JP4991081B2 - Gタンパク質共役受容体のモジュレーターを同定するための、広く適用できる方法 - Google Patents

Gタンパク質共役受容体のモジュレーターを同定するための、広く適用できる方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、非常に広範な受容体特異性を有する新規のハイブリッド型Gタンパク質によって、タンパク質共役受容体を調節する化合物を同定するための、広く適用できる方法、および、このような方法によって同定され得る化合物に関する。
【0002】
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、生理学的なプロセスの多様性において重要な役割を果たす。当該受容体は、これまで知られた最も重要なタンパク質ファミリーの一つであり、ヒトゲノム中の約1000個の遺伝子がこの受容体クラスをコードすると考えられている。GPCRは、特徴的な構造を有する。即ち、αヘリックスが細胞膜のリン脂質二重層を7回貫通して環状に配列した形態で曲がりくねったペプチド鎖である。現在処方により利用できる製薬の約60%はGPCRに結合するものと推定される。この事実により、前記受容体クラスが製薬研究産業に関して重要な役割を有することがわかる。全てのGタンパク質共役受容体は、共通の基本様式、即ち、細胞外リガンドが結合することにより受容体タンパク質が構造変化し、次にその受容体タンパク質はGタンパク質に接触するという様式に対して作用する。形質膜の細胞質側に存在するGタンパク質は、細胞外シグナルを細胞内部に仲介し、そこで様々な反応を作動させることができる。現在、GPCRは、最も重要な治療上の標的タンパク質である。医師が処方した製薬の推定40%が、GPCRアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する。タンパク質ファミリーの規模や重要性のために、かつ、多くのGPCR(オーファンGPCR)について化学結合パートナーが未知であるということから、この受容体クラスは、将来の新規医薬物質の検索に適切な標的タンパク質の最も重要な宝庫の一つであると考えられる。
【0003】
GPCRは内在性膜タンパク質である。GPCRは、グアニンヌクレオチド結合タンパク質(いわゆるGタンパク質)ファミリーを介して、大概は細胞の外側に結合した親水性のシグナル物質を介して仲介されるシグナルを細胞内部に伝達する。受容体特異性、およびそれにより活性化されたGタンパク質により、GPCRは様々なシグナル伝達経路を作動させる。受容体のタイプにより、様々な作用が引き起こされ、その全ての作用により第2メッセンジャーが形成される。従って、膜結合アデニル酸シクラーゼの活性化により、細胞内のcAMP量を増加させ、一方、膜結合アデニル酸シクラーゼの阻害により、細胞内のcAMP量を減少させ得る。cGMPに特異的なホスホジエステラーゼを刺激することにより、cGMP量を減少させ得る。さらに、活性化したGタンパク質は、イオンチャンネルに結合することによって、例えば、Ca2+またはK+イオンを増やすことができる。さらに、活性化したGタンパク質は、ホスホリパーゼを活性化し、それによりイノシトール1,4,5−三リン酸とジアシルグリセロールとを形成する。これら双方がさらに作用することによって、今度はCa2+を増加させるか、またはタンパク質キナーゼCを活性化させることができる。第2メッセンジャーとは、例えば、cAMP、cGMP、Ca2+等のような細胞内のメッセンジャー分子であり、これらは細胞内のタンパク質を活性化または不活性化することによって細胞中の反応を作動させる。
【0004】
ヘテロ三量体Gタンパク質は、形質膜の内側に存在する。ヘテロ三量体Gタンパク質は、3種のサブユニットα、βおよびγからなる。活性化受容体は、Gタンパク質ヘテロ三量体と接触し、その結果としてαサブユニットとβγ複合体とに分離される。活性化αサブユニットおよびβγ複合体の双方は、細胞内のエフェクタータンパク質に影響を与え得る。現在、Gタンパク質αサブユニットファミリーは、4種の異なるクラスに分類される(Gαs、Gαi、GαqおよびGα12クラス)。GPCRは、シグナル伝達に関与するGタンパク質に従って分類される。
【0005】
すなわち、GsクラスのGPCRは、Gαsの活性化および細胞内のcAMP濃度の増加を介してアデニレートシクラーゼ刺激を仲介し、GiクラスのGPCRは、Gαiの活性化および細胞内のcAMPの減少を介してアデニル酸シクラーゼ阻害を仲介し、GqクラスのGPCRは、Gαqの活性化を介して様々なPLCβイソ型の刺激を仲介し、膜結合ホスファチジルイノシトール4,5−二リン酸の加水分解によりジアシルグリセロールおよびイノシトール三リン酸(IP3)とを生産する。IP3は、細胞内の貯蔵部位からCa2+を放出する。殆どのGPCRは、一つのGタンパク質αサブユニットファミリーのみと接触する、即ち、GPCRは特定のシグナル伝達経路に選択的である。この限定された特異性は、GPCR依存性シグナル伝達経路を調節する化合物を同定する方法を開発する目的において、深刻な障害である。その上、高いサンプルスループット(=ハイスループットスクリーニング=HTS)を用いた分析様式で利用できる適切なシグナルは、例えば、Gタンパク質活性化により細胞内のCa2+量を増加させるようなシグナル伝達経路からでしか得ることができない。
