JP2020117647A - 共重合体、及び共重合体の製造方法 - Google Patents

共重合体、及び共重合体の製造方法 Download PDF

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桃太郎 竹田
Momotaro Takeda
桃太郎 竹田
佐竹 庸一
Yoichi Satake
庸一 佐竹
岩崎 秀治
Hideji Iwasaki
秀治 岩崎
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Abstract

【課題】リチウム二次電池に備えられる電極に含ませた場合に、リチウム二次電池に好適な電極を製造することができる共重合体を提供することを目的とする。【解決手段】窒素含有複素環を有する(メタ)アクリル酸エステル繰り返し単位、2官能(メタ)アクリル酸エステル繰り返し単位、1官能(メタ)アクリル酸エステル繰り返し単位、及び(メタ)アクリル酸繰り返し単位を分子内に含有する共重合体である。【選択図】なし

Description

本発明は、共重合体、及び共重合体の製造方法に関する。
ノート型パソコンや携帯電話機等の携帯型電子機器、及び電気自動車等に用いられる二次電池には、エネルギー密度が高いこと、小型であること、大きな電流を流せること、容量が大きいこと、及びサイクル特性に優れること等の高性能化が求められている。このような要求を満たす電池として、リチウムイオンを荷電担体として、その電荷授受に伴う電気化学反応を利用したリチウム二次電池が注目されており、その利用及び開発が進められている。また、リチウム二次電池は、電極へのリチウムイオンの挿入及び脱離によって、充放電を行っている。より好適なリチウム二次電池を開発するためには、このようなリチウムイオンの挿入及び脱離による充放電をより好適に行える等の性能を有する電極が必要である。このため、これを実現するための材料が求められている。
また、重合体等の有機化合物として、多様な機能を有するものが開発され、例えば、上記のような、リチウム二次電池の電極に用いることができる材料も開発されている。
リチウム二次電池の電極に用いることができる材料としては、例えば、特許文献1に記載の材料が挙げられる。
特許文献1には、特定の(メタ)アクリル酸イミノ化合物と、(メタ)アクリル酸エステルとを架橋剤の存在下で重合した後、ニトロキシド化して得られる(メタ)アクリル酸系架橋共重合体が記載されている。特許文献1によれば、対溶媒安定性に優れ、それを塗布した集電体の塗布表面に乾燥によるひび割れが実質的に発生することがない(メタ)アクリル酸系架橋共重合体が得られる旨が開示されている。
特開2008−45096号公報
リチウム二次電池の電極に用いることができる材料が、上述したように、種々開発されている。また、リチウム二次電池は、上述したように、さらなる高性能化が求められており、リチウム二次電池に備えられる電極もさらなる高性能化が求められている。これらのことから、リチウム二次電池に備えられる電極のさらなる高性能化を実現できる材料が求められている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、リチウム二次電池に備えられる電極に含ませた場合に、リチウム二次電池に好適な電極を製造することができる共重合体、及び前記共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
本発明の一態様に係る共重合体は、下記式(1)で表される繰り返し単位、下記式(2)で表される繰り返し単位、下記式(3)で表される繰り返し単位、及び下記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有することを特徴とする。
式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。
式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、Zは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又は、−COC−基を示す。
式(3)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、nは、0〜18を示し、Rは、nが0のとき、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい複素環基を示し、nが1〜18のとき、水素原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基を示す。
式(4)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。
このような構成によれば、リチウム二次電池に備えられる電極に含ませた場合に、リチウム二次電池に好適な電極を製造することができる共重合体を提供することができる。すなわち、この共重合体を用いて電極を製造すると、リチウム二次電池の電極として、好適な電極が得られる。具体的には、この得られた電極をリチウム二次電池の電極として用いると、この共重合体が直流抵抗の低い電極活物質として働き、高速充放電が可能なリチウム二次電池を製造することができる。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、前記式(1)で表される繰り返し単位は、繰り返し単位内にN−オキシラジカルを有する。すなわち、前記共重合体は、このN−オキシラジカルを有する繰り返し単位を含有する。このように、前記共重合体は、粒子状で得られ、分子内にラジカルを有するので、電極活物質として作用すると考えられる。さらに、このラジカルは、第4級炭素が2つ結合されたN−オキシラジカルであるので、このN−オキシラジカルが酸化還元反応を起こしやすく、熱的、電気化学的に安定である。これらのことから、前記共重合体は、好適な電極活物質になると考えられる。
前記共重合体には、前記式(2)で表される繰り返し単位が、前記式(1)、(3)及び(4)で表される繰り返し単位と結合された状態で含有されるので、前記共重合体は、架橋されていることになる。このような架橋により、この共重合体は、溶媒への溶出防止性(耐溶出性)により優れていると考えられる。すなわち、この共重合体を用いて電極の状態にした場合であっても、その電極に接触する電解液に含まれる溶媒への、前記共重合体の溶出をより好適に抑制できると考えられる。
前記共重合体は、導電性を有しないため、電極を製造するときに、炭素材料等の導電材と混合して用いる。前記共重合体には、前記式(3)で表される繰り返し単位が含有されるので、前記式(3)で表される繰り返し単位のRが水素原子の場合は、前記式(3)で表される繰り返し単位のエステル部分の疎水性相互作用によって、導電材との親和性が高まると考えられる。また、前記式(3)で表される繰り返し単位のRが置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基の場合は、前記式(3)で表される繰り返し単位のエステル部分の疎水性相互作用だけではなく、π電子を介した相互作用によっても、導電材との親和性が高まると考えられる。これらのことから、前記共重合体には、前記式(3)で表される繰り返し単位が含有されるので、前記式(3)で表される繰り返し単位のエステル部分によって、導電材との親和性が高まり、N−オキシラジカルでの電子授受が促進されると考えられる。
一方で、本発明者の検討によれば、(メタ)アクリル酸エステルを含有させた共重合体、例えば、特許文献1に記載の共重合体を用いて得られた電極は、直流抵抗が高くなることを見出した。このことは、エステル基の導入により、共重合体間(例えば、粒子状の共重合間)や共重合体内部(例えば、粒子状の共重合内部)における、リチウムイオンや電子の伝導が妨げられるためと推察した。このような直流抵抗が高くなることが、前記共重合体にも、前記式(3)で表される繰り返し単位を含有することから、生じうると考えられる。しかしながら、前記共重合体には、前記式(4)で表される繰り返し単位を含有することによって、このような直流抵抗が高くなることを充分に抑制できると考えられる。このことは、前記式(4)で表される繰り返し単位は、親水性が高いため、これを含有する共重合体には、リチウムイオンの移動を媒介する電解液(リチウムイオンを含む電解液)を、比較的多量に含有させることができることによると考えられる。すなわち、前記式(4)で表される繰り返し単位が含有されることにより、リチウムイオンの伝導性が低下することを抑制できることによって、直流抵抗が高くなることを充分に抑制できると考えられる。
また、共重合体を用いて電極を製造する際、この共重合体を含む電極層を集電体上に形成するために、共重合体を、導電材や導電助剤等とともに、水又は高極性溶媒中に分散させて塗料化させる。本発明者の検討によれば、(メタ)アクリル酸エステルを含有させた共重合体、例えば、特許文献1に記載の共重合体を用いた場合、この得られた塗料の中に凝集物が確認される場合があった。このことは、エステル基が導入されることにより、エステル基を構成する疎水性のアルキル基も導入され、塗料化のために用いられた水又は高極性溶媒中における共重合体の分散性が低下したことによると推察した。塗料化した塗料(スラリー)中に凝集物が大きいと、得られた電極を用いて二次電池を製造する際に、加工性を低下させたり、前記電極を備える二次電池の耐久性を低下させたりする等の、不具合が発生する。しかしながら、前記共重合体には、前記式(3)で表される繰り返し単位を含有することから、炭素材料等の導電材との親和性が高まり、導電材の分散性が高まると考えられる。よって、前記共重合体と導電材との凝集による凝集物の発生が抑制されると考えられる。次に、前記共重合体には、前記式(4)で表される繰り返し単位を含有することから、親水性を高めることができ、水又は高極性溶媒中における前記共重合体の分散性を高めることができる。よって、前記共重合体同士の凝集による凝集物の発生も抑制されると考えられる。これらのことから、共重合体を用いて電極を製造する際、共重合体を含む塗料を作成しても、得られた塗料に凝集物が発生することを充分に抑制できると考えられる。
以上のことから、この共重合体は、リチウム二次電池に備えられる電極に含ませた場合に、リチウム二次電池に好適な電極を製造することができると考えられる。また、この共重合体からなる電極活物質は、リチウム二次電池に備えられる電極用の電極活物質として好適である。
また、前記共重合体において、前記式(1)で表される繰り返し単位の含有率が、前記共重合体に対して、90〜99質量%であることが好ましい。
このような構成によれば、リチウム二次電池により好適な電極を製造することができる共重合体を提供することができる。このことは、上述した、前記式(1)で表される繰り返し単位を有することによる効果を好適に発揮することができることによると考えられる。
また、前記共重合体において、前記式(4)で表される繰り返し単位の含有率が、前記共重合体に対して、0.1〜2質量%であることが好ましい。
このような構成によれば、リチウム二次電池により好適な電極を製造することができる共重合体を提供することができる。このことは、上述した、前記式(4)で表される繰り返し単位を有することによる効果を好適に発揮することができることによると考えられる。
また、本発明の他の一態様に係る共重合体の製造方法であって、下記式(5)で表される(メタ)アクリル酸イミノ化合物と下記式(6)で表される架橋剤と下記式(7)で表される(メタ)アクリル酸エステルと下記式(8)で表される(メタ)アクリル酸とを重合する第1工程と、前記第1工程で得られた重合体をニトロキシド化する第2工程とを備えることを特徴とする。
式(5)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。
式(6)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、Zは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又は、−COC−基を示す。
式(7)中、R10は、水素原子又はメチル基を示し、nは、0〜18を示し、R11は、nが0のとき、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい複素環基を示し、nが1〜18のとき、水素原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基を示す。
式(8)中、R12は、水素原子又はメチル基を示す。
このような構成によれば、リチウム二次電池に備えられる電極に含ませた場合に、リチウム二次電池に好適な電極になる共重合体を好適に製造することができる。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、前記第1工程において、前記式(5)で表される(メタ)アクリル酸イミノ化合物と前記式(6)で表される架橋剤と前記式(7)で表される(メタ)アクリル酸エステルと前記式(8)で表される(メタ)アクリル酸とを重合することによって、下記式(9)で表される繰り返し単位と前記式(2)で表される繰り返し単位と前記式(3)で表される繰り返し単位と前記式(4)で表される繰り返し単位とを分子内に含有する共重合体が得られる。
