JP4999469B2 - 光送信回路 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信分野に用いられる、高速に発光素子を駆動する回路を含んだ光送信回路に関する。
応答速度の比較的遅い発光素子(LED等)を高速に動作させる駆動回路としては、ピーキング技術を利用するものが一般に知られている。このピーキング技術は、発光素子に瞬時電流(以下、ピーキング電流と記す)を与えて、発光素子を強制的に高速応答させる技術である。図20に、ピーキング技術を用いた一般的な従来の発光素子駆動回路の構成例を示す。また、図21に、図20に示す従来の発光素子駆動回路の動作を説明するための波形図を示す。
図20に示す従来の発光素子駆動回路は、発光素子101と、ピーキング電流発生部102と、発光素子駆動部103とで構成されている。発光素子駆動部103には、デジタル信号S(図21の波形(a))が入力される。ピーキング電流発生部102は、このデジタル信号Sの立ち上がり及び立ち下がり時に尖塔形状のピーキング電流P(図21の波形(b))を発生する。発光素子駆動部103は、デジタル信号Sとピーキング電流Pとを入力し、デジタル信号Sの振幅に応じた振幅電流とピーキング電流Pとを合波した波形の駆動電流D(図21の波形(c))を出力する。発光素子101は、この駆動電流Dを入力して、デジタル信号Sにほぼ一致した波形の光信号(図21の波形(d))を出力する。このようにして、発光素子101の高速応答を実現させている。
しかしながら、上述した従来の発光素子駆動回路で実現できる高速応答は、せいぜい数Mbps程度である。しかし、数百Mbps以上の高速応答を実現するためには非常に大きなピーキング電流Pが必要であるため、発光素子駆動部103において立ち下がり時にクリッピングが生じてしまい、発光素子101を高速動作させることができないという問題がある。なお、この問題の解決方法として、発光素子駆動部103の直流電流を大きくして、立ち下がり時にクリッピングが生じないようにする方法が考えられる。しかし、消費電力の増大及びデジタル信号のハイ/ローレベルの比である消光比の劣化等の問題があり、最悪の場合には動作保証範囲から外れて発光素子101が壊れる恐れもある。
そこで、このような問題を解決するための技術が、特許文献1等で提案されている。図22に、特許文献1に開示されている従来の発光素子駆動回路の構成例を示す。また、図23に、図22に示す従来の発光素子駆動回路の動作を説明するための波形図を示す。
図22に示す従来の発光素子駆動回路は、図20に示す従来の発光素子駆動回路に、発光素子101に流入する駆動電流Dの一部を引き抜くディスチャージ回路104をさらに加えた構成である。ピーキング電流発生部102では、大きなピーキング電流P(図23の波形(b))を発生し、発光素子駆動部103は、デジタル信号S(図23の波形(a))とピーキング電流とを入力し、デジタル信号Sの振幅電流とピーキング電流Pとを合波した波形、すなわち立ち下がり時のクリッピング量を極力少なくした波形の駆動電流D(図23の波形(c))を出力する。発光素子101は、この駆動電流Dからディスチャージ回路104によって電流が引き抜かれた残りの電流D’(図23の波形(d))を入力して、光信号(図23の波形(e))を出力する。この構成により、発光素子101に流れる直流電流を小さくして消光比を改善させ、発光素子101を動作保証範囲内の電流量で動作させることができる。
特開2002−64433号公報(第1図)
しかしながら、上述した図22に示す従来の発光素子駆動回路では、ディスチャージ回路104で引き抜く電流分だけ発光素子101の駆動電流Dを大きくしなければならず、回路の消費電力が大きくなる。
また、クリッピングが生じないように駆動電流Dを大きくする必要があるが、非常に大きい電流を流さなければならないため、回路規模が大きくなり過ぎて実用的ではない。
さらに、クリッピングの発生箇所として、発光素子駆動部103を構成するトランジスタで発生するクリッピングと、発光素子101で発生するクリッピングとが挙げられる。しかし、上記従来の発光素子駆動回路は、発光素子101で発生するクリッピングは改善できるが、トランジスタで発生するクリッピングは改善できない。そのため、図23の波形(e)に示すように、発光素子101の立ち下がり時の光出力波形がなまり、劣化してしまうという問題があった。
それ故に、本発明の目的は、消光比が良好で、低消費電力で、かつ、光出力波形のなまりを生じさせずに、発光素子を高速動作させることができる光送信回路を提供することである。
本発明は、入力するデジタル信号に従って発光素子を駆動する光送信回路に向けられている。そして、上記目的を達成するために、本発明の光送信回路は、第1及び第2のピーキング電流発生部と、第1及び第2の発光素子駆動部とを備えている。第1のピーキング電流発生部は、デジタル信号の立ち上がりに同期した第1のピーキング電流を発生させる。第2のピーキング電流発生部は、デジタル信号の立ち下がりに同期した第2のピーキング電流を発生させる。第1の発光素子駆動部は、デジタル信号の振幅に応じた信号振幅電流と第1のピーキング電流とを合成した第1の駆動電流を生成する。第2の発光素子駆動部は、デジタル信号の振幅に応じた信号振幅電流と第2のピーキング電流とを合成した第2の駆動電流を生成する。そして、第1及び第2の発光素子駆動部は、第2の駆動電流から第1の駆動電流を減算した電流を用いて、発光素子を駆動する。
好ましくは、第1の発光素子駆動部は、駆動電流が、デジタル信号の立ち下がりに同期したピーキング電流を持たないように、信号振幅電流を調整し、第2の発光素子駆動部は、駆動電流が、デジタル信号の立ち上がりに同期したピーキング電流を持たないように、信号振幅電流を調整する。
