JP4995779B2 - 可変容量型ベーンポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、可変容量型ベーンポンプに関する。
従来、特許文献1に記載されるオイルポンプにあっては、カムリングの揺動によって吐出量を変化させ、省エネ性の向上を図っている。また、プレッシャープレートの後背面にシールリングを設け、このシールリングにより低圧の領域と高圧の領域とに画成している。この低圧の領域は吸入ポートが形成される領域にほぼ対応しており、高圧の領域は吐出ポートが形成される領域にほぼ対応している。
特開2006−275063号公報
しかしながら上記従来技術にあっては、シールリングは単純な円形状であるため、低圧の領域を吸入ポートの形成領域に十分に一致させることができず、また同様に高圧の領域を吐出ポートの形成領域に十分に一致させることができなかった。そのため、プレッシャープレートの両側の圧力バランスが大きく不均衡となる領域が発生し、プレッシャープレートが過度に変形した場合、ロータ等との摺動抵抗が増大するおそれがあった。
本発明は上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、プレッシャープレートの軸方向両面に作用する圧力をバランスさせ、ロータ等との摺動抵抗を低減した可変容量型ベーンポンプを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、シール溝に設けられ、環状に形成され、プレッシャープレートに吐出圧が作用する高圧領域と、吸入圧が作用する低圧領域とに区画するシール部材とを備え、シール部材は、吐出ポートに対応する領域に設けられる第1部分と、この第1部分の一端側と貫通孔を包囲する部分とを接続する第2部分と、第1部分の他端側と貫通孔を包囲する部分とを接続する第3部分と、から構成され、第2部分および第3部分は、外に凸となるように形成され、これら第2部分および第3部分の曲率半径は、第1部分の曲率半径よりも大きくなるように形成されることとした。
よって、プレッシャープレートの軸方向両面に作用する圧力をバランスさせ、過度の変形を回避した可変容量型ベーンポンプを提供できる。
以下、本発明の可変容量型ベーンポンプを実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
[ベーンポンプの概要]
図1はベーンポンプ1の軸方向断面図(図2のI−I断面)、図2は径方向断面図(図1のII−II断面)である。図2ではカムリング4が最もy軸負方向に位置する場合(偏心量最大)を示す。また、図3はポンプボディ11のx軸正方向正面図である。図3では各シール部材210,220および67についても図示する。各シール部材210,220は破線で示す。
なお、駆動軸2の軸方向をx軸とし、ポンプボディ11、リアボディ12へ駆動軸が挿入される方向を正方向とする。また、カムリング4の揺動を規制するスプリング71(図2参照)の軸方向であってカムリング4を付勢する方向をy軸負方向、x、y軸と直交する軸であって吸入通路IN側をz軸正方向とする。
ベーンポンプ1は、駆動軸2、ロータ3、カムリング4、アダプタリング5、ハウジング10を有する。駆動軸2は図外のエンジンとプーリを介して接続し、ロータ3と一体回転する。
ロータ3の外周には軸方向溝である複数のスロット31が放射状に形成され、各スロット31にベーン32が径方向に出没可能に挿入される。また、各スロット31の内径側端部には背圧室33が設けられ、作動油が供給されてベーン32を径方向外側に付勢する。
ハウジング10はポンプボディ11およびリアボディ12から形成される。ポンプボディ11はx軸正方向側に開口する有底カップ形状であり、底部111には円盤状のプレッシャープレート6が収装される。
ポンプボディ11内周部であるポンプ要素収容部112であってプレッシャープレート6のx軸正方向側には、アダプタリング5、カムリング4、およびロータ3が収装される。
リアボディ12はx軸正方向側からアダプタリング5、カムリング4、およびロータ3と液密に当接し、アダプタリング5、カムリング4、およびロータ3はプレッシャープレート6およびリアボディ12に挟持されることとなる。
プレッシャープレート6には駆動軸挿入孔66が設けられて駆動軸2が挿入される。また、x軸正方向側面であってロータ3との摺動面61およびリアボディ12のx軸負方向側面120には、それぞれ吸入ポート62,121および吐出ポート63,122が設けられている。
この吸入ポート62,121は吸入通路INと接続し、吐出ポート63,122は吐出口OUTと接続してロータ3とカムリング4の間に形成されるポンプ室Bへの作動油の給排を行う。吸入ポート62,121は複数のポンプ室Bの容積が増大する領域(吸入領域Bz+)に開口し、吐出ポート63,122は複数のポンプ室Bの容積が縮小する領域(吐出領域Bz−)に開口する。
また、ロータ3とプレッシャープレート6は異なる材料で形成され、プレッシャープレート6は、ロータ3よりも軟らかい材料で形成される。具体的には、ロータ3は鉄系材料で形成され、プレッシャープレート6はアルミニウム合金、銅合金、または鉄系焼結金属で形成される。
このため摺動面61とロータ3との干渉が発生した場合、あるいは異物が噛みこんだ場合にロータ3とプレッシャープレート6のうちどちらか弱い部材が緩衝材となり、かじりや焼き付きを回避する。また、後述のようにプレッシャープレート6に作用する圧力のバランスを取ることで、プレッシャープレート6に軟らかい材料を用いて緩衝材としての機能を持たせるものである。
