JP2006324575A - 半導体レーザ素子の駆動方法 - Google Patents

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佳宜 河南
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Abstract

【課題】 半導体レーザ素子の閾値電流値の変動に対し、光出力波形の歪みを抑えつつ、消光比を大きくできる半導体レーザ素子の駆動方法を提供する。
【解決手段】 本駆動方法は、バイアス電流Ibiasに加えてレーザダイオードLDへ供給される変調電流Imの立ち上がり時刻Tに対するレーザダイオードLDのレーザ発振タイミングの遅延時間Tdと、バイアス電流Ibiasとの関係を求め、この関係から決定される閾値電流値Ithを超えない値に設定されたバイアス電流Ibiasと、変調電流ImとをレーザダイオードLDへ供給して該レーザダイオードLDを駆動する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体レーザ素子の駆動方法に関するものである。
半導体レーザ素子を高速で駆動する方法として、定常的なバイアス電流と高周波成分を含む変調電流とを半導体レーザ素子へ供給する方法がある。この方法では、バイアス電流が半導体レーザ素子の閾値電流よりも過大であると消光比が小さくなる。従って、バイアス電流値は閾値電流値の近傍に設定されることが好ましい。
しかし、半導体レーザ素子の閾値電流値は、温度変化によって容易に変動する。図6は、閾値電流値が温度によって変動する様子を示すグラフであり、縦軸に発光量を、横軸に駆動電流量をそれぞれ示している。図6には、常温(25℃)での発光特性を示すグラフG101と、高温(85℃)での発光特性を示すグラフG102とが示されている。これらのグラフに示されるように、半導体レーザ素子においては、高温(85℃)での閾値電流Ithが常温(25℃)での閾値電流Ithよりも大きくなる傾向がある。
特許文献1には、半導体レーザ素子の閾値電流の変動に応じてバイアス電流を調整する光出力制御回路が開示されている。この回路では、バイアス電流に低周波成分を畳重させてレーザダイオードを駆動している。そして、レーザダイオードの近傍に配置したフォトダイオードから光出力モニタ信号を取得し、モニタ信号に含まれる低周波成分の強度を一定に保つことにより、温度変化による閾値電流の変動に対し、バイアス電流値と閾値電流値との差を一定の値に保持している。すなわち、バイアス電流の値は閾値電流値よりも常に大きい値に保持される。
特開平06−169121号公報
しかしながら、特許文献1に開示された回路には、次の課題が存在する。すなわち、モニタ信号中から低周波成分を抽出するための回路を設ける必要があり、回路規模が大きくなってしまう。低周波回路成分を常に有意の一定の値に保持するということは、Loレベル時(本来は非発光であるべき状態)にも発光させる必要があり、適切な消光比を確保するためには、Hiレベル(発光時)の発光強度を大きくする必要がある。そして、バイアス電流に低周波成分を畳重させると、半導体レーザ素子に供給される駆動電流のジッタ成分が増加し、光出力波形のジッタも大きくなってしまう。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、半導体レーザ素子の閾値電流値の変動に対し、光出力波形の歪みを抑えつつ、消光比を大きくできる半導体レーザ素子の駆動方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明による半導体レーザ素子の駆動方法は、バイアス電流および変調電流を供給して半導体レーザ素子を駆動する方法であって、変調電流の立ち上がりのタイミングに対する半導体レーザ素子のレーザ発振タイミングの遅延とバイアス電流の電流値との関係を求め、該関係から決定される半導体レーザ素子の閾値電流値を超えない値に設定されたバイアス電流および変調電流を供給して半導体レーザ素子を駆動することを特徴とする。
この半導体レーザ素子の駆動方法では、(実効的な)閾値電流値を超えない値にバイアス電流値を設定している。閾値電流値を超えないようにバイアス電流値を設定すると、変調電流がローレベルのときには駆動電流値が閾値電流値を超えないので、レーザ発振が生じない。従って、消光比をほぼ無限大とすることができる。また、温度変化等によって閾値電流が増大した場合においても、バイアス電流値は常に閾値電流値より小さいので、消光比をほぼ無限大に維持することができる。
