以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1(A)は、本発明の第1実施形態に係る撮像システムの光学系の構成図である。
同図に示されるように、本実施形態に係る撮像システムは、カメラ筐体10と該カメラ筐体10に対して交換可能な又は固定された撮影光学系12とから成る。
撮影光学系12は、フォーカシングレンズ14と絞り16等により構成されるもので、被写体光の入射を受けるフォーカシングレンズ14が所定位置に配置され、その光軸上に絞り16が配置されている。なお、絞り16は、所定の絞り開口を保持することが可能であると共に、シャッタ機能を有しており、完全に遮光する機能も有している。
カメラ筐体10内には、上記撮影光学系12を介した被写体光の光路上に、プリズム系18が配置されている。そして、当該プリズム系18で反射された光の光路上には、第1撮像素子20が設けられ、該第1撮像素子20面上にマイクロレンズアレイ22が形成されている。また、上記プリズム系18を透過した光の光路上には、第2撮像素子24が設けられている。
このような構成において、撮影光学系12を通過した被写体光束の一部は、プリズム系18により下方に反射され、第1撮像素子20で撮像されることになる。また、上記プリズム系18を透過したその他の被写体光束は、第2撮像素子24で撮像されることになる。
図1(B)は、第1実施形態に係る撮像システムの信号処理系の構成図である。
同図に示されるように、本撮像システムは、システムコントローラ26を備え、該システムコントローラ26は、全体の制御を司る中央演算処理部(CPU)28と、リードオンリメモリ(ROM)30、ランダムアクセスメモリ(RAM)32、不揮発性メモリたるEEPROM34を少なくとも有している。
さらに、上記システムコントローラ26は、レンズ駆動部36、露光制御部38、表示部40、焦点検出演算部42、ファーストレリーズスイッチ(以下、1RSWと記す)44、セカンドレリーズスイッチ(以下、2RSWと記す)46、エリア選択SW48と双方向に接続されている。
そして、露光制御部38は、第1撮像素子20及び第2撮像素子24に接続され、それら第1撮像素子20及び第2撮像素子24の出力は、信号処理部50の入力に接続されている。信号処理部50の出力は、出力部52、表示部40、焦点検出演算部42の入力にそれぞれ接続されている。また、該信号処理部50は、領域特性記録部54と双方向に接続されている。
このような構成において、上記システムコントローラ26は、その内部のROM30に格納されたシーケンスプログラムに従って一連の動作を行う。また、上記システムコントローラ26の内部のEEPROM34には、焦点調節、測光・露出演算、AWB(オートホワイトバランス)等に関するデフォルトの補正データが撮像システム毎に記憶されている。
上記1RSW44及び2RSW46は、図示しないレリーズボタンに連動したスイッチであり、該レリーズボタンの第1段階の押し下げにより1RSW44がオンし、引き続いて第2段階の押し下げで2RSW46がオンするように構成されている。エリア選択SW48は、AFエリアを選択するためのスイッチであり、オンする毎に予め決められたAFエリアを移動選択する。システムコントローラ26は、1RSW44のオンで焦点検出、AF動作を行うためのプリ撮像モードを開始し、続いて2RSW46のオンで画像撮影、記録動作を行う本撮像モードを開始する。
本実施形態において、第1撮像素子20及び第2撮像素子24は、モノクロ用撮像素子であり、モノクロ信号を出力するものとする。即ち、第1撮像素子20及び第2撮像素子24は、撮影光学系12により形成される被写体像を撮像して電気信号に変換する。上記信号処理部50は、これら第1撮像素子20及び第2撮像素子24からの画素信号である電気信号を処理して画像信号を作成する。この信号処理部50の詳細な構成は後述する。なお、第1撮像素子20及び第2撮像素子24の出力する画像の画素数及び画角は同じものとする。
プリ撮像モードにおいて、焦点検出演算部42は、上記信号処理部50において処理された画像信号に基づいて焦点検出演算を行う。この焦点検出演算の結果、合焦の判定データやフォーカシングレンズ14の駆動量等をシステムコントローラ26に送信する。
表示部40は、システムコントローラ26の制御の下、第1撮像素子20により撮像された映像やカメラ内部の情報を液晶表示素子(LCD)等により表示する。
以上の他、レンズ駆動部36は、システムコントローラ26からの司令に基づいて、フォーカシングレンズ14、絞り16等を駆動し、焦点距離、絞り径等、撮影光学系12の状態を制御する。
本撮像モードにおいて、上記プリ撮像モードでの設定に基づき撮像を行う。即ち、信号処理部50において、上記第1撮像素子20での撮像で得られた画像信号(以下、第1画像信号)及び第2撮像素子24での撮像で得られた画像信号(以下、第2画像信号)に基づいて、広ダイナミックレンジ画像(以下広DR画像)を作成し、表示部40により表示する。また、この広DR画像は、該信号処理部50が備える圧縮伸張回路によって圧縮処理を施された後、出力部52へ転送され、フラッシュメモリ等の記録媒体に記録される。
なお、図1(B)及び以下に説明する各図において、各処理ユニット間の実線の矢印は撮影された画像の信号の流れを表し、破線の矢印は制御信号の流れを表す。
図2(A)は、上記マイクロレンズアレイ22と上記第1撮像素子20の配置構成を示す図であり、図2(B)は、焦点検出領域(後述する)におけるマイクロレンズアレイ22及び第1撮像素子20の断面構成を示す図である。
図2(B)に示すように、受光素子たるフォトダイオード56の前面には、それぞれマイクロレンズ58が構成されている。撮像素子の光感度を向上させる技術としては、各フォトダイオード56に対応した位置にマイクロレンズ58を設けることにより、入射光を効率よくフォトダイオード56の受光部60に集光する、所謂オンチップマイクロレンズと呼ばれる技術が確立されている。第1撮像素子20の表面において、マイクロレンズ58は、上記のように光感度を最適にするように設定されている。
上述の集光用のマイクロレンズ58とは別に、図2(A)に示すように、第1撮像素子20の素子面上の所定の領域上において、焦点検出のためのマイクロレンズアレイ22が配置されている。
ここでは、マイクロレンズアレイ22で覆われる受光素子を含む領域をマイクロレンズアレイ領域62と呼称し、マイクロレンズアレイ領域62のうち、マイクロレンズアレイ22を通過する光束のみが結像する領域に関しては、焦点検出用の画像信号を生成するための焦点検出領域64と呼称する。
また、マイクロレンズアレイ領域62のうち、焦点検出領域64周辺に位置し、撮影光学系12を通過した後、マイクロレンズアレイ22による回折が作用し、マイクロレンズアレイ22を通過せずに、マイクロレンズアレイ22の外側からマイクロレンズアレイ22下へ回り込む光束が結像する領域を回折領域66と呼称する。
更に、撮影光学系12のみを通過する光束が結像し、マイクロレンズアレイ22の影響を全く受けない領域を撮像領域68と呼称する。
本実施形態では、3つのマイクロレンズアレイ領域62が設けられており、第1撮像素子20の素子面上において、1つの焦点検出領域64が光軸上に配置されて、他の2つの焦点検出領域64は、上記光軸上に配置された焦点検出領域64に対して垂直な方向に且つ光軸外に配置されるように、各マイクロレンズアレイ22が構成されている。
この場合、これら領域の位置情報は、第1撮像素子20の素子面上における画素(受光画素)の座標値で表される。
マイクロレンズアレイ領域62及び撮像領域68に関する座標データは、撮像素子の素子面に対するマイクロレンズアレイ22の相対的な位置関係から容易に求めることができる。また、焦点検出領域64及び回折領域66に関する座標データは、実測や光線追跡などのシミュレーションにより求めることができる。
第1撮像素子20は、焦点検出領域64の部分では、図2(B)に示すように、シリコンからなる半導体基板70内において、拡散層等により受光部60を構成するフォトダイオード56、受光部60上に形成される色フィルタ72、色フィルタ72の上に形成され、受光部60に一対一に対応する所定の曲率、焦点距離の球面をもつマイクロレンズ58にて構成されている。
また、上記焦点検出領域64において配置されるマイクロレンズアレイ22は、透明層74をコンデンサーレンズ76と再結像レンズ78とで挟む構成となっており、コンデンサーレンズ76表面の各レンズ間には視野マスク80、再結像レンズ78表面の各レンズ間にはクロストーク防止のためのマスク82が形成されている。再結像レンズ78は、隣り合うコンデンサーレンズ76から等距離にある軸上を再結像レンズ78の光軸が通るように形成されており、マイクロレンズアレイ22は、再結像レンズ78が第1撮像素子20の素子面上の隣り合う2つのフォトダイオード56上に被さるように配置される。
ここで、マイクロレンズアレイ22のほぼ焦点面に一対の受光素子であるフォトダイオード56A,56Bが配置されているとすると、マイクロレンズアレイ22は、図2(B)に示すように撮影光学系12を通過する光束を瞳分割して、各分割光束84を一対のフォトダイオード56A,56Bにそれぞれ入射するように作用する。
なお、第1撮像素子20の撮像領域68の部分の断面構成は、図2(B)からマイクロレンズアレイ22を取り除いた構成となっている。
図2(C)は、第1撮像素子20上の受光素子たるフォトダイオード56、コンデンサーレンズ76、再結像レンズ78の光軸方向から見た場合の配列を示す図である。
なお、瞳分割による分割光束に基づく焦点検出原理については、前述の特許文献1に開示の位相差検出方式と同様である為、ここでは詳細な説明は省略する。
次に、図3には上記焦点検出演算部42における合焦、前ピン、後ピンの各例を示し説明する。なお、実際には、マイクロレンズアレイLn群、受光素子An,Bn群は固定されており、撮影光学系12の位置が移動するのであるが、ここでは、説明の便宜上、撮影光学系12の位置を固定として相対位置関係を説明する。
マイクロレンズアレイLnの焦点距離はf2であり、マイクロレンズアレイLnと受光素子(フォトダイオード56)An,Bn間の距離に略等しい。
先ず、合焦時は、同一の被写体からの光束であり異なる射出瞳を通過した光線R1〜R12は、各マイクロレンズアレイLnの光軸を中心に隣り合う受光素子AnとBnが受ける受光量が一致する。例えば、光線R3,R8に対してマイクロレンズアレイL3,L4と受光素子A3,B3が対応する。
前ピンの場合は、異なるマイクロレンズアレイを通った光の受光素子A,Bの受光量、即ち隣り合わない受光素子A,Bの受光量が一致する。例えば、同一被写体からの光線R3,R8に対してはマイクロレンズアレイL5と受光素子B5、マイクロレンズアレイL2と受光素子A1がそれぞれ対応するので、像が4ピッチ分ずれる。
一方、後ピンの場合は、受光量が一致している検出素子は隣り合っているが、それら隣り合っている受光素子に入射する光は異なるマイクロレンズアレイを通った光となる。例えば、同一被写体からの光線R3,R8に対してマイクロレンズアレイL1と受光素子B1、マイクロレンズアレイL6と受光素子A5がそれぞれ対応するので、前ピン時とは逆方向に4ピッチ分だけ像がずれる。
このようにピントずれ量に応じて像ずれが発生する。実際には、上記1ピッチ単位の像ずれ量(位相差量)では焦点検出精度が低下するので、公知の補間演算等の処理を行って1ピッチ分以下の焦点検出を行う。このように像ずれ量を検出することで、撮影レンズのピントずれ量を求めることができる。
また、複数の焦点検出領域64について焦点検出を行い、そのうちの例えば最も近い被写体を自動的に選択する等の公知のアルゴリズムによる処理が可能となる。撮影者はエリア選択スイッチによりAFエリアを選択して、そのエリアについて合焦させる事が可能である。
図4は、上記信号処理部50の構成を示すブロック図であり、該信号処理部50は、第1A/D86、第2A/D88、第1画像用バッファ90、第2画像用バッファ92、焦点検出領域補正部94、広DR画像生成部96、及び圧縮部98から成る。
