JP4996409B2 - 化成処理被覆鋼板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、不溶性陽極を用いて帯鋼に連続的にフッ化Zrイオンを含む処理液でカソード電解処理を行い、Zr系の化成処理皮膜を付着させる化成処理被覆鋼板の製造方法に関する。
鋼板製品には、耐食性、耐錆性、塗料密着性などの特性を確保する為、鋼板表面あるいは鋼板表面にSn、Zn、Ni等をめっきした後に、6価Crを溶液中に含んだ処理液中でカソード電解処理(電解Cr酸処理)が行われ、オキサイドCrあるいは金属CrとオキサイドCrから成るクロメート皮膜が形成されている。例えば、容器用鋼板として使用されているSnめっき鋼板(ブリキ)やSnを使用しないTFS(Tin free steel)は、耐食性、塗料密着性、フィルム密着性、耐変色性を確保するために最表層にクロメート皮膜が付与されている。
近年、環境への関心が高まり、6価Crの使用を制限する規制が検討され、クロメート皮膜に代わる新たな皮膜として、Zr化合物から成る化成処理皮膜を既存の電解Cr酸処理設備で付与でき得る発明として、例えば、「錫メッキ鋼板及び錫メッキ罐の表面処理方法(特許文献1)」、「スズ又はスズ系合金めっき鋼材の表面処理方法(特許文献2)」などが提案されている。これらの発明では、フッ化ZrなどのZr化合物を含む溶液中でPtなどの不溶性陽極を対極に用い、カソード電解処理を行う事により、優れた性能を有するZr系の化成処理皮膜を得る事が開示されている。
特開昭54−68734号公報 特開平2005−325402号公報
上記のZr系化成処理皮膜の被覆を工業的に行う為には、連続電気めっきラインで行えば良く、更に、めっき槽に配置する陽極に不溶性陽極を使用する事で電極交換によるライン停止が無くなり、効率が良い。
しかし、その際、めっき液中のZrイオンの補給方法が問題になる。即ち、本技術では、Zrイオンは溶液中ではフッ素イオンと錯体を形成し安定に存在し、カソード電解する事により、水素イオン等が還元され、被めっき鋼板の近傍のpHが上昇することで、酸化Zrあるいはリン酸Zr等のZr化合物皮膜が形成される。従って、Zrイオンあるいはリン酸イオンは消費されるものの、フッ素イオンは、めっき液中に留まる事になる。そのため、消費されたZrイオンをフッ化Zr化合物で補給するとめっき液中のフッ素イオン濃度が上昇し、Zr系化成処理皮膜を安定して形成させる事が困難になる。
また、フッ化Zr化合物以外のZr化合物でZrイオンを補給すると、その化合物を形成するZr化合物に由来するイオンが蓄積され、そのイオンが過剰に存在すると、Zr系化成処理皮膜を安定して形成させる事が困難になる。
ここで、連続電気めっきラインでは、鋼板がめっき槽から出る時に、鋼板表面にめっき液が付着して、めっき液を持出すことから、Zrイオン補給により投入されるフッ素イオンやその他のイオンは際限なく蓄積される訳ではなく、ある一定の濃度に収束する。しかし、めっき液の持出し量は極めて少ないことから、鋼板がめっき液から出る際のめっき液の持出しを利用しても上記の問題は解決できない。
また、フッ素イオンやその他のZr化合物に由来するイオンが収束する濃度を、Zr系化成処理に影響しない程度まで下げる為には、めっき液を一定量排液すれば良いが、高価なZrイオンを含むめっき液を排液する為、経済的には大きなコストアップになり、不利益を被る。
さらに、理想的には金属Zrを溶解させる事によりZrイオンを補給する事が望ましいが、溶解速度が極めて低い事から、工業的には使用できない。
このような現状から、Zr系化成処理皮膜の被覆を不溶性陽極を配した連続電気めっきラインで安定的に継続的に行う事が出来るZrイオン補給方法が求められていた。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、カソード電解処理により帯鋼に化成処理皮膜を被覆する化成処理被覆鋼板の製造方法において、処理液中のZrイオンの補給を安定的に行う事を可能とするとともに、不溶性陽極を用いて帯鋼に連続的にフッ化Zrイオンを含む処理液でカソード電解処理を行うことを目的とする。
