JP4994350B2 - 折畳み式携帯端末 - Google Patents

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Description

本発明は、折畳み式携帯端末に関し、特にその自動開閉構造に関する。
従来より、折畳み式携帯電話機では、片手で下筐体を持ち、他方の手で上筐体を持ち上げてヒンジ部を中心に開くようになっており、両手を使って開くのが一般的であった。
しかし、両手を使って開くのが面倒な場合があり、片手だけでワンタッチで開き操作を行いたいというニーズが増えていた。
そこで、例えば特許文献1の折畳み式携帯電話機は、第1筐体と、第2筐体と、第1筐体に固定され、第2筐体を第1筐体に回転自在に連結するためのヒンジ部とを備え、ヒンジ部は、操作部を備え、第2筐体は、操作部の操作に応じて、閉じられた状態を示す第1角度位置から予め決められた角度位置を示す第2角度位置まで開き、操作部の操作がないとき、第1角度位置、第2角度位置、第1角度位置と第2角度位置との間の第3角度位置のいずれか一方の角度位置に維持されるというフリーストップ機能とワンタッチオープン機能とを選択的に利用している。
また、特許文献2の折畳み式携帯電話機は、上筐体及び下筐体と、上筐体及び下筐体の境界線に沿って配置された回動軸を中心として上筐体及び下筐体を相対的に回動可能に連結する連結部と、上下の筐体を自動的に開くワンプッシュ自動開き機構と、ワンプッシュ自動開き機構を操作して上下の筐体を開く解除手段とを備え、解除手段の第1操作部及び第2操作部をそれぞれ連結部の両端部に設け、第1操作部及び第2操作部を連動可能とし、使用者の嗜好や使用する形態、状況等に対応して、各操作部を選択的に操作可能としている。
特開2002−344597号公報 特開2006−324927号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2は、いずれもワンタッチオープンさせるための操作部をヒンジ部の両端に設け、この操作部を押すことでワンタッチオープンが実行されるが、この操作部がヒンジ部の両側面から露出して見映えが悪くなるという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単に開き操作が行えると共に、ロック解除用ボタンを押す構成が外観上現れないようにして見映えをよくすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、第1の筐体の少なくとも一部である表示部カバーをスライドさせてヒンジ部を中心に開く操作を行うようにした。
具体的には、第1の発明では、第1の筐体と、第2の筐体と、該第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み開閉自在に連結するヒンジ部とを備えた折畳み式携帯端末を前提とし、
上記第1の筐体は、表示部キャビネットと、該表示部キャビネットを外側から覆う表示部カバーとを備え、該表示部カバーは、上記表示部キャビネットに対してスライド可能に構成され、
上記ヒンジ部は、
上記第2の筐体のヒンジ部側角部の表面から該第2の筐体の厚さ方向へ膨出する一対の外側ボス部と、
上記第1の筐体のヒンジ部側端部から水平に膨出し、上記一対の外側ボス部に挟持される内側ボス部と、
上記一対の外側ボス部の一方と、上記内側ボス部とに挿通された第1水平ヒンジ軸と、
上記一対の外側ボス部の他方と、上記内側ボス部とに挿通された第2水平ヒンジ軸と、
上記第1水平ヒンジ軸内に設けられ、上記第1の筐体と第2の筐体とを開く方向に付勢すると共に、付勢力を蓄えた状態でロック可能な開操作補助用付勢機構と、
上記第1水平ヒンジ軸に設けられ、上記開操作補助用付勢部材のロックを解除するためのロック解除用ボタンと、
上記表示部カバーに連結され、該表示部カバーがスライドする際に上記第1及び第2水平ヒンジ軸に対してスライドし、上記ロック解除用ボタンを押す可動プレートと、
を備え、
上記第1の筐体と第2の筐体とを閉じた状態から、上記表示部カバーを第2の筐体に対してスライドさせることで、該第1の筐体が第2の筐体に対して自動的に開くように構成されている。
