JP4998264B2 - (−)−ヒドロキシクエン酸のアルカリ土類金属塩の製造法 - Google Patents

(−)−ヒドロキシクエン酸のアルカリ土類金属塩の製造法 Download PDF

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Description

本発明は、次の一般構造式(1)で表される(−)−ヒドロキシクエン酸(以下、「HCA」という。)のアルカリ土類金属塩(以下、「化合物(1)」という。)又はその水和物の新規な製造法に関するものである。
[式中、Mは、アルカリ土類金属を表す。]
HCAは、例えば、ガルシニア(Garcinia)の果皮に多く含まれる物質として知られ、クエン酸から脂肪を合成する経路上の酵素の1つであるATPクエン酸リアーゼを阻害し、体脂肪量の増加を抑制することから、肥満治療に有用であることが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
一般に、HCAは、Lewis,Y.S.らの方法によりガルシニア(Garcinia)の果皮から抽出して取得することができ、また、その塩は、HCAから常法により取得することができる(例えば、非特許文献1、非特許文献2、特許文献2を参照。)。HCA及びその塩は、Lewis,Y.S.らの方法のほか、例えば、特許文献3,4,5,6,7の記載の方法に準じて製造することができる。しかし、これらの方法では、例えば、不純物であるペクチンや有機酸であるクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等を全て除くことができず、高純度のHCA等を製造することが困難である。
特に、HCAのカルシウム塩については、ガルシニアエキスに過剰量の水酸化カルシウムを反応させることによって製造することができるが、同時に、水酸化カルシウムにより該エキスに含まれるペクチンが固いゲルを形成し、またクエン酸、マレイン酸が水に難溶性のカルシウム塩を形成するので、高純度のものを取得することが公知の製法では困難である。
米国特許第3764692号公報 インド特許第160753号公報 国際公開第99/03464号パンフレット 米国特許第6875891公報 国際公開第2004/100682号パンフレット 米国特許第6160172号公報 欧州特許第866137号公報 "Phytochemistry",1965年,4巻,p.619−625 Lewis,Y.S.ら,"Methods In Enzymology",1969年,13巻,p.613−617
本発明の目的は、主として、高純度の化合物(1)を得るための新規な製造法を提供することにある。
ここで、「高純度」とは、96%以上をいい、好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上である。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、上記目的を達成し得る製造法を見出し、本発明を完成するに至った。また、幸いにも、化合物(1)の中間体である次の一般構造式(2)で表されるHCAのラクトン体のアルカリ土類金属塩(以下、「化合物(2)」という。)又はその水和物を簡便に高純度で得る製造法も同時に見出した。
[式中、Mは、前記と同義である。]
本発明として、例えば、下記工程a〜eを少なくとも有する、化合物(1)又はその水和物の製造法を挙げることができる。
工程a:ガルシニアエキスと、ガルシニアに含まれるHCAに対してモル比で0.5倍以上0.9倍未満の範囲内のアルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物若しくはその水和物とを反応させる工程、
工程b:工程aの反応液を放置又は冷却することにより生成物を析出させる工程、
工程c:析出物を取得する工程、
工程d:取得した析出物に、アルカリ土類金属塩又はその水和物と塩基とを反応させる工程、
工程e:工程dの反応の反応液からHCAのアルカリ土類金属塩又はその水和物を取得する工程。
また、本発明として、下記工程a’〜c’を少なくとも有する、化合物(2)又はその水和物の製造法を挙げることができる。
工程a’:ガルシニアエキスと、ガルシニアに含まれるHCAに対してモル比で0.5倍以上0.9倍未満の範囲内のアルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物若しくはその水和物とを反応させる工程、
