JP4994131B2 - キッチン用昇降式吊戸棚 - Google Patents

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Description

本発明は、システムキッチンの上方の壁面に設けられる吊戸棚であって、内部に昇降ラックを収納するキッチン用昇降式吊戸棚に関するものである。
厨房において、キッチン等の調理設備の上部には空間が空いているため、キッチンの上方に吊戸棚を設置している場合が多い。厨房では、碗、皿、カップ等の食器類、鍋、フライパン等の調理器具、塩、胡椒等の調味料など、大小様々な物を使用する。このため、これらの食器類、調理器具、調味料等は上記吊戸棚に収納される。
また、生活様式や食生活の多様化に伴って、上記した食器類、調理器具、調味料等は増加傾向にある。さらに昨今の高齢化に伴い、上記吊戸棚の使い勝手の良さや便利さ等を求める要望もある。
そこで、通常は上方に位置する棚(ラック)を手動や電動によって昇降する昇降式吊戸棚が提案されている。昇降式吊戸棚は、例えば吊戸棚全体が昇降するもの(例えば特許文献1)や、吊戸棚の前面に配置された扉を開けてから、吊戸棚内に設置された収納棚を回転アームで支持しながら手前側下方に引き降ろすもの(例えば特許文献2)、キャビネットと、このキャビネットからほぼ垂直方向に昇降可能な昇降ラックを備えたもの(例えば特許文献3)等がある。
特許文献1に記載された構成にあっては、吊戸棚全体が昇降するため昇降装置が大掛かりとなり、また駆動機構が外部から見えるために美感を向上しにくいという問題がある。また、特許文献2に記載された構成にあっては、引き降ろした収納棚が調理者に向かって迫り出して降りてくるため、調理作業の邪魔になり、頻繁に収納棚を出し入れしなければならず手間がかかるという問題がある。このため近年は、特許文献3に記載されたように、キャビネットからほぼ垂直方向に昇降可能な昇降ラックを備えた構成が多く採用されている。
しかし垂直方向に昇降させる構成においては、昇降ラックの前面を露出させるため、キャビネットの下方に昇降ラック全体をキャビネットから抜出するだけのストロークを要する。換言すれば、キッチンの上方から天井までの吊戸棚に使える空間のうち、半分の高さの吊戸棚しか設置できないことになる。また実際には昇降のための駆動機構をキャビネット内に設けなければならないため、さらに昇降ラックの容積は小さくなる。なお、一般家庭の天井の高さは一般的には2.3m程度であり、キッチンの高さは85cm程度である。さらにキッチンの上にはビンや小物ラックを置くための高さを残しておかなくてはならない。そして、残った上方空間の高さのうちの半分以下が昇降ラックの高さであるとすると、昇降ラックの容積が十分であるとはいえない。
そこで従来からも、キャビネットの前面扉を昇降ラックの上下動と連動させて開閉し、昇降ラックを降ろした状態において昇降ラックの上端がキャビネットの下端よりも上方に位置する構成が開示されている(例えば特許文献4)。この構成によれば、本来前面扉に隠れるはずの位置からも食器類を出し入れすることができるため、昇降ラック底面の高さを高くすることができ、限られた高さの上方空間において容積の大きな昇降ラックを設置することができる。
特開平11−46886号公報 特開2004−222886号公報 特開2006−000677号公報 特開2006−340756号公報
上述した特許文献4に記載の構成にあっては、扉の下端が回動して開く構成であるため、前面の開放スペースが小さくなる。このため、特に昇降ラックの上段は鍋や箱物などの大きなものを出し入れしにくいという問題がある。そこで、扉をさらに大きく開くことも考えられるが、吊戸棚の前方に大きく扉が張り出すことになるため、頭上に前板が迫ってくることとなり、圧迫感を与えるおそれがある。
そこで、本願の発明者は、昇降ラックに、その前面に配される下扉を連動させ下扉を垂直方向にスライドさせることで、扉の動作に伴う圧迫感を最小限に留め、昇降ラックの下降ストロークを長くしなくとも前面の開放スペースを十分に確保する発明の完成に至った。
