JP4995485B2 - マイクロ波処理用包装体 - Google Patents
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Description
かかる包装体は、収納物を密封状に包装しているため、マイクロ波処理時に生じる蒸気によって内圧が上昇する。かかる内圧上昇を抑制するために、マイクロ波処理時、蒸気を逃がすため容器の一部分を開口する自動通蒸部の設けられた包装体が知られている。
例えば、特許文献1には、食品を収容した容器の蓋フィルムに、導電体からなるアンテナとこのアンテナ端部に高抵抗体からなる発熱体とを設けた、電子レンジ調理用密封容器が開示されている。該密封容器は、これをマイクロ波処理することにより、発熱体が発熱してこれに対応する蓋フィルムの一部が熱溶融開口する。よって、該包装体は、マイクロ波処理時に生ずる蒸気を外部に逃がすことができる。
これら従来の包装体は、マイクロ波処理時、蓋フィルムの一部に自動的に開口を形成する自動通蒸部(特許文献1では発熱体が自動通蒸部に相当し、特許文献2では破断用ラベルのスリット部が自動通蒸部に相当する)が設けられており、これにより、容器内の圧力上昇を防止することができる。
上記包装体は、上方に突設された仕切壁によって収納部から区画された凹状の区画部が設けられており、区画部の周縁と蓋部材の内面が仕切壁の突出端と蓋部材の内面の間で形成される通気路を確保しつつ接着されている。このため、収納部の蒸気は、通気路を抜けて区画部へ一旦入り、その後、区画部の上方位置に対応した蓋部材に形成された上記蒸気排出口から外部へと排出される。
このように上記包装体は、蒸気が仕切壁の突出端と蓋部材の内面の間で形成される通気路を抜けて区画部へと入るため、該蒸気に伴って噴き出す収納物が、通気路に付着することから、区画部に進入し難くなる。従って、上記包装体は、蒸気排出口が収納物で詰まること、及び外部に収納物が噴き出ることによって周辺が汚れることを防止できる。
かかる包装体は、内圧上昇を防止しつつ収納物を温めることができ、容器外部に収納物を飛び散らせず、綺麗な状態でマイクロ波処理を行うことができる。
なお、方向を示す用語のうち、便宜上、「内」は容器の中心側に近い方向を、「外」は容器の中心側から遠い方向を、「上」は容器の載置状態に於いて上方向を示す。
図1及び図2に於いて、1は、マイクロ波処理される収納物が密封状に収納された容器2と、容器に設けられた自動通蒸部3と、を有する包装体を示す。
容器2は、収納物が収納された収納部6を有する上面開口型の容器本体4と、容器本体4の収納部6を密封状に閉塞する蓋部材5と、を有する。自動通蒸部3は、例えば、蓋部材5の外面に設けられており、マイクロ波処理時に蓋部材5の一部分を開口する機能を有する。そして、収納物から生じる蒸気は、蓋部材5に形成された蒸気排出口を通じて、外部へ排出される。
容器本体4は、載置面となる底面部41と、底面部41の周囲に立設された側壁部42と、底面部41の一部から突設された仕切壁43と、側壁部42の周囲から外側方向に所定幅延出された平面視環状のフランジ部44と、を有する。
仕切壁43の両側部は、側壁部42に連設されており、仕切壁43の突出端43a(上端)は、フランジ部44と概ね同じ高さにまで突設されている。また、フランジ部44は、底面部41と略平行に延設されている。
上記底面部41、側壁部42及び仕切壁43の内面によって囲繞された大空間が、容器本体4の収納部6とされ、一方、底面部41、側壁部42及び仕切壁43の外面によって囲繞された小空間が、容器本体4の区画部7とされている。よって、収納部6及び区画部7は、容積の異なる凹状に形成されている。
尚、容器本体4が、平面視矩形状に形成される場合には、仕切壁43は、容器本体4の一つのコーナー部の近傍に設けることが好ましい。