【0006】
改変された受容体特異性を有し、かつ異なる方法でシグナル伝達経路に連結するような上記Gタンパク質は、分子生物学的方法および生化学的方法によって様々なGタンパク質のパーツを共に結合させ、ハイブリッド型Gタンパク質を得ることによって構築される。ハイブリッド型Gタンパク質は、様々なGαサブユニットの配列を1つのタンパク質に合体させてなる融合構築物である。従って、例えば、Gαi受容体の認識領域をGαqエフェクター活性化領域に融合させることによって、Gαq/iハイブリッドを調製することができ、このようなハイブリッドはGi共役受容体からシグナルを受けることができるが、Gαq−PLCβシグナル伝達経路でスイッチされる。このようなハイブリッドは、GαqのC末端の5個のアミノ酸が、対応するGαi配列(Gαqi5)によって置換されており、Conklin et al., Nature 363, 274-276(1993) において初めて説明されている。このような受容体の「再カップリング(recoupling)」の利点は、測定方法中、分析終了点(アデニル酸シクラーゼ阻害と比較して、細胞内Ca2+濃度が増加した時点)がより判りやすいこと、およびハイスループットスクリーニングで用いることができることである。しかし、前記Gαq/Gαi融合構築物の不利益は、いくつかのGPCR、例えばSSTR1受容体qi5を活性化できないことである(Conklin et al., Mol. Pharmacol. 50, 885-890(1996))。同様に、GαqとGαsとの融合構造も説明されている。当該融合構造もまた、全てのGs共役受容体(p2−アドレナリン作動受容体またはドーパミンD1受容体等のような)をPLCβシグナル伝達経路に連結させることができない、という不利益を有する。受容体の特定のシグナル伝達経路への関連を改変するためのC末端修飾のほかにも、GαqのN末端修飾により受容体が無差別になる(promiscuity)ということがいわれている。本明細書において、受容体の無差別とは、Gタンパク質が異なる受容体からシグナルを受ける、または異なる受容体からシグナルを受け渡す能力を意味する。このようなGαqタンパク質において、6個の高く保存されたN末端アミノ酸が欠失していた(Kostenis et al., J. Biol. Chem. 272, 19107-19110(1997))。このような欠失により生じたGq(別名−6q)は、Gq共役受容体からだけでなく、Gs共役受容体またはGi/o共役受容体からシグナルを受信することが可能になり、当該シグナルをPLCβに渡すことができる。続いて、前記Gαサブユニットはまた、SSTR1ソマトスタチン受容体、ドーパミンD1受容体やアドレナリン作動性β2受容体のような受容体を認識する。しかしながら、このようなGタンパク質でさえ、受容体edg5を認識することはできない。その上、前記Gタンパク質のシグナル強度は弱いため、実際には使用不可能である(Kostenis et al., J. Biol. Chem. 272, 19107-19110(1997))。
【0007】
他の既知のGαサブユニットとしては、Gα16があり、これは、様々な機能的なクラスからのGPCRを、PLCβ−Ca2+シグナル伝達経路に連結させる。このGタンパク質は、本質的に事実上非選択的も同然である。しかしながら、edg5受容体またはSSTR1ソマトスタチン受容体などの受容体のGα16への結合は非常に弱いため、このようなサブユニットでさえ普遍的に適用させることができない。この理由のため、他の機能的なGPCRクラスにより活性化可能なGタンパク質が利用できればかなり有用であり、その上、細胞中で十分に強いシグナルを与えることができ、このようなシグナルは、特にハイスループット分析のような分析において、GPCRを調節する化合物、および/または、適切な依存性シグナル(例えば細胞内Ca2+濃度の増加または減少のようなシグナル)の伝達経路を同定するのに利用することができる。それゆえに、さらなる本発明の目的は、化合物を同定するスクリーニング方法のためのハイブリッド型Gタンパク質を提供することであり、当該タンパク質は、認識可能なGPCRに関して非常に広範な特異性を有し、さらに、前記Gタンパク質をシグナル経路に共役させて細胞内のCa2+濃度を増加させることを特徴とする。さらに、その発現はシグナル強度を改善させる程度に大量である。
【0008】
本発明は、生物の少なくとも一つのGタンパク質共役受容体(GPCR)依存性シグナル伝達経路の動作を調節する化合物を同定するための方法に関し、ここで当該方法は、以下の工程:
a)少なくとも一つのGPCR依存性シグナル伝達経路を含み、1またはそれ以上のGタンパク質を生産する少なくとも一つの細胞を提供すること、
b)研究しようとする少なくとも一つの化合物を提供すること、
