以下、添付図面を参照して、本発明に係る撮影装置の好ましい実施の形態について詳説する。
[第1の実施の形態]
<装置構成>
図1は、本発明が適用されたデジタルスチルカメラ(DSC)のシステム構成を示すブロック図である。
同図に示すように、本実施の形態のDSC10は、操作部12、CPU14、撮影光学系16、イメージセンサ18、アナログフロントエンド(AFE)20、画像入力コントローラ26、ダイナミック・リコンフィギャラブル・プロセッサ(Dynamically Reconfigurable Processor(DRP))28、表示コントローラ30、表示装置32、AE/AF/AWB検出部34、外部通信部36、電源管理部38、ワークメモリ40、プログラムメモリ42、画像記録メモリ44等を備えて構成されている。
操作部12は、撮影を指示するレリーズボタン、電源のON/OFFを指示する電源ボタン、カメラのモードを撮影モードと再生モードとに切り換えるモード切換スイッチ、テレ/ワイドのズームを指示するズームボタン、メニュー画面の呼び出しを指示するメニューボタン、処理の実行、選択の確定等を指示するOKボタン、処理のキャンセル等を指示するキャンセルボタン、十字ボタン等の各種操作部材を含み、操作に応じた操作信号をCPU14に送る。
CPU14は、所定の制御プログラムを実行することにより、操作部12からの各種信号に基づいて、DSC10の各部を制御する。
プログラムメモリ42には、このCPU14が実行する制御プログラムや、制御に必要な各種データが格納されている。また、後述するように、このプログラムメモリ42には、DRP28が実現する回路の情報が格納されている。このプログラムメモリ42は、たとえば、フラッシュROM等の不揮発性メモリで構成される。
ワークメモリ40は、たとえば、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、CPU14によるプログラムの実行領域として利用されるとともに、画像データの一時記憶領域として利用される。
画像記録メモリ44は、たとえば、フラッシュROM等の不揮発性メモリで構成され、撮影により得られた画像データの記録領域として利用される。なお、この画像記録メモリ44は、いわゆるメモリカードの形態でカメラ本体に着脱自在に取り付けられる構成としてもよいし、また、いわゆる内蔵メモリの形態でカメラ本体に一体的に組み込まれる構成としてもよい。
撮影光学系16は、ズームレンズ装置で構成されており、主として、ズーミングを行うためのズームレンズ16zと、フォーカシングを行うためのフォーカスレンズ16f、光量を調節するための絞り16iとを備えて構成されている。
ズームレンズ16zは、撮影光軸に沿って前後移動自在に設けられており、ズームモータ46zに駆動されて、撮影光軸上を前後移動する。CPU14は、ズームモータドライバ48zを介してズームモータ46zの駆動を制御することにより、ズームレンズ16zの移動を制御して、焦点距離を制御する。
フォーカスレンズ16fは、撮影光軸に沿って前後移動自在に設けられており、フォーカスモータ46fに駆動されて、撮影光軸上を前後移動する。CPU14は、フォーカスモータドライバ48fを介してフォーカスモータ46fの駆動を制御することにより、フォーカスレンズ16fの移動を制御して、焦点位置を制御する。
絞り16iは、たとえば、アイリス絞りで構成され、アイリスモータ46iに駆動されて、その開口量(絞り値)が調整される。CPU14は、アイリスモータドライバ48iを介してアイリスモータ46iの駆動を制御することにより、絞り16iの開口量をして、イメージセンサ18への入射光量を制御する。
イメージセンサ18は、所定のカラーフィルタ配列(たとえば、ベイヤ)のCCDイメージセンサが用いられており、撮影光軸に直交するようにして、撮影光学系16の後方に配置されている。
なお、本実施の形態では、イメージセンサ18にCCDイメージセンサを用いているが、イメージセンサ18には、この他、CMOSイメージセンサ等の他の構成のイメージセンサを用いることもできる。また、画素配列も正方配列のものに限らず、ハニカム配列のものを用いることもできる。
イメージセンサ18は、タイミングジェネレータ50から加えられる駆動信号に応じて作動し、各画素(受光素子)に蓄積された信号電荷を電圧信号に変換して、画像信号として、点順次に出力する。
なお、このイメージセンサ18には、電子シャッタ機能を実現するために、シャッタゲートを介してシャッタドレインが設けられている。イメージセンサ18の各画素に蓄積された信号電荷は、タイミングジェネレータ50を介して、シャッタゲートを駆動すると、シャッタドレインに掃き出される。したがって、このシャッタゲートの駆動を制御することにより、各画素に蓄積される信号電荷の蓄積時間を制御でき、シャッタスピードを制御することができる。
イメージセンサ18から出力された画像信号は、アナログフロントエンド(AFE)20に取り込まれる。
AFE20は、アナログ信号処理回路22と、A/D変換器24とを備えて構成され、イメージセンサ18から出力されたアナログの画像信号に所定の信号処理を施し、デジタルの画像信号に変換して出力する。このAFE20は、タイミングジェネレータ50から加えられる駆動タイミング信号で動作し、イメージセンサ18と同期して動作する。
アナログ信号処理回路22は、CDS(相関2重サンプリング回路)とAGC(アナログ・ゲイン制御回路)とを含み、CDSでイメージセンサ18から出力された画像信号に含まれるリセットノイズ(低周波)を除去したのち、AGCで信号を増幅し、一定レベルの大きさにコントロールする。