このような下扉の連動構成では、下扉に動力を伝達するのに帯や紐といった索体が用いられ、下扉はその両端が索体に懸垂されることとなる。従って、下扉の水平度は、左右端部における2本の索体の長さのバランスに影響される。しかし、2本の索体の長さを正確に等しくするのは困難であり、また、正確に等しくしたとしても経年により伸びて一方が長くなることもある。
そこで、昇降ラックの移動時に下扉が傾斜するのを許容し、昇降動作の開始時および終了時である上限、下限において下扉を水平に位置決めすることで、少なくとも停止時には下扉を水平となるようにした。しかし、下扉を水平に位置決めすると、その2本の索体長の差分だけ弛みが生じてしまう。
本発明は、従来の技術が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、下扉を水平に位置決めして美観の向上を図るとともに、このような位置決めによる索体の長さのバラツキを吸収することが可能な、キッチン用昇降式吊戸棚を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、底面と前面が開放されたキャビネットと、キャビネットに対して昇降可能に支持される昇降ラックと、キャビネットの前面かつ上方に配置される上扉と、キャビネットの前面かつ下方に配置される下扉と、キャビネットの長手方向両端に設置され、昇降ラックと下扉とをそれぞれ懸垂する索体を互いに逆に巻回した2つのリールを軸支する下扉用滑車と、弾性部材で構成され、一端をキャビネットに他端を下扉用滑車に固定し下扉用滑車を支持する滑車支持部と、を備え、滑車支持部は、下扉が水平に位置決めされているとき、左右の索体の差分を吸収することを特徴とする、キッチン用昇降式吊戸棚が提供される。
上記下扉用滑車は、下扉用滑車のシャフトを受ける軸受けが、キャビネットに固定設置された垂直方向のガイドレールに案内され、そのガイドレールの範囲でスライドする。しかし、滑車支持部が下扉用滑車を支持し、下扉用滑車のスライドを抑制するため、障害物の挟入等による負荷が下扉にかからない限り下扉用滑車はキャビネットと一体となり定滑車として機能する。ここで、下扉用滑車から懸垂する索体が左右等しくなかった場合、下扉が水平に位置決めされると比較的長い方の索体が弛んでしまう。本発明では、左右の索体の張力が等しくなるまで滑車支持部が下扉用滑車を押し上げ、索体の長さのバラツキを吸収する。従って、下扉を左右均一な張力で懸吊でき、下扉の水平性を安定的に維持することが可能となる。
滑車支持部は、長さの異なる2つの弾性部材からなり、長い弾性部材は、下扉用滑車を常時支持し、短い弾性部材は、下扉の重量が重いときのみ下扉用滑車を支持してもよい。
かかる弾性部材の2重構造により、扉のバリエーションによる広範囲の重さの扉に対応でき、通常の昇降時にはその張力に適した弾性部材を、下扉が重くてガイドレール内をスライドするような時にはそれに適した弾性部材を機能させることができる。こうして、強い弾性で負荷の増大を抑制することが可能となる。
かかる2つの弾性部材はバネであり、互いに逆となる方向に巻回されてもよい。2つのバネが軸を等しくして同方向に巻回するとバネが伸張したときに互いを挟み込んでしまう可能性がある。本発明ではバネの巻回方向を逆にすることでかかる挟み込みを防止している。
キッチン用昇降式吊戸棚は、下扉用滑車のスライド位置が所定範囲を超えたことを検出する下扉検出器と、下扉検出器の検出結果に応じて下扉の昇降動作を抑制する下扉制御部と、をさらに備えてもよい。
障害物の挟入等により負荷が増加すると、滑車支持部の保持力に反して下扉用滑車がガイドレール内をスライドし、滑車支持部が保持すべき所定範囲を超えてしまう。本発明では、所定範囲を超えたことを検知し、即ち、障害物の挟入を検知して昇降ラックを停止する。かかる構成により、障害物の挟入等による負荷の増大による障害を確実に防止することができ、安全性の向上を図ることが可能となる。
また、キッチン用昇降式吊戸棚は、駆動モータをさらに含み、昇降ラックは、駆動モータを動力源として昇降し、下扉は、昇降ラックに連動して昇降してもよい。
かかる構成では、1つの動力源(駆動モータ)により昇降ラックおよび下扉の両方の昇降を制御できる。また、下扉を、昇降ラックを介して間接的に昇降する構成により、駆動モータから昇降ラックへ動力を伝達する機構と、昇降ラックから下扉へ動力を伝達する機構とを独立させ、それぞれの伝達機構を面内における索体と滑車との組み合わせのみで形成することができる。従って、複雑な機構によるコストの増加や信頼性の低下を招くことなく、昇降ラックと下扉の連動機構を実現することが可能となる。