c)a)に係る細胞とb)に係る研究しようとする化合物とを接触させること、
d)a)に係る細胞のシグナル伝達経路に関して、b)に係る研究しようとする化合物の定量結果または定性結果を、シグナル伝達経路依存性の測定可能なシグナルによって測定すること、
を含む。
【0009】
生物の少なくとも一つのGタンパク質共役受容体(GPCR)依存性シグナル伝達経路の作用は、阻害または刺激によって改変することができる。ある化合物の非存在下よりもその存在下でシグナル伝達経路依存性の測定可能なシグナルが弱い場合、その化合物は阻害効果を有する。また、このような効果を誘発する化合物は、アンタゴニストとも呼ばれる。一方で、ある化合物の非存在下よりもその存在下でシグナル伝達経路依存性の測定可能なシグナルが強い場合、その化合物は刺激効果を有する。また、このような化合物は、アゴニストとも呼ばれる。好ましい実施形態において、上記方法は、少なくとも2種のGタンパク質を生産する細胞を利用する。前記Gタンパク質は、1種のGPCR、または異なるGPCRに依存性である。原則的に、全てのGタンパク質は、その受容体特異性、配列、構造および起源に関係なく、細胞、組織または器官に関するプロセス、もしくは、それらが特異的である種に関するプロセスを実行するのに適している。好ましくは、−6qi4myr、−6qs5myr、−6qi4、−6qs5から選択される少なくとも一つののGタンパク質を生産する細胞である。Gタンパク質である、−6qi4myr、−6qs5myr、−6qi4、−6qs5とは、マウスの異なるGタンパク質の部分から構成されたハイブリッド型Gタンパク質であり、そのいくつかはさらなる改変を含む。Gタンパク質は、個々に、または組み合わされて、細胞から生産される。また、すでに上述したハイブリッド型Gタンパク質のほかに、細胞は、特に、Gα16も生産する。それぞれのGタンパク質は、個々に、または1またはそれ以上の他のGタンパク質と組み合わされて、細胞中に存在する。Gα16は、常に、単独で生産されるのではなく、細胞中で他の上述したGタンパク質と組み合わされて生産されるような方法で生産されるべきである。好ましいGタンパク質のアミノ酸配列としては、−6qi4myr(配列番号、−6qi4(配列番号6)およびGα16(配列番号10)が開示される。通常、上記化合物は、可溶性形態で提供される。化合物の溶解には水を使用することが好ましい。このような溶液は、溶媒のほかに、緩衝物質、塩または助剤、例えば可溶化剤、洗剤、保存剤、または他の物質を含んでもよい。
【0010】
細胞の準備として、細胞の生産、培養およびプロセシングが含まれる。細胞は、例えば、器官または組織から適切な細胞材料を調製することによって、または、適切な細胞系または微生物を増殖させることによって、準備される。様々な適切な培養液が培養に用いることができる。細胞は、生物にとって最適な温度で維持される。必要に応じて、それぞれの場合で用いられた増殖培地に、保存剤、抗生物質、pH指示薬、血清成分、血清、助剤または他の物質を加えてもよい。生産、培養およびさらなるプロセシングのための方法は、標準的な教科書に説明される(例えば、Basic Cell Culture;Ed. J.M. Davis;IRL Press;1994)。上述した方法の好ましい実施形態において、脊椎動物種、昆虫種、C. elegansまたは酵母の細胞が用いられる。特に好ましい実施形態において、HeLa細胞、293細胞、COS細胞またはCHO細胞もしくはサッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)細胞が用いられる。
【0011】
好ましい実施形態において、研究しようとする化合物の定量結果または定性結果を、シグナル伝達経路依存性の測定可能なシグナルの細胞シグナル伝達経路に関して、細胞内のCa2+濃度を測定するために用いる。例えば、エクオリン、染料を用いることによって、またはMolecular Devices社製のFLIPR(登録商標)技術によって、細胞内Ca2+濃度の変化を検出できる。好ましい実施形態において、上述した方法は、医薬の同定に用いることができる。
【0012】
また本発明は、本発明の少なくとも一つの方法により同定された前記化合物を用いて、生物の少なくとも一つのGタンパク質共役受容体(GPCR)依存性シグナル伝達経路の作用を改変する少なくとも一つの化合物に関する。このような化合物は、例えば、GPCRを誘導する親水性のシグナル物質(例えば、特定のホルモン、香料、または特定の医薬)の化学構造に関する改変を含む。
【0013】
さらに本発明は、Gタンパク質の特性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列に関し、当該配列は、以下の配列:
a)配列番号2、配列番号4、配列番号6または配列番号8に係るアミノ酸配列を含むポリペプチド、
b)1以上のアミノ酸が欠失したa)に係るポリペプチド、
c)1以上のアミノ酸が付加されたa)に係るポリペプチド、
d)a)に係るポリペプチドの対立遺伝子変異、
のいずれか一つから選択されたポリペプチドを含む。