なお、発光素子に直流電流を供給する直流電流供給部をさらに備えてもよいし、デジタル信号の振幅に応じた振幅電流を発光素子に直接供給する第3の発光素子駆動部をさらに備えてもよい。この構成の場合には、第1の発光素子駆動部は、立ち上がりに同期したピーキング電流だけを発光素子に出力してもよいし、第2の発光素子駆動部は、立ち下がりに同期したピーキング電流だけを発光素子に出力してもよい。また、この場合には、第2のピーキング電流発生部及び第2の発光素子駆動部を省略して、デジタル信号の立ち上がりだけを補償してもよい。
典型的には、第1及び第2のピーキング電流発生部は、それぞれ、直列接続された第1抵抗及び第2抵抗と、第1抵抗に並列接続された容量とで構成される。そして、第1の発光素子駆動部は、NPNトランジスタを含む構成であり、第2の発光素子駆動部は、PNPトランジスタを含む構成である。また、光送信回路に発光素子を含んでもよいし、また、この発光素子はLEDであることが望ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明の他の光送信回路は、ピーキング電流発生部、発光素子駆動部、信号解析部、及びクリッピング発生部を備えている。ピーキング電流発生部は、デジタル信号の立ち上がり及び立ち下がりに同期したピーキング電流を発生させる。発光素子駆動部は、デジタル信号の振幅に応じた信号振幅電流とピーキング電流とを合成した駆動電流を生成し、その駆動電流を用いて発光素子を駆動する。信号解析部は、デジタル信号を解析し、デジタル信号のパルス幅及び振幅量の少なくとも1つに基づいた制御信号を設定する。クリッピング発生部は、信号解析部が設定した制御信号に応じて、駆動電流のピーキング電流をクリッピングさせる。
好ましくは、クリッピング発生部は、ピーキング電流量に対するクリッピング電流量の割合を所定値以下に設定する。また、クリッピング発生部は、発光素子駆動部が生成する駆動電流のバイアス電流を制御することが望ましい。
典型的には、信号解析部は、デジタル信号のパルス幅を検出するパルス幅検出部と、検出されたパルス幅に応じた制御信号を設定するパルス幅制御部とで構成される。又は、信号解析部は、デジタル信号の振幅量を検出する振幅量検出部と、検出された振幅量に応じた制御信号を設定する振幅量制御部とで構成される。
あるいは、信号解析部は、これらパルス幅検出部、パルス幅制御部、振幅量検出部、及び振幅量制御部と、パルス幅制御部が出力する信号と振幅量制御部が出力する信号とを加算した信号を制御信号として設定する処理部とで構成されてもよい。この構成の場合には、通信相手の装置から送信される光信号を受信する受光素子と、受光素子で受信された信号を増幅する増幅部と、増幅部で増幅された信号の振幅量を検出する信号検出部と、信号検出部の検出結果に基づいて、パルス幅検出部に入力されるデジタル信号の振幅量を制御する振幅量制御部とをさらに含めてもよいし、振幅量制御部に代えて、ピーキング電流発生部が、信号検出部の検出結果に基づいて発生させるピーキング電流の量を制御してもよい。
具体的には、ピーキング電流発生部は、直列接続された第1抵抗及び第2抵抗と、第1抵抗に並列接続された容量とで構成される。特に、信号検出部の検出結果に基づいて発生させるピーキング電流の量を制御させる場合には、ピーキング電流発生部は、直列接続された第1抵抗及び第2抵抗と、第1抵抗に並列接続された容量とで構成されるブロックを複数有し、信号検出部の検出結果に基づいて複数ブロックのいずれか1つを選択的に切り替える構成が好ましい。
また、ピーキング電流量a1に対するクリッピング電流量a2の割合である所定値a2/a1は、下記の最良の形態で説明する関係式(6)によって決定されることが好ましい。特に、クリッピング発生部は、伝送速度500Mbps付近で発光素子を駆動する場合、所定値a2/a1を0<a2/a1≦0.8の条件で設定することが望ましい。
さらに、光送信回路に発光素子を含んでもよいし、また、この発光素子はLEDであることが望ましい。
上記本発明によれば、立ち上がり時及び立ち下がり時のピーキング電流を別々に与えて、発光素子から出力される光信号波形のなまりをなくすため、立ち上がり速度及び立ち下がり速度共に、所望の速度で発光素子を駆動させることができる。また、立ち下がり時のピーキング電流がクリッピングしないように直流電流を大きくする必要がないため、低消費電力化及び消光比改善の効果が得られる。
また、本発明によれば、瞬時的な駆動電流に対するクリッピング電流の割合を所定値以下とすることで、発光素子の高速応答を実現し、消費電力を低減することができる。
図1は、本発明の第1〜第4の実施形態に共通する光送信回路の概略構成を示す機能ブロック図である。図1において、この光送信回路は、第1のピーキング電流発生部1と、第1の発光素子駆動部2と、第2のピーキング電流発生部3と、第2の発光素子駆動部4と、発光素子5とで構成されている。発光素子5には、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、スーパールミネッセントダイオード(SLD)、面発光レーザ(VCSEL)等が、適用可能である。なお、以下の各実施形態では、発光素子5を光送信回路に含めた構成を説明するが、この発光素子5だけが別構成であってもよい。
この構成による光送信回路の動作を、図2の波形図を用いて詳細に説明する。
第1の発光素子駆動部2及び第2の発光素子駆動部4には、デジタル信号S(図2の波形(a))がそれぞれ入力される。第1のピーキング電流発生部1は、このデジタル信号Sの変化時に同期し、立ち上がり時に正かつ立ち下がり時に負の尖塔形状のピーキング電流P1(図2の波形(b))を発生する。また、第2のピーキング電流発生部3は、このデジタル信号Sの変化時に同期し、立ち上がり時に負かつ立ち下がり時に正の尖塔形状のピーキング電流P2(図2の波形(c))を発生する。