A/D変換器24は、アナログ信号処理回路22で所定の信号処理が施されたアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換して出力する。
画像入力コントローラ26は、CPU14の制御の下、AFE20から出力される1コマ分の画像信号を取り込む。この画像入力コントローラ26によってAFE20から取り込まれる1コマ分の画像信号が、撮影画像のRAWデータである。取り込まれたRAWデータは、ワークメモリ40の所定領域に格納される。
ダイナミック・リコンフィギャラブル・プロセッサ(DRP)28は、内部機能を再構成する仕組みを備えたLSIで構成され、動作させたまま任意の論理回路を実現できるように構成されている。
本実施の形態のDSC10では、RAWデータに対してイメージセンサ固有のキズ補正やシェーディング補正を行う機能(イメージセンサ固有の補正処理機能)と、RAWデータを表示用に簡易現像処理する機能(簡易現像処理機能)と、RAWデータを記録用に現像処理する機能(現像処理機能)と、現像処理後の画像データを圧縮処理する機能(圧縮処理機能)と、圧縮された画像データを伸張する機能(伸張処理機能)とを切り換えてDRP28に実現させる。
このDRP28に実現させる回路の情報は、プログラムメモリ42に格納されており、CPU14は、このプログラムメモリ42に格納された回路情報をDRP28にダウンロードして、DRP28に実現させる機能を切り換える。
なお、このDRP28で行う画像処理については、のちに詳述する。
表示コントローラ30は、CPU14の制御の下、簡易現像処理又は現像処理されて生成された画像データをワークメモリ40から読み出し、表示装置32の表示形式に変換して出力する。表示装置32は、たとれば、カラーLCDで構成される。
AE/AF/AWB検出部34は、画像入力コントローラ26を介して取り込んだ撮影画像のRAWデータを用いて、焦点評価値(いわゆるコントラスト情報)、被写体の明るさ、光源種を検出する。
焦点評価値の情報は、AF(Auto Focus)制御に用いられ、CPU14は、この焦点評価値が最大となるフォーカスレンズ14fの位置をサーチして、主要被写体に焦点を合せる(いわゆるコントラストAF)。
被写体の明るさの情報は、AE(Auto Exposure)制御に用いられ、CPU14は、この被写体の明るさの情報に基づいて、EV値を算出し、露出(絞り値、シャッタースピード)を決定する。
光源種の情報は、AWB(Auto White Balance)制御に用いられ、CPU14は、この光源種の情報に基づいて、ホワイトバランス用のWBパラメータを設定する。
外部通信部36は、CPU14の制御の下、所定の通信インターフェースを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。本実施の形態のDSC10では、通信インターフェースとしてUSBが採用されている。したがって、USBインターフェースを有する機器であれば、USBケーブルを介して接続することができ、互いにデータの送受信を行うことができる。
なお、本例ではUSBインターフェースを用いて外部機器と通信する構成としているが、外部機器と通信する手段は、これに限定されるものではなく、他の通信手段で通信する構成とすることもできる。また、その接続形態は有線のものに限らず、無線で接続する形態であってもよい。したがって、たとえば、この他、有線によるLANや無線によるLAN、ブルートゥース、赤外線通信等により、外部機器と通信する構成としてもよい。
電源管理部38は、DC/DCコンバータ等を備え、CPU14の制御の下、カメラ本体に装填されたバッテリ52から供給される電力、又は、電源端子54を介して接続されたACアダプタ56から供給される電力のカメラ各部への供給を制御する。
この電源管理部38は、充電回路を備えており、CPU14の制御の下、カメラ本体に装填されたバッテリ52を充電する。
また、この電源管理部38は、バッテリ残容量検出回路を備えており、CPU14の制御の下、カメラ本体に装填されたバッテリ52の残容量を検出する。具体的には、バッテリ52の電圧を検出して、残容量を検出する。
バッテリ52は、交換可能な形態としてもよいし、また、カメラ本体に一体的に組み込む構成としてもよい。
なお、本実施の形態のDSC10は、クレードル58を介して、ACアダプタ56との接続、及び、外部機器との接続を行うことができるようにされている。すなわち、カメラ本体をクレードル58に載置すると、そのクレードル58に設けられたUSB端子が、DSC10のUSB端子に接続され、そのクレードル58のUSB端子に接続された外部機器と通信可能に接続される。また、クレードル58に設けられた電源端子が、DSC10の電源端子54に接続され、そのクレードル58の電源端子に接続されたACアダプタ56から電力供給が行われる。
なお、DSC10のUSB端子を介して直接外部機器と接続することもできるし、また、DSC10の電源端子54を介して直接ACアダプタ56に接続することもできる。また、USB端子を介して電源の供給を行う構成とすることもできる。
電源管理部38は、電源の接続状況(バッテリ52が接続されているか、ACアダプタ56が接続されているか)を検出して、CPU14に出力する。
<動作>
次に、以上のように構成された本実施の形態のDSC10の動作について説明する。