【0014】
上記対立遺伝子変異としては、ハイブリッドタンパク質を構成する特定のパートナーに関して決定された遺伝子座に存在する遺伝子に特徴的な塩基組成から生じる全てのポリペプチドが含まれる。さらに、本発明は、ポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドに関し、ここで当該ポリヌクレオチド配列は、以下の配列:
a)配列番号1、配列番号3、配列番号5または配列番号7に係るポリヌクレオチド配列、または、それらに対応する相補配列、
b)ストリンジェントな条件下でa)に係るポリヌクレオチド配列とハイブリダイズするポリヌクレオチド配列、
のいずれか一つから選択される。
【0015】
溶液のストリンジェンシーは、温度および塩含有量によって決定される。ストリンジェンシーを用いて、2つの相同ヌクレオチド配列の塩基が結合する程度を調節することができる。ストリンジェンシーは、ポリヌクレオチドの長さや塩基組成に依存する。ポリヌクレオチド配列とハイブリダイズする配列との一致が95%以上である場合、本発明に係るストリンジェントな条件が用いられる。
【0016】
上述したポリヌクレオチド配列またはポリヌクレオチドの好ましい実施形態は、部分的に組換えベクター構築物を含むポリヌクレオチドである。組換えベクター構築物は、適切な専門家の知識の補助により調製することができ、例えば、F.M. Ausubel等のCurrent Protocols in Molecular Biology(Wiley & Sons, New York)がある。上記の組換えベクター構築物において、上述した配列情報(配列番号2、4、6、8)に係るアミノ酸配列または上述した配列情報(配列番号1、3、5、7)に係るポリヌクレオチド配列をコードしたポリヌクレオチドが、基本となるベクターに挿入されることが必要である。基本となるベクターとは、ポリヌクレオチドのポリヌクレオチド配列を分子生物学的な方法によって挿入することができ、さらに例えば細菌、真菌などの微生物中や細胞培養物の細胞中でクローン化することができるベクターを意味する。基本のベクターは、例えば、抗生物質耐性マーカー、細菌または細胞培養物中でプラスミドを増すのに適切な複製起点、さらに、タンパク質の発現に適切なプロモーターを含むプラスミドで構成することができる。また、基本のベクターは、例えば、ファージベクター、ファージミドベクター、プラスミドベクター、コスミドベクター、ウイルス性ベクター、YACベクターまたは他のタイプのベクターで構成されてもよい。基本のベクターの例としては、pUC18、pUC19、pBluescript、pKS、pSK等がある。挿入しようとするポリヌクレオチドは、BioLabs、Roche Diagnostics、Stratageneなどの会社で市販されている適切な制限酵素によって、適切な制限開裂部位の間に挿入される。このような制限開裂部位としては、例えば、BamHI、EcoRI、SalI、EcoRV等の制限酵素の認識部位であり得る。
【0017】
好ましい実施形態において、組換えベクター構築物は、真核生物および/または原核生物において有用な発現ベクターを含む。発現ベクターはプロモーターを含み、当該プロモーターは、前記ポリヌクレオチド配列によりコードされたタンパク質が、例えば細菌、真菌のような生物または真核細胞系の細胞中で合成されるように、ポリヌクレオチド配列に機能的に連結する。このようなプロモーターは、例えばトリプトファンによる誘導性プロモーターでもよいし、または構成的プロモーターであってもよい。発現ベクターの例としては、pUC18、pUC19、pBluescript、pcDNA3.1等がある。
【0018】
さらに本発明は、上述したポリヌクレオチドまたは組換えベクター構築物を含む宿主細胞に関する。好ましい実施形態において、宿主細胞は、ヒト細胞を含む。さらに好ましい実施形態において、宿主細胞は、脊椎動物種、昆虫種、C. エレガンス(C. elegans)、細菌または酵母の細胞を含む。特に好ましい実施形態において、上記細胞は、HeLa細胞、293細胞、COS細胞またはCHO細胞、大腸菌細胞またはサッカロミセス・セレビシエ細胞を含む。さらに、他の真核細胞、特に細胞系、細菌、特にバチルス spec.(Bacillus spec.)、ストレプトミセス spec.(Streptomyces spec.)、および菌類、特にペニシリウム spec.(Penicillium spec.)、アスペルギルス spec.(Aspergillus spec.)などを用いることができる。
【0019】
さらに、本発明は、配列番号1〜8で開示された1またはそれ以上のポリヌクレオチド配列に係るポリヌクレオチド、または上記で特徴付けた組換えベクター構築物を、真核細胞または原核細胞に導入することによって、上述した宿主細胞を生産することに関する。当該ポリヌクレオチド配列を、例えばエレクトロポレーション法によってまたはポリヌクレオチド配列を用いた真核細胞または原核細胞の形質転換によって導入し、さらに上記ポリヌクレオチド配列と一緒に真核細胞または原核細胞をリン酸カルシウム沈殿法または他の方法によって沈殿させる。