上記の構成によると、従来のようにヒンジ部の側面にロックを解除するための操作ボタンを設ける必要がないので見映えがよく、また、表示部カバーをスライドさせるだけで第1の筐体が自動的に開き、表示部カバーのどの部分に指をかけてスライドさせてもよいので、従来のようにヒンジ部に設けたロック解除用ボタンを手探りして操作するのに比べて開操作が極めて容易である。また、第1の筐体全体をスライドさせるのではなく、表示部カバーのみをスライドさせるようにしているので、携帯端末を落下させたときに誤って開操作補助用付勢部材のロックが解除されにくい。また、ロック解除用ボタンは、外側ボス部又は内側ボス部内に隠れて一切外観上に現れないので、従来のようにヒンジ部の側面に露出する場合に比べて外観がよく、また、表示部カバーをスライドさせてロック解除用ボタンを押圧すればよいので、従来のようにヒンジ部に設けたロック解除用ボタンを手探りして操作するのに比べて開操作が極めて容易である。
の発明では、第の発明において、
上記表示部カバーを上記第1及び第2水平ヒンジ軸に対して垂直に該第1及び第2水平ヒンジ軸側へ押してスライドさせ、上記開操作補助用付勢部材のロックを解除するように構成されている。
上記の構成によると、閉じた状態の折畳み式携帯端末を持った指で表示部カバーを押せばよいので、開き操作が容易である。
の発明では、第の発明において、
上記表示部カバーを上記第1及び第2水平ヒンジ軸に対して垂直に該第1及び第2水平ヒンジ軸と離れる方向に引っ張って上記開操作補助用付勢部材のロックを解除するように構成されている。
上記の構成によると、表示部カバーを引き出すようにして開操作補助用付勢部材のロックを解除するので、落下の際の衝撃でロックが解除されにくい。
の発明では、第乃至第のいずれか1つの発明において
記可動プレートと上記表示部カバーとは、締結部材で締結され、
上記締結部材は、上記表示部キャビネットに形成されたスリット内をスライド可能に構成されている。
上記の構成によると、簡単な構成で、表示部キャビネットは第2の筐体上に残したまま、表示部カバーと可動プレートとを第2の筐体に対してスライドさせることができる。
の発明では、第乃至第のいずれか1つの発明において、
上記可動プレートには、上記第1水平ヒンジ軸が挿通される第1長孔と、上記第2水平ヒンジ軸が挿通される第2長孔とが形成されている。
上記の構成によると、第1長孔及び第2長孔の延びる方向及び範囲に表示部カバーがスライド可能となる。このことから、長孔の構成により、スライド方向を押す方向と引く方向のいずれにも設定できる。
の発明では、第乃至第のいずれか1つの発明において、
上記表示部キャビネットには、スライドされた上記可動プレートが元の位置に戻るように付勢する付勢部材が設けられている。
上記の構成によると、表示部カバーは、スライドされた後に付勢部材により元の位置に戻るので、手で元の位置に戻す操作が不要となる。また、付勢部材の引張力を調整することで軽い衝撃のみで表示部カバーがスライドしてロック解除用ボタンが押されるという誤動作が防止される。
の発明では、第の発明において、
上記付勢部材は、捩りコイルバネであり、一端が上記表示部キャビネットに当接し、他端が上記可動プレートに当接している。
上記の構成によると、簡単かつ丈夫な構成の捩りコイルバネによって可動プレートが付勢される。
の発明では、第乃至第のいずれか1つの発明において、
上記第2水平ヒンジ軸は、中空に形成され、該第2水平ヒンジ軸には、上記第1の筐体内の基板と上記第2の筐体内の基板とを電気的に接続する信号線が挿通されている。
上記の構成によると、第2ヒンジ軸内に信号線を通す簡単な構成で第1の筐体と第2の筐体とを電気的に接続しながら、表示部カバーをスライドさせるだけで第1の筐体を開くことができる。
第9の発明では、上記前提において、
上記第1の筐体は、表示部キャビネットと、該表示部キャビネットを外側から覆う表示部カバーとを備え、該表示部カバーは、上記表示部キャビネットに対してスライド可能に構成され、
上記ヒンジ部は、
上記第1の筐体又は第2の筐体の内部に設けられ、上記第1の筐体と第2の筐体とを開く方向に付勢すると共に、付勢力を蓄えた状態でロック可能な開操作補助用付勢機構と、
上記第1の筐体又は第2の筐体の内部に設けられ、上記開操作補助用付勢部材のロックを解除するためのロック解除用ボタンと、
上記表示部カバーに連結され、該表示部カバーがスライドする際にスライドし、上記ロック解除用ボタンを押す可動プレートとを備え、
上記第1の筐体と第2の筐体とを閉じた状態から、上記表示部カバーを第2の筐体に対してスライドさせることで、該第1の筐体が第2の筐体に対して自動的に開くように構成されている。
