JP4992253B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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この発明は、電力変換装置に関し、特に、電動機を駆動する駆動電力を供給するための電力変換装置に関する。
従来、燃料電池を主電源として高効率にモータを駆動する構成を備えた「燃料電池を有する直流電源」(特許文献1参照)が知られている。
図24は、従来の「燃料電池を有する直流電源」におけるモータ駆動システムの概略構成を示すブロック図である。図24に示すように、従来のモータ駆動システム1は、燃料電池2aとバッテリ2bとを並列接続して電源システムを構成する。DC−DCコンバータ3をバッテリ2b側に接続する。燃料電池2aとバッテリ2bとの最大出力比は、前者が全体出力の65〜80%になる範囲で設定する。こうすることにより、DC−DCコンバータ3での損失を抑制し、高いエネルギ効率を実現することができる。つまり、バッテリ2bがDC−DCコンバータ3を介して燃料電池2aと並列に接続されており、DC−DCコンバータ3の出力電圧を制御することで、電源の出力効率を改善することを狙っている。
ところで、従来の「燃料電池を有する直流電源」(特許文献1参照)においては、DC−DCコンバータ3を使っているため、電源と電力変換装置(インバータ4)及びモータMを全て含めたシステム全体の体積が大きくなってしまうと共に、バッテリ2bを充放電するためにはDC−DCコンバータ3を通過することから、損失が発生してしまう。
これに対し、「電力変換装置、及びこれを搭載した燃料電池車両」(特許文献2参照)が知られている。
図25は、従来の「電力変換装置、及びこれを搭載した燃料電池車両」におけるモータ駆動システムの概略構成を示すブロック図である。図25に示すように、従来のモータ駆動システム5は、2個の電源6a,6b、電力変換器7、電力制御部8、トルク制御部9を有しており、電力変換器7から、モータMに必要な電圧を供給する。
この「電力変換装置、及びこれを搭載した燃料電池車両」は、燃料電池の出力電圧から交流電圧波形をパルス状電圧で生成する電力変換装置を提供する。本装置は、低電位側同士または高電位側同士が接続されて共通電位が形成されている、前記燃料電池及び蓄電手段で構成された3つの電位の電圧を出力する直流電圧源と、前記3つの電位の電圧の1つに接続し、電圧を前記電力変換装置の出力部に印加するスイッチング手段を各々備え、前記スイッチング手段は各々前記3つの電位に接続してオン・オフのパルス幅を制御することにより前記パルス状電圧を生成する、ことを特徴とする。
従って、スイッチのオン・オフのコントロールのみで、燃料電池からの電力と蓄電手段からの電力を制御可能であり、さらに、従来例とは異なり、サイズ・コストが大きく、かつ損失が大きいDC-DCコンバータが不要であるという利点がある。
特開2002−118981号公報 特開2006−025520号公報
しかしながら、従来の「電力変換装置、及びこれを搭載した燃料電池車両」(特許文献2参照)においては、半導体素子の最小オンパルス幅による影響を受けることが避けられなかった。
この発明の目的は、DC−DCコンバータを介さずに、複数の電源電力を利用・配分して、全体の体積・損失を低減することができると共に、半導体素子で実現可能な最小オンパルス幅を考慮し、各素子の耐圧を不要に高くすることのない電力変換装置を提供することである。
上記目的を達成するため、この発明に係る電力変換装置は、複数の直流電源と負荷との間に接続される複数のスイッチを動作させ、前記複数の電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで前記負荷を駆動するための駆動電圧を生成する電力変換装置であって、前記駆動電圧を前記複数の直流電源の出力が所定の電力配分となるように各直流電源ごとに電力配分目標値を設定し、前記電力配分目標値に基づき前記各直流電源に各々対応させた電圧指令値を生成する手段と、前記負荷から前記スイッチを介し所定の電源へ電流を還流させる還流経路を前記電力配分目標値に基づいて遮断する手段とを備えることを特徴としている。
この発明によれば、複数の直流電源と負荷との間に接続される複数のスイッチを動作させ、複数の電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで負荷を駆動するための駆動電圧を生成する電力変換装置は、電圧指令値を生成する手段により、駆動電圧を複数の直流電源の出力が所定の電力配分となるように各直流電源ごとに電力配分目標値を設定し、電力配分目標値に基づき各直流電源に各々対応させた電圧指令値を生成し、還流経路を遮断する手段により、負荷からスイッチを介し所定の電源へ電流を還流させる還流経路を電力配分目標値に基づいて遮断する。
このため、DC−DCコンバータを介さずに、複数の電源電力を利用・配分して、全体の体積・損失を低減することができると共に、半導体素子で実現可能な最小オンパルス幅を考慮し、各素子の耐圧を不要に高くすることがない。
以下、この発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、この発明の第1実施の形態に係る電力変換制御システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、電力変換制御システム10は、複数(この例では2個)の直流電源11a,11b、電力変換器(電力変換装置)12、トルク制御装置13、及び電力制御装置14を有しており、電力変換器12から、モータ(多相交流モータ)15に必要な電圧を供給する。ここで、モータ15は、三相交流モータである。
図2は、図1の電力変換器の構成を示す回路図である。図2に示すように、電力変換器12は、モータ15の各相(U相、V相、W相)毎に、複数組のスイッチ手段を有している。
