JP4989550B2 - 定尺ベニヤ単板の堆積方法 - Google Patents

定尺ベニヤ単板の堆積方法 Download PDF

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Description

本発明は、定尺ベニヤ単板の堆積方法に関するものである。
従来、ベニヤ単板の処理工程に於ては、繊維方向と直交方向の長さを、所定の定尺寸法に切り揃えて、矩形化した定尺ベニヤ単板(以下、単に定尺単板と称す)の多数枚を、一枚づつ(必要に応じては、予め二枚重ねにして)順々に堆積場所の上方まで搬送してから落下させて、堆積場所へ堆積する処理が実施されており、所望の高さを有する定尺単板の堆積山として次工程へ移送されるが、堆積山の堆積姿勢が過度に端正であると、次工程に於て、堆積山から定尺単板を一枚づつ取出す際の作業性が低下する不都合が生じることから、特許文献1、特許文献2等に開示される如く、一枚毎に定尺単板の堆積位置を異ならせることによって、各定尺単板毎の区分を明確化させ、取出しの容易化を図る技術が提案されている。
実開昭52−30785号公報 特開2006−213411号公報
前記特許文献1に開示される技術は、定尺単板を一枚づつ落下させる毎に、堆積山の位置を、定尺単板の搬送方向の左右へ交互に微量だけずらすことによって、各定尺単板の堆積位置を搬送方向の左右へ交互に微量だけ異ならせるものであり、また、特許文献2に開示される技術は、定尺単板を一枚づつ落下させるに際し、搬送方向の左右に於ける落下時期を、交互に暫時遅らせることにより、各定尺単板の堆積位置を搬送方向の左右へ交互に微量だけ異ならせるものであって、堆積山に於ける各定尺単板毎の区分を明確化させる目的に対しては、いずれも相応の効果を奏するが、前者(特許文献1)の技術には、堆積山の重量が増すのに伴って、堆積山の移動に多大な動力が必要となったり、或は迅速な移動が望めないので、処理の能率性が劣るなどの弱点があり、また、後者(特許文献2)の技術にも、落下に要する時間が、左右同時に落下させる場合に比べて些か長くなるので、処理の能率性が劣る弱点があった。
本発明は、前記従来の技術の弱点を解消すべく開発したものであって、具体的には、定尺単板を落下させる前の搬送過程に於て、奇数枚目又は偶数枚目の少なくともいずれか一方の定尺単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に、各定尺単板の搬送及び落下に支障が生じず、且つ、搬送する定尺単板が僅かに時計回り方向又は反時計回り方向へ転回し得る程度の微細な差異を設けることによって、搬送過程に於ける各定尺単板の搬送姿勢を、一枚毎に微少だけ異ならせて搬送し、落下させる定尺単板の堆積方法(請求項1)と、奇数枚目又は偶数枚目のいずれか一方の定尺単板を搬送する際の、搬送方向の右側及び左側に於ける搬送速度を、同一速度に揃えると共に、残る他方の定尺単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に差異を設けて成る請求項1記載の定尺単板の堆積方法(請求項2)と、奇数枚目又は偶数枚目のいずれか一方の定尺単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に差異を設けると共に、残る他方の定尺単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に、前記いずれか一方の定尺単板に対する搬送速度の差異とは対称的な差異を設けて成る請求項1記載の定尺単板の堆積方法(請求項3)と、定尺単板の搬送経路を、単一の搬送経路とすると共に、該単一の搬送経路を、複数の区域に分割し、分割した一部の区域に於て、少なくとも奇数枚目又は偶数枚目のいずれか一方の定尺単板を搬送する毎に、都度、搬送方向の右側と左側との搬送速度に差異を設けて、定尺単板を順々に搬送して成る請求項1又は請求項2又は請求項3記載の定尺単板の堆積方法(請求項4)と、定尺単板の搬送経路を、搬送経路の途中に於て、一旦二経路に分岐させてから、該分岐させた二経路を、後で再び一経路に合流させる複合搬送経路とすると共に、分岐させた少なくともいずれか一方の分岐経路に於ける搬送方向の右側と左側との搬送速度に差異を設け、分岐させた二経路へ、定尺単板を交互に搬入して搬送して成る請求項1又は請求項2又は請求項3記載の定尺単板の堆積方法(請求項5)とを提案する。
