JP4991162B2 - 半導体光装置及び透明光学部材 - Google Patents

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Description

本発明は、シルセスキオキサン化合物を封止材として用いた半導体光装置、及びシルセスキオキサン化合物を成形材として用いた透明光学部材に関するものである。
近年、発光ダイオード、レーザーダイオード、半導体レーザー等の半導体発光素子が発光光源として利用されている。特に発光ダイオードは長寿命な小型光源としてサイン光源用途やディスプレイ光源用途として幅広く利用されている。
また、半導体発光素子は白色LEDユニットを組み込んだ照明用器具としての開発も進められており、今後ますます広く普及していくことが予想されている。白色LEDユニットに用いられる白色LEDの光源には青・近紫外域LEDが用いられ、照明用器具としての要求を満足させるために高出力・高輝度化を達成するための開発が進められている。
そしてこのように高出力・高輝度化された半導体発光素子からは高い熱エネルギー及び光エネルギーが発せられるために、このような半導体発光素子を基板上に実装して封止した場合には、一般に用いられているエポキシ系の封止材の場合、封止材が急速に劣化してしまい、比較的低寿命になるという問題があった。
前記問題を解決するために、耐熱・耐候性に優れた封止材、例えばシロキサン化合物のような金属酸化物や低融点ガラス等を用いた封止材が検討されている。例えば、特許文献1では耐熱・耐光性に優れた材料として、ゾル−ゲル法により得られる金属酸化物であるメタロキサンを用いて半導体発光素子を封止することにより得られる半導体装置が開示されている。
しかし、ゾル−ゲル法で得られる金属酸化物であるメタロキサンは、多孔質構造となってしまうため吸水率が高く、使用時に吸湿してクラック等が生じる恐れがあるという問題があった。
また、情報の記録として、樹脂ディスクに光を照射して記録する例えばDVD装置等が用いられており、近年の高容量化の要望に対応するため、青・近紫外域の光を照射して記録・読み出しする装置が検討されている。そして樹脂ディスクに記録された情報を読み取る場合には、青・近紫外域のレーザー光を樹脂ディスクの記録面に照射して、記録面で反射した光を半導体受光素子で受光することにより、情報の読み出しが行われている。このような半導体受光素子も、一般に封止材で封止されて保護されており、従来の赤色レーザー光を用いたものと比較して高出力のレーザー光が照射されるため、エポキシ系の封止材を用いた場合、封止材が劣化しやすいという問題があった。
さらにDVD装置では、記録スピードの向上も要望されている。ディスクの回転スピードアップにより記録速度向上が図られるが、回転スピードが速いと、遅いときと比較して一定時間中にディスクに照射されるレーザー光量(パワー密度)が減少する。この減少分を補完する目的でレザーパワーの増大が進行しており、この点でもエポキシ系の封止材を用いた場合、封止材が劣化しやすいという問題があった。
また、上記青・近紫外域のレーザー光を樹脂ディスクの記録面に照射して、記録面で反射した光を半導体受光素子で受光するに際し、レーザー光の径を絞ったり、光路を曲げることが行われており、この場合に用いられるレンズやプリズム等の透明光学部材も、比較的高出力のレーザー光が照射されるため、エポキシ系の樹脂を用いて製造した場合、劣化し易いという問題があった。
特許第3412152号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、半導体発光素子または半導体受光素子を封止材で封止した半導体光装置において、封止材が劣化し難く寿命に優れた半導体光装置を提供することを目的とするものであり、また青・近紫外域の光が照射される部分に使用される透明光学部材において、劣化し難く寿命に優れた透明光学部材を提供することを目的とするものである。
本発明に係る半導体光装置は、
(ARSiOSiO1.5(BRSiOSiO1.5m−n…(1)
(式(1)中、Aはアルコキシ基、Bは置換又は非置換のアルキル基又は水素、R,R,R,Rは各々独立に低級アルキル基、フェニル基、低級アリールアルキル基から選ばれる官能基を表し、mは6,8,10,12から選ばれた数、nは2〜mの整数を表す)
