JP4997551B2 - モーター及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ローターヨークの外周面に固定されたセグメント磁石の周囲を円筒状の磁石カバーで覆ったモーター及びそのモーターを備えた電動パワーステアリング装置に関する。
従来のこの種のモーターにおいて、磁石カバーはセグメント磁石の外側に圧入されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−141164号公報(段落[0057]、第6図)
しかしながら、上述した従来のモータでは、磁石カバーをセグメント磁石の外側に圧入する際にセグメント磁石の表面が磁石カバーによって擦られる為、セグメント磁石に傷が付いたり、セグメント磁石の表面処理材(メッキ等)が剥がれる虞があった。
また、セグメント磁石の表面が傷んだモーターはトルクリップルが生じるため、このモーターを電動パワーステアリング装置に使用すると、操舵フィーリングに悪影響を及ぼす虞があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、セグメント磁石を傷めることなく磁石カバーを装着することが可能なモーター及びそのモーターを備えた電動パワーステアリング装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るモーター(10)は、ローターヨーク(16)の外周面に複数のセグメント磁石(20)を離散配置して固定し、それらセグメント磁石(20)の周囲を円筒状の磁石カバー(40,140)で覆ったモーター(10)において、磁石カバー(40,140)のうちセグメント磁石(20)同士の間の磁石間空隙(20S)に対向した部位を分断し、その分断部分を挟んで対峙した1対の分断縁部(41A,41B,141A,141B)から周方向に連結突片(42)をそれぞれ突出形成すると共にそれら複数の連結突片(42)を軸方向でずらして配置し、複数の連結突片(42)から磁石間空隙(20S)に向かって突出して、磁石カバー(40,140)の軸方向に貫通した内部空間を有する複数の連結筒部(46)と、複数の連結筒部(46)内に共通して挿通され、隣り合った1対の分断縁部(41A,41B,141A,141B)同士を連結する連結ピン(50)とを備えたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のモーター(10)において、磁石カバー(40)を、周方向における複数箇所の磁石間空隙(20S)に対向した部位で分断して複数の円弧体(41)に分割したところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のモーター(10)において、磁石カバー(40)をセグメント磁石(20)と同数の円弧体(41)に分割したところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1に記載のモーター(10)において、磁石カバー(140)を、周方向における1箇所の磁石間空隙(20S)に対向した部位のみで分断したところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載のモーター(10)において、磁石カバー(40,140)は、非磁性体の板金で構成され、その板金のうち連結突片(42)を構成する部分を内側に巻回して連結筒部(46)を形成したところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載のモーター(10)において、連結突片(42)及び連結筒部(46)は、1対の分断縁部(41A,41B)のうち一方の分断縁部(41B)の中央と、他方の分断縁部(41A)の両端部とに配置されたところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載のモーター(10)において、径が異なる複数種類の連結ピン(50)を備え、何れかの径の連結ピン(50)を選択して1対の分断縁部(41A,41B,141A,141B)の連結筒部(46)内に挿通可能としたところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載のモーター(10)において、ローターヨーク(16)には、セグメント磁石(20)が固定される部分より径方向に張り出してセグメント磁石(20)の端面を覆う鍔部(25)が備えられ、その鍔部(25)には、連結筒部(46)を貫通した連結ピン(50)の先端部と凹凸係合するピン係合凹部(26)が備えられたところに特徴を有する。