上記の構成によると、従来のようにヒンジ部の側面にロックを解除するための操作ボタンを設ける必要がないので見映えがよく、また、表示部カバーをスライドさせるだけで第1の筐体が自動的に開き、表示部カバーのどの部分に指をかけてスライドさせてもよいので、従来のようにヒンジ部に設けたロック解除用ボタンを手探りして操作するのに比べて開操作が極めて容易である。また、第1の筐体全体をスライドさせるのではなく、表示部カバーのみをスライドさせるようにしているので、携帯端末を落下させたときに誤って開操作補助用付勢部材のロックが解除されにくい。また、ロック解除用ボタンは、第1の筐体又は第2の筐体の内部に隠れて一切外観上に現れないので、従来のようにヒンジ部の側面に露出する場合に比べて外観がよく、また、表示部カバーをスライドさせてロック解除用ボタンを押圧すればよいので、従来のようにヒンジ部に設けたロック解除用ボタンを手探りして操作するのに比べて開操作が極めて容易である。
以上説明したように、本発明によれば、第1の筐体の表示部カバーを第2の筐体に対してスライドさせることで、第1の筐体と第2の筐体とを閉じた状態から第1の筐体が第2の筐体に対して自動的に開くようにしたことにより、簡単に開き操作が行えると共に、ロック解除用ボタンを押す構成が外観上現れないようにして見映えをよくすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図10に本発明の実施形態にかかる折畳み式携帯端末としての折畳み式携帯電話機1を示し、この折畳み式携帯電話機1は、表面に表示部2を備えた第1の筐体3と、表面に操作部4を備えた第2の筐体5とを備えている。これら第1の筐体3と第2の筐体5とは、ヒンジ部6で折り畳み開閉自在に連結されている。第1の筐体3と第2の筐体5とは、共に略矩形板形状を有し、閉じられた状態で略直方体となって携帯が容易となっている。なお、図4〜図10では、見やすくするために第1の筐体3及びヒンジ部6の内部を見えるようにしている。本実施形態では、説明の都合上、第2の筐体5を縦長にして手に持ったときの上下左右を折畳み式携帯電話機1の上下左右としている。
そして、ヒンジ部6は、第2の筐体5のヒンジ部6側の角部表面から第2の筐体5の厚さ方向へ(表面側へ)膨出する一対の外側ボス部10を有している。また、第1の筐体3のヒンジ部6側端部には、水平、すなわち第1の筐体3の長手方向に膨出して一対の外側ボス部10に挟持される内側ボス部11が形成されている。詳しくは図示しないが、第2の筐体5のヒンジ部6側端部には、内側ボス部11の一部が入り込むように凹部5aが形成されている。
図4〜図10に示すように、これら一対の外側ボス部10、内側ボス部11及び第1の筐体3内に金属製のヒンジユニット12が内蔵されている。図10及び図12に拡大して示すように、ヒンジユニット12は、左側の外側ボス部10と内側ボス部11とに挿通された第1水平ヒンジ軸13を備えている。この第1水平ヒンジ軸13は、樹脂等よりなる外筒13aと、中心軸(図示せず)とが互いに相対回転可能に構成されている。外筒13a内には、第1の筐体3と第2の筐体5とを開く方向に付勢すると共に、付勢力を蓄えた状態でロック可能な開操作補助用付勢機構(図示せず)が設けられている。第1水平ヒンジ軸13には、ロック解除用ボタン15が左右内側(右側)へ突出している。ロック解除用ボタン15は、先端に向かって先細となるように対向するテーパ面15aを有している。この第1水平ヒンジ軸13の軸方向に延びるロック解除用ボタン15を押圧することで、開操作補助用付勢機構のロックを解除可能に構成されている。
ヒンジユニット12は、内側ボス部11に固定されるベース部16を備えている。ベース部16は、コ字状のベース部本体16aの左側に、水平に延びた後表面側に折れ曲がったL字状の延長部16bが連続して形成され、ベース部本体16aの左側と延長部16bとに外筒13aが回転一体に嵌合される左側貫通孔16cが同心に形成されている。第1水平ヒンジ軸13の左側から突出する中心軸は、第2の筐体に固定される第2の筐体側取付部14に嵌合され、中心軸と第2の筐体側取付部14とが回転一体に連結されている。
ベース部16の右側にも左側貫通孔16cと同心に右側貫通孔16dが形成され、この右側貫通孔16dには、第2水平ヒンジ軸17の左端が回転可能に挿通されている。