本発明によれば、キッチン用昇降式吊戸棚において、下扉を水平に位置決めして美観の向上を図るとともに、このような位置決めによる索体の長さのバラツキを吸収することが可能となる。また、取り付けられる下扉の重さが変わっても下扉の荷重を吸収することが可能である。従って、下扉の水平性を安定的に維持することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、以下の実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。
本実施形態では、キッチン用昇降式吊戸棚(以下「吊戸棚」と略称する)の昇降ラックと、昇降ラックの前面を塞ぐ下扉とを連動させ、両装置を互いに逆方向に移動させている。従って、昇降ラックの下降ストロークを長くしなくとも前面の開放スペースを十分に確保することができる。また、下扉を水平に位置決めして美観の向上を図るとともに、索体を介して下扉を懸垂する下扉用滑車を、弾性部材で押し上げることで、上記位置決めによる索体の長さのバラツキを吸収することが可能となる。ここでは、本実施形態の理解を容易にするため、まず吊戸棚の配置および駆動機構について説明し、その後で本実施形態の特徴を詳述する。
図1は、本実施形態のシステムキッチンと吊戸棚との位置関係を示した斜視図である。システムキッチン100は調理に必要な火(加熱)や水を中心に調理器具がその大きさに応じて各収納庫に配されている。吊戸棚110は、システムキッチン100の上方に設置されているが、高所にある扉を開閉することなく、収納部分をキッチン使用者の目の高さまで下ろし、前方に手を伸ばして被収納物を収納または取り出せるようにしたものである。
上記システムキッチン100は、シンク130、調理スペース140およびコンロ150の概ね3つの部位で構成されている。かかるシステムキッチン100のうち、シンク130および調理スペース140の幅にわたる領域の上方において、吊戸棚110は、壁500に背面を固定支持されている。一方、火気を扱うコンロ150の上方には、吊戸棚110に隣接して、レンジフード160が吊戸棚同様に壁500に固定支持されている。
吊戸棚110は、下方が開放されたキャビネット170と、キャビネット170の下方にてキャビネット170の内外へ昇降する昇降ラック180とを含む。昇降ラック180は収納部を有し、前面の大部分が開放されていて、食器や台所回りの物品を出し入れすることができる。
また、キャビネット170の前面には上扉172と下扉174とが配置されていて、昇降ラック180が下降してキャビネット170の下方に出現するときは、これと連動して下扉174が上方へ移動する。従って、昇降ラック180の上端がキャビネット170の下端より下降せずとも、昇降ラック180の開放前面は使用者の目の前に出現する。かかる構成により昇降ラック180の可動範囲を狭くすることができ、昇降動作時間を短縮したり、昇降ラック180の高さ方向の寸法を大きくして容積増大を図ったりすることができる。以下に昇降ラック180と、下扉174とを連動させる駆動機構について説明する。
(昇降ラックの駆動機構)
図2は、昇降ラック180の駆動機構を示した図である。ここでは、主として昇降ラック180の昇降動作を説明するため吊戸棚110前面側から観察している。また、理解を容易にするため図2では下扉174の図示を省略している。
まず、駆動モータ190の回転によって、水平方向左右に駆動滑車192から2条の幅広索体200が巻き出される。この幅広索体200は、キャビネット170の両側板の近傍に固定設置され定滑車として機能する転向滑車210によって垂直方向に転向され、端部はそれぞれ昇降ラック180に固定され動滑車として機能する昇降滑車212を巻回して、キャビネット170の上方に固定されている。従って、駆動モータ190を回転駆動することによって昇降ラック180を昇降することができる。ここで、索体は縄に限らず帯も含む。
こうして昇降ラック180が降下すると下扉174(図示せず)の背面から収納部220が出現する。
(下扉の駆動機構)
