JP4992865B2 - 液冷ジャケットおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、CPU等の熱発生体を冷却する液冷ジャケットおよびその製造方法に関する。
パーソナルコンピュータに代表される電子機器は、その性能が向上するにつれて、搭載されるCPU(熱発生体)の発熱量が増大する傾向にあり、CPUの冷却が益々重要になっている。従来、CPUを冷却するために、空冷ファン方式のヒートシンクが使用されてきたが、ファン騒音や、空冷方式での冷却限界といった問題がクローズアップされるようになり、次世代冷却方式として、液冷ジャケット(水冷ジャケット、液冷モジュールとも称される)が注目されている。
このような技術について、例えば特許文献1では、ジャケット本体の表面に凹部が形成され、その凹部の開口部を封止体で塞いで熱輸送流体の流路を形成した液冷ジャケットが提案されている。
特開2006−324647号公報
しかしながら、近年では、CPU等の熱発生体がさらに増加し、それらの発熱量が多くなっており、特許文献1に記載の液冷ジャケットでは、熱輸送流体と流路との接触面積が足りず、CPU等を効率的に冷却できない場合があるという問題があった。さらに、近年のコンピュータの小型化によって、狭いスペースでCPU等の熱発生体を効率的に冷却することが要求されている。
そこで、本発明は、前記問題を解決すべく、CPU等の熱発生体を効率的に冷却できる液冷ジャケットおよびその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、請求項1に係る本発明は、ジャケット本体内に、熱発生体が発生する熱を外部に輸送する熱輸送流体が流れる第一流体流路と第二流体流路とが前記ジャケット本体の厚さ方向に仕切部を挟んで積層配置されて形成され、前記第一流体流路は、前記ジャケット本体に形成された第一流体流路用の第一凹部と、この第一凹部の開口部を封止する第一封止体とで区画され、前記第一封止体は、前記第一凹部の開口周縁部と前記第一封止体の周縁部との突合部に沿って回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行うことで前記ジャケット本体に接合されており、前記第二流体流路は、前記ジャケット本体に形成された第二流体流路用の第二凹部と、この第二凹部の開口部を封止する第二封止体とで区画され、前記第二封止体は、前記第二凹部の開口周縁部と前記第二封止体の周縁部との突合部に沿って回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行うことで前記ジャケット本体に接合されていることを特徴とする液冷ジャケットである。
このような液冷ジャケットによれば、ジャケット本体の厚さ方向に二層の流体流路が配置されているので、熱輸送流体と流体流路との接触面積が広くなり、効率的に熱交換を行うことができるとともに、ジャケット本体の表裏両面の近傍に流体流路が形成されることとなり、液冷ジャケットの表裏両面に熱発生体をそれぞれ設けた場合でも、効率的に熱発生体の冷却を行うことができる。また、凹部の開口部を封止体で封止して流体流路を形成しているので、流体流路の密閉性が高くなる。
請求項2に係る発明は、前記仕切部には、前記第一流体流路と前記第二流体流路とを連通させる連通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液冷ジャケットである。
このような液冷ジャケットによれば、熱輸送流体の循環経路を少なくすることができるので、冷却装置を簡素化することができ、イニシャルコストおよびランニングコストを低減することができる。
請求項3に係る発明は、前記第一凹部が、前記ジャケット本体の表面側に開口して形成され、前記第二凹部が、前記ジャケット本体の裏面側に開口して形成されており、前記仕切部が、前記第一凹部と前記第二凹部間に位置する前記ジャケット本体の一部にて構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液冷ジャケットである。
このような液冷ジャケットによれば、熱発生体と流体流路との距離を小さくすることができ、効率的に熱発生体の冷却を行うことができる。
請求項4に係る発明は、前記第一封止体および前記第二封止体の少なくとも一方には、前記各凹部の底面側に延びる複数のフィンが一体に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液冷ジャケットである。
このような液冷ジャケットによれば、封止体と熱輸送流体との接触面積が広くなるので、熱輸送流体と流体流路との熱伝導効率が高まり、より効率的に熱発生体の冷却を行うことができる。
請求項5に係る発明は、前記第一封止体および第二封止体が、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材にて構成されていることを特徴とする請求項4に記載の液冷ジャケットである。
このような液冷ジャケットによれば、第一封止体および第二封止体が複数のフィンが形成された複雑な形状であっても、押出形材を適宜な長さで切断してフィンの端部を切断するだけで複雑な形状の封止体を容易に製造することができる。また、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材は、寸法精度が高く、また、強度の割に軽量である。
請求項6に係る発明は、前記第一凹部の底面および前記第二凹部の底面の少なくとも一方に、前記熱輸送流体の流路を区画して流れを案内する区画案内壁が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液冷ジャケットである。
このような液冷ジャケットによれば、凹部と熱輸送流体との接触面積が広くなるので、熱輸送流体と流体流路との熱伝導効率が高まり、より効率的に熱発生体の冷却を行うことができる。
請求項7に係る発明は、前記第一凹部が、前記ジャケット本体の表面側に開口して形成され、前記第二凹部が、前記第一凹部の底面に開口して段状に形成されており、前記仕切部は、前記第二凹部の開口部を封止する第二封止体にて構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液冷ジャケットである。
このような液冷ジャケットによれば、ジャケット本体の表面側から凹部の加工や摩擦攪拌の作業を行うことができるので、ジャケット本体の片面のみを加工すればよく、効率的な加工を行え、施工手間および施工時間の低減を図れる。
請求項8に係る発明は、前記第一封止体および前記第二封止体の少なくとも一方には、前記各凹部の底面側に延びる複数のフィンが一体に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の液冷ジャケットである。
このような液冷ジャケットによれば、封止体と熱輸送流体との接触面積が広くなるので、熱輸送流体と流体流路との熱伝導効率が高まり、より効率的に熱発生体の冷却を行うことができる。
請求項9に係る発明は、前記第一封止体および前記第二封止体が、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材にて構成されていることを特徴とする請求項8に記載の液冷ジャケットである。
このような液冷ジャケットによれば、第一封止体および第二封止体が複数のフィンが形成された複雑な形状であっても、押出形材を適宜な長さで切断してフィンの端部を切断するだけで複雑な形状の封止体を容易に製造することができる。また、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材は、寸法精度が高く、また、強度の割に軽量である。
請求項10に係る発明は、前記第二凹部の底面および前記第二封止体の前記第一封止体側の表面の少なくとも一方に、前記熱輸送流体の流路を区画して流れを案内する区画案内壁が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の液冷ジャケットである。
このような液冷ジャケットによれば、凹部および封止体の少なくとも一方と熱輸送流体との接触面積が広くなるので、熱輸送流体と流体流路との熱伝導効率が高まり、より効率的に熱発生体の冷却を行うことができる。
請求項11に係る発明は、ジャケット本体内に、熱発生体が発生する熱を外部に輸送する熱輸送流体が流れる第一流体流路と第二流体流路とが前記ジャケット本体の厚さ方向に仕切部を挟んで積層配置されて形成される液冷ジャケットの製造方法であって、前記ジャケット本体の表面に第一凹部を形成し、前記ジャケット本体の裏面に第二凹部を形成する凹部形成工程と、前記第一凹部の開口部に、当該開口部を封止する第一封止体を設置し、前記第二凹部の開口部に、当該開口部を封止する第二封止体を設置する封止体設置工程と、前記第一凹部の開口周縁部と前記第一封止体の周縁部との突合部に沿って回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行い、前記第二凹部の開口周縁部と前記第二封止体の周縁部との突合部に沿って回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行う接合工程とを備えたことを特徴とする液冷ジャケットの製造方法である。
このような液冷ジャケットの製造方法によれば、ジャケット本体の厚さ方向に二層の流体流路が配置されているので、熱輸送流体と流体流路との接触面積が広くなり、効率的に熱交換を行うことができるとともに、ジャケット本体の表裏両面の近傍に流体流路が形成されることとなり、液冷ジャケットの表裏両面に熱発生体をそれぞれ設けた場合でも、効率的に熱発生体の冷却を行うことができる。また、凹部の開口部を封止体で封止して流体流路を形成しているので、流体流路の密閉性が高くなる。