ここで、上記第1撮像素子20は、第1A/D86に接続され、該第1A/D86は、第1画像用バッファ90に接続されている。また、上記第2撮像素子24は、第2A/D88に接続され、該第2A/D88は、第2画像用バッファ92へ接続されている。第1画像用バッファ90及び第2画像用バッファ92は、焦点検出領域補正部94に接続されている。上記領域特性記録部54は、この焦点検出領域補正部94と双方向に接続されている。更に、この焦点検出領域補正部94は、上記焦点検出演算部42に接続されている。また、焦点検出領域補正部94及び第2画像用バッファ92は、広DR画像生成部96へ接続されている。この広DR画像生成部96は、上記表示部40及び圧縮部98へ接続されている。圧縮部98は、上記出力部52へ接続されている。
図4において、信号の流れを説明する。
撮影に際しては、はじめにレリーズボタンの第1段階の押し下げにより1RSW44をオンすることで、焦点検出、AF動作を行うプリ撮像モードに入る。プリ撮像モードにおいて、信号処理部50では、焦点検出演算を目的とした画像信号を生成し、上記焦点検出演算部42へ転送する。
まず、第1撮像素子20を介して撮影された信号は、CDS(Correlated Double Sampling)/差動サンプリング、アナログゲインの調整等が行われた後、第1A/D86でデジタル信号に変換され、第1画像用バッファ90へ転送される。この第1画像用バッファ90内の画像信号は、焦点検出領域補正部94へ転送される。
上記領域特性記録部54には、上記第1撮像素子20で撮像した画像信号に対して、上述の焦点検出領域64、撮像領域68、及び回折領域66関する座標データが記録されており、画素の座標値を入力すると、当該画素が属する領域を示す領域判定用フラグを返す。従って、該フラグを参照することで、当該画素が属する領域を特定することができる。
なお、焦点検出領域64、撮像領域68、及び回折領域66に関する座標データは、実測や光線追跡などのシミュレーション等の手法により予め算出し、上記領域特性記録部54に記録しておく。
焦点検出領域補正部94では、上記領域特性記録部54により特定した焦点検出領域64に属する画像信号を抽出し、上記焦点検出演算部42へ転送する。
上記焦点検出演算部42では、焦点検出領域64に属する画像信号に基づき位相差を算出し、焦点検出を行う。撮影者は、このようなプリ撮像モードにおいて、随時、エリア選択SW48によるAFエリアの移動選択により、任意の被写体にフォーカスを合わせたり、撮影情報(光学系の焦点距離、絞り径)の変更を行うことで、最適な撮像条件となるよう調整を行う。
引き続いて、レリーズボタンの第2段階の押し下げで2RSW46をオンすることにより、本撮像モードを開始する。
この本撮影モードでは、上記プリ撮像モードと同様に、上記第1撮像素子20を介して撮影された画像信号(第1画像信号)は、第1A/D86を介してデジタル信号へ変換され、第1画像用バッファ90へ転送される。また、同様に、上記第2撮像素子24を介して撮影された画像信号(第2画像信号)は、CDS/差動サンプリング、アナログゲインの調整等が行われた後、第2A/D88でデジタル信号に変換され、第2画像用バッファ92へ転送される。
ただし、撮影に際しては、上記露光制御部38において、プリ撮像モードでの露光条件に対し、第1撮像素子20及び第2撮像素子24の露光比が所定の値となるように、例えば前者が1/4、後者が3/4となるように、それぞれの露光条件を設定し、撮影することとする。
第1画像用バッファ90に記録された第1画像信号は、焦点検出領域補正部94へ転送され、第2画像用バッファ92に記録された画像信号は、焦点検出領域補正部94及び広DR画像生成部96へ転送される。
焦点検出領域補正部94では、マイクロレンズアレイ22の影響で劣化した第1画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号を、第2画像信号に基づき補正する。この焦点検出領域補正部94における補正処理の詳細については、後述する。
こうして焦点検出領域補正部94において焦点検出領域64に属する画像信号が補正された第1画像信号は、広DR画像生成部96へ転送される。広DR画像生成部96は、この補正された第1画像信号と上記第2画像信号に対し、所定の信号処理、例えば階調変換処理や強調処理を行った後、それらを合成することにより、一枚の広DR画像を生成し、表示部40及び圧縮部98へ転送する。
表示部40は、転送されてきた広DR画像の画像信号をLCDなどにより表示する。また、圧縮部98は、転送されてきた広DR画像の画像信号に対し所定の圧縮処理、例えば公知のJPEG方式などによる圧縮を行った後、フラッシュメモリ等で構成される出力部52へ転送する。
図5は、焦点検出領域補正部94の構成の一例を示すブロック図であり、該焦点検出領域補正部94は、画像間信号比算出部100、焦点領域乗算部102、焦点領域抽出部104、焦点領域置換部106、回折領域補正部108から成る。
ここで、上記第1画像用バッファ90は、画像間信号比算出部100及び焦点領域抽出部104に接続している。上記第2画像用バッファ92は、画像間信号比算出部100及び焦点領域乗算部102に接続されている。これら焦点領域乗算部102及び焦点領域抽出部104は、焦点領域置換部106へ接続されている。焦点領域抽出部104は、上記焦点検出演算部42へ接続されている。焦点領域置換部106は、回折領域補正部108へ接続されている。回折領域補正部108は、上記広DR画像生成部96へ接続されている。このような焦点検出領域補正部94を構成する全ての処理ユニットは、上記領域特性記録部54と双方向に接続されている。
この焦点検出領域補正部94では、プリ撮像モードにおいて、第1画像信号から焦点検出領域64に属する画像信号を抽出し、これを焦点検出演算部42へ転送するものである。即ち、まず、第1画像信号は、第1画像用バッファ90から焦点領域抽出部104に転送される。焦点領域抽出部104では、上記領域特性記録部54から第1画像信号に含まれる画素の座標値に基づき領域判定用フラグを取得し、このフラグに基づき焦点検出領域64に属する画像信号を抽出し、焦点検出演算部42へ転送する。
また、本撮像モードにおいては、マイクロレンズアレイ22の影響で劣化した第1画像信号の焦点検出領域64及び回折領域66に属する画像信号に対して、第2画像信号に基づく補正処理を行う。
即ち、まず、第1画像信号が第1画像用バッファ90から画像間信号比算出部100へ転送される。また、この本撮像モードにおいては、この第1画像信号は、焦点領域抽出部104をスルーし、焦点領域置換部106へ転送される。
第2画像信号は、第2画像用バッファ92から画像間信号比算出部100及び焦点領域乗算部102へ転送される。
画像間信号比算出部100では、撮像領域68に属し、回折領域66に隣接する隣接座標に対応する第1画像信号と第2画像信号との画素信号レベルの比(の平均値)Cpを、次の式(1)に従い算出し、焦点領域乗算部102へ転送する。
Cp=Σ(P1(i)/P2(i))/Ct …(1)
なおここで、P1(i)、P2(i)はそれぞれ第1画像信号、第2画像信号の座標iにおける信号レベルを表し、iは上述の隣接座標を表す。また、Ctは隣接画素の個数を表す。
焦点領域乗算部102では、第2画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号と画像間信号比算出部100からの信号レベル比に基づき、第1画像信号の焦点検出領域64における画像信号を推定する。即ち、第2画像信号から焦点検出領域64に属する画像信号を抽出し、その抽出した画像信号に含まれる画素の信号レベルに対し、上記画像間信号比算出部100から転送された信号レベル比Cpを乗算する。乗算後の画像信号は、焦点領域置換部106へ転送される。
焦点領域置換部106では、第1画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号を、焦点領域乗算部102から転送された第2画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号に置換する。置換後の画像信号は、回折領域補正部108へ転送される。
回折領域補正部108では、回折領域66に属する画素値に関し、回折領域66周辺の焦点検出領域64及び撮像領域68に属する画素値に基づいて、公知の補間処理により補間する。
本実施形態においては、線形補間による補間処理を行うこととする。例えば、図6において、回折領域66に属するP11画素に関して補間を行う場合は、P11に関して近接する上下の画素値(P10,P13)を用いて、次の式(2)に基づく線形補間により補間する。
P11=0.75*P10+0.25*P13 …(2)
画像信号は、このように回折領域補正部108により回折領域66内に属する各色信号の画素値について補間された後、広DR画像生成部96へ転送される。
なお、本第1実施形態では、ハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要は無い。
例えば、第1撮像素子20及び第2撮像素子24からの信号を未処理のままRAWデータとして、光学特性、撮影情報をヘッダ情報として付加して出力し、別途ソフトウェアにて処理する構成も可能である。
図7(A)は、そのような信号処理のソフトウェア処理に関するフローチャートを示す図である。
まず、第1画像信号及び第2画像信号と、それらのヘッダ情報を読み込み、メモリ等に記録する(ステップS10)。また、焦点検出領域64、撮像領域68、及び回折領域66に関する座標情報を読み込み、メモリ等に記録する(ステップS12)。
そして、第1画像信号、第2画像信号の撮像領域68に属し、回折領域66に隣接する画素を比較し、画像間信号比を算出する(ステップS14)。その後、第2画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号より、上記ステップS14にて算出した画像間信号比に基づき、第1画像信号の焦点検出領域64に対応する画像信号を推定する(ステップS16)。そして、第1画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号を、上記ステップS16で推定した画像信号に置換する(ステップS18)。
その後、第1画像信号の回折領域66に属する画像信号を、焦点検出領域64及び撮像領域68に属する画素に基づき補正する(ステップS20)。そして、その補正した第1画像信号と第2画像信号を合成し、広DR画像を生成する(ステップS22)。最後に、この生成した広DR画像を出力して(ステップS24)、処理を終了する。
以上のように、本第1実施形態によれば、光束分割した被写体像を撮像した複数の画像信号の一つに対し、マイクロレンズアレイ22を用いた焦点検出処理を行う際のマイクロレンズアレイ22の作用による画質劣化を、他の光束を撮像した複数の画像信号により補正することで抑制することができる。
複数に被写体光束をそれぞれ異なる露光条件で撮像し、撮像した複数の画像信号を合成することにより、ダイナミックレンジを拡大した広DR画像を得ることが可能となる。
更に、複数に分割された被写体光束を複数の撮像素子20,24で撮像することにより、複数の撮像素子を並行して動作させることができるため、連続撮影やブラケット撮影を高速に行うことが可能となる。
[第2実施形態]
次に、上記第1実施形態の変形例に相当する本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、第2実施形態に係る撮像システムの信号処理系に関する構成図である。本実施形態においては、図1(B)に示す第1実施形態における領域特性記録部54を領域特性記録部110へ、信号処理部50を信号処理部112へ置換した構成となっている。基本構成は上記第1実施形態と同等であり、よって、同一の構成には同一の名称と参照符号を割り当てている。以下、異なる部分のみを説明する。