本発明の請求項1に係る定尺単板の堆積方法は、述上の如く、奇数枚目又は偶数枚目の少なくともいずれか一方の定尺単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に、各定尺単板の搬送及び落下に支障が生じず、且つ、搬送する定尺単板が僅かに時計回り方向又は反時計回り方向へ転回し得る程度の微細な差異を設けることによって、各定尺単板の搬送姿勢を、一枚毎に微少だけ異ならせて搬送し、落下させるものであるから、堆積山に於ける各定尺単板毎の区分を明確化させる目的を支障なく達成し得るのは勿論のこと、定尺単板の搬送姿勢を異ならせる処置を、搬送過程に於て実施し終えることによって、堆積時には速やかな落下処理が可能となるから、処理の能率性が優れ、従来技術の弱点を解消することが可能となる。
因に、搬送過程に於て、各定尺単板の搬送姿勢を、一枚毎に微少だけ異ならせる為のより具体的な手段としては、請求項2に係る堆積方法の如く、奇数枚目又は偶数枚目のいずれか一方の定尺単板を搬送する際の、搬送方向の右側及び左側に於ける搬送速度を、同一速度に揃えると共に、残る他方の定尺単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に差異を設けて、他方の定尺単板だけを、時計回り方向又は反時計回り方向へ僅かに転回させる手段と、請求項3に係る堆積方法の如く、奇数枚目又は偶数枚目のいずれか一方の定尺単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に差異を設けて、一方の定尺単板を、時計回り方向又は反時計回り方向へ僅かに転回させると共に、残る他方の定尺単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に、前記一方の定尺単板に対する搬送速度の差異とは対称的な差異を設けて、他方の定尺単板を、前記一方の定尺単板とは逆回りに僅かに転回させる手段とが挙げられ、いずれも有効である。
また、搬送過程に於て、各定尺単板の搬送姿勢を、一枚毎に微少だけ異ならせる為の機構的な手段としては、請求項4に係る堆積方法の如く、定尺単板の搬送経路を、単一の搬送経路とすると共に、該単一の搬送経路を、複数の区域に分割し、分割した一部の区域に於て、少なくとも奇数枚目又は偶数枚目のいずれか一方の定尺単板を搬送する毎に、都度、搬送方向の右側と左側との搬送速度に差異を設けて、定尺単板を順々に搬送する手段と、請求項5に係る堆積方法の如く、定尺単板の搬送経路を、搬送経路の途中に於て、一旦二経路に分岐させてから、該分岐させた二経路を、後で再び一経路に合流させる複合搬送経路とすると共に、分岐させた少なくともいずれか一方の分岐経路に於ける搬送方向の右側と左側との搬送速度に差異を設け、分岐させた二経路へ、定尺単板を交互に搬入して搬送する手段とが挙げられ、いずれも有効である。
以下、本発明を図面に例示した実施の一例と共に更に詳述するが、例示した搬送装置の具体的構造については、特に制約はなく、従来公知の機構、部材類を用いて差支えないので、冗長化を避ける便宜上、概略的な説明をするに留めた。また、堆積装置についても、特に制約はなく、従来公知の機構、部材類を用いた堆積装置で差支えないので、同様の便宜上、詳細な図示及び説明を省略した。更に、実施例の説明に於て、既に説明した実施例と同じ機器類・部材類を用いる機構については、同一の符号を付して、重複する概略的な説明を省略した。尚、図示した実施例に於ける各定尺単板の搬送姿勢については、異同を明らかにする便宜上、些か誇張的に転回させて表示したものであって、実際には、堆積山から取出す際に、一枚毎の区分が明確化できる程度に異なっていれば足りる。