図3は、昇降ラック180に連動する下扉174の駆動機構を示した図である。かかる図3は、吊戸棚110を側面から観察している。ここで、下扉174は、図2で示した昇降ラック180にさらに連動して昇降する。
図3(a)は、昇降ラック180がキャビネット170に収納されている状態を示している。昇降ラック180と下扉174との間には定滑車としての下扉用滑車250が固定設置される。下扉用滑車250は、2つのリール(第1リール252、第2リール254)が連結され軸を等しくして回転自在に軸支されている。そして、第1リール252には昇降ラック180を懸垂する索体が巻回され、第2リール254には下扉174を懸垂する索体が巻回されている。
ここで、昇降ラック180と下扉174とをそれぞれ懸垂する第1索体260および第2索体262は、リールに対して互いに逆回転に巻回されているので、昇降ラック180または下扉174の一方が上昇すると他方が連動して下降する。
図3(b)は、昇降ラック180がキャビネット170から抜出した状態を示している。昇降ラック180が昇降ガイドレール264に案内されつつ下降すると第1索体260が第1リール252を引っ張り、第1リール252と連結している第2リール254は回転軸256を中心に第1リール252と同一の角度分だけ回転する。そして、第2リール254の巻張力により第2索体262に接続された連結部266と下扉174が上昇する。従って、昇降ラック180の下降に応じて下扉174が上昇し、その移動量の和が昇降ラック180の開放スペースとなるので、下降ストロークを長くしなくとも昇降ラック180前面の開放スペースを十分に確保することが可能となる。
このとき、昇降ラック180および下扉174の荷重が回転軸256を中心に互いに逆にかかるため、第1リール252および第2リール254を回転させようとする張力が相殺され、昇降ラック180および下扉174を任意の位置に移動および維持する負荷を軽減でき、省電力、低コスト化を図ることが可能となる。
また、図3の下扉用滑車250に注目すると、第1リール252と第2リール254の索体の巻回部分の径が異なっているのが分かる。かかる構成により、昇降ラック180と下扉174との昇降ストローク比を当該吊戸棚110の用途に応じて任意に設定することが可能となる。
特に、図3では、下扉174を懸垂する索体が巻回された第2リール254の径が、昇降ラック180を懸垂する索体が巻回された第1リール252の径より小さくなっている。図3に示すような吊戸棚110は、下方にはある程度の占有可能空間を有し、上方には無いといった設置状況が想定されている。従って、昇降ラック180はその高さH分下降することが可能だが、下扉は上扉に重畳するまで、即ち昇降ラックの約半分の長さHしか上昇することができない。かかる下扉174に対応する第2リール254の径と、昇降ラックに対応する第1リール252の径との比は、例えば、H/Hとすることができ、H=450mm、H=200mmの場合、径の比を4/9とすればよい。このように第2リール254の径を第1リール252より小さくすることで、上述したストローク差を他の特別な機構を用いることなく実現することが可能となる。
(バラツキ吸収機構)
上述したような下扉174の連動構成では、下扉用滑車250が索体を通じて下扉174を懸垂している。従って、下扉174の水平度は、下扉174左右端部における2本の索体の長さのバランスに影響される。2本の索体の長さを正確に等しくするのは困難であるが、昇降ラック180の移動時に下扉174が傾斜するのを許容し、昇降動作の開始時および終了時である上限、下限において下扉を水平に位置決めすることで、少なくとも停止時には下扉を水平となるようにした。そして、本実施形態では、下扉174を水平に位置決めしたときに、本実施形態の構成により索体の長さのバラツキを吸収する。以下では、特に下扉174に関する索体のバラツキ吸収機構の構成を述べる。
図4は、本実施形態におけるバラツキ吸収機構の外観を示した斜視図であり、図5は、バラツキ吸収機構の動作を説明するための説明図である。かかるバラツキ吸収機構は、下扉用滑車250と、スライド部300と、固定部302と、滑車支持部として機能するバネ304とを含んで構成される。