請求項12に係る発明は、前記封止体設置工程の前に、前記仕切部に、前記第一流体流路と前記第二流体流路とを連通する連通孔を形成する連通孔形成工程をさらに備えたことを特徴とする請求項11に記載の液冷ジャケットの製造方法である。
このような液冷ジャケットの製造方法によれば、熱輸送流体の循環経路を少なくすることができる出の、冷却装置を簡素化することができ、イニシャルコストおよびランニングコストを低減することができる。
請求項13に係る発明は、前記接合工程において、前記回転ツールを、前記開口部に対する移動方向と同じ方向に回転させることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の液冷ジャケットの製造方法である。
このような液冷ジャケットの製造方法によれば、万一、摩擦攪拌時に空洞欠陥が発生したとしても、突合部よりも外側位置の離反した部分に発生することとなり、熱輸送流体が外部に漏れにくくなるので、流体流路の密閉性がさらに高くなる。
請求項14に係る発明は、前記接合工程前に、前記突合部の一部を、前記回転ツールよりも小型の仮接合用回転ツールを用いて仮接合する仮接合工程をさらに備えたことを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれか1項に記載の液冷ジャケットの製造方法である。
このような液冷ジャケットの製造方法によれば、ジャケット本体と封止体とを仮接合することによって、本接合の際に、封止体が移動することがなく、本接合しやすくなるとともに、封止体の位置決め精度が向上する。また、仮接合用回転ツールが本接合用の回転ツールよりも小さいので、本接合用の回転ツールを、仮接合部分の上で移動させて摩擦攪拌するだけで、仮接合における塑性化領域が覆われて、本接合が仕上げられる。
請求項15に係る発明は、前記突合部が矩形環状を呈しており、前記仮接合工程において、前記突合部の一方の対角部分をそれぞれ先に仮接合した後に、他方の対角部分をそれぞれ仮接合することを特徴とする請求項14に記載の液冷ジャケットの製造方法である。
このような液冷ジャケットの製造方法によれば、封止体をバランスよく仮接合することができ、封止体のジャケット本体に対する位置決め精度が向上する。
請求項16に係る発明は、前記突合部が矩形環状を呈しており、前記仮接合工程において、前記突合部の一方の対辺の中間部分をそれぞれ先に仮接合した後に、他方の対辺の中間部分をそれぞれ仮接合することを特徴とする請求項14に記載の液冷ジャケットの製造方法である。
このような液冷ジャケットの製造方法によれば、封止体をバランスよく仮接合することができ、封止体のジャケット本体に対する位置決め精度が向上する。さらに、仮接合は直線状に行われるので、加工が容易となる。
本発明によれば、CPUなどの熱発生体を効率的に冷却できる液冷ジャケットを提供することができるといった優れた効果を発揮する。
以下、本発明の実施形態について、図面を適宜参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明に係る液冷ジャケットおよびその製造方法について説明する。液冷ジャケットは、例えば、パーソナルコンピュータ等の電子機器に搭載される冷却システムの構成部品であって、CPU(熱発生体)等を冷却する部品である。液冷システムは、CPUが所定位置に取り付けられる液冷ジャケットと、冷却水(熱輸送流体)が輸送する熱を外部に放出するラジエータ(放熱手段)と、冷却水を循環させるマイクロポンプ(熱輸送流体供給手段)と、温度変化による冷却水の膨張/収縮を吸収するリザーブタンクと、これらを接続するフレキシブルチューブと、熱を輸送する冷却水とを主に備えている。冷却水としては、例えば、エチレングリコール系の不凍液が使用される。そして、マイクロポンプが作動すると、冷却水がこれら機器を循環するようになっている。
図1および図2に示すように、液冷ジャケット1は、ジャケット本体10内に、熱発生体(図示せず)が発生する熱を外部に輸送する熱輸送流体が流れる第一流体流路21(図2参照)と第二流体流路22(図2参照)とが、ジャケット本体10の厚さ方向に仕切部13を挟んで積層配置されて形成されている。
ジャケット本体10は、直方体形状を呈した金属製部材であって、表面10a側に第一凹部11が形成され、裏面10b側に第二凹部12が形成されている。このようなジャケット本体10は、例えば、ダイキャスト、鋳造、鍛造などによって作製される。ジャケット本体10は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されている。これにより、液冷ジャケット1は軽量化が達成されており、取り扱い容易となっている。
第一流体流路21は、ジャケット本体10の表面10a側に形成された第一流体流路用の第一凹部11と、この第一凹部11の開口部14を封止する第一封止体31とで区画されている。この第一封止体31は、第一凹部11の開口周縁部14aと第一封止体31の周縁部31aとの突合部40(図3の(a)参照)に沿って回転ツールT(図4参照)を移動させて摩擦攪拌を行うことでジャケット本体10に接合されている。回転ツールTが通過した部分には、塑性化領域(第二塑性化領域)43(図2および図3の(c)参照)が形成されている。なお、本明細書において、「塑性化領域」とは、回転ツールTの摩擦熱によって加熱されて現に塑性化している状態と、回転ツールTが通り過ぎて常温に戻った状態の両方を含むこととする。
第一凹部11は、正方形の底面を有しており、上端の開口周縁部14aには、第一凹部11の底面側に一段下がった段差部16が形成されている。ジャケット本体10の表面10aと段差部16との高低差は、第一封止体31の厚さ寸法と同等である。段差部16の上には、第一封止体31の周縁部31aが載せられる。段差部16の幅は、冷却水が流れる第一凹部11の容積を確保するため、なるべく小さく設定することが好ましい。第一凹部11の周壁17の互いに対向する一対の壁部17a,17aのそれぞれには、第一凹部11に冷却水を流通させるための貫通孔18が形成されている。貫通孔18は、本実施形態では、壁部17a,17aの対向方向(壁部17aの壁厚方向)に延出しており、円形断面を有し、第一凹部11の深さ方向中間部に形成されている。なお、貫通孔18の形状および位置は、これに限られるものではなく、冷却水の種類や流量に応じて適宜変更可能である。
第一封止体31は、ジャケット本体10の第一凹部11の開口部14(図1参照)と同じ形状(本実施形態では正方形)の平面形状を有する板状の蓋板部33と、蓋板部33の片面(下面)に設けられた複数のフィン34,34…とを備えて構成されている。
複数のフィン34,34…は、互いに平行で且つ蓋板部33に対して直交して配置されており、蓋板部33と一体に構成されている。これにより、蓋板部33とフィン34,34…との間において、熱が良好に伝達するようになっている。図1に示すように、フィン34,34…は、貫通孔18,18が形成された周壁17の壁部17a,17aと直交する方向(貫通孔18の中心軸方向と沿った方向)に沿うように広がって配置されている。
本実施形態では、フィン34は、第一凹部11の段差部16より下方の深さ寸法よりも僅かに短い高さ(深さ)寸法を有しており、その先端部(下端部)が第一凹部11の底面と僅かなクリアランス(1mm以下の寸法)を設けている(図2参照)。
第一封止体31をジャケット本体10に取り付けると、第一封止体31の蓋板部33と、隣り合うフィン34,34と、第一凹部11の底面とで筒状の空間が区画され、その空間が、冷却水が流れる流路35(図2および図3の(a)参照)として機能することとなる。
フィン34,34…は、第一凹部11の一辺の長さ寸法よりも短い長さ寸法(貫通孔18の中心軸方向と沿った方向)を有している。フィン34の両端は、第一凹部11の周壁17の各壁部17a,17aの内壁面とそれぞれ所定の間隔を隔てるように構成されている。このようにすると、第一封止体31をジャケット本体10に取り付けたときに、フィン34,34…と、第一凹部11の周壁17の壁部17aとの間の空間が、流路ヘッダ部36として機能することとなる。流路ヘッダ部36は、貫通孔18から、フィン34の延出方向と直交する方向へ広がる(図2および図3の(a)参照)。
前記の複数の流路35,35…と、流路ヘッダ部36,36とで、第一流体流路21が構成される。そして、この第一流体流路21には、貫通孔18,18を介して冷却水(熱輸送流体)が流入・流出される。
第一封止体31もジャケット本体10と同様に、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されている。これにより、液冷ジャケット1は軽量化が達成されており、取り扱い容易となっている。第一封止体31は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されブロックを切削加工することで形成されている。作製方法はこれに限定されるものではなく、例えば、蓋板部33と複数のフィン34,34…からなる断面形状を有する部材を、押出成形または溝加工によって形成し、そのフィン34の長手方向両端部を取り除くことによって構成してもよい。
第二流体流路22は、ジャケット本体10の裏面10b側に形成された第二流体流路用の第二凹部12と、この第二凹部12の開口部15を封止する第二封止体32とで区画されている。この第二封止体32は、第二凹部12の開口周縁部15aと第二封止体32の周縁部32aとの突合部(図示せず)に沿って回転ツールTを移動させて摩擦攪拌を行うことでジャケット本体10に接合されている。回転ツールTが通過した部分には、塑性化領域(第二塑性化領域)43(図2参照)が形成されている。
第二凹部12は、第一凹部11を反転させた形状を呈しており、開口周縁部15aには、第一凹部11の段差部16と同じ形状の段差部16が形成されている。また、第二凹部12の周壁17の互いに対向する一対の壁部17a,17aのそれぞれには、表面10a側の貫通孔18と同じ形状の貫通孔18が形成されている。