図1は、本発明に係る堆積方法の実施に用いる搬送装置の平面説明図であって、当該搬送装置1Aは、複数に区分された搬送機構A1、A2から成る単一の搬送経路を有し、多数枚の定尺単板1・2・3・4・5・6…を、順々に図示矢印方向へ搬送して、該搬送装置1Aの後位に配設された公知の堆積装置Dへ搬入する。
而して、前記搬送装置1Aを構成する前段の搬送機構A1は、回転軸a1、回転車a2、搬送ベルトa3、減速機付モータ等から成る固定速駆動源a4等を有し、図示しない制御装置の制御に基づき、前記固定速駆動源a4を所定速度で駆動させることにより、搬送方向の右側及び左側に於ける搬送ベルトa3の搬送速度を、常に同一速度として、各定尺単板1・2・3・4・5・6…を、順々に図示矢印方向へ搬送し、後段の搬送機構A2へ搬入する。
また、前記搬送装置1Aを構成する後段の搬送機構A2は、搬送方向の左側には、歯付ベルト、歯付車、チェーン、鎖車、歯車等から成る連結部材a12を介して、前記前段の搬送機構A1の回転軸a1と連動して回転する回転軸a5、回転車a6、搬送ベルトa7等を、また搬送方向の右側には、回転軸a8、回転車a9、搬送ベルトa10、サーボモータ等から成る可変速駆動源a11等を夫々有し、制御装置の制御に基づき、常態に於ては、前記搬送機構A1の固定速駆動源a4による搬送ベルトa3の搬送速度と同等である、可変速駆動源a11による搬送ベルトa7の駆動速度を、所要時に、微少だけ変速(増速又は減速)させることにより、搬送方向の右側と左側との搬送速度を、各定尺単板1・2・3・4・5・6…の搬送及び落下に支障が生じず、且つ、搬送する定尺単板が僅かに時計回り方向又は反時計回り方向へ転回し得る程度だけ微細に異ならせて、各定尺単板1・2・3・4・5・6…を、順々に図示矢印方向へ搬送し、堆積装置Dへ搬入する。
本発明に係る堆積方法は、例えば前記の如く構成して成る搬送装置1A(及び堆積装置D)を用いて、実施することが可能であり、具体的な作動の態様は、以下の如き複数の態様が挙げられる。即ち、態様の一つは、例えば制御装置の制御に基づき、前記後段の搬送機構A2に於て、奇数枚目の定尺単板1・3・5…を搬送する時期には、可変速駆動源a11による搬送ベルトa7の駆動速度を、前段の搬送機構A1の固定速駆動源a4による搬送ベルトa3の駆動速度と同等にすると共に、偶数枚目の定尺単板2・4・6…を搬送する時期に限っては、可変速駆動源a11による搬送ベルトa7の駆動速度を、前段の搬送機構A1の固定速駆動源a4による搬送ベルトa3の駆動速度よりも、微少だけ減速(以下、単に微減と称する場合がある)させるように制御すれば、図2に例示する如く、奇数枚目の定尺単板1(3・5…)が、前段の搬送機構A1による搬送姿勢のまま堆積装置Dへ搬入されるのに対して、偶数枚目の定尺単板2(4・6…)は、前段の搬送機構A1による搬送姿勢よりも僅かだけ時計回り方向に転回した搬送姿勢となって堆積装置Dへ搬入されるので、堆積装置Dに於て堆積山Yとして堆積された際に、奇数枚目の定尺単板1・3・5…と偶数枚目の定尺単板2・4・6…との区分が明確化する。
また別の態様としては、例えば制御装置の制御に基づき、前記後段の搬送機構A2に於て、奇数枚目の定尺単板1・3・5…を搬送する時期には、可変速駆動源a11による搬送ベルトa7の駆動速度を、前段の搬送機構A1の固定速駆動源a4による搬送ベルトa3の駆動速度と同等にすると共に、偶数枚目の定尺単板2・4・6…を搬送する時期に限っては、可変速駆動源a11による搬送ベルトa7の駆動速度を、前段の搬送機構A1の固定速駆動源a4による搬送ベルトa3の駆動速度よりも、微少だけ増速(以下、単に微増と称する場合がある)させるように制御すれば、図3に例示する如く、奇数枚目の定尺単板1(3・5…)が、前段の搬送機構A1による搬送姿勢のまま堆積装置Dへ搬入されるのに対して、偶数枚目の定尺単板2(4・6…)は、前段の搬送機構A1による搬送姿勢よりも僅かだけ反時計回り方向に転回した搬送姿勢となって堆積装置Dへ搬入されるので、堆積装置Dに於て堆積山Yとして堆積された際に、同じく奇数枚目の定尺単板1・3・5…と偶数枚目の定尺単板2・4・6…との区分が明確化する。