上記スライド部300は、下扉用滑車250のシャフトを受ける軸受けに連結され、下扉用滑車250と一体的に上下動する。
上記固定部302は、キャビネット170に固定され、スライド部300を垂直方向に案内するガイドレール310が表面に設けられている。下扉用滑車250は、ガイドレール310に案内され、そのガイドレール310の範囲でスライドする。しかし、以下に示すバネ304が下扉用滑車250のスライドを抑制するため、障害物の挟入等による負荷が下扉174にかからない限り下扉用滑車250はキャビネット170と一体となり定滑車として機能する。
上記バネ304は、一端をキャビネット170に他端を下扉用滑車250に固定し、下扉用滑車250を支持する。そして、通常時の昇降動作において、下扉用滑車250のキャビネット170に対するスライド位置を所定範囲H(例えば5〜40mm)内で上下可能に保持する。バネ(弾性部材)304は、それに作用する力と伸縮の距離とが比例する。従って、バネ304のみで、負荷がかかっていない状態であるバランス状態において、下扉用滑車250とキャビネット170との相対距離を所定範囲H内に保持する。
また、バネ304は、下扉174が水平に位置決めされているとき、左右の索体の差分を吸収する。例えば、図3(b)のように昇降ラック180が下降し、下扉174が上昇したとき、下扉174と連結された連結部266がレール268の上端に当接して、下扉174が水平に位置決めされる。ここで、下扉用滑車250から懸垂する索体(第1索体と第2索体262との和)が左右等しくなかった場合、図5(a)に示すように、比較的長い方の索体(ここでは第2索体262)が弛んでしまう。
本実施形態では、図5(b)に示すように、左右の索体の張力が等しくなるまでバネ304が下扉用滑車250を押し上げ、第2索体262の長さのバラツキを吸収する。従って、下扉用滑車250は、下扉174を左右均一な張力で懸吊でき、下扉174の水平性を安定的に維持することが可能となる。
また、本実施形態におけるバネ304は、長バネと短バネとの2段構成になっている。
図6は、バネ304の弾性力の変化を説明するための説明図である。バネ304は、長さの異なる長バネ320と短バネ322の2つの弾性部材からなり、長バネ320は、下扉用滑車250を常時支持し、短バネ322は、長バネ320より強力な弾性力を有し、下扉174の重量が重いときのみ下扉用滑車250を支持する。
かかる弾性部材の2重構造において、図6(a)に示すようなに重量が軽い扉の昇降時にはその張力に適した長バネ320が機能して、下扉用滑車250が所定のスライド位置cで保持される。そして、下扉174が重くてガイドレール310内をスライドするような時には、下扉用滑車250がスライド位置dになって短バネ322に達し、その強力な弾性力で負荷の増大を抑制する。こうして、扉のバリエーションによる広範囲の重さの扉に対応できる。
このとき、長バネ320と短バネ322とは、互いに逆となる方向に巻回されている。長バネ320と短バネ322とが軸を等しくして同方向に巻回するとバネが伸張したときに互いを挟み込んでしまう可能性がある。ここでは長バネ320と短バネ322との巻回方向を逆にすることでかかる挟み込みを防止している。
(障害物検知機構)
このような昇降ラック180により自動的な昇降動作が可能となるが、意図せず昇降ラック180とキャビネット170との間や、下扉174と昇降ラック180または下扉174とキャビネット170との間に障害物が挟まることがある。以下では、特に下扉174に関する障害物検知の構成を述べる。
図7は、本実施形態における障害物検知機構の外観を示した斜視図であり、図8は、障害物検知機構の動作を説明するための説明図である。かかる障害物検知機構は、上述した下扉用滑車250、スライド部300、固定部302、滑車支持部として機能するバネ304に加えて、下扉検出器306と、下扉制御部(図示せず)とを含んで構成される。かかる下扉用滑車250、スライド部300、固定部302、バネ304の構成は上述した構成と実質的に等しいのでここでは説明を省略し、特に下扉検出器306と、下扉制御部について説明する。