直流電源11aと直流電源11bは、何れも負極側が、共通負極母線16に接続されており、共通負極母線16とモータ15の各相端子間は、一般的なインバータの下アームと同様に、半導体スイッチ17a,18a,19aとダイオード17b,18b,19bのそれぞれの組を介して接続されている。直流電源11aの正極母線20とモータ15の各相端子間は、双方向の導通を制御することができる2個の半導体スイッチ21a/21b,22a/22b,23a/23bの組を介して接続されている。直流電源11bの正極母線24とモータ15の各相端子間も同様に、双方向の導通を制御することができる2個の半導体スイッチ25a/25b、26a/26b、27a/27bの組を介して接続されている。
直流電源11aの正極母線20と共通負極母線16の間には平滑コンデンサ28が、直流電源11bの正極母線24と共通負極母線16の間には平滑コンデンサ29が、それぞれ接続されている。
また、この電力変換制御システム10では、特に、直流電源11aに燃料電池を用いている。よって、充電は不可能であることから、ダイオード30を配置している。
なお、この発明にあっては、上述した、一方の電源が燃料電池であるものに限定されないが、コンデンサから電流が負荷方向にしか流れない燃料電池の場合には、コンデンサを保護することができるので、特に好適である。充電可能でダイオードを配置しない電源を用いた場合であっても、コンデンサへ不要な電荷が蓄積されるとコンデンサ容量を増やさなければならいので、やはり、本件発明を適用することが好ましい。
この電力変換器12は、共通負極母線16、直流電源11aの正極母線20、及び直流電源11bの正極母線24の3つの電位をもとに、モータ15に印加する電圧を生成する直流(DC)・交流(AC)電力変換器である。モータ15の各相に設けられた半導体スイッチが、モータ15の各相に出力する電圧を生成するスイッチ手段であり、これらの電位の中から択一的に接続し、その接続する時間の割合を変化させることで、モータ15に必要な電圧を供給する。
図1に示すように、トルク制御装置13は、外部より与えられるトルク指令値Teとモータ回転速度ωから、モータ15のd軸電流の指令値idとq軸電流の指令値iqを演算する。トルク制御装置13では、予め作成されたTe,ωを軸としたマップを参照し、id,iqを出力する。
図1に示すように、電力制御装置14は、電流制御部31、電力制御・変調率演算部32、PWM(Pulse Width Modulation)パルス生成部33、駆動信号処理回路部34、及び3相/dq変換部35を有している。電流制御部31は、d軸電流指令値id、q軸電流指令値iqと、d軸電流値id、q軸電流値iqから、これらを一致させるための電流制御を行う。この制御によって、3相交流の各相の電圧指令値vu,vv,vwを出力する。
図3は、図1の電流制御部の構成を説明するブロック図である。図3に示すように、電流制御部31は、制御部36及びdq/3相変換部37を有している。制御部36は、d軸電流指令値id、q軸電流指令値iqに、d軸電流値id、q軸電流値iqが追従するように、それぞれP(比例)I(積分)制御によるフィードバック制御を行って、d軸電圧指令値vd、q軸電圧指令値vqを出力する。d軸電流値id及びq軸電流値iqは、3相/dq変換部35によりU相電流iu、V相電流ivから求められる。
dq/3相変換部37は、d・q軸電圧を3相電圧指令に変換する変換手段であり、d軸電圧指令値vd、q軸電圧指令値vqを入力とし、U相電圧指令値vu、V相電圧指令値vv、W相電圧指令値vwを出力する。
図1に示すように、電力制御・変調率演算部32は、直流電源11aと直流電源11bから供給される電力の分配目標値rto_pa,rto_pbを用いて、電力制御を行う。電力の分配目標値は、直流電源11aと直流電源11bの電力の比率を意味しており、電力の分配目標値rto_pa,rto_pbは、次の関係を有する。
rto_pa+rto_pb=1
このため、一方の電力分配目標値が得られれば、上記関係から、もう一方の電力分配目標値を求めることができる。つまり、電力制御・変調率演算部32への入力は、直流電源11aの電力の分配目標値rto_paのみ(図1参照)で良く、電力制御・変調率演算部32により、上記式に基づいて、直流電源11bの電力の分配目標値rto_pbが演算される。
図4は、電力制御・変調率演算部の構成を詳細に説明するブロック図である。図4に示すように、電力制御・変調率演算部32は、乗算器38、減算器39、変調率演算手段40、及び変調率補正手段41を有している。乗算器38は、U相電圧指令値vu、V相電圧指令値vv、W相電圧指令値vwに、それぞれ直流電源11aの電力の分配目標値rto_paを乗じて、直流電源11a側の電圧指令値vu_a,vv_a,vw_aを演算する。以下、直流電源11aから生成する電圧の指令を電源a分電圧指令、直流電源11bから生成する電圧の指令を電源b分電圧指令と称する。
vu_a=vu・rto_pa
vv_a=vv・rto_pa
vw_a=vw・rto_pa
一方、直流電源11b側の電圧指令値は、モータ電流制御の制御電圧から得られた電圧指令値vu,vv,vwから、直流電源11a側の電圧指令値vu_a,vv_a,vw_aを、減算器39で演算し求める。
vu_b=vu−vu_a
vv_b=vv−vv_a
vw_b=vw−vw_a
以下、変調率演算とPWMパルス生成の説明は、U相についてのみ行うが、V相、W相についても全く同様の操作を行う。
変調率演算手段40は、直流電源11aの電圧Vdc_a、直流電源11bの電圧Vdc_bから、規格化した電圧指令である瞬時変調率指令値mu_a,mu_b,mv_a,mv_b,mw_a,mw_bを生成する。即ち、変調率演算手段40は、乗算器42,43を有しており、ここでは、U相の電源a分電圧指令vu_a、電源b分電圧指令vu_bを、それぞれの直流電圧の半分の値で正規化することで、電源a分瞬時変調率指令値mu_a、電源b分瞬時変調率指令値mu_bを求める。
mu_a=vu_a/(Vdc_a/2)
mu_b=vu_b/(Vdc_b/2)