工程b’:工程a’の反応液を放置又は冷却することにより生成物を析出させる工程、
工程c’:析出物を取得し、さらに取得した析出物を再結晶化する工程。
HPLC分析により得られたクロマトグラムを表す。図中、縦軸は、時間(分)、横軸は吸収強度を示す。 HPLC分析により得られたクロマトグラムを表す。図中、縦軸は、時間(分)、横軸は吸収強度を示す。 HPLC分析により得られたクロマトグラムを表す。図中、縦軸は、時間(分)、横軸は吸収強度を示す。 HPLC分析により得られたクロマトグラムを表す。図中、縦軸は、時間(分)、横軸は吸収強度を示す。 HPLC分析により得られたクロマトグラムを表す。図中、縦軸は、時間(分)、横軸は吸収強度を示す。 HPLC分析により得られたクロマトグラムを表す。図中、縦軸は、時間(分)、横軸は吸収強度を示す。 HPLC分析により得られたクロマトグラムを表す。図中、縦軸は、時間(分)、横軸は吸収強度を示す。 HPLC分析により得られたクロマトグラムを表す。図中、縦軸は、時間(分)、横軸は吸収強度を示す。
以下、本発明について詳述する。
I.化合物(1)及びその水和物の製法
(1)工程aについて
ガルシニアエキスは、HCAを多量に含むエキスであって、例えば、ゴラカ(Garcinia cambogia)、インドマンゴスチン(Garcinia indica)、グルグル(Garcinia atroviridis)の果皮から水やアルコール等で常法の抽出操作を行うことによって得ることができる。
ガルシニアエキスには微量ではあるが、例えば、ペクチン等の多糖類、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸を含んでいる。このような不純物が含まれているガルシニアエキスでも、本発明に使用することができる。
現在、ガルシニアエキスは、10重量%〜70重量%の範囲内のHCAを含有する水溶液として市販されている。このような市販品として、例えば、ガルシニアエキスS(日本新薬株式会社製)、Garcitric Gold(登録商標)(ルネッサンスハーブ社製(米国)、Citrin(登録商標)(サビンサ社製(米国))、Citrimax(登録商標)(インターヘルス社製(米国))を挙げることができる。
上記ガルシニアエキス中に含まれるHCAの濃度は、5重量%〜90重量%の範囲内が適当であり、好ましくは7重量%〜80重量%の範囲内、さらに好ましくは10重量%〜70重量%の範囲内である。必要であれば、ガルシニアエキス中に含まれるHCAの濃度を調整するため、水を添加してもよい。
ガルシニアエキスとアルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物若しくはその水和物との反応は、例えば、ガルシニアエキスとアルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物若しくはその水和物とを水溶液中で、加熱攪拌することにより行うことができる。その際、必要であれば、適当量の活性炭を添加してもよい。
「アルカリ土類金属酸化物」としては、例えば、酸化カルシウムを挙げることができる。「アルカリ土類金属水酸化物又はその水和物」としては、例えば、水酸化カルシウム又はその水和物を挙げることができる。この中で、特に、水酸化カルシウム二水和物が好ましい。
アルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物若しくはその水和物の使用量は、反応液が塩基性を示さなければ、特に限定されないが、例えば、使用するガルシニアエキスに含まれるHCAに対してモル比で0.5倍以上0.9倍未満の範囲内が適当であり、好ましくは、0.7倍以上0.9倍未満の範囲内、さらに好ましくは0.8倍以上0.9倍未満の範囲内である。
活性炭を使用する場合のその使用量は、使用するガルシニアエキスによって異なるが、ガルシニアエキスに含まれるHCAに対して1重量%〜10重量%の範囲内が適当であり、好ましくは2重量%〜7重量%の範囲内、さらに好ましくは3重量%〜4重量%の範囲内である。
反応温度は、ガルシニアエキス中に含まれるHCAの濃度、及びアルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物の使用量によって異なるが、通常20℃〜100℃の範囲内が適当であり、好ましくは40℃〜95℃の範囲内、さらに好ましくは60℃〜90℃の範囲内である。
反応時間は、反応温度等によって異なるが、1分〜24時間の範囲内が適当であり、好ましくは5分〜12時間の範囲内、さらに好ましくは10分〜1時間の範囲内である。
