JP4996385B2 - 信号遅延回路 - Google Patents
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Description
従来の信号遅延回路2は、入力信号n1を任意の時間Tだけ遅らせた信号n7を生成する。この信号遅延回路2は、図13に示すように、レジスタを直列にならべて構成したシフトレジスタが使用され、動作クロックn2により入力信号n1を、1クロックずつ遅延させていた(例えば特許文献1参照)。
そこで、本発明は、従来技術よりも回路規模と消費電力の削減効果を得られる信号遅延回路を提供することを目的とする。
さらに、時間的に連続しているデータを最低連続回数より小さい単位Nで区切ることで、N個の中の最古データから最新データまで遷移する間のデータの変化点が1つ以下になり、これらのデータ群が取り得る状態は、2N通りとなるため、log2(2N)以上で最小の整数Mビットに圧縮可能であることを見出し、これに基づいて以下のような本発明を完成させた。
例えば、図1の信号遅延回路31において記憶すべきデータを、データの最短連続数以下の整数N個単位のグループに分けるようにしたので、このグループを構成するN個のレジスタをlog2(2N)以上で最小の整数個のレジスタ数に圧縮することで回路規模の削減効果が得られる。さらに、圧縮したデータを動作クロックのN分の1のレートで転送するようにしたので、単位時間あたりのレジスタの動作回数が減り、低消費電力の効果が得られる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の信号遅延回路に係る第1実施形態の構成を示す。
この第1実施形態に係る信号遅延回路31は、例えば、最大周波数4.9MHzの入力信号n1を、動作クロック周波数138. 24MHzを用いて、約1. 722μsec遅延させる場合の適用例である。
図1の信号遅延回路31は、入力されるデータを圧縮し、その圧縮データを元のデータに伸張するようにした点に特徴がある。そこで、その原理の説明のために必要である、圧縮すべきデータの単位数(圧縮データ単位数)Nと、圧縮後のデータ数Mの求め方について、図1および図2を参照して以下に説明する。
一方、データの連続最短回数をNとしたとき、データをN個の連続するグループ毎に区切ると、区切られたデータ群中の最古データから最新データに遷移する過程で、データが変化する回数は、1回もしくは0回となる。この時に区切られたデータ群が取り得る状態を、図2に示す。
この第1実施形態では、N=14とすることにしたので、14ビットの連続するシフトレジスタが取り得る状態は2N=28通りとなり、log2(28)以上の最小の整数は5であるので、M=5ビットに圧縮可能であることがわかる。
この信号遅延回路31は、図3に示すように、圧縮回路32と、低速動作のシフトレジスタ33と、伸張回路34と、からなる。
ここで、圧縮回路32および伸張回路34は、動作クロックn2によって同期動作する。シフトレジスタ33は、動作クロックn2をN分周させたN分周動作クロックn3によって同期動作する。
圧縮回路32は、入力信号n1を動作クロックn2のレートで14個単位で区切り、これを5ビットのデータに圧縮し、動作クロックn2の14分の1のレートで圧縮データn5を生成する。シフトレジスタ33は、圧縮データを動作クロックの14分の1のレートで転送する5ビット16段のシフトレジスタからなる。伸張回路34は、遅延圧縮信号n6に基づいて圧縮データn5を元のデータに伸張する。
圧縮回路32は、図4に示すように、シリアル/パラレル変換器36と、圧縮論理回路37とからなる。
シリアル/パラレル変換器36は、入力信号n1をシリアル/パラレル変換して14ビットのパラレルデータn10を生成する。圧縮論理回路37は、シリアル/パラレル変換器36からのパラレルデータn10を、パラレルデータn10が取り得る28通りの状態に1対1に対応する5ビットの圧縮データn5に変換する。
図4の圧縮回路32は、シリアル/パラレル変換器36を有するため、圧縮データを生成するのに動作クロックn2の14周期分の時間を必要とし、動作クロックn2の14分の1のレートで圧縮データn5を生成する。
図1および図3の信号遅延回路31において、遅延させたい時間は約1. 722μsecである。この遅延を動作クロックn2で動作するシフトレジスタで生成するためには、1. 722μsec/(1/138.24MHz)より、およそ238段のレジスタが必要である。