また、収納部6に収納される収納物は、特に限定されず、例えば、温めて食するに適した食品などが挙げられる。本発明の包装体1は、蒸気排出口が蒸気に伴って噴き出す収納物にて塞がれることを防止できることから、収納物として液状物を含む食品を用いる場合、特に効果的である。
蓋部材5の内面は、容器本体4のフランジ部44に沿って平面視環状に接着されている(この接着部を第1接着部51という)。さらに、蓋部材5の内面は、仕切壁43の突出端43aに沿って接着されている。この突出端43aと蓋部材5の接着部(この接着部を第2接着部52という)は、その両端部が第1接着部51に繋がって設けられている。かかる第1接着部51の一部及び第2接着部52によって、蓋部材5の内面は、区画部7の上周縁を囲うように、ほぼ環状に接着されている。
この非接着部8の幅は、蒸気が通過可能であれば良いため、非常に狭く形成することも可能である。もっとも、余りに狭いと、収納物が詰まる虞があるため、非接着部8の幅は、好ましくは、1mm以上、更に好ましくは、5mm以上に形成するのがよい。また、その上限は、特に限定されないが、余りに広いと非接着部8から区画部7へと進入する収納物の量が多くなるため、概ね10mm以下程度が好ましい。
尚、上記通気路8を確保するため、第2接着部52は、部分的に非接着とされているが、これに代えて、弱接着としてもよい。該弱接着は、例えば、マイクロ波処理時の内圧上昇に伴って剥離する程度の弱い接着力を以て、蓋部材5と仕切壁43の突出端43aを接着することが挙げられる。
蓋部材5の厚みは特に限定されないが、自動通蒸部3がマイクロ波処理時にスパーク或いは発熱する形式の場合、該スパークなどによって開口を形成する点から、20〜200μm、好ましくは50〜150μmのものがよい。
自動通蒸部3は、マイクロ波処理時に、蓋部材5の一部に開口部分を形成できるものであれば特に限定されず、各種のものを用いることができる。代表的には、上記特許文献2に記載された破断用ラベルが挙げられる。該破断用ラベル31は、図2に示すように、基材32とこの基材32の裏面に積層された導電体層33とを有するラベル基材と、その裏面(導電体層の裏面)に設けられた粘着剤からなる貼着剤層34と、基材32から貼着剤層34の裏面に渡って切り込まれたスリット部35と、を有する構成である。該破断用ラベル31の詳細は、特許文献2に記載されている。本明細書では、特許文献2の[0015]〜[0020]を記載したものとして扱い、その記載は省略する。
上記破断用ラベル31は、マイクロ波処理時に、スリット部35の形状にほぼ対応した切り目を蓋部材5に形成できる。従って、破断用ラベル31を用いた場合、スリット部35が自動通蒸部3に相当する。
上記アンテナ及び発熱体は、マイクロ波を受けたアンテナを介して発熱体が発熱し、その周辺を熱溶融させて蓋部材5を部分的に開口する。従って、該アンテナ及び発熱体を用いた場合、該発熱体が自動通蒸部3に相当する。
尚、自動通蒸部3は、上記2例のほか、例えば、(1)蓋部材に予め開けられていた開口を閉塞するラベルが蓋部材に貼付され、マイクロ波処理時に該ラベルが収縮などして剥離することにより、前記開口を開放する形式のもの、(2)蓋部材の一部分に外部と繋がる開口が形成され、且つ該開口が弱接着(マイクロ波処理時の内圧上昇に伴って剥離する程度の弱い接着力)で閉塞されている形式のものなど、様々な態様のものを用いることができる。
そして、収納物から生じた蒸気は、図4の矢印で示すように、収納部6から通気路8を通じて区画部7へ進入し、蒸気排出口9から速やかに外部へ排出される。従って、容器2内が過度に高圧となることを防止できる。
このように上記包装体1は、蒸気が通気路8を抜けて区画部7へと入るため、該蒸気に伴って噴き出す収納物は、通気路8に付着する。従って、収納物が区画部7に進入し難くなるので、上記包装体1は、蒸気排出口9が収納物で詰まることや容器2の外部に収納物が付着することを防止できる。