式(9)中、R13は、水素原子又はメチル基を示す。
前記第2工程において、この共重合体(前記第1工程で得られた重合体)をニトロキシド化することによって、この共重合体に含まれるイミノ基がニトロキシド化されて、前記式(9)で表される繰り返し単位の少なくとも一部が前記式(1)で表される繰り返し単位になる。このことから、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体が得られる。
この共重合体は、リチウム二次電池に備えられる電極に含ませた場合に、リチウム二次電池に好適な電極になる共重合体である。このことは、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有することから、それぞれの繰り返し単位を有することによる効果を、ともに発揮することができることによると考えられる。
また、前記共重合体の製造方法において、前記(メタ)アクリル酸エステルの含有量が、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物100モル部に対して、0.1〜5モル部であることが好ましい。また、前記(メタ)アクリル酸の含有量が、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物100モル部に対して、0.1〜5モル部であることが好ましい。
このような構成によれば、リチウム二次電池に備えられる電極に含ませた場合に、リチウム二次電池に好適な電極になる共重合体を好適に製造することができる。このことは、上述した、前記式(3)で表される繰り返し単位を有することによる効果及び前記式(4)で表される繰り返し単位を有することによる効果を好適に発揮することができることによると考えられる。
本発明によれば、リチウム二次電池に備えられる電極に含ませた場合に、リチウム二次電池に好適な電極を製造することができる共重合体を提供することができる。また、前記共重合体の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る共重合体を含む電極を備えるリチウム二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る共重合体を含む電極の構成の一例を示す概略断面図である。
本発明者の検討によれば、(メタ)アクリル酸エステルを含有させた共重合体、例えば、特許文献1に記載の共重合体を用いて得られた電極は、直流抵抗が高くなることを見出した。このことは、エステル基の導入により、共重合体間(例えば、粒子状の共重合間)や共重合体内部(例えば、粒子状の共重合内部)における、リチウムイオンや電子の伝導が妨げられるためと推察した。
また、共重合体を用いて電極を製造する際、この共重合体を含む電極層を集電体上に形成するために、共重合体を、導電材や導電助剤等とともに、水又は高極性溶媒中に分散させて塗料化させる。本発明者の検討によれば、(メタ)アクリル酸エステルを含有させた共重合体、例えば、特許文献1に記載の共重合体を用いた場合、この得られた塗料の中に凝集物が確認される場合があった。このことは、エステル基が導入されることにより、エステル基を構成する疎水性のアルキル基も導入され、塗料化のために用いられた水又は高極性溶媒中における共重合体の分散性が低下したことによると推察した。塗料化した塗料(スラリー)中に凝集物が含まれると、得られた電極を用いて二次電池を製造する際に、加工性を低下させたり、前記電極を備える二次電池の耐久性を低下させたりする等の、不具合が発生する。
本発明者等は、上記のことを種々検討した結果、リチウム二次電池に備えられる電極に含ませた場合に、リチウム二次電池に好適な電極を製造することができる共重合体を提供するといった上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明の一態様に係る共重合体は、下記式(1)で表される繰り返し単位、下記式(2)で表される繰り返し単位、下記式(3)で表される繰り返し単位、及び下記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する。
式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。
式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、Zは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又は、−COC−基を示す。
式(3)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、nは、0〜18を示し、Rは、nが0のとき、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい複素環基を示し、nが1〜18のとき、水素原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基を示す。
式(4)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。
前記共重合体を用いて電極を製造すると、リチウム二次電池に好適な電極を製造することができる。すなわち、この得られた電極は、前記共重合体を含む電極であり、リチウム二次電池の電極として用いると、この共重合体が直流抵抗の低い電極活物質として働き、高速充放電が可能なリチウム二次電池を製造することができる。より具体的には、高速充放電が可能な二次電池を製造することができる。また、前記共重合体を含む電極は、前記共重合体からなる電極活物質を含む電極である。
リチウム二次電池としては、例えば、図1に示すようなリチウム二次電池が挙げられる。なお、図1は、本実施形態に係る共重合体を含む電極を備えるリチウム二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。リチウム二次電池10は、図1に示したように、正極20と、負極30と、正極20と負極30との間に介在した電解質層40とを備えている。すなわち、正極20、電解質層40、及び負極30の順に積層される。そして、このリチウム二次電池10は、例えば、正極20と負極30とを、電力計50等を介して、電気的に接続することによって、放電することができる。電力計50は、この放電によって流れた電気の電圧や電流を測定することができる。そして、この正極20として、上述した前記共重合体を含む電極を用いることができる。
前記共重合体を含む電極は、リチウム二次電池用電極として好適に用いることができる。前記共重合体を含む電極は、例えば、図2に示すように、集電体22と、前記集電体22上に設けられた電極層21とを備え、前記電極層21に前記共重合体を含む電極20等が挙げられる。なお、図2は、本実施形態に係る共重合体を含む電極の構成の一例を示す概略断面図である。そして、この電極20は、前記電極層21が電解質層40側になるようにリチウム二次電池に備えることによって、好適なリチウム二次電池が得られる。具体的には、直流抵抗が低いリチウム二次電池が得られる。
以上のことから、この共重合体は、リチウム二次電池に好適な電極を製造することができる電極材料、具体的には、電極活物質として用いることができる。このことは、以下のことによると考えられる。
まず、前記式(1)で表される繰り返し単位は、繰り返し単位内にN−オキシラジカルを有する。すなわち、前記共重合体は、このN−オキシラジカルを有する繰り返し単位を含有する。このように、前記共重合体は、粒子状で得られ、分子内にラジカルを有するので、電極活物質として作用すると考えられる。さらに、このラジカルは、第4級炭素が2つ結合されたN−オキシラジカルであるので、このN−オキシラジカルが酸化還元反応を起こしやすく、熱的、電気化学的に安定である。これらのことから、前記共重合体は、好適な電極活物質になると考えられる。
前記共重合体には、前記式(2)で表される繰り返し単位が、前記式(1)、(3)及び(4)で表される繰り返し単位と結合された状態で含有されるので、前記共重合体は、架橋されていることになる。このような架橋により、この共重合体は、溶媒への溶出防止性(耐溶出性)により優れていると考えられる。すなわち、この共重合体を用いて電極の状態にした場合であっても、その電極に接触する電解液に含まれる溶媒への、前記共重合体の溶出をより好適に抑制できると考えられる。
前記共重合体には、前記式(3)で表される繰り返し単位が含有されるので、前記式(3)で表される繰り返し単位のエステル部分によって、電極を製造する際に用いられる導電材との親和性が高まり、N−オキシラジカルでの電子授受が促進されると考えられる。一方で、前記共重合体には、前記式(3)で表される繰り返し単位が含有されることによって、直流抵抗が高くなることが想定されるが、前記共重合体には、前記式(4)で表される繰り返し単位を含有することによって、直流抵抗が高くなることを充分に抑制できると考えられる。このことは、前記式(4)で表される繰り返し単位は、親水性が高いため、これを含有する共重合体には、リチウムイオンの移動を媒介する電解液(リチウムイオンを含む電解液)を、比較的多量に含有させることができることによると考えられる。すなわち、前記式(4)で表される繰り返し単位が含有されることにより、リチウムイオンの伝導性が低下することを抑制できることによって、直流抵抗が高くなることを充分に抑制できると考えられる。
また、前記共重合体には、前記式(3)で表される繰り返し単位を含有することから、炭素材料等の導電材との親和性が高まり、導電材の分散性が高まると考えられる。前記共重合体には、前記式(4)で表される繰り返し単位を含有することから、親水性を高めることができ、水又は高極性溶媒中における前記共重合体の分散性を高めることができる。これらのことから、前記共重合体と導電材との凝集による凝集物の発生も、前記共重合体同士の凝集による凝集物の発生も抑制できると考えられる。これらのことから、共重合体を用いて電極を製造する際、共重合体を含む塗料を作成しても、得られた塗料に凝集物が発生することを充分に抑制できると考えられる。
以上のことから、この共重合体は、リチウム二次電池に備えられる電極に含ませた場合に、リチウム二次電池に好適な電極を製造することができると考えられる。また、この共重合体からなる電極活物質は、リチウム二次電池に備えられる電極用の電極活物質として好適である。
前記共重合体は、リチウム二次電池に備えられる電極用の電極活物質として好適である。すなわち、前記電極活物質は、前記共重合体を含んでいればよく、前記共重合体のみからなることが好ましい。この共重合体からなる電極活物質は、リチウム二次電池に備えられる電極用の電極活物質として好適である。
前記共重合体は、上述したように、前記式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有すれば、特に限定されない。
前記式(1)で表わされる繰り返し単位は、前記式(1)で表わされ、Rが水素原子又はメチル基である繰り返し単位である。前記式(1)で表わされる繰り返し単位は、具体的には、下記式(9)で表わされる繰り返し単位、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルアクリレートや2,2,6,6−テトラメチル−4―ピペリジニルメタクリレートを重合して得られる繰り返し単位をニトロキシド化して得られる繰り返し単位等が挙げられる。また、前記式(1)で表わされる繰り返し単位を得る際、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルアクリレートと2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレートとを単独で用いてもよいし、両者を組み合わせて用いてもよい。
式(9)中、R13は、水素原子又はメチル基を示す。