この種の宿主細胞は、上述の本発明の方法を実行するために用いることができる。
【0020】
また、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8から選択されるアミノ酸配列を有するタンパク質に関する。
その上、本発明は、以下の配列、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質を調製する方法に関し、当該方法は、以下の工程:
a)適切なポリヌクレオチド配列を含み、上述のように調製された宿主細胞を作製すること、
b)宿主細胞に適切であり、またタンパク質の発現を誘導し得る増殖培地中で、前記宿主細胞を培養すること、
c)細胞材料を得て、細胞を破壊すること、
d)タンパク質精製のための生化学的方法によってタンパク質を分離することを含む。
【0021】
上述したタンパク質を調製し、精製することに関して、F.M. Ausubel等のCurrent Protocols in Molecular Biology(Wiley & Sons, New York)で説明されるような既知の方法を適宜用いることができる。配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8に係るアミノ酸配列を有するタンパク質、または上述の方法によって調製されるタンパク質は、抗体を生産するために用いることができる。
【0022】
【実施例】
実施例1:Gαタンパク質変異体−6qを介したシグナル伝達経路の様々な受容体による活性化
COS7細胞を、10%FCS(ウシ胎仔血清)を含むDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)で、37℃(5% CO2)で培養した。トランスフェクションのために、1×106個の細胞を100mmのプレートに播種した。約24時間後、発現プラスミドαqまたは−6q(1μMのDNA/100mmプレート)と、以下の受容体構築物(4μg DNA/100mmプレート)とを共に上記細胞に形質導入し、ここで上記受容体構築物としては、それぞれの場合において、M2(pCDにおけるムスカリン様受容体)、D2(pCDNAIにおけるドーパミン受容体)、k(pCDNA3におけるオピオイド受容体)、SSTR1(pCMVにおけるソマトスタチン受容体)、A1(CDM7におけるアデノシン受容体)、D1(pCDNAIにおけるドーパミン受容体)、V2(pCD−psにおけるバソプレシン受容体)、β2(pSVLにおけるアドレナリン作動性受容体)である。トランスフェクションの約24時間後、上記細胞を6−ウェルプレートに等分し、3μCi/mlの[3H]ミオイノシトール(20Ci/mmol)のDMEM溶液を加えた。24時間のインキュベーションの後、室温で20分間、上記細胞をHBSS(+10mM LiCl)でインキュベートした。次に、上記細胞を、適切なアゴニストで1時間刺激し、細胞内イノシトール一リン酸の増加を、陰イオン交換クロマトグラフィーで測定した。野生型配列と比較して、上記Gαタンパク質変異体−6qは、アミノ末端における高度に保存された6個のアミノ酸残基を欠く。このような構築物のアミノ末端を図1で示す。野生型配列をαq(WTq)で示す。後に続く結果は、Gαタンパク質構築物−6qを用いて得られた。さらに図1は、配列のさらなる例を示す。用いられたこの種の変異体または受容体構築物は、標準的な分子生物学的方法の補助により調製され、当該方法は、詳細には、例えばF.M. Ausubel等のCurrent Protocols in Molecular Biology(Wiley & Sons, New York)に示される。
【0023】
WTqまたは−6q、および様々なGi/o共役受容体(A)またはGs共役受容体(B)を発現するCOS7細胞を、適切なアゴニスト(以下参照)の存在下および非存在下で1時間インキュベートした(37℃)。細胞内IP1濃度の増加を、添付のプロトコール1に従って測定した。そのデータは、3〜7の独立した実験の平均±S.E.として示され、それぞれの測定は3回行われた。なお、以下のリガンドが用いられた。
【0024】
図2A:m2(ムスカリン様受容体):カルバコール(100μM);D2(ドーパミン受容体):(−)−クインピロール(10μM);k(オピオイド受容体):(−)−U50488(10μM);SSTR1(ソマトスタチン受容体):ソマトスタチン14(1μM);B、A1(アデノシン受容体):R(−)−PIA(10mM);
図2B:D1(ドーパミン受容体):ドーパミン(1mM);V2(バソプレシン受容体):AVP(1nM);β2(アドレナリン作動受容体):(−)−イソプロテレノール(200μM)。図の下の数は、−6q〜WTqによるPLC刺激における相対的な増加としての、特定のPLC刺激の程度を示す。
【0025】
