JP5000824B2 - タオル製品 - Google Patents

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Description

【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、化粧用にアルファ−ヒドロキシカルボン酸を提供する使い捨てタオルに関する。
【0002】
関連技術
アルファ−ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体は、若々しい外見を維持するための処置をもたらすものとして広く知られている。これらの物質は、顔の細かい線および皺の進行を制御すると言われている。しかし、これらの物質の調合は困難であった。問題として、担体系との適合性、物理的安定性および皮膚刺激性が生じる。さらに、特に困難なのは、低いpH系での調合である。
【0003】
米国特許第5091171号(Yu et al.)は、細かい線および皺といった外見に対して効果のあるアルファ−ヒドロキシカルボン酸の使用について記載した最初の文献の1つである。その後、これらの物質の有効性に基づいて、膨大な量の文献が報告され、多くの製品が生み出された。今日までに報告された調合物のほとんどは、クリーム型か、またはローション型のいずれかであった。これらの製剤の1つの問題点は、適用する表面に常に均一に分配されるとは限らないことである。第2に、活性物質で処理した表面を洗浄すると常に、活性物質は洗い流されてしまうことである。したがって、アルファ−ヒドロキシカルボン酸を皮膚表面上に維持する方法としては、その後の洗浄作用に影響を受けないことが必要である。調合物が一般に低いpHを有するので、刺激性もまた大きな問題点であった。
【0004】
WO96/11572(Moberg)は、乳酸として知られるアルファ−ヒドロキシ物質を含めた様々な酸を、織物または疲労回復用ナプキンに浸透可能な水性ヘキシレングリコール調合物中で使用している。これらは、皮膚上の微生物増殖の問題を克服し、かつ消毒剤として作用させるために使用されている。
【0005】
米国特許第4828912号(Hossain et al.)および米国特許第4764418号(Kuenn et al.)は、ウイルスおよび一般的な風邪などの疾患を誘導する生物を制御することを目的としたウイルス破壊性ティッシュ製品について記載している。クエン酸、リンゴ酸、コハク酸および安息香酸などのカルボン酸を、顔用ティッシュおよびその他の不織材料に浸透させるための界面活性剤および担体と調合する。
【0006】
前記の開示はいずれも、アルファ−ヒドロキシカルボン酸がタオルによって皮膚に付着した後の粘着性の問題を扱っていなかった。低pH系で起こる可能性のある臭気制御に関して論じたものもなかった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、皮膚を清浄にして、加齢の徴候を軽減するための製品および方法を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、皮膚上における粘着性残留物の形成を回避する方法で、アルファ−ヒドロキシカルボン酸を付着する製品および方法を提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、不潔な臭気の形成を回避する調合物中にアルファ−ヒドロキシカルボン酸を加えた製品を提供することである。
【0010】
本発明のこれらの目的およびその他の目的は、以下の概要およびその後の詳細な説明によってより明らかとなるだろう。
【0011】
発明の概要
本発明では、
(a)水不溶性基質、
(b)(i)アルファ−又はベータ−ヒドロキシカルボン酸、
(ii)シリコーンミクロエマルジョン、
(iii)水中でpH約6.5以下である組成物
を含むこの基質に浸透する化粧用組成物
を含むタオル製品を提供する。
【0012】
本発明のシリコーンミクロエマルジョンは、組成物に安定性をもたらし、アルファ−ヒドロキシカルボン酸を皮膚上に付着させたとき生じる可能性のある粘着性を解消する。
【0013】
界面活性剤、特に両性型のものなどの弱い界面活性剤は、低pHで発生する不潔な臭気を分解することができる。本発明のシリコーンミクロエマルジョンはまた、不潔な臭気の生成を解消するために有用であることが発見された。
【0014】
発明の詳細な説明