ヒンジユニット12は、ベース部16よりも幅が広い可動プレート18を有している。可動プレート18は、左右端部が折り曲げられて左側アーム18a及び右側アーム18bが形成されている。左側アーム18aには、第1長孔18cが形成され、右側アーム18bには、第2長孔18dが形成されている。第1長孔18cには第1水平ヒンジ軸13の外筒13aが回転不能にかつ第1長孔18cの長手方向にスライド可能に連結されている。また、第2水平ヒンジ軸17は、対向する位置に平坦面17aを有し、この平坦面17aが右側アーム18bの第2長孔18dの対向する長辺に当接するように、第2長孔18dに挿通されている。このことで、第2水平ヒンジ軸17は、回転不能にかつ第2長孔18dの長手方向にスライド可能に可動プレート18に連結されている。可動プレート18は、その平坦な面に例えば4つのネジ孔18eを有している。可動プレート18の下端部には、背面側に折り曲げられた一対のバネ当接部18fが形成されている。そして、可動プレート18のロック解除用ボタン15近傍には、ロック解除用ボタン15側へ折り曲げられたボタン押込部18gが形成されている。このボタン押込部18gは、第1長孔18c及び第2長孔18dの直線部分の長さに合わせ、可動プレート18が上方へスライドする前にはロック解除用ボタン15に当接せず、スライドしたときに当接するように、切り欠き等を形成することで調整されている。
第2水平ヒンジ軸17は、中心に貫通孔17bを有し、詳しくは図示しないが、この貫通孔17bには、第1の筐体3内の基板と第2の筐体5内の基板とを電気的に接続する信号線が挿通されている。このように簡単な構成で、第1の筐体3と第2の筐体5との開閉操作を阻害することなく、両基板が電気的に接続されている。
そして、図7に示すように、第1の筐体3は、表示部キャビネット3aと、この表示部キャビネット3aを外側から覆う、表示部カバー3bとを備えている。表示部カバー3bは、厚さ方向に分割された表面側キャビネット3cと裏面側キャビネット3dとを有している。詳しくは図示しないが、裏面側キャビネット3d内に液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、通話用スピーカなどが内蔵されている。表面側キャビネット3cのヒンジ部6側には、表面側キャビネット3cの長手方向に延びる一対のスライド用スリット51が形成されている。表示部カバー3bのヒンジ部6側端部には、左右に延びるストッパ52が厚さ方向へ(表面側へ)突設され、このストッパ52に表示部カバー3bのヒンジ部6側端部が当接するように構成されている。このことで、表示部カバー3bのヒンジ部6側へのスライド範囲が規定されている。
表示部カバー3bのヒンジ部6側には、4つのボルト挿通孔53が形成されている。このボルト挿通孔53に締結部材としてのボルト50が挿通された後、表示部キャビネット3aのスリット51を通って可動プレート18のネジ孔18eに締結されている。ボルト50がスリット51内をスライドするようにすることで、簡単な構成で、表示部キャビネット3aは第2の筐体5上に残したまま、表示部カバー3bと可動プレート18とを第2の筐体5に対してスライドさせることができるようになっている。また、第1長孔18c及び第2長孔18dの延びる方向及び範囲に表示部カバー3bがスライド可能となっている。このことから、長孔18c,18dの構成やストッパ52の有無などにより、スライド方向を押す方向と引く方向のいずれにも設定できるようになっている。
このような構成により、折畳み式携帯電話機1は、第1の筐体3と第2の筐体5とを閉じた状態から、第1の筐体3の少なくとも一部である表示部カバー3bを第2の筐体5に対してスライドさせることで、可動プレート18がロック解除用ボタン15を押し、第1の筐体3が第2の筐体5に対して自動的に開くように構成されている。
また、表示部キャビネット3aには、スライドされた上記可動プレート18が元の位置に戻るように付勢する付勢部材としての一対の捩りコイルバネ20が設けられている。捩りコイルバネ20の一端20aは、表示部キャビネット3a(表面側キャビネット3c)の内面に当接している。一方、他端20bは、ヒンジ部6側へ折り曲げられ、その折り曲げられた部分が可動プレート18のバネ当接部18fの下面に当接している。このことで、可動プレート18が下方にスライドされると、バネ当接部18fが捩りコイルバネ20の他端20bを押し下げて捩り角度αが小さくなって、捩りコイルバネ20に弾性エネルギーが蓄えられ、可動プレート18を上方へ押し戻そうとする力が発生するようになっている。