即ち、本実施形態においては、レンズ駆動部36は、領域特性記録部110に接続されている。領域特性記録部110は、信号処理部112に双方向に接続されている。第1撮像素子20及び第2撮像素子24は、信号処理部112へ接続されている。信号処理部112は、露光制御部38、焦点検出演算部42、表示部40、及び出力部52へ接続されている。
本実施形態において、第1撮像素子20及び第2撮像素子24は、モノクロ用撮像素子であり、モノクロ信号を出力するものとする。これら第1撮像素子20及び第2撮像素子24は、撮影光学系12により形成される被写体像を撮像して、電気信号に変換する。
レンズ駆動部36は、システムコントローラ26からの司令に基づいて、フォーカシングレンズ14、絞り16等を駆動し、焦点距離、絞り径等、撮影光学系12の状態を制御すると共に、現在の撮影光学系12に関する撮影情報(焦点距離、絞り径等)を領域特性記録部110に転送し、領域特性記録部110は随時これを記録する。また、領域特性記録部110には、予め焦点検出領域64、回折領域66、及び撮像領域68の座標データ、並びに、撮影光学系12及びマイクロレンズアレイ22に関する光学特性データ(F値、レンズ解像力(以下、解像度MTFと称する))が記録されており、信号処理部112から座標値が入力された場合、座標が属する領域を示す領域判定用フラグ、もしくは領域毎の結像に影響する光学特性データ(F値、解像度MTF)を算出し、これを信号処理部112へ出力する。
プリ撮像モードにおいて、焦点検出演算部42は、上記信号処理部112において処理された画像信号に基づいて焦点検出演算を行う。ただし、第1画像信号及び第2画像信号の焦点検出領域64内に属する画素の信号レベルが所定の階調幅を超える場合は、上記信号処理部112の出力に従って露光制御部38にて、適正露光が得られるよう露光条件を変更し、再度焦点検出演算を行う。本実施形態においては、階調幅を12bitとしている。
焦点検出演算部42での焦点検出演算による合焦の判定データやフォーカシングレンズ駆動量等は、システムコントローラ26へ送信される。
本撮像モードにおいては、このプリ撮像モードでの設定に基づき撮像を行う。
まず、信号処理部112において、第1画像信号の焦点検出領域64及び回折領域66に属する画像信号に対して、第2画像信号と領域特性記録部110から取得する光学特性データ(F値、解像度MTF)とに基づき補正を行う。次に、補正後の第1画像信号と第2画像信号に基づき、広DR画像を作成し、LCD等の表示部40により表示する。また、広DR画像は出力部52へ転送され、フラッシュメモリ等の記録媒体に記録され、撮像を終了する。信号処理部112における処理の詳細は後述する。
図9は、上記信号処理部112の構成の一例を示すブロック図であり、該信号処理部112は、図4に示した上記信号処理部50の構成に露光条件設定部114を追加し、焦点検出領域補正部94を焦点検出領域補正部116へ置換した構成となっている。基本構成は上記信号処理部50と同等であり、同一の構成には同一の名称と参照符号を割り当てている。以下、異なる部分のみを説明する。
第1画像用バッファ90は、露光条件設定部114及び焦点検出領域補正部116に接続されている。露光条件設定部114は、上記露光制御部38に接続されている。上記領域特性記録部110は、露光条件設定部114及び焦点検出領域補正部116に双方向に接続されている。第2画像用バッファ92は、露光条件設定部114、焦点検出領域補正部116、及び広DR画像生成部96に接続されている。焦点検出領域補正部116は、上記焦点検出演算部42及び広DR画像生成部96に接続されている。
図9において、信号の流れを説明する。
撮影に際しては、はじめにレリーズボタンの第1段階の押し下げにより1RSW44をオンすることで、焦点検出、AF動作を行うプリ撮像モードに入る。プリ撮像モードにおいて、信号処理部112では、焦点検出演算を目的とした画像信号を生成し、上記焦点検出演算部42へ転送する。
まず、第1撮像素子20を介して撮影された信号は、CDS/差動サンプリング、アナログゲインの調整等が行われた後、第1A/D86でデジタル信号に変換され、第1画像用バッファ90へ転送される。第1画像用バッファ90内の画像信号は、露光条件設定部114及び焦点検出領域補正部116へ転送される。
同時に、第2撮像素子24を介して撮影された信号は、CDS/差動サンプリング、アナログゲインの調整等が行われた後、第2A/D88でデジタル信号に変換され、第2画像用バッファ92へ転送される。第2画像用バッファ92内の画像信号は、露光条件設定部114、焦点検出領域補正部116、及び広DR画像生成部96へ転送される。
このプリ撮像に際して、露光制御部38の制御により、第1撮像素子20及び第2撮像素子24の露光条件として、露光比が所定の割合となるよう設定され、撮像が行われる。初期設定においては、例えば、露光比として1/4:3/4が設定されている。ここで、露光条件設定部114において、撮像された第1画像信号及び第2画像信号の焦点検出領域64に属する画素の信号レベルが所定の階調幅(本実施形態では12bit)を超えるかどうかの判定を行い、その判定結果に従い露光比の設定を修正する。この修正した露光比設定は上記露光制御部38に転送され、該修正した露光比により再度プリ撮像を行う。
なお、露光条件設定部114においては、例えば一方の画像信号に関して、白とびを確認した場合は、第1撮像素子20と第2撮像素子24の露光量の差が縮まるように露光比を変更する。また、両方の画像信号が階調幅に収まっている場合は、第1撮像素子20と第2撮像素子24の露光量の差を広げるように露光比を変更する。両方の画像信号が白とびしている場合は、光量全体を絞るよう制御を行う。これを繰り返すことで、最適な露光条件(露光比設定)を得る。
こうして最適な露光条件を得た後、焦点検出領域補正部116では、第1画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号を抽出し、焦点検出演算部42へ転送する。焦点検出演算部42では、この焦点検出領域64に対応する画像信号に基づき位相差を算出し、焦点検出を行う。
引き続いて、レリーズボタンの第2段階の押し下げで2RSW46をオンすることにより本撮像モードを開始する。
この本撮影モードでは、上記プリ撮像モードと同様に、第1画像信号は、第1A/D86を介してデジタル信号へ変換され、第1画像用バッファ90へ転送される。第2画像信号は、CDS/差動サンプリング、アナログゲインの調整等が行われた後、第2A/D88でデジタル信号に変換され、第2画像用バッファ92へ転送される。また、プリ撮像で求めた露光条件に基づき撮像が行われる。
第1画像用バッファ90に記録された第1画像信号は、焦点検出領域補正部116へ転送され、第2画像用バッファ92に記録された第2画像信号は、焦点検出領域補正部116及び広DR画像生成部96へ転送される。
焦点検出領域補正部116では、マイクロレンズアレイの影響で劣化した第1画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号を、第2画像信号、並びに、上記領域特性記録部110から取得した撮影光学系12及びマイクロレンズアレイ22に関する光学特性データ(F値、解像度MTF)に基づき補正する。この焦点検出領域補正部116における処理の詳細は後述する。
焦点検出領域補正部116において焦点検出領域64に属する画像信号が補正された第1画像信号は、広DR画像生成部96へ転送される。広DR画像生成部96は、この補正された第1画像信号及び上記第2画像信号に対し、所定の信号処理、例えば階調変換処理や強調処理を行った後、両者を合成することにより、一枚の広DR画像を生成し、表示部40及び圧縮部98へ転送する。
表示部40は、転送されてきた広DR画像の画像信号をLCDなどにより表示する。また、圧縮部98は、転送されてきた広DR画像の画像信号に対し所定の圧縮処理、例えば公知のJPEG方式などによる圧縮を行った後、フラッシュメモリ等で構成される出力部52へ転送する。
図10(A)は、領域特性記録部110の構成の一例を示すブロック図であり、該領域特性記録部110は、撮像条件特定部118、領域判定部120、パラメータ選択部122、パラメータ用ROM124、補間部126、及び補正部128からなる。
ここで、上記レンズ駆動部36は、撮像条件特定部118に接続されている。上記露光条件設定部114及び上記焦点検出領域補正部116は、領域判定部120に接続されている。撮像条件特定部118、領域判定部120、及びパラメータ用ROM124は、パラメータ選択部122に接続されている。パラメータ選択部122は、補間部126及び補正部128に接続されている。補間部126は、補正部128に接続されている。補正部128は、上記焦点検出領域補正部116へ接続されている。領域判定部120は、上記露光条件設定部114に接続されている。
この領域特性記録部110は、撮影光学系12及びマイクロレンズアレイ22に関する光学特性データを保持し、外部に接続される処理ユニットから要求される光学特性データを供給する。ここで、光学特性データとしては、撮像領域68の結像に影響する撮影光学系12と、焦点検出領域64の結像に影響する撮影光学系12及びマイクロレンズアレイ22を合成した光学系トータルの光学特性を表すF値、解像度MTFが焦点検出領域64、撮像領域68、及び回折領域66の座標データと共に格納されている。
従って、領域特性記録部110は、他の処理ユニットから入力された注目画素の座標値から領域を特定し、その処理ユニットが露光条件設定部114の場合は、領域の種別を現す領域判定用フラグを供給し、処理ユニットが焦点検出領域補正部116の場合は、焦点検出領域64及び撮像領域68に対応する光学特性データ(F値、解像度MTF)を出力する。
即ち、まず、撮像条件特定部118において、プリ撮像モードで設定された撮影情報(撮影光学系12の焦点距離、絞り径等)が上記レンズ駆動部36より転送され記録される。この撮影情報は、本撮影が終了するまでの間、保持される。
領域判定部120には、焦点検出領域64、撮像領域68、及び回折領域66を示す座標情報が予め記録されており、処理ユニットから入力される座標値に基づき、当該座標が焦点検出領域64、撮像領域68、及び回折領域66の何れに属するかの判定を行う。また、上記座標値の出力元の処理ユニットを表す処理ユニットフラグが設定されるようになっている。従って、上記焦点検出領域補正部116を示す処理ユニットフラグが立っている場合は、この領域特性記録部110は、F値及び解像度MTFをその焦点検出領域補正部116に供給し、上記露光条件設定部114を示す処理ユニットフラグが立っている場合は、判定された領域を表す領域判定用フラグを、その露光条件設定部114に供給する。
次に、上記焦点検出領域補正部116に供給するF値の算出に関して説明する。
即ち、処理ユニットから入力された座標値が焦点検出領域64に属し、フラグが上記焦点検出領域補正部116を示す場合、領域特性記録部110は、撮像領域68に対するF値Fa及び焦点検出領域64に対するF値Fbを算出し、上記焦点検出領域補正部116へ供給する。F値は、焦点距離、有効口径に依存して変化する。レンズの明るさはレンズ透過率にも影響を受けるが、簡略化のため、撮影光学系12とマイクロレンズアレイ22のレンズ透過率は同一と想定し、ここでは考慮しない。また、有効口径と絞り径が一致するものと仮定している。
図11(A)乃至(C)は、このF値の算出に関する説明図である。
図11(A)は、一例として絞り径が2.0mm,4.0mm,8.0mmの場合に対応する、ある焦点検出領域64における、F値をプロットしている。ここで図11(A)に示すように、複数の絞り径に対応したそれぞれのモデルを記録し、各モデルに基づいてF値を算出する構成も可能であるが、処理的に煩雑である。このため図11(B)に示すようなモデルの簡略化を行い、パラメータ用ROM124に記録しておく。