本出願人等は、驚くべきことにアルファ−ヒドロキシカルボン酸を浸透させたタオルが、粘着性を与えることなく皮膚にあてがうことができることをついに発見した。これは、シリコーンミクロエマルジョンを使用することによって実現する。
【0015】
一般的には、アルファ−ヒドロキシカルボン酸を含む化粧品用賦形剤のクリーム、ローションおよびその他の型はまた、他の活性物質と共に皮膚上に付着する皮膚軟化剤を含む。これらの皮膚軟化剤には、たとえば、エステル、炭化水素またはジメチコーン油が含まれる。皮膚軟化剤が存在すると、水または賦形剤が蒸発して、乾燥した活性物質を残すことによって生じる可能性のある粘着性がわかりにくくなる。
【0016】
残念ながら、タオル製品は浸透させる流動体が濃厚すぎると十分に浸漬しないので、タオル製品に粘度の高すぎる流動体を浸透させることができない。しかし、タオルに使用される低粘度の流動体は、エマルジョン安定性が悪くなりやすく、大量の皮膚軟化剤をこれらの系に調合することが困難である。その結果、アルファ−ヒドロキシカルボン酸などの活性化物質は、タオルによってタオル上に広がった低粘度流動体から皮膚上にねばねばと付着する。
【0017】
本発明の第1に必要な態様は、基質である。基質は水に不溶な物質であることが好ましい。「水に不溶」とは、基質が水に溶解しないか、水に浸漬した際すぐにばらばらにならないことを意味する。この基質を活性物質と組み合わせる他の利点は、基質が活性物質の浸透を助けることである。この基質はまた、より正確に皮膚に塗布したり、収斂組成物を不注意に塗布すると刺激を引き起こすような目などの敏感な部分を回避したりするためには、単なる液体またはゲル調合物よりも優れている。
【0018】
多様な物質を基質として使用することが可能である。以下の非限定的な特性、すなわち、(i)使用するために十分な湿潤強度、(ii)十分な研磨性、(iii)十分な弾性と有孔性、(iv)十分な厚み、(v)適切な大きさ、および(vi)浸透組成物の成分との非反応性が望まれる。
【0019】
前記の基準に見合った適切な基質の非限定的な例には、不織基質、織物基質、ハイドロエンタングル(hydroentangled)基質、空気をエンタングルした基質などが含まれる。好ましい実施例では、経済的であり、かつ様々な物質に使用しやすいので不織基質を使用する。「不織」とは、層が織物に織っていないが、どちらかといえばシート、特にティッシュに形成されている繊維から成ることを意味する。繊維はランダムである(すなわち、ランダムに並んでいる)か、または梳かれている(すなわち、主として1方向に梳かれている)かのいずれかであることが可能である。さらに、不織基質は、ランダムおよび梳かれた繊維の層の組み合わせから成ることが可能である。
【0020】
不織基質は、天然および合成の両方の様々な物質から成ることが可能である。天然とは、その物質が植物、動物、昆虫または副産物から得られることを意味する。合成とは、その物質が主に様々な人工物質、または通常一般的な合成、または天然いずれかの織物の長さの繊維、またはそれらの混合物を含む繊維網である物質から得られたことを意味する。
【0021】
本発明に有用な天然物質の非限定的な例は、絹繊維、ケラチン繊維およびセルロース繊維である。ケラチン繊維の非限定的な例には、羊毛繊維、ラクダ毛繊維などから成る群から選択されたものが含まれる。セルロース繊維の非限定的な例には、木材パルプ繊維、綿繊維、麻繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、およびそれらの混合物が含まれる。木材パルプ繊維は好ましいが、あらゆる綿繊維(たとえば、綿パッド)は通常回避される。
【0022】
本発明に有用な合成物質の非限定的な例には、アセテート繊維、アクリル繊維、セルロースエステル繊維、モドアクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン繊維およびそれらの混合物が含まれる。これらの合成物質のいくつかの例には、Acrilan(登録商標)、Creslan(登録商標)およびアクリロニトリルをベースにした繊維、Orlon(登録商標)などのアクリル類、セルロースアセテート、Arnel(登録商標)およびAcele(登録商標)などセルロースエステル繊維、ナイロン(たとえば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610など)などポリアミド、Fortrel(登録商標)、Kodel(登録商標)などおよびポリエチレンテレフタレート繊維ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどDarcron(登録商標)ポリオレフィン、ポリビニル酢酸繊維およびそれらの混合物が含まれる。
