JP5001135B2 - 活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は活性エネルギー線照射により硬化させてなる粘着剤に関する。さらに詳しくは、剥離強度の温度依存性および剥離速度依存性が小さく、硬化体積収縮率の小さい活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物に関する。
近年、有機溶剤を使用する接着剤は、作業者に対する有毒性、火災の危険性、環境汚染、乾燥速度および、溶剤の浪費等に問題があるため、無溶剤系のホットメルト粘着剤(例えば特許文献1参照)や有機溶剤を必須成分として含まず、紫外線(UV)照射による硬化反応を利用するアクリル樹脂系粘着剤(例えば特許文献2参照)が検討されている。
特開平5−302071号公報 特開平7−278500号公報
しかし上記ホットメルト粘着剤は、その加熱塗布時には溶融状態に保つ必要があるため、通常その耐熱保持性に欠けるという本質的な問題を抱えている。また、UV照射による硬化反応を利用するアクリル樹脂系粘着剤では、アクリル樹脂中に残留するアクリルモノマーの完全な除去は困難であり、最終製品の粘着剤から残留モノマーに起因する強い刺激臭が発生するという問題がある。さらに主成分としてのアクリル樹脂の分子量が比較的小さいため粘着保持力が弱く、剥離強度の、温度依存性および剥離速度依存性が大きい上、硬化時の体積収縮が大きいためその使用範囲に制約がある。
本発明の目的は、上記課題を解決した活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、活性エネルギー線重合性基(e)を分子内に1個以上有する、数平均分子量2,500〜100,000の熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、活性エネルギー線重合性基(e)を分子内に1個以上有し、ビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物を分子内に有する、数平均分子量600〜1,800の熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)および活性エネルギー線重合開始剤(C)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物である。
本発明の活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物を硬化させてなる粘着剤は下記の効果を奏する。
(1)剥離強度の温度依存性が小さい。
(2)剥離強度の剥離速度依存性が小さい。
(3)硬化時の体積収縮率が小さい。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)]
本発明における熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)は、活性エネルギー線重合性基(e)を分子内に1個以上(好ましくは2〜12個)有する。ここにおいて、分子内の(e)の含有量(個数)は、後述するゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による数平均分子量[以下Mnと略記。]と核磁気共鳴スペクトルから求めることができる。
(A)は、活性水素含有化合物(a)とイソシアネート化合物(b)から形成され、該活性エネルギー線重合性基(e)は、(a)および/または(b)に由来する。
(e)には、活性エネルギー線カチオン重合性基(e1)(プロペニルエーテル基、ビニルエーテル基、グリシジル基等)および活性エネルギー線ラジカル重合性基(e2)[(メタ)アクリロイル基、プロペニルエーテル基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基等]が含まれる。
(a)には、分子内に(e)を1個以上(好ましくは2〜6個)有する活性水素含有化合物(a1)が含まれ、該(a1)には、水酸基を有するモノ−およびポリオール(a11)、ケチミン基を有するケチミン(a12)および1級もしくは2級アミノ基を有するモノアミン(a13)が含まれる。
また、(b)には、分子内に(e)を1個以上(好ましくは2〜6個)有するイソシアネート化合物(b1)が含まれる。
上記(a11)、(a12)および(a13)には、それぞれさらに活性エネルギー線カチオン重合性基(e1)を含有するもの[(a11−1)、(a12−1)および(a13−1)]、および活性エネルギー線ラジカル重合性基(e2)を含有するもの[(a11−2)、(a12−2)および(a13−2)]が含まれる。
活性エネルギー線カチオン重合性基(e1)および活性水素含有基を有するモノ−およびポリオール(a11−1)としては、炭素数(以下Cと略記)3以上かつMn(測定条件は後述のとおり。)3,000以下、例えば、プロペニルエーテル基を有するモノ−およびジオール[2−ヒドロキシエチル−、2−ヒドロキシプロピル−および2,3−ジヒドロキシプロピルプロペニルエーテル等];ビニルエーテル基を有するモノ−およびジオール[2−ヒドロキシエチル−、2−ヒドロキシプロピル−および2,3−ジヒドロキシプロピルビニルエーテル等];グリシジル基を有するモノ−およびジオール[グリシドール、エチレングリコール(以下EGと略記)モノグリシジルエーテル、グリセリン(以下GRと略記)モノグリシジルエーテル等];これらのアルキレンオキサイド(以下AOと略記)[エチレンオキサイド(以下EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下POと略記)、1,2−,1,3−および2,3−ブチレンオキサイド(以下BOと略記)、テトラヒドロフラン(以下THFと略記)、スチレンオキサイドおよびこれらの2種以上の併用]付加物(Mn5,000以下)等が挙げられる。
これらのうち硬化性の観点から好ましいのはプロペニルエーテル基を有するモノ−およびジオール、さらに好ましいのは2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、2,3−ジヒドロキシプロピルプロペニルエーテルおよびこれらのEOおよび/またはPO付加物である。
本発明におけるMnの測定条件は以下のとおりである。
装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
溶 媒 :テトラヒドロフラン(以下THFと略記)
基準物質 :ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)
サンプル濃度:0.25wt/vol%
カラム温度 :23℃
カラム種類 :架橋スチレン微粒子ゲル[商品名「Super H4000」、「Super H3000」および「Super H2000」、いずれも東ソー(株)製。これらを直列接続して使用。]
活性エネルギー線カチオン重合性基(e1)および活性水素含有基を有するケチミン(a12−1)としては、ジアルキレン(アルキレン基のCが2〜6)トリアミン誘導体のケチミン、例えば、該(e1)を有するグリシジル化合物[C3〜18、例えばプロペニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル]と、ジアルキレン(アルキレン基のCが2〜6)トリアミン(ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン等)およびケトン(C3〜18、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)から形成されるジケチミンとの等モル付加反応物が挙げられる。これらのうち硬化性の観点から好ましいのはプロペニルグリシジルエーテルとジエチレントリアミンのジアセチミンとの等モル付加反応物である。