また更に別の態様としては、例えば制御装置の制御に基づき、前記後段の搬送機構A2に於て、奇数枚目の定尺単板1・3・5…を搬送する時期には、可変速駆動源a11による搬送ベルトa7の駆動速度を、前段の搬送機構A1の固定速駆動源a4による搬送ベルトa3の駆動速度よりも、微少だけ減速させると共に、偶数枚目の定尺単板2・4・6…を搬送する時期については、可変速駆動源a11による搬送ベルトa7の駆動速度を、前段の搬送機構A1の固定速駆動源a4による搬送ベルトa3の駆動速度よりも、微少だけ増速させるように制御すれば、図4に例示する如く、奇数枚目の定尺単板1(3・5…)が、前段の搬送機構A1による搬送姿勢よりも僅かだけ時計回り方向に転回した搬送姿勢となって堆積装置Dへ搬入されると共に、偶数枚目の定尺単板2(4・6…)は、前段の搬送機構A1による搬送姿勢よりも僅かだけ反時計回り方向に転回した搬送姿勢となって堆積装置Dへ搬入されるので、堆積装置Dに於て堆積山Yとして堆積された際に、やはり奇数枚目の定尺単板1・3・5…と偶数枚目の定尺単板2・4・6…との区分が明確化する。
尚、前記搬送機構A2の可変速駆動源a11による搬送ベルトa7の駆動速度を変速する時期としては、搬送している定尺単板の重心が、当該搬送機構A2に移乗される時点以降で足りるが、必要に応じては、それより幾分早くしても差支えない。また、図2・図3の例の如く、奇数枚目又は偶数枚目のいずれか一方の定尺単板のみの搬送姿勢を転回させる場合と、図4の例の如く、奇数枚目と偶数枚目の定尺単板の搬送姿勢を、互いに逆向きに転回させる場合とでは、転回の度合いを異ならせて差支えなく、仮に堆積時に同等程度のずれ(食違い)を生じさせるとすれば、後者(図4の例)の転回度合いは、前者(図2・図3の例)の半分で足りる。勿論、前記各態様に於ける奇数枚目又は偶数枚目に対する減速或は増速の処理を、前記各態様とは逆に組替えても差支えなく、要は、奇数枚目又は偶数枚目の少なくともいずれか一方の定尺単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に、各定尺単板の搬送及び落下に支障が生じず、且つ、搬送する定尺単板が僅かに時計回り方向又は反時計回り方向へ転回し得る程度の微細な差異を設けることによって、各定尺単板の搬送姿勢を、一枚毎に微少だけ異ならせて搬送すれば足りる。因に、例えば定尺単板の搬送姿勢の相違が顕在化する部位(少なくともいずれか一箇所の角部)に於て、1cm±数mm程度のほぼ規則的なずれが顕在すれば、実用的であることが確認された。
次に、堆積方法の実施に用いる定尺単板の搬送装置の変更例について述べると、図5に例示した搬送装置2Aは、複数に区分された搬送機構A1、A3から成る単一の搬送経路を有し、多数枚の定尺単板1・2・3・4・5・6…を、順々に図示矢印方向へ搬送して、該搬送装置1Aの後位に配設された公知の堆積装置Dへ搬入する。
而して、前記搬送装置2Aを構成する後段の搬送機構A3は、搬送方向の右側には、回転軸a8、回転車a9、搬送ベルトa10、可変速駆動源a11等を、また搬送方向の左側には、回転軸a8、回転車a9、搬送ベルトa10、サーボモータ等から成る可変速駆動源a13等を夫々有し、制御装置の制御に基づき、常態に於ては、搬送機構A1の固定速駆動源a4による搬送ベルトa3の駆動速度と同等である、可変速駆動源a11又は可変速駆動源a13による搬送ベルトa7の駆動速度を、所要時に、微少だけ変速(増速又は減速)させることにより、搬送方向の右側と左側との搬送速度を、各定尺単板1・2・3・4・5・6…の搬送及び落下に支障が生じず、且つ、搬送する定尺単板が僅かに時計回り方向又は反時計回り方向へ転回し得る程度だけ微細に異ならせて、各定尺単板1・2・3・4・5・6…を、順々に図示矢印方向へ搬送し、堆積装置Dへ搬入する。