第二封止体32は、第一封止体31と同じ形状を呈しており、第一封止体31を反転させた状態でジャケット本体10に取り付けられる。第二封止体32は、ジャケット本体10の第二凹部12の開口部15(図1参照)と同じ形状(本実施形態では正方形)の平面形状を有する板状の蓋板部33と、蓋板部33の上面に設けられた複数のフィン34,34…とを備えて構成されている。蓋板部33とフィン34の構成は、第一封止体31のものと同じ構成であるので、その説明を省略する。
そして、この第二封止体32をジャケット本体10に取り付けると、第二凹部12内に、冷却水が流れる流路35と、フィン34の延出方向と直交する方向へ広がる流路ヘッダ部36とが形成されている。
仕切部13は、第一凹部11と第二凹部12間に位置するジャケット本体10の一部にて構成されている。すなわち、仕切部13は、平面視正方形で所定厚さの平板形状を呈しており、表面10a側の面が第一凹部11の底面を構成し、裏面10b側の面が第二凹部12の底面を構成している。
このような構成によれば、例えば、第一流体流路21および第二流体流路22のそれぞれにおいて、一方の貫通孔18から流入した冷却水(熱輸送流体)は、流路ヘッダ部36で各流路35に広がって、流路35内を流れた後、他方の流路ヘッダ部36へ流れ込む。その後、流路ヘッダ部36内を他方の貫通孔18の方向へ流れて、その貫通孔18から流出する。
次に、前記のような構成の液冷ジャケット1の製造方法、およびジャケット本体10に、第一封止体31を摩擦攪拌接合によって固定する方法について、図3および図4を参照して説明する。
まず、図1に示すように、切削加工等の公知の加工方法において、所定の厚さを有する平面視正方形のジャケット本体10の表面10aに第一凹部11を形成し、その後、ジャケット本体10の裏面10bに第二凹部12を形成する(凹部形成工程)。
次に、図3の(a)に示すように、第一封止体31を、フィン34が下側になるようにして、第一凹部11に挿入して、第一封止体31の周縁部31aが、第一凹部11の開口周縁部14aの段差部16上に載置されるように設置する(封止体設置工程)。ここで、ジャケット本体10の第一凹部11の開口周縁部14aと、第一封止体31の周縁部31aとが突き合わされ、突合部40が構成される。
次に、この突合部40に沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールTを相対移動させて摩擦攪拌を行う(接合工程)。このとき、ジャケット本体10の周壁17の周面に、ジャケット本体10を四方向から囲む治具(図示せず)を予め当てておくのが好ましい。これによれば、周壁17の厚さが薄く、回転ツールTのショルダ部51(図4参照)の外周面と、周壁17の外周面との距離(隙間)が、例えば、2.0mm以下であっても、回転ツールTの押圧力によって周壁17が外側に変形しにくくなる。なお、周壁17の厚さが厚い場合は、前記の治具は設置しなくてもよい。
回転ツールTは、ジャケット本体10や第一封止体31よりも硬質の金属材料からなり、図4に示すように、円柱状を呈するショルダ部51と、このショルダ部51の下端面に突設された攪拌ピン(プローブ)52とを備えて構成されている。回転ツールTの寸法・形状は、ジャケット本体10および第一封止体31(第二封止体32)の材質や厚さ等に応じて設定すればよい。攪拌ピン52の突出長さ寸法L1は、第一封止体31の蓋板部33の厚さ寸法T1の60%以下であることが好ましい(本実施形態では、略50%)。このような構成によれば、摩擦攪拌接合によって第一封止体31が第一凹部11側に変形しにくくなり、第一凹部11の容積が小さくなることが防止される。また、回転ツールTの回転速度は500〜15000(rpm)、送り速度は0.05〜2(m/分)で、突合部40を押さえる押込み力は1〜20(kN)程度で、ジャケット本体10および第一封止体31の材質や板厚および形状に応じて適宜選択される。
まず、図3の(a)に示すように、回転ツールTをジャケット本体10に挿入するが、回転ツールTの挿入位置53は、突合部40から外側に外れた周壁17の上面(ジャケット本体10の表面10a)となっている。回転ツールTは、挿入位置53から突合部40へ回転しながら移動させる。回転ツールTは、その軸心が突合部40の突合面40a上に位置する部分に移動したならば、軸芯が突合面40aに沿うように、回転ツールTを移動させる。このとき、回転ツールTの回転方向(自転方向)は、移動方向(公転方向)と同じ方向となるようにする。すなわち、本実施形態では、回転ツールTを第一凹部11の開口部14に対して右回りに移動させている(図3の(a)中、矢印Y1参照)ので、回転ツールTを右回転させる(図3の(a)中、矢印Y2参照)。なお、回転ツールTを第一凹部11の開口部14に対して左回りに移動させるときは、回転ツールTを左回転させることとなる。
その後、回転ツールTの回転および移動を継続し、図3の(b)に示すように、回転ツールTを開口部14の周りを一周させて塑性化領域41を形成する。このとき、回転ツールTの一周目における始端54a(図3の(a)参照)と終端54b(図3の(b)参照)とがオーバーラップしており、塑性化領域41の一部が重複するように構成されている。
そして、図3の(c)に示すように、回転ツールTの一周目の移動が終わった後に、引き続いて塑性化領域41に沿って回転ツールTをさらに一周させる。本実施形態では、回転ツールTの二周目の回転および移動は、一周目の回転方向、回転速度、移動方向および移動速度と同様にしている(図3中、矢印Y3,Y4参照)。また、二周目の移動に入るに際して、回転ツールTは、交換を行わず、突合部40に挿入したままの状態で継続して回転および移動させ、押込み量も変更しない。なお、回転ツールTの回転速度や移動速度等は、ジャケット本体10と第一封止体31の形状や材質に応じて適宜変更してもよい。
ここで、回転ツールTは、一周目の移動において塑性化領域41を形成し、二周目の移動において、形成された塑性化領域41をさらに攪拌することでその内部に存在する空洞欠陥を低減させている。以下、回転ツールTの二周目の移動が終了して形成された領域を「第二塑性化領域43」と称する場合がある。
そして、図3の(c)に示すように、回転ツールTの二周目の移動が終了したならば、回転ツールTを塑性化領域43(突合部40)から外側に外れた周壁17の上面へと移動させ、その位置で、回転ツールTを引き抜く。このように、回転ツールTの引抜位置55が、突合部40から外側に外れた位置となっているので、攪拌ピン52の引抜跡が突合部40に形成されることはない。これにより、ジャケット本体10と第一封止体31との接合性をさらに高めることができる。なお、引抜跡は、溶接金属を埋める等して平坦に処理してもよい。
以上のように、回転ツールTを第一凹部11の開口部14の周囲で、突合部40(図3の(a)参照)に沿って二周させて摩擦攪拌接合を行うことで、ジャケット本体10に第一封止体31が固定される。
その後、裏面10b側の第二凹部12が上向きになるようにジャケット本体10を反転させる。そして、第二封止体32を、フィン34が下側になるようにして、第二凹部12に挿入して、第二封止体32の周縁部32aが、第二凹部12の開口周縁部15aの段差部16上に載置されるように設置する。以後、前記した第一封止体31と同様の作業工程を施して、摩擦攪拌によって第二封止体32をジャケット本体10に接合する(接合工程)。この工程で形成された複数の流路35,35…(図2参照)と、流路ヘッダ部36,36(図2参照)とで、第二流体流路22が構成される。この第二流体流路22には、第一凹部11の周壁17の互いに対向する一対の壁部17a,17aに形成された貫通孔18,18を介して冷却水(熱輸送流体)が流入・流出される。
なお、本実施形態では、回転ツールTを二周させて摩擦撹拌接合を行っているが、一周させるだけでも摩擦撹拌接合は可能であって、このようにしてもよい。
以上の工程が終了することで、第一封止体31および第二封止体32がジャケット本体10に接合されて、液冷ジャケット1が形成される。
本実施形態に係る液冷ジャケット1およびその製造方法によれば、ジャケット本体10の厚さ方向に二層の流体流路(第一流体流路21および第二流体流路22)が配置されているので、熱輸送流体と流体流路との接触面積が広くなる。これによって、熱輸送流体と液冷ジャケット1間で効率的に熱交換を行うことができる。さらに、ジャケット本体10の表面10aおよび裏面10bの両面の近傍に流体流路がそれぞれ形成されることとなり、液冷ジャケット1の表裏両面に熱発生体(図示せず)をそれぞれ接触させて配置した場合でも、効率的に熱発生体の冷却を行うことができる。
また、第一凹部11(第二凹部12)の開口部14(15)を第一封止体31(第二封止体32)で封止して、その突合部40に沿って摩擦攪拌を行って接合し、第一流体流路21(第二流体流路)を形成しているので、第一流体流路21(第二流体流路)の密閉性が高くなる。
さらに、ジャケット本体10の表面10aと裏面10bの両面に、それぞれ第一封止体31および第二封止体32が露出されることとなるが、各封止体31,32は厚さが比較的薄いので、液冷ジャケット1の表裏両面に熱発生体をそれぞれ接触させて配置した場合に、熱発生体と各流体流路21,22との距離を小さくすることができ、さらに効率的に熱発生体の冷却を行うことができる。
また、本実施形態では、第一封止体31および第二封止体32に、複数のフィン34,34…が一体に設けられているので、第一封止体31および第二封止体32と熱輸送流体との接触面積が広くなる。これによって、熱輸送流体と第一封止体31および第二封止体32との熱伝導効率が高まるので、熱発生体の冷却をより一層効率的に行うことができる。また、フィン34,34…と蓋板部33は一体に形成されているので、熱の伝導性が高い。