また、この半導体レーザ素子の駆動方法では、レーザ発振タイミングの遅延とバイアス電流値との関係を求め、この関係から決定される閾値電流値を超えない値にバイアス電流値を設定している。バイアス電流値が閾値電流値よりも小さいほどレーザ発振タイミングに遅れが生じるので、この駆動方法により、閾値電流値を超えない値にバイアス電流値を容易に設定できる。従って、特許文献1に記載された技術のように、バイアス電流値を設定するためにバイアス電流に低周波成分を畳重させる必要がなく、ジッタ等の光出力波形の歪みを抑えることができる。また、半導体レーザ素子の常温での閾値電流値やその温度変化の度合いには個体差があるが、個々に閾値電流特性を調べると手間がかかる。上記駆動方法によれば、半導体レーザ素子の個々の閾値電流特性が未知であっても、駆動回路に実装した状態で実効的な閾値電流値を知ることができ、閾値電流値を超えない値にバイアス電流値を簡易に設定できる。
また、本発明による半導体レーザ素子の駆動方法は、バイアス電流および変調電流を供給して半導体レーザ素子を駆動する方法であって、バイアス電流及び変調電流が供給された半導体レーザ素子からの光出力波形のアイパターンにおけるクロスポイントの値とバイアス電流の電流値との関係を求め、該関係から決定される半導体レーザ素子の閾値電流値を超えない値に設定されたバイアス電流及び変調電流を半導体レーザ素子へ供給して半導体レーザ素子を駆動することを特徴とする。
この半導体レーザ素子の駆動方法では、(実効的な)閾値電流値を超えない値にバイアス電流値を設定している。従って、既述したように、消光比をほぼ無限大とすることができるとともに、温度変化等によって閾値電流が増大した場合においても消光比をほぼ無限大に維持することができる。
また、この半導体レーザ素子の駆動方法では、光出力波形のアイパターン(アイダイアグラムとも呼ばれる)におけるクロスポイントとバイアス電流の電流値との関係を求め、この関係から決定される閾値電流値を超えない値にバイアス電流値を設定している。既述したようにバイアス電流値が閾値電流値よりも小さいほどレーザ発振タイミングに遅れが生じるが、このレーザ発振タイミングの遅れは光出力波形のアイパターンにおけるクロスポイントを調べることによって容易に解析できる。従って、この駆動方法により閾値電流値を超えない値にバイアス電流値を容易に設定できるので、バイアス電流値を設定するためにバイアス電流に低周波成分を畳重させる必要がなく、ジッタ等の光出力波形の歪みを抑えることができる。また、この駆動方法により、半導体レーザ素子の個々の閾値電流特性が未知であっても、駆動回路に実装した状態で実効的な閾値電流値を知ることができ、閾値電流値を超えない値にバイアス電流値を簡易に設定できる。
また、半導体レーザ素子の駆動方法は、バイアス電流値が半導体レーザ素子の閾値電流値の0.8倍よりも大きくなるようにバイアス電流値を設定することを特徴としてもよい。これにより、光出力波形の歪みをさらに抑制できる。
本発明による半導体レーザ素子の駆動方法によれば、半導体レーザ素子の閾値電流値の変動に対し、光出力波形の歪みを抑えつつ、消光比を大きくできる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による半導体レーザ素子の駆動方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る半導体レーザ素子の駆動方法に好適に用いられるレーザ駆動回路の一例を示す回路図である。図1に示すレーザ駆動回路1は、レーザダイオードLDといった半導体レーザ素子を高速で駆動するための回路である。図1を参照すると、レーザ駆動回路1は、レーザダイオードLDへバイアス電流Ibiasを供給するバイアス電流生成部2と、レーザダイオードLDへ変調電流Imを供給する変調電流生成部3と、レーザダイオードLDを駆動するための電源を供給する電源電位端5とを有する。レーザダイオードLDのアノードは、電源電位端5と電気的に接続されている。
バイアス電流生成部2は、レーザダイオードLDのカソードと電気的に接続されており、バイアス電流源9b及びインダクタ10を含んで構成されている。インダクタ10の一端はレーザダイオードLDのカソードと電気的に接続されており、インダクタ10の他端はバイアス電流源9bの一端に電気的に接続されている。バイアス電流源9bの他端は、GNDラインといった基準電位線6と電気的に接続されている。バイアス電流源9bは、定常的なバイアス電流Ibiasを生成する。この構成により、レーザダイオードLDにバイアス電流Ibiasが供給される。また、インダクタ10は、後述する変調電流生成部3によって供給される高周波の変調電流Imがバイアス電流生成部2へ流入することを防ぐ。
