JP4999503B2 - オゾン発生装置 - Google Patents
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無声放電を発生させる微小空間は、ステンレスなどの金属管などで構成される接地電極の中に、内部に高圧電極を有するガラスなどからなる誘電体放電管を挿入して、接地電極と誘電体放電管の間に形成される。高圧電極は、誘電体放電管の内面にアルミなどの金属を溶射などにより形成した薄膜である。
一般にオゾン発生装置はガス圧力を高くして動作させる場合に効率が高いため、接地電極および誘電体放電管などは高圧タンク内に収納されている。
上流側は開放しているが、オゾン等がガス流に逆らって上流側に移動して、上流側の開放端から誘電体放電管の内部に入ることはなく、ガスが流れている間は高圧電極がオゾン等により腐食することはない。オゾン発生装置の運転を停止する際にも、放電を停止してガスだけを流す状態を所定の時間だけ保持した後で、ガス流を止めるので、放電により発生したオゾン等が誘電体放電管の内部に入ることはない。
放電場で生成されたオゾンや窒素酸化物などのオゾン等により高圧電極が腐食しないように、誘電体放電管を密閉するものもある。(例えば、特許文献1を参照)
この発明に係るオゾン発生装置は、誘電体放電管にガス圧力がかからないようにして、非常停止などの際にも高圧電極が腐食することがないようなオゾン発生装置を得ることを目的とするものである。
体放電管と前記接地電極の間を流れる原料ガスを前記高圧容器に供給する原料ガス供給部と、前記高圧電源及び前記原料ガス供給部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、オゾン発生装置を停止させる際に、前記高圧電源が交流電圧を前記高圧電極に印加することを停止し、前記高圧タンク内のオゾン濃度が起動前と同じまで低下した後に前記原料ガス供給部が原料ガス供給を停止するように制御することを特徴としたものである。
前記制御部は、オゾン発生装置を停止させる際に、前記高圧電源が交流電圧を前記高圧電極に印加することを停止し、前記高圧タンク内のオゾン濃度が起動前と同じまで低下した後に前記原料ガス供給部が原料ガス供給を停止するように制御することによって、オゾン発生装置を非常停止させる場合でも高圧電極を腐食させることがないという効果が有る。
図1は、この発明の実施の形態1に係るオゾン発生装置の構造を説明する図である。図2から図5に、誘電体放電管の構造を説明する図を示す。図2が、ガスの流れに平行な断面での断面図である。図3が、ガスの流れに垂直な断面での断面図である。図4が、ガス流の上流側から誘電体放電管を見た矢視図である。図2におけるAA断面での断面図が図3であり、図2におけるCの方向から見た矢視図が、図4である。図3におけるBB断面が図2となる。
なる空間に供給されかつ排出される。
ガラスなどからなる一端が密閉された円筒状の誘電体放電管3は、その内面にアルミやニッケルなどの金属を蒸着した給電膜すなわち高圧電極1を有する。高圧電極1も円筒状の形状になる。高圧電極1には給電ブラシ13を介して給電棒14が接続される。給電棒14は、ヒューズ15を介して高圧配線9に接続される。ヒューズ15は、誘電体放電管3で絶縁破壊が発生するなどして、高圧電極1と接地電極2の間に過度の電流が流れる状況が発生した場合に、即座に過度の電流を遮断するためのものである。このヒューズ15は、誘電体放電管3の開放端を塞ぐガス流通量制御栓16により誘電体放電管3に取り付けられる。給電ブラシ13及び給電棒14は腐食に強いステンレス製とし、高圧配線9とヒューズ15は腐食に強い被覆を設ける。誘電体放電管3の開放端は、原料ガスが流れて来る側に配置する。