そして、第一封止体31および第二封止体32が、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材にて構成されているので、複数のフィン34が形成された複雑な形状であっても、押出形材を適宜な長さで切断してフィン34の押出方向の両端部を切断するだけで複雑な形状の第一封止体31および第二封止体32を容易に製造することができる。また、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材は、寸法精度が高く、また、強度の割に軽量である。
また、本実施形態の摩擦攪拌では、回転ツールTを一周させて塑性化領域41を形成した後に、この塑性化領域41に沿って回転ツールTをさらに一周させることによって、塑性化領域41よりもさらに攪拌された第二塑性化領域43が形成される。すなわち、塑性化領域41に空洞欠陥が発生した場合であっても自動的に欠陥を補修することとなり、第二塑性化領域43における空洞欠陥を大幅に低減させることができる。したがって、接合部の密閉性能をより一層向上させることができ、信頼性の高い液冷ジャケット1を供給することができる。
また、回転ツールTの二周目の移動は、回転ツールTの交換を行うことなく、一周目の移動に引き続いて連続的に行うことによって、接合時間が長くなるのを抑えることができる。
さらに、回転ツールTの一周目における始端54aと終端54bとがオーバーラップしており、塑性化領域41の一部が重複していることにより、ジャケット本体10の周壁17と、第一封止体31とを良好に接合することができる。すなわち、塑性化領域41が確実に突合部40の全周を覆うので、熱輸送流体が外部に漏れにくくなり、接合部の密閉性能をさらに向上させることができる。
また、回転ツールTを第一凹部11の開口部14回りの移動方向と同じ方向に回転させることによって、万一、第二塑性化領域43に空洞欠陥が発生したとしても、突合部40よりも外側寄りの部分に発生することとなる。したがって、第一凹部11内の熱輸送流体が空洞欠陥を伝わって流れることはないので、第一凹部11の外部に漏れにくくなり、接合部の密閉性能をさらに向上させることができる。
さらに、第一封止体31は、蓋板部33とフィン34,34…が一体的に形成されていることによって、蓋板部33の剛性が高くなり、摩擦攪拌接合の熱により第一封止体31が変形するのを防止できる。これによって、第一凹部11の開口部14の開口周縁部14aと第一封止体31の周縁部31aとの突合状態が良好となり、接合部の密閉性能をさらに向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る液冷ジャケットおよびその製造方法について、図5を参照して説明する。
かかる実施形態は、図5の(a)に示すように、第1実施形態の回転ツールTで塑性化領域41を形成する工程に先立って、第一凹部11(図1参照)の開口部14(図1参照)の開口周縁部14aと第一封止体31の周縁部31aとの突合部40の一部を回転ツールTよりも小型の仮接合用回転ツールT2を用いて仮接合することを特徴とする。なお、仮接合を行った後は、回転ツールTを用いて第1実施形態と同様の本接合を行う(図5の(b)参照)。
仮接合用回転ツールT2は、回転ツールTの攪拌ピン52よりも小径の攪拌ピン(図示せず)を備えており、形成される塑性化領域45は、後の工程で回転ツールTによって形成される塑性化領域41(図5の(b)参照)の幅よりも小さい幅を有することとなる。これによって、仮接合における塑性化領域45は、塑性化領域41で完全に覆われることとなるので、塑性化領域45に残った仮接合用回転ツールT2の引抜跡および塑性化領域45の跡が残らない。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、突合部40が正方形(矩形環状)を呈しており、仮接合用回転ツールT2で突合部40を仮接合する工程において、突合部40の一方の対角44a,44b同士を先に仮接合した後に、他方の対角44c,44d同士を仮接合するようになっている。このような順序で仮接合することで、第一封止体31をバランスよくジャケット本体10に仮接合することができ、第一封止体31のジャケット本体10に対する位置決め精度が向上するとともに、第一封止体31の変形を防止できる。また、第一封止体31の仮接合を行ったことによって、回転ツールTによる本接合時の第一封止体31のズレを防止でき、接合部の密閉性能をより一層向上させることができる。
なお、前記の仮接合は、第二封止体32についても行う。作業工程は、前記と同様の作業工程を行う。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る液冷ジャケットおよびその製造方法について、図6を参照して説明する。
かかる実施形態は、図6の(a)に示すように、第1実施形態の回転ツールTで塑性化領域41を形成する工程に先立って、第一凹部11(図1参照)の開口部14(図1参照)の開口周縁部14aと第一封止体31の周縁部31aとの突合部40の一部を回転ツールTよりも小型の仮接合用回転ツールT2を用いて仮接合することを特徴とする。ここでの仮接合は、第2実施形態が、正方形の突合部40の角部を摩擦攪拌接合しているのに対して、各辺の中間部を摩擦攪拌接合することによって直線状に行われている。具体的には、突合部40が正方形(矩形環状)を呈しており、仮接合用回転ツールT2で突合部40を仮接合する工程において、突合部40の一方の対辺46,46の中間部46a,46b同士を先に仮接合した後に、他方の対辺47,47の中間部47a,47b同士を仮接合するようになっている。このとき仮接合用回転ツールT2で形成される塑性化領域48は、それぞれ同じ長さの直線状になるようになっている。
本実施形態では、前記のような順序で仮接合することで、第一封止体31をバランスよくジャケット本体10に仮接合することができ、第一封止体31のジャケット本体10に対する位置決め精度が向上するとともに、第一封止体31の変形を防止できる。また、第一封止体31の仮接合を行ったことによって、回転ツールTによる本接合時の第一封止体31のズレを防止できる。さらに、本実施形態によれば、仮接合の摩擦攪拌接合が直線状であるので、仮接合用回転ツールT2を直線的に移動させるだけでよく加工が容易である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る液冷ジャケットについて、図7および図8を参照して説明する。
図7および図8に示すように、本実施形態に係る液冷ジャケット60は、第1実施形態の液冷ジャケット1の仕切部13に、第一流体流路21と第二流体流路22とを連通させる連通孔61が形成されていることを特徴とする。第1実施形態では、第一凹部11および第二凹部12のそれぞれにおいて、周壁17の互いに対向する一対の壁部17a,17aに貫通孔18,18が互いに対向して設けられていたが、第4実施形態では、第一凹部11および第二凹部12のそれぞれの周壁17において、同じ側に位置する壁部17aのみに、貫通孔18が形成されている。すなわち、貫通孔18は、ジャケット本体10の同じ側面(一面のみ)に上下に並んで二つ形成されていることとなる。
なお、液冷ジャケット60における連通孔61および貫通孔18以外の他の構成は、第1実施形態の液冷ジャケット1と同等であるので、同じ符号を付してその説明を省略する。
連通孔61は、第一凹部11の底面から第二凹部12の底面に渡って貫通して形成されている。連通孔61は、貫通孔18が形成された壁部17aとは逆側に位置する第一凹部11の底面(第二凹部12の底面)に形成されている。第一封止体31および第二封止体32をジャケット本体10に取り付けたときに、隣り合うフィン34,34間に形成される流路35(図8参照)の両端外側に形成される流路ヘッダ部36,36のうち、貫通孔18が形成されていない側の流路ヘッダ部36(図8参照)に開口するように、連通孔61が形成されている。連通孔61は、流路ヘッダ部36の広がる方向(フィン34の延出方向と直交する方向)に所定の間隔を隔てて複数(本実施形態では三箇所)形成されている。なお、連通孔61の個数は単数であってもよい。
このような構成によれば、例えば、第一流体流路21側に形成された貫通孔18から流入した冷却水(熱輸送流体)は、一方の流路ヘッダ部36で各流路35に広がって、流路35内を流れた後、他方の流路ヘッダ部36へ流れ込み、連通孔61を介して、第二流体流路22の流路ヘッダ部36へ流れる。その後、第二流体流路22の各流路35に広がって、流路35内を流れた後、貫通孔18側の流路ヘッダ部36へ流れ込み、貫通孔18から流出する。なお、冷却水(熱輸送流体)の流れる方向は、第一流体流路21から第二流体流路22へ流れる方向に限定されるものではなく、逆向きであってもよいのは勿論である。
連通孔61は、ジャケット本体10に第一凹部11および第二凹部12を形成する凹部形成工程の後で、第一凹部11の開口部14に第一封止体31を設置する封止体設置工程の前に、仕切部13に、ドリル等の公知の切削工具を用いて形成される(連通孔形成工程)。
このような構成の液冷ジャケット60によれば、第1実施形態の液冷ジャケット1と同様の作用効果のほかに、熱輸送流体の循環経路を少なくすることができるので、冷却装置を簡素化することができ、イニシャルコストおよびランニングコストを低減することができるといった作用効果を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係る液冷ジャケットについて、図9乃至図11を参照して説明する。
第1実施形態の液冷ジャケット1が、第一封止体31および第二封止体32に形成されたフィン34によって、第一流体流路21および第二流体流路22内の流路35が区画されているのに対して、本実施形態に係る液冷ジャケット70は、図9乃至図11に示すように、第一凹部11の底面および第二凹部12の底面に、熱輸送流体の流路35を区画して流れを案内する区画案内壁71が形成されていることを特徴とする。
なお、液冷ジャケット70における第一凹部11の底面および第二凹部12の底面に形成された区画案内壁71,71…と、第一封止体31および第二封止体32以外の他の構成は、第1実施形態の液冷ジャケット1と同等であるので、同じ符号を付してその説明を省略する。
