省略)を更に備えている。このフリーホイールは、後記するように、ベルトドラム23に巻き取られたシートベルト3が引き出されることを防止するロック機構として機能する。
プリテンショナPは、有底円筒体で形成されるとともにその開口側がハウジングH内に臨むように配置されたシリンダ24と、このシリンダ24内で摺動可能に配置されたピストン25と、シリンダ24の底側とピストン25とでシリンダ24内に区画される空間に配置された火薬26と、ピストン25に接続されたラック27と、ラック27と噛み合うピニオン28とを備えている。ちなみに、火薬26は、車両V(図1参照)の衝突をセンサで検知した制御装置(図示省略)が着火指令を出力することで着火するようになっている。
第1ギヤ21は、プリテンショナPのピニオン28と捻り棒29を介して同軸上に取り付けられており、ピニオン28と同じF2方向に回転するようになっている。ちなみに、第1ギヤ21は、前記したフリーホイール(図示省略)によってF2方向と逆の方向の回転を禁止されているものの、後記するように、所定値以上の回転負荷が加わって逆の方向への回転を余儀なくされた場合に、フリーホイールが破断するとともに捻り棒29が塑性変形することによって、その塑性変形に見合った逆の方向への回転を許容することとなる。つまり、この捻り棒29は、フォースリミッタとして機能することとなる。
第2ギヤ22は、第1ギヤ21と噛みあっており、第1ギヤ21がF2方向に回転すると、F3方向に回転するようになっている。
ベルトドラム23は、第2ギヤ22と同軸上に取り付けられており、第2ギヤ22と同じ方向に回転するようになっている。このベルトドラム23には、前記したシートベルト3の他端側が取り付けられている。そして、ベルトドラム23は、第2ギヤ22がF3方向に回転した際に、ハウジングHの開口Mから導き入れたシートベルト3を巻き取るようになっている。
次に、Dリング10について説明する。
図3に示すように、Dリング10は、略環状に形成されたリングプレート11と、このリングプレート11の内側に回動可能にそれぞれ後記する軸部材12a,13a(図4(a)参照)で支持された第1ガイド部材12、および第2ガイド部材13と、第1ガイド部材12に取り付けられた付勢部材17と、ピン部材14とを備えている。なお、第1ガイド部材12は、特許請求の範囲にいう「第1部材」に相当し、第2ガイド部材13は、「第2部材」に相当し、ピン部材14は、「支持部材」に相当する。
図4(a)に示すように、第1ガイド部材12は、断面視で略逆L字状に屈曲した部材であり、その屈曲した先端に第1挟持部12bが形成されている。そして、この第1ガイド部材12は、前記したように、軸部材12aでリングプレート11に支持されており、この軸部材12a周りに回動可能になっている。
第2ガイド部材13は、断面視でC字状を呈した部材であり、略C字に屈曲する一端部に第2挟持部13bが形成されている。そして、第2ガイド部材13は、略C字に屈曲する他端部が、軸部材13aで支持されており、この軸部材13a周りに回動可能になっている。
このような第1ガイド部材12と第2ガイド部材13との間には、シートベルト3が通されている。つまり、第1ガイド部材12と第2ガイド部材13とは、シートベルト3を挟むように配置されることとなる。そして、第1挟持部12b(第1ガイド部材12)と第2挟持部13b(第2ガイド部材13)とは、互いに間隔をあけることで、リトラクタ2(図2参照)内に引き入れる方向D1(以下、単に「D1方向」という)、およびリトラクタ2(図2参照)から引き出される方向D2(以下、単に「D2方向」という)へのシートベルト3の移動を許容することとなる。なお、本実施形態での第2ガイド部材13は、リングプレート11内で第1ガイド部材12の下方に配置されており、シートベルト3は、常に第2ガイド部材13側に接することとなる。
付勢部材17は、図3に示すように、リングプレート11寄りに第1ガイド部材12の一方の端部に取り付けられている。さらに詳しく言うと、付勢部材17は、図4(a)に示すように、第1挟持部12bの下方に取り付けられている。