上記のように、本実施の形態のDSC10には、DRP28が搭載されており、実現される機能(回路)が状況に応じて切り換えられる。
すなわち、本撮影前の撮影指示待ちの状態では、RAWデータを表示用に簡易現像処理する回路の情報がDRP28にダウロードされ、DRP28が簡易現像処理回路として機能する。これにより、イメージセンサ18で捉えた映像を表示装置32にスルー表示させることができる。
そして、この撮影指示待ちの状態から本撮影が指示されると、イメージセンサ固有の補正処理(キズ補正やシェーディング補正等)を行う回路の情報がDRP28にダウンロードされ、DRP28が補正処理回路として機能する。本撮影が指示された場合は、この補正処理がされたRAWデータが、画像記録メモリ44に記録される。そして、このようにRAWデータの状態で記録することにより、現像処理の時間を省くことができ、撮影間隔を短縮することができる。
一方、RAWデータは、そのままでは表示装置32に表示することができないので、現像処理する必要がある。本実施の形態のDSC10では、カメラの電源がOFFされ、かつ、ACアダプタ56から電力が供給されていることが確認されると、記録済みのRAWデータの現像処理が行われる。すなわち、DSC10の電源がOFFされ、かつ、ACアダプタ56から電力が供給されていることが確認されると、RAWデータを記録用に現像処理する回路の情報がDRP28にダウンロードされ、DRP28が現像処理回路として機能する。これにより、RAWデータを画質調整された可視可能なデータ(本例では、YCデータ)に変換にすることができる。
本実施の形態のDSC10では、現像処理が完了すると、さらに現像処理された画像データ(YCデータ)を圧縮処理する回路の情報がDRP28にダウンロードされ、DRP28が現像処理回路として機能する。これにより、画像記録メモリ44の容量を圧迫せずに画像を保存することができる。
なお、表示用の簡易現像処理では、少なくとも撮影領域が判明できるレベルでの現像処理が行われる。一方、記録用の現像処理では、画質を向上させるための処理を伴った現像処理が行われる。
たとえば、表示用の簡易現像処理では、各画素がR、G、Bいずれか一色の情報しか持たないRAWデータを各画素がR、G、B三色の色情報を持つように同時化する処理(補完処理)を行う。
一方、記録用の現像処理では、同時化したデータを輝度データ(Yデータ)と色差データ(Cr、Cbデータ)とからなる画像データ(YCデータ)に変換し、さらにYC変換後の画像データ(YCデータ)に対して、コントラスト強調処理、エッジ強調処理、ノイズリダクションなどのレタッチ処理を行う。
なお、現像処理は、一つの回路で実現することもできるが、各処理を実現する回路を分割し、時系列で処理する構成とすることが好ましい。
図2〜3は、本実施の形態のDSC10の処理動作の流れを示すフローチャートである。
まず、CPU14は、操作部12からの入力に基づいて、DSC10のモードが、撮影モードか否かを判定する(ステップS10)。
DSC14のモードが撮影モードに設定されていると判定すると、CPU14は、表示用に簡易現像処理する回路の情報をプログラムメモリ42から読み出し、DRP28にダウンロードして、DRP28に簡易現像処理回路の機能を実現させる(ステップS11)。これにより、表示装置32へのスルー表示が可能になる。CPU14は、イメージセンサ18から順次画像信号を取り込み、DRP28に簡易現像処理させ、生成された画像データ(同時化処理された画像データ)を表示コントローラ30に加えて、表示装置32にスルー画像を表示させる(ステップS12)。
撮影者は、この表示装置32にスルー表示される画像を見て、構図等を確認し、レリーズボタンを押下して、本撮影を指示する。CPU14は、操作部12から入力される信号に基づいて、本撮影が指示されたか否かを判定する(ステップS13)。
本撮影が指示されたと判定すると、CPU14は、本撮影の処理を実行し、イメージセンサ18から記録用の画像データ(RAWデータ)を取り込む(ステップS14)。記録用の画像データは、一時的にワークメモリ40に格納される。
CPU14は、記録用の画像データを取り込むと、イメージセンサ固有のキズ補正やシェーディング補正を行う回路(補正回路)の情報をプログラムメモリ42から読み出し、DRP28にダウンロードして、DRP28に補正処理回路の機能を実現させる(ステップS15)。そして、本撮影により得られたRAWデータをDRP28に加え、イメージセンサ固有の補正処理を行わせる(ステップS16)。
CPU14は、このキズ補正等のイメージセンサ固有の補正処理を行ったRAWデータを画像記録メモリ44に記録する(ステップS17)。
以上一連の工程で一枚の画像の撮影が完了する。この後、CPU14は、ステップS11に戻り、表示用に簡易現像処理する回路の情報をDRP28にダウンロードして、DRP28に簡易現像処理回路の機能を実現させる(ステップS11)。そして、表示装置32にスルー画像を表示させる(ステップS12)。
なお、上記ステップS13において、本撮影の指示がなされていないと判定すると、CPU14は、操作部12からの入力に基づいて、撮影モードを移行したか否かを判定する(ステップS18)。ここで、撮影モードを移行していないと判定すると、CPU14は、再度、ステップS13に戻り、本撮影の指示がなされたか否かを判定する(ステップS13)。
一方、撮影モードを移行したと判定すると、図3に示すように、操作部12からの信号に基づいて、電源のOFFが指示されたか否かを判定する(ステップS20)。