図9乃至図11に示すように、区画案内壁71は、複数並列して形成されており、互いに平行で且つ第一凹部11および第二凹部12の底面に対して直交して立設されている。区画案内壁71は、第一凹部11および第二凹部12の底面と一体に構成されており、ジャケット本体10と区画案内壁71との間において、熱が良好に伝達するようになっている。区画案内壁71,71…は、貫通孔18,18が形成された周壁17の壁部17a,17aと直交する方向(貫通孔18の中心軸方向と沿った方向)に沿うように広がって配置されている。
区画案内壁71は、第一凹部11(第二凹部12)の段差部16から底部までの深さ寸法と同等の高さ寸法を有しており、その先端部が第一凹部11(第二凹部12)に固定された状態の第一封止体31(第二封止体32)の底部側表面(底面)と当接していることが望ましい(図11参照)。これによって、区画案内壁71と第一封止体31(第二封止体32)との間で熱が良好に伝達する。
第一封止体31(第二封止体32)は平板状に形成されており、平面視正方形を呈している。第一封止体31(第二封止体32)をジャケット本体10に取り付けると、第一封止体31(第二封止体32)と、隣り合う区画案内壁71,71と、第一凹部11(第二凹部12)の底面とで筒状の空間が区画され、その空間が、冷却水が流れる流路35(図10および図11参照)として機能することとなる。
区画案内壁71,71…は、第一凹部11(第二凹部12)の一辺の長さ寸法よりも短い長さ寸法(貫通孔18の中心軸方向と沿った方向)を有している。区画案内壁71の両端は、第一凹部11(第二凹部12)の周壁17の各壁部17a,17aの内壁面とそれぞれ所定の間隔を隔てるように構成されている。このようにすると、第一封止体31(第二封止体32)をジャケット本体10に取り付けたときに、区画案内壁71,71…の両端外側の、第一凹部11(第二凹部12)の周壁17の壁部17aとの間の空間が、流路ヘッダ部36(図10および図11参照)として機能することとなる。流路ヘッダ部36は、貫通孔18から、区画案内壁71の延出方向と直交する方向へ広がる(図10および図11参照)。前記の複数の流路35,35…と、流路ヘッダ部36,36とで、第一流体流路21(第二流体流路22)が構成される。そして、この第一流体流路21(第二流体流路22)には、第一凹部11の周壁17の互いに対向する一対の壁部17a,17aに形成された貫通孔18,18を介して冷却水(熱輸送流体)が流入・流出される。
区画案内壁71は、ジャケット本体10に第一凹部11(第二凹部12)を切削加工にて形成する際に、同時に形成される。すなわち、公知の切削工具を用いて、区画案内壁71を残して、第一凹部11(第二凹部12)を切削加工することで、区画案内壁71が形成されている。なお、作製方法はこれに限定されるものではなく、例えば、区画案内壁71を別体で形成しておいて、第一凹部11(第二凹部12)の底面に固定するようにしてもよい。
以上のような構成の液冷ジャケット70によれば、ジャケット本体10と熱輸送流体との接触面積が広くなるので、熱輸送流体と第一流体流路21および第二流体流路22との熱伝導効率が高まる。その結果、より効率的に熱発生体の冷却を行うことができる。また、その他にも、かかる液冷ジャケット70によれば第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、第一流体流路21と第二流体流路22とが、それぞれ独立して形成されているが、これに限定されるものではなく、第4実施形態のように、仕切部13(第一凹部11と第二凹部12間に位置するジャケット本体10の一部)に連通孔(図示せず)を形成するようにしてもよい。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態に係る液冷ジャケットについて、図12乃至図14を参照して説明する。
第1実施形態の液冷ジャケット1が、ジャケット本体10の表面10aおよび裏面10bの両側に凹部(第一凹部11および第二凹部12)がそれぞれ形成されて、これら凹部に封止体(第一封止体31および第二封止体32)を固定して、第一流体流路21および第二流体流路22を形成しているのに対して、本実施形態に係る液冷ジャケット80は、図12乃至図14に示すように、ジャケット本体10の片面(表面10a)側に、第一凹部81と第二凹部82の両方が形成されていることを特徴とする。具体的には、第一凹部81は、ジャケット本体10の表面10a側に開口して形成されており、第二凹部82は、第一凹部81の底面に開口して形成されている。すなわち、第一凹部81の奥(下部)に第二凹部82が段状に形成されている。そして、第二凹部82の開口部84は第二封止体92で封止されて第二流体流路102(図13参照)が形成され、その上部の第一凹部81の開口部14は第一封止体91で封止されて第一流体流路101(図13参照)が形成されている。
第一凹部81は、平面視正方形を呈しており、上端の開口周縁部14aには、第一凹部81の底面側に一段下がった段差部16が形成されている。ジャケット本体10の表面10aと段差部16との高低差は、第一封止体31の厚さ寸法と同等である。段差部16の上には、第一封止体91の周縁部91aが載せられる。段差部16の幅は、冷却水が流れる第一凹部11の容積を確保するため、なるべく小さく設定することが好ましい。
第一凹部81の周壁17には、貫通孔18,18が形成されている。貫通孔18は、第一凹部81に冷却水を流通させるためのものであって、互いに対向する一対の壁部17a,17aに形成されている。貫通孔18,18は、本実施形態では、壁部17a,17aの対向方向(壁部17aの壁厚方向)に延出しており、円形断面を有し、第一凹部81の深さ方向中間部に形成されている。なお、貫通孔18の形状および位置は、これに限られるものではなく、冷却水の種類や流量に応じて適宜変更可能である。
第二凹部82は、第一凹部81の底面をさらに切削することで形成されており、第一凹部81の底面において、第一凹部81の内周壁から所定幅で内側に広がる矩形枠状の底面周縁部83をあけて形成されている。底面周縁部83の幅は、第二凹部82の開口部84に第二封止体92を設置した際に、第二凹部82の開口周縁部84aと第二封止体92の周縁部92aとの突合部49a(図14参照)に沿って回転ツールT(図4参照)を移動させることが可能な寸法、すなわち、回転ツールTのショルダ部51(図4参照)の半径に、回転に必要なクリアランスを加えた寸法となっている。
第二凹部82は、平面視で第一凹部81の底面よりも底面周縁部83の幅寸法分、内側に小さい正方形の角柱形状を呈している。第二凹部82の上端(第一凹部81の底面に位置している)の開口部84の周縁部である開口周縁部84aには、第二凹部82の底面側に一段下がった段差部86が形成されている。段差部86は、第二封止体92の厚さ寸法と同等の寸法の段差を有している。一段下がった段差部86の上には、第二封止体92の周縁部92aが載せられる。段差部86の幅は、冷却水が流れる第二凹部82の容積を確保するため、なるべく小さく設定することが好ましい。
第二凹部82の周壁17の互いに対向する一対の壁部17a,17aの下部には、第二凹部82に冷却水を流通させるための貫通孔18,18がそれぞれ形成されている。貫通孔18,18は、本実施形態では、第一凹部81に開口する貫通孔18,18と平行に配置されて(壁部17a,17aの対向方向に延出して)いる。第二凹部82に開口する貫通孔18は、第一凹部81に開口する貫通孔18と同様の円形断面を有しており、第二凹部82の深さ方向中間部に形成されている。
第二封止体92は、ジャケット本体10の第二凹部82の開口部84(図12参照)と同じ形状(本実施形態では正方形)の平面形状を有する板状の蓋板部95と、蓋板部95の下面に設けられた複数のフィン96,96…とを備えて構成されている。
複数のフィン96,96…は、互いに平行で且つ蓋板部95に対して直交して配置されており、蓋板部95と一体に構成されている。図12および図13に示すように、フィン96,96…は、貫通孔18,18が形成された周壁17の壁部17a,17aと直交する方向(貫通孔18の中心軸方向と沿った方向)に沿うように広がって配置されている。また、フィン96は、第二凹部82の段差部86より下方の深さ寸法と同等の高さ(深さ)寸法を有しており、その先端部が第二凹部82の底面と当接していることが望ましい。これにより、第二凹部82の底面とフィン96,96…との間において、熱が良好に伝達する。
第二封止体92をジャケット本体10に取り付けると、第二封止体92の蓋板部95と、隣り合うフィン96,96と、第二凹部82の底面とで筒状の空間が区画され、その空間が、冷却水が流れる流路105(図13参照)として機能することとなる。
フィン96,96…は、第二凹部82の一辺の長さ寸法よりも短い長さ寸法(貫通孔18の中心軸方向と沿った方向)を有しており、その両端は、第二凹部82の周壁17の各壁部17a,17aの内壁面とそれぞれ所定の間隔を隔てるように構成されている。このようにすると、第二封止体92をジャケット本体10に取り付けたときに、フィン96,96…の両端外側の、第二凹部82の周壁17の壁部17aとの間の空間が、流路ヘッダ部106として機能することとなる。流路ヘッダ部106は、貫通孔18から、フィン96の延出方向と直交する方向へ広がる(図13参照)。前記の複数の流路105,105…と、流路ヘッダ部106,106とで、第二流体流路102が構成される。そして、この第二流体流路102には、貫通孔18,18を介して冷却水(熱輸送流体)が流入・流出される。
第一封止体91は、ジャケット本体10の第一凹部81の開口部14(図12参照)と同じ形状(本実施形態では正方形)の平面形状を有する板状の蓋板部93と、蓋板部93の下面に設けられた複数のフィン94,94…とを備えて構成されている。