第1の発光素子駆動部2は、デジタル信号Sとピーキング電流P1とを入力し、デジタル信号Sの振幅電流にピーキング電流P1を加えた駆動電流D1(図2の波形(d))を生成する。このとき、第1の発光素子駆動部2は、直流電流を調整して、立ち下がり部分のピーキング電流をなくした駆動電流D1を生成する。
また、第2の発光素子駆動部4は、デジタル信号Sとピーキング電流P2とを入力し、反転させたデジタル信号Sの振幅電流にピーキング電流P2を加えた駆動電流D2(図2の波形(e))を生成する。このとき、第2の発光素子駆動部4は、直流電流を調整して、立ち上がり部分のピーキング電流をなくした駆動電流D2を生成する。
発光素子5には、第2の発光素子駆動部4で生成された駆動電流D2から第1の発光素子駆動部2で生成された駆動電流D1が減算器で減算された駆動電流D3(図2の波形(f))が、出力される。この駆動電流D3は、立ち下がり用ピーキング電流及び立ち上がり用ピーキング電流を有し、振幅電流が0レベル以上となっている。そして、この駆動電流D3を発光素子5に入力することで、振幅波形に劣化のない光信号(図2の波形(g))を得ることができる。このようにして、立ち上がり及び立ち下がりのピーキング電流を別回路で生成するため、クリッピングの影響を回避することが容易となり、発光素子5を高速応答させることができる。
以下、本発明の光送信回路の詳細な構成を順に説明する。
〔第1の実施形態〕
図3は、本発明の第1の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成を説明する図である。この第1の実施形態に係る光送信回路では、図1に示した各機能ブロックがそれぞれ以下のように構成される。
第1の発光素子駆動部2は、トランジスタQ2と、抵抗R3及びR4と、容量C2とで構成される。このトランジスタQ2には、NPN型バイポーラトランジスタやNチャネル電界効果トランジスタ等が用いられる。トランジスタQ2のベースは、抵抗R3を介して電源VCCに接続され、抵抗R4を介して接地され、また容量C2を介してデジタル信号Sを入力する。トランジスタQ2のコレクタは、発光素子5に接続される。抵抗R3、抵抗R4及び容量C2は、第1の発光素子駆動部2の直流電流を調整するために用いられる。
第2の発光素子駆動部4は、トランジスタQ1と、抵抗R1及びR2と、容量C1とで構成される。このトランジスタQ1には、PNP型バイポーラトランジスタやPチャネル電界効果トランジスタ等が用いられる。トランジスタQ1のベースは、抵抗R1を介して電源VCCに接続され、抵抗R2を介して接地され、また容量C1を介してデジタル信号Sを入力する。トランジスタQ1のコレクタは、発光素子5に接続される。抵抗R1、抵抗R2及び容量C1は、第2の発光素子駆動部4の直流電流を調整するために用いられる。
第1のピーキング電流発生部1は、抵抗R7及びR8と、容量C4とで構成される。抵抗R7と抵抗R8とは直列に接続され、第1の発光素子駆動部2のトランジスタQ2のエミッタと接地との間に挿入される。容量C4は、抵抗R7と並列接続される。
第2のピーキング電流発生部3は、抵抗R5及びR6と、容量C3とで構成される。抵抗R5と抵抗R6とは直列に接続され、電源VCCと第2の発光素子駆動部4のトランジスタQ1のエミッタとの間に挿入される。容量C3は、抵抗R5と並列接続される。
デジタル信号Sがハイレベルからローレベルに変化した場合、トランジスタQ2のベース電圧が低下し、これに伴いトランジスタQ2のエミッタ電圧が接地レベルに一致するため、第1の発光素子駆動部2が遮断され、第2の発光素子駆動部4が導通する状態になる。これにより、第2の発光素子駆動部4から出力される立ち下がり時のピーキング電流と、第2の発光素子駆動部4の抵抗R1及びR2で調整した振幅電流とを合成した駆動電流D2が、トランジスタQ1のエミッタから発光素子5へ供給される。
また、デジタル信号Sがローレベルからハイレベルに変化した場合、トランジスタQ2のベース電圧が上昇するため、第1の発光素子駆動部2が導通し、第2の発光素子駆動部4は発光素子5のバイアス電流(=駆動電流D2)のみが導通する状態になる。これにより、第1の発光素子駆動部2から出力される立ち上がり時のピーキング電流と、第1の発光素子駆動部2の抵抗R3及びR4で調整した振幅電流とを合成した駆動電流D1が、トランジスタQ2のコレクタからエミッタ方向に流れる。従って、発光素子5にはこの方向とは逆向きの駆動電流D1が流れるため、立ち下がり時のピーキング電流と振幅電流とが発光素子5に供給されることになる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る光送信回路によれば、立ち上がり時及び立ち下がり時のピーキング電流を別々に与えて、発光素子5から出力される光信号波形のなまりをなくす。これにより、立ち上がり速度及び立ち下がり速度共に、所望の速度で発光素子5を駆動させることができる。
〔第2の実施形態〕
図4は、本発明の第2の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成を説明する図である。この第2の実施形態に係る光送信回路は、上記第1の実施形態に係る光送信回路と比べ、第2の発光素子駆動部4の構成が異なる。