本実施形態のバイアス電流源9bは、バイアス電流Ibiasの電流値がレーザダイオードLDの閾値電流値Ithを超えない所定の値となるように調整されている。バイアス電流Ibiasの電流値は、閾値電流値Ithに近い値、具体的には閾値電流値Ithの0.8倍よりも大きい値であることが好ましい。
変調電流生成部3は、バッファ7、一対のトランジスタ8a及び8b、変調電流源9a、並びに抵抗11a及び11bを有する。トランジスタ8a及び8b双方のエミッタは、変調電流源9aと電気的に接続されている。トランジスタ8aのコレクタ端子は、抵抗11aを介して電源電位端5と電気的に接続されるとともに、レーザダイオードLDのカソードと電気的に接続されている。トランジスタ8bのコレクタ端子は、抵抗11bを介して電源電位端5と電気的に接続されるとともに、レーザダイオードLDのアノードと電気的に接続されている。なお、トランジスタ8aのコレクタ端子とレーザダイオードLDのカソードとの間には、インピーダンス整合のための抵抗11cが接続されている。同様に、トランジスタ8bのコレクタ端子とレーザダイオードLDのアノードとの間には、インピーダンス整合のための抵抗11dが接続されている。
また、バッファ7は、差動入力端7a、正相出力端7b、及び逆相出力端7cを有する。トランジスタ8aのベースは、バッファ7の正相出力端7bと電気的に接続されている。トランジスタ8bのベースは、バッファ7の逆相出力端7cと電気的に接続されている。バッファ7の差動入力端7aは、レーザ駆動回路1の外部に設けられる図示しない信号生成回路と電気的に接続される。
変調電流生成部3において、バッファ7の差動入力端7aに高周波信号が入力されると、この高周波信号と同相の正相信号Smがトランジスタ8aのベースに入力されるとともに、この高周波信号とは逆相である逆相信号Smがトランジスタ8bのベースに入力される。正相信号Smがトランジスタ8aのベースに入力されることにより、レーザダイオードLDには変調電流Imが流れる。変調電流Imは、変調電流源9aによって電流値が規定され、抵抗11c及びトランジスタ8aを介して流れる。また、逆相信号Smがトランジスタ8bのベースに入力されることにより、変調電流Imとは逆相の変調電流Imが流れる。変調電流Imは、変調電流源9aによって変調電流Imと同じ電流量に規定され、抵抗11d及びトランジスタ8bを介して流れる。
なお、変調電流Im及びImの電流値は、高周波信号がHiレベルのときの変調電流Imの電流値にバイアス電流Ibiasの電流値を加えた値がレーザダイオードLDの閾値電流値Ithよりも大きくなるように設定される。
こうして、定常的なバイアス電流Ibiasと高周波の変調電流Imとを合わせた駆動電流(Ibias+Im)がレーザダイオードLDへ供給されることにより、レーザダイオードLDから光出力信号が出力される。
続いて、本実施形態に係る半導体レーザ素子の駆動方法について説明する。本駆動方法においては、まずバイアス電流Ibiasの電流値をレーザダイオードLDの閾値電流値Ithを超えない所定の値となるように設定し(バイアス設定ステップ)、その後、このバイアス電流Ibiasと変調電流ImとをレーザダイオードLDへ供給することによりレーザダイオードLDを駆動する(レーザ駆動ステップ)。
ここで、図2は、レーザダイオードLDに駆動電流(Ibias+Im)を供給したときのレーザダイオードLDの応答(発光)特性を示すグラフである。図2(a)は、駆動電流の時間波形を示すグラフであり、図2(b)は、図2(a)に対応するレーザダイオードLDの発光量の時間波形を示すグラフである。
図2(a)のグラフG3に示すように、バイアス電流Ibiasの電流値がレーザダイオードLDの閾値電流値Ithと等しい、または閾値電流値Ithよりも大きい場合には、図2(b)のグラフG5に示すように、変調電流ImがLoレベルからHiレベルへ立ち上がった瞬間(時刻T)にレーザダイオードLDからの発光量が立ち上がり、駆動電流(Ibias+Im)に比例した発光量Pに収束する。これに対し、図2(a)のグラフG4に示すように、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも小さい場合には、図2(b)のグラフG6に示すように、変調電流ImがLoレベルからHiレベルへ立ち上がる時刻Tから遅延時間Td後にレーザダイオードLDからの発光量が立ち上がり、発光量Pに収束する。ここで、時刻Tdは変調電流Imの増加によりIbias+ImがIthに等しくなるまでの時間に第一義的に相当する。