【0023】
天然物質から作製した不織基質は、繊維の液体懸濁液から微細なワイアスクリーンを通して最も一般的に形成される網またはシートから成る。
【0024】
本発明に有用な天然物質から作製された基質は、多種多様な市販の材料から得ることができる。本明細書で有用で、適切な市販の紙層の非限定的な例には、Airtex(登録商標)、James River Corporation、(Green Bay、WI)製の基本重量約85g/m(71gsy)を有するエンボスエアーレイドセルロース層およびWalkisoft(登録商標)、Walkisoft U.S.A.、(Mount Holly、NC)製の基本重量約90g/m(75gsy)を有するエンボスエアーレイドセルロースが含まれる。
【0025】
本発明に有用な合成物質から作製された不織基質はまた、多種多様な市販の材料から得ることができる。本明細書で有用で、適切な不織層物質の非限定的な例には、HEF 40−047、レーヨン約50%およびポリエステル50%を含み、基本重量平方ヤード当たり約43グラム(gsy)を有するVeratec、Inc.(Walpole、MA)製の開口ハイドロエンタングル物質、HEF 140−102、レーヨン約50%およびポリエステル50%を含み、基本重量約56gsyを有するVeratec、Inc.(Walpole、MA)製の開口ハイドロエンタングル物質、Novenet(登録商標)149−191、レーヨン約69%、ポリプロピレン約25%、および綿約6%を含み、基本重量約100gsyを有するVeratec、Inc.(Walpole、MA)製の熱結合格子パターン物質、HEF Nubtex(登録商標) 149−801、ポリエステル約100%を含み、基本重量約84g/m(70gsy)を有するVeratec、Inc.(Walpole、MA)製の節のある開口ハイドロエンタングル物質、Keybak(登録商標)951V、レーヨン約75%、アクリル繊維約25%を含み、基本重量約52g/m(43gsy)、Chicopee Corporation(New Brunswick、NJ)製の乾燥形成開口物質、Keybak(登録商標)1368、レーヨン約75%、ポリエステル約5%を含み、基本重量約47g/m(39gsy)を有するChicopee Corporation(New Brunswick、NJ)製の開口物質、Duralace(登録商標)1236、レーヨン約100%を含み、基本重量約48g/m(40gsy)から約138g/m(115gsy)を有するChicopee Corporation(New Brunswick、NJ)製の開口ハイドロエンタングル物質、Duralace(登録商標)5904、ポリエステル約100%を含み、基本重量約48g/m(40gsy)から約138g/m(115gsy)を有するChicopee Corporation(New Brunswick、NJ)製の開口ハイドロエンタングル物質、Sontaro(登録商標)8868、セルロース約50%およびポリエステル約50%を含み、基本重量約72g/m(60gsy)を有するDupont Chemical Corp.製のハイドロエンタングル物質が含まれる。
【0026】
本発明の目的のために最も好ましいタオルは、不織基質、特にレーヨン/ポリエステルの重量比が10:90から90:10、好ましくは20:80から80:20、最適なのは40:60から60:40のブレンドである。最も好ましいタオルは、レーヨン/ポリエステルが70:30の不織ふき取り用品である。
【0027】
この基質は、多種多様な形状および形態に作製することができる。一般に、この基質は使い捨てタオル形態である。タオルはZ型構造に折り畳むと有利である。互いに挟み込むことが可能であるが、挟み込まない方が好ましい。Z型の折り畳みは、上部および下部パネルによって囲まれた中央パネルから成る。上部および下部翼パネルは、実質的に幅が等しく、中央パネルの実質的に半分の幅である。タオルはそれぞれ、Z型構造の方向と直交する方向に中心に折り畳まれる。タオルの大きさは、長さ10から40cm、好ましくは15から30cm、最適には18から24cmの範囲であると有利である。タオルの幅は、8から30cm、好ましくは10から25cm、最適なのは15から20cmの範囲が可能である。
【0028】