前記式(2)で表わされる繰り返し単位は、前記式(2)で表わされ、R及びRが、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Zは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又は、−COC−基である繰り返し単位である。前記式(2)で表される繰り返し単位は、具体的には、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、及び1,4−ブタンジオールジメタクリレートを重合して得られる繰り返し単位等が挙げられる。また、前記式(2)で表わされる繰り返し単位を得る際、上記例示化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記式(3)で表される繰り返し単位は、前記式(3)で表され、Rは、水素原子又はメチル基であり、nは、0〜18であり、Rは、nが0のとき、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい複素環基であり、nが1〜18のとき、水素原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基である繰り返し単位である。前記式(3)中のC2nは、nが1〜18のアルカンジイル基であり、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。なお、前記式(3)中のC2nは、nが0であってもよい。Rは、具体的には、フェニル基、フラニル基、チエニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基等が挙げられる。また、前記式(3)で表わされる繰り返し単位は、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸チエニルメチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アタクリル酸ステアリル、及び(メタ)アタクリル酸ラウリルを重合して得られる繰り返し単位等が挙げられる。また、前記式(3)で表わされる繰り返し単位を得る際、上記例示化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記式(4)で表される繰り返し単位は、Rが水素原子又はメチル基である繰り返し単位である。前記式(4)で表される繰り返し単位は、具体的には、アクリル酸、及びメタクリル酸を重合して得られる繰り返し単位等が挙げられる。また、前記式(4)で表わされる繰り返し単位を得る際、アクリル酸とメタクリル酸とを単独で用いてもよいし、両者を組み合わせて用いてもよい。
前記共重合体は、前記式(1)で表される繰り返し単位の含有率[(1)の含有率]が、前記共重合体に対して、90〜99質量%であることが好ましく、95〜99質量%であることがより好ましく、97〜99質量%であることがさらに好ましい。前記(1)の含有率が少なすぎると、前記式(1)で表される繰り返し単位による効果を充分に発揮することができない傾向がある。前記(1)の含有率が多すぎると、他の繰り返し単位の含有量が少なくなりすぎ、前記式(2)〜(4)で表される繰り返し単位による効果を充分に発揮することができない傾向がある。よって、前記(1)の含有率が上記範囲内であると、前記式(1)で表される繰り返し単位を有することによる効果だけではなく、前記式(2)〜(4)で表される繰り返し単位を有することによる効果もより好適に発揮できると考えられる。具体的には、直流抵抗がより低い電極を製造することができる共重合体が得られる。
前記共重合体は、前記式(4)で表される繰り返し単位の含有率[(4)の含有率]が、前記共重合体に対して、0.1〜2質量%であることが好ましく、0.2〜1質量%であることがより好ましく、0.3〜0.5質量%であることがさらに好ましい。前記(4)の含有率が少なすぎると、前記式(4)で表される繰り返し単位による効果を充分に発揮することができない傾向がある。前記(4)の含有率が多すぎると、他の繰り返し単位の含有量が少なくなりすぎ、前記式(1)〜(3)で表される繰り返し単位による効果を充分に発揮することができない傾向がある。よって、前記(4)の含有率が上記範囲内であると、前記式(4)で表される繰り返し単位を有することによる効果だけではなく、前記式(1)〜(3)で表される繰り返し単位を有することによる効果もより好適に発揮できると考えられる。具体的には、直流抵抗がより低い電極を製造することができる共重合体が得られる。
なお、ここでの(1)の含有率の測定方法としては、例えば、酸化還元反応に基づく化学滴定法(酸化還元滴定法)等を用いて、ニトロキシド遊離基を定量する方法、及び電子スピン共鳴(ESR法)を用いて反応生成物中のスピン濃度を定量する方法等により算出する方法等が挙げられる。
また、ここでの(4)の含有率の測定方法としては、中和反応に従う化学滴定法等が挙げられる。例えば、適当な溶媒で膨潤させた後、水酸化カリウム溶液で滴定することにより定量できる。
前記共重合体は、前記式(1)〜(4)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位(他の繰り返し単位)を分子内に含有するものであってもよい。前記共重合体は、前記他の繰り返し単位として、例えば、前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有していてもよい。
前記式(9)で表わされる繰り返し単位は、前記式(9)で表わされ、R13が水素原子又はメチル基である繰り返し単位である。前記式(9)で表わされる繰り返し単位は、具体的には、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルアクリレートや2,2,6,6−テトラメチル−4―ピペリジニルメタクリレートを重合して得られる繰り返し単位等が挙げられる。また、前記式(9)で表わされる繰り返し単位は、より具体的には、前記式(1)で表される繰り返し単位を得る際のニトロキシド化を行っても、ニトロキシド化されなかった繰り返し単位等が挙げられる。また、前記式(9)で表わされる繰り返し単位を得る際、前記式(1)で表わされる繰り返し単位の場合と同様、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルアクリレートと2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレートとを単独で用いてもよいし、両者を組み合わせて用いてもよい。
前記共重合体は、前記式(9)で表される繰り返し単位を含む場合、前記式(9)で表される繰り返し単位の含有率[(9)の含有率]が、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。前記(9)の含有率が高すぎると、前記式(1)で表される繰り返し単位が低くなりすぎ、前記式(1)で表される繰り返し単位による効果を充分に発揮することができない傾向がある。また、前記(9)の含有率は低いほうが好ましいが、前記式(9)で表される繰り返し単位をニトロキシド化して、全てを前記式(1)で表される繰り返し単位にすることは困難であるので、実際には、前記式(9)で表される繰り返し単位が0.1質量%程度は含有される。このことから、前記(9)の含有率は、少なければ少ないほど好ましいが、実際には、前記(9)の含有率の下限値の好適範囲は、0.1質量%以上となる。よって、前記(9)の含有率が上記範囲内であると、前記式(1)で表される繰り返し単位を有することによる効果をより好適に発揮できると考えられる。具体的には、直流抵抗がより低い電極を製造することができる共重合体が得られる。
なお、ここでの(9)の含有率の測定方法としては、例えば、酸−塩基反応に基づく化学滴定法(中和滴定法)を用いて、ニトロキシド遊離基を定量する方法、及び赤外分光(IR)法等を用いて反応生成物に残留するイミノ基を定量する方法等により算出する方法等が挙げられる。
前記共重合体は、粒子状であることが好ましい。また、この粒子状の共重合体(重合体粒子)は、平均一次粒子径(一次粒子の平均粒子径)が、0.01μm以上であることが好ましく、0.02μm以上であることがより好ましく、0.05μm以上であることがさらに好ましく、0.1μm以上であることが特に好ましい。また、50μm以下であることが好ましく、45μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましく、20μm以下であることがよりさらに好ましく、10μm以下であることが特に好ましく、5μm以下であることが最も好ましい。この共重合体は、一次粒子が小さいほど、好適な電極活物質になると考えられる。また、前記共重合体の一次粒子が大きすぎると、電極活物質として好適に働きにくくなる傾向がある。これは、重合体粒子が導電材との接点が少なく、集電性が低下するためと考えられる。一方で、重合体粒子を小さくするにも限界がある。これは、重合体粒子の一次粒子を小さくしすぎると、製造時において回収等の精製操作が煩雑化すること等によると考えられる。このため、前記重合体粒子の一次粒子径は、平均粒子径で0.01μm程度であることが限界である。よって、前記重合体粒子の平均一次粒子径は、上記の範囲である。このような大きさの重合体粒子であれば、好適な電極活物質になると考えられ、リチウム二次電池に好適な電極を製造することができる重合体粒子が得られる。具体的には、高出力のリチウム二次電池を製造可能な電極を製造することができる重合体粒子が得られる。
なお、ここでの平均一次粒子径は、例えば、一次粒子の体積基準の平均粒子径(MV:Mean Volume Diameter)等が挙げられる。具体的には、一般的なレーザー回折・散乱法、又は電子顕微鏡像の画像解析法等により測定された粒度分布から求められる体積平均粒子径(MV)等が挙げられる。
前記共重合体を用いて電極を製造する際、この共重合体を含ませた電極材料を用いる。この電極材料には、前記共重合体を含んでいればよく、他の成分を含んでいてもよい。これらの他の成分としては、例えば、補助導電材及びイオン伝導補助材等が挙げられる。前記補助導電材としては、例えば、炭素質微粒子及び導電性高分子等が挙げられる。前記炭素質微粒子としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、及びアセチレンブラック等の微粒子等が挙げられる。また、前記導電性高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、及びポリアセン等が挙げられる。また、前記イオン伝導補助材としては、例えば、高分子ゲル電解質及び高分子固体電解質等が挙げられる。
前記共重合体の製造方法は、前記共重合体を製造することができれば、特に限定されない。前記共重合体の製造方法としては、具体的には、下記式(5)で表される(メタ)アクリル酸イミノ化合物と下記式(6)で表される架橋剤と下記式(7)で表される(メタ)アクリル酸エステルと下記式(8)で表される(メタ)アクリル酸とを重合する第1工程(重合工程)と、前記第1工程で得られた重合体をニトロキシド化する第2工程(ニトロキシド化工程)とを備える製造方法等が挙げられる。なお、ここでの(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を示す。
式(5)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。
式(6)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、Zは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又は、−COC−基を示す。
式(7)中、R10は、水素原子又はメチル基を示し、nは、0〜18を示し、R11は、nが0のとき、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい複素環基を示し、nが1〜18のとき、水素原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基を示す。
式(8)中、R12は、水素原子又はメチル基を示す。
上記のような製造方法によれば、まず、前記第1工程において、前記式(5)で表される(メタ)アクリル酸イミノ化合物と前記式(6)で表される架橋剤と前記式(7)で表される(メタ)アクリル酸エステルと前記式(8)で表される(メタ)アクリル酸とを重合することによって、前記式(9)で表される繰り返し単位と前記式(2)で表される繰り返し単位と前記式(3)で表される繰り返し単位と前記式(4)で表される繰り返し単位とを分子内に含有する共重合体が得られる。前記第2工程において、この共重合体(前記第1工程で得られた重合体)をニトロキシド化することによって、この共重合体に含まれるイミノ基がニトロキシド化されて、前記式(9)で表される繰り返し単位の少なくとも一部が前記式(1)で表される繰り返し単位になる。このことから、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体が得られる。よって、前記製造方法は、リチウム二次電池に備えられる電極に含ませた場合に、リチウム二次電池に好適な電極になる共重合体を好適に製造することができる。
前記式(5)で表される(メタ)アクリル酸イミノ化合物としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルアクリレート、及び2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレート等が挙げられる。前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物としては、これらを単独で用いてもよいし、2種を組み合わせて用いてもよい。