活性エネルギー線カチオン重合性基(e1)および活性水素含有基を有するモノアミン(a13−1)としては、例えば、1級モノアミン[モノアルキルアミン(C1〜8、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、オクチルアミン)、モノアルカノールアミン(C2〜18、例えばモノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン)等]と、該(e1)を有するグリシジル化合物(C3〜18、例えばプロペニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル)との等モル付加反応物が挙げられる。これらのうち硬化性の観点から好ましいのはn−ブチルアミンとプロペニルグリシジルエーテルとの等モル付加反応物である。
活性エネルギー線ラジカル重合性基(e2)および活性水素含有基を有するモノ−およびポリオール(a11−2)としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有するモノ−およびジオール[C4〜18、例えば2−ヒドロキシエチル−、2−ヒドロキシプロピル−および2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート];アリル基を有するモノ−およびジオール[C3〜6、例えば2−ヒドロキシエチル−、2−ヒドロキシプロピル−および2,3−ジヒドロキシプロピルアリルエーテル];前記(a1−11)として例示したプロペニル基またはビニル基を有するモノ−およびジオール;これらのAO[EO、PO、BO、THF、スチレンオキサイドおよびこれらの2種以上の併用]付加物(Mn5,000以下)が挙げられる。これらのうち硬化性の観点から好ましいのは、(メタ)アクリロイル基を有するモノ−およびジオール、さらに好ましいのは2−ヒドロキシエチル−、2−ヒドロキシプロピル−および2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートおよびこれらのEOおよび/またはPO付加物である。
活性エネルギー線ラジカル重合性基(e2)および活性水素含有基を有するケチミン(a12−2)としては、例えば、該(e2)を有するグリシジル化合物[C4〜18、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、プロペニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル]と、ジアルキレン(アルキレン基のCが2〜6)トリアミン(ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジブチレントリアミン等)およびケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から形成されるジケチミンとの等モル付加反応物が挙げられる。これらのうち硬化性の観点から好ましいのはグリシジル(メタ)アクリレートとジエチレントリアミンのジアセチミンとの等モル付加反応物である。
活性エネルギー線ラジカル重合性基(e2)および活性水素含有基を有するモノアミン(a13−2)としては、例えば、1級モノアミン[モノアルキルアミン(C1〜8、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−ブチルアミン、オクチルアミン)、モノアルカノールアミン(C1〜18、例えばモノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン)]と、該(e2)を有するグリシジル化合物[C4〜18、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、プロペニルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル]との等モル付加反応物が挙げられる。これらのうち硬化性の観点から好ましいのはn−ブチルアミンとグリシジル(メタ)アクリレートとの等モル付加反応物である。
(A)を構成する活性水素含有化合物(a)のうちの上記(a1)以外のものとしては、高分子ポリオール(a2)、低分子活性水素含有化合物(a3)およびこれらの併用が挙げられる。
高分子ポリオール(a2)は、OH当量が250以上のポリオールであり、(a2)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアルカジエンポリオール、アクリルポリオールおよびこれら2種以上の混合物が挙げられる。
(a2)のMnは粘着力と溶融粘度の観点から好ましくは1,000〜99,000、さらに好ましくは1,500〜80,000である。
ポリエーテルポリオールとしては、2個の活性水素を有する化合物(C2〜18、例えば2価アルコール、2価フェノール)のAO付加物およびそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
2価アルコールとしてはEG、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール(以下それぞれDEG、PG、BD、MPD、HD、NPGと略記)等のアルキレングリコール;環状基を有する2価アルコール[例えば特公昭45−1474号公報明細書に記載のもの:1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m−およびp−キシリレングリコール等]等が挙げられる。
2価フェノールとしては単環多価フェノール(C6〜18、例えばピロガロール、ハイドロキノン、フロログルシン);多環多価フェノール(C12〜30、例えばジヒドロキシナフタレン)ビスフェノール化合物(C12〜30、例えばビスフェノールA、−Sおよび−F)等が挙げられる。2個の活性水素を有する化合物のうち粘着剤の柔軟性の観点から好ましいのは2価アルコールである。
上記AOとしては、EO、PO、BO、THF、スチレンオキサイドおよびこれらの2種以上の併用(ブロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。これらのうち粘着剤の柔軟性の観点から好ましいのはPO、EO、BOおよびこれらの併用である。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば(1)前記2価アルコールの1種以上とポリカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の1種以上との縮重合による縮合ポリエステルポリオール;(2)前記2価アルコールを開始剤とするラクトンの開環重合によるポリラクトンポリオール;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記(1)のポリカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸(C4〜18、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸)、芳香族ジカルボン酸(C8〜24、例えばテレフタル酸、イソフタル酸)、これらのジカルボン酸のエステル形成性誘導体(酸無水物、アルキル基のCが1〜4の低級アルキルエステル等)およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
上記(2)のラクトンとしては、C4〜12、例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンおよびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、前記ポリエーテルポリオールの1種以上と前記ポリエステルポリオールの原料として例示したポリカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体の1種以上とをエステル化反応させて得られるもの、前記ポリエーテルポリオールの1種以上にラクトンの1種以上を開環付加させて得られるもの等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えばポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオールおよびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、上記で挙げた高分子ポリオールの1種以上中でビニル単量体(C3〜24、例えばスチレン、アクリロニトリル)をラジカル重合開始剤の存在下で重合させ分散安定化させてなるポリオール(重合体含量は例えば5〜30重量%)が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、ポリイソブテンポリオール等が挙げられる。