変調率補正手段41は、変調率オフセット演算器44、加算器45,46を有しており、得られた変調率を出力するために、PWM周期の時間幅を配分し、最終的な変調率指令値の演算を行う。
先ず、変調率オフセット演算器44で、直流電源11aの電源電圧Vdc_a、直流電源11bの電源電圧Vac_b、及び直流電源11aの電力の分配目標値rto_paから、次の変調率オフセットma_offset0,mb_offset0を演算する。ここで、直流電源11bの電力の分配目標値rto_pbは、前述の式をもとに演算する。
rto_pb=1−rto_pa
Figure 0004992253

Figure 0004992253
次に、得られた変調率オフセットma_offset0,mb_offset0は、加算器45と加算器46で、それぞれ電源a分瞬時変調率指令値mu_a、電源b分瞬時変調率指令値mu_bと加算する。
最終的な変調率指令値mu_a_c,mu_b_cを、以下の式で求める。
mu_a_c=mu_a+ma_offset−1
mu_b_c=mu_b+mb_offset−1
図5は、図1のPWMパルス生成部で用いる三角波の波形説明図である。図5に示すように、直流電源11a用のキャリアCaは、直流電源11aの電圧Vdc_aから電圧パルスを出力するために、各スイッチ手段を駆動するPWMパルスを生成するための三角波キャリアである。同様に、直流電源11b用のキャリアCbとして三角波キャリアを設ける。これら二つの三角波キャリアCa,Cbは、上限+1、下限―1の値をとり、180度の位相差を持つ。
図6は、図2のU相についての回路図である。図6に示す、U相の各スイッチ手段を駆動する信号A〜Eを、次のようにする。
A:直流電源11aから出力端子の方向へ導通するスイッチ手段を駆動する信号
B:出力端子から負極の方向へ導通するスイッチ手段を駆動する信号
C:出力端子から直流電源11aの方向へ導通するスイッチ手段を駆動する信号
D:直流電源11bから出力端子の方向へ導通するスイッチ手段を駆動する信号
E:出力端子から直流電源11bの方向へ導通するスイッチ手段を駆動する信号
先ず、直流電源11aから電圧パルスを出力する際のパルス生成方法について述べる。直流電源11aからPWMパルスを出力する際に、駆動信号Aをオン(ON)状態にする必要がある。直流電源11aの正極と直流電源11bの正極の間に電位差があり、直流電源11aの電源電圧Vdc_aが直流電源11bの電源電圧Vdc_bより大きい(Vdc_a>Vdc_b)とき、駆動信号Aと駆動信号Eが共にオン状態になると、両正極間を短絡する電流が流れることになる。
例えば、同時に駆動信号Aをオン状態からオフ(OFF)状態へ、駆動信号Eをオフ状態からオン状態へ切り換えた場合、駆動信号Aが完全にオフ状態になる迄に時間を要するため、駆動信号Eのオン状態時と重なり、共にオン状態になる時間が生じて、短絡電流が流れ、この経路に設置された半導体スイッチの発熱量が増加する。
このような発熱の増加を予防するために、駆動信号Aと駆動信号Eが共にオフ状態になる時間を経過した後に、駆動信号Aと駆動信号Eをオフ状態からオン状態へ切り換えるようにする。このように駆動信号に短絡防止時間(デッドタイム)を付加したパルス生成を行う。
この駆動信号Aと駆動信号Eにデッドタイムを付加するのと同様に、駆動信号Eと駆動信号Cにデッドタイムを付加し、更に、正極と負極の短絡防止のためには、駆動信号Aと駆動信号B、駆動信号Eと駆動信号Bにデッドタイムを付加する。
図7は、三角波比較による駆動信号Aと駆動信号Eのパルス生成を示す波形説明図である。図7に示すように、駆動信号Aと駆動信号Eにデッドタイムを付加した駆動信号生成を行うため、変調率指令値mu_a_cからデッドタイム分オフセットした変調率指令値mu_a_c_up,mu_a_c_downを、次のように求める。
mu_a_c_up=mu_a_c+Hd
mu_a_c_down=mu_a_c−Hd
ここで、Hdは、三角波の振幅(底辺から頂点まで)Htrと周期Ttr、及びデッドタイムTdから、次のように求める。
Hd=2Td×Htr/Ttr
キャリアと、各変調率指令値mu_a_c,mu_a_c_up,mu_a_c_downの比較を行って、駆動信号Aと駆動信号Eのスイッチの状態を、次のルールに従って求める。
mu_a_c_down≧電源11a用キャリアならば、駆動信号A=ON
mu_a_c≦電源11a用キャリアならば、駆動信号A=OFF
mu_a_c≧電源11a用キャリアならば、駆動信号E=OFF
mu_a_c_up ≦電源11a用キャリアならば、駆動信号E=ON
このように、駆動信号を生成することで、駆動信号Aと駆動信号Eの間には、デッドタイムTdを設けることができ、正極間の短絡を防止することができる。
図8は、三角波比較による駆動信号Dと駆動信号Cのパルス生成を示す波形説明図である。図8に示すように、直流電源11bから電圧パルスを出力する際のパルス生成方法は、直流電源11aの場合と同様であり、駆動信号Dと駆動信号Cにデッドタイムを付加した駆動信号生成を行うため、変調率指令値mu_b_cからデッドタイム分オフセットした変調率指令値mu_b_c_up,mu_b_c_downを求め、直流電源11b用キャリアとの比較を行う。
mu_b_c_up=mu_b_c+Hd
mu_b_c_down=mu_b_c−Hd
駆動信号Dと駆動信号Cのスイッチの状態を、次のルールに従って求める。
mu_b_c_down≧電源11b用キャリアならば、駆動信号D=ON
mu_b_c≦電源11b用キャリアならば、駆動信号D=OFF
mu_b_c≧電源11b用キャリアならば、駆動信号C=OFF
mu_b_c_up ≦電源11b用キャリアならば、駆動信号C=ON
このようにして、駆動信号Dと駆動信号Cの間にもデッドタイムTdを設けることができ、正極間の短絡を防止することができる。
駆動信号Bは、生成された駆動信号Eと駆動信号CのAND処理から生成する。
B=E・C