本発明者等は、不溶性陽極を使用しても、連続的に安定してZr系化成処理皮膜を付着させるZrイオン補給方法を検討した。具体的には、種々のイオン(ハロゲンイオン、炭酸イオン、アンモニウムイオン、硝酸イオン濃度等)がZr系化成処理皮膜の性能(密着性や耐食性)及ぼす影響を調査した結果、(I)Zr化合物の中にはその化合物から供給されるイオンがある一定濃度以下であれば、処理液中に混入しても、Zr系化成処理皮膜の性能に影響を及ぼさない、(II)複数のZr化合物に由来するイオンが混入しても、単独のイオン濃度が、ある一定濃度以下であれば、Zr系化成処理皮膜の性能に影響を及ぼさない、(III)そのイオンの許容濃度は、処理液中のZrイオン濃度に依存し、Zrイオン濃度の10倍以内である事を知見し、上記課題の解決に至ったものである。
すなわち、本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1) ジルコニウムイオン及びフッ素イオンを含む処理液中で帯鋼に連続してカソード電解処理を行い、前記帯鋼にジルコニウムを含有する化成処理皮膜を被覆する化成処理被覆鋼板の製造方法において、前記処理液中のジルコニウムイオンの含有量は、0.05〜30g/Lであり、前記処理液中のフッ素イオンの含有量は、前記ジルコニウムイオンの含有量の0.5倍〜10倍であり、前記カソード電解処理では、ハロゲン化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、ジルコニウムアンモニウム塩、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム及び酢酸ジルコニウムからなる群から選択される2種以上のジルコニウム化合物を用いて、前記処理液中のジルコニウムイオンの補給を行い、選択された前記2種以上のジルコニウム化合物に由来するジルコニウムイオン以外のイオンの含有量は、それぞれ、前記ジルコニウムイオンの含有量の10倍以内であることを特徴とする、化成処理被覆鋼板の製造方法。
(2) 前記処理液は、リン酸イオンをさらに含み、前記処理液中のリン酸イオンの含有量は、0.05〜30g/Lであることを特徴とする、(1)に記載の化成処理被覆鋼板の製造方法。
本発明により、カソード電解処理により帯鋼に化成処理皮膜を被覆する化成処理被覆鋼板の製造方法において、処理液中のZrイオンの補給を安定的に行う事が可能になるとともに、不溶性陽極を用いて帯鋼に連続的にフッ化Zrイオンを含む処理液でカソード電解処理を行うことが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明は、ジルコニウムイオン、リン酸イオン及びフッ素イオンを含む処理液中で帯鋼に連続してカソード電解処理を行い、前記帯鋼にジルコニウムを含有する化成処理皮膜を被覆する化成処理被覆鋼板の製造方法において、前記処理液中のジルコニウムイオンの含有量は、0.05〜30g/Lであり、前記処理液中のリン酸イオンの含有量は、0.05〜30g/Lであり、前記処理液中のフッ素イオンの含有量は、前記ジルコニウムイオンの含有量の0.5倍〜10倍であり、前記カソード電解処理では、ハロゲン化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、ジルコニウムアンモニウム塩、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム及び酢酸ジルコニウムからなる群から選択される2種以上のジルコニウム化合物を用いて、前記処理液中のジルコニウムイオンの補給を行い、選択された前記2種以上のジルコニウム化合物に由来するイオンの含有量は、それぞれ、ジルコニウムイオンの含有量の10倍以内である、化成処理被覆鋼板の製造方法を提供することを目的としている。