図2は、Gαタンパク質変異体−6qが、異なる受容体クラスに依存してIP1形成を刺激することを示す。IP1は、PLC−β−シグナル伝達経路で発生するシグナル分子であり、さらに上記シグナル伝達において細胞内Ca2+濃度を増加させる。図2の−6qに関する実験結果を、野生型構築物(WTq)による刺激と比較し、さらにベクター構造を有するがいかなるGαインサートも含まないコントロール(ベクター)による刺激と比較する。−6q構造によるIP1の放出は、Gi/o共役受容体(図2A:m2、D2、k−OR、SSTR1、A1)受容体を用いても、Gs共役受容体(図2B:D1、V2、β2)を用いてもうまくいく。
【0026】
実施例2:大量発現した、広い受容体特異性を有するGαタンパク質の変異体の調製
初めに、アミノ末端の6個の高度に保存されたアミノ酸を欠いており、C末端にαiとαs配列とを同時に有するハイブリッド型Gタンパク質αサブユニットを構築した。これらは、−6qi4または−6qs5と表記され、それぞれ、αi配列、またはαs配列に相当する。−6qi4構築物は、Gs共役受容体に連結し、またGi/o共役受容体のいくつかはPLCβシグナル伝達経路に連結する。また、前記受容体は、SSTR1受容体またはedg5受容体も含む。Gα16は、edg5受容体をPLCβシグナル伝達経路に連結させることができない。Gα16は、広い受容体特異性を有するGタンパク質であり、WO97/48820(タイトル:Promiscuous G-protein compositions and their use)に開示されている。−6qs5構築物は、Gi/o共役受容体に連結し、さらに加えて、Gs共役受容体はPLCβシグナル伝達経路に連結し、その結果、ドーパミンD1受容体またはアドレナリン作動β2受容体のような受容体を認識する。従って、1種の細胞系における前記2種のGタンパク質αサブユニットの組み合わせは、各サブユニットの個々の認識より広範に、またはGα16の認識より広範に、GPCRを認識する。
【0027】
また前記Gαサブユニット(−6qi4;−6qs5)はより強いシグナルを生じ得るため、前記Gαサブユニットの発現が増加すれば、技術的なスクリーニング法における適応性をさらに改良できる。この理由のために、追加のミリストイル化/パルミトイル化認識配列を、Gαサブユニットのアミノ末端領域に挿入した。それにより、Gタンパク質の−6qi4myr構築物および−6qs5myr構築物を得た。アミノ末端に関する−6qi4myrおよび−6qs5myrのタンパク質配列は、−6q変異体のオリジナル配列ではMACCであるのに対し、MGCCである。その結果、新規の構築物である−6qi4myrおよび−6qs5myrは、ミリストイル化/パルミトイル化に関するコンセンサス配列を含む。−6qi4myrを、−6qs5からの−6qi4および−6qs5myrから調製した。Gタンパク質からミリスチル残基またはパルミトイル残基を除去すると、細胞中への再分布が起こり、それによりパルミテート残基またはミリステート残基が減少し、Gタンパク質の発現パターンが影響を受けることがわかっているが、これは脂肪酸残基を除去することにより主に細胞質に位置させる方法と同様である。Gタンパク質αサブユニットは、細胞膜中と細胞質中との両方において見出される。しかしながら、膜結合型Gタンパク質だけが、GPCRから細胞内のエフェクターへシグナルを通過させることができる。変異導入によるパルミトイル化/ミリストイル化に関するコンセンサス配列の除去の結果のみが知られている。しかしながら、ミリストイル化/パルミトイル化に関する追加のコンセンサス部位をGα欠失変異体に導入することによって、発現を増加させることは知られていない。追加のパルミトイル化/ミリストイル化部位を導入することにより、細胞膜中で発現されたGαサブユニットの量が増加することを示すことができた(図3、図4)。図3のSDS−PAGEウエスタンブロット(ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動のウエスタンブロット)で、−6qi4と比較した−6qi4myr発現の増加が明白に示されている。図4は、qwtおよび−6qi4myrの粒子分画(p;膜含有)および可溶性分画(s;sc)へ分離したSDS−PAGEウエスタンブロットを示す。高度にミリストイル化/パルミトイル化されている変異体、−6qi4myrは、粒子分画だけに存在する。この目的のために、20μgの膜タンパク質をトランスフェクトしたCOS7細胞から調製し、SDS−PAGEゲル電気泳動(10%)で分離し、12CA5モノクローナル抗体(Roche Biosciences社製)を用いたウエスタンブロットによって分析した。全てのGタンパク質αサブユニットを、HAエピトープタグに対する12CA5モノクローナル抗体(ホースラディッシュペルオキシダーゼに結合させた)で検出した。このHAタグは、全てのGタンパク質構築物に含まれる。qwtおよびqi5において、そのアミノ酸125〜130を、N末端が欠失したGタンパク質(−6q、−6qi4、−6qi4myr)のアミノ酸119〜124で置換する。20μgの膜タンパク質を、トランスフェクトされたCOS7細胞から調製し、いずれの場合もSDS−PAGEゲル電気泳動によって分離し、ニトロセルロースにブロットし、Gタンパク質αサブユニットを12CA5抗体で検出した。免疫活性Gタンパク質を化学発光システム(Amersham)を用いて可視化した。