概ね5から100、好ましくは10から50枚のタオルを、取り出しポーチ、好ましくは水分不浸透性のポーチ内に保存することが可能である。保存中および取り出しの間には、一般的に取り出し開口部を覆った接着性ストリップによってポーチは再度密封可能である。タオル1枚を含んだポーチもまた、使用可能である。
【0029】
本発明の基質は任意に、それぞれ異なる織り方および摩損性を有する2種以上の層を含むことが可能である。異なる織り方は、異なる材料の組み合わせ、または剥離するためのより荒い面およびそっと洗浄するための柔らかな吸収力のある面を有する基質を使用することによって得ることが可能である。さらに、基質の個々の層は、異なる色を付け、それによって使用者が面を見分けやすくなるように製造することが可能である。
【0030】
本発明の第2の重要な要素は、アルファ−ヒドロキシカルボン酸である。この用語は、それらの酸形態だけでなくそれらの塩も意味する。塩を形成する一般的な陽性対イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、C2〜C8トリアルカノールアンモニウム陽イオンおよびそれらの混合物である。「アルファ−ヒドロキシカルボン酸」という用語には、ヒドロキシ酸だけでなく、アルファ−ケト酸およびヒドロキシ酸重合体の関連化合物が含まれる。
【0031】
アルファ−ヒドロキシ酸は、カルボン酸に隣接したアルファ炭素に1個の水酸基が付加した有機カルボン酸である。一般的構造は以下の通りで、
(Ra)(Rb)C(OH)COOH
式中、RaおよびRbは独立して、H、F、Cl、Br、アルキル、アラルキルまたはアリール基および飽和または不飽和の、異性体または非異性体の、1から25個の炭素原子を有する直鎖または枝分かれ鎖または環状である。さらに、RaおよびRbは任意にOH、CHO、COOHおよび1から9個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されることが可能である。このアルファ−ヒドロキシカルボン酸は、RaおよびRbが同一でないとき、D、L、およびDL型の立体異性体として存在することが可能である。
【0032】
RaおよびRbの一般的なアルキル、アラルキルおよびアリール基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、ラウリル、ステアリル、ベンジルおよびフェニルなどが含まれる。第1群のアルファ−ヒドロキシ酸は、(1)アルキルアルファ−ヒドロキシ酸、(2)アラルキルおよびアリールアルファ−ヒドロキシ酸、(3)ポリヒドロキシアルファ−ヒドロキシ酸、および(4)ポリカルボン酸アルファ−ヒドロキシ酸に細分することが可能である。以下は、各部分群の代表的なアルファヒドロキシ酸である。
【0033】
(1)アルキルアルファヒドロキシ酸
2−ヒドロキシエタン酸(グリコール酸、ヒドロキシ酢酸)
2−ヒドロキシプロパン酸(乳酸)
2−メチル2−ヒドロキシプロパン酸(メチル乳酸)
2−ヒドロキシブタン酸
2−ヒドロキシペンタン酸
2−ヒドロキシヘキサン酸
2−ヒドロキシヘプタン酸
2−ヒドロキシオクタン酸
2−ヒドロキシノナン酸
2−ヒドロキシデカン酸
2−ヒドロキシウンデカン酸
2−ヒドロキシドデカン酸(アルファヒドロキシラウリン酸)
2−ヒドロキシテトラデカン酸(アルファヒドロキシミリスチン酸)
2−ヒドロキシヘキサデカン酸(アルファヒドロキシパルミチン酸)
2−ヒドロキシオクタデカン酸(アルファヒドロキシステアリン酸)
2−ヒドロキシエイコサン酸(アルファヒドロキシアラキドン酸)
(2)アラルキルおよびアリールアルファ−ヒドロキシ酸
2−フェニル2−ヒドロキシエタン酸(マンデル酸)
2,2−ジフェニル2−ヒドロキシエタン酸(ベンジル酸)
3−フェニル2−ヒドロキシプロパン酸(フェニル乳酸)
2−フェニル2−メチル2−ヒドロキシエタン酸(アトロ乳酸)
2−(4’−ヒドロキシフェニル)2−ヒドロキシエタン酸(4−ヒドロキシマンデル酸)
2−(4’−クロロフェニル)−2−ヒドロキシエタン酸(4−クロロマンデル酸)
2−(3’−ヒドロキシ−4’−メトキシフェニル)2−ヒドロキシエタン酸(3−ヒドロキシ−4−メトキシマンデル酸)
2−(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシフェニル酸)
3−(2’−ヒドロキシフェニル)2−ヒドロキシプロパン酸
[3(2’−ヒドロキシフェニル)乳酸]
3−(4’−ヒドロキシフェニル)2−ヒドロキシプロパン酸[3−(4’−ヒドロキシフェニル)乳酸]