ここで、電源のOFFが指示されていないと判定すると、CPU14は、別のモードへの移行が指示されたと判定し、指示されたモード(たとえば、再生モード)での処理を開始する(ステップS27)。
一方、電源がOFFされたと判定すると、CPU14は、電源管理部38からの情報に基づいて、ACアダプタが接続されているか否かを判定する(ステップS21)。ここで、ACアダプタが接続されていないと判定すると、CPU14は、処理を終了する。
一方、ACアダプタが接続されていると判定すると、CPU14は、画像記録メモリ44にアクセスし、未現像のRAWデータが存在するか否かを判定する(ステップS22)。ここで、未現像のRAWデータが存在しないと判定すると、CPU14は、処理を終了する。
一方、未現像のRAWデータが存在すると判定すると、CPU14は、記録用の現像処理を実行する(ステップS23)。
図4は、記録用の現像処理の手順を示すフローチャートである。
まず、CPU14は、画像記録メモリ44から未現像のRAWデータを読み出し、ワークメモリ40に展開する(ステップS30)。
次に、CPU14は、RAWデータを同時化処理する回路の情報をプログラムメモリ42から読み出し、DRP28にダウンロードして、DRP28に補正処理回路の機能を実現させる(ステップS31)。そして、ワークメモリに展開した未現像のRAWデータをDRP28に加え、DRP28に同時化処理させる。処理後の画像データは、再度、ワークメモリ40に格納される。
次に、CPU14は、同時化後の画像データをYC変換処理する回路の情報をプログラムメモリ42から読み出し、DRP28にダウンロードして、DRP28にYC変換処理回路の機能を実現させる(ステップS32)。そして、ワークメモリに格納された同時化処理後のDRP28に加えて、画像データを輝度データ(Yデータ)と色差データ(Cr、Cbデータ)とからなる画像データ(YCデータ)に変換させる。YC変換後の画像データ(YCデータ)は、再度、ワークメモリ40に格納される。
次に、CPU14は、YC変換後の画像データをノイズリダクション処理する回路の情報をプログラムメモリ42から読み出し、DRP28にダウンロードして、DRP28にノイズリダクション処理回路の機能を実現させる(ステップS33)。そして、ワークメモリに格納されたYC変換後の画像データをDRP28に加えて、ノイズリダクション処理させる。ノイズリダクション処理後の画像データ(YCデータ)は、再度、ワークメモリ40に格納される。
次に、CPU14は、ノイズリダクション処理後の画像データをコントラスト強調処理する回路の情報をプログラムメモリ42から読み出し、DRP28にダウンロードして、DRP28にコントラスト強調処理回路の機能を実現させる(ステップS34)。そして、ワークメモリに格納されたノイズリダクション処理後の画像データをDRP28に加えて、コントラスト強調処理させる。コントラスト強調処理後の画像データ(YCデータ)は、再度、ワークメモリ40に格納される。
次に、CPU14は、コントラスト強調処理後の画像データをエッジ強調処理する回路の情報をプログラムメモリ42から読み出し、DRP28にダウンロードして、DRP28にエッジ強調処理回路の機能を実現させる(ステップS35)。そして、ワークメモリに格納されたコントラストを強調処理後の画像データをDRP28に加えて、エッジ強調処理させる。エッジ強調処理後の画像データ(YCデータ)は、再度、ワークメモリ40に格納される。
以上一連の工程で記録用の現像処理は完了し、記録用の画像データ(YCデータ)が生成される。
この後、CPU14は、図3に示すように、生成された記録用の画像データを圧縮する処理(ここでは、YCデータをJPEG圧縮する処理)を行う。すなわち、画像データを圧縮処理する回路の情報をプログラムメモリ42から読み出し、DRP28にダウンロードして、DRP28に圧縮処理回路の機能を実現させる(ステップS24)。そして、ワークメモリに格納された記録用の画像データをDRP28に加えて、圧縮処理させる。生成された圧縮画像データは、再度、ワークメモリ40に格納される。
CPU14は、生成された圧縮画像データに所定の付属情報を付加して、所定フォーマットの画像ファイル(ここでは、Exifファイル)を生成し、所定の記録フォーマット(ここでは、DCF)に従って画像記録メモリに記録する(ステップS25)。
この後、CPU14は、画像記録メモリ44にアクセスし、未現像のRAWデータが存在するか否かを判定する(ステップS26)。そして、未現像のRAWデータが存在しないと判定すると、処理を終了する。
一方、未現像のRAWデータが存在すると判定すると、ステップS23に戻り、未現像のRAWデータに対して記録用の現像処理を実行する。
このように、本実施の形態のDSC10では、DRP28を組み込み、DRP28に実現させる回路の内容を適宜切り換えて各種処理を実行することにより、全体の回路規模を小さくすることができる。
また、撮影時は画像をRAWデータで記録し、電源OFF後に記録用の現像処理を行う構成とすることにより、撮影間隔を短くすることができ、快適な撮影環境を実現することができる。
また、撮影中に記録用の現像処理を行わないことにより、電力消費も抑えることができ、長時間の撮影を実現することができる。
また、記録用の現像処理を行う場合は、安定した電源(ACアダプタからの給電)が確保されていることを確認して、実行する構成とすることにより、処理途中でバッテリが切れて、データが破壊されるという事態を未然に防ぐことができる。これにより、撮影により得られた画像データを安全に取り扱うことができる。