ポリアルカジエンポリオールとしては、ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添化ポリイソプレンポリオール、水添化ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。
アクリルポリオールとしては、(メタ)アクリル酸アルキル(C1〜30)エステル[ブチル(メタ)アクリレート等]と水酸基含有アクリルモノマー[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等]との共重合体等が挙げられる。
これらの高分子ポリオール(a2)のうち、粘着剤の柔軟性の観点から好ましいのは、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールである。
低分子活性水素含有化合物(a3)は、OH当量またはアミン当量が250未満のものであり、(a3)としては低分子ポリオール(a31)、ポリアミン化合物およびこれらのケチミン(a32)、並びに重合停止剤としてのモノアミン(a33)および1価アルコール(a34)が挙げられる。
低分子ポリオール(a31)としては、例えば脂肪族低分子ジオール[C2〜12、例えばEG、DEG、トリエチレングリコール(以下TEGと略記)、PG、BD、HD、NPG、MPD]、環状基を有する低分子ジオール[例えば特公昭45−1474号公報明細書に記載のもの:1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m−またはp−キシリレングリコール等]、これらのAO低モル付加物(Mn500未満);およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
(a32)としては、ポリアミン、ポリアミドポリアミンおよびこれらのケチミンが挙げられる。
上記ポリアミンとしては、芳香族ジアミン[C6〜24、例えばフェニレンジアミン、トルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−およびp−キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、2,4−および2,6−ジメチルチオトルエンジアミン];脂環式ジアミン[C6〜24、例えばイソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシル、ジアミノシクロヘキサン];脂肪族ジアミン[C1〜18、例えばエチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン];アルカノールアミン誘導体[C2〜18、例えばN−(2−アミノエチル)エタノールアミン];ヒドラジンもしくはその誘導体[C2〜18、例えばアジピン酸ジヒドラジド];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリアミドポリアミンとしては、例えば、ダイマー酸(重合脂肪酸)と過剰当量のエチレンジアミンとの縮合反応物が挙げられる。
ケチミンとしては上記ポリアミンとケトン(C3〜12、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)との反応物が挙げられる。
これらのうち分子量調整の容易さの観点から好ましいのは、脂肪族ジアミンのアセトンとのケチミン(アセチミン)および脂環式ジアミンのアセチミンである。
重合停止剤として必要により用いられるモノアミン(a33)としては、アルキル(C1〜8)アミン(C1〜12、例えばエチルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン)、アルカノールアミン(C1〜12、例えばモノエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジエタノールアミン)等が挙げられる。
1価アルコール(a34)としては、C1以上かつMn300以下、例えばメタノール、エタノール、n−ブタノール、セロソルブ、これらのAO付加物(Mn300未満)、1価フェノールのAO付加物(Mn400未満)等が挙げられる。
本発明における熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)を構成するイソシアネート化合物(b)には、分子内に活性エネルギー線重合性基(e)を有するイソシアネート化合物(b1)および(b1)以外のイソシアネート化合物(b2)が含まれる。
(b1)としては、C(NCO基中の炭素を除く)3〜13、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス[(メタ)アクリロイルオキシメチル]エチルイソシアネート等が挙げられる。
(b2)としては、C(NCO基中の炭素を除く)2〜12の脂肪族ポリイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等];C(NCO基中の炭素を除く)4〜15の脂環式ポリイソシアート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート等];C(NCO基中の炭素を除く)8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート[キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等];芳香族ジイソシアネート[2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ジエチルベンゼンジイソシアネート、4,4’−および2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフチレンジイソシアネート等];これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カーボジイミド基、ウレトジオン基、イソシアヌレート基、ビュレット基等を含有する変性物);およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
これら(b2)として例示したもののうち、耐候性の観点から好ましいのは、脂肪族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネート、さらに好ましいのはHDI、IPDIおよびHMDIである。
熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)の製造方法としては、例えば、下記(1)〜(3)の方法が例示できるが、これらに限定されるものではない。
(1)ワンショット法(I)
無溶剤下または溶剤(トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン等。以下同じ。)の存在下で、イソシアネート化合物(b1)および/または(b2)と、活性エネルギー線重合性基(e)を有する活性水素含有化合物(a1)のうちのモノおよび/またはポリオール、および必要により高分子ポリオール(a2)、低分子ポリオール(a31)および/または1価アルコール(a34)を、NCO/OH当量比が好ましくは0.8〜1.0、さらに好ましくは0.85〜0.98となるように一括して仕込み、重合反応させて、溶剤使用の場合は減圧にて溶剤を除去し(A)を得る方法。
(2)ワンショット法(II)
無溶剤下または溶剤の存在下で、イソシアネート化合物(b1)と高分子ポリオール(a2)、および必要により低分子ポリオール(a31)を反応させて[NCO/OH当量比は接着強度および樹脂強度の観点から好ましくは0.8〜1.0、さらに好ましくは0.85〜0.98]、溶剤使用の場合は減圧にて溶剤を除去し(A)を得る方法。
