JP4990013B2 - 監視装置 - Google Patents
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Description
このため、監視の精度を向上させるためにはそれぞれのセンサ単体能力を高める必要があった。
図1は、この発明の実施の形態1による監視装置を示す構成図である。
図において、監視装置は、電波応用位置検出センサ(第一のセンサ)1、撮像装置2と画像処理装置3からなる第二のセンサ4、分布演算手段5、情報提示手段6を備えている。
本実施の形態では、監視対象100の位置を検知・監視するために、2種類のセンサ、電波応用位置検出センサ1および撮像装置2、画像処理装置3からなる第二のセンサ4が用意され、監視対象100の位置を監視し続ける。このような構成において、従来であれば、電波応用位置検出センサ1もしくは第二のセンサ4のいずれかにより監視できない範囲をお互いに補う形で用いられることが多い。例えば、第二のセンサ4の監視範囲が狭い場合に電波応用位置検出センサ1にて広範囲を監視し、必要に応じて第二のセンサ4を制御することにより、監視対象の撮影や第二のセンサ4による位置監視を行う。多くの場合、監視対象の位置は電波応用位置検出センサ1もしくは第二のセンサ4のセンシング情報を元に判断されるため、電波応用位置検出センサ1もしくは第二のセンサ4の位置検知精度を超える精度の情報を得ることはできない。また、これらの位置検知出力信号は異なる種類のセンサの検知によるものであるため、相関はなく独立である。電波応用位置検出センサ1もしくは第二のセンサ4の双方により位置の検知が可能な範囲においては、電波応用位置検出センサ1もしくは第二のセンサ4の位置検知出力信号のいずれを正とするかは一般的に監視装置の運用方法に一任されている。よって、これら複数の検知位置信号を得られたとしても、いずれかを選択するのみであり、このことから位置を検知する精度は各々のセンサの精度に依存し、これを超えることはできない。また、複数の異なるセンサ出力信号に相関がないことから、単純に組み合わせて使用することは難しい。
図において、横軸は位置、縦軸は可能性を示しており、第一可能性分布110の曲線が電波応用位置検出センサ1による可能性分布を示している。図示のような結果では、可能性分布のピークが二つあり(ピーク111,112)、ピーク111の方が可能性が高いため、このピーク111付近の位置を監視対象100の推測位置113として出力する。また、図1中、範囲103は、電波応用位置検出センサ1による監視対象100の推測位置の範囲を示している。
図3は、第二のセンサ4による監視対象100の位置検出の可能性分布を示す説明図である。
図中、横軸および縦軸は、図2と同様に位置および可能性を示しており、第二可能性分布120の曲線が第二のセンサ4による可能性分布を示している。また、推測位置121が第二のセンサ4による監視対象100の推測位置である。更に、図1中、範囲104は、第二のセンサ4による監視対象100の推測位置の範囲である。
図4は、このような位置範囲を求める場合の説明図である。
例えば、監視エリアが雨天などで、画像処理装置3の処理中、撮像装置2で取得した映像に積算されるノイズが酷く、結果として第二可能性分布120の分布に高周波成分が多数存在する場合、分布演算手段5は、その出力信号を平滑化、あるいはローパスフィルタなどでノイズを滑らかにする。一方、風などの影響により電波応用位置検出センサ1の出力(第一可能性分布110)が平坦だった場合には、センサ出力変化を強調する処理を行う。あるいは、特異地点において電波応用位置検出センサ1の出力に故障などの異常が見られる場合は、第一可能性分布110におけるこの特異点での分布を0とする一方、第二可能性分布120を強調する。次に、第一可能性分布110および第二可能性分布120に適正な重み付け(ある数値の乗算)を行った後、全体の加算を行うことで統合された分布曲線である統合可能性分布130を構成する。
図5は、表示する情報の説明図である。
図示のように、電波応用位置検出センサ1による第一可能性分布110と、第二のセンサ4による第二可能性分布120と、統合可能性分布130とを重畳表示する。
図6は、情報表示の他の例を示す説明図である。
例えば、図6中、(a)に示すように、統合可能性分布130と推測位置131のみを表示する。また、表示切り替えにより、(b)に示すように第二可能性分布120のみを表示したり、(c)に示すように第一可能性分布110のみを表示する、といった表示の切り替えを行うよう構成してもよい。更に、図2や図3に示すような推測位置113,121を同時に表示してもよい。
このような第一可能性分布110,第二可能性分布120および統合可能性分布130を個別に表示することにより、例えば、表示するディスプレイが小さい場合でも、必要とする情報のみを表示することで監視者にとっての見やすさを向上させることができる。
図7は、3次元表示する場合の説明図である。
地図に重ねて表示する場合、可能性分布は2次元平面であるが、これを視覚化するため、情報提示手段6では図7に示すような3次元表示を行う。このような3次元表示でピーク付近が監視対象100の位置する可能性が最も高い部分である。このような表示を行うことにより、より直感的な表示となり、視認性を向上させることができる。
図8は、RFIDによる可能性分布の説明図である。
RFIDとしてアクティブ型RFIDを用いる。アクティブ型RFIDでは、タグが有する電源により、タグ自らが電波を発生する。このため、RFIDタグとそのセンサまでの距離が数mであっても検知が可能である。図8に示すように、タグセンサ7が一つである場合、RFIDタグ8の検出においては、その方向は分からず、RFIDタグ8が発する電波強度のみを知ることができる。その結果、この電波強度からある程度、タグセンサ7からRFIDタグ8への距離を求めることができる。従って、タグセンサ7でRFIDタグ8のタグ電波を受信した場合、ある一定の距離のどこか、つまり、図中のドーナツ型の範囲140のどこかにRFIDタグ8が存在すると想定できる。この範囲140がRFIDタグ8の存在可能性分布であり、上述した第一可能性分布110や第二可能性分布120に相当するものである。このような場合でも、電波応用位置検出センサ1の位置検出結果を用いることにより、複数の範囲を統合することから確実な位置検出を行うことができる。
