JP5000199B2 - 硬質膜の製造方法 - Google Patents
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Description
有機酸と無機酸とハフニアおよび/またはジルコニアとを含むゾル中の、ハフニウムおよび/またはジルコニウム1モルに対する有機酸の含有量が0.1〜20モルであるゾルを基材に塗付し、得られた塗布膜を紫外線照射による硬化処理及び加熱による硬化処理をすることなく、相対湿度50〜100%の雰囲気下で存置させることにより硬化させる硬質膜の製造方法である。
請求項2に係る発明は、
相対湿度50〜100%の雰囲気下で存置させる時間が1〜120時間である請求項1に記載の硬質膜の製造方法である。
請求項3に係る発明は、
有機酸がギ酸、酢酸およびシュウ酸よりなる群から選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の硬質膜の製造方法である。
ハフニウムおよび/またはジルコニウムの金属アルコキシドまたは金属塩(以下、ハフニウムおよび/またはジルコニウムの金属アルコキシド、金属塩のようにハフニウムおよび/またはジルコニウムのアルコキシド、塩、および酸化物などを金属アルコキシド、金属塩、および金属酸化物などと略称することがある。)を水などの溶媒に溶解し、アンモニア水やアミンなどの塩基を加える。このとき、pHが8以上になるように加えると、水酸化物が沈殿する。これに水などの溶媒を加えてさらに無機酸および有機酸を加えることにより、ハフニアおよび/またはジルコニア含有のゾルを作製することができる。水酸化物が得られたとき、これをろ別して吸着している塩化アンモニウムなどを水などにより洗浄して除去することもできる。水酸化物を得る反応を促進したり完全なものにしたりするには、この水酸化物を含む溶液を加熱したり攪拌したりする。これにより、ハフニアおよび/またはジルコニアを含有するゾルが得られる。
四塩化ハフニウムHfCl4 5.44gを窒素雰囲気下、水32gに溶解した。この溶液に、29%アンモニア水をpH9.0になるまで添加し沈殿物を得た。この沈殿物をろ過し、純水により沈殿物を洗浄液のpHが7になるまで洗浄した。洗浄した沈殿物を純水に加え、さらに無機酸として60%硝酸、有機酸として98%ギ酸または酢酸を表1に示す量を加え、85℃で3時間加熱撹拌し、その後冷却してハフニアゾルを調製した。各実施例および比較例毎に使用したハフニアゾルにつき、ゾル記号ごとにHfCl4、純水、硝酸、およびギ酸または酢酸の量、並びにハフニアゾル中のハフニウム1モルに対する有機酸のモル量を表1に示す。
二塩化酸化ジルコニウム・八水和物ZrOCl2・8H2O 5.48gを水32gに溶解した。この溶液に29%アンモニア水をpH9になるまで添加し、沈殿物を得た。この沈殿物をろ別し、純水により沈殿物を洗浄液のpHが7になるまで洗浄した。洗浄した沈殿物を純水に加え、さらに無機酸として60%硝酸、有機酸として98%ギ酸または酢酸を表2に示す量で加え、85℃で3時間加熱撹拌し、その後冷却してジルコニアゾルを調製した。各実施例および比較例毎に使用したジルコニアゾルにつき、ゾル記号ごとにZrOCl2・8H2O、純水、硝酸、およびギ酸または酢酸の量、並びにジルコニアゾル中のジルコニウム1モルに対する有機酸のモル量を表2に示す。