第一封止体91の蓋板部93は、第二封止体92の蓋板部95よりもひと回り(第一凹部81の開口部14と第二凹部82の開口部84との差分)大きく形成されている。複数のフィン94,94…は、互いに平行で且つ蓋板部93に対して直交して配置されており、蓋板部93と一体に構成されている。図12に示すように、フィン94,94…は、貫通孔18,18が形成された周壁17の壁部17a,17aと直交する方向(貫通孔18の中心軸方向と沿った方向)に沿うように広がって配置されている。
フィン94は、第一凹部81の段差部16から底面周縁部83(第二封止体92の表面)までの深さ寸法よりも僅かに短い高さ(深さ)寸法を有しており、その先端部が第一凹部81の底面(第二封止体92の表面)と僅かなクリアランス(1mm以下の寸法)を設けている。
第一封止体91をジャケット本体10に取り付けると、第一封止体91の蓋板部93と、隣り合うフィン94,94と、第二封止体92の蓋板部95の表面とで筒状の空間が区画され、その空間が、冷却水が流れる流路103(図13参照)として機能することとなる。また、フィン94,94…は、第一凹部81の一辺の長さ寸法よりも短い長さ寸法(貫通孔18の中心軸方向と沿った方向)を有しており、その両端は、第一凹部81の周壁17の各壁部17a,17aの内壁面とそれぞれ所定の間隔を隔てるように構成されている。
これによって、第一封止体91をジャケット本体10に取り付けると、フィン94,94…の両端外側の、第一凹部11の周壁17の壁部17aとの間の空間が、貫通孔18から、フィン94の延出方向と直交する方向へ広がる流路ヘッダ部104(図13参照)を構成することとなる。前記の複数の流路103,103…と、流路ヘッダ部104,104とで、第一流体流路101(図13参照)が構成される。そして、この第一流体流路101には、第一凹部81の周壁17の互いに対向する一対の壁部17a,17aに形成された貫通孔18,18を介して冷却水(熱輸送流体)が流入・流出される。
第一封止体91および第二封止体92は、ジャケット本体10と同様に、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されている。これにより、液冷ジャケット80は軽量化が達成されており、取り扱い容易となっている。第一封止体91および第二封止体92は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されブロックを切削加工することで形成されている。また、作製方法はこれに限定されるものではなく、例えば、蓋板部93(95)と複数のフィン94,94(96,96)…からなる断面形状を有する部材を、押出成形または溝加工によって形成し、そのフィン94(96)34の長手方向両端部を取り除くことによって構成してもよい。
かかる実施形態では、第一流体流路101と第二流体流路102とは、第二封止体92にて仕切られることとなり、第二封止体92が仕切部107を構成している。
次に、前記のような構成の液冷ジャケット80の製造方法、およびジャケット本体10に、第二封止体92および第一封止体91を摩擦攪拌接合によって固定する方法について、主に図14を参照して説明する。
まず、図12に示すように、切削加工等の公知の加工方法において、所定の厚さを有する平面視正方形のジャケット本体10の表面10aに第一凹部81を形成し、その後あるいは同時に、第一凹部81の底部に第二凹部82を形成する(凹部形成工程)。
次に、第二封止体92を、フィン96が下側になるようにして、ジャケット本体10の表面10a側から、第二凹部82に挿入する。そして、第二封止体92の周縁部92aが、第二凹部82の開口周縁部84aの段差部86上に載置されるように第二封止体92を設置する(封止体設置工程)。ここで、ジャケット本体10の第二凹部82の開口周縁部84aと、第二封止体92の周縁部92aとが突き合わされ、突合部49a(図14参照)が構成される。
次に、図14の(a)に示すように、突合部49aに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールTを相対移動させて摩擦攪拌を行う(接合工程)。このとき、回転ツールTは、第1実施形態で用いたものと同じものを用いる。
まず、回転ツールTをジャケット本体10に挿入するが、図14の(a)に示すように、回転ツールTの挿入位置110は、突合部49aの周囲に第一凹部81の内周壁が近接しているので、突合部49a上となっている。そして、回転ツールTを、軸芯が突合部49aに沿うように移動させる。このとき、回転ツールTの回転方向(自転方向)は、移動方向(公転方向)と同じ方向となるようにする。すなわち、本実施形態では、回転ツールTを第二凹部82の開口部84(図12参照)に対して右回りに移動させている(図14の(a)中、矢印Y5参照)ので、回転ツールTを右回転させる(図14の(a)中、矢印Y6参照)。なお、回転ツールTを第二凹部82の開口部84(図12参照)に対して左回りに移動させるときは、回転ツールTを左回転させることとなる。
その後、回転ツールTの回転および移動を継続し、回転ツールTを開口部14の周りを一周させて塑性化領域41を形成する。回転ツールTの移動が終わったら、回転ツールTを引き抜く。この引抜位置111は挿入位置110とオーバーラップしており、塑性化領域41の一部が重複するように構成されている。なお、回転ツールTの引抜跡は、溶接金属を埋める等して平坦になるように処理してもよい。
以上のように、回転ツールTを、第二凹部82(図12参照)の開口部84(図12参照)の周囲で、突合部49aに沿って移動させて摩擦攪拌接合を行うことで、ジャケット本体10に第二封止体92が固定される。
その後、第一封止体91を、フィン94(図12参照)が下側になるようにして、ジャケット本体10の表面10a側から、第一凹部81(図14の(a)参照)に挿入する。そして、第一封止体91の周縁部91a(図12参照)が、第一凹部81の開口周縁部14a(図12および図14の(a)参照)の段差部16(図12および図14の(a)参照)上に載置されるように第一封止体91を設置する(封止体設置工程)。ここで、ジャケット本体10の第一凹部81の開口周縁部14aと、第一封止体91の周縁部91aとが突き合わされ、突合部49b(図14の(b)参照)が構成される。
まず、回転ツールTをジャケット本体10に挿入するが、図14の(b)に示すように、回転ツールTの挿入位置112は、突合部49bから外側に外れた周壁17の上面となっている。回転ツールTは、挿入位置112から突合部49bへ回転しながら移動させる。回転ツールTは、その軸心が突合部49b上に位置する部分に移動したならば、軸芯が突合部49aに沿うように、回転ツールTを移動させる。このとき、回転ツールTの回転方向(自転方向)は、移動方向(公転方向)と同じ方向となるようにする。すなわち、本実施形態では、回転ツールTを第一凹部81の開口部14に対して右回りに移動させている(図14の(b)中、矢印Y7参照)ので、回転ツールTを右回転させる(図14の(b)中、矢印Y8参照)。なお、回転ツールTを第一凹部81の開口部14に対して左回りに移動させるときは、回転ツールTを左回転させることとなる。
その後、回転ツールTの回転および移動を継続し、図14の(b)に示すように、回転ツールTを開口部14の周りを一周させて塑性化領域41を形成する。このとき、回転ツールTの始端114aと終端114bとがオーバーラップしており、塑性化領域41の一部が重複するように構成されている。
そして、回転ツールTの移動が終了したならば、回転ツールTを塑性化領域41(突合部49b)から外側に外れた周壁17の上面へと移動させ、その位置で、回転ツールTを引き抜く。このように、回転ツールTの引抜位置113が、突合部49bから外側に外れた位置となっているので、攪拌ピン52の引抜跡が突合部49bに形成されることはない。これにより、ジャケット本体10と第一封止体91との接合性をさらに高めることができる。なお、引抜跡は、溶接金属を埋める等して平坦に処理してもよい。
以上のように、回転ツールTを第一凹部81の開口部14の周囲で、突合部49bに沿って移動させて摩擦攪拌接合を行うことで、ジャケット本体10に第一封止体91が固定される。
なお、本実施形態では、回転ツールTを一周させて摩擦撹拌接合を行っているが、第1実施形態のように、二周させてもよいのは勿論である。これによれば、ジャケット本体10と、第一封止体91および第二封止体92との接合性をさらに高めることができる。
以上の工程が終了することで、第一封止体91および第二封止体92がジャケット本体10に接合されて、液冷ジャケット80が形成される。
以上のような構成の液冷ジャケット80によれば、ジャケット本体10の表面10a側から第一凹部81および第二凹部82の加工や摩擦攪拌の作業(第一封止体91および第二封止体92の接合作業)を行うことができる。したがって、ジャケット本体10の片面のみを加工すればよく、反転させる必要もないので、効率的な加工を行え、施工手間および施工時間の低減を図れる。
また、かかる液冷ジャケット80においても、ジャケット本体10の表面10aおよび裏面10bの両面の近傍に第一流体流路101および第二流体流路102が形成されることとなり、液冷ジャケット80の表裏両面に熱発生体(図示せず)をそれぞれ接触させて配置した場合でも、効率的に熱発生体の冷却を行うことができる。
また、その他にも、かかる液冷ジャケット80によれば第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、第一流体流路101と第二流体流路102とが、それぞれ独立して形成されているが、これに限定されるものではなく、第4実施形態のように、仕切部107(第二封止体92の蓋板部95)に連通孔(図示せず)を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、第一流体流路101と第二流体流路102にそれぞれフィン94,96を形成して、流路103,105をそれぞれ区画しているが、これに限定されるものではなく、第二凹部82の底面に、第二流体流路102を区画する区画案内壁を設けるようにしてもよい。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態に係る液冷ジャケットについて、図15乃至図18を参照して説明する。
