JP4997075B2 - (メタ)アクリル酸アダマンチル系架橋重合体およびそれを用いた二次電池の電極 - Google Patents
(メタ)アクリル酸アダマンチル系架橋重合体およびそれを用いた二次電池の電極 Download PDFInfo
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Description
C(Ah/kg)=NA・e/(3600・M/1000)
(式中、Cは容量を、NAはモル定数を、eは電子の電荷を、Mはラジカル1個あたりの分子量をそれぞれ示す。)
撹拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えた250mL容の4つ口フラスコに、1,5,7−トリメチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−オン9.1g(50ミリモル)およびエタノール18mLを仕込み、均一溶液を得た。次いで、水30mLに溶解させた炭酸アンモニウム9.6g(100ミリモル)および水18mLに溶解させたシアン化カリウム4.5g(70ミリモル)をこれに添加した。窒素ガスを通じて系内の酸素を除去した後、50℃にて144時間反応させ、ろ過した後、エタノール50mLおよびジエチルエーテル50mLで洗浄し、減圧乾燥して1,5,7−トリメチルスピロ[9−アザビシクロ(3.3.1)ノナン−3,4’−イミダゾリジン−2’,5’−ジオン]11.6gを得た(収率92%)。得られた1,5,7−トリメチルスピロ[9−アザビシクロ(3.3.1)ノナン−3,4’−イミダゾリジン−2’,5’−ジオン]を大気圧イオン化法により質量分析したところ、分子量が251であったことから同定できた。
撹拌機、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却管および滴下ロートを備えた100mL容の4つ口フラスコに、製造例1と同様にして得られた3,5,7−トリメチル−2,6−ジアザアダマンタン−1−メタノール2.10g(10ミリモル)、トリエチルアミン1.11g(11ミリモル)およびジエチルエーテル30mLを仕込み、均一溶液を得た。この溶液を25℃に保ちながら、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、撹拌下、メタクリル酸クロライド1.05g(10ミリモル)を3時間かけて滴下した。引き続き、8時間25℃に保持した後、反応液をろ過し、ろ液を25℃にて減圧濃縮した後、濃縮物をクロロホルム−メタノール混合液(容積比5/1)50mLに溶解した。この溶液を、シリカゲル(ダイソー株式会社製、IR−60−63/210)300mLをクロロホルム−メタノール混合液(容積比5/1)1.2Lに懸濁して充填した1Lカラムに通液して精製した。目的物画分を採取し、25℃で恒量になるまで減圧乾燥することにより、メタクリル酸ジアザアダマンチル化合物2.64g(収率94.8%)を得た。
内容積50mLの三角フラスコに製造例2と同様にして得られたメタクリル酸ジアザアダマンチル化合物2.78g(10ミリモル)、1,9−ノナンジオールジメタクリレート0.03g(0.1ミリモル)、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.0115g(0.07ミリモル)およびトルエン3.5mLを仕込み、混合して均一溶液を得た。
内容積50mLの三角フラスコに製造例2と同様にして得られたメタクリル酸ジアザアダマンチル化合物2.78g(10ミリモル)、1,9−ノナンジオールジメタクリレート0.03g(0.1ミリモル)、メタクリル酸−n−ステアリル0.07g(0.2ミリモル)、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.0115g(0.07ミリモル)およびトルエン3.5mLを仕込み、混合して均一溶液を得た。
実施例2において、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.03gに代えて、ポリビニルアルコール(重合度:2000)0.03gを用いた以外は実施例2と同様にして、白色粉体の重合反応生成物2.84gを得た(収率98.5%)。
撹拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えた100mL容の4つ口フラスコに、製造例2と同様にして得られたメタクリル酸ジアザアダマンチル化合物5.56g(20ミリモル)、1,9−ノナンジオールジメタクリレート0.13g(0.40ミリモル)、メタクリル酸−n−ステアリル0.07g(0.20ミリモル)、界面活性剤としてのポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.03g、および水14mLを仕込んだ後、65℃にて1時間撹拌し、均一溶液を得た。引き続き、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、重合開始剤としての過硫酸カリウム0.0379g(0.14ミリモル)を加えて、撹拌下、70℃にて6時間、乳化重合反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、5℃の冷水200mL中に加え、さらにろ過した後、水50mLで洗浄し、減圧乾燥することにより白色粉体の重合反応生成物5.32gを得た(収率92.4%)。