また、プレッシャープレート6の素材を軸受け鋼とすることで、かじりや焼き付きを回避する。なお、プレッシャープレート6の表面(摺動面61、バックアップ面68)には、アルミニウム合金または銅を蒸着し、プレッシャープレート6の剛性と耐かじり性を両立するとともに、さらに薄肉化、小型化を図ってもよい。
アダプタリング5はy軸側を長軸、z軸側を短軸とする略楕円状の円環部材であり、外周側においてポンプボディ11に収装されるとともに、内周側においてカムリング4を収装する。ポンプ駆動時にポンプボディ11内で回転しないよう、アダプタリング5はピン部材81によりポンプボディ11に対し回転を規制される。
カムリング4は略真円の円環状部材であり、外周はアダプタリング5の短軸とほぼ同径に設けられている。したがって、略楕円状のアダプタリング5に収装されることにより、アダプタリング5内周とカムリング4外周の間には流体圧室Aが形成され、カムリング4はアダプタリング5内においてy軸方向に揺動可能となる。
アダプタリング内周53のy軸負方向側端部にはストッパ部54が設けられ、カムリング4のy軸負方向移動を係止する。また、ストッパ部54のx軸方向両側は切り欠かれて連通溝部54aを形成し、第1流体圧室A1内でz軸正方向側と負方向側との作動油の連通をスムーズに行う。
また、アダプタリング内周面53のz軸正方向端部にはシール部材50が設けられ、z軸負方向端部には揺動支持面Nが形成される。アダプタリング5はこの揺動支持面Nにおいてカムリング4のz軸負方向を係止する。
揺動支持面Nには板部材80が設けられ、この板部材80の揺動支持面Nとシール部材50により、カムリング4とアダプタリング5との間の流体圧室Aはy軸負、正方向に画成されて第1、第2流体圧室A1,A2を形成する。
カムリング4とアダプタリング5との間にはピン部材81が設けられ、カムリング4外周に設けられた凹部に係止されて駆動軸2回りのカムリング4の回転を防止する。
ポンプボディ11およびリアボディ12にはピン孔170,180が設けられている。またプレッシャープレート6にはx軸方向貫通孔であるピン孔65が設けられ、これらのピン孔170,180および65にピン部材81が挿入される。
また、プレッシャープレート6を貫通したピン部材81がポンプボディ11およびリアボディ12側まで及んでピン孔170,180により保持されるため、プレッシャープレート6の支持性をさらに高めるとともに、カムリング4の回転規制能力を向上させる。
ロータ3の外径はカムリング内周41よりも小径に設けられ、カムリング4内周側に収装される。カムリング4が揺動し、ロータ3とカムリング4の相対位置が変化した場合であっても、ロータ3の外周はカムリング内周41と当接しないよう設けられている。
また、揺動によりカムリング4が最もy軸負方向に位置する場合、カムリング内周41とロータ3外周との距離はy軸負方向側において最大となる。カムリング4が最もy軸正方向に位置する場合は、同様に距離Lはy軸正方向側において最小となる。
ベーン32の径方向長さは距離Lの最大値よりも大きく設けられており、そのためベーン32は、カムリング4とロータ3との相対位置によらず、常にスロット31に挿入されつつカムリング内周41に当接した状態を維持することとなる。これにより、ベーン32は常時背圧室33から背圧を受け、カムリング内周41と液密に当接する。
したがって、カムリング4とロータ3との間の領域は、隣り合うベーン32によって常時液密に画成されてポンプ室Bを形成する。揺動によりロータ3とカムリング4が偏心状態にあれば、ロータ3の回転に伴って各ポンプ室Bの容積が変化する。
プレッシャープレート6およびリアボディ12に設けられた吸入ポート62,121および吐出ポート63,122は、ロータ3の外周に沿って設けられ、各ポンプ室Bの容積変化により作動油の給排が行われる。
また、プレッシャープレート6のx軸負方向側面(ロータ3の反対側面)であるバックアップ面68には、第1、第2シール部材210,220が設けられている(図3参照)。第1シール部材210は吸入ポート62の内周側かつ吐出ポート63の外周側に設けられ、第2シール部材220は吸入、吐出ポート62,63の内周側かつ駆動軸2の外周側に設けられている。
この第1、第2シール部材210,220によってバックアップ側高圧領域Dbおよびバックアップ側低圧領域Eb(図4以降に後述)が画成される。バックアップ側高圧領域Dbは第1、第2シール部材210,220の間に形成され、バックアップ側低圧領域Ebは第1シール部材210の外周側に形成される。さらに、プレッシャープレート6の最外周部にはシール部材67が設けられている。
第1シール部材210はフロントハウジング11の吐出圧導入溝111aの外周側に設けられ、第2シール部材220は吐出圧導入溝111aの内周側であって駆動軸挿入孔116を包囲する位置に設けられる。また、吐出圧導入溝111aの内外周にはシール溝111bが設けられ、このシール溝111bに第1、第2シール部材210,220が嵌め込まれる。
このシール溝111bには断続的に複数の突起部111cが設けられている。突起部111cは吐出圧導入溝111aの底部からx軸正方向側に突出し、各シール部材210,220はこの突起部111cにおいて保持される。突起部111cは、外周側の第1シール部材210が設けられるシール溝111bにおいては内周側に突出し、内周側の第2シール部材220が設けられるシール溝111bにおいては外周側に突出する。
したがって、各シール部材210,220のx軸負方向側であって突起部111c以外の場所には吐出圧が導入され、各シール部材210,220をx軸正方向側に押圧することとなる。