このように、バイアス電流Ibiasが閾値電流値Ithよりも小さい場合には、変調電流Imの立ち上がりタイミング(時刻T)から遅れてレーザダイオードLDが発光する。また、このときの遅延時間Tdは、バイアス電流Ibiasと閾値電流値Ithとの差が拡大するほど大きくなる。本実施形態ではこの現象を利用する。まず、レーザダイオードLDへの変調電流Imの立ち上がりタイミング(時刻T)に対するレーザ発振タイミングの遅延時間Tdと、バイアス電流Ibiasの電流値との関係を求める。次に、この関係から導かれる(実効的な)閾値電流値Ithを超えない所定の値にバイアス電流Ibiasの電流値を決定する。
図3は、バイアス電流Ibiasの値とレーザ発振タイミングの遅延時間Tdとの関係の一例を示すグラフである。なお、図3に示す関係グラフを作成する際に用いたレーザダイオードLDは、キャリア寿命Tn=1[ns]、閾値電流値Ith=9[mA]であった。そして、このレーザダイオードLDへの駆動電流(Ibias+Im)を30[mA](Hiレベル時)とし、バイアス電流Ibiasを変化させながら計測を行った。
図3を参照すると、閾値電流値である9[mA]よりもバイアス電流Ibiasが大きい場合にはレーザ発振タイミングの遅延は発生していないが(遅延時間Td=0)、バイアス電流Ibiasが閾値電流値よりも小さくなると、バイアス電流値Ibiasと閾値電流値との差にほぼ比例して遅延時間Tdが増大していることがわかる。従って、例えば閾値電流値の0.9倍(図3の場合には約8[mA])にバイアス電流Ibiasの値を設定したい場合、このレーザダイオードでは遅延時間Tdが約0.05[ns]となるようにバイアス電流Ibiasの大きさを調整すれば良い。なお、この約0.05[ns]という遅延時間は、例えば通信速度が155.52[Mbps]の場合(例えば通信速度規格がOC−3/STM−1の場合)には、0.008UI(すなわちデータ幅6.45[ns]の0.8%)に相当する。従って、バイアス電流Ibiasの値を閾値電流値よりも小さく設定することによる波形歪みやパターンジッタは殆ど無視できるレベルである。
以上のようにして、図1に示したレーザ駆動回路1のバイアス電流源9bにおけるバイアス電流Ibiasの値を設定し、このバイアス電流IbiasをレーザダイオードLDへ供給する。続いて、バイアス電流Ibiasを供給しつつ、バッファ7の差動入力端7aに変調信号を入力することにより、レーザダイオードLDに変調電流Imを供給する。こうして、バイアス電流Ibiasと変調電流ImとをレーザダイオードLDへ供給することによりレーザダイオードLDを駆動する。
本実施形態による半導体レーザ素子の駆動方法が有する効果について説明する。本実施形態の駆動方法では、閾値電流値Ithを超えない所定の値にバイアス電流Ibiasの電流値を設定している。閾値電流値Ithを超えないようにバイアス電流Ibiasの値を設定すると、変調電流Imがローレベルのときには駆動電流(Ibias+Im)の電流値が閾値電流値Ithを超えないので、レーザ発振が生じず、レーザダイオードLDは殆ど消光状態となる。従って、この駆動方法によれば、レーザダイオードLDの消光比(変調電流ImがHiレベルのときの発光量Pと、変調電流ImがLoレベルのときの発光量Pとの比P/P)をほぼ無限大とすることができる。また、この駆動方法によれば、温度変化等によって閾値電流Ithが増大した場合においても、バイアス電流Ibiasの値は常に閾値電流値Ithより小さいので、レーザダイオードLDの消光比をほぼ無限大に維持することができる。
また、本実施形態による半導体レーザ素子の駆動方法では、レーザ発振タイミングの遅延とバイアス電流Ibiasの値との関係を求め、この関係から決定される閾値電流値Ithを超えない値にバイアス電流Ibiasの値を設定している。上述したように、バイアス電流Ibiasの値が閾値電流値Ithよりも小さいほどレーザ発振タイミングに遅れが生じるが、この駆動方法によれば、閾値電流値Ithを超えない値にバイアス電流Ibiasの値を容易に設定できる。従って、バイアス電流値を設定するためにバイアス電流に低周波成分を畳重させる必要がなく、レーザダイオードLDからの光出力波形の歪み(ジッタ等)を抑制でき、回路規模も小さくできる。また、常温での閾値電流値Ithやその温度変化の度合いには個体差があるが、レーザ発振タイミングの遅延とバイアス電流Ibiasの値との関係に基づいてバイアス電流Ibiasの値を設定することにより、レーザダイオードLDの閾値電流特性が未知であっても、駆動回路1に実装された状態で実効的な閾値電流値Ithを知ることができるので、閾値電流値Ithを超えない値にバイアス電流Ibiasの値を簡易に設定できる。