【0028】
実施例3:広い受容体特異性を有する大量発現した様々なGα−タンパク質の、異なる受容体による刺激
大量発現したGα変異体、−6qs5myrおよび−6qi4myrの異なる受容体による刺激を図5および図6に示す。図5は、−6qi4myr(=Δ6qi4myr)が、Gi/o共役受容体(例えばドーパミンD2、edg5、CCR5、SSTR1、KOR)により、PLCβシグナル伝達経路へ連結し、Ca2+放出に比例する強いシグナルが生じたことを示す。用いられたコントロールは、ベクター構築物およびGα16タンパク質(+16)であった。図6は、Gs共役受容体が、−6qs5myr(=Δ6qs5myr)によってPLCβシグナル伝達経路に連結することを示す。Gタンパク質Gα16も、本明細書で言及されたように行動する。実験的に放出されたCa2+をエクオリンシステムによって測定するために、CHO細胞を、アポエクオリン発現プラスミドcytAEQ/pCDNAI、上述した受容体DNA(SSTR1、KOR、D2、D1、β2)、ならびにGタンパク質αサブユニットG16および−6qi4myrで、リポフェクトアミンを用いて、コトランスフェクションさせた。OPTIMEM培地で10時間インキュベートした後、上記細胞をRPMI1640培地で1回洗浄し、RPMI1640中で、5μMのセレンテラジンfと共に37℃、2時間インキュベートした。次に、上記細胞をPBSで2回洗浄し、適切な受容体アゴニスト、即ち、SSTR1受容体に対してはソマトスタチン14、カッパオピオイド受容体に対してはU50488、ドーパミンD2受容体に対しては(−)−quinpirole、ドーパミンD1受容体に対してはドーパミン、および、β2受容体に対してはイソプロテレノール、を用いて刺激した。Gi/o共役受容体(SSTR1、KOR、D2)およびGs共役受容体(D1、β2)のアゴニスト刺激により、Gタンパク質G16および−6qi4myrを活性化し、続いてPLCβと細胞内Ca放出とを刺激する。Caのアポエクオリン−セレンテラジン複合体への結合により弱い放出が測定され、これはルミノメーター(TOPCount、Hewlett Packard社製)を用いて測定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 様々なGαタンパク質のアミノ末端領域のアライメントを示す。
【図2】 適切なアゴニストの最大濃度を用いた、−6q−Gαタンパク質変異体におけるGi/o共役受容体(A)およびGs共役受容体(B)によるPLCβシグナル伝達経路の刺激を示す。
【図3】 −6qi4と比較した、−6qi4myrの増加した発現に関するSDS−PAGEウエスタンブロットを示す。加えて、さらなるGαタンパク質発現を示す。
【図4】 qwtおよび−6qi4myrの粒子分画(p;膜含有)および可溶性分画(s;sc)に分離されたことを示すSDS−PAGEウエスタンブロットである。Gタンパク質サブユニットは、12CA5モノクローナル抗体により検出され、〜42KDのタンパク質バンドが得られた。
【図5】 −6qi4myr(=Δ6qi4myr)による、様々なGi/o共役受容体のPLCβシグナル伝達経路への連結を示す。D2、kおよびSSTR1は、Gi/o共役受容体である。用いられたコントロールは、ベクター構築物およびGα16タンパク質(+16)であった。
【図6】 Gs共役受容体が、−6qs5myr(=Δ6qs5myr)によりPLCβシグナル伝達経路へ連結することを示す。β1、β2およびD1は、Gs共役受容体である。ベクター構築物およびGタンパク質Gα16(+16)は、参照として提供される。
【図7】 感度が低いαサブユニットG16の存在下、非常に高感度のGαサブユニット−6qi4myrの存在下、およびG16と−6qi4myrとの組み合わせのために、Gi/o共役ドーパミンD2受容体の、PLCβ−Caシグナル伝達経路への連結を示す。−6qi4myrによるカルシウム放出の可能性のある活性化が、G16の存在によって逆に影響を受けないことが示される。
【配列表】
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Claims (22)

  1. a)少なくとも一つのGタンパク質共役受容体依存性シグナル伝達経路を含み、1以上のGタンパク質を生産する少なくとも一つの細胞を用意し、
    b)研究しようとする少なくとも一つの化合物を用意し、
    c)a)に係る細胞とb)に係る研究しようとする化合物とを接触させ、
    d)a)に係る細胞のシグナル伝達経路に関して、b)に係る研究しようとする化合物の定量結果または定性結果を、シグナル伝達経路依存性の測定可能なシグナルによって測定する
    工程を含む、生物の少なくとも一つのGタンパク質共役受容体依存性シグナル伝達経路の動作を調節する化合物を同定する方法であって、