伸張回路34は、図5に示すように、伸張論理回路38と、パラレル/シリアル変換器39とからなる。
伸張論理回路38は、圧縮データn5を低速動作シフトレジスタ33で必要な時間分だけ遅延させた遅延圧縮信号n6を入力とし、この遅延圧縮信号n6を1対1に対応する14ビットのパラレルデータn11に変換する。パラレル/シリアル変換器39は、伸張論理回路38から出力される14ビットのパラレルデータn11を、シリアルデータである伸張データn7に変換する。
本発明の信号遅延回路に係る第2実施形態は、第1実施形態における回路規模をさらに小さくするために、図4、図5に示す圧縮回路32および伸張回路34を、図6、図11に示す逐一圧縮回路40および逐一伸張回路50に置き換えたものである。
なお、この第2実施形態の他の部分の構成は、第1実施形態の構成と同様であるので、その説明は省略する。
図6は、第2実施形態における逐一圧縮回路40の構成例を示す。
この逐一圧縮回路40は、図示のように、カウンタ41と、コンパレータ42と、初期値記憶レジスタ43と、データ変化点検出器44と、を備えている。
初期値記憶レジスタ43は、カウンタ41のカウント値n16が「0」となってコンパレータ42から信号n41が出力されたときに、入力信号n1を取り込み、圧縮単位である14個のシリアルデータ中で最古のデータとなる値を初期値n12として記憶する。データ変化点検出器44は、入力信号n1に係るデータを順次取り込み、そのデータが初期値n12と異なるデータがあれば、その異なったときのカウンタ41のカウンタ値n16をデータ変化点情報n48として記憶する。
カウンタ41は、図8(a)に示すように、動作クロックn2が立ち上がるたびに計数動作を行い、そのカウント値n16が「0」から順に「13」まで増加していき、これらの動作を繰り返す。また、圧縮対象である、14個のシリアルデータA1〜A14からなる入力信号n1は、動作クロックn2によって順に入力される。
図7は、図6のデータ変化点検出器44の構成例を示す。
このデータ変化点検出器44は、図7に示すように、排他的論理和回路61と、ゲート回路(アンド回路)62と、コンパレータ63と、コンパレータ64と、データ変化点情報記憶レジスタ65と、ゲート回路(アンド回路)66と、コンパレータ67と、レジスタ68と、セレクタ69と、を備えている。
なお、これらの構成要素のうち、順序回路は動作クロックn2により同期動作する。
コンパレータ63は、カウンタ値n16が「0」であるか否かを判定し、「0」のときにその旨のリセット信号n41をデータ変化点情報記憶レジスタ63に出力する。コンパレータ64は、カウンタ値n16が「13」であるか否かを判定し、「13」のときにその旨の信号n42をアンド回路66に出力する。
アンド回路66は、アンド回路62からの波形検出タイミング信号n54が「1」であって、カウンタ値n16が「13」のときに、選択信号n51をセレクタ69に出力する。コンパレータ67は、データ変化点情報記憶レジスタ65からの波形情報記憶信号n50が「0」か否かを判定し、「0」のときには「1」からなるゲート信号n52を出力する。
ここで、アンド回路66、セレクタ69などを設けるようにしたのは、カウント値n16が「13」のときには、データ変化点情報記憶レジスタ65からの波形情報記憶信号n50として「13」を出力できないためである。
図10の区間(a)は、圧縮対象である14個のデータ(入力信号n1)が、すべて「0」である場合を示す。
図示のように、カウント値n16が「0」のときに、図6および図7のコンパレータ42、63から信号n41がそれぞれ出力される。これにより、図6に示す初期値記憶レジスタ43が入力信号n1である「0」を取り込んで記憶するとともに、図7に示すデータ変化点情報記憶レジスタ65が初期値「0」にリセットされる。
この例では、入力信号n1の14個のデータがすべて「0」である。このため、カウンタ値n16が「1」〜「13」までの間、入力信号n1の「0」と初期値記憶レジスタ43で取り込んだ初期値n12の「0」とが同じ値であり、初期値記憶レジスタ43の出力n12とセレクタ69からのデータ変化点情報n48に変化はない。
図10の区間(b)は、圧縮対象の14個のデータが、カウンタ値n16が「0」〜「11」の間で「1」であり、カウンタ値n16が「12」〜「13」の間で「0」となる場合を示している。