−作動−
次に、本実施形態にかかる折畳み式携帯電話機1の作動について説明する。
携帯時などの待機時には、図1、図4及び図8に示すように、傷が入りやすい表示部2を内側にして第1の筐体3が第2の筐体5に対して閉じられた状態にある。このとき、表示部キャビネット3aと表示部カバー3bとは下辺が揃うように重なり合っているので、見映えがよい。そして、捩りコイルバネ20が可動プレート18を適度な力で上方へ押圧することにより、落下時などに誤って第1の筐体3が開くのが防止されている。また、図11に示すように、ボタン押込部18dは、ロック解除用ボタン15を押圧していない。
そして、使用時に第1の筐体3と第2の筐体5とを開く場合には、図2及び図5に矢印で示すように、第1の筐体3を下方へスライドさせる。このとき、表示部カバー3bを下方へスライドするだけでよいので、表示部カバー3bのどの部分に指を掛けてもよく、操作が容易である。このとき、ユーザが表示部カバー3bを上方へスライドさせようとしても、ストッパ52があるので、上方へはスライドしない。このため、表示部カバー3bのスライド方向を操作し間違えることはない。
表示部カバー3bを下方へスライドさせると、図12に示すように、可動プレート18が下方へ移動し、ボタン押込部18dがロック解除用ボタン15を押圧する。同時に図9に示すように、捩りコイルバネ20の他端20bが押されて捩りコイルバネ20の捩り角度αが小さくなって弾性エネルギーが蓄積される。
ロック解除用ボタン15が押し込まれると、開操作補助用付勢機構のロックが解除され、図3、図6及び図10に示すように、第1の筐体3が第2の筐体5に対して一気に押し開かれる。
そして、第1の筐体3が押し開かれるときには、捩りコイルバネ20に可動プレート18が押し戻され、表示部カバー3bのヒンジ部6側端部がストッパ52に当接して表示部キャビネット3aとが重なり合う位置に戻る。このため、表示部カバー3bを押し戻す操作が不要となる。
このように、ロック解除用ボタン15は、一切外観上に現れないので、従来のようにヒンジ部6の側面に露出する場合に比べて外観がよく、また、表示部カバー3bをスライドさせてロック解除用ボタン15を押圧すればよいので、従来のようにヒンジ部6に設けたロック解除用ボタン15を手探りして操作するのに比べて開操作が極めて容易である。
さらに、第1の筐体3全体をスライドさせるのではなく、表示部カバー3bのみを下方へスライドさせるようにしているので、折畳み式携帯電話機1を落下させたときに誤って開操作補助用付勢部材のロックが解除されにくい。
−実施形態の効果−
したがって、本実施形態にかかる折畳み式携帯電話機1において、表示部カバー3bを第2の筐体5に対してスライドさせることで、第1の筐体3と第2の筐体5とを閉じた状態から第1の筐体3が第2の筐体5に対して自動的に開くようにしたことにより、簡単に開き操作が行えると共に、ロック解除用ボタン15を押す構成が外観上現れないようにして見映えをよくすることができる。
−実施形態の変形例−
上記実施形態では、表示部カバー3bを下方へスライドさせるようにしているが、上方へスライドさせるようにしてもよい。
具体的には、本変形例の折畳み式携帯電話機1において、図13に示す待機状態では、表示部キャビネット3aと、表示部カバー3bとが重なった状態で、第1水平ヒンジ軸13が第1長孔18cの下方にあり、第2水平ヒンジ軸17が第2長孔18dの下方にある。このとき、ボタン押込部18gは、ロック解除用ボタン15を押していない。
そして、図14及び図16に示すように、表示部カバー3bを上方へ押してスライドさせると、第1水平ヒンジ軸13が第1長孔18cの上方に移動し、かつ第2水平ヒンジ軸17が第2長孔18dの上方に移動する。そして、ボタン押込部18gがロック解除用ボタン15を押す。本変形例の捩りコイルバネ20は、一端20aが表示部キャビネット3aに固定され、他端20bがバネ当接部18fに引っ掛けられている。そして、可動プレート18が上方にスライドすることで他端20bが一端20aに対して拡げられ、捩り角度α’が大きくなって元に戻ろうとするエネルギーが蓄積される。