上記下扉検出器306は、下扉用滑車250のスライド位置がバネ304の保持力に反して所定範囲Hを超えたことを検出する。障害物が下扉174に挟入し、負荷が増加すると、バネ304の保持力に反して下扉用滑車250がガイドレール310内をスライドする。下扉検出器306は、かかるスライド位置(相対移動量)と所定範囲Hとを比較し、所定範囲を超えたときに後述する下扉制御部に伝達する。ここで、下扉検出器306がスライド位置のみを検出し、下扉制御部によって所定範囲との比較が実行されるとしてもよい。そして、下扉制御部は、下扉検出器306の検出結果に応じて、昇降ラック180の昇降動作を抑制する。かかる昇降動作の抑制は、昇降動作の停止や昇降速度の減速等を含む。上記構成により、障害物の挟入等による負荷の増大による障害を確実に防止することができ、安全性の向上を図ることが可能となる。
下扉検出器306は、スライド位置の代わりにまたは加えて、スライド速度が所定範囲(例えば−30〜30mm/sec)を超えたことを検出してもよい。
図9は、スライド速度を用いることの利点を説明するための説明図である。障害物が挟入した場合、下扉174を昇降しようとする索体の張力に反して下扉174の動作が急激に鈍くなる。図9(b)に示すように、通常の昇降動作中に障害物が挟入した時点でスライド速度は急激に変化し、時点xで所定範囲を超える、その積分値であるスライド位置が所定範囲を超えるのは、図9(a)に示すように時点yとなり、少し遅れることとなる。従って、障害物の挟入をスライド速度で検知することで、より迅速に昇降動作を抑制することが可能となり、安全性をより高めることができる。ここでスライド速度は、スライド位置の微分値として表したが、単位時間当たりのスライド位置(変位)によって導出してもよい。
また、スライド速度は、スライド位置の微分値なので、経年等によるスライド位置の初期値の変化の影響を受けず、下扉検出器306は、高い信頼性を維持することが可能である。
さらに、上記スライド位置とスライド速度とを併用し、論理和によっていずれか一方または両方の信号を検知し昇降動作を抑制することで、障害物が不完全に挟入しスライド速度が所定範囲内に留まってしまう場合においても確実に昇降動作を抑制することが可能となり、さらなる安全性の向上を図ることができる。さらにスライド速度は、スライド位置の微分によって導出可能なので、別途の検出装置を追加する必要もなく、低コストかつ省占有空間での確実な昇降動作の抑制が可能となる。
ここで、下扉検出器306を下扉用滑車250の上下位置に応じて抵抗値が変化する可変抵抗器で構成してもよい。可変抵抗器は、下扉用滑車250の昇降ラック180に対する相対的なスライド位置を抵抗値(実際には抵抗にかかる電圧値または電流値)によって高精度に導出できる。かかる可変抵抗器を用いることで、負荷の増大を確実かつ高精度に検知することができる。また、上述した所定範囲をハード的な改修を行うことなく所定範囲に値する抵抗値の変更のみで容易に設定可能なので、汎用性やメンテナンス性に優れた吊戸棚110を提供できる。
また、下扉検出器306を、下扉用滑車250の上下移動をカウントするエンコーダで構成してもよい。エンコーダは、下扉用滑車250の昇降ラックに対する相対的なスライド位置を高精度に導出できる。かかるエンコーダを用いることで、負荷の増大を確実かつ高精度に検知することができる。
また、下扉検出器306に加えて、例えば、磁気センサといった物理的なリミットセンサを設けてもよい。かかるリミットセンサを設けることで安全性のさらなる向上を図ることができる。
(駆動モータからの連動)
上述したように、昇降ラック180は、駆動モータ190を動力源として昇降し、下扉は、昇降ラック180を間接的な動力源として昇降する。かかる構成により1つの動力源(駆動モータ)により昇降ラック180および下扉174の両方の昇降を制御できる。
図10は、駆動モータ190による駆動機構と昇降ラック180による駆動機構とを対比するための説明図である。ここでは、駆動モータ190から昇降ラック180へ動力を伝達する機構と、昇降ラック180から下扉174へ動力を伝達する機構とが独立し、それぞれの動力の伝達方向を面方向に制限することができる。例えば、駆動モータ190から昇降ラック180へ動力を伝達する機構は、YZ面における転向のみで達成できるので、索体と滑車との組み合わせのみで伝達機構を実現できる。同様に昇降ラック180から下扉174へ動力を伝達する機構も、ZX面における索体および滑車の組み合わせによる転向のみで達成できる。