図11(B)においては、最大のF値を与えるモデルを基準F値モデルとして選択し、これを所定数の折れ線で近似する。折れ線の変曲点は、焦点距離fとF値からなる座標データ(fn,Fn)で表す。ここで、nは変曲点の数を示す。また、上記基準F値モデルから他のF値モデルを導出するための係数kSも用意される。係数kSは、各F値モデルと基準F値モデル間から最小自乗法により算出される。基準F値モデルから他のF値モデルを導出するには、上記係数kSを乗算することで行われる。
図11(C)は、図11(B)に示す簡易化されたF値モデルからF値を算出する方法を示す。例えば、与えられた焦点距離fth、絞り径Sに対応するF値を求めることを想定する。まず、焦点距離fthが基準F値モデルのどの区間に属するかを探索する。ここでは、(fn,Fn)と(fn+1,Fn+1)間の区間に属するとする。基準F値モデルにおける基準F値(Fth)を、以下の式(3)に示す線形補間にて求める。
Fth=(Fn+1−Fn)/(fn+1−fn)×(fth−fn)+Fn …(3)
次に、絞り径Sに対応する係数kSを、以下の式(4)に示すように乗算することで、F値を求める。
F=kS・Fth …(4)
パラメータ選択部122は、領域判定部120に設定された焦点検出領域補正部116を示す処理ユニットフラグに従い、撮像条件特定部118から焦点距離fth、絞り径Sを読み込む。次に、焦点距離fthが属する区間の座標データ(fn,Fn)と(fn+1,Fn+1)をパラメータ用ROM124から探索し、これを補間部126へ転送する。さらに、絞り径Sに対応する係数kSをパラメータ用ROM124から探索し、これを補正部128へ転送する。補間部126は、パラメータ選択部122からの焦点距離fth及び区間の座標データ(fn,Fn)と(fn+1,Fn+1)から上記式(3)に基づき基準F値モデルにおける基準F値Fthを算出し、補正部128へ転送する。
補正部128は、パラメータ選択部122からの係数kS及び補間部126からの基準F値Fthから、上記式(4)に基づきF値を算出し、注目画素のF値として、焦点検出領域補正部116へ供給する。
なお、この場合、パラメータ用ROM124には、撮影光学系12とマイクロレンズアレイ22との合成光学系に対する基準F値モデルと、撮影光学系12のみに対する基準F値モデルとの2種類の基準F値モデルが記録されており、それぞれに関して処理を行うことで、上記注目画素に対しては、撮像領域68に対するF値Faと焦点検出領域64に対するF値Fbとが算出されて、焦点検出領域補正部116へ供給されることとなる。
次に、焦点検出領域補正部116に供給する解像度MTFの算出に関して説明する。
即ち、処理ユニットから入力された座標値が焦点検出領域64に属し、フラグが上記焦点検出領域補正部116を示す場合、領域特性記録部110は、焦点検出領域64及び撮像領域68に対する解像度MTFを算出し、上記焦点検出領域補正部116へ供給する。解像度MTFは、焦点距離、有効口径に依存して変化する。解像度MTFは一般に、撮影光学系12の光軸を中心とした像高に応じて変化するが、ここでは簡略化のため、各領域の重心における値を代表値とし、各領域に属する座標に対する解像度MTFは領域重心における解像度MTFで表すものとしている。また、有効口径と絞り径が一致するものと仮定している。解像度MTFは、実測、または光線追跡等のシミュレーションにより、焦点検出領域64及び撮像領域68に対しそれぞれ算出し、予めパラメータ用ROM124に記録しておく。
図12(A)乃至(C)は、解像度MTFの算出に関する説明図である。
図12(A)は、一例として絞り径が2.0mm,4.0mm,8.0mmの場合に対応する、ある焦点検出領域64の重心座標上における、解像度MTFをプロットしている。ここで図12(A)に示すように、複数の絞り径に対応したそれぞれのモデルを記録し、各モデルに基づいて解像度MTFを算出する構成も可能であるが処理的に煩雑である。このため、図12(B)に示すようなモデルの簡略化を行い、パラメータ用ROM124に記録しておく。
図12(B)においては、最大の解像度MTFを与えるモデルを基準MTFモデルとして選択し、これを所定数の折れ線で近似する。折れ線の変曲点は、焦点距離(f)と解像度MTFからなる座標データ(fn,MTFn)で表す。ここで、nは変曲点の数を示す。また、上記基準MTFモデルから他のMTFモデルを導出するための係数kSも用意される。係数kSは、各MTFモデルと基準MTFモデル間から最小自乗法により算出される。基準MTFモデルから他のMTFモデルを導出するには、上記係数kSを乗算することで行われる。
図12(C)は、図12(B)に示す簡易化されたMTFモデルから解像度MTFを算出する方法を示す。例えば、与えられた焦点距離fth、絞り径Sに対応する解像度MTFを求めることを想定する。まず、焦点距離fthが基準MTFモデルのどの区間に属するかを探索する。ここでは、(fn,MTFn)と(fn+1,MTFn+1)間の区間に属するとする。基準MTFモデルにおける基準MTF(MTFth)を、以下の式(5)に示す線形補間にて求める。
MTFth=(MTFn+1−MTFn)/(fn+1−fn)×(fth−fn)+MTFn …(5)
次に、絞り径Sに対応する係数kSを、以下の式(6)に示すように乗算することで、解像度MTFを求める。
MTF=kS・MTFth …(6)
パラメータ選択部122は、領域判定部120に設定された焦点検出領域補正部116を示すフラグに従い、撮像条件特定部118から焦点距離fth、絞り径Sを読み込む。次に、焦点距離fthが属する区間の座標データ(fn,MTFn)と(fn+1,MTFn+1)をパラメータ用ROM124から探索し、これを補間部126へ転送する。さらに、絞り径Sに対応する係数kSをパラメータ用ROM124から探索し、これを補正部128へ転送する。補間部126は、パラメータ選択部122からの焦点距離fth及び区間の座標データ(fn,MTFn)と(fn+1,MTFn+1)から、上記式(5)に基づき基準MTFモデルにおける基準MTF(MTFth)を算出し、補正部128へ転送する。
補正部128はパラメータ選択部122からの係数kS及び補間部126からの基準MTF(MTFth)から、上記式(6)に基づき解像度MTFを算出し、注目画素の解像度MTFとして、焦点検出領域補正部116へ供給する。
なお、この場合、パラメータ用ROM124には、焦点検出領域64に対する基準MTFモデルと、撮像領域68に対する基準MTFモデルとの2種類の基準MTFモデルが記録されており、それぞれに関して処理を行うことで、上記注目画素に対しては、撮像領域68に対する解像度MTFaと焦点検出領域64に対する解像度MTFbとが算出されて、焦点検出領域補正部116へ供給されることとなる。
次に、上記焦点検出領域補正部116について説明する。
図10(B)は、この焦点検出領域補正部116の構成の一例を示すブロック図であり、該焦点検出領域補正部116は、図5に示した焦点検出領域補正部94における焦点領域置換部106を焦点領域補正・置換部130に置換した構成となっている。基本構成は上記焦点検出領域補正部94と同等であり、同一の構成には同一の名称と参照符号を割り当てている。以下、異なる部分のみを説明する。
焦点領域抽出部104及び焦点領域乗算部102は、焦点領域補正・置換部130に接続されている。焦点領域補正・置換部130は、回折領域補正部108に接続されている。該焦点検出領域補正部116を構成する全ての処理ユニットは、上記領域特性記録部110と双方向に接続されている。
図10(B)において、信号の流れを説明する。
プリ撮像モードにおける動作は、上記第1実施形態における焦点検出領域補正部94と同様に行われる。
本撮像モードにおいては、マイクロレンズアレイ22の影響で劣化した第1画像信号の焦点検出領域64及び回折領域66に属する画像信号に対して、第2画像信号と、上記領域特性記録部110から取得した光学特性データ(F値、解像度MTF)とに基づく補正処理を行う。
即ち、まず、第1画像信号が上記第1画像用バッファ90から画像間信号比算出部100及び焦点領域乗算部102へ転送される。本撮像モードにおいては、第1画像信号は、焦点領域抽出部104をスルーし、焦点領域補正・置換部130へ転送される。
画像間信号比算出部100及び焦点領域乗算部102は、上記第1実施形態における焦点検出領域補正部94と同様の処理により、第1画像信号と第2画像信号との回折領域66に隣接する座標に属する画素の信号レベルの比を算出し、これを第2画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号に乗算し、焦点領域補正・置換部130へ転送する。
ところで、第1撮像素子20の素子面上の焦点検出領域64面と撮像領域68面に照射される単位面積あたりの光量は、前者がマイクロレンズアレイ22の影響を受け、撮影光学系12とのトータルな光学性能(F値)が異なるため、領域毎に明るさが均一でない。そのため焦点領域補正・置換部130では、焦点検出領域64と撮像領域68とで信号レベルが同一となるよう、第1画像信号の焦点検出領域64における信号レベルに対し、F値から推定した光量比に基づく、第1の補正処理を行う。
まず、注目画素の座標値を領域特性記録部110に転送し、上述のように、領域情報を参照することで注目画素が属する領域を特定する。焦点検出領域64に属する場合は、上述のようにして撮影光学系12のF値Fa、及び撮影光学系12とマイクロレンズアレイ22との合成光学系としてのF値Fbを取得する。
撮像領域68、焦点検出領域64における単位面積当たりの光量La、Lbは、以下の式(7)のように定義可能である。但し、ここで、Kfは所定の係数である。
La=Kf/(Fa)^2,
Lb=Kf/(Fb)^2 …(7)
従って、焦点検出領域64における、撮像領域68に対する光量比Labは、以下の式(8)で示される。
Lab=Lb/La=(Fa/Fb)^2 …(8)
即ち、第1画像信号の焦点検出領域64における画素信号レベルに対しては、上記式(8)に示されるLabを乗算することで、撮像領域68と焦点検出領域64における信号レベルが均一となるよう補正される。撮像領域68に属する画素に対する補正は行わない。
また、第1撮像素子20の素子面上の焦点検出領域64と撮像領域68における解像度MTFは、前者がマイクロレンズアレイ22の影響を受け、撮影光学系12とのトータルな光学性能が異なるため、領域毎に解像度MTFが均一でない。そのため、焦点領域補正・置換部130では、領域毎に解像感のバランスが取れるよう、第1画像信号の焦点検出領域64及び撮像領域68に属する画像信号に対し、領域毎の解像度MTFに基づく、鮮鋭化処理を行う。
まず、注目画素の座標値を領域特性記録部110に転送し、上述のように、領域情報を参照することで注目画素が属する領域を特定する。焦点検出領域64に属する場合は、上述のようにして撮像領域68及び焦点検出領域64に対応する各解像度MTF(MTFa,MTFb)を取得する。
次に画像全体で、公知のエッジ検出処理、例えばラプラシアンやSobel等の一般的なエッジ検出オペレータによりエッジ信号Egを抽出する。焦点検出領域64に属する画素に関するエッジ信号Egに対しては、以下の式(9)に従い補正処理を行う。但し、ここで、Eg’は焦点検出領域における補正後のエッジ信号、Keは所定の係数である。
Eg’=Eg*Ke/(MTFb/MTFa) …(9)
抽出したエッジ信号Eg(焦点検出領域64においてはEg’)を第1画像信号に加算することで鮮鋭化処理を行う。
次に、第1の補正後の第1画像信号に対して、更に、焦点領域乗算部102からの第2画像信号に基づく第2の補正処理を行う。ここでは、第1の補正後の第1画像信号及び焦点領域乗算部102からの第2画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号に関して、各画像信号の同座標上に位置する画素それぞれの信号レベルについて平均を取り、これを第1画像信号に対する焦点検出領域64における最終的な補正結果とする。この第2の補正後の第1画像信号は、回折領域補正部108へ転送される。
回折領域補正部108では、回折領域66に属する画素値に対し、上記第1実施形態と同様の処理により、回折領域66周辺の焦点検出領域64及び撮像領域68に属する画素値に基づいて、公知の補間処理により補間する。補間後の画像信号は、上記広DR画像生成部96へ転送される。