第2の発光素子駆動部4は、トランジスタQ1と、抵抗R1及びR2と、容量C1及びC5とで構成される。抵抗R1、抵抗R2及び容量C1は、第2の発光素子駆動部4の直流電流を調整するために用いられる。容量C5は、トランジスタQ1のコレクタと発光素子5との間に挿入される。この構成により、デジタル信号Sが入力された場合、第2の発光素子駆動部4から出力される駆動電流D2は、図2の波形(e)に示した電流のうち直流成分がカットされた交流成分の電流、すなわち立ち下がり時のピーキング電流のみとなる。この交流成分だけの駆動電流D2と第1の発光素子駆動部2から出力される駆動電流D1とが、発光素子5に供給される。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る光送信回路によれば、第2の発光素子駆動部4の出力から直流成分をカットするため、振幅電流に対して必要なピーキング電流量よりも大きなピーキング電流量が得られ、より高速に発光素子5を駆動させることができる。
〔第3の実施形態〕
図5は、本発明の第3の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成を説明する図である。この第3の実施形態に係る光送信回路は、上記第1の実施形態に係る光送信回路と比べ、第1の発光素子駆動部2の構成が異なる。
第1の発光素子駆動部2は、トランジスタQ2と、抵抗R3、R4及びR9と、容量C2及びC6とで構成される。トランジスタQ2のコレクタは、抵抗R9を介して電源VCCに接続されると共に、容量C6を介して発光素子5に接続される。この構成により、デジタル信号Sが入力された場合、第1の発光素子駆動部2から出力される駆動電流D1は、図2の波形(d)に示した電流のうち直流成分がカットされた交流成分の電流、すなわち立ち上がり時のピーキング電流のみとなる。この交流成分だけの駆動電流D1と第2の発光素子駆動部4から出力される駆動電流D2とが、発光素子5に供給される。
以上のように、本発明の第3の実施形態に係る光送信回路によれば、第1の発光素子駆動部2の出力から直流成分をカットするため、振幅電流に対して必要なピーキング電流量よりも大きなピーキング電流量が得られ、より高速に発光素子5を駆動させることができる。
〔第4の実施形態〕
図6は、本発明の第4の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成を説明する図である。この第4の実施形態に係る光送信回路は、上記第1の実施形態に係る光送信回路と比べ、第1の発光素子駆動部2及び第2の発光素子駆動部4の構成が異なる。
第1の発光素子駆動部2は、上記第3の実施形態と同じ、トランジスタQ2と、抵抗R3、R4及びR9と、容量C2及びC6とで構成される。
第2の発光素子駆動部4は、上記第2の実施形態と同じ、トランジスタQ1と、抵抗R1及びR2と、容量C1及びC5とで構成される回路ブロックAに加え、トランジスタQ3と、抵抗R10及びR11と、容量C7とで構成される回路ブロックBを含んでいる。トランジスタQ3には、PNP型バイポーラトランジスタやPチャネル電界効果トランジスタ等が用いられる。
第1の発光素子駆動部2からは、第3の実施形態で説明したように立ち上がり時のピーキング電流のみが出力される。一方、第2の発光素子駆動部4の回路ブロックAからは、第2の実施形態で説明したように立ち下がり時のピーキング電流のみが出力され、回路ブロックB(=第3の発光素子駆動部)からは、デジタル信号Sの直流電流を調整した振幅電流が出力される。
以上のように、本発明の第4の実施形態に係る光送信回路によれば、立ち上がり及び立ち下がりを補償するピーキング電流と、振幅電流とが、発光素子5に供給されるため、立ち上がり速度及び立ち下がり速度共により簡単に所望の速度で発光素子5を駆動させることができる。
なお、図7に示すように、上記第1〜第4の実施形態で説明した回路に直流電流供給部6をさらに含めて、発光素子5に供給する直流電流量を調整してもよい。図7では、直流電流供給部6の一例としてカレントミラー回路を用いているが、その他の直流電流を供給することができる構成を用いてもよい。
〔第5の実施形態〕
上述したように、発光素子5を駆動するには図2の波形(f)で示した駆動電流D3を用いることが理想的である。ところが、本発明者等の検証によって、立ち下がりのピーキング電流をある程度少なくしても実使用に耐え得ることが分かった。
第5〜第9の実施形態では、立ち下がりのピーキング電流を少なくして消費電力を低減させた光送信回路を説明する。
まず、立ち下がりのピーキング電流をどの程度少なくできるかを説明する。なお、以下に説明する関係式は、ピーキング電流発生部3の構成を一例に説明するものであって、回路構成が変われば関係式も変わることは言うまでもない。
図8の駆動電流波形において、立ち上がり時のピーク電流の絶対値IPH、及び立ち下がり時のピーク電流の絶対値IPLは、デジタル信号Sのハイレベル電流IH及びローレベル電流ILと、第2のピーキング電流発生部3の抵抗R5及びR6とを用いると、次の式(1)及び式(2)で表すことができる。なお、B1は定数である。
IPH= B1×(R5/R6)×(IH−IL)+IH ‥‥(1)
IPL=−B1×(R5/R6)×(IH−IL)+IL ‥‥(2)
従って、図8に示すピーキング電流量a1は、次式(3)で表すことができる。
a1=IPH−IH=IL−IPL
=B1×(R5/R6)×(IH−IL) ‥‥(3)
次に、図8に示すクリッピング時の動作について考える。トランジスタQ1のベースに供給するバイアス電流Ibを小さくすると、立ち下がり時のピーク電流IPLは、0レベル以下となる。しかし、実際には、発光素子5でクリッピングが生じ、ピーク電流(=IPL')は0レベルとなる。従って、クリッピングが発生した場合の立ち下がり時のピーク電流IPLは、クリッピングが発生しないときの立ち下がり時のピーク電流相当が0レベル以下に流れていると考える。よって、このクリッピング電流量a2は、次式(4)のように、立ち下がり時のピーク電流の絶対値IPLを用いて表すことができる。
a2=−IPL ‥‥(4)