なお、ACアダプタ56が接続された場合は、電力供給がバッテリ52からACアダプタ56に切り換えられるものとするが、バッテリ52を充電しながらバッテリ52から給電する構成とすることもできる。
また、電源OFF後に現像処理を行う構成とすることにより、使用中に処理待ち時間などを生じさせることなく、快適に使用することができる。
なお、上記実施の形態では、記録用の現像処理として、同時化処理後、YC変換し、YC変換された画像データ(YCデータ)をノイズリダクション処理、コントラスト強調処理、エッジ強調処理する構成としているが、記録用の現像処理の内容は、これに限定されるものではない。さらに高レベルな画像処理を施して記録用の画像データを生成するようにしてもよい。
同様に表示用の簡易現像処理についても、上記実施の形態では、同時化処理のみを行っているが、表示画像の画質を向上させる場合には、さらに他の画像処理を行うようにしてもよい。ただし、処理内容を増やすほど、回路規模が大きくなるとともに、消費電力も増え、処理速度も低下するので、これらを考慮して、簡易現像処理の内容を設定することが好ましい。
一方、記録用の現像処理については、電源OFF後に行われることから、消費電力や処理速度等については、あまり考慮する必要はない。したがって、さらに高レベルな画像処理を行う構成としてもよい。
また、安定した電源が確保されていることを条件に記録用の現像処理を行うので、記録用の現像処理を行う場合は、内部回路の動作周波数をアップして、処理速度を上げるようにしてもよい。
なお、上記実施の形態では、本撮影により得られたRAWデータに対して、イメージセンサ固有の補正処理を行って、画像記録メモリ44に記録する構成を採っているが、本撮影により得られたRAWデータをそのまま画像記録メモリ44に記録する構成としてもよい。すなわち、画像入力コントローラ26を介して取り込まれたRAWデータをそのまま画像記録メモリ44に記録する構成としてもよい。
なお、上記実施の形態のように、イメージセンサ固有の補正処理を行って、画像記録メモリ44に記録する構成とすることにより、カメラの機種によらず、汎用の現像処理を行うことができる。
なお、現像済みのRAWデータについては、現像処理の完了後に消去する構成としてもよいし、また、現像処理完了後もそのまま画像記録メモリ44に残す構成としてもよい。
また、本撮影の直前に簡易現像処理された画像データを取得し、本撮影により得られたRAWデータに関連づけて画像記録メモリ44に記録するようにしてもよい。これにより、本撮影により得られたRAWデータが記録用の現像処理されるまでの間、撮影済みの画像がどのような画像かを簡易的に確認することができる。すなわち、再生指示がなされた場合(再生モード時)は、この簡易現像処理された画像を表示装置32に表示させることにより、撮影済みの画像を簡易的に確認することができる。
この場合、本撮影の指示がなされるまでの間、簡易現像処理した画像データを逐次上書きしながらワークメモリ40に格納する。そして、本撮影の指示がなされた際にワークメモリ40に格納されている画像データを本撮影直前に簡易現像処理された画像データとして、本撮影により得られたRAWデータとともに画像記録メモリ44に記録する。関連付けは、たとえば、ファイル名を同じにして拡張子を変える方法や、別途管理ファイルを生成する方法などを採ることができる。
なお、この例では両者を互いに関連づけて画像記録メモリ44に記録する構成としているが、少なくともどのような画像が画像記録メモリ44に記録されているかが確認できればよいので、両者の関連付けは行わない構成としてもよい。
なお、簡易現像処理された画像データは、対応するRAWデータが記録用の現像処理されると、自動的に消去される構成とすることが好ましい。
また、この本撮影直前に簡易現像処理された画像データを本撮影後に表示装置32に表示し、本撮影により得られた画像を簡易的に確認できるようにしてもよい。また、併せて記録の要否を撮影者に問い合わせ、記録の指示がなされた場合のみ本撮影により得られたRAWデータを画像記録メモリ44に記録するようにしてもよい。
また、DRP28に実現させる回路の情報は、適宜更新できるようにすることが好ましい。すなわち、プログラムメモリ42に記録されている回路情報を適宜更新できるようにすることが好ましい。これにより、常に最新の画像処理技術を用いてRAWデータの現像処理を行うことができる。同様に常に最新の圧縮、伸張処理技術を用いて、画像データの圧縮、伸張処理を行うことができる。
[第2の実施の形態]
上記のように、DRPを備えたDSCは、プログラムメモリに記録されている回路情報を更新することにより、常に最新の画像処理技術を用いてRAWデータの現像処理を行うことができる。
本実施の形態のDSCでは、DRPに実現させる回路の情報を適宜更新することにより、常に最新の画像処理技術を用いてRAWデータの現像処理を実行する。具体的には、DSCを所定のサーバに接続して、記録用の現像処理を行う構成とし、現像開始前にサーバに最新の回路情報の有無を問い合わせる構成とする。そして、最新の回路情報が存在する場合は、サーバから最新の回路情報を取得し、回路情報を更新したのち、現像処理を開始する。
なお、DSCとしての基本構成は、上述した第1の実施の形態のDSCと同じなので、DSCの構成についての説明は省略する。
また、本実施の形態では、サーバはパソコン(PC)であり、PCは外部通信部36を介して通信可能に接続される。