なお、上記ジルコニウムアンモニウム塩としてよく使用されるものとしては、例えば、炭酸ジルコンアンモニウム(NH[Zr(CO(OH)]等がある。
本発明で用いられる帯鋼は特に規制されるものではなく、通常はコイル状になっている鋼板を用いる。この鋼板に、Ni、Sn、Zn等のめっきが行われていても本発明の本質は不変である。
コイルから巻きほどかれた帯状の鋼板は、Zr電解処理液に浸漬され、カソード電解処理により酸化Zrあるいはリン酸Zr系の皮膜が付与される、この処理液には、Zrイオン、フッ素イオン、リン酸が含まれている。フッ素イオンはZrイオンと錯体を形成し安定性を確保する為に必要である。その安定性を確保する為に必要なフッ素イオン量は、液中Zrイオンの重量濃度に対して、0.5倍以上にする必要がある。0.5倍以下では、錯イオンを形成せしめるために必要なフッ素イオン量が不十分でZrイオンが安定性を失い沈殿し易くなり、皮膜の形成を不安定にせしめ、所定の性能が発揮されない。一方、フッ素イオン量が、10倍を超えると、一旦、鋼板に析出したZr皮膜が過剰のフッ素イオンによりエッチングされ、溶解し、所定の付着量を確保できないばかりが、本来の優れた特性も発揮されない。従って、液中のフッ素イオン量は、Zr量に対して0.5〜10倍にする必要がある。
また、リン酸の役割は、リン酸Zr化合物を析出せしめ、優れた耐食性や、耐錆性、塗料密着性を発揮せしめると同時に、安定的にZr電解を行いやすい酸性域(pH5以下)に調整する機能を有している。即ち、強酸であるリン酸の添加によりpHを5以下に調整できる。
これら、Zrやリン酸の濃度は低い程、経済的には有利であるが、あまり低くなるとZr皮膜の析出効率の低下や電気伝導度の低下による電力ロスの問題が発生する為、Zr及びリン酸の濃度は、それぞれ、0.05g/L以上にする必要がある。一方、Zr及びリン酸の濃度が高くなる程、Zr皮膜の析出効率が向上するが、処理液は高価になり、鋼板に付着して持出される持出しロスによる不経済性が大きくなると共に、液の粘性も増加による鋼板に持出される液量自体も多くなる事も相俟って、工業的には非常に不利益となる。従って、Zr及びリン酸の濃度は、それぞれ、30g/L以下にする必要がある。
連続して電解処理を行うことにより、鋼板に析出する成分であるZr濃度及びリン酸濃度が低下し、また、鋼板の持出しにより、Zr濃度、リン酸濃度、フッ素濃度は低下する。後者の持出しによるZr等の液成分の低下は、Zrとフッ素の適正な濃度比率に影響を及ぼさないが、前者の析出では、Zrとフッ素の適正な濃度比率に影響を及ぼしフッ素比率が高くなる。
Zrイオンを補給しつつ処理液中のフッ素濃度を適正に保つ為に、Zrハロゲン化物、Zr水酸化物、Zr炭酸塩、Zrアンモニウム塩、Zr硝酸塩、Zr硫酸塩及びZr酢酸塩のうちから選択される2種以上のZr化合物を用いてZrイオンを供給すれば良い。その際、Zrと化合物を形成しているイオンの濃度が処理液中のZr濃度の10倍以内にする必要ある。ここで言うイオンとは、フッ素イオン及びリン酸イオンを除く、塩素イオンなどのハロゲンイオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、アンモニウムイオン、硝酸イオン、硫酸イオン及び酢酸イオンを示す。これらのイオン濃度がZr濃度の10倍を超えると、イオン種によって影響に多少の差はあるが、電解時のZr皮膜形成を不安定にさせ、所定の性能を劣化させる傾向が強まる為、10倍以内にする必要がある。
投入するZr塩は、1つのイオンがZr濃度の10倍以内であれば何種類入れても構わない。前述した様に、1種類では10倍を超えてしまう為、2種類以上加える必要がある。処理液の持出し量が比較的多いと、2種類位でZrイオン補給が可能であるが、比較的少ない場合は3種類以上になると考えられる。
例えば、2種類であれば、Zrフッ化物とZr炭酸塩、或いはZrフッ化物とZr硝酸塩などのように主要成分であるフッ素イオンを組合せればフッ素イオンの補給も行える事から工業的に好ましい。また、3種類であれば、上記のZrフッ化物を含む2種類に加えて、Zrアンモニウム塩、Zr水酸化物などを使用する事で、各イオンの濃度調整をより精緻に行う事が出来る。