請求項9の発明は、請求項8に記載のモーター(10)において、セグメント磁石(20)のうち鍔部(25)によって覆われた端面(20C)と反対側の端面(20D)を覆うと共に、連結筒部(46)に挿通された連結ピン(50)の基端部を覆う端面カバー(55)を備えたところに特徴を有する。
請求項10の発明に係る電動パワーステアリング装置(100)は、請求項1乃至9の何れかに記載のモーター(10)を、ハンドル(107)の操舵力を補助するための動力源として備えたところに特徴を有する。
[請求項1及び5の発明]
請求項1の構成によれば、磁石カバーをセグメント磁石の周囲に装着する場合には、まず、分断状態のまま磁石カバーをセグメント磁石の周囲に配置する。そして、磁石カバーの分断縁部にそれぞれ形成された複数の連結筒部内に共通して連結ピンを挿通し、隣り合った分断縁部同士を連結する。これにより円筒状の磁石カバーが完成し、その磁石カバーがセグメント磁石の周囲を覆った状態に装着される。このように請求項1の発明によれば、装着時にセグメント磁石の表面が磁石カバーによって擦られないから、セグメント磁石の表面を傷めることなく磁石カバーを装着することができる。しかも、連結筒部は磁石間空隙に受容されるので、磁石カバーとステータとの間のエアギャップの拡大を防止することができる。
ここで、磁石カバーは合成樹脂で形成してもよいし、請求項5の発明のように非磁性体の板金で構成してもよい。板金で構成した場合、板金の連結突片を構成する部分を内側に巻回して連結筒部を形成することができる。
[請求項2の発明]
請求項2の構成によれば、磁石カバーをセグメント磁石の周囲に装着する場合には、例えば、複数の円弧体をセグメント磁石の周囲を囲むように円筒状に並べておき、隣り合った円弧体の分断縁部同士を連結する。即ち、分断部分を挟んで対峙した1対の分断縁部に設けられた複数の連結筒部に共通して連結ピンを挿通する。すると、複数の円弧体が互いに連結されて円筒状の磁石カバーが完成し、その磁石カバーがセグメント磁石の周囲を覆った状態に装着される。
[請求項3の発明]
請求項3の構成によれば、磁石カバーをセグメント磁石と同数の円弧体に分割したので、隣り合ったセグメント磁石同士の全ての磁石間空隙には連結筒部が受容されることになり、万が一、セグメント磁石がローターヨークから離脱しても、隣り合ったセグメント磁石同士を連結筒部によって離間した状態に保持することができる。
[請求項4の発明]
請求項4の構成によれば、磁石カバーをセグメント磁石の周囲に装着する場合には、磁石カバーを、その周方向における1箇所で分断された状態でセグメント磁石の周囲に配置しておき、一方の分断縁部に備えた連結筒部と、他方の分断縁部に備えた連結筒部とに共通して連結ピンを挿通する。すると、分断部分(両分断縁部)が繋がって円筒状の磁石カバーが完成し、その磁石カバーがセグメント磁石の周囲を覆った状態に装着される。本発明によれば、磁石カバーを複数の円弧体に分割した構成に比較して、部品点数を削減できかつ装着作業を簡略化できる。
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、一方の分断縁部の中央の連結筒部に挿通した連結ピンが、他方の分断縁部の両端部に配置された1対の連結筒部によって両持ち状態になり、連結ピンの変形を防ぐことができる。
[請求項7の発明]
請求項7の発明によれば、1対の分断縁部の連結筒部に挿通する連結ピンの径を異ならせることで、磁石カバーの内径を調整可能となる。具体的には、連結ピンの径が太くなるに従ってその連結ピンの両側部分が接近し、磁石カバーの内径を収縮させることができる。これにより、磁石カバーをセグメント磁石の周囲に適度な力で締め付けることが可能となる。
[請求項8の発明]
請求項8の発明によれば、ローターヨークの鍔部に形成されたピン係合凹部と、連結筒部を貫通した連結ピンの先端部とが凹凸係合することにより、ローターヨークに対する磁石カバーの回り止めを行うことができる。
[請求項9の発明]