その後、カウント値n16が「1」になると、初期値記憶レジスタ43に記憶される初期値n12の「1」が出力され、データ変化点情報記憶レジスタ65からの出力信号n50としてその初期値「0」が出力される。
図10の区間(c)は、圧縮対象の14個のデータが、カウンタ値n16が「0」〜「12」の間で「0」であり、カウンタ値n16が「13」のときに「0」となる場合を示している。
この時点では、データ変化点記憶レジスタ65の出力信号n50は「0」であるが、カウント値n16が「13」のときに、アンド回路66からの選択信号n51が「1」になる。このため、セレクタ69は、レジスタ68に記憶されるデータである「13」をデータ変化点情報n48として出力する。
図4の圧縮回路32で用いたシリアル/パラレル変換器36では、圧縮単位のデータ数分の記憶素子が必要になる。しかし、図6の逐一圧縮回路40では、入力信号n1を逐一初期値と比較するので、圧縮対象のデータをすべて記憶する必要はなく、およそ圧縮後のレジスタ数程度で構成することができる。
この逐一伸張回路50は、図示のように、コンパレータ51と、レジスタ52と、レジスタ53と、波形反転信号生成論理回路54と、反転非反転セレクタ55と、を備えている。なお、これらの構成要素のうち、順序回路は動作クロックn2により同期動作する。
コンパレータ51は、図6に示すカウンタ41のカウント値n16が「13」か否かを判定し、「13」のときにその旨のデータロード信号をレジスタ52、53にそれぞれ出力する。
波形反転信号生成論理回路54は、伸張対象のデータがすべて初期値と同じである場合には、「0」を生成する。一方、伸張データ中に初期値と異なる変化点(データの立ち上がり、またはデータの立ち下がり)がある場合には、その変化が発生するタイミングのカウント値をもつ伸張対象の波形変化タイミング情報n46に基づき、波形反転信号n49を生成する。
コンパレータ56は、レジスタ53の出力信号n46が「0」か否かを判定し、「0」のときにHレベルの信号を出力するようになっており、この出力信号をゲート回路58の一方の入力端子に供給する。デジタルコンパレータ57は、レジスタ53の出力信号n6(n46)とカウンタ41のカウント値n16とを比較し、n6>n16またはn6=n16の場合にHレベルの信号を出力するようになっており、この出力信号をゲート回路58の他方の入力端子に供給する。
反転非反転セレクタ55は、伸張対象のデータ変化点情報n46から生成される波形反転信号n49に基づいて反転または非反転を制御(選択)し、これにより伸張信号n7を生成して出力する。
図6に示すカウンタ41は、図8(b)に示すように、動作クロックn2が立ち上がるたびに計数動作を行い、そのカウント値n16が「0」から順に「13」まで増加していき、これらの動作を繰り返す。
レジスタ52は、カウント値n16が「13」のときに、遅延圧縮信号n6のうち、初期値Baを遅延させた1ビットのデータを取り込み、カウンタ値n16が「13」になるまでその取り込んだデータを保持し、保持するデータを初期値n45として出力する。
波形反転信号生成論理回路54は、4ビットのデータn46を4ビットのカウント値n16と比較し、波形変化タイミング情報n46がカウント値n16を上回るタイミングで、その旨の波形反転信号n49を出力する。
これらの動作について、圧縮後のデータと伸張後のデータとの対応関係をまとめると、図9に示すようになる。例えば状態「16」のように、圧縮データの初期値Baの1ビットデータが「1」で、その4ビットのカウンタ値Bbが「13(10進表示)」の場合には、伸張後のデータA1〜A14は「111・・・110」となる。
図12の区間(a)は、遅延後の遅延圧縮信号n6が、初期値として1ビットの「0」を持ち、波形変化タイミング情報として伸張されるデータがすべて初期値と同じであることを示す4ビットの「0」を持つ場合を示している。
図12の区間(a)に示すように、動作クロックn2が立ち上がるたびに計数動作を行い、そのカウント値n16が「0」から順に「13」まで増加していき、これらの動作を繰り返す。
このため、反転非反転セレクタ55は、カウント値n16が「0」〜「13」の間に、常に、レジスタ52の保持するデータn45の「0」を、伸張後のデータn7として出力する。これにより、圧縮データが伸張されて、伸張された14個のデータn7を得ることができる。
このため、レジスタ52にはその初期値の「1」が取り込まれて保持され、その保持される「1」が初期値n45として出力される。また、レジスタ53には4ビットのデータの「12」が取り込まれて保持され、その保持される「12」が波形変化タイミング情報n46として出力される。