斯様に構成した搬送装置によっても、本発明に係る堆積方法を実施することが可能であり、例えば制御装置の制御に基づき、常態に於ては、前記搬送機構A1の固定速駆動源a4による搬送ベルトa3の駆動速度と同等である、後段の搬送機構A3の可変速駆動源a11又は可変速駆動源a13による搬送ベルトa7の駆動速度を、所要時に、微少だけ変速(増速又は減速)させることにより、奇数枚目又は偶数枚目の少なくともいずれか一方の定尺単板の搬送姿勢を、前段の搬送機構A1による搬送姿勢よりも僅かだけ時計回り方向又は反時計回り方向に転回させて、堆積装置Dへ搬入することができるので、やはり堆積装置Dに於て堆積山Yとして堆積した際に、奇数枚目の定尺単板1・3・5…と偶数枚目の定尺単板2・4・6…との区分が明確化する。
また一方、図5に例示した搬送装置2Aにあっては、例えば制御装置の制御に基づき、前記搬送機構A3の可変速駆動源a11・a13によるいずれか一方の搬送ベルトa7の駆動速度を、前記搬送機構A1の固定速駆動源a4による搬送ベルトa3の駆動速度よりも、常時微減又は微増すると共に、残る他方の可変速駆動源a11又はa13による搬送ベルトa7の駆動速度を、前記いずれか一方の可変速駆動源による搬送ベルトa7の駆動速度とは逆に、常時微減又は微増する構成(制御)を、定尺単板を一枚搬送する毎に、交互に繰返す態様を採って、奇数枚目の定尺単板1・3・5…と偶数枚目の定尺単板2・4・6…の搬送姿勢を、僅かだけ時計回り方向と反時計回り方向とに交互に転回させて、堆積装置Dへ搬入して堆積することも可能であり、同様に各定尺単板毎の区分が明確化する。
尚、前記各実施例に於ては、常態に於ける後段の搬送機構A2・A3の搬送速度を、前段の搬送機構A1の搬送速度と同等(乃至は微減又は微増)とすることにしたが、必要に応じては、常態に於ける後段の搬送機構A2・A3の搬送速度を、前段の搬送機構A1の搬送速度よりも常に所望速度だけ一段と増速する構成(定尺単板の搬送姿勢を僅かに転回させる為の、搬送速度の微増又は微減は、別途に加算的又は減算的に行う)を採っても差支えなく、斯様な構成を採れば、前段の搬送機構A1から後段の搬送機構A2・A3へ各定尺単板を移乗させて搬送することにより、各定尺単板同士の間隔を拡大させることができるので、前段の搬送機構A1に於ける各定尺単板同士の間隔が、各実施例に於ける間隔より狭くても差支えなく、また堆積装置Dに於ける各定尺単板の落下態様の多様化などにも有効である。
また、前記各実施例に於ては、搬送装置の後段の搬送機構を、堆積装置の搬送機構とは別途に設ける構成を採ったが、堆積装置の搬送機構が、前記各実施例に於ける後段の搬送機構と同種或は類似する構造である場合については、図示は省略したが、前記各実施例に於ける後段の搬送機構を取除き、該搬送機構に代えて、堆積装置の搬送機構に所要の駆動源を具備し、搬送方向の右側と左側との搬送速度に、各定尺単板の搬送及び落下に支障が生じず、且つ、搬送する定尺単板が僅かに時計回り方向又は反時計回り方向へ転回し得る程度の微細な差異を設けることによって、各定尺単板の搬送姿勢を、一枚毎に微少だけ異ならせて搬送し、堆積する構成を採っても差支えなく、本発明に係る堆積方法の実施に用いることが可能である。
次に、図6・図7に例示した搬送装置1Bは、前段の搬送機構B1と、上下に区分された中段の搬送機構B2・B3と、後段の搬送機構B4と、前段の搬送機構B1と中段の搬送機構B2・B3との間に配設された振分け機構Cとから成る上下二段式の複合搬送経路を有し、多数枚の定尺単板1・2・3…を、順々に図示矢印方向へ搬送して、該搬送装置1Bの後位に配設された公知の堆積装置Dへ搬入する。
而して、前記搬送装置1Bを構成する前段の搬送機構B1と後段の搬送機構B4は、回転軸b1、回転車b2、搬送ベルトb3、減速機付モータ等から成る固定速駆動源b4等を有し、図示しない制御装置の制御に基づき、固定速駆動源b4を所定速度で駆動させることにより、搬送方向の右側及び左側に於ける搬送速度を、常に同一速度として、各定尺単板1・2・3…を、順々に図示矢印方向へ搬送する。