請求項9の発明によれば、セグメント磁石のうち、鍔部によって覆われた端面と反対側の端面が保護されると共に、連結筒部からの連結ピンの抜け止めを図ることができる。これにより、磁石カバーの脱落を禁止することができる。
[請求項10の発明]
請求項10の電動パワーステアリング装置は、セグメント磁石の表面を傷めることなく磁石カバーが装着されたモーターを、ハンドルの操舵力を補助するための動力源として備えているので、モーターのトルクリップルによる操舵フィーリングへの悪影響を防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。本実施形態のモーター10は、図1に示すように筒形ハウジング11の内部にステータ12を備え、そのステータ12の内側にローター17を回転可能に備えている。
ステータ12は、ステータコア14と複数のコイル24とから構成されている。ステータコア14の内面からは、複数(例えば9つ)のティース15が内側に向かって突出しており、それら各ティース15の先端部は、鳩尾状に広がっている。そして、各ティース15に電線を巻回してコイル24が構成され、各コイル24の一部が隣り合ったティース15,15の間のスロット13に収容されている。
ローター17は、ローターヨーク16の外周面に複数(例えば6個)の界磁用のセグメント磁石20を固定してなる。ローターヨーク16は、例えば複数の珪素鋼板を積層してなる円筒状のヨーク本体18の中心にローターシャフト19が貫通した構造になっている。ヨーク本体18の外周面を周方向で等配した位置(具体的には60度ずつ離した位置)には、例えば、6個のセグメント磁石20が周方向に並べて配置されている。セグメント磁石20は周方向で互いに間隔を空けて固定され、周方向で隣接したセグメント磁石20,20同士の間は相対的に凹所になった磁石間空隙20Sとなっている。なお、セグメント磁石20は、例えば接着剤によって固着されている。
各セグメント磁石20は、焼結された永久磁石(具体的にはネオジム磁石)であり、図3(B)に示すようにローターヨーク16の軸方向に延びた瓦状をなしている。図1に示すように、セグメント磁石20は、例えば、ヨーク本体18の外側に嵌合可能な筒体を縦割りに複数分割した構造をなしており、モーター10の軸方向から見た形状が、モーター10の径方向より周方向に長い扁平形状をなしている。また、セグメント磁石20の内面20A及び外面20Bは、ローターシャフト19を中心とした同心の円弧面となっている。なお、セグメント磁石20は、欠損や錆を防止するためにニッケルメッキ等の表面処理を施してもよい。
図3(A)に示すように、ローターヨーク16の一端寄り位置には鍔部25が形成されている。鍔部25はヨーク本体18のセグメント磁石20が固定される部分より径方向に張り出しており、ローターヨーク16の全周に亘って連続形成されている(図2参照)。また、鍔部25はセグメント磁石20の外面20Bより外側に突出しており、その突出した部分には、複数のピン係合凹部26が等間隔に形成されている。この鍔部25によってセグメント磁石20の一端面20Cが軸方向から覆われている。なお、セグメント磁石20は鍔部25から所定距離だけ離して配置されている。
図3(A)に示すように、セグメント磁石20のうち鍔部25と反対側を向いた他端面20Dは、端面カバー55によって覆われている。端面カバー55は、非磁性金属(例えばステンレス鋼、好ましくはSUS304)で構成されている。
図2に示すように端面カバー55は、円板状をなし中心部に円形のシャフト挿通孔56が貫通形成されている。シャフト挿通孔56の内縁部はローターシャフト19の外周に形成された係止溝19Aに係止されており、これにより、端面カバー55の軸方向への移動が禁止されている(図3(A)参照)。
さて、図2に示すように、セグメント磁石20の外面20Bは、非磁性金属(例えばステンレス鋼、好ましくはSUS304)の板金で構成された磁石カバー40によって覆われている。磁石カバー40は全体として薄肉円筒状をなしており、セグメント磁石20の他端面20Dと鍔部25との間に亘って延びている。