なお、本第2実施形態では、ハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要は無い。
例えば、第1撮像素子20及び第2撮像素子24からの信号を未処理のままRAWデータとして、光学特性、撮影情報をヘッダ情報として付加して出力し、別途ソフトウェアにて処理する構成も可能である。
図7(B)は、そのような信号処理のソフトウェア処理に関するフローチャートを示す図である。なお、図7(A)に示す第1実施形態における信号処理のフローチャートと同一な処理に関しては、同一な処理ステップを割り当てている。
まず、第1画像信号及び第2画像信号と、それらのヘッダ情報を読み込み、メモリ等に記録する(ステップS10)。また、焦点検出領域64、撮像領域68、及び回折領域66に関する座標情報、並びに光学特性を読み込み、メモリ等に記録する(ステップS26)。
そして、第1画像信号、第2画像信号の撮像領域68に属し、回折領域66に隣接する画素を比較し、画像間信号比を算出する(ステップS14)。その後、第2画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号より、上記ステップS14にて算出した画像間信号比に基づき、第1画像信号の焦点検出領域64に対応する画像信号を推定する(ステップS16)。
次に、領域特性記録部110から取得したF値に基づき、第1画像信号の焦点検出領域64及び撮像領域68における光量比を算出する(ステップS28)。そして、この算出した光量比に基づき、第1画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号の補正を行い(ステップS30)、更に、その補正した第1画像信号に対し、領域特性記録部110から取得した領域毎の解像度MTFに基づく鮮鋭化処理を行う(ステップS32)。そして、こうして補正した第1画像信号に対し、上記ステップS16にて推定した第2画像信号に基づく補正を行う(ステップS34)。
その後、第1画像信号の回折領域66に属する画像信号を、焦点検出領域64及び撮像領域68に属する画素に基づき補正する(ステップS20)。そして、その補正した第1画像信号と第2画像信号を合成し、広DR画像を生成する(ステップS22)。最後に、この生成した広DR画像を出力して(ステップS24)、処理を終了する。
以上のように、本第2実施形態によれば、マイクロレンズアレイ領域62に対応する画像信号を適正な露光条件に基づき得ることができ、高精度な焦点検出及び画質劣化の補正処理が可能となる。
[第3実施形態]
次に、上記第2実施形態の変形例に相当する本発明の第3実施形態について説明する。
図13は、第3実施形態に係る撮像システムの信号処理系に関する構成図である。本実施形態においては、図8に示す第2実施形態における第2撮像素子24を第2カラー撮像素子132に、信号処理部112を信号処理部134へ置換した構成となっている。基本構成は上記第2実施形態と同等であり、よって、同一の構成には同一の名称と参照符号を割り当てている。以下、異なる部分のみを説明する。
即ち、本実施形態においては、露光制御部38は、第2カラー撮像素子132に接続されている。第1撮像素子20及び第2カラー撮像素子132は、信号処理部134へ接続されている。
ここで、第2カラー撮像素子132は、R,G,B原色系のフィルタアレイを前面に配置したフルカラー用撮像素子であり、単板方式、複数板方式の何れでも良い。第1撮像素子20及び第2カラー撮像素子132は、露光制御部38により設定された露光条件に基づき撮像を行い、前者により撮像したモノクロ画像信号(以下、第1画像信号)及び後者により撮像した単板のカラー画像信号(以下、第2カラー画像信号)が信号処理部134へ転送され、領域特性記録部110に記録された各領域(焦点検出領域64、撮像領域68、及び回折領域66)の座標情報に基づき信号処理がなされる。
即ち、まず、プリ撮像モードにおいて、上記第2実施形態と同様の手法により、設定した露光条件(露光比設定)及び焦点検出データは、それぞれ露光制御部38及び焦点検出演算部42へ転送される。そして、本撮像モードにおいて、信号処理部134では、第1画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号を第2カラー画像信号に基づき補正し、補正した第1画像信号と第2カラー信号とから広DR画像を生成し、表示部40及び出力部52へ転送する。この信号処理部134における処理の詳細は後述する。
図14は、上記信号処理部134の構成の一例をブロック図であり、該信号処理部134は、図9に示した上記信号処理部112の構成において、広DR画像生成部96が広DR画像生成部136へ置換され、補間部138、YC分離部140、及びYC合成部142が追加された構成となっている。基本構成は上記信号処理部112と同等であり、同一の構成には同一の名称と参照符号を割り当てている。以下、異なる部分のみを説明する。
上記第2カラー撮像素子132は、第2A/D88に接続されている。第2画像用バッファ92は、補間部138へ接続されている。補間部138は、YC分離部140へ接続されている。YC分離部140は、焦点検出領域補正部116、広DR画像生成部136、及びYC合成部142へ接続されている。焦点検出領域補正部116は、広DR画像生成部136へ接続されている。広DR画像生成部136は、YC合成部142へ接続されている。YC合成部142は、表示部40及び圧縮部98へ接続されている。
このような構成の信号処理部134は、プリ撮像モードでは、上記第2実施形態と同様の動作を行う。
そして、本撮像モードにおいては、第2カラー撮像素子132で電気信号に変換された画像信号は、CSD/差動サンプリング、アナログゲインの調整等が行われた後、第2A/D88でデジタル信号に変換され、第2画像用バッファ92へ記憶される。補間部138では、この第2画像用バッファ92に記憶されている単板状態の画像信号を読み込み、公知の補間処理、ホワイトバランス処理、強調処理等を行うことにより三板状態の信号を生成し、YC分離部140へ転送する。YC分離部140では、以下の式(10)に従い、輝度信号Yと色差信号Cに分離し、輝度信号Yを焦点検出領域補正部116へ、輝度信号Yと色差信号Cを広DR画像生成部136へ転送する。
Y=0.29900R+0.58700G+0.11400B
Cb=−0.16874R−0.33126G+0.50000B
Cr=0.50000R−0.41869G−0.08131B …(10)
また、焦点検出領域補正部116は、上記第2実施形態と同様の手法により、第1画像信号の補正を行う。ただし、上記第2実施形態では、第2画像用バッファ92からの第2画像信号に基づき補正を行ったが、本実施形態では、これをYC分離部140で分離した輝度信号Yに置き換え、該輝度信号Yに基づいた補正を行う。補正後の第1画像信号は、広DR画像生成部136へ転送される。
広DR画像生成部136は、焦点検出領域補正部116から転送された第1画像信号と、YC分離部140から転送された輝度信号Yとに基づき、輝度成分に関する一枚の広DR画像を生成し、YC合成部142へ転送する。この広DR画像生成部136おける処理の詳細は後述する。
YC合成部142は、広DR画像生成部136から転送された輝度信号Yと、YC分離部140から転送された色差信号Cとを、以下の式(11)に従いRGB画像信号に変換した後、表示部40及び圧縮部98へ転送する。
R=Y+1.40200Cr
G=Y−0.34414Cb−0.71414Cr
B=Y+1.77200Cb …(11)
表示部40は、転送されてきた広DR画像の画像信号をLCDなどにより表示する。また、圧縮部98は、転送されてきた広DR画像の画像信号に対し所定の圧縮処理、例えば公知のJPEG方式などによる圧縮を行った後、フラッシュメモリ等で構成される出力部52へ転送する。
図15(A)は、上記広DR画像生成部136の構成の一例を示すブロック図であり、該広DR画像生成部136は、適正露光抽出部144、変換特性算出部146、輝度補正部148、作業用バッファ150、及び輝度合成部152から成る。
ここで、上記焦点検出領域補正部116及び上記YC分離部140は、適正露光抽出部144に接続されている。適正露光抽出部144は、変換特性算出部146及び輝度補正部148に接続されている。輝度補正部148は、作業用バッファ150を介して輝度合成部152へ接続されている。輝度合成部152は、上記YC合成部142へ接続されている。
図15(A)において、信号の流れを説明する。
上記焦点検出領域補正部116からの第1画像信号(モノクロ)及び上記YC分離部140で分離された第2画像信号(輝度信号Y)は、適正露光抽出部144へ順次転送される。
適正露光抽出部144は、第1画像信号及び第2画像信号(輝度信号Y)のうち、上記露光条件設定部114において設定された露光比の大きい方の画像(以下、長時間露光画像)に基づいて画像信号中の露光オーバーとなる領域を抽出し、これ以外の領域を適正露光域として、該適正露光域に属する信号を変換特性算出部146及び輝度補正部148へ転送する。
更に、適正露光抽出部144は、露光比の小さい方の画像(以下、短時間露光画像)における、上記長時間露光画像の露光オーバーとなる領域に対応する領域に属する信号を、上記適正露光域に属する信号として、変換特性算出部146及び輝度補正部148へ転送する。
変換特性算出部146においては、まず、長時間露光画像の適正露光域の輝度信号Yに対し、エッジ検出を行う。具体的には、例えばラプラシアンやSobel等の一般的なエッジ検出オペレータによるフィルタ出力が所定の閾値以上であれば、参照位置にはエッジが存在するとし、そうでない場合にはエッジでは無いとする2値情報を出力する。
次に、そのエッジ検出結果に基づき、エッジを構成する画素やその近傍画素について、輝度レベルに対する出現頻度を示すエッジヒストグラムを算出する。
そして、その算出したエッジヒストグラムを積分するなどにより、累積エッジヒストグラムに変換し、さらにエッジヒストグラムをガウシアンカーネル等を用いてコンボリューションすることにより目標ヒストグラムを生成し、これら累積エッジヒストグラムと目標ヒストグラムとを用いて階調補正特性となるトーンカーブを算出する。
輝度補正部148は、この変換特性算出部146により生成されたトーンカーブを用いて、長/短時間露光画像の輝度信号(第1画像信号(モノクロ)及び第2画像信号(輝度信号Y))を変換し、作業用バッファ150へ順次転送する。
輝度合成部152は、適正露光抽出部144からの情報を参照し、作業用バッファ150に記憶されている階調変換後の長時間露光画像と階調変換後の短時間露光画像とを読み出して合成することにより、輝度成分に関する一枚の広DR画像を生成し、上記YC合成部142へ転送する。
なお、本第3実施形態では、ハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要は無い。
例えば、第1撮像素子20及び第2カラー撮像素子132からの信号を未処理のままRAWデータとして、光学特性、撮影情報をヘッダ情報として付加して出力し、別途ソフトウェアにて処理する構成も可能である。
図16(A)は、そのような信号処理のソフトウェア処理に関するフローチャートを示す図である。なお、図7(B)に示す第2実施形態における信号処理のフローチャートと同一な処理に関しては、同一な処理ステップを割り当てている。
まず、第1画像信号及び単板の第2カラー画像信号と、それらのヘッダ情報を読み込み、メモリ等に記録する(ステップS10)。また、焦点検出領域64、撮像領域68、及び回折領域66に関する座標情報、並びに光学特性を読み込み、メモリ等に記録する(ステップS26)。
そして、第2カラー画像信号に対する補間処理により三板の画像信号を生成し(ステップS36)、この生成した三板の第2カラー画像信号を輝度信号Yと色差信号Cに分離する(ステップS38)。