また、第1シール部材210はz軸正方向側およびy軸方向両側を頂点とする略三角形状であり、z軸負方向側の第1部分210a、y軸負方向側の第2部分210b、およびy軸正方向側の第3部分210cから形成される。第1〜第3部分210a〜210cは内周に対し外側に凸となる曲線で形成される。第1部分210aの曲率半径は第2、第3部分210b、210cの曲率半径よりも大きく設けられている。
プレッシャープレート6の摺動面61には、ベーン32の背圧室33に吐出圧を供給する吸入側、吐出側ベーン背圧溝61a,61bが設けられている。各ベーン背圧溝61a,61bは溝61cによって連通され(図4参照)、吐出側ベーン背圧溝61bは油路61dを介してフロントボディ底部111に設けられた吐出圧導入溝111aに接続される。
アダプタリング5のy軸正方向端部には径方向貫通孔51が設けられている。また、ポンプボディ11のy軸正方向端部にはプラグ部材挿入孔114が設けられ、有底カップ形状のプラグ部材70が挿入されてポンプボディ11、リアボディ12外部との液密を保つ。
このプラグ部材70の内周にはスプリング71がy軸方向に伸縮可能に挿入され、アダプタリング5の径方向貫通孔51を貫通してカムリング4に当接し、y軸負方向へ付勢する。
スプリング71は揺動量が最大となる方向にカムリング4を付勢し、圧力の安定しないポンプ始動時において吐出量(カムリング4揺動位置)を安定させるものである。
[第1、第2流体圧室への作動油の供給]
アダプタリング5のz軸正方向側であってシール部材50のy軸負方向側には貫通孔52が設けられている。この貫通孔52はそれぞれポンプボディ11内に設けられた油路113を介して制御バルブ7へ連通し、y軸負方向側の第1流体圧室A1と制御バルブ7を接続する。油路113は制御バルブ7を収容するバルブ収装孔115に開口し、ポンプ駆動に伴って制御圧が第1流体圧室A1に導入される。
制御バルブ7は油路21,22を介して吐出ポート63,122と接続する。油路22上にはオリフィス8が設けられ、制御バルブ7にはオリフィス8の上流圧である吐出圧と、オリフィス8の下流圧が導入される。この差圧とバルブスプリング7aによって制御バルブ7は駆動され、制御圧を生成する。
したがって第1流体圧室A1には制御圧が導入され、この制御圧は吸入圧、吐出圧に基づき生成されるため、制御圧≧吸入圧となる。
一方、第2流体圧室A2には低圧供給通路160を介して吸入圧が導入される。この低圧供給通路160はリアボディ12において吸入通路INとx軸負方向側面120とを連通し、吸入通路INと第2流体圧室A2とを接続する油路であって、カムリング4の揺動位置によらず常に第2流体圧室A2に開口する。
第2流体圧室A2には常時吸入圧が導入されるため、これにより本願ベーンポンプ1では第1流体圧室A1の液圧P1のみが制御される。一方、第2流体圧室A2の液圧P2は制御されず常時P2=吸入圧となる。これにより、第2流体圧室A2を常時安定した圧力とし、油圧外乱を防止して安定したカムリング4の揺動制御が実行可能となる。
[カムリングの揺動]
カムリング4が第1流体圧室A1の圧力P1から受けるy軸正方向の付勢力が、第2流体圧室A2の油圧P2とスプリング71から受けるy軸負方向の付勢力の和よりも大きくなれば、カムリング4は板部材80との当接点を回転中心としてy軸正方向に揺動する。揺動によりy軸正方向側のポンプ室By+は容積が拡大し、y軸負方向側のポンプ室By-は容積が減少する。
y軸負方向側のポンプ室By-の容積が減少すると、単位時間あたりに吸入ポート62,121から吐出ポート63,122へ供給される油量が減少し、オリフィス8の上流圧と下流圧の差圧が低下する。
これにより、制御バルブ7はバルブスプリング7aにより押し戻され、制御バルブ7の制御圧が下げられる。よって第1流体圧室A1の圧力P1も低下し、y軸負方向への付勢力の和に抗し切れなくなると、カムリング4はy軸負方向側に揺動する。
y軸正、負方向の付勢力がほぼ等しくなると、カムリング4に作用するy軸方向の力が釣り合ってカムリング4は静止する。これにより油量が増加するとオリフィス8の差圧が上昇し、制御バルブ7はバルブスプリング7aを押してバルブ制御圧が上昇する。
このため上記とは逆にカムリング4はy軸正方向へ揺動する。実際にはカムリング4は揺動ハンチングを起こすことなく、オリフィス8のオリフィス径とスプリング7aとにより設定された流量が一定となるように、カムリング4の偏心量が決定される。
[プレッシャープレートにおける圧力分布]
(閉じ込み領域)
図4はプレッシャープレート6のx軸正方向正面図である。プレッシャープレート6のx軸負方向側面であるバックアップ面68には、油路63a(図1参照)を介して吐出ポート63から吐出圧が供給される。この吐出圧はポンプボディ11の底部111に設けられた吐出圧導入溝111a(図3参照)によって底部111のz軸負方向側に導入される。
導入された吐出圧はプレッシャープレート6をロータ3側(x軸正方向側)に押圧し、ロータ3とプレッシャープレート6間のクリアランスを詰めてリークを抑制する。また、吐出圧は油路61dを介して吸入側、吐出側ベーン背圧溝61a,61bに供給され、ベーン32を外径方向に付勢する。
ここで、プレッシャープレート6のx軸正方向側面である摺動面61は、ロータ3およびベーン32とともにポンプ室Bを形成する面である。そのため、摺動面61であって吸入ポート62と吐出ポート63の間の領域は、ポンプの吸入圧と吐出圧が交互に入れ替わる閉じ込み領域Cp(図4の斜線部分)となる。