なお、誘電体放電管3の内部に入るオゾン等の量が許容できる範囲(腐食を引き起こすことがない範囲)であることを、ほとんど入らないと表現する。
)よりも数倍以上長く設定しておけばよい。ガス出口のオゾンの濃度計を計測し、十分小さな値(たとえば0.1ppm)になってからガスを止める方法も有効である。
放電が停止になるとオゾンが生成しなくなるので、出口付近のオゾン濃度が低下する。所定時間が経過して、入口付近および出口付近のオゾン濃度が十分に低下している状態で、原料ガスを高圧タンク100内に送り込むことを停止し、タンク出入り口のバルブ10を閉じる。ガス供給を停止すると、ガスを流すための圧力分だけ、高圧タンク100内の圧力が低下し、これに伴って誘電体放電管3内は、さらにゆっくりとガス圧力が低下していくことになる。また、原料ガスの供給を停止し、タンク出入り口のバルブ10を閉じることにより、タンク内のガス圧力が常に大気圧よりも高くなるようにする。このように、所定の手順でオゾン発生装置が停止する場合には、入口付近のオゾン濃度は低い状態が保たれるので、ガス流の上流端を開放した従来の誘電体放電管でも高圧電極が腐食することはない。
さらに、ガス流通量制御栓16を有する誘電体放電管3では、高圧タンク100内の圧力が低下しても、所定の時間は誘電体放電管3内部の圧力が高圧タンク100内の圧力よりも高く保たれる。この時間内では誘電体放電管3から気体が出るだけであり、オゾン等が誘電体放電管3内部に入る事はない。また、圧力が同じになった後でも、ガス流通口17は十分に小さいので、オゾン等は誘電体放電管3内部にほとんど入らない。
誘電体放電管3の内部と外部の圧力差は、高圧タンク100の内部圧力が変化した後の所定時間にだけ発生し、常時は誘電体放電管3に圧力がかかることはない。また、誘電体放電管3に圧力がかかる時間には放電させることはない。このため、密閉した誘電体放電管よりも、その信頼性は格段に高い。
ガス流通量制御栓16は、ヒューズ15を誘電体放電管3に固定する役割も持っていたが、必ずしもそうする必要はない。片端を閉じた管を使用したが、両端が開放された管を用いて、両端に栓をするようにしてもよい。両端に栓をする場合は、ガス流の上流側の栓に通気口を設け、下流側の線には通気口を設けない。
高圧電極は誘電体放電管の内面に蒸着した金属膜としたが、円筒状の導電性を有する金属を誘電体放電管の内部に挿入してもよい。高圧電極と接地電極が同心に配置され、高圧電極と接地電極との間の間隔が放電を発生させるのに適切かつ均等な間隔にできれば、高圧電極はどのように配置してもよい。
以上のことは、他の実施の形態でもあてはまる。
この実施の形態2は、誘電体放電管の構造を両端に栓をしたものに変更した実施の形態である。図7に、この発明の実施の形態2に係るオゾン発生装置が有する誘電体放電管の構造を説明するガスの流れに平行な断面での断面図を示す。全体構造は、実施の形態1と同じである。
この実施の形態3は、実施の形態2の誘電体放電管をさらに上流側の栓の構造を変更したものである。図8に、この発明の実施の形態3に係るオゾン発生装置が有する誘電体放電管の構造を説明するガスの流れに平行な断面での断面図を示す。全体構造は、実施の形態1と同じである。
この実施の形態4は、1本の接地電極の中に直列に2本の誘電体放電管を配置し、高圧電極に電圧を印加中はガス流通栓を閉じるようにした場合である。図9に、この発明の実施の形態4に係るオゾン発生装置が有する誘電体放電管の構造を説明するガスの流れに平行な断面での断面図を示す。
発生し、所定の濃度のオゾンを含むオゾン化ガスが所定の量だけ製造される。出口付近のオゾン濃度は所定値であり、中間付近のガス濃度は出口付近のほぼ半分である。定常的なガス流があるので、放電で生成されたオゾンはガス流の上流側である入口付近にはほとんど来ない。そのため、入口付近のオゾン濃度は低い。