図9は、デッドタイムTdが付加されたパルス生成の例を示す波形説明図である。図9に示すように、駆動信号Eは、駆動信号Aとの間にデッドタイムTdを付加した信号であり、駆動信号Cは駆動信号Dとの間にデッドタイムTdを付加した信号である。このため、駆動信号Bを、駆動信号Eと駆動信号CのANDから生成することで、駆動信号Bと駆動信号A、駆動信号Bと駆動信号EにもデッドタイムTdを生成することができる。
これら各スイッチ手段の駆動信号A〜駆動信号Eは、駆動信号処理回路部34に入力する。
図10は、図1の駆動信号処理回路部の構成を説明する回路図である。ここでは、U相についての信号処理について説明するが、U相以外の他の相についても、同様な信号処理が行われる。
図10に示すように、駆動信号処理回路部34は、NOT回路47a,47b,47c、AND回路48a,48b,48c,48d,48e,48f、NOR回路49、及びOR回路50a,50b,50cを有している。
この駆動信号処理回路部34は、各スイッチ手段の駆動信号A〜Eと運転・停止判定信号pwm_enableを入力とし、各スイッチ手段の駆動信号を出力とする論理回路である。運転・停止判定信号pwm_enableとの論理演算を行う前に、駆動信号BとNOT回路47aを通して論理反転した信号と、駆動信号Aと駆動信号Dは、それぞれAND回路48aとAND回路48bにより論理積が演算され、信号A,Dを出力する。これによって、駆動信号Aと駆動信号Bが同時にオン、駆動信号Dと駆動信号Bが同時にオンする信号出力を防止することができ、極間の短絡を防ぐことができる。
また、C_OFF信号をNOT回路47bに通し、論理反転した信号を得る。この論理反転信号と駆動信号Cの論理積をAND回路48cにより演算し、新たに駆動信号Cとして出力する。C_OFF信号がL(ロー)のときは、入力された駆動信号Cと同じ状態の信号がAND回路48cから出力される。C_OFF信号がH(ハイ)のときには、いかなる信号が駆動信号Cに入力されようとも、AND回路48cの出力はLとなる。C_OFF信号の生成の詳細は後に述べる。
駆動信号Cと駆動信号Eが共にオフでありLの信号であるとき、NOR回路49の出力はHとなる。これと、元の駆動信号EをOR回路50aに通すと、OR回路50aから出力される信号EoはHとなる。即ち、駆動信号Eと駆動信号Cが共にオフの信号であるとき、また、C_OFF信号がHであるときは、駆動信号Eをオンすることになる。
運転・停止判定信号pwm_enableは、電力変換器12の運転時にH、停止時にLとする。この信号は、例えば、電気自動車であれば、運転者がキーを通常のエンジン車両のイグニッション位置に投入した際に、そのキーの回路から、運転(H)の信号を得る。それ以外の位置、若しくはキーを抜いた場合には、停止(L)の信号を出力する。
この運転・停止判定信号pwm_enableと、信号Ao、Do、及び入力した駆動信号Bに基づく信号Boのそれぞれとの論理積を、AND回路48d,48e,48fで演算し、駆動信号A,D,Bを出力する。この論理演算によって、運転・停止判定信号pwm_enableがLのときには、駆動信号A,D,BはLになって、各信号により駆動されるスイッチ手段はオフとなり、電源から負荷への電力供給を停止することができる。
また、信号Co,Eoと、運転・停止判定信号pwm_enableをNOT回路47cで反転した信号との論理和を、OR回路50b,50cで演算し、駆動信号Cと駆動信号Eを出力する。この論理演算によって、運転・停止判定信号pwm_enableがL、即ち、電力変換器12の停止信号を受けて、駆動信号Cと駆動信号Eは共にHになり、駆動信号Cと駆動信号Eをオンする。
このようにして生成されたPWMパルスをもとに、電力変換器12の各スイッチ手段をON・OFF駆動し、出力電圧パルスを生成する。周期毎に、直流電源11aの電圧Vdc_aから生成された電圧パルスと、直流電源11bの電圧Vdc_bから生成された電圧パルスとの平均を取ると、元の3相電圧指令値vu,vv,vwを実現する電圧パルスが生成されていることになる。
図11は、図10のC_OFF信号の生成を説明するブロック図である。図11に示すように、C_OFF信号は、C_OFF判定器51により生成される。C_OFF判定器51は、分配目標値rto_paを入力とし、C_OFF信号を出力する。
図12は、図11のC_OFF判定器の動作を示すフローチャートである。図12に示すように、C_OFF判定器51は、先ず、分配目標値rto_paと予め設定されたr_thの大小判定(rto_pa<r_th?)を行う(ステップS101)。判定の結果、rto_paがr_thより大きい(yes)場合、C_OFF信号をHにし(ステップS102)、rto_paがr_thより大きくない(no)場合、C_OFF信号をLにし(ステップS103)て、処理を終了する。
r_thの値は、例えば0.05のように設定し、実際に構成した電力変換装置12のオン・オフ波形から実験的にその値を決め、若しくは、回路シミュレーション等により、模擬実験を行って値を決める。
このようにして駆動する電力変換器12は、直流電源11aと直流電源11bの電力配分を操作することが可能であり、従来の「燃料電池を有する直流電源」(特許文献1参照)に示されているような直流電圧を調整するDC−DCコンバータを用いずに、電源電力を配分制御することができる。このため、電力変換制御システム全体を小形化・高効率化することができる。
これに加えて、C_OFF判定器51とC_OFF判定信号を用いることにより、次に示す効果を得ることができる。
図13は、電圧波形の計測点を示す、図2のU相についての図6と同様の回路図である。図13に示すように、半導体スイッチ17aとダイオード17bの出力端子間で、U相における出力電圧Vuの波形を計測する。
図14は、計測した電圧波形の一例を示す波形説明図である。図14に示すように、分配目標値rto_paが小さくなると、変調率指令値mu_a_cの値も小さくなり、その結果、駆動信号Aのパルス幅は短くなる。パルス幅が短くなると、スイッチ手段のオン時の遅れ等により、パルス幅に相当するオン時間を実現できなくなってくる。図中、点線で囲んだ区間では、出力電圧Vuに、駆動信号Aのオンにより電圧E1のパルスが出力されるべきであるが、パルス幅が小さくなると、パルス電圧が実現できなくなる。