(3)プレポリマー法
無溶剤下または溶剤の存在下で、過剰のイソシアネート化合物(b2)と、高分子ポリオール(a2)および/または低分子ポリオール(a31)を反応させて[NCO/OH当量比は好ましくは1.1〜2.8、さらに好ましくは1.3〜2.5]イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(b−1)とし、該(b−1)に、(e)を有する活性水素含有化合物(a1)、および必要により鎖伸長剤としての低分子ポリオール(a31)、ポリアミン化合物およびこれらのケチミン(a32)、重合停止剤としてのモノアミン(a33)および1価アルコール(a34)を加えて反応させ、溶剤使用の場合は減圧にて溶剤を除去し(A)を得る方法。(e)を有する活性水素含有化合物として、1価の(a1)(モノオール、モノケチミン、モノアミン)を該(b−1)と反応させることにより分子末端に(e)を有する(A)を製造することができる。
ここにおいて、該プレポリマー(b−1)のNCO含量(重量%、以下同じ。)は溶融粘度および粘着剤の柔軟性の観点から、好ましくは1〜20%、さらに好ましくは2〜10%;(e)を有する活性水素含有化合物(a1)の使用量は、プレポリマー(b−1)中のNCO基1当量に基づいて、接着強度および樹脂強度の観点から好ましくは0.8〜1.0当量、さらに好ましくは0.85〜0.98当量;鎖伸長剤としての(a31)および/または(a32)の使用量は、プレポリマー(b−1)中のNCO基1当量に基づいて、好ましくは0.5当量以下、溶融粘度の観点からさらに好ましくは0.3当量以下;および重合停止剤としての(a33)および/または(a34)の使用量は、プレポリマー(b−1)中のNCO基1当量当たり、好ましくは0.5当量以下、粘着剤の粘着力および保持力の観点からさらに好ましくは0.3当量以下である。
上記方法のうちでは、残存溶剤なしの観点から無溶剤下で製造する方法が好ましく、分子量制御が容易である観点から(2)または(3)の方法がさらに好ましい。
本発明における熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)は、その分子内(分子末端および/または分子側鎖)に、活性エネルギー線重合性基(e)〔活性エネルギー線カチオン重合性基(e1)[プロペニルエーテル基、ビニルエーテル基、グリシジル基等]および/または活性エネルギー線ラジカル重合性基(e2)[(メタ)アクロイル基、プロペニルエーテル基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基等]〕を、1個以上(好ましくは2〜12個)有する。
(A)の分子内に該重合性基(e)を導入する方法は特に限定されないが、例えば、上記(1)の方法のように(a1)を用いる方法;上記(2)の方法のように(b1)を用いる方法;上記(3)の方法のようにプレポリマー(b−1)を合成し、これと(a1)を反応させる方法が挙げられる。
分子内に(e)を有する(A)のうち、硬化後の粘着剤の粘着性の観点から好ましいのは、分子末端に(e)を有するものである。
前記(1)〜(3)の方法においてウレタン化反応を行う際に、必要によりポリウレタンに通常用いられる触媒を使用できる。該触媒の具体例としては、例えば有機金属化合物[ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズラウレート、ビスマスカルボキシレート、、ビスマスアルコキシドおよびジカルボニル基を有する化合物とビスマスとのキレート化合物等]、無機金属化合物[酸化ビスマス、水酸化ビスマス、ハロゲン化ビスマス等];アミン[トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン等]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
触媒の使用量は特に限定はないが、(A)の重量に基づいて、通常0.0001〜0.1%、好ましくは0.001〜0.01%である。
また、前記(1)〜(3)の方法において、活性エネルギー線重合性基(e)を有する活性水素含有化合物(a1)としてラジカル重合性基(e1)を有する化合物を用いる場合は、粘着剤組成物の保存安定性を保持する目的で重合禁止剤(ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、p−ベンゾキノン等)を用いることができる。
該重合禁止剤の使用量は、(a1)の重量に基づいて通常3,000ppm以下、好ましくは100〜2,000ppmである。
本発明における熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)のMnは、2,500〜100,000、好ましくは4,000〜80,000である。2,500未満では良好な粘着力が得られず、100,000を超えると溶融粘度が高くなり塗工性が悪化する。
また、活性エネルギー線重合性基(e)1個当たりのMnは好ましくは500〜20,000、さらに好ましくは1,000〜10,000、特に好ましくは1,500〜5,000である。該(e)1個当たりのMnを上記範囲とすることで、硬化後の粘着剤の柔軟性と樹脂強度に優れる粘着剤が得られる。
該(A)中のウレタン基およびウレア基の合計の含有量は、好ましくは0.2〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜15重量%特に好ましくは1〜10%である。上記範囲とすることで硬化後の粘着剤の柔軟性と樹脂強度に優れる粘着剤を得ることができる。
[熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)]
本発明における、活性エネルギー線重合性基(e)を分子内に1個以上(好ましくは2〜6個)有し、ビスフェノール化合物のAO付加物を分子内に有する、Mn500〜1,800の熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)は、ビスフェノール化合物のAO付加物、前記の活性エネルギー線重合性基(e)を有する活性水素含有化合物(a1)のうちMnが600以下の化合物およびイソシアネート化合物(b)を反応させて得られる。
(B)を構成するビスフェノール化合物に付加されるAOとしては、EO、PO、BO、THF、スチレンオキサイドおよびこれらの2種以上の併用(ブロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。これらのうち硬化後の樹脂強度の観点から好ましいのはPO、EOおよびこれらの併用である。
また、AOの付加モル数はビスフェノール化合物1モルに対し、反応性および凝集力の観点から好ましくは2〜20モル、さらに好ましくは2〜10モルである。とくに好ましくは2〜5モルである。
(B)のMnは600〜1,800、好ましくは900〜1,300である。Mnが600未満では硬化物の粘着性が低下し、1,800を超えると樹脂強度が低下する。
(B)の製造方法としては、特に限定されるものではないが、前記(A)の製造方法における高分子ポリオール(a2)に代えてビスフェノール化合物のAO付加物を用いることによる同様の製造方法が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物における(A)と(B)の重量比は、硬化後の粘着性および樹脂強度の観点から好ましくは40/60〜99/1、さらに好ましくは70/30〜95/5である。
[活性エネルギー線重合開始剤(C)]
本発明で用いられる活性エネルギー線重合開始剤(C)としては、活性エネルギー線カチオン重合開始剤(C1)および活性エネルギー線ラジカル重合開始剤(C2)が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物において、(A)および/または(B)が活性エネルギー線カチオン重合性基(e1)を有する場合は(C1)が用いられ、(A)および/または(B)が活性エネルギー線ラジカル重合性基(e2)を有する場合は(C2)が用いられる。また、(A)および/または(B)が活性エネルギー線カチオン重合性基(e1)と活性エネルギー線ラジカル重合性基(e2)の両方を有する場合は(C1)と(C2)が併用して用いられる。