前記式(6)で表される架橋剤は、前記式(6)で表わされ、R及びRが、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、Zは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又は、−COC−基である。前記式(6)で表される繰り返し単位は、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、及び1,4−ブタンジオールジメタクリレート等が挙げられる。前記架橋剤は、上記例示した化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記式(7)で表される(メタ)アクリル酸エステルは、前記式(7)で表され、R10は、水素原子又はメチル基であり、nは、0〜18であり、R11は、nが0のとき、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい複素環基であり、nが1〜18のとき、水素原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基である。前記式(7)中のC2nは、nが1〜18のアルカンジイル基であり、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。なお、前記式(7)中のC2nは、nが0であってもよい。R11は、具体的には、フェニル基、フラニル基、チエニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基等が挙げられる。また、前記式(7)で表される前記(メタ)アクリル酸エステルは、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸チエニルメチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アタクリル酸ステアリル、及び(メタ)アタクリル酸ラウリル等が挙げられる。前記(メタ)アクリル酸エステルは、上記例示した化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記式(8)で表される(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸である。また、前記(メタ)アクリル酸としては、これらを単独で用いてもよいし、2種を組み合わせて用いてもよい。
前記式(5)で表される(メタ)アクリル酸イミノ化合物と前記式(6)で表される架橋剤と前記式(7)で表される(メタ)アクリル酸エステルと前記式(8)で表される(メタ)アクリル酸とを重合する方法(前記第1工程における重合の方法)としては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、及び分散重合法により重合する方法等が挙げられる。また、前記第1工程における重合の方法としては、懸濁重合法又は乳化重合法が好ましい。そうすることによって、上述した、粒子状の共重合体を好適に製造することができる。よって、リチウム二次電池により好適な電極を製造することができる粒子状の共重合体を製造することができる。
前記(メタ)アクリル酸エステルの含有量(配合量)が、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物100モル部に対して、0.1〜5モル部であることが好ましく、0.3〜3モル部であることがより好ましく、0.5〜2モル部であることがさらに好ましい。前記(メタ)アクリル酸エステルの含有量(配合量)が上記範囲内であると、リチウム二次電池により好適な電極を製造することができる共重合体を製造することができる。このことは、前記(メタ)アクリル酸エステルは、重合後、前記式(3)で表される繰り返し単位になることから、前記式(3)で表される繰り返し単位を有することによる効果をより好適に発揮することができることによると考えられる。
前記(メタ)アクリル酸の含有量(配合量)が、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物100モル部に対して、0.1〜5モル部であることが好ましく、0.3〜3モル部であることがより好ましく、0.5〜2モル部であることがさらに好ましい。前記(メタ)アクリル酸の含有量(配合量)が上記範囲内であると、リチウム二次電池により好適な電極を製造することができる共重合体を製造することができる。このことは、前記(メタ)アクリル酸は、重合後、前記式(4)で表される繰り返し単位になることから、前記式(4)で表される繰り返し単位を有することによる効果をより好適に発揮することができることによると考えられる。
前記懸濁重合法としては、例えば、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、及び冷却管を備えた反応器を用いて、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物、前記架橋剤、前記(メタ)アクリル酸エステル、前記(メタ)アクリル酸、及び油溶性ラジカル重合開始剤を、不活性炭化水素系溶媒に、それぞれ所定量混合したものと、界面活性剤とを、反応不活性である水に混合して分散させた後、窒素ガスにより脱酸素し、攪拌下で加熱する方法が挙げられる。
前記油溶性ラジカル重合開始剤としては、特に限定されない。前記油溶性ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤、及びレドックス系重合開始剤等が挙げられる。前記過酸化物系重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化−tert−ブチル、ジイソプロピルペルオキシジカルボナート、及びジシクロヘキシルペルオキシジカルボナート等が挙げられる。また、前記アゾ系重合開始剤としては、例えば、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、及びジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。また、前記レドックス系重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル/ジメチルアニリン、過酸化ジ−tert−ブチル/ジメチルアニリン、ラウロイルパーオキシド/ジメチルアニリン等が挙げられる。前記油溶性ラジカル重合開始剤としては、これらの中でも、安価であり取扱いが簡便なα,α’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤が好適に用いられる。
前記油溶性ラジカル重合開始剤の使用量は、使用する油溶性ラジカル重合開始剤の種類や反応温度により異なるが、通常、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物100質量部に対して0.005〜5質量部であることが好ましい。
前記不活性炭化水素系溶媒としては、特に限定されない。前記不活性炭化水素系溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素系溶媒、非環式飽和炭化水素系溶媒、環式飽和炭化水素系溶媒、及びハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。前記芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等が挙げられる。また、前記非環式飽和炭化水素系溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、リグロイン等が挙げられる。また、前記環式飽和炭化水素系溶媒としては、例えば、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、及びメチルシクロヘキサン等が挙げられる。また、前記ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、及びジクロロエタン等が挙げられる。前記不活性炭化水素系溶媒としては、この中でも、工業的に入手が容易で、安価であり、得られる重合反応生成物の品質が安定する観点から、芳香族炭化水素系溶媒、及び非環式飽和炭化水素系溶媒が好ましく、中でも、トルエン、及びn−ヘキサンが好適に用いられる。また、前記不活性炭化水素系溶媒は、例示した溶媒を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記不活性炭化水素系溶媒の使用量は、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物を充分に溶解させて重合反応を円滑に進行させる観点及び使用量に見合うだけの効果を得る観点から、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物100質量部に対して、50〜300質量部であることが好ましく、100〜200質量部であることがより好ましい。
前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤のいずれであっても用いることができる。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸アンモニウム、脂肪族カリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸アンモニウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸アンモニウム、アルキルリン酸ナトリウム、アシロイルメチルタウレート、N−メチル−N−アシルアミドプロピオン酸ナトリウム、モノアルキルビフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ナフタリンスルホン酸ナトリウム−ホルマリン縮合物、アシルグルタミン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルメチルカルボン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルエタンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、例えば、モノアルキルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、カチオン化セルロース、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、及びアルキルピリジニウムクロライド等が挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル、ポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル、ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、アルキルジメチルアミンオキシド、脂肪酸アルキロールアミド、ω−メトキシポリオキシエチレン−α−アルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアセチレングリコール、シュガー脂肪酸部分エステル、ポリビニルアルコール、及び部分ケン化ポリビニルアルコール等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、N−アシルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニオベタイン、N−アシルアミドプロピル−N’,N’−ジメチル−N’−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン、N−アシルアミドエチル−N’−ヒドロキシエチル−N’−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N−アルキル−N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、アルキルジアミノエチルグリシン、及びアシル化ポリペプタイド等が挙げられる。
前記界面活性剤としては、上記界面活性剤の中でも、工業的に入手が容易で、安価であり、得られる重合反応生成物の品質が安定する観点から、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、及び部分ケン化ポリビニルアルコールが好適に用いられる。また、前記アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの中でも、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましく、前記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの中でも、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
前記界面活性剤の使用量は、反応を円滑に進行させる観点、及び使用量に見合うだけの効果を得る観点から、添加する水100質量部に対して0.05〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。
前記水の使用量は、重合熱を十分除去できる観点、及び重合温度を制御しやすくする観点から、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物100質量部に対して、200〜3000質量部であることが好ましく、300〜2000質量部であることがより好ましい。