さらに、下扉174が駆動モータ190から直接動力を受けていないので、昇降ラック180が何らかの事故によって昇降不能になった場合に下扉174も連動して停止する。従って、昇降ラック180の停止に反して下扉174だけ動作することによる、二次的被害が生じることもない。
以上、説明したように本実施形態における吊戸棚110は、下扉174を水平に位置決めして美観の向上を図るとともに、このような位置決めによる索体の長さのバラツキを吸収することが可能となる。従って、下扉174の水平性を安定的に維持することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態においては滑車支持部として弾性部材であるバネを挙げて説明しているが、滑車支持部はかかる場合に限られず、例えば、油圧や空気圧によるダンパ等の弾性部材を適用することも可能である。
本発明は、システムキッチンの上方の壁面に設けられる吊戸棚であって、内部に昇降ラックを収納するキッチン用昇降式吊戸棚に適用可能である。
本実施形態のシステムキッチンと吊戸棚との位置関係を示した斜視図である。 昇降ラックの駆動機構を示した図である。 昇降ラックに連動する下扉の駆動機構を示した図である。 バラツキ吸収機構の外観を示した斜視図である。 バラツキ吸収機構の動作を説明するための説明図である。 バネの弾性力の変化を説明するための説明図である。 障害物検知機構の外観を示した斜視図である。 障害物検知機構の動作を説明するための説明図である。 スライド速度を用いることの利点を説明するための説明図である。 駆動モータによる駆動機構と昇降ラックによる駆動機構とを対比するための説明図である。
符号の説明
100 …システムキッチン
110 …吊戸棚
130 …シンク
170 …キャビネット
172 …上扉
174 …下扉
180 …昇降ラック
190 …駆動モータ
250 …下扉用滑車
260 …第1索体
262 …第2索体
300 …スライド部
302 …固定部
304 …バネ
306 …下扉検出器
310 …ガイドレール
320 …長バネ
322 …短バネ

Claims (5)

  1. 底面と前面が開放されたキャビネットと、
    前記キャビネットに対して昇降可能に支持される昇降ラックと、
    前記キャビネットの前面かつ上方に配置される上扉と、
    前記キャビネットの前面かつ下方に配置される下扉と、
    前記キャビネットの長手方向両端に設置され、前記昇降ラックと前記下扉とをそれぞれ懸垂する索体を互いに逆に巻回した2つのリールを軸支する下扉用滑車と、
    弾性部材で構成され、一端を前記キャビネットに他端を前記下扉用滑車に固定し前記下扉用滑車を支持する滑車支持部と、
    を備え、
    前記滑車支持部は、前記下扉が水平に位置決めされているとき、左右の索体の差分を吸収することを特徴とする、キッチン用昇降式吊戸棚。
  2. 前記滑車支持部は、長さの異なる2つの弾性部材からなり、
    長い弾性部材は、前記下扉用滑車を常時支持し、
    短い弾性部材は、前記下扉の重量が重いときのみ該下扉用滑車を支持することを特徴とする、請求項1に記載のキッチン用昇降式吊戸棚。
  3. 前記2つの弾性部材はバネであり、軸を等しくして互いに逆となる方向に巻回されることを特徴とする、請求項2に記載のキッチン用昇降式吊戸棚。
  4. 前記下扉用滑車のスライド位置が所定範囲を超えたことを検出する下扉検出器と、
    前記下扉検出器の検出結果に応じて下扉の昇降動作を抑制する下扉制御部と、
    をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のキッチン用昇降式吊戸棚。
  5. 駆動モータをさらに含み、
    前記昇降ラックは、前記駆動モータを動力源として昇降し、
    前記下扉は、前記昇降ラックに連動して昇降することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のキッチン用昇降式吊戸棚。
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