活性エネルギー線カチオン重合開始剤(C1)としては、例えば、下記一般式(1)で示されるジアゾニウム塩、下記一般式(2)で示されるヨードニウム塩、下記一般式(3)で示されるセレノニウム塩および下記一般式(4)で示されるスルホニウム塩が挙げられる。
[R1N=N]+・X- (1)
[R11’I]+・X- (2)
[R11’SeR2+・X- (3)
[R11’SR2+・X- (4)
[式中、R1、R1’はC1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、シクロアルキル基(但し、R1、R1’は互いに結合してN、P、OまたはSをヘテロ原子とする複素環を形成してもよい。)またはこれらの誘導体基を表し、R2はC1〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、これらの誘導体基またはHを表し、X-はSbF6 -、AsF6 -、PF6 -またはBF4 -を表す。]
上記(C1)は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち活性エネルギー線カチオン重合硬化性の観点からとくに好ましいのは、上記一般式(4)で示されるスルホニウム塩のうち、X-がSbF6 -またはPF6 -である芳香族スルホニウム塩であり、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、P−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、P−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロルフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−クロルフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−ジフェニル−スルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−ジフェニル−スルホニオ)フェニル]スルフィド‐ビス‐ヘキサフルオロアンチモネート、(2、4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1−メチルエチル)ベンゼン]−Fe−ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル(フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル(フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネートが挙げられる。
これらは市販品として容易に入手することができ、例えば、SP−150、SP−170[商品名、いずれも旭電化(株)製]、イルガキュアー261[商品名、チバ・ガイギー(株)製]、UVR−6974、UVR−6990[商品名、いずれもユニオンカーバイド(株)製]、CPI−100P、CPI−101A[商品名、いずれもサンアプロ(株)製]が挙げられる。
また、上記活性エネルギー線ラジカル重合開始剤(C2)としては、ベンゾイル化合物[ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)]、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン化合物(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等)およびベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
これらは市販品として容易に入手することができ、例えば、イルガキュアー184[商品名、チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製]を挙げることができる。
上記(C2)は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち硬化性の観点から好ましいのはベンゾイル化合物、さらに好ましいのはヒドロキシベンゾイル化合物である。
(C)の使用量は(A)と(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.05〜5%である。(C)の使用量を上記範囲内とすることで充分な活性エネルギー線硬化性と良好な粘着力を得ることができる。
[活性エネルギー線増感剤(D)]
本発明の活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物には、必要に応じ公知の活性エネルギー線増感剤(D)を添加することができる。活性エネルギー線カチオン重合増感剤としては、ペリレン、ピレン、アントラセン、コロネン、フェノチアジン等の芳香族化合物およびこれらの誘導体を挙げることができる。
また、活性エネルギー線ラジカル重合増感剤としては、チオピリリウム塩、メロシアニン、キノリン、スチルキノリン、アリールケトン類、芳香族ケトン類、ケトクマリン誘導体等を挙げることができる。
(D)の市販品としては、アントラキュアーUVS−1331[商品名、川崎化成工業(株)製]等が挙げられる。
(D)の使用量は(A)と(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.05〜5%である。(D)の使用量を上記範囲内とすることで充分な活性エネルギー線硬化性と良好な粘着力を得ることができる。
[添加剤(E)]
本発明の活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて粘着付与樹脂(E1)、可塑剤(E2)、充填剤(E3)、顔料(E4)、紫外線吸収剤(E5)および酸化防止剤(E6)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤をさらに含有させることができる。
粘着付与樹脂(E1)としては、例えばテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、合成石油樹脂(脂肪族、芳香族および脂環式合成石油樹脂等)、クマロン−インデン樹脂、キシレン樹脂、スチレン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、およびこれらのうちの水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。(E1)は1種でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
(E1)の使用量は、(A)、(B)の合計重量に基づいて、通常100%以下、粘着剤の粘着力とタックの観点から好ましくは5〜50%である。
可塑剤(E2)としては、炭化水素[プロセスオイル、液状ポリブタジエン、液状ポリイソブチレン、液状ポリイソプレン、流動パラフィン、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、エチレンとα−オレフィン(C3〜20)の共重合(重量比99.9/0.1〜0.1/99.9)オリゴマー[重量平均分子量(以下Mwと略記。測定はGPC法による。]5,000〜100,000)、プロピレンとエチレンを除くα−オレフィン(C4〜20)の共重合オリゴマー(重量比99.9/0.1〜0.1/99.9)オリゴマー(Mw5,000〜100,000)];塩素化パラフィン;エステル〔フタル酸エステル[ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジステアリルフタレート、ジイソノニルフタレート等]、アジピン酸エステル[ジ(2−エチルヘキシル)アジペート(DOA)、ジオクチルアジペート等]およびセバチン酸エステル(ジオクチルセバケート等)等〕;動植物油脂(リノール酸、リノレン酸等);およびこれらのうちの水素添加可能な不飽和二重結合を有するものの水素添加物等が挙げられる。(E2)は1種でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
