JP4991588B2 - 集光光学系および光加工装置 - Google Patents
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Description
「レンズ群」は、微小な光放射部からの発散光束を集光させる機能をもつレンズ系である。レンズ群は1以上のレンズ、好ましくは複数のレンズにより構成される。
レンズ群が「微小な光放射部からの発散光束を集光させる機能を持つ。」とは、上記光束変換素子、光束屈曲手段を用いない状態において、レンズ群が、微小な光放射部を物点として、集光機能により上記物点の像を結像する機能を持つことを意味する。
「微小な光放射部」は、レンズ群を構成する複数のレンズの共通の光軸上、もしくはその近傍に位置するように、レンズ群との位置関係が設定されるのが基本であるが、微小な光放射部を「レンズ群の光軸に直交する方向に位置調整可能」および「レンズ群の光軸に対する傾き方向にチルト可能」とすることにより、あるいはまた「レンズ群の光軸に直交する方向に位置調整可能」または「レンズ群の光軸に対する傾き方向にチルト可能」とすることにより、例えば上記2以上の点状の集光部への光エネルギの分配を調整するようにもできる。
「光束屈曲手段」は、位置的には「レンズ群と、このレンズ群による光束の集光位置との間」に配設され、機能的には「レンズ群により集光する1以上の光束を屈曲」させる。
請求項7〜9記載の集光光学系では「微小な光放射部」は光束変換光学素子により、レンズ群に対する「リング状の物体」に変換されるので、集光光学系により集光される像は基本的にはリング状であるが、光束屈曲手段の形態によっては、リング状の集光部はリングが分割された「2以上の線状の集光部」となることもある。
h=(1/R)(r−r0)2/[1+√{1−(1+k)(1/R)2(r−r0)2}]
+A1(r−r0)+A2(r−r0)2+A3(r−r0)3+・・+An(r−r0)n
とすることができ、レンズ群中におけるレンズ面にも適宜に非球面を用いて良い。
このように非球面を用いて、集光光学系の光学機能を最適化することにより「2以上の点状または1以上の線状の集光状態」を極めて良好に実現できる。
「発散光束を放射する微小な光放射部」は、「LDやLED等、微小な発光部を持つ実体的な光源」でもよいし、適宜の光源から光束を放射させ、この光束を集光光学系により集光させた後に集光部から発散する光束とし、上記集光部を微小な光放射部とするものでも良い。
上記「導光路」としては、光ファイバを好適に用いることができるが、それ以外にもインテグレータや導波管、導波路などを用いることができ、これらの導光路の微小な射出端を光放射部とすることができるものである。
上記光加工装置により相互に光溶着する樹脂構成物は例えば、後述する「樹脂製のレンズと樹脂製の鏡筒」などである。光加工装置による光加工としては、溶着や半田溶融、溶接・切断加工や、固着、密閉等の加工が可能である。
図1は、集光光学系の実施の1形態を説明図的に示す図である。
図1(a)において、符号0は導光路である「光ファイバ」、符号10は光束変換光学素子、符号12はレンズ群、符号14は光束屈曲手段、符号16は変位手段をそれぞれ示している。
レンズ群12はこの実施の形態においては、光軸回転対称な2枚の正レンズ121、122を「光軸を共通化して配置」してなり、上記光軸は、上記微小な光放射部01から放射される発散光束の主光線に合致するように光放射部01に対する相対的な位置を定められている。
光束変換光学素子10、レンズ群12、光束屈曲部材14は、変位手段16によりレンズ群12の光軸方向に独立して変位可能となっている。
ここで、図1(a)の状態で、光束変換光学素子10のみをレンズ群12の光軸方向へ変位させた場合を考えると、光束変換光学素子10は結像機能をもたないので、これを上記光軸の方向に変位させても、2光束LF1、LF2の光束の性質は変化しない。
図1(a)に示す角:βは前述の「照射角」であり、集光点PI1、PI2へ向かって集光する集束光束LF1、LF2の主光線と、結像面Sに立てた垂線とのなす角である。
レンズ群12を光軸方向へ変位させると、共役関係における結像倍率が変化するので、集光点PI1、PI2における「集光像の大きさ」を調整することが可能である。
図2に示す光加工装置は「光加工」として、樹脂製のレンズLNと樹脂製の鏡筒400との光溶着を行う装置である。
レンズLNは図2(a)に示すように鏡筒400の「受け部」に落とし込まれ、レンズ周辺の平面状部分と鏡筒400の「受け部の底面部」とが密接して溶着面401(図1における結像面S)となる。
図2(b)における符号P11〜P14は「溶着部(溶着スポット)」を示している。即ち、レンズLNは4つの溶着部P11〜P14において鏡筒400に光溶着される。レンズLNは勿論、加工用のレーザ光を透過させるが、鏡筒400は「レーザ光を吸収する樹脂」で構成されている。このような「加工用のレーザ光を吸収する樹脂」は、黒色等の有色樹脂や「黒色等に着色された樹脂」であることができるが、加工用のレーザ光を吸収しやすい色の塗料を「レーザ光の波長の光を透過させる樹脂の表面に塗布した構成」としてもよい。