また、吸入ポート始端602および吐出ポート始端603にはそれぞれノッチ溝621,631が設けられている。吸入、吐出ポート終端601,604を結ぶ直線をK1、吸入、吐出側ノッチ溝622,631の先端621a,631aを結ぶ直線をK2とすると、閉じ込み領域Cpは直線K1とK2、およびロータ側吐出領域Dpのz軸正方向側の外径線302(後述)とで囲まれた領域に形成される。
なお、z軸正方向側外径線302は吸入ポート62の内径線62inと吸入側ベーン背圧溝61aの外径との中央線である。また、閉じ込み領域Cpの外径線305はカムリング4の内周41および外周42の中央線である。
第1閉じ込み領域Cp1はy軸負方向側に形成され、第2閉じ込み領域Cp2はy軸正方向側に形成される。第1閉じ込み領域Cp1では吸入圧から吐出圧へ入れ替わり、第2閉じ込み領域Cp2では吐出圧から吸入圧へ切り替わる。
摺動面61上の閉じ込み領域Cpではロータ3、ベーン32の回転によって閉じ込みと吐出が切り替わるため、この閉じ込み領域Cpを明確に規定した上で、バックアップ面68上にバックアップ側高圧領域Dbを設定する(以下説明)ことにより、プレッシャープレート6上の油圧バランスをさらに向上させる。
(圧力分布)
図5はプレッシャープレート6の摺動面61におけるポンプ吐出圧および吸入圧の圧力分布(ロータ側吸入、吐出領域Ep,Dp)を示す図である。なお、カムリング4およびアダプタリング5も併せて図示する。また、第1、第2閉じ込み領域Cp1,Cp2は太線の囲みで示す。
摺動面61はロータ3およびスロット31とともにポンプ室Bを形成するため、摺動面61上において吐出ポート63と連通するポンプ室Bの一部を形成する領域は、吐出圧が作用するロータ側吐出領域Dp(網掛け部分および斜線部分)となる。
同様に、吸入ポート62と連通するポンプ室Bの一部を形成する領域は、吸入圧が作用するロータ側吸入領域Epとなる。なお、ロータ側吸入領域Epは、摺動面61において吐出領域Dp以外の領域となる。
ここで、吐出圧はフロントボディ底部111の吐出圧導入溝111aおよび吐出側ベーン背圧溝61bを介して吸入側ベーン背圧溝61aに導入される(図1参照)。
このため吸入側ベーン背圧溝61a付近には吐出圧が作用し、吸入側ベーン背圧溝61aから一定の範囲にロータ側吐出領域Dpが延在してz軸正方向側吐出領域Dpz+(斜線部分)を形成する。
なお、このz軸正方向側吐出領域Dpz+の内径線301は、吸入側ベーン背圧溝61aの内径線61ainと駆動軸挿入孔66の外周との中央線とする。また外径線302は、吸入側ベーン背圧溝61aの外径線61aoutと吸入ポート62の内径線62inとの中央線とする。なお、内径線301は駆動軸2周りの円周であり、後述のz軸負方向側吐出領域Dpz−の内周と共通である。
また、ロータ側吐出領域Dpは第1、第2閉じ込み領域Cp1,Cp2の内周側、および吐出ポート63および吐出側ベーン背圧溝61bから一定の範囲にも延在し、z軸負方向側吐出領域Dpz−を形成する(網掛け部分)。
z軸負方向側吐出領域Dpz−の内径線301は吐出側ベーン背圧溝61bの内径線61binと駆動軸挿入孔66の外周の中央線である。
一方、z軸負方向側吐出領域Dpz−の外径線303については、吐出ポート63がカムリング4と重複する場所か否かによって定義が異なる。重複しない場所においてはカムリング4の内周41と外周42の中央線であるが、重複する場所においては吐出ポート63の外径線63outとカムリング外周42の中央線とする。
以上のとおり、ロータ側吐出領域Dpの面積は、これらの内径線301および外径線302,303に囲まれた領域の面積Spである。
(シール部材)
図6は図5の摺動面61に第1、第2シール部材210,220を投影した図(投影線は破線)である。第1、第2シール部材210,220は、吸入、吐出ポート62,63の周方向略中点を結ぶ中線III−IIIに対し線対称である。
第2シール部材220の投影線は内周側に駆動軸2を包含する。また、第1シール部材210の投影線は、内周側に駆動軸2、吐出側ベーン背圧溝61bおよび吐出ポート63を包含する。
第1、第2シール部材210,220で包囲される範囲に吐出ポート63が存在するため、吐出ポート63内に設けられた油路63aを介して吐出圧が導入され、バックアップ面68において第1、第2シール部材210,220で囲まれる領域はバックアップ側高圧領域Dbとなる。
一方、第1シール部材210の外周側には吸入ポート62に設けられた貫通孔62aを介して吸入圧が導入され、バックアップ側低圧領域Ebとなる。
なお、第1、第2シール部材210,220も油圧によってプレッシャープレート6に押圧されるため、バックアップ側高圧領域Dbの面積Sbには第1、第2シール部材210,220の面積も含まれるものとする。したがって、面積Sbは第1シール部材外径線213と第2シール部材内径線221とで囲まれた面積となる。
また、第1シール部材210の投影線は、吸入側ベーン背圧溝61aは包含する。第1シール部材210のz軸正方向側部211は吸入ポート62と吸入側ベーン背圧溝61aとの間に位置し、z軸負方向側部212は吐出ポート63の外周側に位置する。
(シール部材とロータ側吐出領域との位置関係)
図7はz軸負方向側における第1シール部材210とロータ側吐出領域Dpとの位置関係を示す図である。なお、図7では第2シール部材220は省略する。また、第1シール部材210およびバックアップ高圧領域Dbは破線で示す。
第1シール部材210はプレッシャープレート6のピン孔65を包含しない。すなわち、駆動軸2の中心Oとピン孔65を結ぶ直線L上では第1シール部材210はピン孔65の内周側に位置する。これによりピン孔65をバックアップ側低圧領域Eb内に位置させ、ピン孔65からの吐出圧の漏れを回避してポンプ効率を向上させる。