一方で、出力端子から直流電源11aの正極への経路は、駆動信号Cのオンによって開通している。オン区間が実現できなくなるため、駆動信号Aを通してコンデンサ28(図13参照)から放電される電荷は少なくなり、この電荷量と駆動信号Cを通してコンデンサ28を充電する電荷量を比較すると、充電する電荷量の方が大きくなる。従って、コンデンサ28から直流電源11aへの経路上のダイオード30によって、コンデンサ28の電圧は上昇していく。
C_OFF判定信号を生成することで、分配目標値rto_paが小さくなり、駆動信号Aのパルス幅が小さくなりオン時間を実現できなくなる場合には、駆動信号Cのスイッチ手段をオフし、コンデンサ28への充電を防止する。これにより、コンデンサ28の電圧上昇を抑えることができるため、コンデンサ28や各スイッチ手段を選定する際に、耐電圧の高いものを使用せずに済み、電力変換器12のコストを低減することができる。
図15は、第1実施の形態の構成適用後のスイッチ手段の動きを示す波形説明図である。図15に示すように、駆動信号AがONしている期間中は、駆動信号A〜E(直流電源11a→直流電源11b)へ流れる経路ができてしまうが、そもそも直流電源11aのONにより電流は流れないので問題はない。また、当然に電源11a<電源11bの関係であれば、電流は流れない。
(第2実施の形態)
次に、この発明の第2実施の形態に係る電力変換制御システムについて説明する。ここでは、第1実施の形態との差異のみを説明する。この電力変換制御システムは、C_OFF判定器51に代えて、C_OFF判定器52を有している。その他の構成及び作用は、第1実施の形態の電力変換制御システム10と同様である。
図16は、第2実施の形態に係るC_OFF判定器によるC_OFF信号の生成を説明するブロック図である。図16に示すように、C_OFF判定器52は、電力の分配の指令値である分配目標値rto_pa0を入力とし、C_OFF信号と電力制御への分配目標値rto_paを出力する。
図17は、図16のC_OFF判定器の動作を示すフローチャートである。図17に示すように、C_OFF判定器52は、先ず、分配目標値rto_paと、予め設定されたr_thの大小判定(rto_pa<r_th?)を行う(ステップS201)。判定の結果、分配目標値rto_paがr_thより大きい(yes)場合、C_OFF信号をHにすると同時に、分配目標値rto_pa=0とし(ステップS202)、分配目標値rto_paがr_thより大きくない(no)場合、C_OFF信号はLとなり、分配目標値rto_paについては、rto_pa=rto_pa0として入力値をそのまま出力し(ステップS203)、処理を終了する。
電力制御・変調率演算部32における分配目標値rto_paは、このC_OFF判定器52の出力rto_paを用いる。
つまり、直流電源11aの分配目標値rto_paを0にすると、直流電源11bの分配目標値rto_pbの計算段階で、他の電源の比率に加算して出力される。
このように、C_OFF判定信号を生成することで、電力の分配の指令値である分配目標値rto_pa0が小さくなり、駆動信号Aのパルス幅が小さくなってオン時間を実現できなくなる場合には、駆動信号Cにより駆動されるスイッチ手段をオフし、コンデンサ28への充電を防止することができる。それと同時に、直流電源11aの電力分配目標値を0にすることで、直流電源11bからの電力分配目標値は1になり、直流電源11bから所望のモータ電圧指令値が出力されることになる。これによって、モータ15の出力電圧の指令値に対して、誤差の小さい電圧パルスを出力することができ、高い精度でモータトルクを制御することができる。
なお、第1実施の形態においては、それまで出力されてきた直流電源11aからの電圧パルスは、分配目標値の低下と、更に、C_OFF回路51によって、出力電圧パルスが生成されてなくなる。このため、出力電圧誤差が生じるが、モータ15は電流フィードバック制御で駆動されているため、出力電圧の誤差は、フィードバックによって、徐々に小さくなっていく。
(第3実施の形態)
次に、この発明の第3実施の形態に係る電力変換制御システムについて説明する。ここでは、第2実施の形態との差異のみを説明する。この電力変換制御システムは、駆動信号処理回路部34に代えて、駆動信号処理回路部53を有している。その他の構成及び作用は、第2実施の形態の電力変換制御システムと同様である。
図18は、第3実施の形態に係る駆動信号処理回路部の構成を説明する回路図である。図18に示すように、駆動信号処理回路部53は、C_OFF判定信号を用いない回路構成を有しており、第2実施の形態の駆動信号処理回路部34からNOT回路47b及びAND回路48cが除かれている。
図19は、第3実施の形態に係るC_OFF判定器によるC_OFF信号の生成を説明するブロック図である。図19に示すように、C_OFF判定器54は、電力の分配の指令値である分配目標値rto_pa0を入力とし、電力制御への分配目標値rto_paを出力する。
図20は、図19のC_OFF判定器の動作を示すフローチャートである。図20に示すように、C_OFF判定器54は、先ず、電力の分配の指令値である分配目標値rto_pa0と、予め設定されたr_thの大小判定(rto_pa<r_th?)を行う(ステップS301)。判定の結果、分配目標値rto_pa0がr_thより小さい(yes)場合、分配目標値rto_pa0=0とし(ステップS302)、分配目標値rto_pa0がr_thより小さくない(no)場合、分配目標値rto_pa0=rto_paとし、入力値をそのまま出力し(ステップS303)て、処理を終了する。
電力制御・変調率演算部32における分配目標値rto_paは、このC_OFF判定器54から出力された分配目標値rto_paを用いる。
上記構成を有することにより、駆動信号処理回路部53の構成を簡略化することができ、より低コストでコンデンサ28の電圧上昇を抑えることができる。