上記式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン化合物、又はこの化合物が部分加水分解したかご型シルセスキオキサン化合物部分加水分解物を含有するケイ素化合物で、半導体発光素子又は半導体受光素子を封止して成ることを特徴とするものである。
また本発明に係る透明光学部材は、
(ARSiOSiO1.5(BRSiOSiO1.5m−n…(1)
(式(1)中、Aはアルコキシ基、Bは置換又は非置換のアルキル基又は水素、R,R,R,Rは各々独立に低級アルキル基、フェニル基、低級アリールアルキル基から選ばれる官能基を表し、mは6,8,10,12から選ばれた数、nは2〜mの整数を表す)
上記式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン化合物、又はこの化合物が部分加水分解したかご型シルセスキオキサン化合物部分加水分解物を含有するケイ素化合物を、加水分解・重縮合すると共に成形して成ることを特徴とするものである。
上記のかご型シルセスキオキサン化合物は、シリコン原子と酸素原子で形成された多面体構造のシリコン原子にシロキサン結合を介して加水分解性を有する基が2個以上存在するため、加水分解性を有する基と他のかご型シルセスキオキサン化合物の加水分解性を有する基とが加水分解・重縮合することにより架橋して硬化し、シリカのナノサイズかご型構造を有機のセグメントでつなぎ合わせたような三次元架橋構造を形成するものであり、ガラスライクな機能を発現し、青・近紫外域の光が照射された状態で使用されても劣化し難く、かつ吸水率が低い硬化物となる。
このため、劣化し難く寿命に優れた封止材で半導体光装置を形成することができるものであり、また劣化し難く寿命に優れた成形材で透明光学部材を成形することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は半導体光装置の一例を示すものであり、基板1の表面に半導体発光素子2を実装し、半導体発光素子2の全体と基板1の表面の一部が封止材3により封止してある。この封止材3の表面には蛍光体の層4が形成してある。また基板1上には電子回路5が形成してあって、図1の実施の形態ではボンディングワイヤ6で半導体発光素子2と電気的に接続してある。
上記の半導体発光素子2としては、公知の半導体発光素子2を使用することができるが、450nm以下の青色や近紫外域の波長の光を出力する素子を用いる場合、得られる半導体光装置の照度を高めたり、演色性を高めることができるために好ましい。半導体発光素子2の具体例としては、例えば半導体基材上にGaAlN、ZnS、ZnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として形成させたものを用いることができる。この半導体発光素子2の実装は、基板1の半導体発光素子2を実装する部分に半導体発光素子2を載置し、ワイヤボンディング実装やフリップチップ実装等することにより行なうことができる。
また上記の基板1は、セラミックス材料、熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂等の樹脂材料を各種成形法により所望の形状に成形して得ることができるものであり、その形状は特に限定されない。基板1に用いることのできるセラミックス材料としては、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、炭化ケイ素等を挙げることができ、これらは公知の圧縮成形や射出成形(CIM)等により成形し、焼結することによって基板1として形成することができる。セラミックス材料は熱伝導性に優れているために半導体発光素子2の発熱による熱を基板1の全体に拡散させ、効率的に放熱できる点から好ましく用いることができるものである。また、樹脂材料としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフタルイミド(PPA)或いは液晶ポリマー(LCP)等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。この樹脂材料にガラス、シリカ、アルミナ等の充填材を配合することによって、基板1の熱伝導性や耐熱性を向上させることができるものである。
さらに基板1の表面には、上記のように半導体発光素子2と接続する所定の電子回路5が形成してあるが、この形成方法は特に限定されず公知の方法を用いることができるものである。