また、駆動軸中心Oを中心としてピン孔65を通る円周65a上において、ピン孔65の両側で第1シール部材210と円周65aは交差し、第1シール部材210の外周213がロータ側吐出領域Dpのz軸負方向側外径線303の外周に突出する。
したがって第1シール部材210の外周213は駆動軸2の中心Oとピン孔65を結ぶ直線L上での径Rよりも、ピン孔65を通らない直線上での径Rのほうが大きくなる。これにより第1シール部材210とピン孔65が干渉することがなくなり、第1シール部材210の外周213に内包される高圧がピン孔65を介して漏れることを回避してポンプ効率を向上させる。
(シール部材とベーン背圧溝との位置関係)
図8は図5、図6を組み合わせた図(図5に第1、第2シール部材210,220を追記した図)、図9はプレッシャープレート摺動面61におけるz軸正方向側部分の拡大図である。図9の斜線部分はロータ側吐出領域Dpのz軸正方向側吐出領域Dpz+である。
なお、バックアップ側高圧領域Dbは摺動面61とは反対側のバックアップ面68に形成されるため、図8では摺動面61への投影面とする。
第1シール部材210の投影線は吸入側ベーン背圧溝61aの外径線61aoutよりも外周側に位置する。このためバックアップ側高圧領域Dbの投影面は吸入側ベーン背圧溝61aの外周側に延在する。
さらに、第1シール部材210の投影線はロータ側吐出領域Dpのz軸正方向側吐出領域Dpz+の外周にも延在する第1外周側延在部Dbout1を形成する。バックアップ側高圧領域Dbには吐出圧が供給されるため、この第1外周側延在部Dbout1にも吐出圧が導入される。
摺動面61上の吸入側ベーン背圧溝61aに吐出圧を導入するため、バックアップ面68上において吸入側ベーン背圧溝61aと対向する位置に高圧が導入される第1外周側延在部Dbout1を設け、吸入側ベーン背圧溝61aの吐出圧に対抗させる。これにより圧力バランスの向上を図る。
さらに、バックアップ側高圧領域Dbは、吸入側ベーン背圧溝61aおよび吐出側ベーン背圧溝61bを内包し、第2シール部材220の外周縁は吸入側ベーン背圧溝61aの内周縁よりも外周側に位置し、第2シール部材220の内周縁は吸入側ベーン背圧溝61aの内周縁よりも内周側に位置する。
プレッシャープレート6の駆動軸挿入孔66は開放端であるため圧力による変形量が大きい。また、プレッシャープレート6の吸入側、吐出側ベーン背圧溝61a,61bよりも内周は吸入圧が作用する。
したがってバックアップ面68においては、吸入側ベーン背圧溝61aから吐出圧が駆動軸挿入孔66側へ漏れない限度で、第2シール部材220を極力外周側に設ける。これにより駆動軸2の周囲で低圧領域Ebを大きく、高圧領域Dbを小さくするよう第2シール部材220の形状を設定し、駆動軸挿入孔66周辺にかかる圧力を抑制して駆動軸挿入孔66付近の変形を抑制する。
(第1、第2閉じ込み領域付近)
図10、図11はそれぞれプレッシャープレート摺動面61の部分拡大図である。図10はy軸負方向側の第1閉じ込み領域Cp1付近、図11はy軸正方向側の第2閉じ込み領域Cp2付近を示す。
なお、第1、第2閉じ込み領域Cp1,Cp2をバックアップ面68側に投影した領域を、第1、第2投影領域Cb1,Cb2とする。また、図8と同様にバックアップ側高圧領域Dbは摺動面61への投影面とし、破線で示す。摺動面61側のロータ側吐出領域Dpは太線で示す。
バックアップ面68においては、第1、第2投影領域Cb1,Cb2内にはともに第1シール部材210が位置する。このため第1、第2投影領域Cb1,Cb2は、第1シール部材210によってそれぞれ2つの領域に画成される。
第1シール部材210の内周側は高圧領域Dbであるため、第1、第2投影領域Cb1,Cb2において第1シール部材210によって画成された内周側の領域はそれぞれ第1、第2投影領域高圧部Cb1,Cb2(細網掛け部分)となる。一方、外周側の領域はそれぞれ第1、第2投影領域低圧部Cb1,Cb2(斜線部分)となる。
ここで、第1投影領域高圧部Cb1は第1投影領域低圧部Cb1よりも広く、高圧側の面積Sb1は第1投影領域Cb1の面積Sb1の半分以上を占めることとする。
第2投影領域Cb2においても、同様に第2投影領域高圧部Cb2は第2投影領域低圧部Cb2よりも広く、高圧側の面積Sb2は第2投影領域Cb2の面積Sb2の半分以上を占めることとする。
ポンプ室Bが第1、第2閉じ込み領域Cp1,Cp2を通過する際に吸入・吐出が切り替わって圧力変動が発生し、この圧力変動によってプレッシャープレート6がバックアップ面68側(x軸負方向側)に変形し、かじりや摩耗のおそれがある。
したがって第1、第2投影領域Cb1,Cb2の一部を高圧部Cb1,Cb2とし、ポンプ室Bの圧力に対抗してプレッシャープレート6をロータ3側(x軸正方向側)に押圧してプレッシャープレート6にかかるx軸方向の力を極力相殺し、プレッシャープレート6の変形を抑制する。
その際、第1、第2投影領域Cb1,Cb2の高圧部Cb1,Cb2の面積Sb1,Sb2を、第1、第2投影領域Cb1,Cb2の面積Sb1,Sb2の半分以上とすることで、プレッシャープレート6にかかるx軸方向の力をバランスさせてプレッシャープレート6の変形をさらに抑制する。
また、プレッシャープレート6をバックアップ面68側(x軸負方向側)から押圧することにより、プレッシャープレート6とロータ3とのクリアランスを減少させてリークを低減し、ポンプ効率を向上させる。
(バックアップ面における3点支持)