(2)工程bについて
本工程は、工程aの反応終了後、工程aの反応液を、例えば、そのまま常温で放置することによって実施することができる。また、工程aの反応液を冷却することによっても実施することができ、常温で放置するよりも冷却する方が好ましい。かかる冷却温度としては、通常−10℃〜30℃の範囲内が適当であり、好ましくは−5℃〜25℃の範囲内、さらに好ましくは0℃〜20℃の範囲内である。冷却時間は、1分〜48時間の範囲内が適当であり、好ましくは10分〜36時間の範囲内、さらに好ましくは20分〜24時間の範囲内である。
(3)工程cについて
本工程は、常法により濾過操作を行うことによって実施することができる。
本工程cにおいて製造することができる析出物は、これまで完全に取り除くことが困難であった、多糖類であるペクチン等、有機酸であるクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の不純物を実質的に含有していない。
(4)工程dについて
本工程は、例えば、工程cで取得した析出物を水に加熱溶解し、アルカリ土類金属塩又はその水和物と塩基とを加えて、加熱攪拌することにより実施することができる。必要に応じて、アルカリ土類金属塩を添加した後に、濾過操作を行うことができる。
水の使用量は、例えば、析出物に対して重量比で5倍〜100倍の範囲内が適当であり、好ましくは10倍〜70倍の範囲内、さらに好ましくは20倍〜40倍の範囲内である。
アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩を挙げることができる。
「カルシウム塩」としては、例えば、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム若しくは臭化カルシウムを挙げることができる。この中で、塩化カルシウム二水和物が特に好ましい。
アルカリ土類金属塩又はその水和物の使用量としては、例えば、析出物に対してモル比で0.40倍〜0.70倍の範囲内が適当であり、好ましくは0.45倍〜0.65倍の範囲内、さらに好ましくは0.50倍〜0.60倍の範囲内である。
「塩基」としては、アンモニア水、ピリジン、トリメチルアミン等のアミン類を挙げることができる。
塩基の使用量としては、例えば、析出物に対してモル比で0.5倍〜2.0倍の範囲内が適当であり、好ましくは、0.9倍〜1.5倍の範囲内、さらに好ましくは1.0倍〜1.2倍の範囲内である。
反応温度としては、通常20℃〜100℃の範囲内が適当であり、好ましくは30℃〜95℃の範囲内、さらに好ましくは40℃〜90℃の範囲内である。
反応時間は、反応温度等によって異なるが、1分〜12時間の範囲内が適当であり、好ましくは5分〜7時間の範囲内、さらに好ましくは10分〜2時間の範囲内である。
(5)工程eについて
工程dの反応液中の化合物(1)は、公知の固液分離操作を行うことにより、化合物(1)を取得することができる。固液分離操作を行う際、水を使用して化合物(1)を洗浄することができる。固液分離操作としては、例えば、濾過操作、遠心分離機又は搾汁機による脱水操作を挙げることができる。
また、必要に応じて、化合物(1)はさらに精製操作を行うことができる。具体的には、例えば、取得した化合物(1)に対して重量比で10倍〜20倍の水を加え攪拌し、上記固液分離操作を行うことによって、さらに純度を高めることができる。必要であれば、40℃〜60℃の範囲内で加熱攪拌してもよい。
固液分離操作を行うことによって得られた化合物(1)は、大量の水を含有しているので、乾燥操作を行うことが好ましい。
乾燥操作としては、例えば、減圧下における乾燥を挙げることができる。
減圧力としては、例えば、1.0x10−13Pa〜1.0x10Paの範囲内が適当であり、好ましくは1.0x10−9Pa〜1.0x10Paの範囲内、さらに好ましくは1.0x10−5Pa〜1.0x10Paの範囲内である。
乾燥温度は、例えば、50℃〜140℃の範囲内が適当であり、好ましくは60℃〜130℃の範囲内、さらに好ましくは70℃〜120℃の範囲内である。
乾燥時間は、1時間〜96時間の範囲内が適当であり、好ましくは12時間〜72時間の範囲内、さらに好ましくは24時間〜48時間の範囲内である。
化合物(1)の製造には、多糖類であるペクチン等、有機酸であるクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の不純物が取り除かれた、工程cで製造される析出物を使用するので、容易に高純度の化合物(1)を取得することができる。