10×10cmに切断した厚さ5mmの無アルカリガラス基板を中性洗剤で洗浄し、さらに純水でリンスした後、エアガンにより水分を除去し、乾燥して薄膜製造用の基材を用意した。この基材表面に、上記のハフニアゾルH1〜H6およびジルコニアゾルZ1〜Z6をそれぞれスピンナー法(500rpm/5秒→2000rpm/30秒)により塗付した。この際、スピンナーカップ内すなわちゾルを塗付する基材表面付近における雰囲気の相対湿度を55〜60%に保ってゾルを塗布した。ゾルを塗付された基板を、それぞれゾル記号H1〜H6、H1〜H6に対応して試料H1〜H6、試料Z1〜Z6とした。なお、それぞれの試料は、後述のように異なった湿度環境下で硬化させるため、およびそれらの比較のため、4枚ずつ準備した。そのうちの1枚を用いて、後述の方法によりデシケータ内存置処理化前の鉛筆硬度を測定した。その結果を表3に示す。
一方、小型シャーレA、BおよびCを用意した。次に、それぞれのシャーレ中で炭酸ナトリウム・10水和物(Na2CO3/10H2O)25g、塩化アンモニウム(NH4Cl)30gと硝酸カリウム(KNO3)30gの混合物、および酢酸カリウム25gをそれぞれ純水75gに添加し、25℃で溶解させた。このとき、それぞれのシャーレの溶液中には固体を飽和状態になるまで溶解した後も固体が残存していた。つぎにシャーレA、BおよびCをそれぞれデシケータA、BおよびC内に置いた。それぞれのデシケータ内の温度は25℃に保っておき、デシケータ内の湿度が安定したところで相対湿度を計った。デシケータAは92%、Bは71%、Cは20%であった。
このようにして準備しておいたデシケータA、BおよびCに、それぞれ試料H1〜H6および試料Z1〜Z6を、図1に示すように、ガラス立て治具5に立てかけて、塗付面2を上側にして水平に対しガラス立て角度7を75度として存置した。
それぞれの基板を19時間存置した後、取り出して第一回目の鉛筆硬度測定を行った。デシケータA内に存置した基板は取り出してすぐ鉛筆硬度を測定した。デシケータBおよびC内に存置した基板は、取り出した後3.5時間室温で乾燥させてから鉛筆硬度を測定した。これらの測定結果をデシケータA、BおよびCに存置処理した試料について、それぞれ表3に示す。
測定が終わった基板は、再度もとのデシケータに入れて硬化処理を続け、さらに19時間硬化処理した後に第2回目の鉛筆硬度測定を行った。デシケータA内に存置した基板は取り出してすぐ鉛筆硬度を測定した。デシケータBおよびC内に存置した基板は、取り出した後3.5時間室温で乾燥させてから鉛筆硬度を測定した。これらの測定結果もあわせて表3に示す。
硬度測定は、引掻き塗膜型さ試験機(東洋精機製作所株式会社製、P−TYPE)を用いてJIS K5600−5−4に従って実施した。すなわち、6Bから9Hの硬さの鉛筆を6Bから順に塗膜に対し45度にして荷重750gで押し付け、7mmの距離を0.1〜5mm/秒の速度で3本走査する。肉眼で薄膜表面を観察し、3mm以上の傷跡が2本生じるまで鉛筆の硬度を上げていき、傷跡の生じなかった最も硬い鉛筆の硬度をその薄膜の鉛筆硬度とする。なお、鉛筆は薄膜の存置処理時の基板の上方から下方に向かって走査した(図1参照)。
また、本発明の試料はすべて水に対する接触角が80°以上であり、撥水性を示した。
5:ガラス立て治具、 6:鉛筆硬度試験の鉛筆の走査方向、 7:ガラス立て角度
Claims (3)
- 有機酸と無機酸とハフニアおよび/またはジルコニアとを含むゾル中の、ハフニウムおよび/またはジルコニウム1モルに対する有機酸の含有量が0.1〜20モルであるゾルを基材に塗付し、得られた塗布膜を紫外線照射による硬化処理及び加熱による硬化処理をすることなく、相対湿度50〜100%の雰囲気下で存置させることにより硬化させる硬質膜の製造方法。
- 相対湿度50〜100%の雰囲気下で存置させる時間が1〜120時間である請求項1に記載の硬質膜の製造方法。
- 有機酸がギ酸、酢酸およびシュウ酸よりなる群から選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の硬質膜の製造方法。
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