(E2)の使用量は、(A)、(B)の合計重量に基づいて、通常80%以下、粘着剤の粘着力と凝集力の観点から好ましくは2〜30%である。
充填剤(E3)としては、炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、硫酸塩(硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等)、亜硫酸塩(亜硫酸カルシウム等)、二硫化モリブデン、けい酸塩(けい酸アルミニウム、けい酸カルシウム等)、珪藻土、珪石粉、タルク、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。
(E3)は、体積平均粒径が好ましくは0.01〜5μm程度の微粒子であり、1種でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
(E3)の使用量は、(A)、(B)の合計重量に基づいて、通常100%以下、粘着剤のタックと凝集力の観点から好ましくは5〜50%である。
顔料(E4)としては、無機顔料(アルミナホワイト、グラファイト、酸化チタン、超微粒子酸化チタン、亜鉛華、黒色酸化鉄、雲母状酸化鉄、鉛白、ホワイトカーボン、モリブデンホワイト、カーボンブラック、リサージ、リトポン、バライト、カドミウム赤、カドミウム水銀赤、ベンガラ、モリブデン赤、鉛丹、黄鉛、カドミウム黄、バリウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、チタンブラック、酸化クロム緑、酸化コバルト、コバルト緑、コバルト・クロム緑、群青、紺青、コバルト青、セルリアン青、マンガン紫、コバルト紫等)、および有機顔料(シェラック、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニンブルー、染色レーキ等)が挙げられる。
(E4)は、体積平均粒径が好ましくは0.01〜5μm程度の微粒子であり、1種でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
(E4)の使用量は、(A)、(B)の合計重量に基づいて、通常50%以下、粘着剤のタックと凝集力の観点から好ましくは1〜25%である。
紫外線吸収剤(E5)としては、サリチル酸誘導体(サリチル酸フェニル、サリチル酸−P−オクチルフェニル、サリチル酸−p−t−ブチルフェニル等)、ベンゾフェノン化合物[2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン・トリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等]、ベンゾトリアゾール化合物〔2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ―ル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等〕、シアノアクリレート化合物(2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。 (E5)は、1種でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
(E5)の使用量は、(A)、(B)の合計重量に基づいて、通常5%以下、粘着剤の粘着力の観点から好ましくは0.1〜1%である。
酸化防止剤(E6)としては、ヒンダードフェノール化合物〔トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等〕および亜リン酸エステル化合物[トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト等]が挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
(E6)の使用量は、(A)、(B)の合計重量に基づいて、通常5%以下、粘着剤の粘着力の観点から好ましくは0.05〜1%である。
上記各種添加剤の合計含量は、(A)、(B)の合計重量に基づいて、通常150%以下、粘着剤の粘着力およびタックの観点から好ましくは100%以下、さらに好ましくは0.1〜50%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物は、(A)〜(C)、および必要により(D)、(E)を公知の混合装置(撹拌機を備えた混合槽、スタティックミキサー等)で均一に混合することにより製造できる。なお、(C)、(D)、(E)は(A)、(B)の製造後に混合するのが好ましいが、(C)、(D)、(E)の一部または全部を予め(A)または(B)の製造段階における任意の段階で添加しておいてもよい。
(A)〜(C)、および必要により(D)、(E)を混合する温度としては通常40〜200℃、混合性および熱劣化抑制の観点から好ましくは60〜180℃である。
本発明の粘着剤組成物の塗布装置としては、通常のホットメルト接着剤用のアプリケーター[加熱可能な溶融槽を有するロールコーター(グラビアロール、リバースロール等)、カーテンコーター、並びにビード、スパイラル、スプレーおよびスロットの各塗工機等]、加熱可能な押出機[単軸および二軸押出機、ニーダールーダー等]等が挙げられる。
被着体や支持体に適用するときの該粘着剤組成物の溶融温度は通常40〜180℃、塗工性および熱劣化抑制の観点から好ましくは60〜160℃であり、塗工温度における溶融粘度は通常100〜20万mPa・s、成形性(厚塗りができ、硬化後に反り、ヒケ等の外観不良がないこと)および塗工性の観点から好ましくは500〜10万mPa・s、さらに好ましくは1,000〜5万mPa・sである。
該粘着剤組成物を塗布する支持体としては、各種プラスチック[ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等]のフィルム、シート、フォームおよびフラットヤーン、紙(和紙、クレープ紙等)、金属板もしくは金属箔、織布、不織布および木材等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物は、これらの支持体の少なくとも片面の少なくとも一部に直接塗布して塗膜を形成させ、該塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、粘着剤を、支持体の少なくとも片面の少なくとも一部に有する粘着剤被覆物(粘着テープ、粘着シート等)を製造することができる。ここにおいて、粘着テープは、粘着剤層厚みが1〜500μm、(粘着テープ全体の厚みが10〜1,000μm)のものを指し、粘着シートは、粘着剤層厚みが0.1〜5mm(粘着シート全体の厚みが0.15〜8mm)のものを指す。
また、本発明の粘着剤組成物を離型フィルム等に上記と同様に塗布した後、活性エネルギー線硬化させて得られる粘着剤成形物を支持体に(加圧)転写する方法でも、該粘着剤被覆物(粘着テープ、粘着シート等)を製造することができる。また、離型フィルムから剥がしてそのまま粘着フィルムとして使用することもできる。
また、上記支持体を被着体に代えることにより、本発明の粘着剤を2つの被着体間の粘着剤もしくは接着剤としても適用することができる。
活性エネルギー線硬化後の粘着剤の塗膜厚さは、通常1〜5,000μm、粘着剤の粘着力と硬化性の観点から好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜100μmである。
本発明における活性エネルギー線には、紫外線、電子線、X線、赤外線および可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のうち硬化性と樹脂劣化防止の観点から好ましいのは紫外線、可視光線、赤外線である。
活性エネルギー線の波長は、活性エネルギー線重合開始剤(C)の分解効率の観点から好ましくは200〜750nm、さらに好ましくは200〜450nmである。