次に、第1画像信号、第2カラー画像信号(輝度信号Y)の撮像領域68に属し、回折領域66に隣接する画素を比較し、画像間信号比を算出する(ステップS14)。その後、第2カラー画像信号(輝度信号Y)の焦点検出領域64に属する画像信号より、上記ステップS14にて算出した画像間信号比に基づき、第1画像信号の焦点検出領域64に対応する画像信号を推定する(ステップS16)。
次に、領域特性記録部110から取得したF値に基づき、第1画像信号の焦点検出領域64及び撮像領域68における光量比を算出する(ステップS28)。そして、この算出した光量比に基づき、第1画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号の補正を行い(ステップS30)、更に、その補正した第1画像信号に対し、領域特性記録部110から取得した領域毎の解像度MTFに基づく鮮鋭化処理を行う(ステップS32)。そして、こうして補正した第1画像信号に対し、上記ステップS16にて推定した第2カラー画像信号(輝度信号Y)に基づく補正を行う(ステップS34)。
その後、第1画像信号の回折領域66に属する画像信号を、焦点検出領域64及び撮像領域68に属する画素に基づき補正する(ステップS20)。そして、その補正した第1画像信号と第2カラー画像信号(輝度信号Y)を合成し、輝度信号に関する広DR画像を生成する(ステップS22)。その後、この生成した輝度信号に関する広DR画像と上記ステップS38で分離した色差信号Cとを合成して、RGBカラーの広DR画像に変換する(ステップS40)。そして、この変換したRGBカラーの広DR画像を出力して(ステップS24)、処理を終了する。
以上のように、本第3実施形態によれば、モノクロ画像信号を出力する撮像素子とカラー画像信号を出力する撮像素子の併用が可能となる。
[第4実施形態]
次に、上記第3実施形態の変形例に相当する本発明の第4実施形態について説明する。
図17は、第4実施形態に係る撮像システムの信号処理系に関する構成図である。本実施形態においては、図13に示す第3実施形態における第1撮像素子20を第1カラー撮像素子154へ、また、信号処理部134を信号処理部156へ置換した構成となっている。基本構成は上記第3実施形態と同等であり、よって、同一の構成には同一の名称と参照符号を割り当てている。以下、異なる部分のみを説明する。
即ち、本実施形態においては、露光制御部38は、第1カラー撮像素子154及び第2カラー撮像素子132に接続されている。第1カラー撮像素子154及び第2カラー撮像素子132は、信号処理部156へ接続されている。
ここで、第1カラー撮像素子154は、R,G,B原色系のフィルタアレイを前面に配置したフルカラー用撮像素子であり、単板方式、複数板方式のいずれでも良い。また、該第1カラー撮像素子154の素子面上には、第1撮像素子20と同様にマイクロレンズアレイ22が形成されており、第1撮像素子20と同様な手法により焦点検出演算用の画像信号を得ることができる。
第1カラー撮像素子154及び第2カラー撮像素子132は、露光制御部38により設定された露光条件に基づき撮像を行い、前者により撮像した単板のカラー画像信号(以下、第1カラー画像信号)及び後者により撮像した単板のカラー画像信号(以下、第2カラー画像信号)が信号処理部156へ転送され、領域特性記録部110に記録された各領域(焦点検出領域64、撮像領域68、及び回折領域66)の座標情報に基づき信号処理がなされる。
即ち、まず、プリ撮像モードにおいて、信号処理部134では、上記第2実施形態と同様の手法により、設定した露光条件(露光比設定)及び焦点検出データは、それぞれ露光制御部38及び焦点検出演算部42へ転送される。そして、本撮像モードにおいて、信号処理部134では、第1カラー画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号を第2カラー画像信号に基づき補正し、補正した第1カラー画像信号と第2カラー画像信号とから広DR画像を生成し、表示部40及び出力部52へ転送する。この信号処理部134における処理の詳細は後述する。
図18は、上記信号処理部156の構成の一例をブロック図であり、該信号処理部156は、図14に示した信号処理部134の構成において、YC分離部140、及びYC合成部142を削除し、焦点検出領域補正部116を焦点検出領域補正部158に、また広DR画像生成部136を広DR画像生成部160に置換し、焦点領域抽出部162及び補間部164を追加した構成となっている。基本構成は上記信号処理部134と同等であり、同一の構成には同一の名称と参照符号を割り当てている。以下、異なる部分のみを説明する。
上記第1カラー撮像素子154は、第1A/D86に接続されている。第1画像用バッファ90は、露光条件設定部114及び焦点領域抽出部162へ接続されている。焦点領域抽出部162は、上記焦点検出演算部42及び補間部164に接続されている。上記領域特性記録部110は、焦点領域抽出部162及び焦点検出領域補正部158と双方向に接続されている。補間部164及び補間部138は、焦点検出領域補正部158に接続されている。焦点検出領域補正部158は、広DR画像生成部160に接続されている。広DR画像生成部160は、表示部40及び圧縮部98に接続されている。
プリ撮像モードにおいては、上記第1カラー撮像素子154で電気信号に変換された画像信号は、CSD/差動サンプリング、アナログゲインの調整等が行われた後、第1A/D603でデジタル信号に変換され、第1画像用バッファ90へ記憶される。
そして、上記第3実施形態と同様の処理に基づき、露光条件設定部114において露光条件(露光比設定)を設定する。ただし、上記第3実施形態における第1画像信号及び第2カラー画像信号に代わり、第1カラー画像信号及び第2カラー画像信号に基づき露光条件を設定する。
焦点領域抽出部162では、上記領域特性記録部110から座標値に基づき、領域判定用フラグを取得することで焦点検出領域64を特定し、第1画像用バッファ90から転送された第1カラー画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号を抽出し、上記焦点検出演算部42へ転送する。
続いて、本撮像モードにおいては、プリ撮像モードで設定された撮影条件に基づき、第1カラー撮像素子154で撮像された単板の第1カラー画像信号は第1画像用バッファ90へ記憶された後、焦点領域抽出部162をスルーして補間部164に転送される。
補間部164では、第1画像用バッファ90に記憶されている単板状態の画像信号を読み込み、公知の補間処理、ホワイトバランス処理、強調処理等を行うことにより三板状態の信号を生成し、焦点検出領域補正部158へ転送する。この補間部164の処理は、補間部138と同様であり、補間部138の処理と共通化する構成も可能である。
焦点検出領域補正部158は、上記第3実施形態と同様の手法により、第1カラー画像信号の補正を行う。ただし、上記第3実施形態における焦点検出領域補正部116では、第1画像信号(モノクロ)に対し、光学特性及び第2画像信号(輝度信号Y)に基づく補正を行ったが、本実施形態においては、第1画像信号(モノクロ)及び第2画像信号(輝度信号Y)をそれぞれ補間部164で生成した第1カラー画像信号(三板)及び補間部138で生成した第2カラー画像信号(三板)に置き換え、焦点検出領域補正部158は、それら各色信号に対し、独立に処理を行う。補正後の第1カラー画像信号は、広DR画像生成部160へ転送される。
広DR画像生成部160は、焦点検出領域補正部158から転送された第1カラー画像信号と、補間部138から転送された第2カラー画像信号とに基づき、一枚の広DR画像を生成し、表示部40及び圧縮部98へ転送する。広DR画像生成部160における処理の詳細は後述する。
表示部40は、転送されてきた広DR画像の画像信号をLCDなどにより表示する。また、圧縮部98は、転送されてきた広DR画像の画像信号に対し所定の圧縮処理、例えば公知のJPEG方式などによる圧縮を行った後、フラッシュメモリ等で構成される出力部52へ転送する。
図15(B)は、上記広DR画像生成部160の構成の一例を示すブロック図であり、図15(A)に示す広DR画像生成部136の構成において、作業用バッファ150及び輝度合成部152を削除し、Y/C分離部166、色差補正部168、Y/C合成部170、作業用バッファ172、及び画像合成部174を追加した構成となっている。基本構成は、上記広DR画像生成部136と同等であり、同一の構成には同一の名称と参照符号を割り当てている。以下、異なる部分のみを説明する。
上記補間部138及び上記焦点検出領域補正部158は、Y/C分離部166に接続されている。Y/C分離部166は、適正露光抽出部144及び色差補正部168に接続されている。適正露光抽出部144及び輝度補正部148は、色差補正部168へ接続されている。色差補正部168は、Y/C合成部170へ接続されている。Y/C合成部170は、作業用バッファ172に接続されている。適正露光抽出部144及び作業用バッファ172は、画像合成部174へ接続されている。画像合成部174は、上記圧縮部98及び上記表示部40へ接続されている。
図15(B)において、信号の流れを説明する。
上記焦点検出領域補正部158からの第1カラー画像信号及び上記補間部138からの第2画像信号は、Y/C分離部166へ順次転送される。Y/C分離部166では、上記式(10)に従い、輝度信号Yと色差信号Cに分離し、輝度信号Yを適正露光抽出部144へ、輝度信号Y及び色差信号Cを色差補正部168へ転送する。
適正露光抽出部144は、第1カラー画像信号(輝度信号Y)及び第2カラー画像信号(輝度信号Y)のうち、上記露光条件設定部114において設定された露光比の大きい方の画像、即ち長時間露光画像に基づいて画像信号中の露光オーバーとなる領域を抽出し、これ以外の領域を適正露光域として、該適正露光域に属する信号を変換特性算出部146及び輝度補正部148へ転送する。
更に、適正露光抽出部144は、露光比の小さい方の画像、即ち短時間露光画像における、上記長時間露光画像の露光オーバーとなる領域に対応する領域に属する信号を、上記適正露光域に属する信号として、変換特性算出部146及び輝度補正部148へ転送する。
変換特性算出部146においては、まず、長時間露光画像の適正露光域の輝度信号Yに対し、エッジ検出を行う。具体的には、例えばラプラシアンやSobel等の一般的なエッジ検出オペレータによるフィルタ出力が所定の閾値以上であれば、参照位置にはエッジが存在するとし、そうでない場合にはエッジではないとする2値情報を出力する。
次に、そのエッジ検出結果に基づき、エッジを構成する画素やその近傍画素について、輝度レベルに対する出現頻度を示すエッジヒストグラムを算出する。
そして、その算出したエッジヒストグラムを積分するなどにより、累積エッジヒストグラムに変換し、さらにエッジヒストグラムをガウシアンカーネル等を用いてコンボリューションすることにより目標ヒストグラムを生成し、これら累積エッジヒストグラムと目標ヒストグラムとを用いて階調補正特性となるトーンカーブを算出する。
輝度補正部148は、この変換特性算出部146により生成されたトーンカーブを用いて、長/短時間露光画像の輝度信号(第1カラー画像信号(輝度信号Y)及び第2カラー画像信号(輝度信号Y))を変換し、Y/C合成部170へ順次転送する。
また、色差補正部168は、Y/C分離部166から変換前の各画像の輝度信号Yを、輝度補正部148から変換後の各画像の輝度信号Yを、適正露光抽出部144から補正すべき領域情報をそれぞれ受け取り、これらに加えてさらに色の存在し得る理論限界モデルを用いて、色差信号を補正するための補正係数を算出し、この補正係数を上記Y/C分離部166からの各画像の変換前の色差信号Cに乗算することにより、色差信号Cを補正し、Y/C合成部170へ転送する。
Y/C合成部170は、輝度補正部148及び色差補正部168から転送された第1カラー画像信号及び第2カラー画像信号のそれぞれの輝度信号Y及び色差信号Cに対して、上記式(11)に従いRGB画像信号に変換した後、作業用バッファ172へ転送する。