なお、駆動信号Cにより駆動されるスイッチ手段はONするが、分配目標値rto_pa=0のもとでは、駆動信号Cにより駆動されるスイッチ手段がオンするときには駆動信号Bにより駆動されるスイッチ手段もオンしており、コンデンサ28への充電は殆ど生じない。しかし、駆動信号B及び駆動信号Cにより駆動されるスイッチ手段の動作にバラツキが生じると、コンデンサ28への充電も起こり得るため、この実施例では、スイッチ手段の動作バラツキが小さいというのが前提になる。
(第4実施の形態)
次に、この発明の第4実施の形態に係る電力変換制御システムについて説明する。ここでは、第2実施の形態との差異のみを説明する。この電力変換制御システムは、第2実施の形態におけるC_OFF判定器52に代えて、C_OFF判定器52とは構成及び動作が異なるC_OFF判定器55を有している。その他の構成及び作用は、第2実施の形態の電力変換制御システムと同様である。
図21は、第4実施の形態に係るC_OFF判定器によるC_OFF信号の生成を説明するブロック図である。図21に示すように、C_OFF判定器55は、電力の分配の指令値である分配目標値rto_pa0を入力とし、C_OFF信号と電力制御への分配目標値rto_paを出力すると共に、出力したC_OFF信号をフィードバックし次のステップでC_OFF判定器55内の処理に用いる。
図22は、図21のC_OFF判定器の動作を示すフローチャートである。図23は、図21のC_OFF判定器の動作による分配目標値である。
図22に示すように、C_OFF判定器55は、先ず、C_OFF信号の状態判定(C_OFF=L?)を行う(ステップS401)。判定の結果、C_OFF=Lである(yes)場合、電力の分配の指令値である分配目標値rto_pa0と、予め設定されたr_th1の大小判定(rto_pa0<r_th1?)を行う(ステップS402)。
判定の結果、分配目標値rto_pa0がr_th1より小さい(yes)場合、C_OFF信号をHにすると同時に、分配目標値rto_pa=0とし(ステップS403)、一方、分配目標値rto_pa0がr_th1より小さくない(no)場合、C_OFF信号をLにすると同時に、分配目標値rto_pa=rto_pa0として入力値をそのまま出力し(ステップS404)、処理を終了する。
また、ステップS401での判定の結果、C_OFF=Lでない(no)場合、電力の分配の指令値である分配目標値rto_pa0と、予め設定されたr_th2の大小判定(rto_pa0>r_th2?)を行う(ステップS405)。判定の結果、分配目標値rto_pa0がr_th2より大きい(yes)場合、C_OFF信号をLにすると同時に、分配目標値rto_pa=rto_pa0として入力値をそのまま出力し(ステップS406)、一方、分配目標値rto_pa0がr_th2より大きくない(no)場合、C_OFF信号をHにすると同時に、分配目標値rto_pa=0とし(ステップS407)、処理を終了する。
ここで、r_th1とr_th2を、r_th1<r_th2の関係に設定することにより、上述したC_OFF判定器55の動作(図22参照)は、図23に示すように、判定にヒステリシスを設けることができる。
電力制御・変調率演算部32における分配目標値rto_paは、このC_OFF判定器55から出力された分配目標値rto_paを用いる。
上記構成を有することにより、C_OFF判定信号を生成することで、コンデンサ28への充電を防止することができると同時に、直流電源11aの電力分配目標値を0にすることで、モータ15の出力電圧の指令値に対し、誤差の小さい電圧パルスを出力することができ、高い精度でモータトルクを制御することができる。また、C_OFF判定信号と電力分配目標値の判定にヒステリシスを設けることで、微小なノイズ等によって分配目標値rto_pa0が乱されるような場合にも、不要なC_OFF切り替えを発生させずに済み、電力配分制御性を高めることができる。
上述したように、この発明に係る電力変換装置は、複数の直流電源と負荷との間に接続される複数のスイッチを動作させ、前記複数の電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで前記負荷を駆動するための駆動電圧を生成する電力変換装置であって、前記駆動電圧を前記複数の直流電源の出力が所定の電力配分となるように各直流電源ごとに電力配分目標値を設定し、前記電力配分目標値に基づき前記各直流電源に各々対応させた電圧指令値を生成する手段と、前記負荷から前記スイッチを介し所定の電源へ電流を還流させる還流経路を前記電力配分目標値に基づいて遮断する手段とを備えることを特徴とする。
従って、複数の直流電源の電力配分を操作することが可能であり、従来の電力変換装置のように、直流電圧を調整するDC−DCコンバータを用いずに、電源電力を配分制御することができる。このため、装置全体を小形化・高効率化することができるようになる。また、電源から電力を配分する目標値に応じて、電源への経路を遮断することで、電源への充電を防止し、電圧が不要に上昇することを未然に防止することが可能になる。これによって、不要な充電が生じ、耐圧の高い素子を選定する必要がなく、小型・低コストの電力変換装置を提供することが可能になる。
また、前記還流経路を遮断する手段は、前記電力配分目標値が所定値以下の場合、前記還流経路に備えられたスイッチをOFFするスイッチ駆動信号を出力する駆動信号処理回路であることを特徴とする。
従って、電源から電力を配分する目標値に応じて、配分する目標値を制限することで、電源への充電を防止し、電圧が上昇することを未然に防止することが可能になる。これによって、不要な充電が生じ、耐圧の高い素子を選定する必要がなく、小型・低コストの電力変換器を提供することが可能になる。
また、前記還流経路を遮断する手段は、前記電力配分目標値が所定値以下の場合、前記所定値以下の電力配分目標値を0として出力することを特徴とする。
従って、電源から電力を配分する目標値に応じて、配分する目標値を0にすることで、電源への充電を防止することが可能になる。