図4に示すように磁石カバー40は、その周方向における複数箇所で分断可能な構成となっている。詳細には、セグメント磁石20同士の間に形成された全ての磁石間空隙20Sに対向した部分で分断可能となっている。換言すれば、磁石カバー40は、周方向でセグメント磁石20と同数の円弧体41に分割可能となっており、各円弧体41は全て同一形状をなしている。これら複数の円弧体41のうち、分断部分を挟んで対峙した両側辺41A,41B同士をそれぞれ連結ピン50で連結して円筒状の磁石カバー40が形成されている。なお、円弧体41の両側辺41A,41Bは、本発明における「1対の分断縁部」に相当する。
図5(B)に示すように、円弧体41の周方向における両側辺41A,41Bには、磁石カバー40の軸方向に貫通した内部空間を有する連結筒部46が形成されている。各連結筒部46は、図5(A)に示すように、円弧体41の両側辺41A,41Bから周方向に突出した矩形状の連結突片42を、円弧体41の内側に略円筒状となるように巻回して形成されている。
図1及び図2に示すように、各連結筒部46は磁石間空隙20Sに向かって突出している。これにより、万が一、セグメント磁石20がローターヨーク16から剥がれた場合でも、連結筒部46によって、剥がれたセグメント磁石20とその隣のセグメント磁石20とを離間した状態に保持することができる。また、連結筒部46が磁石間空隙20Sに受容されたことで、磁石カバー40(ローター17外周面)とステータ12との間のエアギャップの拡大を防止することができる。
図5(B)に示すように、円弧体41の一側辺41Aに形成された連結筒部46と、他側辺41Bに形成された連結筒部46とは、互いに軸方向でずらして配置されている。具体的には、円弧体41の一側辺41Aのうち軸方向の両端部に1対の連結筒部46,46が設けられており、円弧体41の他側辺41Bのうち軸方向の中央部に1つの連結筒部46が設けられている。
図6に示すように、円弧体41の一側辺41Aに設けられた1対の連結筒部46,46の間には、隣接した円弧体41の他側辺41Bに設けられた1つの連結筒部46が挿入され、これら3つの連結筒部46の内側に連結ピン50が共通して挿通されている(図2参照)。これにより隣接した2つの円弧体41,41同士が連結しており、同様な構成で全て(6つ)の円弧体41が数珠繋ぎ状に連結されている(図4参照)。ここで、他側辺41Bの中央の連結筒部46を貫通した連結ピン50が、一側辺41Aの両端に配置された1対の連結筒部46,46によって両持ち状態とされたことで、連結ピン50の変形を防ぐことができる。
図4に示すように、本実施形態の連結ピン50は、磁石カバー40の軸長よりも長くなっており、両端部が磁石カバー40の軸方向に突出している(図2参照)。連結ピン50の先端部はテーパー状に尖っており、鍔部25に形成されたピン係合凹部26に突入している。これにより、磁石カバー40のローターヨーク16に対する回り止めがなされている。また、連結ピン50の基端部には、連結筒部46の内径よりも大径な大径部50Aが形成されている。この大径部50Aに端面カバー55が押し当てられ、大径部50Aの段差面が連結筒部46の端面に押し当てられている。これにより、連結筒部46からの連結ピン50の抜け止めがなされると共に、磁石カバー40の軸方向への移動が禁止されている(図3参照)。なお、連結ピン50も磁石カバー40と同様に非磁性金属で構成されている。
本実施形態のモーター10の構成は以上である。ところで、磁石カバー40は、以下のようにしてセグメント磁石20の周囲に装着することができる。まず、磁石カバー40を構成する6つの円弧体41をセグメント磁石20の周囲を囲むように円筒状に並べる。このとき、隣接した円弧体41,41のうち、周方向で対峙した両側辺41A,41Bに備えた3つの連結筒部46が略同軸上になるように嵌め合わせると共に、それら連結筒部46を磁石間空隙20Sの内側に受容させる。
その状態で、互いに連通した3つの連結筒部46の内側に連結ピン50を挿入し、連結ピン50の先端部をピン係合凹部26に突入させる(図4参照)。これにより隣接した2つの円弧体41,41が連結される。他の円弧体41,41の間も同様にして連結すると、6つの円弧体41が数珠繋ぎ状に繋がって、円筒状の磁石カバー40が形成されると共に、その磁石カバー40によってセグメント磁石20の周囲(外面20B)が覆われる。即ち、磁石カバー40が完成すると共に、その磁石カバー40がセグメント磁石20の周囲に装着される。