前記懸濁重合法における反応条件は、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物と、前記(メタ)アクリル酸とを重合することができれば、特に限定されない。具体的には、反応温度としては、30〜100℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。反応時間は、前記反応温度等により異なるため一概には言えないが、通常、0.5〜10時間であることが好ましい。
前記懸濁重合法により得られた重合反応生成物は、反応溶媒中に粒子状態で存在するため、この反応液をろ過することにより単離することができる。さらに、水、メタノール、及びヘキサン等を用いて、未反応物等を除去、洗浄し、乾燥することにより精製することができる。このようにして、ニトロキシド化する前の共重合体が粒子状で得られる。この粒子状の共重合体は、前記式(2)〜(4)及び前記式(9)で表される繰り返し単位を含有する共重合体である。
前記乳化重合法としては、一般的な乳化重合法等が挙げられる。前記乳化重合法としては、例えば、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、及び冷却管を備えた反応器を用いて、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物、前記架橋剤、前記(メタ)アクリル酸エステル、前記(メタ)アクリル酸、及び前記界面活性剤を、不活性溶媒である水に、それぞれ所定量混合して分散させた後、窒素ガスにより脱酸素し、水溶性ラジカル重合開始剤を添加して、攪拌下で加熱する方法が挙げられる。前記方法において、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物、前記架橋剤、前記(メタ)アクリル酸エステル、及び前記(メタ)アクリル酸を予め混合したもの(必要に応じて、不活性炭化水素系溶媒、又はメタノール等の親水性溶剤をさらに混合したもの)を、前記界面活性剤及び前記水溶性ラジカル重合開始剤を含有する水に添加して、攪拌下で加熱してもよい。このように、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物、前記架橋剤、前記(メタ)アクリル酸エステル、及び前記(メタ)アクリル酸を含む溶液を、界面活性剤と重合開始剤とを含む水溶液に添加することによって、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物、前記架橋剤、前記(メタ)アクリル酸エステル、及び前記(メタ)アクリル酸を好適に重合でき、前記式(2)〜(4)及び前記式(9)で表される繰り返し単位を含有する共重合体をより好適に製造することができる。
前記水溶性ラジカル重合開始剤としては、特に限定されない。前記水溶性ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化物系重合開始剤、及びレドックス系重合開始剤等が挙げられる。前記過酸化物系重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、及び過硫酸カリウム等が挙げられる。また、前記レドックス系重合開始剤としては、例えば、硫酸第一鉄アンモニウム/過硫酸アンモニウム、及びエタノールアミン/過硫酸カリウム等の等が挙げられる。前記水溶性ラジカル重合開始剤としては、これらの中でも、安価であり取扱いが簡便な過硫酸カリウム等の過酸化物系重合開始剤が好適に用いられる。また、前記水溶性ラジカル重合開始剤は、例示した開始剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
乳化重合法における、界面活性剤の種類や使用量、重合開始剤の使用量、不活性溶媒としての水の使用量、反応温度、及び反応時間は、前記懸濁重合法におけるそれらと同様のものを適用することができる。
前記乳化重合法は、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物、前記架橋剤、前記(メタ)アクリル酸エステル、前記(メタ)アクリル酸を溶解するために、懸濁重合法で用いるものと同様の不活性炭化水素系溶媒、又はメタノール等の親水性溶剤を適宜加えてもよく、さらに、必要に応じて、イソプロピルアルコール等の連鎖移動剤や重合停止剤等の添加剤を適宜加えてもよい。
前記乳化重合法により得られた重合反応生成物は、例えば、反応液を大量の冷水と混合し、当該重合反応生成物を沈澱させた後、ろ過する等して単離することができる。さらに、水、ヘキサン、及びメタノール等を用いて、未反応物等を除去、洗浄した後、乾燥することにより精製することができる。このようにして、ニトロキシド化する前の共重合体が粒子状で得られる。この粒子状の共重合体は、前記式(2)〜(4)及び前記式(9)で表される繰り返し単位を含有する共重合体である。
前記分散重合法としては、一般的な分散重合法等が挙げられる。前記分散重合法としては、例えば、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、及び冷却管を備えた反応器を用いて、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物、前記架橋剤、前記(メタ)アクリル酸エステル、前記(メタ)アクリル酸、及び分散媒を、不活性溶媒に混合して分散させた後、窒素ガスにより脱酸素し、ラジカル重合開始剤を添加して、攪拌下で加熱する方法が挙げられる。
前記分散重合法に用いられるラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、前記懸濁重合法や前記乳化重合法に用いることができるものを用いることができる。
前記分散重合法における、重合開始剤の使用量、反応温度、及び反応時間は、前記懸濁重合法におけるそれらと同様のものを適用することができる。
前記分散重合法に用いられる不活性溶媒としては、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物、前記架橋剤、前記(メタ)アクリル酸エステル、前記(メタ)アクリル酸、及び分散媒を充分に溶解させることができるものであれば、特に限定されない。前記不活性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ヘキサン、n−ヘプタン、リグロイン等の非環式飽和炭化水素系溶媒;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環式飽和炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類;水等が挙げられる。前記不活性溶媒としては、前記例示した溶媒の中でも、工業的に入手が容易で、安価であり、(メタ)アクリル酸イミノ化合物の溶解性が高い等の観点から、アルコール類が好ましく、メタノールがさらに好ましい。また、前記不活性溶媒は、上記例示した溶媒を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記分散重合法に用いられる分散媒としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブタジエン、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリイソブチレン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチルビニルエーテル)、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、及びポリビニルブチラール等が挙げられる。前記分散剤としては、前記例示した化合物の中でも、工業的に入手が容易で、安価であり、重合反応生成物からの洗浄除去の容易性の観点から、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、及び部分ケン化ポリビニルアルコールが好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましい。また、前記分散媒は、上記例示した分散媒を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記分散重合法に用いられる分散媒の使用量は、重合反応生成物の微粒子を反応溶媒中に分散させることができればよく、特に限定されない。また、前記分散媒の使用量は、例えば、重合反応生成物の微粒子を反応溶媒中に分散させる観点および使用量に見合うだけの効果を得る観点から、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、5〜40質量部であることがより好ましい。
前記分散重合法により得られた重合反応生成物は、例えば、反応液を大量の冷水と混合し、当該重合反応生成物を沈澱させた後、ろ過する等して単離することができる。さらに、水、ヘキサン、メタノール等を用いて、未反応物等を除去、洗浄した後、乾燥することにより精製することができる。
前記第2工程は、前記式(9)で表される繰り返し単位をニトロキシド化して、前記式(1)で表される繰り返し単位にすることができれば、特に限定されない。前記第2工程におけるニトロキシド化としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン、及び2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル(メタ)アクリレート等をニトロキシド化させることができる公知の方法等が挙げられる。前記ニトロキシド化としては、例えば、立体障害を有する第2級アミンを、酸化剤を用いて酸化することにより、対応するニトロキシド遊離基(ニトロキシドラジカル基)を有する化合物を製造する公知の方法等を挙げることができる。前記ニトロキシド化としては、例えば、前記式(9)で表される繰り返し単位を含有する共重合体と不活性溶媒とを混合した後、攪拌下、酸化剤を添加しながら反応させる方法等が挙げられる。このような方法により、前記式(9)で表される繰り返し単位を含有する共重合体(ニトロキシド化前の共重合体)を、前記式(1)で表される繰り返し単位を含有する共重合体(ニトロキシド化後の共重合体)にすることができる。
前記不活性溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類、脂肪族ニトリル類、芳香族ニトリル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、及び水等が挙げられる。前記ハロゲン化炭化水素類としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、及びジクロロエタン等が挙げられる。また、前記脂肪族ニトリル類としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、及びブチロニトリル等が挙げられる。また、前記芳香族ニトリル類としては、例えば、ベンゾニトリル、及びトルニトリル等が挙げられる。また、前記アルコール類は、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等が挙げられる。また、前記芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、及びキシレン等が挙げられる。前記不活性溶媒としては、これらの中でも、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、及びメタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類が好適に用いられる。また、前記不活性溶媒は、例示した溶媒を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、前記ニトロキシド化反応において、前記ニトロキシド化前の共重合体は、必ずしも不活性溶媒に溶解させる必要はなく、例えば膨潤した状態であっても、前記ニトロキシド化反応は容易に進行する。
前記不活性溶媒の使用量は、反応を円滑に進行させる観点、及び使用量に見合うだけの効果を得る観点から、前記ニトロキシド化前の共重合体100質量部に対して、50〜5000質量部であることが好ましく、100〜3000質量部であることがより好ましい。
前記酸化剤としては、前記ニトロキシド化することができる酸化剤であれば、特に限定されない。前記酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、及び過フタル酸等の過酸化物やこれらのハロゲン化物、並びに空気等が挙げられる。
酸化剤の使用割合は、反応を円滑に進行させる観点、及び使用量に見合うだけの効果を得る観点から、前記ニトロキシド化前の共重合体の製造に用いた(メタ)アクリル酸イミノ化合物1モルに対して1〜100モルであることが好ましく、1.5〜50モルであることがより好ましく、2〜30モルであることがさらに好ましい。