図12はロータ側吐出領域Dpとバックアップ側高圧領域Dbとの対比図である。バックアップ側高圧領域Db(第1シール部材210の外径線213と第2シール部材220の内径線221で包囲される領域)は太破線、ロータ側吐出領域Dpは太実線で示す。
バックアップ側高圧領域Dbのz軸正方向側部分である第1外周側延在部Dbout1は、ロータ側吐出領域Dpのz軸正方向側吐出領域Dpz+の外周側に延在し、バックアップ側高圧領域Dbの一部として高圧が導入される。
また、上述のように第1シール部材210がロータ側吐出領域Dpのz軸負方向側外径線303の外周に突出し、突出部分は第2、第3外周側延在部Dbout2,Dbout3を形成し、こちらにもバックアップ側高圧領域Dbの一部として高圧が導入される。
したがってプレッシャープレート6のy軸負方向側面であるバックアップ面68は、z軸正方向側の第1外周側延在部Dbout1、y軸負方向側における第2外周側延在部Dbout2、y軸負方向側における第3外周側延在部Dbout3の3点でy軸正方向側に押圧されることとなる。
ここで、第1外周側延在部Dbout1、および第2、第3外周側延在部Dbout2,Dbout3はいずれも摺動面61側のロータ側吐出領域Dpの外径側に位置する。
これによりポンプ室B側の高圧領域であるロータ側吐出領域Dpの周囲3点おいてプレッシャープレート6をバランスよくロータ3に押し付け、駆動軸2(y軸)に対するプレッシャープレート6の傾斜を抑制しつつ、ポンプ効率と耐かじり性の向上を図っている。
[第1シール部材の形状]
図13は従来例の第1シール部材210'、図14は本願の第1シール部材210のx軸正方向正面図である。第1シール部材210はz軸正方向側およびy軸方向両側を頂点とする略三角形状であり、z軸負方向側の第1部分210a、y軸負方向側の第2部分210b、およびy軸正方向側の第3部分210cから形成される。従来例の第1シール部材210'も、同様に第1、第2、第3部分210a',210b',210c'を有する。
従来例の第1シール部材210'では、第2、第3部分210b'、210c'のz軸正方向側は直線に設けられた直線部214'(斜線部分)を有していた。一方、本願の第1シール部材210の第2、第3部分210b、210cには直線部分が存在せず、第1シール部材210の内周に対し外側に凸となる曲線で形成される。
また、第1部分210aも外側に凸の曲線で形成されるが、第1部分210aの曲率半径は第2、第3部分210b、210cの曲率半径よりも大きく設けられている。
[段差による第1シール部材のシール性向上]
図13は第1シール部材210を組み付けたポンプボディ11のx軸正方向正面図である。また、図14は図13のIV−IV断面図である。なお、図13では第1シール部材210を破線で示す。
突起部111cの存在により、第1シール部材210のx軸負方向側には吐出圧導入溝111aから供給される高圧が作用し、第1シール部材210はx軸正方向側(プレッシャープレート6側)に押圧される。これにより第1シール部材210のシール性が向上する。
また、第1シール部材210は、自然長の状態において外形がシール溝111bの外形よりも大きくなるように形成される。このため、第1シール部材210は一定の締め代をもってポンプボディ11に組み付けられ、第1シール部材210には内周側への締め代圧力が作用する。したがって第1シール部材210をシール溝111bに組み込んだ状態において第1シール部材210がシール溝111bに密着し、シール効果が十分に発揮される。
[第1シール部材の変形抑制]
図15、図16は第1シール部材210のx軸正方向正面図、図17、図18は組み付け時の締め代圧力が作用した際の第1シール部材210にかかる力を示す図である。図15,図17は従来例、図16、図18は本願である。
第1シール部材210は一定の締め代をもってポンプボディ11に組み付けられるため、第1シール部材210には内周側への締め代圧力による力が作用する。その際、従来例では第2、第3部分210b'、210c'に設けられた直線部214'が締め代圧力に抗しきれずに内周側へ凸に変形し、吐出圧導入溝111aから第1シール部材210の外周側へ吐出圧がリークするおそれがある。
本願では第2、第3部分210b、210cがともに外側に凸の曲率を有するため、第1シール部材210は内周側への締め代圧力に対する剛性が高い。したがって本願の第1シール部材210はポンプボディ11に組み付けた際にも内周側に変形することがなく、従来例のように吐出圧のリークもない。
[圧力−流量特性の対比(突起部を考慮しない場合)]
図19従来例と本願の圧力−流量特性の対比図である。図19では突起部111cの影響を無視した場合を示す。
従来例では締め代圧力によって直線部214'が内周側に変形してリークが大きくなるため、同一圧力に対する流量が本願よりも低くなる。本願では第2、第3部分210b、210cを外側に凸として締め代圧力に対する剛性を高めているため、従来例よりもリークが小さい。
[圧力−流量特性の対比(突起部を考慮した場合)]
図20は突起部111cの影響を考慮した場合の圧力−流量特性を示す図である。本願のように突起部111cを断続的に複数設ける場合と、シール溝111bの全周にわたって連続して段状の突起部111cを設けた比較例も示す。
本願のように突起部111cを断続的に複数設けた場合、第1シール部材210のx軸負方向側に吐出圧が導入されて第1シール部材21がプレッシャープレート6に押圧され、リークが低減する(図14参照)。