2−(3’,4’−ジヒドロキシフェニル)2−ヒドロキシエタン酸(3,4−ジヒドロキシマンデル酸)
(3)ポリヒドロキシアルファ−ヒドロキシ酸
2,3−ジヒドロキシプロパン酸(グリセリン酸)
2,3,4−トリヒドロキシブタン酸、異性体、エリスロン酸、トレオン酸)
2,3,4,5−テトラヒドロキシペンタン酸(異性体、リボン酸、アラビノン酸、キシロン酸、リキソン酸)
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキサン酸(異性体、アロン酸、アルトロン酸、グルコン酸、マンノン酸、グロン酸、イドン酸、ガラクトン酸、タロン酸)
2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロキシヘプタン酸(異性体、グルコヘプトン酸、ガラクトヘプトン酸など)
(4)ポリカルボン酸アルファ−ヒドロキシ酸
2−ヒドロキシプロパン−1,3−ジオン酸(タルトロン酸)
2−ヒドロキシブタン−1,4−ジオン酸(リンゴ酸)
2,3−ジヒドロキシブタン−1,4−ジオン酸(酒石酸)
2−ヒドロキシ−2−カルボキシペンタン−1,5−ジオン酸(クエン酸)
2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン−1,5−ジオン酸(異性体、糖酸、ムチン酸)
(5)ラクトン型
【0034】
一般的なラクトン型は、グルコノラクトン、ガラクトノラクトン、グルクロノラクトン、ガラクツロノラクトン、グルコノラクトン、リボノラクトン、糖酸ラクトン、パントイルラクトン、グルコヘプトノラクトン、マンノノラクトンおよびガラクトヘプトノラクトンである。
【0035】
本発明に有用な代表的なアルファケト酸は以下の通りである。
【0036】
2−ケトエタン酸(グリオキシル酸)
2−ケトエタン酸メチル
2−ケトプロパン酸(ピルビン酸)
2−ケトプロパン酸メチル(ピルビン酸メチル)
2−ケトプロパン酸エチル(ピルビン酸エチル)
2−ケトプロパン酸プロピル(ピルビン酸プロピル)
2−フェニル−2−ケトエタン酸(ベンゾイルギ酸)
2−フェニル−2−ケトエタン酸メチル(ベンゾイルギ酸メチル)
2−フェニル−2−ケトエタン酸エチル(ベンゾイルギ酸エチル)
3−フェニル−2−ケトプロパン酸(フェニルピルビン酸)
3−フェニル−2−ケトプロパン酸メチル(フェニルピルビン酸メチル)
3−フェニル−2−ケトプロパン酸エチル(フェニルピルビン酸エチル)
2−ケトブタン酸
2−ケトペンタン酸
2−ケトヘキサン酸
2−ケトヘプタン酸
2−ケトオクタン酸
2−ケトドデカン酸
2−ケトオクタン酸メチル
II.ヒドロキシ酸の二量体および重合体
【0037】
ヒドロキシカルボン酸の2個以上の分子が、同一の化合物または異なる化合物のいずれであっても互いに化学的に反応すると、二量体または重合体化合物が形成されるだろう。このような二量体および重合体化合物は、3群、すなわち(a)アクリル酸エステル、(b)環状エステルおよび(c)種種雑多な二量体および重合体に分類することが可能である。
【0038】
本発明に有用な代表的なヒドロキシカルボン酸のアクリル酸エステルは以下に見られるものである。
【0039】
グリコール酸グリコリル(グリコール酸のグリコール酸塩)
乳酸ラクチル(乳酸の乳酸塩)
マンデル酸マンデリル
アトロ乳酸アトロラクチル
フェニル乳酸フェニルラクチル
ベンジル酸ベンジリル
乳酸グリコリル
グリコール酸ラクチル
グリコール酸グリコリルグリコリル
乳酸ラクチルラクチル
乳酸ラクチルグリコリル
グリコール酸グリコリルグリコリルグリコリル
乳酸ラクチルラクチルラクチル
グリコール酸グリコリルラクチルグリコリルラクチル
ポリグリコール酸およびポリ乳酸
【0040】
アルファ−ヒドロキシカルボン酸の量は、基質に浸透する組成物の重量の約0.01から約20%、好ましくは約0.1から約15%、より好ましくは約1から約10%、最適なのは約3から約8%の範囲が可能である。
【0041】
本発明の組成物は、水に入れるとpHは約6.5以下で、好ましくは約6.0から約2.0、より好ましくは約5.5から約2.5、さらにより好ましくは約5.0から約3.0、最適なのは約4.5から約3.5である。この組成物はタオル上に乾燥状態で配置して、消費者が水で湿らせることによって活性化されることが可能である。好ましい実施形態では、本発明の組成物は低粘度の予備調製流動体組成物である。一般的な粘度は、200℃で0.5から100cps、好ましくは約2から約20cpsの範囲でよい(Brookfield RVT)。