前記ニトロキシド化工程は、その反応において、必要に応じて触媒を使用することができる。前記触媒としては、特に限定されず、通常のニトロキシド化反応に使用されている触媒を用いることができる。前記触媒としては、タングステンおよびモリブデン等の18族型元素周期律表第6族から選ばれる金属元素を含む化合物が挙げられる。より具体的には、タングステン化合物及びモリブデン化合物等が挙げられる。前記タングステン化合物としては、例えば、タングステン酸、リンタングステン酸、パラタングステン酸、これらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)やアンモニウム塩、酸化タングステン、及びタングステンカルボニル等が挙げられる。また、前記モリブデン化合物としては、例えば、モリブデン酸、リンモリブデン酸、パラモリブデン酸、及びこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)やアンモニウム塩等が挙げられる。前記触媒としては、これらの中でも、具体的には、パラタングステン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、リンタングステン酸、モリブデン酸ナトリウム、三酸化モリブデン、及びモリブデンヘキサカルボニル等が好ましく用いられる。
前記触媒の使用量は、反応を円滑に進行させる観点、及び使用量に見合うだけの効果を得る観点から、前記ニトロキシド化前の共重合体100質量部に対して、0.001〜20質量部であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましい。
前記第2工程におけるニトロキシド化は、その操作として、容易に収率よく反応できることから、まず、前記ニトロキシド化前の共重合体、前記不活性溶媒、及び必要に応じて前記触媒を混合した後、前記酸化剤を添加しながら反応させるのが好ましい。また、このニトロキシド化は、前記触媒を溶解させるために水等を加えてもよく、さらに必要に応じて、第四級アンモニウム塩やホスホニウム塩等の相間移動触媒を適宜加えてもよい。前記相間移動触媒としては、具体的には、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、フェニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムクロリド、及びトリブチルドデシルホスホニウムブロミド等が挙げられる。
前記ニトロキシド化の反応条件は、ニトロキシド化が起こる条件であれば、特に限定されない。具体的には、反応温度としては、0〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。また、前記酸化剤を添加しながら反応させる時間は、特に制限はないが、通常、1〜10時間であり、3〜6時間であることが好ましい。さらに、通常、前記酸化剤の添加終了後、前記温度を保持して反応を完結させる。前記酸化剤の添加終了後、前記温度を保持して反応を完結させる時間は、2〜24時間が好ましく、4〜16時間がより好ましい。
前記反応により得られたニトロキシド化後の共重合体は、ろ過や乾燥等を組み合わせて、前記反応液から単離することができる。前記反応生成物は、例えば、反応液を大量の冷水と混合し、当該重合反応生成物を沈澱させた後、ろ過する等して単離することができる。さらに、水、ヘキサン、メタノール等を用いて、未反応物等を除去、洗浄した後、乾燥することにより精製することができる。
上記のような共重合体の製造方法によれば、リチウム二次電池に好適な電極を製造することができる共重合体を好適に製造することができる。具体的には、このような製造方法によれば、本発明の実施形態に係る共重合体を製造することができる。すなわち、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体を製造することができる。
本実施形態に係る共重合体は、上述したように、リチウム二次電池用電極の製造に用いることが好ましい。すなわち、本発明の他の実施形態に係るリチウム二次電池用電極は、集電体と、前記集電体上に設けられた電極層とを備え、前記電極層が、前記共重合体を含む。具体的には、図2に示す電極20において、前記電極層21が、前記共重合体を含む電極等が挙げられる。また、前記電極層21は、前記共重合体を含んでいればよく、他の成分を含んでいてもよい。また、前記電極層21は、前記共重合体からなる層であってもよい。
前記集電体としては、集電体として用いられるものであれば特に限定されない。前記集電体としては、例えば、金属箔、金属平板、金属メッシュ、及び炭素棒等が挙げられる。また、金属箔、金属平板、及び金属メッシュは、ニッケル、アルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、及びステンレス等を含むものが挙げられる。
前記電極の製造方法としては、前記電極を製造することができれば、特に限定されない。前記電極の製造方法としては、例えば、前記共重合体を塗料化する塗料化工程と、前記塗料を集電体に塗布する塗布工程とを備える方法等が挙げられる。
前記塗料化工程及び前記塗布工程は、特に限定されず、公知の方法や装置を用いて行うことができる。
前記塗料化工程としては、例えば、前記共重合体にバインダを混合した後、溶媒を加えてスラリー状にする方法等が挙げられる。前記バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、及び各種ポリウレタン等の樹脂バインダが挙げられる。また、前記溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド、及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。
また、前記塗布工程としては、例えば、前記塗料化工程により得られた塗料(スラリー)を集電体の表面に塗布する工程である。具体的には、前記塗料化工程により得られた塗料(スラリー)を集電体の表面に滴下し、ワイヤーバーで全体が均一な厚さとなるように展開させた後、乾燥させて溶媒を除去する方法等が挙げられる。
前記塗布工程により得られる塗膜の膜厚は、10〜1000μmであることが好ましく、50〜300μmであることがより好ましい。
このような電極は、リチウム二次電池により好適な電極である。すなわち、前記共重合体を含む電極層を備えることによって、リチウム二次電池により好適な電極が得られる。具体的には、前記電極を用いることによって、直流抵抗の低いリチウム二次電池が得られる。
また、本実施形態に係る電極は、上述したように、リチウム二次電池用電極として用いることが好ましい。すなわち、本発明の他の実施形態に係るリチウム二次電池は、前記電極を備える。具体的には、図1に示すリチウム二次電池10において、前記正極20として、前記電極を備えた電池等が挙げられる。このようなリチウム二次電池は、より好適なリチウム二次電池である。具体的には、直流抵抗の低いリチウム二次電池が得られる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(第1工程:重合工程)
まず、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物と、前記架橋剤と、前記(メタ)アクリル酸エステルと、前記(メタ)アクリル酸とを重合する第1工程(重合工程)を行った。具体的には、内容積200mLの三角フラスコに、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルメタクリレート22.50g(100ミリモル)、エチレングリコールジメチルメタクリレート0.198g(1.0ミリモル)、メタクリル酸メチル0.501g(5.0ミリモル)、メタクリル酸0.086g(1.0ミリモル)、重合開始剤としてのα,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.16g(1.0ミリモル)、及びトルエン30mLを仕込み、混合して均一溶液を得た。
次に、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却管を備えた500mL容の4つ口フラスコに、水200mL、及び界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5gを仕込み、混合し、この溶液を25℃に保ちながら、攪拌下、前記均一溶液を加えて分散させた。引き続き、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、攪拌下、60℃にて6時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ろ過した後、水500mL、次いでヘキサン500mLでそれぞれ洗浄し、減圧乾燥して白色粉体22.9g(収率98%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、前記式(4)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(架橋ポリメタクリル酸系イミノ共重合体)であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ5.07、4.08、3.62、2.05−1.70、1.44−0.68が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位及び前記式(3)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程:ニトロキシド化工程)
次に、前記重合工程により得られた共重合体のイミノ基をニトロキシド化させる第2工程(ニトロキシド化工程)を行った。具体的には、前記重合工程で得られた白色粉体(重合反応生成物)10g、触媒としてタングステン酸ナトリウム二水和物0.73g(2.2ミリモル)、及びメタノール300mLを、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却管、及び滴下ロートを備えた500mL容の4つ口フラスコに仕込み、30℃に保ちながら窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した後、30%の過酸化水素水50.40(445ミリモル)を3時間かけて滴下した。引き続き8時間30℃に保持した後、反応液をろ過し、メタノール500mL、次いで水500mLでそれぞれ洗浄し、減圧乾燥して赤色粉体9.9gを得た。この赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(架橋ポリメタクリル酸系ニトロキシド共重合体)であった。
(化学滴定法による前記(1)の含有率の測定)
酸化還元反応に基づく化学滴定法(酸化還元滴定法)によって、前記共重合体における前記式(1)で表される繰り返し単位の含有量を測定し、得られた含有量から、前記(1)の含有率を算出した。具体的には、試料(共重合体)100mgを量り取り、クロロホルム及び酢酸で膨潤させた後、0.2Nヨウ化カリウム水溶液を添加し、遊離したヨウ素を0.05Nチオ硫酸ナトリウム水溶液で逆滴定することにより算出した。試験は、2検体で分析し、その平均値を分析値とした。
前記測定の結果、前記共重合体における前記(1)の含有率は、93.0質量%であった。
(化学滴定法による前記(4)の含有量の測定)
中和反応に基づく化学滴定法によって、前記共重合体における前記式(4)で表される繰り返し単位の含有量を測定し、得られた含有量から、前記(4)の含有率を算出した。具体的には、試料(共重合体)1.0gを量り取り、トルエンで膨潤させた後、0.050N水酸化カリウムエタノール溶液で滴定することにより算出した。試験は、2検体で分析し、その平均値を分析値とした。
前記測定の結果、前記共重合体における前記(4)の含有率は、0.34質量%であった。
[実施例2]
(第1工程)
メタクリル酸メチル0.501g(5.0ミリモル)の代わりに、メタクリル酸ブチル0.142g(1.0ミリモル)を用いたこと以外、実施例1における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体22.7g(収率99%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、前記式(4)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(架橋ポリメタクリル酸系イミノ共重合体)であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ5.07、4.08、3.91、2.05−1.68、1.43−0.65が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位及び前記式(3)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体9.8gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(ポリメタクリル酸系ニトロキシド共重合体)であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、95.8質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、0.34質量%であった。
[実施例3]
(第1工程)