撹拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えた100mL容の4つ口フラスコに、製造例2と同様にして得られたメタクリル酸ジアザアダマンチル化合物8.65g(31.1ミリモル)、1,9−ノナンジオールジメタクリレート0.10g(0.31ミリモル)、メタクリル酸−n−ステアリル0.11g(0.31ミリモル)およびテトラヒドロフラン25mLを仕込み、均一溶液を得た。この溶液を25℃に保ちながら、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、重合開始剤としてのα,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.0358g(0.22ミリモル)を加えて、撹拌下、50℃にて6時間、溶液重合反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン1000mL中に加えてろ過した後、ヘキサン500mLで洗浄し、減圧乾燥することにより白色粉体の重合反応生成物8.79gを得た(収率99.2%)。
実施例1〜5で得られたメタクリル酸アダマンチル系架橋重合体について、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートおよびエチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの混合溶媒(重量比:3/7)の各溶媒に対する溶解性を評価した。各溶媒に対してそれぞれの粉体濃度が10重量%となるように混合し、室温にて24時間撹拌した後、ろ過して得たろ液を、150℃、10mmHgで15時間減圧乾燥を行い、粗溶解分を得た。この粗溶解分を純水で洗浄し、150℃、10mmHgで3時間減圧乾燥を行い、溶解分を得て溶解度を求めた。これらの結果を表1に示す。
実施例2で得られたメタクリル酸アダマンチル系架橋重合体を、めのう乳鉢を用いて粉砕して100μm以下の粒径とし、そのうちの0.5gと、溶媒としてのN−メチルピロリドン10gと、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン0.1gと、補助導電材としてのグラファイト粉末0.4gとを混合、撹拌して黒色のスラリーを得た。このスラリー2gを、リード線を備えたアルミニウム箔(面積:1.5cm×1.5cm、厚さ:100μm)の表面に滴下し、ワイヤーバーで全体が均一な厚さとなるように展開した後、120℃で6時間減圧乾燥することにより、実施例2で得られたメタクリル酸アダマンチル系架橋重合体を集電体に結着させた電極を作製した。集電体の塗布表面を目視観察したところ、ひび割れは認められなかった。なお、メタクリル酸アダマンチル系架橋重合体からなる塗膜について、マイクロメータを用いて膜厚を測定したところ150μmであった。
実施例2で得られたメタクリル酸アダマンチル系架橋重合体に代えて、実施例3で得られたメタクリル酸アダマンチル系架橋重合体を用いること以外は、実施例6と同様にして電極を作成したところ、集電体の塗布表面にひび割れは認められなかった。なお、実施例6と同様にして膜厚を測定したところ140μmであった。
実施例2で得られたメタクリル酸アダマンチル系架橋重合体に代えて、実施例4で得られたメタクリル酸アダマンチル系架橋重合体を用いること以外は、実施例6と同様にして電極を作成したところ、集電体の塗布表面にひび割れは認められなかった。なお、実施例6と同様にして膜厚を測定したところ145μmであった。
実施例2で得られたメタクリル酸アダマンチル系架橋重合体に代えて、実施例5で得られたメタクリル酸アダマンチル系架橋重合体を用いること以外は、実施例6と同様にして電極を作成したところ、集電体の塗布表面にひび割れは認められなかった。なお、実施例6と同様にして膜厚を測定したところ150μmであった。
Claims (7)
- (メタ)アクリル酸エステルが、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルおよび(メタ)アクリル酸ベヘニルよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の(メタ)アクリル酸アダマンチル系架橋重合体。
- (メタ)アクリル酸エステルの使用割合が、(メタ)アクリル酸ジアザアダマンチル化合物1モルに対して0〜0.25モルの割合である、請求項1または2に記載の(メタ)アクリル酸アダマンチル系架橋重合体。
- 架橋剤が、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレートおよび1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸アダマンチル系架橋重合体。
- 重合の方法が、懸濁重合法であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸アダマンチル系架橋重合体。
- 重合の方法が、乳化重合法であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸アダマンチル系架橋重合体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸アダマンチル系架橋重合体を用いた二次電池の電極。
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