一方、比較例ではシール溝111bの全周にわたって突出部111cを設けているが、突起部111cと第1シール部材210とが当接する部分には吐出圧が入り込まない。そのため比較例では第1シール部材210のx軸負方向側面上における吐出圧の受圧面積が小さくなる。
これにより、比較例では本願と比べ第1シール部材210をプレッシャープレート6に押圧する力が低下し、リークが大きくなる。よって同一圧力に対する流量は従来例よりも改善されるものの、本願よりは劣る。
[実施例1の効果]
(1)プレッシャープレート6の軸方向一方側の面(バックアップ面68)、またはポンプボディ11であってこの一方側の面に対向する面(フロントボディ底部111)に形成され、吐出ポート63に対応する領域と貫通孔66とを包囲するように形成されたシール溝111bと、
シール溝111bに設けられ、環状に形成され、プレッシャープレート6に吐出圧が作用するバックアップ側高圧領域Dbと、吸入圧が作用するバックアップ側低圧領域Ebとに区画する第1シール部材210を備え、
第1シール部材210は、吐出ポート63に対応する領域に設けられる第1部分210aと、この第1部分210aの一端側と貫通孔66を包囲する部分とを接続する第2部分210bと、第1部分210aの他端側と貫通孔66を包囲する部分とを接続する第3部分210cと、から構成され、
第2部分210bおよび第3部分210cは、外に凸となるように形成され、これら第2部分210bおよび第3部分210cの曲率半径は、第1部分210aの曲率半径よりも大きくなるように形成されることとした。
第2部分210bと第3部分210cが外に凸の形状であるため、第1シール部材210をシール溝111bに組み込んだ状態において、これら第2、第3部分210b、210cが内側へ向かって凸に変形することを抑制可能となる。よって、第1シール部材210とシール溝111bとの間に隙間が形成されることを防止し、第1シール部材210における漏れを抑制することができる。
(2)プレッシャープレート6であってロータ3と摺動する面を摺動面61とし、
プレッシャープレート6であって摺動面61と反対側の面をバックアップ面68とし、
摺動面61上であって吐出ポート63の始端603と吸入ポート62の終端601との間を第1閉じ込み領域Cp1とし、
摺動面61上であって吸入ポート62の始端602と吐出ポート63の終端604との間を第2閉じ込み領域Cp2とし、
バックアップ面68上に第1閉じ込み領域Cp1を投影した第1投影領域Cb1内に設けられ、高圧が導入される第1投影領域高圧部Cb1と、
バックアップ面68上に第2閉じ込み領域Cp2を投影した第2投影領域Cb2内に設けられ、高圧が導入される第2投影領域高圧部Cb2を有することとした。
これにより、第1シール部材210によって、より適切にバックアップ側高圧領域Dbとバックアップ側低圧領域Ebを画成することができる。
(3)第1シール部材210は、自然長の状態において外形がシール溝111bの外形よりも大きくなるように形成されることとした。
第1シール部材210をシール溝111bに組み込んだ状態において第1シール部材210がシール溝111bに密着し、シール効果を十分に発揮させることができる。
(4)シール溝111bの底側で、かつバックアップ側低圧領域Ebに隣接する側に設けられ、第1シール部材210とシール溝111bとの密着を防止する突起部111cをさらに有することとした。
バックアップ側高圧領域Dbからの高圧油がシール溝111bの底と第1シール部材210との間に入り込みやすくなる。よって、高圧油により第1シール部材210を十分にプレッシャープレート6に押圧し、シール効果を向上させることができる。
(5)突起部111cは、断続的に周方向に複数個設けられることとした。
突起部111cが設けられる部分は第1シール部材210の受圧面とはならない。そこで、突起部111cの形成箇所を断続的に設定することにより、第1シール部材210の受圧面積を増大させ、シール効果を向上させることができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
図20、図21はプレッシャープレート6にシール溝68a,68bを設けた例である。図21は図20のV−V断面図である。実施例1ではポンプボディ11にシール溝111bを設けて第1、第2シール部材210,220を組み込んだが、図21、図22に示すようにプレッシャープレート6のバックアップ面68にシール溝68a,68bを設けて第1、第2シール部材210,220を組み込んでもよい。
この場合、バックアップ面68に吐出圧導入溝68dを設け、この吐出圧導入溝68dの外周側に第1シール部材210を組み込むシール溝68a、内周側に第2シール部材22を組み込むシール溝68bを設ける。各シール溝68a,68bにはそれぞれ実施例1と同様に突起部68cが断続的に設けられ、これにより実施例1と同様の作用効果を得る。
実施例1におけるベーンポンプの軸方向断面図(図2のI−I断面)である。 実施例1におけるベーンポンプの径方向断面図(図1のII−II断面)である(偏心量最大)。 ポンプボディのx軸正方向正面図である。 プレッシャープレートのx軸正方向正面図である。 プレッシャープレートの摺動面におけるポンプ吐出圧および吸入圧の圧力分布を示す図である。 図5の摺動面に第1、第2シール部材を投影した図である。 z軸負方向側における第1シール部材とロータ側吐出領域との位置関係を示す図である。 図5、図6を組み合わせた図(図5に第1、第2シール部材を追記した図である。 プレッシャープレート摺動面におけるz軸正方向側部分の拡大図である。 プレッシャープレート摺動面の部分拡大図(第1閉じ込み領域付近)である。 プレッシャープレート摺動面の部分拡大図(第2閉じ込み領域付近)である。 ロータ側吐出領域とバックアップ側高圧領域との対比図である。 第1シール部材を組み付けたポンプボディのx軸正方向正面図である。 図13のIV−IV断面図である。 第1シール部材のx軸正方向正面図である(従来例)。 第1シール部材のx軸正方向正面図である(本願)。 第1シール部材にかかる締め代圧力を示す図である(従来例)。 第1シール部材にかかる締め代圧力を示す図である(本願)。 圧力−流量特性の対比図である(突起部の影響を無視した場合)。 圧力−流量特性の対比図である(突起部の影響を考慮した場合)。 他の実施例を示す図である。 他の実施例を示す図である(図20のV−V断面)。