なお、撮影時の処理(図2の処理)は、上述した第1の実施の形態のDSCの処理と同じなので、ここでは、電源OFF後に行われる処理についてのみ説明する。
図5は、撮影モードを移行後のDSCの処理動作の流れを示すフローチャートである。
撮影モードを移行したと判定すると(図2参照:ステップS10&ステップS18)、CPU14は、操作部12からの信号に基づいて、電源のOFFが指示されたか否かを判定する(ステップS40)。
ここで、電源のOFFが指示されていないと判定すると、CPU14は、別のモードへの移行が指示されたと判定し、指示されたモード(たとえば、再生モード)での処理を開始する(ステップS51)。
一方、電源がOFFされたと判定すると、CPU14は、電源管理部38からの情報に基づいて、ACアダプタが接続されているか否かを判定する(ステップS41)。ここで、ACアダプタが接続されていないと判定すると、CPU14は、処理を終了する。
一方、ACアダプタが接続されていると判定すると、CPU14は、画像記録メモリ44にアクセスし、未現像のRAWデータが存在するか否かを判定する(ステップS42)。ここで、未現像のRAWデータが存在しないと判定すると、CPU14は、処理を終了する。
一方、未現像のRAWデータが存在すると判定すると、外部通信部36の接続状況を確認し、サーバ(PC)と通信可能な状態か否かを判定する(ステップS44)。ここで、サーバと通信可能な状態にないと判定すると、CPU14は、処理を終了する。
一方、サーバと通信可能な状態であると判定すると、サーバに更新すべき回路情報の有無を問い合わせる。そして、その問い合わせ結果に基づいて、更新する回路情報の有無を判定する(ステップS44)。
なお、更新すべき回路の有無は、たとえば、各回路の情報をバージョンで管理し、各回路のバージョンが最新か否かを判定して、更新すべき回路情報の有無を判定する。
更新すべき回路の情報がある場合は、サーバから更新する回路の情報を取得し、プログラムメモリ42に格納されている該当回路の情報を更新する(ステップS46)。
そして、更新完了後、記録用の現像処理を開始する(ステップS47)。更新すべき回路の情報がない場合は、当該更新処理はスキップして、記録用の現像処理を開始する(ステップS47)。
なお、記録用の現像処理の手順は、上述した第1の実施の形態DSCと同じなので、ここでは、その詳細な説明は省略するが、各処理が最新の回路情報を利用して行われる。
記録用の現像処理が完了すると、CPU14は、画像データを圧縮処理する回路の情報をプログラムメモリ42から読み出し、DRP28にダウンロードして、DRP28に圧縮処理回路の機能を実現させる(ステップS48)。そして、ワークメモリに格納された記録用の画像データをDRP28に加えて、圧縮処理させる。生成された圧縮画像データは、ワークメモリ40に格納される。
CPU14は、生成された圧縮画像データに所定の付属情報を付加して、所定フォーマットの画像ファイルを生成し、所定の記録フォーマットに従って画像記録メモリに記録する(ステップS49)。
この後、CPU14は、画像記録メモリ44にアクセスし、未現像のRAWデータが存在するか否かを判定する(ステップS50)。そして、未現像のRAWデータが存在しないと判定すると、処理を終了する。
一方、未現像のRAWデータが存在すると判定すると、ステップS47に戻り、未現像のRAWデータに対して記録用の現像処理を実行する。
このように、本実施の形態のDSC10では、更新すべき回路情報の有無を確認した上で記録用の現像処理を行うので、常に最新の画像処理技術を用いて記録用の現像処理を行うことができる。
なお、本実施の形態では、最新の回路情報を提供する機器(サーバ)として、パソコンを用いているが、最新の回路情報を提供する機器は、これに限定されるものではない。たとえば、専用の提供装置を用意し、当該提供装置にDSCを接続して、最新の回路情報の提供を行う構成とすることもできる。また、ネットワーク(たとえば、インターネット)を利用して、回路情報の提供を受け付ける構成とすることもできる。
また、たとえば、クレードル58に回路情報の提供機能を持たせ、クレードル58に接続すると、回路情報の提供が受け付けられるようにしてもよい。この場合、クレードル58に通信機能及び回路情報を保持するプログラムメモリを持たせ、当該プログラムメモリに最新の回路情報を逐次記録する構成とする。
[第3の実施の形態]
上述した第1、第2の実施の形態のDSCでは、電源がOFFされても、ACアダプタに接続されていない場合は、記録用の現像処理を行わないようにしている。これは、現像処理中にバッテリが切れ、データが破壊されるのを未然に防止するためである。
しかし、未現像分のRAWデータを現像処理するのに十分な容量がバッテリに確保されていれば、ACアダプタに接続されていなくても、データを破壊することなく、現像処理することができる。
そこで、本実施の形態のDSCでは、バッテリの残容量を確認して、RAWデータの現像処理を行う。
図6は、撮影モードを移行後のDSCの処理動作の流れを示すフローチャートである。
なお、ACアダプタが接続されていると判定された場合の処理は、上述した第1の実施の形態と同じである。
したがって、ここでは、ACアダプタが接続されていないと判定された場合の処理について説明する。
ステップS21でACアダプタが接続されていないと判定すると、CPU14は、画像記録メモリ44にアクセスし、未現像のRAWデータが存在するか否かを判定する(ステップS60)。ここで、未現像のRAWデータが存在しないと判定すると、CPU14は、処理を終了する。