また、本実施形態のように、バイアス電流を設定する際、バイアス電流Ibiasの電流値が閾値電流値Ithの0.8倍よりも大きくなるようにバイアス電流Ibiasの電流値を設定することが好ましい。バイアス電流Ibiasの値が閾値電流値Ithよりも過小であると、光出力波形に歪みが生じる。本実施形態の駆動方法のように、バイアス電流Ibiasの値と閾値電流値Ithとの差を閾値電流値Ithの20%より小さくすることにより、光出力波形の歪みをさらに抑制できる。
(変形例)
次に、上記実施形態による半導体レーザ素子の駆動方法の一変形例について説明する。本変形例では、上記実施形態とは異なる方法でバイアス電流Ibiasを設定する。なお、本変形例においても、図1に示したレーザ駆動回路1を好適に用いることができる。また、本変形例におけるレーザ駆動ステップの内容は、上記実施形態と同様である。
図4は、レーザダイオードLDからの光出力波形のアイパターン(アイダイアグラム)を概略的に示す図である。例えば、変調電流ImがLoレベルからHiレベルへ立ち上がる時刻に対してレーザ発振タイミングに遅延がない場合には、光出力波形のアイパターンは図4のパターンAのようになり、クロスポイントCPは50%に近くなる。しかし、レーザ発振タイミングに遅延がある場合には、相対的にHiレベルの時間が短くなるため、光出力波形のアイパターンは図4のパターンBのようにずれてしまい、クロスポイントCPは50%よりも低下する。そして、この低下幅は、レーザ発振タイミングが遅延するほど、すなわちバイアス電流Ibiasの電流値が閾値電流値Ithよりも小さくなるほど、拡大することとなる。本変形例ではこの現象を利用する。すなわち、レーザダイオードLDからの光出力波形のアイパターンにおけるクロスポイントとバイアス電流Ibiasの値との関係を求め、この関係からクロスポイントをモニタすることにより閾値電流値Ithを超えない所定の値にバイアス電流Ibiasの電流値を設定する。
図5は、バイアス電流Ibiasとクロスポイントとの関係を示すグラフである。なお、この関係グラフを求める際には、上述したバイアス電流Ibiasとレーザ発振タイミングの遅延時間との関係(図3)を調べたときのレーザダイオードLDと同じものを用いた。そして、このレーザダイオードLDへの駆動電流(Ibias+Im)を30[mA](ハイレベル時)とし、バイアス電流Ibiasを変化させながらクロスポイントを計測した。
図5を参照すると、閾値電流値である9[mA]よりもバイアス電流Ibiasが小さくなると、バイアス電流値Ibiasと閾値電流値との差にほぼ比例してクロスポイントが減少していることがわかる。従って、例えば閾値電流値の0.9倍(約0.8[mA])にバイアス電流Ibiasの値を設定したい場合、このレーザダイオードではクロスポイントが約30[%]となるようにバイアス電流Ibiasの大きさを調整すれば良い。なお、図5に示すグラフでは、閾値電流値である9[mA]よりもバイアス電流Ibiasが大きい範囲では、クロスポイントが約35%で略一定となっている。この範囲では、変調電流Imの立ち上がりに対応してレーザダイオードLDの発光量が瞬時に立ち上がるので、クロスポイントは主に変調電流Imの波形に依存する。
また、通信速度が比較的遅い場合(例えば155[Mbps]など)、バイアス電流Ibiasの変化量に対するクロスポイントの変化量が小さいため、バイアス電流Ibiasの設定誤差が大きくなるおそれがある。このような場合には、上述のように変調電流Imの信号周波数を例えば700Mbpsといった大きな値に設定し、バイアス電流の変化に依存してクロスポイントが変化する様な条件下でバイアス電流Ibiasを設定するとよい。これにより、バイアス電流Ibiasを精度よく設定できるとともに、変調電流Imの信号周波数を低くしたとき(例えば155[Mbps]/Fc=117[Mhz])にはクロスポイントが50%近くに上昇するので、遅い通信速度で好適に通信できる。