本発明において、電解設備については、特に規制しない。竪型あるいは横型の既知の電解処理設備を用いれば良い。また、不溶性陽極についても特に規制しない。PtやPb、金属酸化物電極などの既知の不溶性陽極を用いれば良い。
処理液中のZrイオンやフッ素等のイオン濃度は、原子吸光分析法やICP発光分析法あるいはイオンクロマト分析法等により定量する事が出来る。Zrイオンの補給を2種類のZr塩で行う場合の装置概念図の一例を図1に示す。図1に示すように、コンダクターロールは、帯鋼と接触し、通電を行う為の金属ロールである。このコンダクターロールは直流電源と繋がっており、帯鋼は陰極となる。不溶性陽極は、白金等の高耐食性金属で構成された電極、あるいは、帯鋼側にコーティングされた電極で、直流電源と繋がっており陽極となる。シンクロールは、帯鋼の進行方向を変える為のゴム製のロールである。補給槽1、2には、液状又は粉末状のZr化合物が充填されており、処理液中のZr消費に応じて、電磁弁あるいはポンプなどにより、各補給層に充填されたZr化合物が、循環槽へ供給される。この例では、補給槽1にはZrフッ化物が、補給槽2にはZr硝酸塩が貯蔵されている。循環槽からはポンプにより処理槽へ処理液が送られ、処理槽上部からオーバーフローした処理液が循環槽へ戻る。
なお、本発明に係るカソード電解処理は、例えば、電流密度を0.1〜20A/dmとして行うことができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例A)
Zrイオン:1.4g/L、フッ素イオン:1.7g/L、リン酸イオン:1.2g/L、pH2.8からなる溶液15立米を循環し、板厚:0.2mm。板幅:1000mmのコイルを250m/分の速度で、片面あたり8mg/mのZr皮膜を付与する処理を8000時間行った。Zrイオン濃度17g/Lのフッ化Zr水素酸溶液でZrイオンの補給を行った。補給液量は、帯鋼による持出しに相当する液量(10L/hr)とした。リン酸イオンは持出し量に相当する量(約22g/hr)をリン酸で添加した。8時間毎にICP発光分析法で溶液中のZrイオン濃度を測定し、イオンクロマト分析法でフッ素イオンとリン酸濃度を測定し、pH計でpHを測定した。
その結果、Zrイオン濃度はほぼ1.4g/L、リン酸イオン濃度も1.1〜1.3g/L、pHも2.7〜2.9で安定していたものの、図2に示したように、約650hrを超えるとフッ素イオン濃度がZrイオン濃度の10倍である14g/Lを超え、皮膜性能が劣化したため、1000hrで処理を中止した。
(実施例B)
Zrイオン:1.4g/L、フッ素イオン:1.7g/L、リン酸イオン:1.2g/L、硝酸イオン1.7g/L、pH2.8からなる溶液15立米を循環し、板厚:0.2mm。板幅:1000mmのコイルを250m/分の速度で、片面あたり8mg/mのZr皮膜を付与する処理を8000時間行った。Zrイオン濃度17g/Lのフッ化Zr水素酸と硝酸Zr混合溶液(重量比でフッ化Zr水素酸:硝酸Zr=55:45)でZrイオンの補給を行った。補給液量は、帯鋼による持出しに相当する液量(10L/hr)とした。リン酸イオンは持出し量に相当する量(約22g/hr)をリン酸で添加した。8時間毎にICP発光分析法で溶液中のZrイオン濃度を測定し、イオンクロマト分析法でフッ素イオンとリン酸濃度、硝酸イオン濃度を測定し、pH計でpHを測定した。
その結果、Zrイオン濃度はほぼ1.4g/L、リン酸イオン濃度も1.1〜1.3g/L、pHも2.7〜2.9で安定し、図3に示したように、2000hrを超えるとフッ素イオン及び硝酸イオン濃度が12g/L程度に安定し、皮膜性能も良好であった。これは、鋼板による持出し量と補給量とがほぼ等しくなったためと考えられる。
(実施例C)
以下に本発明の実施例及び比較例について述べ、その結果を第1表に示す。
以下の処理法(0)〜(2)の方法を用いて試料を作製した。