このため、レジスタ52にはその初期値の「0」が取り込まれて保持され、その保持される「0」が初期値n45として出力される。また、レジスタ53には4ビットのデータの「13」が取り込まれて保持され、その保持される「13」が波形変化タイミング情報n46として出力される。
また、図5の伸張回路34で用いた伸張論理回路38は、圧縮データのビット数から、圧縮単位のデータ分のビット数への変換を行う論理回路になるが、図11の逐一伸張回路50で用いる論理回路は、初期値やカウンタ値のビット数程度の比較論理で回路を構成できる。
32 圧縮回路
33 低速動作シフトレジスタ
34 伸張回路
36 シリアル/パラレル変換器
37 圧縮論理回路
38 伸張論理回路
39 パラレル/シリアル変換器
40 逐一圧縮回路
41 カウンタ
43 初期値記憶レジスタ
44 データ変化点検出器
52、53 レジスタ
54 波形反転信号生成論理回路
55 反転非反転セレクタ
Claims (5)
- 最高周波数aでかつ1ビットの第1のデジタル信号を、周波数bの第1のクロックを用いてT時間遅延させる信号遅延回路であって、
前記第1のデジタル信号にて同じデータが連続する最短の回数をN、log2(2×N)以上の最小の整数をMとしたときに、連続するN個の前記データ群である第1のデータ群を、第1のデータ群がとり得る(2×N)通りの状態に1対1に対応するように、Mビットの第2のデジタル信号に変換する圧縮回路と、
少なくとも[M×{((T×b)/N)−1}]個のシフトレジスタを有し、前記第2のデジタル信号を、周波数(b/N)の第2のクロックレートで、所定時間遅延させたMビットの第3のデジタル信号を生成するレジスタ回路と、
前記第3のデジタル信号を、1対1に対応する(2×N)通りの前記第1のクロックレートのN個連続する1ビットデータである第4のデジタル信号に変換する伸張回路と、
を備えることを特徴とする信号遅延回路。 - 前記圧縮回路は、
前記第1のデジタル信号を(b/a)/2以下の最大の整数であるNビットの第1のパラレル信号に変換するシリアル/パラレル変換回路と、
前記第1のパラレル信号がとり得る(2×N)通りの状態に1対1に対応するように、前記第1のパラレル信号をMビットの前記第2のデジタル信号に変換する第1の変換回路と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の信号遅延回路。 - 前記伸張回路は、
前記第3のデジタル信号を、(2×N)通りの前記第1のパラレル信号に1対1に対応するように、Nビットの第2のパラレル信号に変換する第2の変換回路と、
前記第2のパラレル信号を、前記第4のデジタル信号に変換するパラレル/シリアル変換回路と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号遅延回路。 - 前記圧縮回路は、
前記第1のクロックで「0」から「(N−1)」までカウントするカウンタと、
前記カウンタのカウント値が「0」の時に、前記第1のデジタル信号を取り込み、初期値として記憶する第1の初期値記憶レジスタと、
前記カウント値が「1」から「(N−1)」の時に、前記初期値と前記第1のデジタル信号を比較し、前記第1のデジタル信号の値の変化時のカウント値を(M−1)ビットの波形データとして記憶する波形検出器とを備え、
1ビットの前記初期値と前記(M−1)ビットの波形データとを前記第2のデジタル信号として出力することを特徴とする請求項1に記載の信号遅延回路。 - 前記伸張回路は、
前記カウント値が「(N−1)」の時に、前記第3のデジタル信号の前記第2のデジタル信号の初期値の1ビットに対応するビットを取り込み、初期値として記憶する第2の初期値記憶レジスタと、
前記カウント値が「0」から「(N−2)」の時に、前記第3のデジタル信号の前記第2のデジタル信号の波形データの(M−1)ビットに対応するビットに基づき、前記第3のデジタル信号の変化タイミングを生成する変化タイミング生成回路と、
前記変化タイミングに基づき、前記初期値を反転させる反転回路とを備え、
前記反転回路で反転させた初期値を前記第4のデジタル信号として出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の信号遅延回路。
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