例えば、伝送速度を500Mbps及びパルス電流の振幅量(=IH−IL)を14.4mAppによって発光素子5を駆動する条件を設定した場合、クリッピングが発生しない条件(a2/a1=0)で必要なバイアス電流Ibは実験的には139.5mAであり、B1×(R5/R6)=9.15である。立ち上がり及び立ち下がり時のピーク電流は、上記式(1)及び式(2)によりそれぞれIPH=278.4mA及びIPL=0mAである。このクリッピングが発生しない条件からバイアス電流Ibを徐々に低減させると、クリッピングが発生し、発光素子5の出力波形になまりが生じる。このとき、立ち下がり時間tfが1ns(伝送速度500Mbpsに相当)となるa2/a1を評価した結果、約0.8であった。このa2/a1=0.8の条件において、バイアス電流Ibは36.6mAであるため、消費電力に関しては、クリッピングが発生しない場合に比べ、約75%低減させることができる。なお、その他の値としては、IPH=175.5mA、IPL'=0mA(IPL=−102.9mA)、a1=131.7mA、及びa2=102.9mAである。
また、図9に、パルス電流の振幅量(=IH−IL)及びバイアス電流Ibをパラメータとして、ピーキング電流量a1とクリッピング電流量a2との比であるa2/a1を変化させたときの立ち下がり時間tfの実験結果を示す。なお、立ち下がり時間tfが大きくなるに従い、応答速度は遅くなる関係にある。これにより、立ち下がり時間tfを1nsとした伝送速度500Mbpsの場合、a2/a1を次式(5)の条件にすることで、500Mbpsの高速応答を実現することができる。
Figure 0004999469
また、図9は、次式(6)の関係式で表される。時間tfは、a2/a1が小さい場合、ピーク電流で決定されるパルスの立ち下がり時間(第1項)が支配的となり、a2/a1が大きい場合、第2の発光素子駆動部4から出力されるクリッピング電流で決定される立ち下がり時間(第2項)が支配的となる。なお、式(6)のA1、A2、N1、及びN2は定数である。また、第1項の時定数τ1は、第2のピーキング電流発生部3の抵抗R5及びR6と容量C3とで設定したピーク電流の過渡応答で決定され、第2項の時定数τ2は、第2の発光素子駆動部4のトランジスタQ1及び発光素子5の過渡応答で決定される。これにより、伝送速度に応じたa2/a1を設定することができる。
Figure 0004999469
次に、本発明の第5の実施形態に係る光送信回路を説明する。
図10は、本発明の第5の実施形態に係る光送信回路の構成を示す図である。図10において、第5の実施形態に係る光送信回路は、ピーキング電流発生部3と、発光素子5と、発光素子駆動部7と、クリッピング発生部8と、信号解析部9とを備える。信号解析部9は、パルス幅検出部10及びパルス幅制御部11で構成される。ピーキング電流発生部3及び発光素子5は、上記第1〜第4の実施形態で説明した構成と同じである。以下、異なる構成の発光素子駆動部7、クリッピング発生部8、パルス幅検出部10、及びパルス幅制御部11を中心に、第5の実施形態に係る光送信回路を説明する。
発光素子駆動部7は、トランジスタQ1と、抵抗R16と、容量C1及びC8とで構成される。このトランジスタQ1には、PNP型バイポーラトランジスタやPチャネル電界効果トランジスタ等が用いられる。トランジスタQ1のベースは、直列接続された抵抗R16及び容量C8を介して接地され、また容量C1を介してデジタル信号Sを入力する。トランジスタQ1のコレクタは、発光素子5に接続される。抵抗R16と容量C8との接続点には、クリッピング発生部8から出力される直流電圧が印加される。
パルス幅検出部10は、入力されるデジタル信号Sを発光素子駆動部7に出力すると共に、デジタル信号Sのパルス幅を検出し、その検出結果を検出パルス幅としてパルス幅制御部11に出力する。パルス幅制御部11は、例えば図11に示すように比較部11aで構成され、所定の基準パルス幅と検出パルス幅とを比較し、この比較結果に基づいた制御信号をクリッピング発生部8に出力する。パルス幅検出部10の一例としては、パルスの立ち下がり又は立ち上がりを検出する構成が挙げられるが、その他の構成を用いてもよい。また、パルス幅制御部11の一例として比較部11aを用いているが、様々な制御信号を格納したメモリ部を設けて、検出パルス幅に応じていずれか1つの制御信号をメモリ部から読み出す構成にしても実施可能である。
クリッピング発生部8は、抵抗R17〜R19と、可変抵抗R20と、トランジスタQ6とで構成される。このトランジスタQ6には、PNP型バイポーラトランジスタやPチャネル電界効果トランジスタ等が用いられる。可変抵抗R20、抵抗R19、及び抵抗R18は、直列に接続されて電源VCCとGNDとの間に挿入される。抵抗R18と抵抗R19との接続点は、トランジスタQ6のベースに接続される。トランジスタQ6のエミッタは、抵抗R17を介して電源VCCに接続され、かつ、エミッタに現れる直流電圧は、発光素子駆動部7の抵抗R16と容量C8との接続点に出力される。トランジスタQ6のコレクタは、接地される。可変抵抗R20の抵抗値は、パルス幅制御部11から出力される制御信号に従って変化する。この抵抗値の変化を制御することで、ピーキング電流量に対するクリッピング電流量の割合が所定値以下となるクリッピング量を調整する。
例えば、検出パルス幅が基準パルス幅よりも長い(伝送速度が遅い)場合には、クリッピング発生部8のバイアス電流Ibを小さくし、検出パルス幅が基準パルス幅よりも短い(伝送速度が速い)場合には、クリッピング発生部8のバイアス電流Ibを大きくするように制御する。これにより、デジタル信号Sの伝送速度に応じた値にクリッピング電流量a2が調整された駆動電流を、発光素子5に供給することができる。