本変形例による半導体レーザ素子の駆動方法では、上記実施形態と同様に、閾値電流値Ithを超えない所定の値にバイアス電流Ibiasの電流値を設定している。従って、Pを実質的にゼロにすることができ、消光比(P/P)をほぼ無限大とすることができる。閾値電流の温度依存性については、半導体レーザ素子毎に固体差が認められるが、本方式の駆動方法を採用することにより、温度変化等によって閾値電流Ithが増大した場合においても発光の遅延時間からバイアス電流の値を設定しているので、消光比をほぼ無限大に維持することができる。
また、本変形例による半導体レーザ素子の駆動方法では、光出力波形のアイパターンにおけるクロスポイントとバイアス電流Ibiasの電流値との関係を求め、この関係からバイアス電流Ibiasの値を設定している。上記実施形態において説明したように、バイアス電流Ibiasの値が閾値電流値Ithよりも小さいほどレーザ発振タイミングに遅れが生じるが、このレーザ発振タイミングの遅れは、光出力波形のアイパターンにおけるクロスポイントを調べることによって容易に解析できる(図4参照)。従って、この駆動方法により、閾値電流値Ithを超えない値にバイアス電流Ibiasの値を容易に設定できるので、バイアス電流値を設定するためにバイアス電流に低周波成分を畳重させる必要がなく、レーザダイオードLDからの光出力波形の歪み(ジッタ等)を抑制でき、回路規模を小さくできる。また、レーザダイオードLDの閾値電流特性が未知であっても、駆動回路1に実装された状態で閾値電流値Ithを超えない値にバイアス電流Ibiasの値を簡易に設定できる。
本発明による半導体レーザ素子の駆動方法は、上記した実施形態及び変形例に限られるものではなく、他にも様々な変形が可能である。例えば、本発明による半導体レーザ素子の駆動方法は、上記実施形態で示されたレーザ駆動回路(図1)に限らず、半導体レーザ素子にバイアス電流及び変調電流を供給する回路であれば、様々なレーザ駆動回路に適用できる。
図1は、実施形態に係る半導体レーザ素子の駆動方法に好適に用いられるレーザ駆動回路の一例を示す回路図である。 図2は、レーザダイオードLDに駆動電流を供給したときのレーザダイオードの応答(発光)特性を示すグラフである。図2(a)は、駆動電流の時間波形を示すグラフである。図2(b)は、図2(a)に対応するレーザダイオードの発光量の時間波形を示すグラフである。 図3は、バイアス電流とレーザ発振タイミングの遅延時間との関係の一例を示すグラフである。 図4は、レーザダイオードからの光出力波形のアイパターン(アイダイアグラム)を概略的に示す図である。 図5は、バイアス電流とクロスポイントとの関係の一例を示すグラフである。 図6は、閾値電流値が温度によって変動する様子を示すグラフである。
符号の説明
1…レーザ駆動回路、2…バイアス電流生成部、3…変調電流生成部、7…バッファ、8a,8b…トランジスタ、9b…バイアス電流源、9a…変調電流源、10…インダクタ、CP,CP…クロスポイント、Im,Im…変調電流、LD…レーザダイオード、Sm…正相信号、Sm…逆相信号、Td…遅延時間。

Claims (3)

  1. バイアス電流および変調電流を供給して半導体レーザ素子を駆動する方法であって、
    前記変調電流の立ち上がりのタイミングに対する前記半導体レーザ素子のレーザ発振タイミングの遅延と前記バイアス電流の電流値との関係を求め、該関係から決定される前記半導体レーザ素子の閾値電流値を超えない値に設定された前記バイアス電流および前記変調電流を供給して前記半導体レーザ素子を駆動することを特徴とする、半導体レーザ素子の駆動方法。
  2. バイアス電流および変調電流を供給して半導体レーザ素子を駆動する方法であって、
    前記バイアス電流及び前記変調電流が供給された前記半導体レーザ素子からの光出力波形のアイパターンにおけるクロスポイントの値と前記バイアス電流の電流値との関係を求め、該関係から決定される前記半導体レーザ素子の閾値電流値を超えない値に設定された前記バイアス電流及び前記変調電流を前記半導体レーザ素子へ供給して前記半導体レーザ素子を駆動することを特徴とする、半導体レーザ素子の駆動方法。
  3. 前記バイアス電流値が前記半導体レーザ素子の閾値電流値の0.8倍よりも大きくなるように前記バイアス電流値を設定することを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体レーザ素子の駆動方法。
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