また、前記搬送装置1Bを構成する中段の搬送機構B2・B3の内の、下方の搬送機構B2は、回転軸b1、回転車b2、搬送ベルトb3、減速機付モータ等から成る固定速駆動源b4等を有し、制御装置の制御に基づき、固定速駆動源b4を所定速度で駆動させることにより、搬送方向の右側及び左側に於ける搬送速度を、常に同一速度として、奇数枚目又は偶数枚目のいずれか一方(図示例では、奇数枚目)の定尺単板を、順々に図示矢印方向へ搬送する。
また、前記搬送装置1Bを構成する中段の搬送機構B2・B3の内の、上方の搬送機構B3は、搬送方向の右側に、回転軸b5、回転車b6、搬送ベルトb7、減速機付モータ等から成る固定速駆動源b8等を、また搬送方向の左側には、回転軸b5、回転車b6、搬送ベルトb7、減速機付モータ等から成る固定速駆動源b9等を夫々有し、制御装置の制御に基づき、前記固定速駆動源b8又は固定速駆動源b9によるいずれか片側の搬送ベルトb7の駆動速度を、前記各固定速駆動源b4による搬送ベルトb3の駆動速度と同等とすると共に、適宜の速度調整手段、例えば減速機の減速比率を僅かだけ増加又は減少させる、或は例えば該当する側の回転車b6の直径を僅かだけ増大又は縮小させる、更には例えば固定速駆動源b8又はb9の駆動周波数を常に僅かだけ増加又は減少させるなどの、適宜の速度調整手段を適用して、残る片側の固定速駆動源b8又は固定速駆動源b9による搬送ベルトb7の駆動速度を、前記各固定速駆動源b4による搬送ベルトb3の駆動速度に比べて、常に微減又は微増させることにより、搬送方向の右側と左側との搬送速度を、定尺単板の搬送及び落下に支障が生じず、且つ、搬送する定尺単板が僅かに転回し得る程度だけ微細に異ならせて、前記下方の搬送機構B2によって搬送されない方(図示例では、偶数枚目)の定尺単板を順々に図示矢印方向へ搬送する。
更に、前記搬送装置1Bを構成する振分け機構Cは、基端側が、前段の搬送機構B1の後端部付近に於て枢軸c2により枢支され、且つ、先端側が、図示矢印で示す如く、前記下方の搬送機構B2と上方の搬送機構B3とに臨む位置の間を交互に往復揺動させられる振分け部材c1、制御装置の制御に基づき、枢軸c2を介して、前記振分け部材c1を交互に往復揺動させる流体シリンダ等から成る作動部材c3等を有し、奇数枚目と偶数枚目の定尺単板とを、交互に下方の搬送機構B2と上方の搬送機構B3とに振り分ける。
例えば述上の如く構成した搬送装置1Bによっても、振分け機構Cを介して、上方の搬送機構B3の方へ振り分けた偶数枚目又は奇数枚目のいずれか一方(図示例では、偶数枚目)の定尺単板の搬送姿勢を、前段の搬送機構B1による搬送姿勢よりも僅かだけ時計回り方向(固定速駆動源b8による搬送ベルトb7の駆動速度を常に微減させるか或は固定速駆動源b9による搬送ベルトb7の駆動速度を常に微増させた場合)又は反時計回り方向(固定速駆動源b8による搬送ベルトb7の駆動速度を常に微増させるか或は固定速駆動源b9による搬送ベルトb7の駆動速度を常に微減させた場合)に転回させて、後段の搬送機構B4に移乗させ、堆積装置Dへ搬入することができるので、やはり堆積山に於ける、奇数枚目の定尺単板と偶数枚目の定尺単板との区分が明確化する。
次に、図8・図9に例示した搬送装置2Bは、前記搬送装置1Bに於ける下方の搬送機構B2に代えて、上方の搬送機構B3に類似する構成の搬送機構B5、即ち、搬送方向の左側に、回転軸b5、回転車b6、搬送ベルトb7、減速機付モータ等から成る固定速駆動源b10等を、また搬送方向の右側には、回転軸b5、回転車b6、搬送ベルトb7、減速機付モータ等から成る固定速駆動源b11等を夫々有し、制御装置の制御に基づき、上方の搬送機構B3に於て、搬送ベルトb7の駆動速度を、先記各固定速駆動源b4による搬送ベルトb3の駆動速度と同等とした側とは反対側に位置する、固定速駆動源b10又は固定速駆動源b11による搬送ベルトb7の駆動速度を、先記各固定速駆動源b4の駆動速度と同等とすると共に、前述した適宜の速度調整手段を適用して、残る片側の固定速駆動源b10又は固定速駆動源b11による搬送ベルトb7の駆動速度を、上方の搬送機構B3に於ける固定速駆動源b8又は固定速駆動源b9による搬送ベルトb7の駆動速度の微減又は微増とは対称的に、常に微減又は微増させることにより、搬送方向の右側と左側との搬送速度を、定尺単板の搬送及び落下に支障が生じず、且つ、搬送する定尺単板が僅かに転回し得る程度だけ微細に異ならせて、上方の搬送機構B3に於ける定尺単板の搬送姿勢の転回方向とは逆向きに、定尺単板の搬送姿勢が転回するよう構成したものであり、やはり堆積山に於ける、奇数枚目の定尺単板と偶数枚目の定尺単板との区分が明確化する。