また、本発明において製造される化合物(1)は、その製造工程において使用する反応溶媒及び洗浄溶媒としては、水のみを使用し、メタノール、エタノール、ブタノール、クロロホルム、塩化メチレン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、アセトン、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒を使用しないので、人や動物に有害な残留溶媒の心配がない。
II.化合物(2)及びその水和物の製法
(1)工程a’について
本工程は、前述Iの工程aと同じである。
(2)工程b’について
本工程は、前述Iの工程bと同じである。
(3)工程c’について
本工程は、常法により濾過操作を行い析出物を取得した後、該析出物を再結晶化することにより実施することができる。
取得した析出物に対して、例えば、重量比で等倍〜10倍の範囲内の水を加え、50℃〜100℃の範囲内に加熱し析出物を溶解し、そのまま常温で放置又は冷却して再結晶化することにより、化合物(2)を製造することができる。かかる冷却温度としては、通常−10℃〜30℃の範囲内が適当であり、好ましくは−5℃〜25℃の範囲内、さらに好ましくは0℃〜20℃の範囲内である。冷却時間は、1分〜48時間の範囲内が適当であり、好ましくは10分〜36時間の範囲内、さらに好ましくは20分〜24時間の範囲内である。
本工程において製造することができる化合物(2)は、これまで完全に取り除くことが困難であった、多糖類であるペクチン等、有機酸であるクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の不純物を実質的に含有していない。
また、本発明において製造される化合物(2)は、その製造工程において使用する反応溶媒及び洗浄溶媒としては、水のみを使用し、メタノール、エタノール、ブタノール、クロロホルム、塩化メチレン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、アセトン、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒を使用しないので、人や動物に有害な残留溶媒の心配がない。
以下に、実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
20gのガルシニアエキス(Garcitric Gold(登録商標)Liquid;ルネッサンスハーブ社製(米国);HCAとして、60.75重量%含有)に水30mLを加え攪拌しながら、3.03g、3.46g、3.89g、4.33g又は4.76gの水酸化カルシウムを加え、85℃で30分間攪拌したそれぞれの反応液を2日間5℃で放置し、生じた析出物を濾取した。
その結果を表1に示す。
各条件において析出する析出物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」という。)装置を使用して確認した。
各条件において析出する析出物0.1gを、全量が100mLとなるように水で希釈し、下記条件でHPLC測定をした。
[測定条件]
HPLC装置:送液ユニット:LC−7A(島津製作所社製)
検出器:SPD−10AV(島津製作所社製)
有機酸分析用カラム:ULTRON PS−80H
<8mmφx30cm>1本(信和化工株式会社製)
<8mmφx5cm>1本(信和化工株式会社製)
カラム温度:50℃
移動相:水(過塩素酸を使用してpH 2.20に調整)
流量:0.81ml/分
紫外線可視分光器検出波長:210nm
注入量:20μl
結果を図1〜8に示す。
図1〜8中、ピーク1は移動相中に含まれる不純物を、ピーク2はHCAのラクトン体を、ピーク3はHCAを、ピーク4は有機酸のクエン酸を示す。
実施例1において使用した移動相のみをHPLC分析した結果、図1に示すようなクロマトグラムを得た。
実施例1において使用したガルシニアエキスをHPLC分析した結果、図2に示すようなクロマトグラムを得た。該ガルシニアエキスには、少なくともクエン酸(保持時間が約8分である物質)が不純物として含まれていることを確認した。