また、前記還流経路を遮断する手段は、前記電力配分目標値が所定値以下の場合、前記所定値以下の電力配分目標値を他の直流電源の電力配分目標値に加算すると共に、前記所定値以下の電力配分目標値を0として出力することを特徴とする。
従って、電力配分目標値が所定値以下の場合、所定値以下の電力配分目標値を他の直流電源の電力配分目標値に加算すると共に、所定値以下の電力配分目標値を0として出力する事で、電源への充電を防止できる。また、交流モータの出力電圧の指令値に対して、誤差の小さい電圧パルスを出力でき、高い精度でモータトルクを制御することができる。
また、前記還流経路を遮断する手段は、前記電力配分目標値が所定値以下の場合、前記所定値以下の電力配分目標値を0として出力すると共に、負荷から該当する直流電源への還流経路を遮断することを特徴とする。
従って、スイッチのオン・オフの個体ばらつきがあるような場合にも、配分目標値を制限するだけでなく、電源への電流経路を遮断することで、確実に電源への充電を防止することができる。
また、負荷から該当する直流電源への還流経路を遮断すると共に、他の直流電源への還流経路をオンすることを特徴とする。
従って、電源への電流経路を遮断するとともに、他の電源への電流経路をオンすることで、還流電流の電流経路を確保することができる。これによって、端子に発生する電圧を抑え、耐圧の低い回路素子を使用できるようにすることで、電力変換装置のコストを低減することが可能になる。
また、前記電力配分目標値の所定値にヒステリシスを設けることを特徴とする。
従って、C_OFF判定信号を生成することで、コンデンサへの充電を防止できると同時に、一方の直流電源(電源11a)の電力分配目標値を0にすることで、交流モータの出力電圧の指令値に対して、誤差の小さい電圧パルスを出力でき、高い精度でモータトルクを制御することができる。また、C_OFF判定信号と電力分配目標値の判定に、ヒステリシスを設けることで、微小なノイズ等によって、分配目標値rto_pa0が乱されるような場合にも、不要なC_OFF切り替えを発生させずに済み、電力配分制御性を高めることができる。
また、前記複数の直流電源の内の充電不可能な直流電源に対応した配分比率に基づいて、前記電力配分目標値を判定することを特徴とする。
従って、充電不可能な電源の配分目標値に基づいて、電圧の配分目標値の操作を行うことで、不要な充電電流を未然に防止することができ、電力変換装置と電源システムを保護することが可能になる。これにより、保護機器の削減等の効果が得られる。
また、第1直流電源及び第2直流電源と、前記複数の電源のそれぞれの出力電圧から生成した電圧が供給される負荷と、前記第1直流電源の正極と前記負荷の間に設けられた第1通電経路スイッチ及び第1還流経路スイッチと、前記第2直流電源の正極と前記負荷の間に設けられた第2通電経路スイッチ及び第2還流経路スイッチと、前記第1直流電源及び前記第2直流電源の負極共通母線と前記負荷の間に設けられた第3通電経路スイッチとを備え、前記第1直流電源及び前記第2直流電源の電圧指令値に応じて、前記第1通電経路スイッチ及び前記第2通電経路スイッチを通電状態にし、前記第1通電経路スイッチがONのとき前記第2還流経路スイッチがOFF、前記第2通電経路スイッチがONのとき前記第1還流経路スイッチがOFF、前記第1通電経路スイッチ又は前記第2通電経路スイッチがONのとき前記第2直流電源の通電を禁止する状態において、前記第1直流電源の電力配分目標値が所定以下のときに前記第1還流経路スイッチをOFFすると共に、前記第2還流経路スイッチをONするC−OFF回路を備えることを特徴とする。
また、前記第1直流電源の電力配分目標値が所定以下のときに、前記第1直流電源の通電を制限する手段を更に備えることを特徴とする。
このように、この発明によれば、複数の直流電源と負荷との間に接続される複数のスイッチを動作させ、複数の電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで負荷を駆動するための駆動電圧を生成する電力変換装置は、電圧指令値を生成する手段により、駆動電圧を複数の直流電源の出力が所定の電力配分となるように各直流電源ごとに電力配分目標値を設定し、電力配分目標値に基づき各直流電源に各々対応させた電圧指令値を生成し、還流経路を遮断する手段により、負荷からスイッチを介し所定の電源へ電流を還流させる還流経路を電力配分目標値に基づいて遮断する。
特に、フライホイールダイオード(還流ダイオード)に相当するスイッチを制御する、若しくは実質的にフライホイールダイオード(還流ダイオード)への電流を制限して、上述した課題を解決している。
このため、DC−DCコンバータを介さずに、複数の電源電力を利用・配分して、全体の体積・損失を低減することができると共に、半導体素子で実現可能な最小オンパルス幅を考慮し、各素子の耐圧を不要に高くすることがない。
この発明の第1実施の形態に係る電力変換制御システムの回路構成を示すブロック図である。 図1の電力変換器の構成を示す回路図である。 図1の電流制御部の構成を説明するブロック図である。 電力制御・変調率演算部の構成を詳細に説明するブロック図である。 図1のPWMパルス生成部で用いる三角波の波形説明図である。 図2のU相についての回路図である。 三角波比較による駆動信号Aと駆動信号Eのパルス生成を示す波形説明図である。 三角波比較による駆動信号Dと駆動信号Cのパルス生成を示す波形説明図である。 デッドタイムTdが付加されたパルス生成の例を示す波形説明図である。 図1の駆動信号処理回路部の構成を説明する回路図である。 図10のC_OFF信号の生成を説明するブロック図である。 図11のC_OFF判定器の動作を示すフローチャートである。 電圧波形の計測点を示す、図2のU相についての図6と同様の回路図である。 計測した電圧波形の一例を示す波形説明図である。 第1実施の形態の構成適用後のスイッチ手段の動きを示す波形説明図である。 