この付勢部材17は、図4(b)に示すように、固定部材15と、コイルスプリング16とを備えている。固定部材15は、コイルスプリング16を第1挟持部12b側に固定するものである。コイルスプリング16は、反発バネであって、その先端部16aは第2ガイド部材13に当接している。つまり、このコイルスプリング16の反力によって、第1挟持部12b(第1ガイド部材12)と第2挟持部13b(第2ガイド部材13)とは、互いに間隔をあけることとなる。ちなみに、このコイルスプリング16は、シートベルト3に所定の荷重よりも大きい荷重がD2方向に加わった際に、後記する図5(b)に示すように、第2挟持部13bがシートベルト3を第1挟持部12bとの間に噛み込むように回動可能となるようにその反力が設定される。この所定の荷重は、特許請求の範囲にいう「第1の荷重」に相当する。
ピン部材14は、図3に示すように、リングプレート11内で第1ガイド部材12の上方に配置されており、ピン部材14の両端はリングプレート11に取り付けられている。
このピン部材14は、図5(b)に示すように、第1ガイド部材12の第1挟持部12bと第2ガイド部材13の第2挟持部13bとの間でシートベルト3を挟持する位置で、第1挟持部12bが第2挟持部13bから離れる方向に回動しないように支持するものである。さらに詳しく説明すると、シートベルト3に前記した第1の荷重より大きい荷重がD2方向に加わると、このシートベルト3に接する、図5(a)に示す状態の第2ガイド部材13は、コイルスプリング16(図4(b)参照)の反力に抗して、第1ガイド部材12の第1挟持部12bと、その第2挟持部13bとの間にシートベルト3を噛み込んで挟持するように軸部材13a周りに回動する。そして、図5(b)に示す状態となった第2ガイド部材13の第2挟持部13bは、D2方向に引かれるシートベルト3によって、シートベルト3を介して第1ガイド部材12の第1挟持部12bを押圧する。そして、シートベルト3は、第1挟持部12bが第2ガイド部材13の第2挟持部13bから離れる方向に第1ガイド部材12を回動させるように押圧する。
その一方で、ピン部材14は、第1ガイド部材12に当接することで第1挟持部12bが第2挟持部13bから離れる方向に回動しないように支持することとなる。つまり、ピン部材14は、第1ガイド部材12を支持することで、第1挟持部12bおよび第2挟持部13bによるシートベルト3の挟持を維持し、D2方向へのシートベルト3の移動を制止することとなる。
そして、Dリング10は、リトラクタ2のプリテンショナPが働いた際に、D1方向のシートベルト3の移動を許容するとともに、前記したように、D2方向に第1の荷重より大きい荷重がシートベルトに加わった際に、D2方向へのシートベルト3の移動を制止する点でワンウェイ型のDリング10となる。なお、このようなDリング10は、前記したように、D2方向にシートベルト3に加わる荷重が前記した第1の荷重以下の場合には、第1挟持部12b(第1ガイド部材12)と第2挟持部13b(第2ガイド部材13)とは、互いに間隔をあけることで、D1方向、およびD2方向へのシートベルト3の移動を許容することとなる。つまり、Dリング10は、ツーウェイ型のDリング10となる。
そして、ピン部材14は、D2方向に所定の荷重よりも大きい荷重がシートベルト3に加わると、破断するようになっている。この所定の荷重は、特許請求の範囲にいう「第2の荷重」に相当する。
そして、図5(c)に示すように、ピン部材14が破断すると、第1挟持部12bが第2ガイド部材13から離れる方向に回動することで、第1挟持部12bは第2ガイド部材13と間隔をあける。つまり、D2方向へのシートベルト3の移動が許容されることとなる。ちなみに、前記したように、シートベルト3が常に当接している第2ガイド部材13は、シートベルト3がD2方向に引かれることによって、図5(a)に示す第2ガイド部材13の状態から図5(c)に示す第2ガイド部材13の状態へと反転することとなる。
以上のように、このDリング10は、D2方向に第1の荷重より大きくかつ第2の荷重以下の荷重がシートベルト3に加わると、D2方向へのシートベルト3の移動を制止し、D2方向に第1の荷重以下の荷重、または第2の荷重より大きい荷重がシートベルト3に加わると、D2方向へのシートベルト3の移動を許容することとなる。