【0042】
基質に対する浸透組成物の量は、重量比で約20:1から1:20、好ましくは10:1から約1:10および最適なのは約2:1から約1:2の範囲が可能である。
【0043】
一般的に、湿潤剤を本発明の組成物に取り込ませる。湿潤剤は通常ポリオールである。代表的なポリオールには、グリセリン、ジグリセリン、ポリアルキレングリコール、より好ましくはプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびそれらの誘導体を含むアルキレンポリオールおよびそれらの誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、イソプレングリコール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロールおよびそれらの混合物が含まれる。最も好ましいのは、Arco Chemical CompanyからMP Diolとして市販されている2−メチル−1,3−プロパンジオールである。ポリオールの量は、浸透組成物の重量の約0.5から約95%、好ましくは約1から約50%、より好ましくは約1.5から約20%、最適なのは約3から約10%の範囲が可能である。
【0044】
本発明による製品に必須の他の要素は、シリコーンミクロエマルジョンである。これらのミクロエマルジョンの平均粒径は、約0.01から約500nm、好ましくは約1から約100nm、最適なのは約5から約50nmの範囲が可能である。粒径は、Malvern Instruments製の2600D Particle Sizerを使用してレーザー光散乱技法によって測定することが可能である。
【0045】
ミクロエマルジョンは、シリコーンと水の高剪断機械的混合によって、または不溶性不揮発性シリコーンと水を乳化することによって、およびシリコーンをたとえば乳化剤の加熱溶液に乳化剤混合することによって、または機械的および化学的乳化の組み合わせによって調製することが可能である。
【0046】
界面活性剤を単独で、または混合して、シリコーンエマルジョンを調製するための乳化剤として使用することが可能である。好ましい乳化剤には、アルキルアリールスルホン酸塩、たとえばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、たとえばラウリル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸塩、たとえばラウリルエーテル硫酸ナトリウム nEO(nは1から20)、アルキルフェノールエーテル硫酸塩、たとえばオクチルフェノールエーテル硫酸塩 nEO(nは1から20)、およびスルホコハク酸塩、たとえばジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの陰イオン乳化剤が含まれる。
【0047】
エトキシル化アルキルフェノール、たとえばエトキシル化ノニルフェノール nEO(nは1から50)、エトキシル化アルコール、たとえばラウリルアルコール nEO(1から50)、エトキシル化エステル、たとえばモノステアリン酸ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位の数は1から30)などの非イオン性乳化剤もまた適している。
【0048】
本発明の目的に特に好ましいシリコーンはジメチコノールで、直鎖でも枝分かれでもよい。数平均分子量は、約1000から約100万、好ましくは約20000から約500000、最適なのは約40000から約100000の範囲が可能である。ミクロエマルジョンにはシリコーンが約1から約95重量%、好ましくは約10から約60重量%、最適なのは約20から約40重量%の範囲のレベルで添加されることが可能である。予備形成したミクロエマルジョンは、Dow Corning、General Electric、Union Carbide、Wacker Chemie、Shin Etsu、およびToray Silicone Companyなどの供給元から市販されている。特に好ましいのは、シリコーン25%、最大粒径40nm、pH6.5〜8の直鎖ジメチコノールミクロエマルジョンとドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン/Laureth−24の界面活性剤を組み合わせたもので、Dow Corningから商標名DC2−1870で市販されている。