本発明の粘着剤組成物を紫外線照射で硬化させる場合は、種々の光源、例えば水銀灯(低圧、高圧、超高圧等)、水素ランプ、重水素ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、蛍光灯、He−Cdレーザー等が使用でき、好ましいのは高圧水銀灯である。
紫外線の照射量は通常1〜1,000mJ/cm2、組成物の硬化性および粘着剤、支持体の損傷を避けるとの観点から好ましくは10〜500mJ/cm2である。
本発明の組成物を電子線照射で硬化させる場合は、種々の電子線照射装置[例えばエレクトロンビーム、岩崎電気(株)製]を使用することができる。電子線の照射量(Mrad)は、通常0.5〜20、組成物の硬化性および粘着剤、支持体の損傷を避けるとの観点から好ましくは1〜15である。
活性エネルギー線硬化前後の粘着剤の体積収縮率は、成形性(厚塗りができ、硬化後に反り、ヒケ等の外観不良がないこと)の観点から好ましくは−3〜5%、さらに好ましくは−2〜4%、とくに好ましくは−1〜3%、最も好ましくは0〜2%である。ここにおける硬化体積収縮率は、硬化前後の粘着剤密度(25℃)を後述の方法で測定し、下記の式に基づいて算出される値である。

硬化体積収縮率(%)={(硬化後の密度−硬化前の密度)/硬化前の密度}×100
本発明の活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物は、上記粘着テープ、粘着シート用としての使用の他にも、活性エネルギー線が透過する被着体の一方に塗布し、他方の被着体を貼り合わせた後に活性エネルギー線を照射することにより硬化接着させる接着剤としても使用可能である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
合成例1
(OH基含有プロペニルエーテルの合成)
SUS製オートクレーブにアリルアルコールのEO1モル付加物200部、ポリエチレングリコール(Mn400)100部およびKOH10部を仕込み均一撹拌しながら、160℃で8時間反応(転位反応)、熟成させた。その後、減圧蒸留により生成物を留出させ、OH基含有プロペニルエーテル(a−1)180部を得た。(a−1)は、1H−NMR、13C−NMRによりアリル基のプロペニル基への転位率が99%であることを確認した。
合成例2
(OH基含有プロペニルエーテルの合成)
SUS製オートクレーブにアリルアルコール57.1部(1モル)、KOH0.5部を仕込み、耐圧滴下ロートからPO232部(4モル)を滴下し、110℃で5時間反応、熟成させた。さらにKOH0.5部を添加し、160℃で5時間反応(転位反応)、熟成させた。その後、水を400部加えて過剰のアルカリを水洗して分液除去し、OH基含有プロペニルエーテル(a−2)231部を得た。(a−2)は、1H−NMR、13C−NMRによりアリル基のプロペニル基への転位率が98%であることを確認した。
合成例3
(OH基含有アクリル共重合体の合成)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコに、酢酸エチル60部を仕込み75℃に昇温した。次いで撹拌下、2−エチルヘキシルアクリレート182部、ヒドロキシエチルアクリレート1.2部および酢酸エチル90部を配合したモノマー配合液、および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.18部を酢酸エチル10部に溶解させた開始剤溶液を4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、滴下ロートで4時間かけて連続的に滴下してラジカル重合させた。滴下終了後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.36部を酢酸エチル5部に溶解させた開始剤溶液を滴下ロートを用いて2時間かけて連続的に滴下して追加し熟成を行った。さらに、沸点で重合反応を4時間継続した後、溶剤を減圧留去しOH基含有アクリル共重合体(a−3)を得た。(a−3)のMnは4万であった。
合成例4
(OH基含有アクリル共重合体の合成)
合成例3において、重合時の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.18部を0.08部、熟成時の同0.36部を0.16部に代えたこと以外は合成例3と同様にしてOH基含有アクリル共重合体(a−4)を得た。(a−4)のMnは8万であった。
製造例1
撹拌機および温度計を備えた反応容器に、PEG−1500[商品名、三洋化成工業(株)製、Mn1,500のPEG]250部を仕込み、10mmHgの減圧下110℃で1時間脱水を行った。その後IPDI 75部を加え、同温度で8時間反応させて末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。該プレポリマーのNCO含量は4.4%であった。次に該プレポリマー325部に、OH基含有プロペニルエーテル(a−1)35部を加え、110℃で8時間反応させ、プロペニルエーテル基を分子末端に2個有する熱可塑性ポリウレタン樹脂(A−1)を得た。(A−1)のMnは2,500であった。
製造例2
製造例1において、PEG−1500をPTMG−3000[商品名、三菱化学(株)製、Mn3,000のポリテトラメチレングリコール]に代え、IPDI 75部を39部に代えたこと以外は製造例1と同様に反応させて末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。該プレポリマーのNCO含量は2.6%であった。次に該プレポリマー289部に、OH基含有プロペニルエーテル(a−1)18部を加え、110℃で8時間反応させて、プロペニルエーテル基を分子末端に2個有する熱可塑性ポリウレタン樹脂(A−2)を得た。(A−2)のMnは4,000であった。
製造例3
製造例1において、PEG−1500、IPDIに代えて、それぞれクラレポリオールP6010[商品名、(株)クラレ製、Mn6,000のポリエステルポリオール]250部、HDI 14.5部を用いたこと以外は製造例1と同様にして末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。該プレポリマーのNCO含量は1.4%であった。次に85℃に温度調整した該プレポリマー264.5部にヒドロキシエチルアクリレート10部、ネオスタンU−100[商品名、日東化成(株)製、ジブチル錫ジラウレート。以下同じ。]0.02部を加え、同温度で8時間反応させ、アクリロイル基を分子末端に2個有する熱可塑性ポリウレタン樹脂(A−3)を得た。(A−3)のMnは8,000であった。
製造例4
撹拌機および温度計を備えた反応容器に、OH基含有アクリル共重合体(a−3)250部を仕込み、10mmHgの減圧下110℃で1時間脱水を行った。次に85℃に温度調整し、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート2.2部、ネオスタンU−100 0.02部を加え同温度で8時間反応させ、アクリロイル基を分子側鎖に4個有する熱可塑性ポリウレタン樹脂(A−4)を得た。(A−4)のMnは40,000であった。
製造例5
製造例4において、(a−3)に代えて、OH基含有アクリル共重合体(a−4)を用いたこと以外は製造例4と同様にして、アクリロイル基を分子側鎖に10個有する熱可塑性ポリウレタン樹脂(A−5)を得た。(A−5)のMnは100,000であった。
製造例6
撹拌機および温度計を備えた反応容器に、ニューポールBPE−20T[商品名、三洋化成工業(株)製、ビスフェノールAのEO2モル付加物。以下同じ。]250部を仕込み、10mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間脱水を行った。次に85℃に温度調整し、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート202部、ネオスタンU−100 0.02部を加え同温度で8時間反応させ、アクリロイル基を分子末端に2個有する熱可塑性ポリウレタン樹脂(B−1)を得た。(B−1)のMnは600であった。
製造例7