ちなみに、第1の荷重は、乗員7がシートベルト3を装着するためにシートベルト3がリトラクタ2から引き出される際のシートベルト3に加えられる荷重よりも大きい荷重に設定される。そして、第1の荷重は、車両衝突時に、プリテンショナPによってシートベルト3がリトラクタ2側に巻き取られたときに、シートベルト3に加えられる荷重に等しく設定することもできる。
また、第2の荷重は、車両衝突時に、第1の荷重が発生した後に、D2方向にシートベルト3に加えられる所定の荷重であって、第1の荷重よりも大きい所定の荷重に設定される。本実施形態での第2の荷重は、ピン部材14の破断を生じさせないシートベルト3の上限荷重に等しく設定されている。この第2の荷重は、例えば、捻り棒29(図2参照)に塑性変形を与えるシートベルト3の荷重よりも小さい荷重となるように設定されることが望ましい。
次に、本実施形態に係る車両用シートベルト装置1の作用効果について適宜参照しながら説明する。
この車両用シートベルト装置1では、D2方向にシートベルト3に加わる荷重が、前記した第1の荷重以下の場合には、Dリング10は、D2方向へのシートベルト3の移動を許容する。その結果、乗員7は、シートベルト3を装着するために、シートベルト3を第1の荷重以下の荷重で引張ってリトラクタ2から引き出すことができる。
また、この車両用シートベルト装置1では、車両V(図1参照)の衝突時に、図2に示すプリテンショナPの火薬26が着火すると、火薬26は急激に多量のガスを発生する。その発生したガスによって、ピストン25はシリンダ24の開口方向に瞬時に移動する。そして、このピストン25に接続されたラック27がF1方向に移動することによって、このラック27に噛み合うピニオン28が回転するとともに、第1ギヤ21がF2方向に回転する。
第2ギヤ22は、この第1ギヤ21の回転によってF3方向に回転する。このとき、Dリング10の第1ガイド部材12および第2ガイド部材13は、D1方向へのシートベルト3の移動を許容する。したがって、この車両用シートベルト装置1は、車両Vの衝突時に、ベルトドラム23がシートベルト3を巻き取って乗員7の装着したシートベルト3の緩みを除去する。
その一方で、シートベルト3は、衝突時における慣性で座席S(図1参照)から離れる方向に移動しようとする乗員7(図1参照)によって引かれる。
このとき、図1に示すD2方向にシートベルト3に加わる荷重が、前記した第1の荷重より大きく、かつ前記した第2の荷重以下の場合には、Dリング10は、D2方向へのシートベルト3の移動を制止する。その結果、この車両用シートベルト装置1は、従来の車両用シートベルト装置(例えば、特許文献1参照)と異なって、図2に示すリトラクタ2がプリテンショナPによってシートベルト3を引き入れてから、ロック機構としてのフリーホイール(図示せず)によってロックするまでの間に、慣性で移動する乗員7(図1参照)に引かれたシートベルト3がリトラクタ2から引き出されることを防止する。したがって、車両用シートベルト装置1は、従来の車両用シートベルト装置と比較して、車両Vの衝突時にシートベルト3の張力のロスをより確実に防止することができる。つまり、車両用シートベルト装置1は、より安全に乗員7を座席Sに拘束することができる。
また、衝突時に一定以上の衝撃が加わった際に、D2方向に前記した第2の荷重よりも大きい荷重がシートベルト3に加わると、図1に示すDリング10は、D2方向へのシートベルト3の移動を許容する。
このとき図2に示すリトラクタ2のベルトドラム23に巻回されたシートベルト3は、D2方向に移動しようとする。その結果、第2ギヤ22をF3方向と逆の方向に回転させる回転力が、第1ギヤ21をF2方向と逆の方向に回転させようとする回転負荷を生じさせる。その結果、フリーホイール(図示省略)が破断するとともに、捻り棒29が塑性変形することによって、第1ギヤ21は、その塑性変形に見合ったF2方向と逆の方向への回転を許容することとなる。つまり、シートベルト3は、図1に示す乗員7を座席Sに拘束するために充分な張力を維持しつつリトラクタ2から送り出される。その結果、この車両用シートベルト装置1は、乗員7を安全に座席Sに拘束することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