実施例1において使用したガルシニアエキスに含まれるHCAに対してモル比で0.9倍の水酸化カルシウムを使用した場合の結果を図5に、実施例1において使用したガルシニアエキスに含まれるHCAに対してモル比で等倍の水酸化カルシウムを使用した場合の結果を図6に示す。実施例1において使用したガルシニアエキスに含まれるHCAに対してモル比で0.9倍、等倍の水酸化カルシウムを使用した場合に取得される析出物には、不純物であるクエン酸(図5,6中のピーク4)が含まれていることを確認した。
実施例1において使用したガルシニアエキスに含まれるHCAに対してモル比で0.7倍の水酸化カルシウムを使用した場合の結果を図3に、実施例1において使用したガルシニアエキスに含まれるHCAに対してモル比で0.8倍の水酸化カルシウムを使用した場合の結果を図4に示す。実施例1において使用したガルシニアエキスに含まれるHCAに対してモル比で0.8倍以下の水酸化カルシウムを使用した場合に取得される析出物には、これまで完全に取り除くことが困難であった、多糖類であるペクチン等、有機酸であるクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の不純物が含まれていないことを確認した。
さらに実施例1において使用したガルシニアエキスに含まれるHCAに対してモル比で0.7倍、0.8倍の水酸化カルシウムを使用した場合に得られたそれぞれの析出物に10mLの水を加え、90℃で加熱溶解した後、放置して得られた析出物についてHPLC測定と析出物中に含まれるカルシウム量の測定を行った。析出物中に含まれるカルシウム量は、0.05Mのエチレンジアミン四酢酸水溶液を使用する公知の方法に従って測定した。再結晶化したそれぞれの析出物は、HCAのラクトン体のカルシウム塩(図7,8中のピーク2)のみであることを確認した(図7、8参照)。
実施例2
4kgのガルシニアエキス(Garcitric Gold(登録商標)Liquid;ルネッサンスハーブ社製(米国);HCAとして、64.0重量%含有)に6Lの水を加え攪拌しながら、0.64kgの水酸化カルシウム(8.64mol;HCAに対してモル比で0.70倍の水酸化カルシウム)と100gの活性炭を加え、85℃で30分間攪拌した。その後、反応混合物を80℃の熱水で洗浄しながら濾過した。
濾液を一晩5℃で放置し、析出した析出物(HCAのラクトン体のカルシウム塩)を1.5kg濾取した。
得られたHCAのラクトン体のカルシウム塩に7.7Lの水を加え、90℃に加熱溶解し、そのまま5分間攪拌した後、濾過した。得られた濾液を再度85℃に加熱した後、20℃以下に冷却し、30分間放置した後、生じた析出物を濾取して精製されたHCAのラクトン体のカルシウム塩を1.0kg得た(収率:51%)。
析出物中に含まれるカルシウム量は、0.05Mのエチレンジアミン四酢酸水溶液を使用する公知の方法に従って測定した。
融点:250℃以上
元素分析値(CCa・4HOとして)
理論値:H:4.03%,C:24.0%
実測値:H:3.88%,C:23.9%
カルシウム含量:
理論値:Ca:13.35%
実測値:Ca:13.40%
比旋光度:[α] 20=67.0°(c=0.2,HO)
H NMR(DO)
4.84(s,1H),3.18(d,1H),2.83(d,1H)
実施例3 HCAのカルシウム塩の製造
実施例2で得られた1.0kg(4.4mol)のHCAのラクトン体のカルシウム塩に20Lの水を加え、80℃で5分間加熱攪拌した。その後、0.35kgの塩化カルシウム二水和物(2.4mol)と0.5Lの水を加え、溶解した後、反応溶液を濾過した。得られた濾液を再度80℃に加熱し、そのまま5分間攪拌した後、50℃〜60℃に冷却した。反応溶液に0.29kgの28%アンモニア水を滴下し、85℃で60分間攪拌した後、生じた析出物を遠心分離機(佐久間製作所製)で10分間固液分離操作を行った。得られた固体を集めて、粗製のHCAのカルシウム塩を0.55kg得た。
得られた粗製のHCAのカルシウム塩に8.25Lの水を加え、50℃に加熱し5分間攪拌した後、遠心分離機で10分間固液分離操作を行った。得られた固体を集め、もう一度同様の精製操作を行った。得られた固体を100℃で1時間乾燥した後、固体を粉砕し、次いで80℃で41時間、115℃で7時間乾燥し、目的化合物を0.62kg得た(収率:53%)。
融点:250℃以上
元素分析値(C121016Ca・5HOとして)
理論値:H:3.25%,C:23.23%
実測値:H:3.40%,C:23.11%
カルシウム含量:
理論値:Ca:19.38%
実測値:Ca:19.60%
比旋光度:[α] 20=−26.0°(c=0.2,HO)
H NMR(DO)
4.11(s,2H),2.84(d,2H),2.64(d,2H)