以上のように、本発明の第5の実施形態に係る光送信回路によれば、デジタル信号Sの伝送速度に応じて、ピーキング電流量に対するクリッピング電流量の割合が所定値以下となるクリッピング量を自動で調整し、伝送速度に対して必要最小限のクリッピング量にすることができる。これにより、消費電力を低減しつつ、発光素子5の高速応答を実現することができる。
〔第6の実施形態〕
図12は、本発明の第6の実施形態に係る光送信回路の構成を示す図である。図12において、第6の実施形態に係る光送信回路は、ピーキング電流発生部3と、発光素子5と、発光素子駆動部7と、クリッピング発生部8と、信号解析部9とを備える。信号解析部9は、振幅量検出部12及び振幅量制御部13で構成される。この第6の実施形態は、振幅量検出部12及び振幅量制御部13が、上記第5の実施形態の構成と異なる。以下、この異なる構成を中心に、第6の実施形態に係る光送信回路を説明する。
振幅量検出部12は、入力されるデジタル信号Sを発光素子駆動部7に出力すると共に、デジタル信号Sの振幅量を検出し、その検出結果を検出振幅量として振幅量制御部13に出力する。振幅量制御部13は、例えば図13に示すように比較部13aで構成され、所定の基準振幅量と検出振幅量とを比較し、この比較結果に基づいた制御信号をクリッピング発生部8に出力する。なお、比較部13aに代えて、様々な制御信号を格納したメモリ部を設けて、検出振幅量に応じていずれか1つの制御信号をメモリ部から読み出す構成にしても実施可能である。クリッピング発生部8は、振幅量制御部13から出力される制御信号に従って図10に示す可変抵抗R20の抵抗値を変化させることで、ピーキング電流量に対するクリッピング電流量の割合が所定値以下となるクリッピング量を調整する。
例えば、検出振幅量が基準振幅量よりも大きい場合には、ピーキング電流発生部3で発生するピーク電流が大きくなるため、クリッピング発生部8のバイアス電流Ibを大きくし、検出振幅量が基準振幅量よりも小さい場合には、クリッピング発生部8のバイアス電流Ibを小さくするように制御する。これにより、デジタル信号Sの振幅量に応じた値にクリッピング電流量a2が調整された駆動電流を、発光素子5に供給することができる。
以上のように、本発明の第6の実施形態に係る光送信回路によれば、デジタル信号Sの振幅量に応じて、ピーキング電流量に対するクリッピング電流量の割合が所定値以下となるクリッピング量を自動で調整し、振幅量に対して必要最小限のクリッピング量にすることができる。これにより、消費電力を低減しつつ、発光素子5の高速応答を実現することができる。
〔第7の実施形態〕
図14は、本発明の第7の実施形態に係る光送信回路の構成を示す図である。図14において、第7の実施形態に係る光送信回路は、ピーキング電流発生部3と、発光素子5と、発光素子駆動部7と、クリッピング発生部8と、信号解析部9とを備える。信号解析部9は、パルス幅検出部10、パルス幅制御部11、振幅量検出部12、振幅量制御部13、及び処理部14で構成される。この第7の実施形態は、上記第5の実施形態と第6の実施形態とを組み合わせた構成であり、処理部14の構成が異なる。以下、この異なる構成を中心に、第7の実施形態に係る光送信回路を説明する。
この処理部14は、パルス幅制御部11が出力する制御信号と、振幅量制御部13が出力する制御信号とを加算し、この加算した結果を最終的な制御信号としてクリッピング発生部8に出力する。これにより、デジタル信号Sの伝送速度及び振幅量の両方に応じた制御信号を出力することができる。
以上のように、本発明の第7の実施形態に係る光送信回路によれば、デジタル信号Sの伝送速度及び振幅量の両方に応じて、ピーキング電流量に対するクリッピング電流量の割合が所定値以下となるクリッピング量を自動で調整し、伝送速度及び振幅量に対して必要最小限のクリッピング量にすることができる。これにより、消費電力を低減しつつ、発光素子5の高速応答を実現することができる。
なお、デジタル信号Sの伝送速度を検出する処理とデジタル信号Sの振幅量を検出する処理とは、順序が前後しても構わない。また、処理部14では、パルス制御部11の制御信号と振幅量制御部13の制御信号とを加算した結果を最終的な制御信号として出力する方法例を説明したが、様々な最終的な制御信号を格納したメモリ部を設けて、各々の制御信号に応じていずれか1つの最終的な制御信号をメモリ部から読み出す構成にしても実施可能である。
〔第8の実施形態〕
図15は、本発明の第8の実施形態に係る光送信回路の構成を示す図である。図15において、第8の実施形態に係る光送信回路は、ピーキング電流発生部3と、発光素子5と、発光素子駆動部7と、クリッピング発生部8と、信号解析部9とを備える。信号解析部9は、パルス幅検出部10、パルス幅制御部11、振幅量検出部12、振幅量制御部13、処理部14、受光素子15、増幅部16、信号検出部17、及び入力信号制御部18で構成される。この第8の実施形態は、受光素子15、増幅部16、信号検出部17、及び入力信号制御部18が、上記第7の実施形態の構成と異なる。以下、この異なる構成を中心に、第8の実施形態に係る光送信回路を説明する。
受光素子15は、通信相手の装置(図示せず)から放射される光信号を受光し、この光信号に応じた電気信号を増幅部16に出力する。なお、受光素子15の代わりにアンテナを備えて、通信相手の装置から無線信号を受信する構成にしても構わない。増幅部16は、受光素子15から出力される電気信号を所定の利得で増幅する。信号検出部17は、増幅部16で増幅された電気信号の振幅量を検出し、その検出結果を検出信号として入力信号制御部18に出力する。
入力信号制御部18は、例えば図16に示すように比較部18aと可変利得アンプ18bとで構成される。比較部18aは、所定の基準信号と検出信号とを比較し、この比較結果に基づいた制御信号を利得制御信号として可変利得アンプ18bへ出力する。可変利得アンプ18bは、利得制御信号に従ってデジタル信号Sの振幅量を制御する。なお、デジタル信号Sの振幅量を制御することができれば、可変利得アンプ18b以外を用いてもよい。振幅量が制御されたデジタル信号Sは、パルス幅検出部10に入力される。