尚、図1の実施の形態では、本発明に係る半導体光装置を、半導体発光素子2を封止材3で封止した半導体発光装置で説明したが、半導体受光素子を封止材で封止した半導体受光装置であってもよいのはいうまでもない。
本発明において、上記の封止材3は、下記の式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン化合物、またはこの化合物が部分加水分解したかご型シルセスキオキサン化合物部分加水分解物を含有するケイ素化合物を、架橋して形成されるものである。
(ARSiOSiO1.5(BRSiOSiO1.5m−n …(1)
上記の式(1)において、Aは加水分解性を有する基を表すものであり、加水分解が可能な基であれば特に限定はされないが、例えば、アルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、ハロゲン等の加水分解性基を挙げることができる。これらの中でも、加水分解の容易さから加水分解性基としてアルコキシ基を有することが好ましい。また、加水分解性を有さない2価の基とこれらの加水分解性基とが結合したものでも良い。この例としては、ジメチルエトキシシリルエチルジメチルシロキシ基等を挙げることができる。
また上記の式(1)において、Bは置換または非置換のアルキル基又は水素を表すものであり、置換または非置換のアルキル基としては、例えば、置換または非置換で加水分解性を有さない炭素数1〜8の1価の炭化水素基を挙げることができる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基等の置換炭化水素基等を例示することができる。これらの中でも、加水分解時の立体障害を減らす点から炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
また上記式(1)において、R,R,R,Rは、各々独立して、低級アルキル基、フェニル基、低級アリールアルキル基から選ばれた一つの官能基を表すものであり、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数が1〜4のアルキル基や、フェニル基や、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜10のアリールアルキル基を例示することができる。これらの中でも、反応の立体障害を減らす点からメチル基が好ましく、屈折率を高める点からフェニルが好ましい。
さらに上記式(1)において、mは6,8,10,12から選ばれた数を表わし、nは2〜mの整数を表すものである。
上記のかご型シルセスキオキサン化合物としては、例えば次の式(2)や式(3)で表されるものを挙げることができる。
式(2)の化合物は、上記の式(1)において、m=8、n=8、R,Rがメチル基(Me)の化合物であり、シリコン原子と酸素原子で形成された略6面体構造を構成する8つのシリコン原子に、シロキサン結合(−Si−O−)を介して加水分解性を有する基Aが結合した構造を有するものである。尚、式(2)の構造式は、略6面体構造を構成する8つのシリコン原子に(−O−SiMe−A)が一つずつ結合していることを簡略化して表現している。
また式(3)の化合物は、上記式(1)において、m=8、n=4、R、R、R、Rがメチル基(Me)、Bが水素の化合物であり、シリコン原子と酸素原子で形成された略6面体構造を構成する8つのシリコン原子のうち、4つのシリコン原子にシロキサン結合(−Si−O−)を介して加水分解性を有する基Aが結合し、他の4つのシリコン原子にシロキサン結合(−Si−O−)を介して加水分解性を有さない有機基が結合した構造を有するものである。尚、式(3)の構造式は、略6面体構造を構成する8つのシリコン原子のうち、4つのシリコン原子に(−O−SiMe−A)が一つずつ結合し、他の4つのシリコン原子に(−O−SiMeH)が一つずつ結合していることを簡略化して表現している。
Figure 0004991162
次に、上記のかご型シルセスキオキサン化合物の合成方法の一例を説明する。まず、略6面体構造を有するオクタアニオン(Si12 8−)と、クロロヒドリドジメチルシランのような反応性ハロゲンとを反応させ、オクタアニオンの8つのシリコン原子にヒドリドジメチルシロキシ基を結合させて、オクタキス[ヒドリドジメチルシロキシ]シルセスキオキサン(OHSS)を調製する。そしてこのOHSSを用いて、ジメチルビニルエトキシシラン等の加水分解性官能基と不飽和基を共に有するシラン化合物と反応させることにより、エトキシ基等の加水分解性基を有するかご型シルセスキオキサン化合物を調製することができる。尚、上記オクタアニオンは、水酸化テトラメチルアンモニウムとテトラエトキシシランを反応させることにより得ることが可能である。