【0049】
本発明の組成物が流動体状の場合は、通常化粧品として許容される様々な担体賦形剤と共に提供される。通常、この担体賦形剤は水である。担体賦形剤の量は、浸透組成物重量の約0.5から約99%、好ましくは約1から約80%、さらに好ましくは約50から約70%、最適なのは約65から70%の範囲が可能である。
【0050】
本発明の化粧組成物には、有害性が懸念される微生物の増殖を抑えるために保存剤を取り込ませることが望ましい。本発明の組成物用に適切な従来の保存剤は、パラ−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。ごく最近使用されるようになってきたその他の保存剤には、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、および様々な4級アンモニウム化合物が含まれる。化粧用化学薬品には適切な保存剤がよく使用され、通常保存剤負荷試験を満たし、製品の安定性をもたらすものを選択する。特に好ましい保存剤は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニルウレア、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびベンジルアルコールである。この保存剤は、組成物の用途および保存剤と組成物中のその他の成分との間で起こりうる適合性を考慮して選択するべきである。保存剤は組成物重量の0.01%から2%の範囲の量で使用することが好ましい。
【0051】
本発明の組成物は、さらに草抽出物を含むことが可能である。抽出物の例には、カミツレ(Roman Chamomile)、緑茶、スカルキャップ、イラクサの根、センブリ(Swertia Japonica)、ウイキョウおよびアロエベラの抽出物が含まれる。抽出物それぞれの量は、組成物重量の約0.001から約1%、好ましくは約0.01から約0.5%、最適なのは約0.05から約0.2%が可能である。
【0052】
微量添加成分もまたこの組成物に存在させることが可能である。その中には、ビタミンEアセテート、ビタミンC、ビタミンAパルミテート、パンテノールおよびビタミンB複合体のいずれかが含まれることが可能である。ステビオシド、アルファ−ビソボロールおよびglycyhrizzinate塩を含めた抗刺激薬もまた存在させることが可能で、それぞれのビタミンまたは抗刺激薬は、組成物重量の約0.001から約1.0%、好ましくは約0.01から約0.3%の範囲の量で存在させる。
【0053】
乳化剤もまた本発明の組成物に取り込ませることが可能である。これらの乳化剤は、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性およびそれらの組み合わせであることが可能である。有用な非イオン性乳化剤には、C10〜C20脂肪族アルコールまたは酸疎水物質と疎水物質1モル当たり2から100モルのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドが縮合したもの、アルキレンオキシド2から20モルが縮合したC2〜C10アルキルフェノール、エチレングリコールのモノ−およびジ−脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ソルビタン、モノ−およびジ−C8〜C20脂肪酸、ブロックコポリマー(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)、およびポリオキシエチレンソルビタンならびにそれらの組み合わせが含まれる。アルキルポリグリコシドおよび糖類脂肪族アミド(たとえば、メチルグルコンアミド)はまた、適切な非イオン性乳化剤である。乳化剤として特に好ましいのは、Cremophore RH−400(登録商標)として市販されているエチレンオキシド40モルでアルコキシル化した硬化ヒマシ油ワックスである。
【0054】
陰イオン型および両性型の弱い乳化剤もまた使用することができる。特に好ましい陰イオン性の例には、ラウロアンホ酢酸塩およびサルコシン酸塩が含まれる。好ましい両性型にはコカミドプロピルベタインおよびジメチルベタインが含まれる。
【0055】
乳化剤の量は、約0.05から約20重量%、好ましくは約0.1から約5重量%、最適なのは約0.5から約0.8重量%が可能である。
【0056】