例えば、伝送距離が長く、かつ受光素子15で受光された光信号が小さい場合、信号検出部17では、入力信号制御部18内の基準となる振幅量よりも小さい振幅量を検出するため、入力信号制御部18においてデジタル信号Sの振幅量を大きくする制御を行う。この結果に基づいて、クリッピング発生部8のバイアス電流Ibを大きくするように制御する。一方、伝送距離が短く、かつ受光素子15で受光された光信号が大きい場合には、反対の制御が行われる。
以上のように、本発明の第8の実施形態に係る光送信回路によれば、通信相手の装置との間の伝送距離に基づいたデジタル信号Sの伝送速度及び振幅量の両方に応じて、ピーキング電流量に対するクリッピング電流量の割合が所定値以下となるクリッピング量を自動で調整し、伝送速度及び振幅量に対して必要最小限のクリッピング量にすることができる。これにより、消費電力を低減しつつ、発光素子5の高速応答を実現することができる。
〔第9の実施形態〕
図17は、本発明の第9の実施形態に係る光送信回路の構成を示す図である。図17において、第9の実施形態に係る光送信回路は、ピーキング電流発生部19と、発光素子5と、発光素子駆動部7と、クリッピング発生部8と、信号解析部9とを備える。信号解析部9は、パルス幅検出部10、パルス幅制御部11、振幅量検出部12、振幅量制御部13、処理部14、受光素子15、増幅部16、及び信号検出部17で構成される。この第9の実施形態は、ピーキング電流発生部19が、上記第8の実施形態の構成と異なる。以下、この異なる構成を中心に、第9の実施形態に係る光送信回路を説明する。
信号検出部17は、増幅部16で増幅された電気信号の振幅量を検出し、その検出結果を検出信号としてピーキング電流発生部19に出力する。ピーキング電流発生部19は、例えば図18に示すように複数の異なる値の波形ピーキング部19aと選択部19bとで構成される。選択部19bは、検出信号に従って複数の異なる値の波形ピーキング部19aのいずれか1つを選択的に切り替える。
以上のように、本発明の第9の実施形態に係る光送信回路によれば、通信相手の装置との間の伝送距離に基づいたデジタル信号Sの伝送速度及び振幅量の両方に応じて、ピーキング電流量に対するクリッピング電流量の割合が所定値以下となるクリッピング量を自動で調整し、伝送速度及び振幅量に対して必要最小限のクリッピング量にすることができる。これにより、消費電力を低減しつつ、発光素子5の高速応答を実現することができる。
なお、上記第1〜第9の実施形態で示した抵抗、容量、及びトランジスタを用いた詳細な回路は一例であり、それぞれ同一の機能を発揮する回路であれば他の構成であっても構わない。例えば、クリッピング発生部8は、図19に示すように、可変抵抗R20に代えて値が異なる複数の抵抗と切り替えスイッチとを用いてもよい。また、入力するデジタル信号Sが固定的であるのならば、デジタル信号Sのパルス幅や振幅量を検出することなく、可変抵抗R20の抵抗値を固定してもよい。
また、上記第1〜第4の実施形態では、第1の発光素子駆動部2のトランジスタQ2のエミッタが第1のピーキング電流発生部1を介して接地され、第2の発光素子駆動部4のトランジスタQ1のエミッタが第2のピーキング電流発生部3を介して電源VCCに接続される構成を説明した。しかし、この接続以外にも、トランジスタQ2のエミッタを電源VCCに接続し、トランジスタQ1のエミッタを接地してもよい。また、電源VCCを上限電圧に、接地レベルを下限電圧として説明したが、負の電源を下限電圧に用いても構わない。
また、上記第1〜第4の実施形態では、第1及び第2のピーキング電流発生部でそれぞれピーキング電流を発生させ、立ち上がり速度及び立ち下がり速度の両方を補償した例を説明した。しかし、本発明は、第1のピーキング電流発生部で立ち下がり速度を補償する構成だけでも、従来の構成に対して効果を発揮する。
本発明の光送信回路は、光通信分野に用いられる発光素子を駆動する回路等に利用可能であり、特に消費電力を低減しつつ光信号を高速伝送したい場合等に有用である。
本発明の第1〜第4の実施形態に共通する光送信回路の概略構成を示す機能ブロック図 図1に示す光送信回路の動作を説明するための波形図 本発明の第1の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成図 本発明の第2の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成図 本発明の第3の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成図 本発明の第4の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成図 本発明の他の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成図 本発明の第5〜第9の実施形態に係る光送信回路の動作を説明するための波形図 本発明の第5〜第9の実施形態に係る光送信回路のクリッピング電流と立ち下がり時間との関係を示す図 本発明の第5の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成図 パルス幅制御部11の詳細な回路例 本発明の第6の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成図 振幅量制御部13の詳細な回路例 本発明の第7の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成図 本発明の第8の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成図 入力信号制御部18の詳細な回路例 本発明の第9の実施形態に係る光送信回路の詳細な構成図 ピーキング電流発生部19の詳細な回路例 クリッピング発生部8の他の詳細な回路例 従来の発光素子駆動回路の概略構成を示す機能ブロック図 図20に示す発光素子駆動回路の動作を説明するための波形図 従来の他の発光素子駆動回路の概略構成を示す機能ブロック図 図22に示す発光素子駆動回路の動作を説明するための波形図