ガス流通量制御栓16Bとガス流通量制御栓16Cのガス流通口17を常に開いている場合には、図10において破線で示すように、オゾン発生装置の動作中に下流側にある誘電体放電管3Cの内部のオゾン濃度がしだいに上昇して、高圧電極1の腐食をもたらす可能性がある。放電発生中にガス流通口17を閉じれば、オゾン発生装置の動作中に、下流側にある誘電体放電管3Cの内部のオゾン濃度が上昇することはなく、高圧電極1が腐食することが無い。
高圧電極に電圧を印加しなくなり高圧タンクからオゾン等が排出されるまでの所定時間が経過後にガス流通口17を開くようにすれば、高圧タンク内にオゾン等が残っている状態ではガス流通口が閉じているので、誘電体放電管3B、3Cの内部にオゾン等が入ることをほぼ完全に防止できる。高圧電極に電圧を印加しないでガス流を流す時に電圧を印加している時よりもガスの圧力を少し下げるようにすれば、高圧電極に電圧を印加しなくなってガス流通口が開いても、暫くの間は誘電体放電管3B、3Cの内部からガスが出る状態になるので、オゾン等が誘電体放電管3B、3Cの内部に入らない。
これらの対策は、接地電極内に1本の誘電体放電管を配置する場合に適用しても同様の効果が得られる。
実施の形態5は、誘電体放電管の内面にある高圧電極の上を耐オゾン性、耐窒素酸化物性のある保護材料で覆う場合である。図12は、この発明の実施の形態5に係るオゾン発生装置の誘電体放電管の構造を説明するためのもので、ガスの流れに平行な断面での断面図を示している。全体構造は、実施の形態1と同じである。
高圧電極1の上を誘電体放電管3と同種のガラス19でコーティングしている。高圧電極1は極めて安定なガラス19により覆われてコーティングされているため、腐食の心配はない。また、誘電体放電管の一方だけを封じるので、誘電体放電管に圧力がかかることも無い。ガラス19が、高圧電極1を覆って保護する保護部である。
この実施の形態ではガラスのコーティングの場合について示したが、アルミナなどのセラミックの溶射でコーティングしても同様の効果を奏する。また、その他のセラミックや絶縁性の材料でコーティングしておいても良い。このように高圧電極の上を絶縁性の材料でコーティングしておくと、窒素酸化物から生成される硝酸やオゾンから高圧電極を保護できると同時に、高圧電極1の端部で発生しやすい沿面放電も抑制することができ、効果的である。
実施の形態6は、2本の放電体誘電管をパイプ状の連結部材で繋ぐように実施の形態4を変更した場合である。図13に、この発明の実施の形態6に係るオゾン発生装置が有する誘電体放電管の構造を説明するガスの流れに平行な断面での断面図を示す。
両側の誘電体放電管3D、3Eの開放端に対して連結部材20は栓の役割を果し、誘電体放電管3D及び誘電体放電管3Eと連結部材20の間では気密が保たれる。連結部材20は、上流側の誘電体放電管3Dと下流側の誘電体放電管3Eの内部空間を連通する。上流側の誘電体放電管3Dの上流端には、実施の形態1と同様なガス流通栓16を設ける。下流側の誘電体放電管3Eの下流端は、ガス封じ栓18Aにより密閉する。以上の構成により、2本の誘電体放電管3D、3Eが1本の長い誘電体放電管と同等な働きをすることになる。
101:原料ガス入口
102:オゾン化ガス出口
103:高電圧線導入口
1 :高圧電極
2 :接地電極
3 :誘電体放電管
3A:誘電体放電管
3B:誘電体放電管
3C:誘電体放電管
3D:誘電体放電管
3E:誘電体放電管
4 :放電空間
4A:スペーサ
5A:平板
5B:構造体
6 :冷却水
7 :冷却水用ヘッダ
8 :高圧電源
9 :高圧配線
10 :バルブ
11 :原料ガス供給部
12 :制御部