一方、未現像のRAWデータが存在すると判定すると、未現像のRAWデータをすべて現像処理するのに必要なバッテリの容量を算出する(ステップS61)。
なお、ここでの演算は、たとえば、所定の関数に未現像のRAWデータのデータ数を入力して算出する。
そして、現在のバッテリの残容量の情報を電源管理部38から取得し、取得した残容量と算出された容量とを比較し、現在のバッテリの残容量ですべてのRAWデータの現像処理が可能か否かを判定する(ステップS62)。すなわち、現在のバッテリの残容量が、算出した容量を上回っているか否かを判定して、すべてのRAWデータの現像処理が可能か否かを判定する。
この判定で現在のバッテリの残容量ですべてのRAWデータの現像処理が不能と判定すると、CPU14は、処理を終了する。
一方、現在のバッテリの残容量ですべてのRAWデータの現像処理が可能と判定すると、CPU14は、記録用の現像処理を実行する(ステップS23)。
このように、本実施の形態のDSCでは、現在のバッテリの残容量を検出し、現在の残容量で処理可能であれば、ACアダプタの接続の有無に関わらず、RAWデータの現像処理を行う。これにより、効率よく記録用の現像処理を行うことができる。
なお、上記の例では、現在のバッテリの残容量が、未現像のRAWデータをすべて現像処理するのに必要なバッテリの容量を上回っているか否かを判定して、記録用の現像処理を行っているが、バッテリが規定容量以上充電されていれば(たとえば、満充電されていれば)、記録用の現像処理を行うようにしてもよい。
また、現在のバッテリの残容量から現像処理可能なデータ数を算出し、算出されたデータ数の分だけ現像処理を行うようにしてもよい。
[第4の実施の形態]
上述した第1、第2の実施の形態のDSCでは、ACアダプタに接続されていることを確認して、記録用の現像処理を行うようにしている。これにより、現像処理中にバッテリが切れ、データが破壊されるのを未然に防止することができる。
しかし、記録用の現像処理中に不注意でACアダプタ56が外れると(カメラ本体をクレードルから取り外す場合を含む。)、データが破損するおそれがある。
そこで、本実施の形態のDSCでは、RAWデータの現像処理を行う前にバッテリの残容量を確認し、バッテリ残量が処理に必要とする容量に対して、十分であると判断したらなら、RAWデータの現像処理を行う。
なお、撮影時の処理(図2の処理)は、上述した第1の実施の形態のDSCの処理と同じなので、ここでは、電源OFF後に行われる処理についてのみ説明する。
図7〜9は、撮影モードを移行後のDSCの処理動作の流れを示すフローチャートである。
撮影モードを移行したと判定すると(図2参照:ステップS10&ステップS18)、CPU14は、操作部12からの信号に基づいて、電源のOFFが指示されたか否かを判定する(ステップS70)。
ここで、電源のOFFが指示されていないと判定すると、CPU14は、別のモードへの移行が指示されたと判定し、指示されたモード(たとえば、再生モード)での処理を開始する(ステップS71)。
一方、電源がOFFされたと判定すると、CPU14は、電源管理部38からの情報に基づいて、ACアダプタ56が接続されているか否かを判定する(ステップS72)。ここで、ACアダプタ56が接続されていないと判定すると、CPU14は、処理を終了する。
一方、ACアダプタ56が接続されていると判定すると、CPU14は、電源の供給元をACアダプタ56に切り換える(ステップS73)。これにより、安定した電源が確保される。
この後、CPU14は、画像記録メモリ44にアクセスし、未現像のRAWデータが存在するか否かを判定する(ステップS74)。
ここで、未現像のRAWデータが存在しないと判定すると、図8に示すように、CPU14は、充電処理を開始する。すなわち、電源管理部38に対してバッテリ52の充電を指令し、ACアダプタ56から供給される電力でバッテリ52を充電する(ステップS90)。そして、電源管理部38からの出力に基づいて、バッテリ52が満充電されたか否かを判定し(ステップS90)、バッテリ52が満充電された段階で処理を終了する。これにより、電源OFF時にACアダプタ56が接続されている場合は、自動的にバッテリ52を充電でき、効率よくバッテリ52の充電を行うことができる。
一方、上記ステップS74において、未現像のRAWデータが存在すると判定すると、CPU14は、未現像のRAWデータをすべて現像処理するのに必要なバッテリの容量を算出する(ステップS75)。そして、現在のバッテリの残容量の情報を電源管理部38から取得し、取得した残容量と算出された容量とを比較し、現在のバッテリの残容量ですべてのRAWデータの現像処理が可能か否かを判定する(ステップS76)。すなわち、現在のバッテリの残容量が、算出した容量を上回っているか否かを判定して、すべてのRAWデータの現像処理が可能か否かを判定する。
この判定で現在のバッテリの残容量ですべてのRAWデータの現像処理が不能と判定すると、CPU14は、充電処理を開始する。すなわち、電源管理部38に対してバッテリ52の充電を指令し、ACアダプタ56から供給される電力でバッテリ52を充電する(ステップS77)。そして、電源管理部38からの出力に基づいて、すべてのRAWデータを現像処理するのに十分な容量が充電されたか否かを判定する(ステップS78)。