すると、図15に示すように、第1の筐体3が一気に第2の筐体5に対して開く。そして、捩りコイルバネ20の作用によって、表示部キャビネット3aと表示部カバー3bとが重なった状態に自動的に戻る。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、第1水平ヒンジ軸13を左側に、第2水平ヒンジ軸17を右側に配置したが、第1水平ヒンジ軸13を右側に、第2水平ヒンジ軸17を左側に配置してもよい。
上記実施形態では、折畳み式携帯端末を折畳み式携帯電話機1としたが、折畳み式のものであれば、PHS、PDA、PC、モバイルツール、電子辞書、電卓、ゲーム機等であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本発明の実施形態にかかる折畳み式携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。 折畳み式携帯電話機の閉じた状態から表示部カバーを下方へスライドさせる様子を示す斜視図である。 折畳み式携帯電話機を開いた状態を示す斜視図である。 ヒンジユニットが見えるようにした図1相当図である。 ヒンジユニットが見えるようにした図2相当図である。 ヒンジユニットが見えるようにした図3相当図である。 閉じた状態の折畳み式携帯電話機の第1の筐体を分解した斜視図である。 折畳み式携帯電話機の閉じた状態におけるヒンジユニットが見えるようにした図であり、(a)が平面図で、(b)が側面図で、(c)が底面図である。 折畳み式携帯電話機の閉じた状態から表示部カバーをスライドさせた状態におけるヒンジユニットが見えるようにした図であり、(a)が平面図で、(b)が側面図で、(c)が底面図である。 折畳み式携帯電話機の開いた状態におけるヒンジユニットが見えるようにした図であり、(a)が平面図で、(b)が側面図で、(c)が底面図である。 折畳み式携帯電話機を閉じた状態でスライド前のヒンジユニットを示し、(a)が上方から見た斜視図で、(b)が下方から見た斜視図である。 折畳み式携帯電話機を閉じた状態でスライドしたときのヒンジユニットを示し、(a)が上方から見た斜視図で、(b)が下方から見た斜視図である。 本発明の実施形態の変形例にかかる折畳み式携帯電話機の閉じた状態におけるヒンジユニットを見えるようにした斜視図である。 変形例にかかる折畳み式携帯電話機の閉じた状態で表示部カバーを上方へスライドさせた状態におけるヒンジユニットを見えるようにした斜視図である。 変形例にかかる折畳み式携帯電話機の開いた状態におけるヒンジユニットを見えるようにした斜視図である。 変形例にかかる折畳み式携帯電話機を閉じた状態でスライドしたときのヒンジユニットが見えるようにした図であり、(a)が平面図で、(b)が側面図で、(c)が底面図である。
1 折畳み式携帯電話機(折畳み式携帯端末)
3 第1の筐体
3a 表示部キャビネット
3b 表示部カバ
5 第2の筐体
6 ヒンジ部
10 外側ボス部
11 内側ボス部
13 第1水平ヒンジ軸
15 ロック解除用ボタン
17 第2水平ヒンジ軸
17b 貫通孔
18 可動プレート
18c 第1長孔
18d 第2長孔
20 捩りコイルバネ(付勢部材)
50 ボルト(締結部材)
51 スリット

Claims (9)

  1. 第1の筐体と、第2の筐体と、該第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み開閉自在に連結するヒンジ部とを備えた折畳み式携帯端末において、
    上記第1の筐体は、表示部キャビネットと、該表示部キャビネットを外側から覆う表示部カバーとを備え、該表示部カバーは、上記表示部キャビネットに対してスライド可能に構成され、
    上記ヒンジ部は、
    上記第2の筐体のヒンジ部側角部の表面から該第2の筐体の厚さ方向へ膨出する一対の外側ボス部と、
    上記第1の筐体のヒンジ部側端部から水平に膨出し、上記一対の外側ボス部に挟持される内側ボス部と、
    上記一対の外側ボス部の一方と、上記内側ボス部とに挿通された第1水平ヒンジ軸と、
    上記一対の外側ボス部の他方と、上記内側ボス部とに挿通された第2水平ヒンジ軸と、
    上記第1水平ヒンジ軸内に設けられ、上記第1の筐体と第2の筐体とを開く方向に付勢すると共に、付勢力を蓄えた状態でロック可能な開操作補助用付勢機構と、
    上記第1水平ヒンジ軸に設けられ、上記開操作補助用付勢部材のロックを解除するためのロック解除用ボタンと、
    上記表示部カバーに連結され、該表示部カバーがスライドする際に上記第1及び第2水平ヒンジ軸に対してスライドし、上記ロック解除用ボタンを押す可動プレートと、