メタクリル酸メチル0.501g(5.0ミリモル)の代わりに、メタクリル酸イソペンチル0.156g(1.0ミリモル)を用い、メタクリル酸0.086g(1.0ミリモル)の代わりに、メタクリル酸0.430g(5.0ミリモル)を用いたこと以外、実施例1における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体22.0g(収率96%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、前記式(4)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(架橋ポリメタクリル酸系イミノ共重合体)であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ5.06、4.08、3.91、2.06−1.64、1.43−0.65が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位及び前記式(3)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体9.9gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(ポリメタクリル酸系ニトロキシド共重合体)であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、97.3質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、0.61質量%であった。
[実施例4]
(第1工程)
メタクリル酸メチル0.501g(5.0ミリモル)の代わりに、メタクリル酸ベンジル0.176g(1.0ミリモル)を用いたこと以外、実施例1における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体22.1g(収率96%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、前記式(4)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(架橋ポリメタクリル酸系イミノ共重合体)であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ7.33、5.06、4.94、4.09、2.05−1.64、1.46−0.67が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位及び前記式(3)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体9.7gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(ポリメタクリル酸系ニトロキシド共重合体)であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、96.7質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、0.35質量%であった。
[実施例5]
(第1工程)
メタクリル酸メチル0.501g(5.0ミリモル)の代わりに、メタクリル酸フルフリル0.166g(1.0ミリモル)を用いたこと以外、実施例1における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体21.9g(収率95%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、前記式(4)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(架橋ポリメタクリル酸系イミノ共重合体)であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ7.43、6.39、4.88、4.09、2.05−1.65、1.46−0.66が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位及び前記式(3)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体9.7gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(ポリメタクリル酸系ニトロキシド共重合体)であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、96.1質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、0.35質量%であった。
[実施例6]
(第1工程)
メタクリル酸メチル0.501g(5.0ミリモル)の代わりに、メタクリル酸フェニル0.162g(1.0ミリモル)を用いたこと以外、実施例1における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体22.3g(収率97%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、前記式(4)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(架橋ポリメタクリル酸系イミノ共重合体)であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ7.31、5.07、4.09、2.05−1.65、1.46−0.67が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位及び前記式(3)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体9.8gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(ポリメタクリル酸系ニトロキシド共重合体)であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、95.5質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、0.34質量%であった。
[実施例7]
(第1工程)
メタクリル酸メチル0.501g(5.0ミリモル)の代わりに、メタクリル酸ブチル0.711g(5.0ミリモル)を用いたこと以外、実施例1における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体23.0g(収率98%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、前記式(4)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(架橋ポリメタクリル酸系イミノ共重合体)であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ5.07、4.08、3.92、2.04−1.68、1.43−0.65が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位及び前記式(3)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体10.2gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(ポリメタクリル酸系ニトロキシド共重合体)であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、89.5質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、0.30質量%であった。
[実施例8]
(第1工程)
メタクリル酸メチル0.501g(5.0ミリモル)の代わりに、メタクリル酸ステアリル0.339g(1.0ミリモル)を用いたこと以外、実施例1における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体22.6g(収率98%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、前記式(4)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(架橋ポリメタクリル酸系イミノ共重合体)であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ5.06、4.08、3.90、2.05−1.68、1.43−0.62が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位及び前記式(3)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体10.2gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(ポリメタクリル酸系ニトロキシド共重合体)であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、94.3質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、0.33質量%であった。
[実施例9]
(第1工程)
メタクリル酸メチル0.501g(5.0ミリモル)の代わりに、メタクリル酸ベンジル1.42g(8.0ミリモル)を用いたこと以外、実施例1における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体22.6g(収率98%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、前記式(4)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(架橋ポリメタクリル酸系イミノ共重合体)であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ7.32、5.06、4.93、4.08、2.05−1.64、1.46−0.67が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位及び前記式(3)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体9.7gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(ポリメタクリル酸系ニトロキシド共重合体)であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、91.8質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、0.33質量%であった。
[実施例10]
(第1工程)
メタクリル酸メチル0.501g(5.0ミリモル)の代わりに、メタクリル酸イソペンチル0.156g(1.0ミリモル)を用い、メタクリル酸0.086g(1.0ミリモル)の代わりに、メタクリル酸0.861g(10.0ミリモル)を用いたこと以外、実施例1における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体22.1g(収率93%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、前記式(4)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(架橋ポリメタクリル酸系イミノ共重合体)であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ5.06、4.07、3.90、2.06−1.64、1.43−0.65が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位及び前記式(3)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体9.8gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体(ポリメタクリル酸系ニトロキシド共重合体)であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、94.6質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、3.11質量%であった。
[比較例1]
(第1工程)