符号の説明
1、3、19、102 ピーキング電流発生部
2、4、7、193 発光素子駆動部
5、101 発光素子(LED)
6 直流電流供給部
8 クリッピング発生部
9 信号解析部
10 パルス幅検出部
11 パルス幅制御部
11a、13a、18a 比較部
12 振幅量検出部
13 振幅量制御部
14 処理部
15 受光素子
16 増幅部
17 信号検出部
18 入力信号制御部
18b 可変利得アンプ
19a 波形ピーキング部
19b 選択部
104 ディスチャージ回路
C1〜C8 容量
Q1〜Q6 トランジスタ
R1〜R20 抵抗

Claims (14)

  1. 入力するデジタル信号に従って発光素子を駆動する光送信回路であって、
    前記デジタル信号の立ち上がり及び立ち下がりに同期したピーキング電流を発生させるピーキング電流発生部と、
    前記デジタル信号の振幅に応じた信号振幅電流と前記ピーキング電流とを合成した駆動電流を生成し、当該駆動電流を用いて前記発光素子を駆動する発光素子駆動部と、
    前記デジタル信号を解析し、前記デジタル信号のパルス幅及び振幅量の少なくとも1つに基づいた制御信号を設定する信号解析部と、
    前記信号解析部が設定した制御信号に応じて、前記駆動電流の前記ピーキング電流をクリッピングさせるクリッピング発生部とを備える、光送信回路。
  2. 前記クリッピング発生部は、前記ピーキング電流量に対するクリッピング電流量の割合を所定値以下に設定することを特徴とする、請求項に記載の光送信回路。
  3. 前記クリッピング発生部は、前記発光素子駆動部が生成する前記駆動電流のバイアス電流を制御することを特徴とする、請求項に記載の光送信回路。
  4. 前記信号解析部は、
    前記デジタル信号のパルス幅を検出するパルス幅検出部と、
    前記検出されたパルス幅に応じた制御信号を設定するパルス幅制御部とを備える、請求項に記載の光送信回路。
  5. 前記信号解析部は、
    前記デジタル信号の振幅量を検出する振幅量検出部と、
    前記検出された振幅量に応じた制御信号を設定する振幅量制御部とを備える、請求項に記載の光送信回路。
  6. 前記信号解析部は、
    前記デジタル信号のパルス幅を検出するパルス幅検出部と、
    前記検出されたパルス幅に応じた信号を出力するパルス幅制御部と、
    前記デジタル信号の振幅量を検出する振幅量検出部と、
    前記検出された振幅量に応じた信号を出力する振幅量制御部と、
    前記パルス幅制御部が出力する信号と前記振幅量制御部が出力する信号とを加算した信号を、制御信号として設定する処理部とを備える、請求項に記載の光送信回路。
  7. 前記信号解析部は、
    通信相手の装置から送信される光信号を受信する受光素子と、
    前記受光素子で受信された信号を増幅する増幅部と、
    前記増幅部で増幅された信号の振幅量を検出する信号検出部と、
    前記信号検出部の検出結果に基づいて、前記パルス幅検出部に入力される前記デジタル信号の振幅量を制御する振幅量制御部とをさらに備える、請求項に記載の光送信回路。
  8. 前記信号解析部は、
    通信相手の装置から送信される光信号を受信する受光素子と、
    前記受光素子で受信された信号を増幅する増幅部と、
    前記増幅部で増幅された信号の振幅量を検出する信号検出部とをさらに備え、
    前記ピーキング電流発生部は、前記信号検出部の検出結果に基づいて、発生させるピーキング電流の量を制御することを特徴とする、請求項に記載の光送信回路。
  9. 前記ピーキング電流発生部は、直列接続された第1抵抗及び第2抵抗と、第1抵抗に並列接続された容量とで構成されることを特徴とする、請求項に記載の光送信回路。
  10. 前記ピーキング電流発生部は、直列接続された第1抵抗及び第2抵抗と、第1抵抗に並列接続された容量とで構成されるブロックを複数有し、前記信号検出部の検出結果に基づいて複数ブロックのいずれか1つを選択的に切り替えることを特徴とする、請求項に記載の光送信回路。
  11. 前記ピーキング電流量a1に対するクリッピング電流量a2の割合である所定値a2/a1は、前記ピーキング電流発生部で決定される時定数τ1を含み、前記ピーキング電流により決定されるパルスの立ち下がり時間と、前記発光素子駆動部及び前記発光素子で決定される時定数τ2を含み、前記クリッピング電流により決定されるパルスの立ち下がり時間とに基づいて、定数A1、A2、N1、N2、及び立ち下がり時間tfを用いた下記の関係式によって決定されることを特徴とする、請求項に記載の光送信回路。
    Figure 0004999469
  12. 前記クリッピング発生部は、伝送速度500Mbps付近で前記発光素子を駆動する場合、前記所定値a2/a1を0<a2/a1≦0.8の条件で設定することを特徴とする、請求項11に記載の光送信回路。
  13. 前記発光素子を構成に含む、請求項に記載の光送信回路。
  14. 前記発光素子がLEDであることを特徴とする、請求項に記載の光送信回路。
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