(処理法0)冷間圧延後、焼鈍、調圧された板厚0.2mmの原板に脱脂、酸洗を施し、Zrイオンを含む溶液で0.5A/dmのカソード電解処理により、Zr電解皮膜を金属Zr換算で40mg/m付着させた。
(処理法1)冷間圧延後、焼鈍、調圧された板厚0.2mmの原板を脱脂、酸洗後、フェロスタン浴を用いてSnを1g/mめっきし、更に、Zrイオンを含む溶液で0.5A/dmのカソード電解処理により、Zr電解皮膜を金属Zr換算で10mg/m付着させた。
(処理法2)冷間圧延後、焼鈍、調圧された板厚0.2mmの原板を脱脂、酸洗後、ワット浴を用いてNiを0.4g/mめっきし、更に、Zrイオンを含む溶液で0.5A/dmのカソード電解処理により、Zr電解皮膜を金属Zr換算で8mg/m付着させた。
上記の試験材について、以下に示す(A)〜(C)の各項目について性能評価を行った。
(A)耐食性
試験材にエポキシ−フェノール樹脂を塗布し、200℃、30minで焼付けた後、地鉄に達する深さのクロスカットを入れ、1.5%クエン酸−1.5%食塩混合液からなる試験液に、45℃、72時間浸漬し、洗浄、乾燥後、テープ剥離を行い、クロスカット部の塗膜下腐食状況と平板部の腐食状況を4段階(◎:塗膜下腐食が認められない、○:実用上問題無い程度の僅かな塗膜下腐食が認められる、△:微小な腐食下腐食と平板部に僅かな腐食が認められる、×:激しい腐食塗膜下腐食と平板部に腐食が認められる)で判断して評価した。
(B)耐錆性
試験材を乾湿繰返し(湿度90%、2hr⇔湿度40%、2hr)の雰囲気中に2ヶ月間放置し、錆の発生状況を4段階(◎:全く発錆無し、○:実用上問題無い程度の極僅かな発錆有り、△:僅かな発錆有り、×:大部分で発錆)で評価した。
(C)塗料密着性
試験材にエポキシ−フェノール樹脂を塗布し、200℃、30minで焼付けた後、1mm間隔で地鉄に達する深さのゴメン目を入れ、テープで剥離し、剥離状況を4段階(◎:全く剥離無し、○:実用上問題無い程度の極僅かな剥離有り、△:僅かな剥離有り、×:大部分で剥離)で評価した。
Figure 0004996409
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
Zrイオンの補給を2種類のZr塩で行う場合の装置概念図の一例である。 フッ化Zr水素酸添加を添加した時のZr及びフッ素イオンの濃度の経時変化を示すグラフである。 フッ化Zr水素酸と硝酸Zr混合溶液を添加した時のZr及びフッ素イオンの濃度の経時変化を示すグラフである。

Claims (2)

  1. ジルコニウムイオン及びフッ素イオンを含む処理液中で帯鋼に連続してカソード電解処理を行い、前記帯鋼にジルコニウムを含有する化成処理皮膜を被覆する化成処理被覆鋼板の製造方法において、
    前記処理液中のジルコニウムイオンの含有量は、0.05〜30g/Lであり、
    前記処理液中のフッ素イオンの含有量は、前記ジルコニウムイオンの含有量の0.5倍〜10倍であり、
    前記カソード電解処理では、ハロゲン化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、ジルコニウムアンモニウム塩、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム及び酢酸ジルコニウムからなる群から選択される2種以上のジルコニウム化合物を用いて、前記処理液中のジルコニウムイオンの補給を行い、
    選択された前記2種以上のジルコニウム化合物に由来するジルコニウムイオン以外のイオンの含有量は、それぞれ、前記ジルコニウムイオンの含有量の10倍以内であることを特徴とする、化成処理被覆鋼板の製造方法。
  2. 前記処理液は、リン酸イオンをさらに含み、
    前記処理液中のリン酸イオンの含有量は、0.05〜30g/Lであることを特徴とする、請求項1に記載の化成処理被覆鋼板の製造方法。
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