13 :給電ブラシ
14 :給電棒
14A:給電棒
15 :ヒューズ
16:ガス流通量制御栓
16A:ガス流通量制御栓
16B:ガス流通量制御栓
16C:ガス流通量制御栓
17 :ガス流通口
18 :ガス封じ栓
18A:ガス封じ栓
19 :ガラス(保護部)
20 :連結部材
Claims (6)
- 酸素を含む原料ガスからオゾンを含むガスであるオゾン化ガスを放電により生成するオゾン発生装置であって、
原料ガスが流れてくる側の一端にガス流通口を設けたガス流通栓を設置し、もう一端は密閉された円筒状の誘電体放電管と、
該誘電体放電管の内部に円筒状に設けられて交流電圧が印加される高圧電極と、
前記誘電体放電管の外側に所定の間隔をおいて設けられた金属円筒管である接地電極と、
前記高圧電極に交流電圧を印加する高圧電源と、
前記誘電体放電管、前記高圧電極及び前記接地電極を収容し、原料ガスが入りオゾン化ガスが出る密閉可能な高圧容器と、
前記誘電体放電管と前記接地電極の間を流れる原料ガスを前記高圧容器に供給する原料ガス供給部と、
前記高圧電源及び前記原料ガス供給部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、オゾン発生装置を停止させる際に、前記高圧電源が交流電圧を前記高圧電極に印加することを停止し、前記高圧タンク内のオゾン濃度が起動前と同じまで低下した後に前記原料ガス供給部が原料ガス供給を停止するように制御することを特徴としたオゾン発生装置。 - 1個の前記接地電極の内部に直列に2本の前記誘電体放電管を配置することを特徴とする請求項1に記載のオゾン発生装置。
- 前記高圧電極に交流電圧が印加されている場合に、前記ガス流通口を閉じることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオゾン発生装置。
- 前記高圧電極に交流電圧が印加されなくなった後、高圧容器からオゾン化ガスが排出されるまでの所定時間も、前記ガス流通口を閉じることを特徴とする請求項3に記載のオゾン発生装置。
- 前記制御部が、前記高圧電極に交流電圧が印加されなくなった後の高圧容器からオゾン化
ガスが排出されるまでの所定時間に、前記高圧容器内のガス圧力を前記高圧電極に交流電圧を印加していた時よりも小さくするように前記原料ガス供給部を制御することを特徴とする請求項3に記載のオゾン発生装置。 - 酸素を含む原料ガスからオゾンを含むガスであるオゾン化ガスを放電により生成するオゾン発生装置であって、
原料ガスが流れてくる側の一端にガス流通口を設けたガス流通栓を設置し、もう一端は開放された円筒状の第一の誘電体放電管と、
一端が開放されもう一端が密閉された円筒状の第二の誘電体放電管と、
前記第一の誘電体放電管の開放端と前記第二の誘電体放電管の開放端を気密を保って塞ぎ、前記第一の誘電体放電管及び前記第二の誘電体放電管の内部を連通させる絶縁物からなる円筒状の連結部材と、
前記第一の誘電体放電管及び前記第二の誘電体放電管の内部に円筒状に設けられて交流電圧が印加される高圧電極と、
前記第一の誘電体放電管及び前記第二の誘電体放電管の外側に所定の間隔をおいて設けられた金属円筒管である接地電極と、
前記高圧電極に交流電圧を印加する高圧電源と、
前記第一の誘電体放電管、前記第二の誘電体放電管、前記高圧電極及び前記接地電極を収容し、原料ガスが入りオゾン化ガスが出る密閉可能な高圧容器と、
前記第一の誘電体放電管及び前記第二の誘電体放電管と前記接地電極の間を流れる原料ガスを前記高圧容器に供給する原料ガス供給部と、
前記高圧電源及び前記原料ガス供給部を制御する制御部とを備えたオゾン発生装置。
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