ところで、部品精度や組み付け上の誤差等により、セグメント磁石20の周囲に装着された磁石カバー40が緩い(セグメント磁石20と磁石カバー40との間に隙間が生じる)場合がある。磁石カバー40が緩いとローター17の回転時に磁石カバー40ががたついて、セグメント磁石20の表面を傷めたり、ステータ12と接触する虞がある。
そのような事態を防止する為に、本実施形態では、径の異なる複数種類の連結ピン50が備えられており、何れかの径の連結ピン50を選択して連結筒部46に挿入することで、磁石カバー40の内径を調節可能となっている。
即ち、磁石カバー40が緩い場合には、円弧体41を連結した複数の連結ピン50のうちの何れか1つ又は複数の連結ピン50を、より大径な連結ピン50に交換する。すると、図7に示すように、連結ピン50が太くなるに従って、その連結ピン50によって連結された円弧体41,41同士が互いに接近し、全体として磁石カバー40の内径が収縮する。これにより、磁石カバー40がセグメント磁石20の周囲に締め付けられ、磁石カバー40のがたつきを無くして密着させることができる。なお、磁石カバー40とセグメント磁石20とが密着すれば、ローター17とステータ12との間のエアギャップを狭めることができ、モーター10の高トルク化を図ることができる。
また、磁石カバー40の締め付けが強過ぎる(磁石カバー40がきつい)場合には、複数の連結ピン50のうちの何れかを、より小径な連結ピン50に交換する。これにより磁石カバー40の内径を拡大することができ、磁石カバー40の締め付けを緩めることができる。このように、磁石カバー40の組み立て・装着時に、径の異なる複数種類の連結ピン50を選択して使用することで、セグメント磁石20に対する磁石カバー40の締め付け力を調節することができる。つまり、磁石カバー40を適度な締め付け力でセグメント磁石20の周囲に固定することができる。
上述の如く磁石カバー40を装着したら、端面カバー55をローターシャフト19に挿入し係止溝19Aに係止させる。これでローター17は完成である。そして、このロータ17をステータ12の内部に配して、筒形ハウジング11の両端部を閉塞すると、図1に示すモーター10の完成である。
このように本実施形態によれば、磁石カバー40をセグメント磁石20の周囲に装着する場合には、磁石カバー40を構成する複数の円弧体41を、セグメント磁石20の周囲を囲むように円筒状に並べておき、隣り合った円弧体41,41の一側辺41Aと他側辺41Bとを連結する。即ち、一方の円弧体41の一側辺41Aに備えた連結筒部46,46と、他方の円弧体41の他側辺41Bに備えた連結筒部46とに共通して連結ピン50を挿通する。すると、複数の円弧体41が互いに連結されて円筒状の磁石カバー40が完成し、その磁石カバー40がセグメント磁石20の周囲を覆った状態に装着される。本実施形態によれば、装着時にセグメント磁石20の表面が磁石カバー40によって擦られないから、セグメント磁石20の表面を傷めることなく磁石カバー40を装着することができる。
また、隣接したセグメント磁石20,20の間に形成された全ての磁石間空隙20Sに、連結筒部46が受容されたから、万が一、ローターヨーク16からセグメント磁石20が剥がれても、隣のセグメント磁石20との間を離間状態に保持することができる。
また、連結ピン50が端面カバー55によって抜け止めされているから、磁石カバー40の解体やそれに伴う脱落を禁止することができる。
さらに、磁石カバー40の内径を、連結筒部46に挿入する連結ピン50の太さ(径)により調節することができるから、磁石カバー40を適度な締め付け力でセグメント磁石20の周囲に固定することができる。
次に、このモーター10を使用した電動パワーステアリング装置100について説明する。図8に示すようにこの電動パワーステアリング装置100は、車両110に備えた1対の転舵輪101,101の間に差し渡された転舵輪間シャフト102と、その転舵輪間シャフト102の外側を覆ったシャフトケース103とを備えている。転舵輪間シャフト102の両端は、タイロッド102T,102Tを介して各転舵輪101,101に連結され、シャフトケース103は、車両110の本体に固定されている。また、転舵輪間シャフト102の中間部分にはラック(図示せず)が形成され、シャフトケース103の中間部を側方から貫通したピニオン(図示せず)がこのラックに噛合している。