画像合成部174は、適正露光抽出部144からの領域情報を参照し、作業用バッファ172に記憶されている階調変換後の長時間露光画像と階調変換後の短時間露光画像とを読み出して合成することにより、一枚の広DR画像を生成し、表示部40及び圧縮部98へ転送する。
なお、本第4実施形態では、ハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要は無い。
例えば、第1カラー撮像素子154及び第2カラー撮像素子132からの信号を未処理のままRAWデータとして、光学特性、撮影情報をヘッダ情報として付加して出力し、別途ソフトウェアにて処理する構成も可能である。
図16(B)は、そのような信号処理のソフトウェア処理に関するフローチャートを示す図である。なお、図16(A)に示す第3実施形態における信号処理のフローチャートと同一な処理に関しては、同一な処理ステップを割り当てている。
まず、単板の第1カラー画像信号及び単板の第2カラー画像信号と、それらのヘッダ情報を読み込み、メモリ等に記録する(ステップS10)。また、焦点検出領域64、撮像領域68、及び回折領域66に関する座標情報、並びに光学特性を読み込み、メモリ等に記録する(ステップS26)。
そして、第1カラー画像信号に対する補間処理により三板の画像信号を生成し(ステップS42)、また、第2カラー画像信号に対する補間処理により三板の画像信号を生成し(ステップS36)。
次に、第1カラー画像信号、第2カラー画像信号の撮像領域68に属し、回折領域66に隣接する画素を比較し、画像間信号比を算出する(ステップS14)。その後、第2カラー画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号より、上記ステップS14にて算出した画像間信号比に基づき、第1カラー画像信号の焦点検出領域64に対応する画像信号を推定する(ステップS16)。
次に、領域特性記録部110から取得したF値に基づき、第1カラー画像信号の焦点検出領域64及び撮像領域68における光量比を算出する(ステップS28)。そして、この算出した光量比に基づき、第1カラー画像信号の焦点検出領域64に属する画像信号の補正を行い(ステップS30)、更に、その補正した第1カラー画像信号に対し、領域特性記録部110から取得した領域毎の解像度MTFに基づく鮮鋭化処理を行う(ステップS32)。そして、こうして補正した第1カラー画像信号に対し、上記ステップS16にて推定した第2カラー画像信号に基づく補正を行う(ステップS34)。
その後、第1カラー画像信号の回折領域66に属する画像信号を、焦点検出領域64及び撮像領域68に属する画素に基づき補正する(ステップS20)。そして、その補正した第1カラー画像信号と第2カラー画像信号を適正露光領域に基づき合成し、広DR画像を生成する(ステップS44)。その後、この生成した広DR画像の画像信号を出力して(ステップS24)、処理を終了する。
以上のように、本第4実施形態によれば、カラー画像信号に対する処理が可能となる。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
例えば、上記実施形態においては、回折領域補正部108にて、回折領域66内に属する画素に関して、回折領域66周辺の焦点検出領域64及び撮像領域68に属する画素値に基づいて補間しているが、回折領域66内画素に関して撮像領域68内画素と同様の処理を施した後、周辺に位置する焦点検出領域64及び撮像領域68内画素に基づき、例えば平均を取るなどの補正処理を行う構成としても良い。
また、領域特性記録部54,110には、焦点検出領域64、撮像領域68、回折領域66を表す座標情報が記録されており、座標値に基づき座標の属する領域が特定可能であるが、回折領域66のみの座標情報を記録しておき、領域の特定に際しては、回折領域66内に属する座標値に関しては撮像領域68、回折領域外側に属する座標値に関しては撮像領域68とする判定手段を設ける構成としても良い。
逆に、焦点検出領域64及び撮像領域68のみを記録しておき、各領域に属さない座標値を回折領域66とする判定手段を設ける構成としても良い。
また、回折領域66を焦点検出領域64、または撮像領域68の何れかの領域と併合し、回折領域66に関する処理(回折領域補正部108等)を削除する構成としても良い。
(付記)
前記の具体的実施形態から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
(1) 撮影光学系と、
上記撮影光学系を通過した被写体光束を複数の光束に分割する光束分割手段と、
上記光束分割手段からの複数の被写体光束を結像するように配置された複数の撮像素子群と、
上記撮像素子群のうちの一つの撮像素子の素子面上の所定の領域上に形成され、上記光束分割手段からの光束の一つを瞳分割し、上記領域上に結像させる瞳分割レンズ群と、
上記撮像素子群のそれぞれの撮影条件を変えて撮像を行うよう制御する撮影制御手段と、
上記瞳分割レンズ群が形成された撮像素子によって得られた上記領域に対応する画像信号に対し、上記撮影制御手段による制御に従って撮像された複数の画像信号に基づき補正を行う補正手段と、
上記補正手段による上記補正処理前の画像信号または上記補正処理後の画像信号に基づいて、焦点検出を行う焦点検出手段と、
上記撮影制御手段による制御に従って撮像された、上記補正後の画像信号を含む複数の画像信号から一枚の画像を合成する合成手段と、
を具備することを特徴とする撮像システム。
(対応する実施形態)
この(1)に記載の撮像システムに関する実施形態は、第1乃至第4実施形態が対応する。
それらの実施形態において、撮影光学系12が上記撮影光学系に、プリズム系18が上記光束分割手段に、第1撮像素子20、第2撮像素子24、第1カラー撮像素子154、第2カラー撮像素子132が上記複数の撮像素子群に、マイクロレンズアレイ領域62が上記所定の領域に、マイクロレンズアレイ22が上記瞳分割レンズ群に、露光制御部38が上記撮影制御手段に、焦点検出領域補正部94、焦点検出領域補正部116、焦点検出領域補正部158が上記補正手段に、焦点検出演算部42が上記焦点検出手段に、広DR画像生成部96、広DR画像生成部136、広DR画像生成部160が上記合成手段に、それぞれ対応する。
(作用効果)
この(1)に記載の撮像システムによれば、被写体光束を分割した光束の一つを撮像した画像信号から、瞳分割レンズ群に基づく焦点検出を行うと共に、瞳分割レンズ群の影響で劣化した画像信号を、他の光束を撮像した画像信号により補正することで、高精度な劣化補正処理が可能となる。
また、複数に分割された被写体光束をそれぞれ異なる露光条件で撮像し、撮像した複数の画像信号を合成することにより、ダイナミックレンジを拡大した画像を得ることが可能となる。更に、複数に分割された被写体光束を複数の撮像素子で撮像することにより、複数の撮像素子を並行して動作させることができるため、連続撮影やブラケット撮影を高速に行うことが可能となる。
(2) 上記撮影制御手段は、上記撮像素子群のそれぞれの露光条件を変えて同時に撮像を行うよう制御する露光制御手段を有し、
上記合成手段は、上記露光制御手段による制御に従って撮像された露光条件の異なる複数の画像信号から一枚の広ダイナミックレンジ画像を生成する広ダイナミックレンジ画像生成手段を有することを特徴とする(1)に記載の撮像システム。
(対応する実施形態)
この(2)に記載の撮像システムに関する実施形態は、第1乃至第4実施形態が対応する。
それらの実施形態において、露光制御部38が上記露光制御手段に、広DR画像生成部96、広DR画像生成部136、広DR画像生成部160が上記広ダイナミックレンジ画像生成手段に、それぞれ対応する。
(作用効果)
この(2)に記載の撮像システムによれば、複数に分割された被写体光束を異なる露光条件による複数の撮像素子で撮像した画像信号を合成することにより、ダイナミックレンジを拡大した画像を得ることが可能となる。
(3) 上記露光制御手段は、上記撮像素子群により得られた上記領域に対応する画像信号に対し、適正な露光条件が得られるように上記撮像素子群の制御を行うことを特徴とする(2)に記載の撮像システム。
(対応する実施形態)
この(3)に記載の撮像システムに関する実施形態は、第2乃至第4実施形態が対応する。
それらの実施形態において、露光制御部38及び露光条件設定部114が上記露光制御手段に対応する。
(作用効果)
この(3)に記載の撮像システムによれば、上記所定の領域に対応する画像信号を適正な露光条件に基づき得ることができ、高精度な焦点検出及び画質劣化の補正処理が可能となる。
(4) 上記補正手段は、上記瞳分割レンズ群が形成された撮像素子によって得られた上記領域に対応する画像信号に対し、上記撮影制御手段による制御に従って撮像された上記領域及び上記領域の周辺領域に対応する複数の画像信号に基づき補正を行う領域補正手段を有することを特徴とする(1)乃至(3)の何れかに記載の撮像システム。
(対応する実施形態)
この(4)に記載の撮像システムに関する実施形態は、第1乃至第4実施形態が対応する。
それらの実施形態において、焦点検出領域64及び回折領域66が上記領域に、撮像領域68が上記領域の周辺領域に、それぞれ対応する。
(作用効果)
この(4)に記載の撮像システムによれば、上記領域下に対応する画像信号を、瞳分割レンズ群の影響を受けない、近傍周辺領域における画像信号に基づき補正することで、高精度な補正処理が可能となる。
(5) 上記補正手段は、上記瞳分割レンズ群が形成された撮像素子によって得られた上記領域に対応する画像信号に対し、上記瞳分割レンズ群の伝達特性に関する補正を行う劣化補正手段を有することを特徴とする(1)乃至(4)の何れかに記載の撮像システム。
(対応する実施形態)
この(5)に記載の撮像システムに関する実施形態は、第2乃至第4実施形態が対応する。
それらの実施形態において、焦点検出領域補正部94、焦点検出領域補正部116、焦点検出領域補正部158が上記劣化補正手段に対応する。
(作用効果)
この(5)に記載の撮像システムによれば、瞳分割レンズ群による画質劣化を光学特性に基づき補正することで、高精度な補正処理が可能となる。
(6) 上記撮像素子群は、モノクロ画像信号を出力し、
上記焦点検出手段及び上記合成手段は、モノクロ画像信号の輝度に基づき上記焦点検出及び画像の合成を行うことを特徴とする(1)乃至(5)の何れかに記載の撮像システム。
(対応する実施形態)
この(6)に記載の撮像システムに関する実施形態は、第1及び第2実施形態が対応する。
それらの実施形態において、第1撮像素子20、第2撮像素子24が上記撮像素子群に対応する。
(作用効果)
この(6)に記載の撮像システムによれば、モノクロ画像信号に対する処理が可能となる。
(7) 上記撮像素子群は、カラー画像信号を出力し、
上記焦点検出手段及び上記合成手段は、カラー画像信号に基づき上記焦点検出及び画像の合成を行うことを特徴とする(1)乃至(5)の何れかに記載の撮像システム。
(対応する実施形態)
この(7)に記載の撮像システムに関する実施形態は、第4実施形態が対応する。
その実施形態において、第1カラー撮像素子154、第2カラー撮像素子132が上記撮像素子群に対応する。
(作用効果)
この(7)に記載の撮像システムによれば、カラー画像信号に対する処理が可能となる。
(8) 上記撮像素子群のうち、上記瞳分割レンズ群が形成された撮像素子はモノクロ画像信号を出力し、その他の撮像素子はカラー画像信号を出力し、
上記合成手段は、
上記カラー画像信号に対し輝度成分を抽出する抽出手段と、
上記モノクロ画像信号の輝度及び上記抽出手段により抽出された輝度成分に基づき、上記撮影制御手段による制御に従って撮像された複数の画像信号から1枚の画像を合成する輝度成分合成手段と、
を有することを特徴とする(1)乃至(5)の何れかに記載の撮像システム。
(対応する実施形態)
この(8)に記載の撮像システムに関する実施形態は、第3実施形態が対応する。