実施の形態1においては、撮像装置及び電波応用センサによる組み合わせを例示したが、これらの組み合わせ以外にも、存在位置の確からしさの分布を処理系に持つセンサであれば応用が可能である。即ち、赤外線センサや光電管センサのように、通過を検知するものなど、位置を検出するために内部処理にて確からしさの分布を持たず、デジタル出力に近い特性を持つもの以外であれば、同様に適用可能である。実施の形態2では、このような応用例について説明する。
実施の形態2では、第一のセンサとして感圧型位置検知センサ9を用い、第二のセンサとしてレーザレーダ10を用いている。ここで、感圧型位置検知センサ9は、感圧型センサを複数用いて、第一監視領域である範囲(図面における矩形範囲)内の監視対象100の位置を検出するセンサである。また、レーザレーダ10は、レーザ光を2次元に走査して監視対象100の位置検出を行うセンサであり、図中、範囲106が第二検知範囲(第二監視領域)に相当する。これらの感圧型位置検知センサ9およびレーザレーダ10により監視対象100が存在しうると推測される分布が、各々、範囲107、108である。
このように検知において確からしさの分布を持つセンサに関しては自由に組み合わせることが可能であり、分布に重なりあう範囲が存在する場合では、その組み合わせ数量にも制限はない。
上記実施の形態1及び2では、第一、第二のセンサの出力に基づいて統合した可能性分布を求めたが、実施の形態3では、センサのキャリブレーション(校正)を行う例を説明する。
即ち、実施の形態1で説明した電波応用位置検出センサ1及び第二のセンサ4のように、内部にて確からしさの分布を元に検知を行うセンサでは、分布から検知位置を求めるアルゴリズム、閾値処理、またセンシング機能の感度調整などが必要であり、これらのバランスが検知精度の多くを決定する。よって、これらのバランス取り(キャリブレーション)作業が一般的に必要である。キャリブレーション作業では、センサの精度を向上させるために、別の高精度な基準を用意し、これに基づいて調整を行う必要がある。このため、従来の方法を図1に示すような構成に適用した場合では、より高精度なセンサを一時的に配置し、これと電波応用位置検出センサ1もしくは第二のセンサ4のセンサとの調整を行う、あるいは、実際に位置検知対象物を配置し、これを検知させた際に出力される信号を見ることで、キャリブレーションを行う、といったことが必要となる。
図示の構成は、実施の形態1に対して適用したものである。校正手段11は、分布演算手段5からの出力に基づいて、電波応用位置検出センサ1または第二のセンサ4の出力を校正する手段である。これ以外の構成は、実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明は省略する。
キャリブレーションでは、正解値を教師信号として、センサのパラメータを調整する。以下、図4を例に説明すると、先ず、電波応用位置検出センサ1の出力結果が推測位置113、第二のセンサ4の出力結果が推測位置121となる。これらの値は、現在、電波応用位置検出センサ1や第二のセンサ4の持つパラメータから導出された可能性分布110、120の処理結果となる。一方、ここで統合された出力が推測位置131である。これがこのシステムでの正解の信号であるため、電波応用位置検出センサ1および第二のセンサ4にとっても正解の値であり、推測位置113や121は、誤差が大きい値といえる。よって、電波応用位置検出センサ1および第二のセンサ4の持つパラメータを調整することにより、可能性分布110や120の出力形状を変化させ、なるべく統合可能性分布130に近い出力を得られるようキャリブレーションを行う。即ち、校正手段11は分布演算手段5から出力される統合可能性分布130の値に基づいて、電波応用位置検出センサ1または第二のセンサ4から得られる出力が、推測位置131に近づくようそれぞれのパラメータを変化させる。
Claims (7)
- 通常と異なる事象の発生を監視する監視装置において、第一監視領域内における前記事象の発生の第一の可能性分布を出力する第一のセンサと、
前記第一監視領域と重複する領域を有する第二監視領域における前記事象の発生の第二の可能性分布を出力する、第一のセンサとは異なる種類のセンサである第二のセンサと、
前記第一の可能性分布と、前記第二の可能性分布に基づいて、前記第一監視領域と前記第二監視領域の重複する共通部分の事象発生の統合可能性分布を演算する分布演算手段と、
前記分布演算手段によって得られた統合可能性分布を出力する情報提示手段と、
第一のセンサおよび第二のセンサのうち少なくともいずれか一方のセンサの出力を、分布演算手段の出力結果に近づけるように校正する校正手段を備えたことを特徴とする監視装置。 - 通常と異なる事象の発生は、監視対象領域への人物の侵入であることを特徴とする請求項1記載の監視装置。
- 通常と異なる事象の発生の監視は、監視対象領域内に存在する物体の位置検出であることを特徴とする請求項1記載の監視装置。
- 第1のセンサを電波応用位置検出センサとし、第二のセンサを、第二監視領域の画像を取得する撮像装置と前記撮像装置で取得された画像から通常と異なる事象の発生を検出する画像処理装置とから構成することを特徴とする請求項1記載の監視装置。
- 第1のセンサを電波応用位置検出センサとし、第二のセンサをRFIDタグの位置を検出するタグセンサとしたことを特徴とする請求項1記載の監視装置。
- 第一のセンサをレーザレーダ、第二のセンサを感圧式位置検知センサとしたことを特徴とする請求項1記載の監視装置。
- 情報提示手段は、第一のセンサの第一可能性分布と第二のセンサの第二可能性分布を個別に出力することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項記載の監視装置。
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