ピニオンの上端部にはインターミディエートシャフト105(以下、「インタミシャフト105」という)が連結され、そのインタミシャフト105の上端部にはステアリングシャフト106が連結され、さらにそのステアリングシャフト106の上端部にはハンドル107が連結されている。そして、インタミシャフト105とステアリングシャフト106との連結部分に、減速機構108を介してモーター10のロータ17が連結されている。また、ステアリングシャフト106には、舵角センサ111とトルクセンサ112とが取り付けられ、ハンドル107の操舵角θ1を検出すると共に、ステアリングシャフト106にかかる操舵抵抗Tf(負荷トルク)を検出している。さらに、転舵輪101の近傍には、転舵輪101の回転に基づいて車速Vを検出するための車速センサ113が設けられている。そして、操舵制御装置114が、舵角センサ111、トルクセンサ112及び車速センサ113の検出信号に基づいた運転状況に応じてモーター10を駆動し、これにより運転者によるハンドル操作をモーター10で補助して転舵輪101,101を転舵することができる。
このように本実施形態の電動パワーステアリング装置100では、セグメント磁石20の表面を傷めることなく磁石カバー40が装着されたモーター10をハンドル107の操舵力を補助するための動力源として備えたので、モーター10のトルクリップルによる操舵フィーリングへの悪影響を防止することができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記第1実施形態では、セグメント磁石20と同数の円弧体41によって磁石カバー40を構成していたが、セグメント磁石20の数より少ない複数の円弧体41によって構成してもよい。ここで、複数の円弧体41を全て同一形状としなくてもよいが、同一形状にすれば、円弧体41の製造コストを抑えることができ、部品管理上も好ましい。
(2)上記第1実施形態では、磁石カバー40は、全ての磁石間空隙20Sに対応した部位で分断してなる複数(6つ)の円弧体41により形成されていたが、図9に示す磁石カバー140のように、磁石カバー140を1箇所の磁石間空隙20Sに対向した部位のみで分断してなる1つの円弧体141により形成してもよい。この磁石カバー140をローターヨーク16に固定されたセグメント磁石20の周囲に装着する場合には、円弧体141をセグメント磁石20の外側に遊嵌し、円弧体141の周方向の一側辺141Aに備えた連結筒部46を貫通した連結ピン50を、他側辺141Bの連結筒部46に挿入して、円弧体141の両側辺141A,141B(磁石カバー140の分断部分)を連結すればよい。このような構成でも、装着時にセグメント磁石20の表面が磁石カバー140によって擦られないから、セグメント磁石20の表面を傷めずに磁石カバー140を装着することができる。また、第1実施形態のように複数の円弧体41を複数の連結ピン50で連結した構成に比較して、部品点数を削減することができ、磁石カバーの組み立て作業も簡略化できる。
ここで、本実施例では、円弧体141の一側辺141Aと他側辺141Bとに、連結筒部46を1つずつ備えていたが、上記第1実施形態のように、一側辺141Aの軸方向の両端に1対の連結筒部46,46を設け、他側辺141Bの中央に1つの連結筒部46を設けてもよい。このようにすることで、連結ピン50の変形を防止することができる。
(3)連結筒部46,46は、円弧体41の両側辺41A,41Bから周方向に突出した連結突片42を円弧体41の内側に巻回して形成されていたが、図10に示すように、外側に巻回して形成してもよい。このとき、連結筒部46,46が磁石カバー40の外面側に突出しないように連結突片42の基端部を磁石間空隙20S側に屈曲させて、連結筒部46,46を磁石間空隙20Sに受容させることが好ましい。
(4)上記実施形態では、磁石カバー40の他端面から連結ピン50の大径部50Aが突出しており、磁石カバー40と端面カバー55との間に隙間が形成されていたが、図11に示すように、端面カバー55の外縁部から磁石カバー40に向かって扁平な筒壁57を突出させて磁石カバー40の端面に突き当て、その筒壁57によって磁石カバーと端面カバー55との間の隙間を塞いだ構成としてもよい。
(5)また、磁石カバー40を軸方向に延長して磁石カバー40の端面が端面カバー55の外縁部に突き当たるようにしてもよい。