また、加水分解性官能基を有する反応性ハロゲンとクロロヒドリドジメチルシランとの混合物をオクタアニオンと反応させることにより、シリコン原子と酸素原子で形成された略6面体構造を構成する8つのシリコン原子の一部に加水分解性を有する基が結合し、他のシリコン原子にヒドリドジメチルシロキシ基が結合したかご型シルセスキオキサン化合物を調製することができる。
上記のようにして得られるかご型シルセスキオキサン化合物は、加水分解性を有する基を2個以上有するので(式(1)においてnは2以上である)、この加水分解性を有する基が、他のかご型シルセスキオキサン化合物の加水分解性を有する基と加水分解・重縮合することにより架橋して硬化し、三次元架橋構造を形成するものである。図2にシリコン原子と酸素原子で形成された略6面体構造(符号7)が架橋結合された三次元架橋構造を模式的に示す。また[化2]に、式(1)のAがエトキシ基である場合の、三次元架橋構造の架橋反応を示す。この三次元架橋構造は、シリカ(ガラス)のナノサイズかご型構造を有機のセグメントでつなぎ合わせたような構造を有しているものであり、ガラスライクな機能を発現させることができるものである。
Figure 0004991162
ここで、この加水分解性を有する基は、シルセスキオキサン(Si12)の多面体構造の部分と、シロキサン結合(−Si−O−)を介して結合しているため、他のかご型シルセスキオキサン化合物の加水分解性を有する基と加水分解・重縮合する際に、立体障害が起きにくくなっており、反応率が高い硬化物を得ることが可能となるものであり、また未反応残基が少なくなって、未反応残基に起因する信頼性低下を防ぐことが可能になるものである。さらにこのようにシリカ(ガラス)のナノサイズかご型構造を有しているため、ゾル−ゲル法により得られるメタロキサン等と比較して架橋密度が高くなり、吸水率が低い硬化物を得ることができるものである。
また、上記のように得られる硬化物の架橋構造は、シルセスキオキサンの多面体構造を構成するシリコン原子が4つの酸素原子と結合していて、無機材料であるガラスに近い構造となっており、しかもこのシリコン原子に有機基は直接結合していないため、青・近紫外域の光が照射された状態で使用されても、劣化し難くなっているものである。
そして、半導体発光素子2等を封止する封止材3として、従来から使用されている光透過性エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアクリレート、オルガノポリシロキサン等を用いると、これらに含まれる架橋結合と吸収基の存在のために、必要とされるスペクトル領域に不要な吸収ピークが出現しやすいが、本発明のかご型シルセスキオキサン化合物を用いると、このような吸収ピークが少なく、良好な青色光や紫外線光の透過性を有する封止材3となるものである。
本発明のかご型シルセスキオキサン化合物を用いて半導体発光素子2を封止するにあたっては、かご型シルセスキオキサン化合物の加水分解・重縮合により架橋が進む条件であれば、特に限定されることなく任意の方法を採用することができるものであり、必要に応じて錫触媒やアミン触媒等の付加反応触媒を用いて反応させるようにしても良い。ここで、本発明に係るかご型シルセスキオキサン化合物は、架橋させるまでは、室温で液状ないしは比較的低温で溶融する固形であるため、半導体発光素子2等の封止を容易に行なうことが可能となるものである。
また、本発明の上記式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン化合物が部分加水分解したかご型シルセスキオキサン化合物部分加水分解物は、式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン化合物が2〜10個程度重合したオリゴマーであり、半導体発光素子2等を封止することが可能な流動性を持つものである。従ってこの部分加水分解物を用いた場合も、他のかご型シルセスキオキサン化合物またはその部分加水分解物と加水分解・重縮合することにより架橋し、例えば図2に示すような三次元架橋構造を形成するものである。そしてこの場合も同様に、青・近紫外域の光が照射された状態で使用されても、劣化し難く、かつ吸水率が低い硬化物で封止材3を形成することができるものである。