その実施形態において、第1撮像素子20が上記瞳分割レンズ群が形成された撮像素子に、第2カラー撮像素子132が上記その他の撮像素子に、YC分離部140が上記抽出手段に、広DR画像生成部136が上記輝度成分合成手段に、それぞれ対応する。
(作用効果)
この(8)に記載の撮像システムによれば、モノクロ画像信号を出力する撮像素子、カラー画像信号を出力する撮像素子の併用が可能となる。
(9) 上記焦点検出手段により検出された焦点に基づきフォーカスを制御するフォーカス制御手段を更に具備することを特徴とする(1)乃至(8)の何れかに記載の撮像システム。
(対応する実施形態)
この(9)に記載の撮像システムに関する実施形態は、第1乃至第4実施形態が対応する。
それらの実施形態において、レンズ駆動部36が上記フォーカス制御手段に対応する。
(作用効果)
この(9)に記載の撮像システムによれば、瞳分割レンズ群を用いた高精度な焦点検出に基づくフォーカス制御が可能となる。
(10) 上記光束分割手段は、光束を2つに分割して出射するプリズム部であり、
上記撮像素子群は、上記プリズム部の2つの出射面のそれぞれに備えられた2つの撮像素子からなることを特徴とする(1)乃至(9)の何れかに記載の撮像システム。
(対応する実施形態)
この(10)に記載の撮像システムに関する実施形態は、第1乃至第4実施形態が対応する。
それらの実施形態において、プリズム系18が上記プリズム部に、第1撮像素子20と第2撮像素子24、第1撮像素子20と第2カラー撮像素子132、第1カラー撮像素子154と第2カラー撮像素子132が上記2つの撮像素子に、それぞれ対応する。
(作用効果)
この(10)に記載の撮像システムによれば、光束を分割し、2つの撮像素子で同時に撮像することができ、高速な撮影が可能となる。
また、プリズム部を利用することで、コンパクトな光学系を構成することが可能となる。
(11) コンピュータを、
撮影光学系を通過した被写体光束を複数の光束に分割する光束分割手段からの複数の被写体光束を結像するように配置された複数の撮像素子群のそれぞれの撮影条件を変えて撮像を行うよう制御する撮影制御手段、
上記光束分割手段からの光束の一つを瞳分割し、上記撮像素子群のうちの一つの撮像素子の素子面上の所定の領域上に結像させる瞳分割レンズ群を、上記領域上に形成した上記撮像素子群のうちの一つによって得られた上記領域に対応する画像信号に対し、上記撮影制御手段による制御に従って撮像された複数の画像信号に基づき補正を行う補正手段、
上記補正手段による上記補正処理前の画像信号または上記補正処理後の画像信号に基づいて、焦点検出を行う焦点検出手段、
上記撮影制御手段による制御に従って撮像された、上記補正後の画像信号を含む複数の画像信号から一枚の画像を合成する合成手段、
として機能させるための画像信号処理プログラム。
(対応する実施形態)
この(11)に記載の画像処理プログラムに関する実施形態は、第1乃至第4実施形態が対応する。
(作用効果)
この(11)に記載の画像処理プログラムによれば、被写体光束を分割した光束の一つを撮像した画像信号から、瞳分割レンズ群に基づく焦点検出を行うと共に、瞳分割レンズ群の影響で劣化した画像信号を、他の光束を撮像した画像信号により補正することで、高精度な劣化補正処理が可能となる。
また、複数に分割された被写体光束をそれぞれ異なる露光条件で撮像し、撮像した複数の画像信号を合成することにより、ダイナミックレンジを拡大した画像を得ることが可能となる。更に、複数に分割された被写体光束を複数の撮像素子で撮像することにより、複数の撮像素子を並行して動作させることができるため、連続撮影やブラケット撮影を高速に行うことが可能となる。
(12) 上記撮影条件を変えた撮像は、上記撮像素子群のそれぞれの露光条件を変えて同時に撮像を行い、
上記画像の合成は、上記撮像された露光条件の異なる複数の画像信号から一枚の広ダイナミックレンジ画像を生成することを特徴とする(11)に記載の画像信号処理プログラム。
(対応する実施形態)
この(12)に記載の画像信号処理プログラムに関する実施形態は、第1乃至第4実施形態が対応する。
(作用効果)
この(12)に記載の画像信号処理プログラムによれば、複数に分割された被写体光束を異なる露光条件による複数の撮像素子で撮像した画像信号を合成することにより、ダイナミックレンジを拡大した画像を得ることが可能となる。
(13) 上記露光条件を変えた同時撮像は、上記撮像素子群により得られた上記領域に対応する画像信号に対し、適正な露光条件が得られるように上記撮像素子群を制御して行うことを特徴とする(12)に記載の画像信号処理プログラム。
(対応する実施形態)
この(13)に記載の画像信号処理プログラムに関する実施形態は、第2乃至第4実施形態が対応する。
(作用効果)
この(13)に記載の画像信号処理プログラムによれば、上記所定の領域に対応する画像信号を適正な露光条件に基づき得ることができ、高精度な焦点検出及び画質劣化の補正処理が可能となる。
(14) 上記補正は、上記瞳分割レンズ群が形成された撮像素子によって得られた上記領域に対応する画像信号に対し、上記撮像された上記領域及び上記領域の周辺領域に対応する複数の画像信号に基づき補正を行うことを特徴とする(11)乃至(13)の何れかに記載の画像信号処理プログラム。
(対応する実施形態)
この(14)に記載の画像信号処理プログラムに関する実施形態は、第1乃至第4実施形態が対応する。
(作用効果)
この(14)に記載の画像信号処理プログラムによれば、上記領域下に対応する画像信号を、瞳分割レンズ群の影響を受けない、近傍周辺領域における画像信号に基づき補正することで、高精度な補正処理が可能となる。
(15) 上記補正は、上記瞳分割レンズ群が形成された撮像素子によって得られた上記領域に対応する画像信号に対し、上記瞳分割レンズ群の伝達特性に関する補正を行うことを特徴とする(11)乃至(14)の何れかに記載の画像信号処理プログラム。
(対応する実施形態)
この(15)に記載の画像信号処理プログラムに関する実施形態は、第2乃至第4実施形態が対応する。
(作用効果)
この(15)に記載の撮像システムによれば、瞳分割レンズ群による画質劣化を光学特性に基づき補正することで、高精度な補正処理が可能となる。
(16) コンピュータに、
撮影光学系を通過した被写体光束を複数の光束に分割する光束分割手段からの複数の被写体光束を結像するように配置された複数の撮像素子群と、上記撮像素子群のうちの一つの撮像素子の素子面上の所定の領域上に形成され、上記光束分割手段からの光束の一つを瞳分割し、上記領域上に結像させる瞳分割レンズ群と、を備えるカメラシステムにより、上記撮像素子群のそれぞれの撮影条件を変えて撮像を行って得られた複数の画像信号を読み込む読み込み手順と、
上記読み込み手順によって読み込まれた、上記瞳分割レンズ群を形成した上記一つの撮像素子によって得られた上記領域に対応する画像信号に対し、上記読み込み手順によって読み込まれた、複数の画像信号に基づき補正を行う補正手順と、
上記補正前の画像信号または上記補正後の画像信号に基づいて焦点検出を行う焦点検出手順と、
上記補正後の画像信号と上記読み込み手順で読み込まれた複数の画像信号から、一枚の画像を合成する合成手順と、
を実行させるための画像信号処理プログラム。
(対応する実施形態)
この(16)に記載の画像処理プログラムに関する実施形態は、第1乃至第4実施形態が対応する。
(作用効果)
この(16)に記載の画像処理プログラムによれば、被写体光束を分割した光束の一つを撮像した画像信号から、瞳分割レンズ群に基づく焦点検出を行うと共に、瞳分割レンズ群の影響で劣化した画像信号を、他の光束を撮像した画像信号により補正することで、高精度な劣化補正処理が可能となる。
また、複数に分割された被写体光束をそれぞれ異なる露光条件で撮像し、撮像した複数の画像信号を合成することにより、ダイナミックレンジを拡大した画像を得ることが可能となる。更に、複数に分割された被写体光束を複数の撮像素子で撮像することにより、複数の撮像素子を並行して動作させることができるため、連続撮影やブラケット撮影を高速に行うことが可能となる。
(17) 上記読み込み手順で読み込まれる上記複数の画像信号は、上記撮像素子群のそれぞれの露光条件を変えて同時に撮像を行うことで得られた画像信号であり、
上記合成手順は、それら露光条件の異なる複数の画像信号から一枚の広ダイナミックレンジ画像を生成することを特徴とする(16)に記載の画像信号処理プログラム。
(対応する実施形態)
この(17)に記載の画像処理プログラムに関する実施形態は、第1乃至第4実施形態が対応する。
(作用効果)
この(17)に記載の画像処理プログラムによれば、複数に分割された被写体光束を異なる露光条件による複数の撮像素子で撮像した画像信号を合成することにより、ダイナミックレンジを拡大した画像を得ることが可能となる。
(18) 上記補正手順は、上記瞳分割レンズ群が形成された撮像素子によって得られた上記領域に対応する画像信号に対し、上記読み込み手順で読み込んだ上記領域及び上記領域の周辺領域に対応する複数の画像信号に基づき補正を行うことを特徴とする(16)又は(17)に記載の画像信号処理プログラム。
(対応する実施形態)
この(18)に記載の画像処理プログラムに関する実施形態は、第1乃至第4実施形態が対応する。
(作用効果)
この(18)に記載の画像処理プログラムによれば、上記領域下に対応する画像信号を、瞳分割レンズ群の影響を受けない、近傍周辺領域における画像信号に基づき補正することで、高精度な補正処理が可能となる。
(19) 上記補正手順は、上記瞳分割レンズ群が形成された撮像素子によって得られた上記領域に対応する画像信号に対し、上記瞳分割レンズ群の伝達特性に関する補正を行うことを特徴とする(16)乃至(18)の何れかに記載の画像信号処理プログラム。
(対応する実施形態)
この(19)に記載の画像処理プログラムに関する実施形態は、第2乃至第4実施形態が対応する。
(作用効果)
この(19)に記載の画像処理プログラムによれば、瞳分割レンズ群による画質劣化を光学特性に基づき補正することで、高精度な補正処理が可能となる。
10…カメラ筐体、 12…撮影光学系、 14…フォーカシングレンズ、 16…絞り、 18…プリズム系、 20…第1撮像素子、 22…マイクロレンズアレイ、 24…第2撮像素子、 26…システムコントローラ、 28…中央演算処理部(CPU)、 30…リードオンリメモリ(ROM)、 32…ランダムアクセスメモリ(RAM)、 34…EEPROM、 36…レンズ駆動部、 38…露光制御部、 40…表示部、 42…焦点検出演算部、 44…ファーストレリーズスイッチ(1RSW)、 46…セカンドレリーズスイッチ(2RSW)、 48…エリア選択SW、 50,112,134,156…信号処理部、 52…出力部、 54,110…領域特性記録部、 56,56A,56B…フォトダイオード、 58…マイクロレンズ、 60…受光部、 62…マイクロレンズアレイ領域、 64…焦点検出領域、 66…回折領域、 68…撮像領域、 70…半導体基板、 72…色フィルタ、 74…透明層、 76…コンデンサーレンズ、 78…再結像レンズ、 80…視野マスク、 82…マスク、 84…分割光束、 86…第1A/D、 88…第2A/D、 90…第1画像用バッファ、 92…第2画像用バッファ、 94,116,158…焦点検出領域補正部、 96,136,160…広DR画像生成部、 98…圧縮部、 100…画像間信号比算出部、 102…焦点領域乗算部、 104,162…焦点領域抽出部、 106…焦点領域置換部、 108…回折領域補正部、 114…露光条件設定部、 118…撮像条件特定部、 120…領域判定部、 122…パラメータ選択部、 124…パラメータ用ROM、 126,138,164…補間部、 128…補正部、 130…焦点領域補正・置換部、 132…第2カラー撮像素子、 140…YC分離部、 142…YC合成部、 144…適正露光抽出部、 146…変換特性算出部、 148…輝度補正部、 150,172…作業用バッファ、 152…輝度合成部、 154…第1カラー撮像素子、 166…Y/C分離部、 168…色差補正部、 170…Y/C合成部、 174…画像合成部。