図1の集光光学系における光束変換光学素子10Aは「入射側の面が平面状、射出側の面は2つの平面状の光学面101、102を屋根型に組合せた形状を有し、平面上の光学面101、102の交差する稜線部は図面に直交する方向であって入射側の平面と平行である光束変換光学素子」であり、結像面S上に集光する点状の集光点は2個(PI1、PI2)であるから、図2における光加工装置に「図1の集光光学系」を用いて、上記溶着ポイントP11〜P14を溶着するのであれば、2つの集光点PI1、PI2の集光点間隔:DPが溶着点P11、P12の間隔に等しくなるように、光束変換光学素子10の位置を調整して、図2(b)の「2つの溶着点P11、P12」に光を集光させて溶着を行い、その後、鏡筒400と光加工装置の位置関係を光軸の回りに相対的に90度回転させ、2つの集光点が「溶着点P13、P14」に合致するようにして溶着を行えば良い。
図3(a)に示す光束変換光学素子10A1は、光軸方向の両側(物体側と像側)ともに「2つの平面上の光学面を屋根型に組合せたもの」であり、光軸方向の一方の側で稜角(θ1とする。)、他方の側で稜角(θ2とする。)である。これら稜角:θ1、θ2も120度〜240度の範囲が好適である。
このような光束変換光学素子10A1を用いることにより、稜角:θ1、θ2を調整することにより、4個の集光点P11〜P14を図2(b)の如くに設定できる。この場合、光束変換光学素子10A1を光軸方向に変位させると、集光点P11〜P14は「配列パターンを保った状態で相似的に変位」する。また、光束屈曲部材14あるいは「光束屈曲部材14とレンズ群12と」を変位させて照射角を変化させたり、集光点の大きさを調整したりできる。
図5における光束変換光学素子10A2は図3(b)に示す如きものであり、微小な光放射部01から放射される発散光束を、レンズ群12の光軸に対して傾く4つの光束に分割する。分割された4つの光束はレンズ群12により4つの集光光束に変換される。
非球面の形状は、前述の非球面式の各パラメータを最適化して集光光束の収差を除去できるようにする。
10 光束変換光学素子
12 レンズ群
14 光束屈曲手段
S 結像面
PI1、PI2 集光点
β 照射角
Claims (14)
- 微小な光放射部から放射される発散光束を、2以上の点状もしくは1以上の線状に集光させる集光光学系であって、
微小な光放射部からの発散光束を集光させる機能をもつレンズ群と、
上記微小な光放射部と上記レンズ群との間に配設され、上記微小な光放射部からの発散光束を、上記レンズ群の光軸に交わる1以上の光束とする光束変換光学素子と、
上記レンズ群と、このレンズ群による光束の集光位置との間に配設され、上記レンズ群により集光する1以上の光束を屈曲させる光束屈曲手段とを有し、
上記レンズ群と光束屈曲手段のうちの少なくとも一方と上記光束変換光学素子とが、上記レンズ群の光軸の方向に相互に独立して変位可能であり、上記光束屈曲手段から射出する集光光束の向きを可変としたことを特徴とする集光光学系。 - 請求項1記載の集光光学系において、
光束変換光学素子が、光軸に直交する面に対して傾く2以上の平面状光学面を、物体側および像側の少なくとも一方に有し、光放射部からの発散光束をレンズ群の光軸に交わる2以上の光束とする透明体であることを特徴とする集光光学系。 - 請求項2記載の集光光学系において、
光束屈曲手段が、レンズ群により集光する光束を屈折もしくは反射させ、または、屈折および反射させて屈曲させる1以上の光学面を有する光束屈曲部材を有することを特徴とする集光光学系。 - 請求項3記載の集光光学系において、
光束屈曲部材が、単体構造であることを特徴とする集光光学系。 - 請求項3記載の集光光学系において、
光束屈曲部材が、レンズ群により集光する光束を屈折もしくは反射させ、または屈折および反射させて屈曲させる1以上の光学面を有する光束屈曲素子を2個以上有することを特徴とする集光光学系。 - 請求項3記載の集光光学系において、
請求項4記載の単体構造の光束屈曲部材もしくは請求項5記載の2個以上の光束屈曲素子による光束屈曲部材、または、上記単体構造の光束屈曲部材および上記2個以上の光束屈曲素子による光束屈曲部材を、複数組合せた構成の光束屈曲手段を有することを特徴とする集光光学系。 - 請求項1記載の集光光学系において、
光束変換光学素子が、円錐面状光学面を、物体側と像側の少なくとも一方に有する透明体であることを特徴とする集光光学系。 - 請求項7記載の集光光学系において、
光束屈曲手段が、レンズ群により集光する光束を屈折もしくは反射させ、または屈折および反射させて屈曲させる1以上の光学面を有する光束屈曲部材を有することを特徴とする集光光学系。 - 請求項7記載の集光光学系において、
請求項8記載の光束屈曲部材を複数組合せた構成の光束屈曲手段を有することを特徴とする集光光学系。 - 微小な光放射部から発散光束を放射し、集光光学系により、所望の被加工面上に2以上の点状もしくは1以上の線状に集光させて光加工を行う光加工装置であって、
集光光学系として、請求項1〜9の任意の1に記載の集光光学系を用いることを特徴とする光加工装置。 - 請求項10記載の光加工装置において、
微小な光放射部が導光路の端部であって、レーザ光源から上記導光路により導光した加工用光を上記端部から放射することを特徴とする光加工装置。 - 請求項10記載の光加工装置において、
微小な光放射部がLDやLED等の発光素子の発光部であることを特徴とする光加工装置。 - 請求項10〜12の任意の1に記載の光加工装置において、
光加工として、樹脂構成物間の光溶接を行うものであり、一方の樹脂構成物に対して他方の樹脂構成物を押圧するとともに、溶着光としての集束光束を溶着部へ向けて導光する導光機能を有する押さえ手段を有することを特徴とする光加工装置。 - 請求項13記載の光加工装置において、
押さえ手段と、これに最も近い単体構造の光束屈曲部材を一体化したことを特徴とする光加工装置。
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