メタクリル酸メチル0.501g(5.0ミリモル)の代わりに、メタクリル酸ラウリル0.254g(1.0ミリモル)を用い、メタクリル酸を用いなかったこと以外、実施例1における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体22.5g(収率98%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ5.07、4.08、3.90、2.05−1.68、1.43−0.63が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位及び前記式(3)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体10.0gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、及び前記式(3)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、94.0質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、0質量%であった。
[比較例2]
(第1工程)
メタクリル酸を用いなかったこと以外、実施例6における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体21.9g(収率96%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ7.03、5.06、4.09、2.05−1.64、1.46−0.67が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位及び前記式(3)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体9.4gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(2)で表される繰り返し単位、及び前記式(3)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、95.8質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、0質量%であった。
[比較例3]
(第1工程)
メタクリル酸メチル及びメタクリル酸を用いなかったこと以外、実施例1における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体22.0g(収率97%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ5.06、4.09、2.05−1.65、1.46−0.67が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体9.9gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、及び前記式(2)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、96.2質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、0質量%であった。
[比較例4]
(第1工程)
メタクリル酸メチルを用いなかったこと以外、実施例1における第1工程と同様の工程を行った。この第1工程により、白色粉体22.0g(収率97%)を得た。得られた白色粉体は、前記式(2)で表される繰り返し単位、前記式(4)で表される繰り返し単位、及び前記式(9)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体であった。なお、得られた白色粉体をH−NMRで測定すると、得られたスペクトルに、δ5.06、4.09、2.05−1.65、1.46−0.67が確認されたことから、得られた白色粉体には、前記式(2)で表される繰り返し単位が存在することを確認した。
(第2工程)
実施例1と同様の第2工程を行った。
前記第1工程、及び前記第1工程後に行う前記第2工程(実施例1と同様の第2工程)によって、赤色粉体9.9gが得られた。この得られた赤色粉末は、前記式(1)で表される繰り返し単位、及び前記式(2)で表される繰り返し単位を分子内に含有する共重合体であった。実施例1と同様の方法により測定したところ、前記共重合体における前記(1)の含有率は、96.9質量%であった。前記共重合体における前記(4)の含有率は、0.30質量%であった。
[比較例5]
比較例1に係る共重合体と比較例4に係る共重合体を、質量比1:1で混合した共重合体を用意した。
実施例1〜10及び比較例1〜5に係る共重合体を、以下に示す方法により評価を行った。
[電池特性]
(塗料化工程)
実施例1〜10及び比較例1〜4に係る各共重合体1g、スチレンブタジエン微粒子(SBR)とカルボキシルメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)とからなる水系バインダ(各粒子に対して5質量%)、導電助剤として炭素粉体のSuper−P(TIMCAL社製)1.0g、及びスラリー粘度調整のためのイオン交換水を混合し、混錬攪拌することによって、黒色スラリーを得た。
なお、実施例5に関しては、共重合体1gの代わりに、比較例1に係る共重合体0.5gと比較例4に係る共重合体0.5gを混合して得られた混合物1gを用いたこと以外、上記と同様の方法により、黒色スラリーを得た。
この得られた黒色スラリーに含まれる凝集物の大きさを測定した。具体的には、この凝集物の大きさは、50μmの粒ゲージ(宝泉株式会社製)を用いて、JIS K5600−2−5に準拠して測定した。
(塗布工程)
上記の工程で得られた、実施例1〜10及び比較例1〜5に係る各スラリーを、厚さ18μmのアルミニウム箔(集電体)の表面にと後期とアプリケータとを用いて、塗工クリアランス100μmで塗工した後、120℃で3時間減圧乾燥させた。そうすることによって、実施例1〜10及び比較例1〜5に係る各共重合体と炭素粉末との複合膜を集電体に結着させた電極が得られた。得られた電極を乾燥させ、この乾燥させた電極を荷重4トンにロールプレス(宝泉株式会社製)を用いて圧延処理を施し、再度乾燥させた。
(電池化工程)
上記の工程で得られた複合電極を直径13mmの円形で切り出して、コインセルの正極として用いた。これに対して、対極(負極)には、金属リチウム箔(厚さ0.2m、直径16mm)を、セパレータには、ポリプロピレン系のセパレータ(ポリポア社製のセルガード#2400)を、電解質には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの混合溶液(質量比3:7)に対して、LiPF6を1モル/Lとなるように溶解させた電解液を用いて、アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、リチウム二次電池(コインハーフセル)を作製した。
上記構成の各リチウム二次電池について、充放電試験装置(東洋システム株式会社製のTOSCAT3100)を用いて直流抵抗(Ω)を測定した。なお、定電流(0.1mA/cm、25℃)で4.0Vまで充電を行った後、10mAの電流を1秒間放電した時の終端電圧を直流抵抗とした。
これらの結果を、表1に示す。なお、表1中、「(7)の使用量」は、各共重合体を製造する際に、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物100モル部に対する、前記式(7)で表される(メタ)アクリル酸エステルの使用量(モル部)を示す。また、「(8)の使用量」は、各共重合体を製造する際に、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物100モル部に対する、前記式(8)で表される(メタ)アクリル酸の使用量(モル部)を示す。なお、比較例5に係る共重合体は、混合物であることから、下記表1における、「(1)の含有率」「(4)の含有率」「(7)の使用量」及び「(8)の使用量」は、「−」と示す。
また、「凝集物の大きさ」の欄に記載の「<10」は、上記測定方法により凝集物の大きさが、10μm未満であるか、凝集物を確認できなかったことを示し、「>20」、「>30」、及び「>40」は、上記測定方法により凝集物の大きさが、それぞれ20μm超、30μm超、及び40μm超であることを示す。
表1からわかるように、実施例1〜10に係る共重合体を用いて得られた電極を備えたリチウム二次電池は、比較例1〜5に係る共重合体を用いた場合より、直流抵抗が低かった。式(3)で表される繰り返し単位を含み、式(4)で表される繰り返し単位を含まない共重合体(比較例1)と、式(3)で表される繰り返し単位を含まず、式(4)で表される繰り返し単位を含む共重合体(比較例4)とを混合した混合物を用いて得られた電極を備えたリチウム二次電池であっても、直流抵抗が充分に低いものが得られなかった。
また、電極を製造する際に、実施例1〜10に係る共重合体を用いた場合、塗料化した塗料(スラリー)中に、凝集物が確認されないか、確認されても小さいものであった。これに対して、比較例1〜5に係る共重合体を用いた場合、塗料化した塗料(スラリー)中に、比較的大きな凝集物が確認された。
以上のことから、前記式(1)で表わされる繰り返し単位、前記(2)で表わされる繰り返し単位、前記(3)で表わされる繰り返し単位、及び前記(4)で表わされる繰り返し単位を分子内に含有する共重合体が、リチウム二次電池に備えられる電極に含ませた場合に、リチウム二次電池に好適な電極を製造することができる共重合体であることがわかった。すなわち、前記式(1)で表わされる繰り返し単位、前記(2)で表わされる繰り返し単位、前記(3)で表わされる繰り返し単位、及び前記(4)で表わされる繰り返し単位を分子内に含有させることが、このような好適な電極を製造することができる共重合体にするために必要であることがわかった。
10 リチウム二次電池
20 電極(正極)
21 電極層
22 集電体
30 負極
40 電解質層

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される繰り返し単位、下記式(2)で表される繰り返し単位、下記式(3)で表される繰り返し単位、及び下記式(4)で表される繰り返し単位を分子内に含有することを特徴とする共重合体。
    [式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
    [式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、Zは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又は、−COC−基を示す。]
    [式(3)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、nは、0〜18を示し、Rは、nが0のとき、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい複素環基を示し、nが1〜18のとき、水素原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基を示す。]
    [式(4)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
  2. 前記式(1)で表される繰り返し単位の含有率が、前記共重合体に対して、90〜99質量%である請求項1に記載の共重合体。
  3. 前記式(4)で表される繰り返し単位の含有率が、前記共重合体に対して、0.1〜2質量%である請求項1又は請求項2に記載の共重合体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合体の製造方法であって、
    下記式(5)で表される(メタ)アクリル酸イミノ化合物と下記式(6)で表される架橋剤と下記式(7)で表される(メタ)アクリル酸エステルと下記式(8)で表される(メタ)アクリル酸とを重合する第1工程と、
    前記第1工程で得られた重合体をニトロキシド化する第2工程とを備えることを特徴とする共重合体の製造方法。
    [式(5)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
    [式(6)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、Zは、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又は、−COC−基を示す。]
    [式(7)中、R10は、水素原子又はメチル基を示し、nは、0〜18を示し、R11は、nが0のとき、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい複素環基を示し、nが1〜18のとき、水素原子、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基を示す。]
    [式(8)中、R12は、水素原子又はメチル基を示す。]
  5. 前記(メタ)アクリル酸エステルの含有量が、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物100モル部に対して、0.1〜5モル部であり、
    前記(メタ)アクリル酸の含有量が、前記(メタ)アクリル酸イミノ化合物100モル部に対して、0.1〜5モル部である請求項4に記載の共重合体の製造方法。
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