尚、半導体発光素子2等を封止する封止材3には、上記式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン化合物またはこの化合物が部分加水分解したかご型シルセスキオキサン化合物部分加水分解物に加えて、テトラエトキシシランやメチルトリエトキシシラン、及びこれらが加水分解重縮合したオルガノポリシロキサン等のケイ素化合物を、硬化物の望ましい光学および物理的特性が維持される限りにおいて含有しても良い。
上記の説明では、上記式(1)のかご型シルセスキオキサン化合物をm=8の場合で説明したが、mが6,10,12の場合も、同様に反応させることにより、かご型シルセスキオキサン化合物やかご型シルセスキオキサン化合物の部分加水分解物を得ることができる。そして、これらの化合物を用いた場合も、他のかご型シルセスキオキサン化合物等と加水分解重縮合することにより架橋し、シリコン原子と酸素原子で形成された多面体構造を骨格に有する三次元架橋構造を形成するものである。そしてこの場合も同様に、青・近紫外域の光が照射された状態で使用されても、劣化しにくく、かつ吸水率が低い硬化物となるものである。
また、上記の実施の形態では、式(1)のかご型シルセスキオキサン化合物、又はこの化合物が部分加水分解したかご型シルセスキオキサン化合物の部分加水分解物で半導体発光素子又は半導体受光素子を封止した半導体光装置を説明したが、式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン化合物、又はこの化合物が部分加水分解したかご型シルセスキオキサン化合物の部分加水分解物を成形材として用い、これを成形して重合・硬化させることによって、レンズやプリズム等の透明光学部材を作製することができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
還流管と滴下ロートを取り付けた1000mlのフラスコに水酸化テトラメチルアンモニウム334ml、メタノール164ml、水123mlを投入して攪拌した。そして滴下ロートに179mlのテトラエトキシシラン(TEOS)を装てんし、フラスコ全体を氷浴で約5℃になるまで冷却して、約5℃になった時点でTEOSを滴下した。滴下開始から約1時間で179mlのTEOSの滴下を完了させた。滴下完了後、10分間氷浴中での攪拌を継続した後、氷浴を取り除き、その後、室温で10時間攪拌して反応を進めた。10時間の室温攪拌を完了した後、反応生成物をろ過し、ろ液にオクタアニオン/メタノール溶液を得た。
次いで、還流管と滴下ロートを取り付けた1000mlのフラスコに、ヘキサン895ml、ジメチルクロロシラン69.7mlを投入し、攪拌した。そして滴下ロートにオクタアニオン/メタノール溶液を装てんし、フラスコ内の溶液を約5℃になるまで冷却して、窒素雰囲気下で、約5℃になった時点でオクタアニオン/メタノール溶液を滴下した。滴下開始から約2時間で334mlのオクタアニオン/メタノール溶液の滴下を完了させた。滴下終了後、10分間氷浴中で攪拌し、攪拌を継続したまま、氷浴を取り除き、さらに室温で6時間攪拌して、反応を進行させた。6時間攪拌後、2lの分液ロートにフラスコ内の溶液を移し、下層のメタノール層を取り出した。そして上層のヘキサン層を2lの三角フラスコに移し、硫酸ナトリウムを加え、約10分間静置することにより、溶液中の水分を乾燥させた。また、下層のメタノール層にヘキサン100mlを加えて反応物の抽出を行なった後、静置して形成された上層のヘキサン層を、上記のヘキサン層を移した2l三角フラスコに移し、溶液中の水分の乾燥を行なった。次にこの乾燥し終えたヘキサン層を1lナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーターを用いて、溶液からヘキサンを揮発させ、系内から除去した。このヘキサンを揮発させた1lナス型フラスコ中に残存している湿った白色固体を、真空ポンプを用いて、減圧下(133Pa(1mmHg),室温)でさらに乾燥した。そして白色固体の入っている1lナス型フラスコにアセトニトリルを加え、白色固体を攪拌した後、吸引濾過瓶で固体をろ別した。次にこのろ別した白色固体を100mlビーカーに移し、さらにアセトニトリル100mlで洗浄し、吸引ろ過することで白色固体を取り出した。この洗浄操作を2回繰り返した後、真空ポンプを用いて減圧下で乾燥することによって、白色固体のオクタキス[ヒドリドジメチルシロキシ]シルセスキオキサン(OHSS)を得た。このときの収率は56%であった。