符号の説明
1 ベーンポンプ
2 駆動軸
3 ロータ
4 カムリング
6 プレッシャープレート
11 ポンプボディ
12 リアボディ
31 スロット
32 ベーン
61 摺動面
62 吸入ポート
63 吐出ポート
66 貫通孔
68 バックアップ面(軸方向一方側の面)
111 フロントボディ底部(一方側の面に対向する面)
111b シール溝
111c 突起部
210 第1シール部材
210a 第1部分
210b 第2部分
210c 第3部分
601 吸入ポート終端
602 吸入ポート始端
603 吐出ポート始端
604 吐出ポート終端
B ポンプ室
Cp1 第1閉じ込み領域
Cp2 第2閉じ込み領域
Cb1 第1投影領域
Cb1第1投影領域高圧部
Cb2 第2投影領域
Cb2第2投影領域高圧部
Db バックアップ側高圧領域
Eb バックアップ側低圧領域
Na 揺動支点

Claims (5)

  1. ポンプボディと、
    前記ポンプボディに軸支される駆動軸と、
    前記ポンプボディ内に設けられ、前記駆動軸に回転駆動されるロータと、
    前記ロータの周方向に複数個設けられたスロットに出没自在に設けられたベーンと、
    前記ポンプボディ内であって揺動支点を中心に揺動自在に設けられるとともに、環状に形成され、内周側に前記ロータおよび前記ベーンとともに複数のポンプ室を形成するカムリングと、
    前記ポンプボディを閉塞するリアボディと、
    前記ポンプボディに収容され、前記駆動軸が貫通される貫通孔が形成され、軸方向一方側から吐出圧を受けることにより前記ロータ側に付勢されるプレッシャープレートと、
    前記プレッシャープレートに設けられ、前記複数のポンプ室の容積が増大する領域に開口する吸入ポートと、前記複数のポンプ室の容積が縮小する領域に開口する吐出ポートと、
    前記プレッシャープレートの前記軸方向一方側の面、または前記ポンプボディであってこの一方側の面に対向する面に形成され、前記吐出ポートに対応する領域と前記貫通孔とを包囲するように形成されたシール溝と、
    前記シール溝に設けられ、環状に形成され、前記プレッシャープレートに吐出圧が作用する高圧領域と、吸入圧が作用する低圧領域とに区画するシール部材と
    を備え、
    前記シール部材は、前記吐出ポートに対応する領域に設けられる第1部分と、この第1部分の一端側と前記貫通孔を包囲する部分とを接続する第2部分と、前記第1部分の他端側と前記貫通孔を包囲する部分とを接続する第3部分と、から構成され、
    前記第2部分および前記第3部分は、外に凸となるように形成され、これら第2部分および第3部分の曲率半径は、前記第1部分の曲率半径よりも大きくなるように形成されること
    を特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
  2. 請求項1に記載の可変容量型ベーンポンプにおいて、
    前記プレッシャープレートであって前記ロータと摺動する面を摺動面とし、
    前記プレッシャープレートであって前記摺動面と反対側の面をバックアップ面とし、
    前記摺動面上であって前記吐出ポートの始端と前記吸入ポートの終端との間を第1閉じ込み領域とし、
    前記摺動面上であって前記吸入ポートの始端と前記吐出ポートの終端との間を第2閉じ込み領域とし、
    前記バックアップ面上に前記第1閉じ込み領域を投影した第1投影領域内に設けられ、高圧が導入される第1投影領域高圧部と、
    前記バックアップ面上に前記第2閉じ込み領域を投影した第2投影領域内に設けられ、高圧が導入される第2投影領域高圧部と
    を有することを特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
  3. 請求項1に記載の可変容量型ベーンポンプにおいて、
    前記シール部材は、自然長の状態において外形が前記シール溝の外形よりも大きくなるように形成されること
    を特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
  4. 請求項1に記載の可変容量型ベーンポンプは、
    前記シール溝の底側で、かつ前記低圧領域に隣接する側に設けられ、前記シール部材と前記シール溝との密着を防止する突起部をさらに有すること
    を特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
  5. 請求項4に記載の可変容量型ベーンポンプにおいて、
    前記突起部は、断続的に周方向に複数個設けられること
    を特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
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