前記実施形態では、リトラクタ2のロック機構として、第1ギヤ21がF2方向と逆の方向に回転するのを禁止するフリーホイールで構成されているが、本発明はこれに限定するものではなく、ロック機構が第1ギヤ21に噛み合うラチェット機構であってもよい。また、ロック機構は、第2ギヤ22がF3方向と逆の方向に回転するのを禁止するものであってもよい。
また、前記実施形態では、Dリング10のピン部材14がシートベルト3に所定値以上の荷重が加えられると破断するように設定されているが、本発明はピン部材14が破断するまでもなく変形するものであってもよい。
また、前記実施形態では、ピン部材14が破断するように設定されているが、本発明は、第1ガイド部材12を支持する軸部材12a、および第2ガイド部材13を支持する軸部材13aの少なくとも一方が破断するものであってもよい。ちなみに、このような場合には、破断する軸部材12aおよび軸部材13aの少なくともいずれかが、特許請求の範囲にいう「支持部材」に相当する。
実施形態に係る車両用シートベルト装置の斜視図である。 図1のA−A線におけるリトラクタの断面を模式的に示す部分断面図である。 Dリングの斜視図である。 (a)は、図3のB−B線におけるDリングの断面を模式的に示す部分断面図であり、(b)は、図3のC−C線におけるDリングの断面を模式的に示す部分断面図である。 図3のB−B線におけるDリングの断面を模式的に示す部分断面図であり、(a)は、Dリングが、リトラクタ内にシートベルトを引き入れる方向へのシートベルトの移動を許容している様子を示す図、(b)は、Dリングが、リトラクタからシートベルトが引き出される方向へのシートベルトの移動を制止している様子を示す図、(c)は、Dリングが、リトラクタからシートベルトが引き出される方向へのシートベルトの移動を許容している様子を示す図である。
符号の説明
1 車両用シートベルト装置
2 リトラクタ
3 シートベルト
10 Dリング(リング状部材)
12 第1ガイド部材(第1部材)
13 第2ガイド部材(第2部材)
14 ピン部材
V 車両
C センタピラー(車体)
P プリテンショナ

Claims (2)

  1. 車体に固定されたリング状部材を通して、リトラクタに取り付けられたシートベルトを車両衝突時に前記リトラクタ内に引き入れるプリテンショナを備えた車両用シートベルト装置において、
    前記リング状部材は、回動可能にそれぞれ軸部材で支持されてシートベルトを挟むように配置された第1部材および第2部材を備え、
    前記第1部材および前記第2部材は、前記リトラクタ内に前記プリテンショナで引き入れる方向へのシートベルトの移動を許容するとともに、前記プリテンショナで前記リトラクタ内に引き入れられたシートベルトが前記リトラクタから引き出される方向に第1の荷重より大きくかつ第2の荷重以下の荷重がシートベルトに加わると、シートベルトを挟持してこの引き出される方向へのシートベルトの移動を制止し、
    前記第1部材および前記第2部材は、前記プリテンショナで前記リトラクタ内に引き入れられたシートベルトが前記リトラクタから引き出される方向に前記第1の荷重以下の荷重、または前記第2の荷重より大きい荷重がシートベルトに加わると、互いの間隔をあけることでこの引き出される方向へのシートベルトの移動を許容することを特徴とする車両用シートベルト装置。
  2. 前記リング状部材は、前記第1部材および前記第2部材がシートベルトを挟持する位置で前記第1部材および前記第2部材の少なくともいずれかを支持する支持部材をさらに備え、
    前記リトラクタからシートベルトが引き出される方向に前記第2の荷重より大きい荷重がシートベルトに加わると、前記支持部材が破断するとともに、前記第1部材および前記第2部材が互いの間隔をあけてこの引き出される方向へのシートベルトの移動を許容することを特徴とする請求項1に記載の車両用シートベルト装置。
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