このステップS78の判定及びステップS76の判定ですべてのRAWデータの現像処理が可能と判定すると、CPU14は、記録用の現像処理を実行する(ステップS80)。そして、生成された記録用の画像データを圧縮する処理を行い(ステップS81)、生成された圧縮画像データに所定の付属情報を付加して、所定フォーマットの画像ファイルを生成し、所定の記録フォーマットに従って画像記録メモリに記録する(ステップS82)。
この後、CPU14は、未現像のRAWデータが存在するか否かを判定し(ステップS83)、未現像のRAWデータが存在しないと判定すると、図8に示すように、バッテリ52の充電処理を行い、バッテリ52が満充電されたところで処理を終了する。
ところで、この現像、圧縮、記録の処理中にACアダプタ56が抜かれ、ACアダプタ56からの給電が遮断されると、処理中のデータが破損するおそれがある。
そこで、CPU14は、この現像、圧縮、記録の各処理中にACアダプタ56の接続状況を監視し、ACアダプタ56が抜かれたことを検出すると、図9に示すように、ただちに電源の供給元をバッテリ52に切り換え(ステップS100)、処理を継続して実行する(ステップS101)。
ここで、本実施の形態のDSCでは、すべてのRAWデータを現像処理するのに十分な容量が確保されていることを確認して、現像処理を開始しているので、バッテリ52には、残りすべてのRAWデータを現像処理するのに十分な容量が確保されている。したがって、処理途中でバッテリ52の容量がなくなることはなく、安全にデータを処理することができる。
このように、ACアダプタ56が抜かれたことを検出されると、ただちに電源の供給元がバッテリに切り換えられ、処理が継続して行われる。
この後、CPU14は、すべてのRAWデータの現像処理が完了したか否かを判定し(ステップS102)、すべてのRAWデータの現像が完了したと判定すると、図8に示すように、バッテリ52の充電処理を行い、バッテリ52が満充電されたところで処理を終了する。
このように、本実施の形態のDSCでは、ACアダプタが接続されている場合であっても、現在のバッテリの残容量ですべてのRAWデータの現像処理が不能であれば、現像処理は行わず、バッテリが充電されるのを待って現像処理を行う。これにより、不注意でAC電源が遮断されたとしても、データを破壊することなく、安全に現像処理を行うことができる。
なお、上記の例では、バッテリ52を充電したのち、記録用の現像処理を開始する際、未現像のRAWデータをすべて現像処理するのに必要なバッテリの容量が充電されるのを待って、現像処理を開始しているが、バッテリが満充電されるのを待って、現像処理を開始する構成としてもよい。
また、上記の例では、未現像のRAWデータをすべて現像処理するのに必要なバッテリの容量を算出し(ステップS75)、現在のバッテリの残容量の情報を電源管理部38から取得し、現在のバッテリの残容量ですべてのRAWデータの現像処理が可能な場合に記録用の現像処理を行う構成としているが、バッテリ52が規定容量以上充電されているか否かを判定し(たとえば、満充電されているか否かを判定)、規定容量以上充電されている場合に記録用の現像処理を行うようにしてもよい。この場合において、AC電源が遮断された場合は、処理中のデータのみ現像、圧縮、記録の処理を行うようにしてもよい。
[他の実施の形態]
上記の一連の実施の形態では、電源ボタンによって、電源がOFFにされると、記録用の現像処理を行う構成としているが、電源ボタンによって電源がOFFにされない場合であっても、無操作の状態が一定時間経過すると、自動的に電源がOFFされ、記録用の現像処理を行うようにしてもよい。
また、クレードル58への装着を検知し、クレードル58に装着すると、自動的に電源がOFFされて、記録用の処理を行うようにしてもよい。
また、上記一連の実施の形態では、本撮影により得られたRAWデータに対して記録用の現像処理を行うこととしているが、RAWデータのまま画像記録メモリ44に保存するようにしてもよい。すなわち、画像の記録モードとして、現像記録モードとRAW記録モードとを選択して本撮影できるように構成し、RAW記録モードで本撮影されたRAWデータは、現像処理は行わずに、そのまま画像記録メモリ44に保存するようにする。
同様に、記録用の現像処理を行う場合であっても、圧縮して記録するモードと非圧縮の状態で記録するモードを選択できるように構成し、非圧縮の状態で記録するモードが選択された場合には、圧縮処理を行わずに、画像データを画像記録メモリ44に記録するようにしてもよい。
また、上記一連の実施の形態では、本発明をDSCに適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。いわゆるカメラ付き携帯電話機等の撮影機能を備えた機器にも同様に適用することができる。
また、上記一連の実施の形態では、動的に再構成可能なハードウェアとして、DRPを採用しているが、使用可能な動的に再構成可能なハードウェアは、これに限定されるものではない。
10…デジタルスチルカメラ(DSC)、12…操作部、14…CPU、16…撮影光学系、18…イメージセンサ、20…アナログフロントエンド(AFE)、26…画像入力コントローラ、28…ダイナミック・リコンフィギャラブル・プロセッサ(Dynamically Reconfigurable Processor(DRP))、30…表示コントローラ、32…表示装置、34…AE/AF/AWB検出部、36…外部通信部、38…電源管理部、40…ワークメモリ、42…プログラムメモリ、44…画像記録メモリ、50…タイミングジェネレータ、52…バッテリ、54…電源端子、56…ACアダプタ、58…クレードル