第2実施の形態に係るC_OFF判定器によるC_OFF信号の生成を説明するブロック図である。 図16のC_OFF判定器の動作を示すフローチャートである。 第3実施の形態に係る駆動信号処理回路部の構成を説明する回路図である。 第3実施の形態に係るC_OFF判定器によるC_OFF信号の生成を説明するブロック図である。 図19のC_OFF判定器の動作を示すフローチャートである。 第4実施の形態に係るC_OFF判定器によるC_OFF信号の生成を説明するブロック図である。 図21のC_OFF判定器の動作を示すフローチャートである。 図21のC_OFF判定器の動作による分配目標値である。 従来の「燃料電池を有する直流電源」におけるモータ駆動システムの概略構成を示すブロック図である。 従来の「電力変換装置、及びこれを搭載した燃料電池車両」におけるモータ駆動システムの概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 電力変換制御システム
11a,11b 直流電源
12 電力変換器
13 トルク制御装置
14 電力制御装置
15 モータ
16 共通負極母線
17a,18a,19a,21a,21b,22a,22b,23a,23b,25a,25b,26a,26b,27a,27b 半導体スイッチ
17b,18b,19b,30 ダイオード
20,24 正極母線
28,29 平滑コンデンサ
31 電流制御部
32 電力制御・変調率演算部
33 PWMパルス生成部
34,53 駆動信号処理回路部
35 3相/dq変換部
36 制御部
37 dq/3相変換部
38,42,43 乗算器
39 減算器
40 変調率演算手段
41 変調率補正手段
44 変調率オフセット演算器
45,46 加算器
47a,47b,47c NOT回路
48a,48b,48c,48d,48e,48f AND回路
49 NOR回路
50a,50b,50c OR回路
51,52,54,55 C_OFF判定器

Claims (10)

  1. 複数の直流電源と負荷との間に接続される複数のスイッチを動作させ、前記複数の電源のそれぞれの出力電圧からパルスを生成・合成することで前記負荷を駆動するための駆動電圧を生成する電力変換装置であって、
    前記駆動電圧を前記複数の直流電源の出力が所定の電力配分となるように各直流電源ごとに電力配分目標値を設定し、前記電力配分目標値に基づき前記各直流電源に各々対応させた電圧指令値を生成する手段と、
    前記負荷から前記スイッチを介し所定の電源へ電流を還流させる還流経路を前記電力配分目標値に基づいて遮断する手段と
    を備えることを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記還流経路を遮断する手段は、前記電力配分目標値が所定値以下の場合、前記還流経路に備えられたスイッチをOFFするスイッチ駆動信号を出力する駆動信号処理回路であることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記還流経路を遮断する手段は、前記電力配分目標値が所定値以下の場合、前記所定値以下の電力配分目標値を0として出力することを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記還流経路を遮断する手段は、前記電力配分目標値が所定値以下の場合、前記所定値以下の電力配分目標値を他の直流電源の電力配分目標値に加算すると共に、前記所定値以下の電力配分目標値を0として出力することを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
  5. 前記還流経路を遮断する手段は、前記電力配分目標値が所定値以下の場合、前記所定値以下の電力配分目標値を0として出力すると共に、負荷から該当する直流電源への還流経路を遮断することを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
  6. 負荷から該当する直流電源への還流経路を遮断すると共に、他の直流電源への還流経路をオンすることを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記電力配分目標値の所定値にヒステリシスを設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  8. 前記複数の直流電源の内の充電不可能な直流電源に対応した配分比率に基づいて、前記電力配分目標値を判定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電力変換装置。
  9. 第1直流電源及び第2直流電源と、前記複数の電源のそれぞれの出力電圧から生成した電圧が供給される負荷と、前記第1直流電源の正極と前記負荷の間に設けられた第1通電経路スイッチ及び第1還流経路スイッチと、前記第2直流電源の正極と前記負荷の間に設けられた第2通電経路スイッチ及び第2還流経路スイッチと、前記第1直流電源及び前記第2直流電源の負極共通母線と前記負荷の間に設けられた第3通電経路スイッチとを備え、
    前記第1直流電源及び前記第2直流電源の電圧指令値に応じて、前記第1通電経路スイッチ及び前記第2通電経路スイッチを通電状態にし、
    前記第1通電経路スイッチがONのとき前記第2還流経路スイッチがOFF、前記第2通電経路スイッチがONのとき前記第1還流経路スイッチがOFF、前記第1通電経路スイッチ又は前記第2通電経路スイッチがONのとき前記第2直流電源の通電を禁止する状態において、前記第1直流電源の電力配分目標値が所定以下のときに前記第1還流経路スイッチをOFFすると共に、前記第2還流経路スイッチをONするC−OFF回路を備えることを特徴とする電力変換装置。
  10. 前記第1直流電源の電力配分目標値が所定以下のときに、前記第1直流電源の通電を制限する手段を更に備える請求項9に記載の電力変換装置。
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