(6)上記第1実施形態のモーター10は、セグメント磁石20(極数)が6つで、ステータ12に備えたスロット13の数(コイル数)が9であったが、極数及びスロット数(コイル数)の組合せはこれに限るものではなく、例えば、10極12スロットでもよい。
本発明の一実施形態に係るモーターの平断面図 ローターの斜視図 (A)ローター側断面図、(B)セグメント磁石の斜視図 磁石カバーの斜視図 (A)連結筒部を巻回する前の円弧体の斜視図、(B)連結筒部を巻回した状態の円弧体の斜視図 磁石カバーの分断部分の拡大図 径の異なる連結ピンを挿入したときの連結部分の概念図 電動パワーステアリング装置の概念図 他の実施形態に係る磁石カバーの斜視図 他の実施形態に係るローターの平断面図 他の実施形態に係るローターの斜視図
符号の説明
10 モーター
16 ローターヨーク
20 セグメント磁石
20S 磁石間空隙
25 鍔部
26 ピン係合凹部
40 磁石カバー
41 円弧体
41A 一側辺(分断縁部)
41B 他側辺(分断縁部)
42 連結突片
46 連結筒部
50 連結ピン
55 端面カバー
100 電動パワーステアリング装置
107 ハンドル
140 磁石カバー
141 円弧体
141A 一側辺(分断縁部)
141B 他側辺(分断縁部)

Claims (10)

  1. ローターヨークの外周面に複数のセグメント磁石を離散配置して固定し、それらセグメント磁石の周囲を円筒状の磁石カバーで覆ったモーターにおいて、
    前記磁石カバーのうち前記セグメント磁石同士の間の磁石間空隙に対向した部位を分断し、その分断部分を挟んで対峙した1対の分断縁部から周方向に連結突片をそれぞれ突出形成すると共にそれら複数の連結突片を軸方向でずらして配置し、
    前記複数の連結突片から前記磁石間空隙に向かって突出して、前記磁石カバーの軸方向に貫通した内部空間を有する複数の連結筒部と、
    前記複数の連結筒部内に共通して挿通され、隣り合った前記1対の分断縁部同士を連結する連結ピンとを備えたことを特徴とするモーター。
  2. 前記磁石カバーを、周方向における複数箇所の前記磁石間空隙に対向した部位で分断して複数の円弧体に分割したことを特徴とする請求項1に記載のモーター。
  3. 前記磁石カバーを前記セグメント磁石と同数の前記円弧体に分割したことを特徴とする請求項2に記載のモーター。
  4. 前記磁石カバーを、周方向における1箇所の前記磁石間空隙に対向した部位のみで分断したことを特徴とする請求項1に記載のモーター。
  5. 前記磁石カバーは、非磁性体の板金で構成され、その板金のうち前記連結突片を構成する部分を内側に巻回して前記連結筒部を形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のモーター。
  6. 前記連結突片及び前記連結筒部は、前記1対の分断縁部のうち一方の分断縁部の中央と、他方の分断縁部の両端部とに配置されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のモーター。
  7. 径が異なる複数種類の前記連結ピンを備え、何れかの径の前記連結ピンを選択して前記1対の分断縁部の前記連結筒部内に挿通可能としたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のモーター。
  8. 前記ローターヨークには、前記セグメント磁石が固定される部分より径方向に張り出して前記セグメント磁石の端面を覆う鍔部が備えられ、その鍔部には、前記連結筒部を貫通した前記連結ピンの先端部と凹凸係合するピン係合凹部が備えられたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のモーター。
  9. 前記セグメント磁石のうち前記鍔部によって覆われた端面と反対側の端面を覆うと共に、前記連結筒部に挿通された前記連結ピンの基端部を覆う端面カバーを備えたことを特徴とする請求項8に記載のモーター。
  10. 前記請求項1乃至9の何れかに記載のモーターを、ハンドルの操舵力を補助するための動力源として備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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