    少なくとも一つの当該Gタンパク質が−6qi4myrまたは−6qs5myrから選択され、ここで、「−6qi4」は、当該GαqクラスのGタンパク質αサブユニットがN末端の6個のアミノ酸を欠失し、C末端にαi配列を有することを意味し、「−6qs5」は、当該GαsクラスのGタンパク質αサブユニットがN末端の6個のアミノ酸を欠失し、C末端にαs配列を有することを意味し、「myr」は当該特定のGタンパク質が、アミノ末端において、Gαqに特異的なMACC配列の代わりにMGCCのミリスチル化/パルミチル化認識配列を有することを意味する、上記方法
  2. a)で用意される細胞は少なくとも2種のGタンパク質を生産する、請求項1に記載の方法。
  3. a)で用意される細胞は、−6qi4myr、−6qs5myr、−6qi4、−6qs5またはGα16から選択される少なくとも2種のGタンパク質を生産する、請求項1または2に記載の方法。
  4. a)で用意される細胞は、配列番号4に係るアミノ酸配列を有する少なくとも一つのタンパク質を生産する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. a)に係る細胞は、脊椎動物種、昆虫種、C. エレガンスまたは酵母の細胞である、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 細胞は、HeLa細胞、293細胞、COS細胞またはCHO細胞もしくはサッカロミセス・セレビシエの細胞である、請求項に記載の方法。
  7. 請求項1のd)に記載のシグナル伝達経路依存性の測定可能なシグナルによって、研究しようとする化合物の定量結果または定性結果を測定するために、細胞内Ca2+濃度を用いることを含む、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の化合物を同定する方法であって、ここで当該化合物は医薬である、方法
  9. )配列番号4に係るアミノ酸配列を有するポリペプチド、
    b)1つのアミノ酸が欠失したa)に係るポリペプチド、
    c)1つのアミノ酸が付加されたa)に係るポリペプチド、
    d)a)に係るポリペプチドの対立遺伝子変異
    の配列のいずれか一つから選択されたポリペプチドを含む、配列番号4に係るアミノ酸配列を有するGタンパク質αサブユニットの特性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド
  10. )配列番号3またはそれに対応する相補配列に係るポリヌクレオチド配列、
    b)ストリンジェントな条件下でa)に係るポリヌクレオチド配列とハイブリダイズするポリヌクレオチド配列
    のいずれか一つから選択されるポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、
    当該ストリンジェントな条件は当該ポリヌクレオチド配列と当該ハイブリダイズする配列が95%またはそれ以上適合するときに存在し、かつ、当該ポリヌクレオチド配列は配列番号4に係るアミノ酸配列を有するGタンパク質αサブユニットの特性を有するポリペプチドをコードする配列であるかまたはその相補配列である、上記ポリヌクレオチド
  11. 組換えベクター構築物の一部である、請求項または10に記載のポリヌクレオチド。
  12. 組換えベクター構築物は、真核生物および/または原核生物に適した発現ベクターである、請求項11に記載のポリヌクレオチド。
  13. 発現ベクターは、構成的プロモーターおよび/または誘導性プロモーターを含む、請求項12に記載のポリヌクレオチド。
  14. 請求項13のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
  15. ヒト細胞である、請求項14に記載の宿主細胞。
  16. 脊椎動物種、昆虫種、C. エレガンス、細菌または酵母の細胞である、請求項15に記載の宿主細胞。
  17. 細胞は、HeLa、293、COSまたはCHO細胞、大腸菌細胞またはサッカロミセス・セレビシエ細胞である、請求項16に記載の宿主細胞。
  18. 請求項1113のいずれかに記載のポリヌクレオチドを真核細胞または原核細胞に導入してなる、請求項1417のいずれかに記載の宿主細胞の作製。
  19. 請求項1〜のいずれかに記載の方法における、請求項1418のいずれかに記載の宿主細胞の使用。
  20. 列番号4に係るアミノ酸配列を有するタンパク質。
  21. a)請求項18に記載の宿主細胞を作製し、
    b)宿主細胞に適切であり、またタンパク質の発現を誘導し得る増殖培地中で、a)で得られた宿主細胞を培養し、
    c)b)からの細胞材料を得て、この細胞を破壊し、
    d)c)からの破壊された細胞の他のタンパク質から、請求項20に記載のタンパク質を分離する
    工程を含む、請求項20に記載のタンパク質を調製する方法。
  22. 抗体を生産するための、請求項20または21に記載のタンパク質の使用。
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