次に、還流冷却器を有する250mlのシュレンクフラスコに、上記のOHSSを10g(10mmol)添加した。このフラスコを真空下で徐々に加熱して残留空気と水分を除去した後、窒素を流し、次に、テトラヒドロフラン(THF)を50mlと、ジメチルビニルエトキシシランを3.91g(30mmol)、および触媒として2mMのPt(dvs)−トルエン溶液を0.1ml(Pt:0.2ppm)添加した。そしてこの混合物を90℃で5時間攪拌しながら反応させた後、溶媒を真空中、室温で蒸発させることによって、透明粘性液体11.2g(74mmol)を得た。このときの収率は72%であった。
得られた反応物を、1H−NMRスペクトルと、13C−NMRスペクトルで分析した結果、構造式が式(1)において、Aがエトキシ基、Bが水素である、次の[化3]のように表されるかご型シルセスキオキサンであることが確認された。
Figure 0004991162
次いで、上記のように得られたかご型シルセスキオキサン化合物をTHF溶媒で置換した後、水、HCl触媒存在下90℃で6時間加水分解した。さらに得られた加水分解物を濃縮して得られる組成物をテフロン(登録商標)製の型に流し込み、200℃で5時間加熱して重縮合させ硬化させることによって樹脂板を得た。樹脂板は5cm×3cmサイズで厚さは約1mmとした。
このようにして得られた樹脂板の透過率の波長依存性を、紫外・可視・近赤外分光光度計(島津製作所製「UV−3100PC」)を用いて、スリット幅20nmで測定した。結果を図3に示す。図3にみられるように、本実施例の樹脂板は380nm程度の低波長領域まで高い透明性を有することが確認された。
次に、図4に示すように、基板1のキャビティ1aの底部に発光波長のピークが380nmの半導体発光素子2を実装し、上記のように得られたかご型シルセスキオキサン化合物をキャビティ1a内に充填して、200℃で5時間加熱して硬化させることによって、半導体発光素子2を封止し、半導体光装置を作製した。そして、この半導体光装置を室温の状態で、半導体発光素子2を点灯し、点灯開始時の照度に対する光束の維持率を測定した。結果を図5に示す。図5にみられるように、本実施例で得られたかご型シルセスキオキサン化合物を用いて封止した半導体光装置は、100時間の照射で光束が90%近く維持されており、高い耐性を有していることが確認された。
本発明の半導体光装置の実施の形態の一例を示す概略断面図である。 本発明のかご型シルセスキオキサン化合物が架橋した三次元架橋構造ポリマーを模式的に示す図である。 実施例1の透過率の波長依存性を示す図である。 実施例1の封止方法を説明する概略断面図である。 実施例1の光束維持率を示す図である。
符号の説明
2 半導体発光装置
3 封止材

Claims (2)

  1. (ARSiOSiO1.5(BRSiOSiO1.5m−n…(1)
    (式(1)中、Aはアルコキシ基、Bは置換又は非置換のアルキル基又は水素、R,R,R,Rは各々独立に低級アルキル基、フェニル基、低級アリールアルキル基から選ばれる官能基を表し、mは6,8,10,12から選ばれた数、nは2〜mの整数を表す)
    上記式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン化合物、又はこの化合物が部分加水分解したかご型シルセスキオキサン化合物部分加水分解物を含有するケイ素化合物で、半導体発光素子又は半導体受光素子を封止して成ることを特徴とする半導体光装置。
  2. (ARSiOSiO1.5(BRSiOSiO1.5m−n…(1)
    (式(1)中、Aはアルコキシ基、Bは置換又は非置換のアルキル基又は水素、R,R,R,Rは各々独立に低級アルキル基、フェニル基、低級アリールアルキル基から選ばれる官能基を表し、mは6,8,10,12から選ばれた数、nは2〜mの整数を表す)
    上記式(1)で表されるかご型シルセスキオキサン化合物、又はこの化合物が部分加水分解したかご型シルセスキオキサン化合物部分加水分解物を含有するケイ素化合物を、加水分解・重縮合すると共に成形して成ることを特徴とする透明光学部材。
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