ラウロアンホ酢酸塩などの脂肪酸(C10〜C22アルキル)基を含む低pH系は、不潔な臭気を発することが発見された。理論によって結びつけることを希望するものではないが、脂肪酸基を有する界面活性剤の加水分解によってこれらの基が切断されるものと考えられ、それによって悪臭を放つ脂肪酸が形成される。本出願人等は、驚くべきことにジメチルコニルミクロエマルジョンなどのシリコーンミクロエマルジョンが効果的に臭気形成を阻害することを発見した。
【0057】
本発明のこれらの浸透組成物に関わるpH範囲は広くてもよいが、比較的低pH、たとえば約2から約6.5、好ましくは約2.5から約4.5を有することが好ましい。
【0058】
操作実施例および比較実施例以外、または明確に指示した場合以外は、この説明で物質の量を指示した全ての数値は「約」という用語で修飾されていることを理解されたい。
【0059】
以下の実施例は、本発明の実施形態をより完全に例示するものである。全ての部分で、本明細書および添付したクレームに関連したパーセントおよび割合は、他に指示がなければ重量に基づいている。
【0060】
実施例1〜8
表Iは、タオルを形作るセルロース基質に浸透するために適した調合物のリストを上げた表である。得られた組成物溶液のpHは、約2.8から約4.0の範囲である。
【0061】
【表1】
Figure 0005000824
【0062】
実施例9
低pHヒドロキシカルボン酸付着タオル製品における安定性および粘着性軽減のためのシリコーンおよびその他の物質の影響を評価するために検討を実施した。ジメチコノールミクロエマルジョンを表IIに記載した物質と置き換える以外は実施例1と実質的に同様な調合物を、特定の使用濃度でタオルに浸透させた。4グラムの量の調合物を各タオル(1.8グラム重、15.24cm×20.32cm(6インチ×8インチ))に浸透させた。安定性とは、タオルに浸透させた流動体の相(phase)適合性のことである。評価は、均一な流動体については「良」、上部に少量のクリーム分離のみを有するものについては「可」、著しい相分離については「不可」とした。粘着性は、訓練を受けた評価官が評価し、指の感触によって測定した。
【0063】
【表2】
Figure 0005000824
【0064】
非シリコーン物質のほとんど全ては、付着したヒドロキシカルボン酸の粘着性を改良する有益な効果を有さなかった。ジメチコーンエマルジョンは粘着性除去のためにはあまり作用しなかった。しかしこれらのエマルジョンは流動体調合物にわずかな安定性をもたらした。ジメチコノールミクロエマルジョンが良好な物理的安定性を保持し、粘着性も効果的に克服した。
【0065】
以下の説明および実施例は、本発明の選択した実施形態を例示している。これらの変更および修正は当業者によって提案され、いずれも本発明の精神および範囲内である。

Claims (9)

  1. (a)水不溶性基質、
    (b)(i)グリコール酸、乳酸、ヒドロキシオクタン酸およびそれらの混合物から成る群から選択されるアルファ−ヒドロキシカルボン酸、
    (ii)シリコーンミクロエマルジョン中のシリコーン物質の粒径が0.01から500nmの範囲であるシリコーンミクロエマルジョン
    (iii)水中でpH6.5以下を有する組成物
    を含む前記基質に浸透する化粧用組成物
    を含むタオル製品。
  2. ベータ−ヒドロキシカルボン酸をさらに含む請求項1に記載のタオル製品。
  3. 化粧組成物のpHが水中で2.0から6.0の範囲である請求項1または2に記載のタオル製品。
  4. 化粧組成物のpHが水中で3.5から4.5の範囲である請求項3に記載のタオル製品。
  5. シリコーンミクロエマルジョンがジメチコノールミクロエマルジョンである請求項1から4のいずれか一項に記載のタオル製品。
  6. ミクロエマルジョン中のシリコーン物質の粒径が5から50nmの範囲である請求項1から5のいずれか一項に記載のタオル製品。
  7. ヒドロキシカルボン酸が前記組成物の0.1から15重量%の量で存在する請求項1から6のいずれか一項に記載のタオル製品。
  8. ミクロエマルジョンが前記組成物の0.1から20重量%の量で存在する請求項1から7のいずれか一項に記載のタオル製品。
  9. アルファ−ヒドロキシカルボン酸が塩であり、該塩がアンモニウム塩、アルカリ塩,アルカリ土類金属塩,アルカノールアンモニウム塩およびそれらの混合物より選択される請求項1に記載のタオル製品。
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