    を備え、
    上記第1の筐体と第2の筐体とを閉じた状態から、上記表示部カバーを第2の筐体に対してスライドさせることで、該第1の筐体が第2の筐体に対して自動的に開くように構成されている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  2. 請求項に記載の折畳み式携帯端末において、
    上記表示部カバーを上記第1及び第2水平ヒンジ軸に対して垂直に該第1及び第2水平ヒンジ軸側へ押してスライドさせ、上記開操作補助用付勢部材のロックを解除するように構成されている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  3. 請求項に記載の折畳み式携帯端末において、
    上記表示部カバーを上記第1及び第2水平ヒンジ軸に対して垂直に該第1及び第2水平ヒンジ軸と離れる方向に引っ張って上記開操作補助用付勢部材のロックを解除するように構成されている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
    上記可動プレートと上記表示部カバーとは、締結部材で締結され、
    上記締結部材は、上記表示部キャビネットに形成されたスリット内をスライド可能に構成されている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  5. 請求項乃至のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
    上記可動プレートには、上記第1水平ヒンジ軸が挿通される第1長孔と、上記第2水平ヒンジ軸が挿通される第2長孔とが形成されている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  6. 請求項乃至のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
    上記表示部キャビネットには、スライドされた上記可動プレートが元の位置に戻るように付勢する付勢部材が設けられている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  7. 請求項に記載の折畳み式携帯端末において、
    上記付勢部材は、捩りコイルバネであり、一端が上記表示部キャビネットに当接し、他端が上記可動プレートに当接している
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  8. 請求項乃至のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
    上記第2水平ヒンジ軸は、中空に形成され、該第2水平ヒンジ軸には、上記第1の筐体内の基板と上記第2の筐体内の基板とを電気的に接続する信号線が挿通されている
    ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
  9. 第1の筐体と、第2の筐体と、該第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み開閉自在に連結するヒンジ部とを備えた折畳み式携帯端末において、
    上記第1の筐体は、表示部キャビネットと、該表示部キャビネットを外側から覆う表示部カバーとを備え、該表示部カバーは、上記表示部キャビネットに対してスライド可能に構成され、
    上記ヒンジ部は、
    上記第1の筐体又は第2の筐体の内部に設けられ、上記第1の筐体と第2の筐体とを開く方向に付勢すると共に、付勢力を蓄えた状態でロック可能な開操作補助用付勢機構と、
    上記第1の筐体又は第2の筐体の内部に設けられ、上記開操作補助用付勢部材のロックを解除するためのロック解除用ボタンと、
    上記表示部カバーに連結され、該表示部カバーがスライドする際にスライドし、上記ロック解除用ボタンを押す可動プレートとを備え、
    上記第1の筐体と第2の筐体とを閉じた状態から、上記表示部カバーを第2の筐体に対してスライドさせることで、該第1の筐体が第2の筐体に対して自動的に開くように構成されている
    ていることを特徴とする折畳み式携帯端末。
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