特に、仕切壁43の突出端43aと蓋部材5の内面が通気路8を確保しつつ接着されているので、蒸気の進入口となる部分(通気路8)が狭くなる。従って、収納部6から区画部7へ蒸気が進入する際、これに伴う収納物が区画部7へ進入することを確実に防止でき、上記効果をより顕著に奏する。
この包装体1も上記実施形態と同様に、収納部6の蒸気は、仕切壁43の突出端43aと蓋部材5の内面の間を通じて区画部7へ進入し、蒸気排出口9から速やかに外部へ排出される。従って、該変形例の包装体1は、蒸気排出口9が収納物で詰まることや、容器2の外部に収納物が付着することを防止できる。
この変形例に係るマイクロ波処理用包装体1の場合には、収納部6の収納物が仕切壁43の突出端43aを越えて区画部7に進入する虞があるが、区画部7は、凹状に形成されているので、進入した収納物は区画部7の下方に落ち、蒸気排出口が塞がれることはないのである。
尚、本変形例では、例えば、容器本体4は、平面視略円形状に形成されたものを例示しており、自動通蒸部3は、導電体からなるアンテナ36とこのアンテナ端部に配置された高抵抗体からなる発熱体37とからなるものを例示している。
該包装体1は、収納部6から生じた蒸気は、蓋部材5とフランジ部44の幅広部44aの隙間を通って、自動通蒸部3によって形成された蒸気排出口から排出される。従って、蒸気に伴って噴き出す収納物は、蓋部材5とフランジ部44の幅広部44aの隙間に付着する。従って、この変形例に係る包装体1も同様に、蒸気排出口の詰まりや、周辺の汚れを防止できる。
この空間部は、例えば、図8に示すように、蓋部材5の自動通蒸部3に対応する内面とフランジ部44の幅広部44aの間に形成される。この空間部の上下間隔は、特に限定されないが、例えば、0.1mm〜2mm程度、好ましくは0.2mm〜1mm程度が例示できる。蓋部材5の内面とフランジ部44の上面の間に空間部を形成する手段としては、自動通蒸部3に対応したフランジ部44の幅広部44aの所定領域を段状(または凹状)に形成する、フランジ部44の上面(或いは蓋部材5の内面)に突起部を形成する、などの手段が挙げられる。
但し、フランジ部44の幅広部44aが比較的広く形成されている場合には、マイクロ波処理時の内圧上昇により蓋部材5が膨張し、蓋部材5の内面がフランジ部44の上面から自然に離れる。このような場合、上記空間部を形成しなくても、自動通蒸部3のエネルギーが蓋部材5に作用するので、良好に蒸気排出口を形成できる。
尚、本発明に於いて、フランジ部44の幅広部44aは、図7で例示したように、容器本体4の収納部6側に延出させてもよいし、図9に示すように、容器本体4の外側に延出されていてもよい。
このように容器本体4のフランジ部44に自動通蒸部3が設けられている包装体1も、自動通蒸部3の作用によって、フランジ部44の一部分に蒸気排出口が形成され、蒸気に伴って噴き出す収納物は、蓋部材5とフランジ部44の隙間に付着する。
また、図10に示すように、凹状の区画部7が設けられている容器本体4を有する包装体1に於いて、該区画部7を構成する側壁部42(または仕切壁43)に自動通蒸部3が設けられている包装体でもよい。
Claims (1)
- マイクロ波処理される収納物が収納された収納部を有する容器本体と、容器本体の収納部を密封状に閉塞するシートからなる蓋部材と、蓋部材に設けられ且つマイクロ波処理時に蓋部材の一部分を開口する自動通蒸部と、を有し、
自動通蒸部が、破断用ラベルのスリット部、又は、導電体からなるアンテナの端部に設けられた高抵抗体からなる発熱体であり、
容器本体には、上方に突設された仕切壁によって収納部の一部分を区画する凹状の区画部が設けられており、区画部の周縁と蓋部材の内面が仕切壁の突出端と蓋部材の内面の間で形成される通気路を確保しつつ接着され、
この区画部の上方位置に前記自動通蒸部が設けられていると共に、自動通蒸部が設けられた部分に対応する蓋部材の内面と区画部との間に空間を有する、ことを特徴とするマイクロ波処理用包装体。
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