化合物(1)の製造過程においては、有機溶媒を使用しないので、化合物(1)を安全にかつ低コストで製造することができ、また残留有機溶媒の心配がない。また、一旦、ガルシニアエキスに含まれている多糖類であるペクチン等、有機酸であるクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の不純物を除去した析出物を取得するので、高純度の化合物(1)を製造することができる。

Claims (11)

  1. 下記工程a〜eを少なくとも有する、次の一般構造式(1)で表される(−)−ヒドロキシクエン酸のアルカリ土類金属塩又はその水和物の製造法。
    [式中、Mは、アルカリ土類金属を表す。]
    工程a:ガルシニアエキスと、ガルシニアエキスに含まれる(−)−ヒドロキシクエン酸に対してモル比で0.5倍以上0.9倍未満の範囲内のアルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物若しくはその水和物とを反応させる工程、
    工程b:工程aの反応液を放置又は冷却することにより生成物を析出させる工程、
    工程c:析出物を取得する工程、
    工程d:取得した析出物に、アルカリ土類金属塩又はその水和物と塩基とを反応させる工程、
    工程e:工程dの反応の反応液から(−)−ヒドロキシクエン酸のアルカリ土類金属塩又はその水和物を取得する工程。
  2. ガルシニアエキスが、ゴラカ(Garcinia cambogia)、インドマンゴスチン(Garcinia indica)又はグルグル(Garcinia atroviridis)の果皮から抽出して得られるものである、請求項1記載の(−)−ヒドロキシクエン酸のアルカリ土類金属塩又はその水和物の製造法。
  3. 工程dで使用する塩基がアンモニア水、ピリジン又はトリメチルアミンである、請求項1又は2のいずれかに記載の(−)−ヒドロキシクエン酸のアルカリ土類金属塩又はその水和物の製造法。
  4. 工程aで使用するアルカリ土類金属酸化物が酸化カルシウムである、請求項1〜3のいずれかに記載の(−)−ヒドロキシクエン酸のアルカリ土類金属塩又はその水和物の製造法。
  5. 工程aで使用するアルカリ土類金属水酸化物又はその水和物が水酸化カルシウム又はその水和物である、請求項1〜3のいずれかに記載の(−)−ヒドロキシクエン酸のアルカリ土類金属塩又はその水和物の製造法。
  6. 工程dで使用するアルカリ土類金属塩又はその水和物がカルシウム塩又はその水和物である、請求項1〜5のいずれかに記載の(−)−ヒドロキシクエン酸のアルカリ土類金属塩又はその水和物の製造法。
  7. カルシウム塩が塩化カルシウムである、請求項6記載の(−)−ヒドロキシクエン酸のアルカリ土類金属塩又はその水和物の製造法。
  8. 下記工程a’〜c’を少なくとも有する、次の一般構造式(2)で表される(−)−ヒドロキシクエン酸のラクトン体のアルカリ土類金属塩又はその水和物の製造法。
    [式中、Mは、アルカリ土類金属を表す。]
    工程a’:ガルシニアエキスと、ガルシニアエキスに含まれる(−)−ヒドロキシクエン酸に対してモル比で0.5倍以上0.9倍未満の範囲内のアルカリ土類金属酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物若しくはその水和物とを反応させる工程、
    工程b’:工程a’の反応液を放置又は冷却することにより生成物を析出させる工程、
    工程c’:析出物を取得し、さらに取得した析出物を再結晶化する工程。
  9. ガルシニアエキスが、ゴラカ(Garcinia cambogia)、インドマンゴスチン(Garcinia indica)又はグルグル(Garcinia atroviridis)の果皮から抽出して得られるものである、請求項8記載の(−)−ヒドロキシクエン酸のラクトン体のアルカリ土類金属塩又はその水和物の製造法。
  10. 工程a’で使用するアルカリ土類金属酸化物が酸化カルシウムである、請求項8又は9のいずれかに記載の(−)−ヒドロキシクエン酸のラクトン体のアルカリ土類金属塩又はその水和物の製造法。
  11. 工程a’で使用するアルカリ土類金属水酸化物又はその水和物が水酸化カルシウム又はその水和物である、請求項8又は9のいずれかに記載の(−)−ヒドロキシクエン酸のラクトン体のアルカリ土類金属塩又はその水和物の製造法。
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