本実施形態に係る液冷ジャケット90は、図15乃至図18に示すように、ジャケット本体10の片面(表面10a)側に、第一凹部121と第二凹部122の両方が形成されており、第二凹部122の底面および第二封止体132の第一封止体131側の表面の少なくとも一方(本実施形態では両方)に、熱輸送流体の流路(第一流体流路151および第二流体流路152)を区画して流れを案内する区画案内壁153が形成されていることを特徴とする。
図15に示すように、第一凹部121は、ジャケット本体10の表面10aに形成されており、底面が正方形の角柱形状を呈している。第一凹部121の上端の開口部123の開口周縁部123aには、第一凹部121の底面側に一段下がった段差部124が形成されている。段差部124は、第一封止体131の厚さ寸法と同等の寸法の段差を有している。一段下がった段差部124の上には、第一封止体131の周縁部131aが載せられる。
図17の(a)に示すように、第二凹部122は、第一凹部121の底面に形成された流路溝125およびその周囲に形成された区画案内壁153にて構成されている。流路溝125は、第一凹部121の底面に公知の切削加工によって、一の角部近傍から対角線上に位置する他の角部近傍までS字を繰り返すように蛇行して形成されている。この流路溝125と第二封止体132の底面とで、第二流体流路152が区画されている。流路溝125を形成したときに残る周囲の部分(底部は除く)が、流路溝125を区画して冷却水(熱輸送流体)を案内する区画案内壁153を構成することとなる。
流路溝125の一端部に位置する第二凹部122の周壁126には、第二流体流路152に冷却水を流通させるための貫通孔18が形成されている。貫通孔18は、本実施形態では、円形断面を有し、流路溝125の深さ方向中間部に形成されている。なお、貫通孔18の形状および位置は、これに限られるものではなく、冷却水の種類や流量に応じて適宜変更可能である。
第一封止体131は、平板状に形成されており、平面視正方形を呈している。この正方形は、第一凹部121の開口周縁部123aの一辺と同じ長さの辺長さを有している。
第二封止体132は、第一凹部121の段差部124の内周形状と同等の平面形状を呈し、段差部124から第一凹部121の底面までの深さと同等の厚さを有したブロック体の第一封止体131側の表面に流路溝127を形成して構成されている。この流路溝127と第一封止体131の底面とで、第一流体流路151が区画されている。流路溝127を形成したときに残る周囲の部分(底部は除く)が、流路溝127を区画して冷却水(熱輸送流体)を案内する区画案内壁154を構成している。流路溝127は、第二封止体132の一の角部近傍から対角線上に位置する他の角部近傍までS字を繰り返すように蛇行して延出して形成されており、その経路がジャケット本体10に装着した際に平面視して流路溝125と略重なるように形成されている。流路溝125の貫通孔18が形成された側と同じ側の流路溝127の一端部に位置する区画案内壁154には、流路溝125に冷却水を流通させるための貫通孔133が形成されている。貫通孔133が形成されている側とは反対側の流路溝127の他端部に位置する底面には、第一流体流路151と第二流体流路152とを連通させる連通孔134が形成されている。貫通孔133および連通孔134は、ドリル等の公知の切削工具を用いて穴あけ加工されて形成されている。
第一凹部121の周壁126には、第一流体流路151に冷却水を流通させるための貫通孔18が形成されている。貫通孔18は、第二封止体132を第一凹部121に挿入した際に、貫通孔133に連続する位置に形成されている。貫通孔18は、本実施形態では、円形断面を有し、流路溝127の深さ方向中間部に形成されている。なお、貫通孔18の形状および位置は、これに限られるものではなく、冷却水の種類や流量に応じて適宜変更可能である。第一流体流路151および第二流体流路152にそれぞれ連通する各貫通孔18,18は、ドリル等の公知の切削工具を用いて穴あけ加工されて形成されている。
かかる実施形態では、第一流体流路151と第二流体流路152とは、第二封止体132の底面にて仕切られることとなり、第二封止体92が仕切部155を構成している。
このような構成によれば、例えば、第一流体流路151側に形成された上側の貫通孔18から流入した冷却水(熱輸送流体)は、第二封止体132に形成された貫通孔133を流れて、第一流体流路151内の一端に流れ込む。そして、冷却水(熱輸送流体)は、第一流体流路151の他端まで流れ、連通孔134を流れて、第二流体流路152の他端に流れ込む。その後、冷却水(熱輸送流体)は、第二流体流路152の一端側まで流れた後、下側の貫通孔18から流出する。なお、冷却水(熱輸送流体)の流れる方向は、第一流体流路151から第二流体流路152へ流れる方向に限定されるものではなく、逆向きであってもよいのは勿論である。
次に、前記のような構成の液冷ジャケット90の製造方法、およびジャケット本体10に、第二封止体132および第一封止体131を摩擦攪拌接合によって固定する方法について、主に図17を参照して説明する。
まず、図15および図17の(a)に示すように、切削加工等の公知の加工方法において、所定の厚さを有する平面視正方形のジャケット本体10の表面10aに第一凹部121を形成し、その後に、第一凹部121の底部に流路溝125を形成する(凹部形成工程)。この流路溝125とその周囲の区画案内壁153とで第二凹部122が構成されている。
次に、図17の(b)に示すように、予め流路溝127、貫通孔133および連通孔134を形成しておいた第二封止体132を、流路溝127が上側になるようにして、ジャケット本体10の表面10a側から、第一凹部121に挿入する(封止体設置工程)。ここで、第一凹部121の段差部124の内側周縁部124a(図15参照)と、第二封止体132の周縁部132a(図15参照)とが突き合わされ、突合部156aが構成される。
次に、突合部156aに沿って摩擦攪拌接合用の回転ツールTを相対移動させて摩擦攪拌を行う(接合工程)。このとき、回転ツールTは、第1実施形態で用いたものと同じものを用いる。
まず、回転ツールTを突合部156a上の挿入位置160に挿入する。そして、回転ツールTを、軸芯が突合部156aに沿うように移動させる。このとき、回転ツールTの回転方向(自転方向)は、移動方向(公転方向)と同じ方向となるようにする。その後、回転ツールTの回転および移動を継続し、回転ツールTを段差部124の内側周縁部124aの周りを一周させて塑性化領域41を形成する。回転ツールTの移動が終わったら、回転ツールTを引き抜く。この引抜位置161は挿入位置160とオーバーラップしており、塑性化領域41の一部が重複するように構成されている。なお、回転ツールTの引抜跡は、溶接金属を埋める等して平坦になるように処理してもよい。
以上のように、回転ツールTを、段差部124の内側周縁部124aの周囲で、突合部156aに沿って移動させて摩擦攪拌接合を行うことで、ジャケット本体10に第二封止体132が固定される。
その後、図18に示すように、第一封止体131を、ジャケット本体10の表面10a側から、第一凹部121の段差部124および第二封止体132の上に載置する(封止体設置工程)。ここで、ジャケット本体10の第一凹部121の開口周縁部123aと、第一封止体131の周縁部131aとが突き合わされ、突合部156b(図18参照)が構成される。
まず、回転ツールTをジャケット本体10に挿入するが、図18に示すように、回転ツールTの挿入位置162は、突合部156bから外側に外れた周壁126の上面(ジャケット本体10の表面10a)となっている。回転ツールTは、挿入位置162から突合部156bへ回転しながら移動させる。回転ツールTは、その軸心が突合部156b上に位置する部分に移動したならば、軸芯が突合部156aに沿うように、回転ツールTを移動させる。このとき、回転ツールTの回転方向(自転方向)は、移動方向(公転方向)と同じ方向となるようにする。その後、回転ツールTの回転および移動を継続し、回転ツールTを開口部123の周りを一周させて塑性化領域41を形成する。このとき、回転ツールTの始端164aと終端164bとがオーバーラップしており、塑性化領域41の一部が重複するように構成されている。
そして、回転ツールTの移動が終了したならば、回転ツールTを塑性化領域41(突合部156b)から外側に外れた周壁126の上面へと移動させ、その位置で、回転ツールTを引き抜く。このように、回転ツールTの引抜位置163が、突合部156bから外側に外れた位置となっているので、攪拌ピン52の引抜跡が突合部156bに形成されることはない。これにより、ジャケット本体10と第一封止体131との接合性をさらに高めることができる。なお、引抜跡は、溶接金属を埋める等して平坦に処理してもよい。
以上のように、回転ツールTを第一凹部121の開口部123の周囲で、突合部156bに沿って移動させて摩擦攪拌接合を行うことで、ジャケット本体10に第一封止体131が固定される。
以上の工程が終了することで、第一封止体131および第二封止体132がジャケット本体10に接合されて、液冷ジャケット90が形成される。
以上のような構成の液冷ジャケット90によれば、ジャケット本体10の表面10a側から第一凹部81および第二凹部82の加工や摩擦攪拌の作業(第一封止体91および第二封止体92の接合作業)を行うことができる。したがって、ジャケット本体10の片面のみを加工すればよく、反転させる必要もないので、効率的な加工を行え、施工手間および施工時間の低減を図れる。