製造例1において、PEG−1500およびIPDIに代えて、それぞれニューポールBPE−20T 150部およびHDI 158部を用いたこと以外は製造例1と同様にして末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。該プレポリマーのNCO含量は12.8%であった。次に110℃に温度調整した該プレポリマー308部に、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル110部を投入し同温度で8時間反応させ、ビニルエーテル基を分子末端に2個有する熱可塑性ポリウレタン樹脂(B−2)を得た。(B−2)のMnは900であった。
製造例8
製造例7において、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル110部に代えてOH基含有プロペニルエーテル(a−2)288部を用いたこと以外は製造例7と同様にして、プロペニルエーテル基を分子末端に2個有する熱可塑性ポリウレタン樹脂(B−3)を得た。(B−3)のMnは1,300であった。
製造例9
製造例1において、PEG−1500 250部およびIPDI 75部に代えて、それぞれニューポールBPE−20T 150部およびIPDI 208部を用いたこと以外は製造例1と同様にして末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。該プレポリマーのNCO含量は11.0%であった。次に85℃に温度調整した該プレポリマー358部にヒドロキシエチルアクリレート109部、ネオスタンU−100 0.02部を加え同温度で8時間反応させ、アクリロイル基を分子末端に2個有する熱可塑性ポリウレタン樹脂(B−4)を得た。(B−4)のMnは1,000であった。
製造例10
製造例1において、PEG−1500 250部およびIPDI 75部に代えて、それぞれニューポールBPE−180[商品名、三洋化成工業(株)製、ビスフェノールAのEO18モル付加物]150部およびIPDI 65部を用いたこと以外は製造例1と同様にして末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。該プレポリマーのNCO含量は6.2%であった。次に85℃に温調した該プレポリマー215部にヒドロキシエチルアクリレート34部、ネオスタンU−100 0.02部を投入し同温度で8時間反応させ、アクリロイル基を分子末端に2個有する熱可塑性ポリウレタン樹脂(B−5)を得た。(B−5)のMnは1,800であった。
実施例1〜9、比較例1〜3
表1に示す処方で配合した混合物を溶融撹拌可能なステンレス製加圧反応容器に仕込み、密閉化で85℃まで昇温し、撹拌下で1時間溶融混合を行うことにより、ホットメルト粘着剤組成物を得た。表1中の配合部数は重量部を表す。配合に用いた活性エネルギー線重合開始剤(C)、活性エネルギー線増感剤(D)は以下のとおりである。
(C):CPI−101A [商品名、サンアプロ(株)製]
イルガキュアー184[商品名、チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製]
(D):アントラキュアーUVS−1331[商品名、川崎化成工業(株)製]
Figure 0005001135
<性能評価>
上記粘着剤組成物および硬化後の粘着剤について下記の性能を評価した。結果を表2に示す。
(1)溶融粘度の評価
B型粘度計を用いて100℃での溶融粘度を測定した。(JIS K7117)
(2)硬化体積収縮率の評価
(硬化前の密度)
比重計を用いて25℃での密度を測定した。[JIS K7112 (A法 水中置換法)]
(硬化後の密度)
250×250×0.025mmのシリコーン離型処理されたポリエステルフィルムにバーコーターで300μm(塗布時厚み)になるように塗布し、紫外線照射装置(80W/cmの高圧水銀ランプ1灯)を使用して、500mJ/cm2 の照射量で硬化させた粘着フィルム(ポリエステルフィルムからはがしたもの)を比重計(硬化前と同じ。)を用いて25℃での密度を測定した。
上記得られた硬化前後の密度に基づいて、下記式から硬化体積収縮率を求めた。

硬化体積収縮率(%)={(硬化後の密度−硬化前の密度)/硬化前の密度}×100

(3)剥離強度の評価
(被覆物試験片の作成)
250×250×0.025mmのポリエステルフィルムに80℃においてバーコーターで30μm(塗布時厚み)になるように塗布し、紫外線照射装置(80W/cmの高圧水銀ランプ1灯)を使用して、500mJ/cm2の照射量で硬化させて被覆物試験片を得た。
(剥離強度の測定)
ステンレス板(SUS304)に貼り付け面積が幅25mm×長さ100mmとなるように被覆物試験片の粘着剤面を貼り付け[2kg荷重のローラーで1往復]、貼り付け30分後に、JIS Z0237に従い、下記項目で剥離強度(単位:N/25mm)を評価した。
(i)剥離強度の温度依存性
剥離速度を100mm/minの一定とし、0℃、23℃、80℃の各雰囲気温度条件で剥離強度を測定した。
(ii)剥離強度の剥離速度依存性
雰囲気温度を23℃の一定とし、10および1,000mm/minの各剥離速度条件で剥離強度を測定した。
Figure 0005001135
表2の結果から明らかなように、本発明のホットメルト粘着剤組成物は低粘度であり、しかも該組成物から得られる粘着剤は硬化体積収縮率が小さいことに加え、粘着剤の剥離強度の、温度依存性および剥離速度依存性が小さいことから、比較のものに比べて顕著に優れていることがわかる。
本発明の活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物は溶融粘度が低いことから塗工性に優れ、硬化体積収縮率が小さいことから加工性(成形性)に優れる。また、硬化した粘着剤は剥離強度の温度依存性が小さく、低温(0℃)から高温(80℃)まで良好な剥離強度(粘着力)を保持することができ、さらに、該剥離強度は剥離速度依存性が小さいため様々な剥離速度条件下においてほぼ一定の剥離強度(粘着力)を有し、剥がすときには剥がし易いという特長を併せ持つことから、金属板やプラスチック板の表面保護用粘着フィルム、足拭きマットやゴミ取り用の粘着シート、フォトマスク用粘着シート、電線の接続部や導体接続部の保護等の絶縁用粘着シート、ハードディスク用粘着ラベル、ステッカー、インクジェット用受像粘着シート 、床養生用粘着シート、メッキエッチングプロテクト用粘着シート等の幅広い用途に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 活性エネルギー線重合性基(e)を分子内に1個以上有する、数平均分子量2,500〜100,000の熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)、活性エネルギー線重合性基(e)を分子内に1個以上有し、ビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物を分子内に有する、数平均分子量600〜1,800の熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)および活性エネルギー線重合開始剤(C)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性ホットメルト粘着剤組成物。
  2. (A)と(B)の重量比が、40/60〜99/1である請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 請求項1または2記載の粘着剤組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させてなる粘着剤。
  4. 硬化体積収縮率が−3〜5%である、請求項3記載の粘着剤。
  5. 請求項1または2記載の粘着剤組成物を、溶融して支持体の少なくとも片面の少なくとも一部に塗布して塗膜を形成させ、該塗膜に活性エネルギー線を照射して硬化させることを特徴とする粘着剤被覆物の製造方法。
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