また、かかる液冷ジャケット90においても、ジャケット本体10の表面10aおよび裏面10bの両面の近傍に第一流体流路151および第二流体流路152が形成されることとなり、液冷ジャケット90の表裏両面に熱発生体(図示せず)をそれぞれ接触させて配置した場合でも、効率的に熱発生体の冷却を行うことができる。
また、その他にも、かかる液冷ジャケット90によれば第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、第一流体流路151と第二流体流路152とが、連通孔134で連通されて形成されているが、これに限定されるものではなく、第一流体流路151と第二流体流路152の両端部にそれぞれ貫通孔を形成して、独立して形成するようにしてもよい。
第1実施形態に係る液冷ジャケットの分解斜視図である。 第1実施形態に係る液冷ジャケットの断面図である。 (a)〜(c)は、第1実施形態に係る液冷ジャケットの摩擦撹拌工程を示した平面図である。 第1実施形態に係る液冷ジャケットの摩擦撹拌工程を示した断面図である。 (a)、(b)は、第2実施形態に係る液冷ジャケットの摩擦撹拌工程を示した平面図である。 (a)、(b)は、第3実施形態に係る液冷ジャケットの摩擦撹拌工程を示した平面図である。 第4実施形態に係る液冷ジャケットの分解斜視図である。 第4実施形態に係る液冷ジャケットの断面図である。 第5実施形態に係る液冷ジャケットの分解斜視図である。 第5実施形態に係る液冷ジャケットのジャケット本体を示した平面図である。 第5実施形態に係る液冷ジャケットの断面図である。 第6実施形態に係る液冷ジャケットの分解斜視図である。 第6実施形態に係る液冷ジャケットの断面図である。 (a)、(b)は、第6実施形態に係る液冷ジャケットの摩擦撹拌工程を示した平面図である。 第7実施形態に係る液冷ジャケットの分解斜視図である。 第7実施形態に係る液冷ジャケットの断面図である。 (a)、(b)は、第7実施形態に係る液冷ジャケットの摩擦撹拌工程を示した平面図である。 第7実施形態に係る液冷ジャケットの平面図である。
符号の説明
1 液冷ジャケット
10 ジャケット本体
10a 表面
10b 裏面
11 第一凹部
12 第二凹部
13 仕切部
14 開口部
14a 開口周縁部
15 開口部
15a 開口周縁部
21 第一流体流路
22 第二流体流路
31 第一封止体
31a 周縁部
32 第二封止体
32a 周縁部
40 突合部
60 液冷ジャケット
61 連通孔
70 液冷ジャケット
71 区画案内壁
80 液冷ジャケット
81 第一凹部
82 第二凹部
84 開口部
84a 開口周縁部
90 液冷ジャケット
91 第一封止体
91a 周縁部
92 第二封止体
92a 周縁部
101 第一流体流路
102 第一流体流路
121 第一凹部
122 第二凹部
123 開口部
123a 開口周縁部
131 第一封止体
131a 周縁部
132 第二封止体
132a 周縁部
134 連通孔
151 第一流体流路
152 第一流体流路
153 区画案内壁
154 区画案内壁
155 仕切部
156a 突合部
156b 突合部

Claims (16)

  1. ジャケット本体内に、熱発生体が発生する熱を外部に輸送する熱輸送流体が流れる第一流体流路と第二流体流路とが前記ジャケット本体の厚さ方向に仕切部を挟んで積層配置されて形成され、
    前記第一流体流路は、前記ジャケット本体に形成された第一流体流路用の第一凹部と、この第一凹部の開口部を封止する第一封止体とで区画され、
    前記第一封止体は、前記第一凹部の開口周縁部と前記第一封止体の周縁部との突合部に沿って回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行うことで前記ジャケット本体に接合されており、
    前記第二流体流路は、前記ジャケット本体に形成された第二流体流路用の第二凹部と、この第二凹部の開口部を封止する第二封止体とで区画され、
    前記第二封止体は、前記第二凹部の開口周縁部と前記第二封止体の周縁部との突合部に沿って回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行うことで前記ジャケット本体に接合されている
    ことを特徴とする液冷ジャケット。
  2. 前記仕切部には、前記第一流体流路と前記第二流体流路とを連通させる連通孔が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液冷ジャケット。
  3. 前記第一凹部は、前記ジャケット本体の表面側に開口して形成され、
    前記第二凹部は、前記ジャケット本体の裏面側に開口して形成されており、
    前記仕切部は、前記第一凹部と前記第二凹部間に位置する前記ジャケット本体の一部にて構成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液冷ジャケット。
  4. 前記第一封止体および前記第二封止体の少なくとも一方には、前記各凹部の底面側に延びる複数のフィンが一体に設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液冷ジャケット。
  5. 前記第一封止体および第二封止体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材にて構成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の液冷ジャケット。
  6. 前記第一凹部の底面および前記第二凹部の底面の少なくとも一方に、前記熱輸送流体の流路を区画して流れを案内する区画案内壁が形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の液冷ジャケット。
  7. 前記第一凹部は、前記ジャケット本体の表面側に開口して形成され、
    前記第二凹部は、前記第一凹部の底面に開口して段状に形成されており、
    前記仕切部は、前記第二凹部の開口部を封止する第二封止体にて構成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液冷ジャケット。
  8. 前記第一封止体および前記第二封止体の少なくとも一方には、前記各凹部の底面側に延びる複数のフィンが一体に設けられている
    ことを特徴とする請求項7に記載の液冷ジャケット。
  9. 前記第一封止体および前記第二封止体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の押出形材にて構成されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の液冷ジャケット。
  10. 前記第二凹部の底面および前記第二封止体の前記第一封止体側の表面の少なくとも一方に、前記熱輸送流体の流路を区画して流れを案内する区画案内壁が形成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の液冷ジャケット。
  11. ジャケット本体内に、熱発生体が発生する熱を外部に輸送する熱輸送流体が流れる第一流体流路と第二流体流路とが前記ジャケット本体の厚さ方向に仕切部を挟んで積層配置されて形成される液冷ジャケットの製造方法であって、
    前記ジャケット本体の表面に第一凹部を形成し、前記ジャケット本体の裏面に第二凹部を形成する凹部形成工程と、
    前記第一凹部の開口部に、当該開口部を封止する第一封止体を設置し、前記第二凹部の開口部に、当該開口部を封止する第二封止体を設置する封止体設置工程と、
    前記第一凹部の開口周縁部と前記第一封止体の周縁部との突合部に沿って回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行い、前記第二凹部の開口周縁部と前記第二封止体の周縁部との突合部に沿って回転ツールを移動させて摩擦攪拌を行う接合工程とを備えた
    ことを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
  12. 前記封止体設置工程の前に、
    前記仕切部に、前記第一流体流路と前記第二流体流路とを連通する連通孔を形成する連通孔形成工程をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項11に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  13. 前記接合工程において、前記回転ツールを、前記開口部に対する移動方向と同じ方向に回転させる
    ことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  14. 前記接合工程前に、前記突合部の一部を、前記回転ツールよりも小型の仮接合用回転ツールを用いて仮接合する仮接合工程をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれか1項に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  15. 前記突合部が矩形環状を呈しており、
    前記仮接合工程において、前記突合部の一方の対角部分をそれぞれ先に仮接合した後に、他方の対角部分をそれぞれ仮接合する
    ことを特徴とする請求項14に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  16. 前記突合部が矩形環状を呈しており、
    前記仮接合工程において、前記突合部の一方の対辺の中間部分をそれぞれ先に仮接合した後に、他方の対辺の中間部分をそれぞれ仮接合する
    ことを特徴とする請求項14に記載の液冷ジャケットの製造方法。
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