また、図示は省略したが、必要に応じては、前記両実施例に於て、搬送ベルトb7の駆動速度を、前記各固定速駆動源b4による搬送ベルトb3の駆動速度に比べて、常に微減又は微増させる側の固定速駆動源(b8又はb9、及びb10又はb11)に代えて、可変速駆動源を備えると共に、適宜の速度調整手段を適用することなく、制御装置の制御に基づいて、代用した可変速駆動源による搬送ベルトb7の駆動速度を、前記各固定速駆動源b4による搬送ベルトb3の駆動速度に比べて、常に(常時)微減又は微増させる構成を採っても差支えなく、斯様に可変速駆動源を備える構成によると、必要に応じては、搬送ベルトb7の駆動速度を適当に調整することによって、定尺単板の搬送姿勢の転回度合いを可変調整することができ、定尺単板のサイズ変更などにも適切に対応することができる。
尚、前記各実施例の搬送装置についても、必要に応じては、後段の搬送機構B4の搬送速度のみを、又は後段の搬送機構B4の駆動速度と中段の搬送機構B2・B3(B5)の搬送速度とを、前段の搬送機構B1の搬送速度よりも常に所望速度だけ一段と増速する構成(定尺単板の搬送姿勢を僅かに転回させる為の、搬送速度の微増又は微減は、別途に加算的又は減算的に行う)を採っても差支えなく、斯様な構成を採れば、各定尺単板同士の間隔を単段的に又は段階的に拡大させることができる。
また一方、前記両実施例の如く、上下二段式の複合搬送経路を設ける場合に於ては、必要に応じて、従来公知の二枚重ね手段、例えば重複している下方の搬送機構の搬送工程長さと上方の搬送機構の搬送工程長さとの間に、定尺単板の長さに相当する搬送工程長さの差を設ける二枚重ね手段、或は例えば下方の搬送機構の搬送速度と上方の搬送機構の搬送速度との間に、定尺単板の一枚分を余分に搬送するに足る搬送速度の差を設ける(定尺単板の搬送姿勢を僅かに転回させる為の、搬送速度の微増又は微減は、別途に加算的又は減算的に行う)二枚重ね手段、更には例えば下方の搬送機構の搬送作動を、上方の搬送機構が定尺単板の一枚分を余分に搬送するに足る時間だけ、途中で暫時休止させてから、搬送作動を再開させる二枚重ね手段等の、従来公知の二枚重ね手段を併用することによって、下方の搬送機構によって搬送される定尺単板の上に、上方の搬送機構によって搬送される定尺単板を重ね合わせ、二枚づつ堆積装置へ搬入して堆積することも可能であり、堆積装置に於ける堆積処理の時間的な余裕が一層増大する。
因に、前記複合搬送経路を有する搬送方式の場合に於ても、堆積装置の搬送機構が、前記各実施例に於ける搬送装置の後段の搬送機構と同種の構造である場合については、堆積装置の搬送機構を、搬送装置に於ける中段の搬送機構の後位にまで延在させて、後段の搬送機構の機能を兼用させることにより、後段の搬送機構の配設を省略することができ、本発明に係る堆積方法の実施に支障はない。
以上明らかな如く、本発明に係る堆積方法によれば、定尺単板の堆積山に於ける各定尺単板毎の区分を明確化させる目的を支障なく達成し得るのは勿論のこと、能率性に優れる堆積処理が可能であり、従来技術の弱点を解消することが可能となるので、斯界に於ける本発明の実施効果は多大である。
本発明に係る堆積方法の実施に用いる搬送装置の平面説明図である。 図1に例示した搬送装置の作動態様を説明する平面説明図である。 図1に例示した搬送装置の別の作動態様を説明する平面説明図である。 図1に例示した搬送装置の更に別の作動態様を説明する平面説明図である。 搬送装置の変更例を示す平面説明図である。 搬送装置の別の変更例を示す平面説明図である。 図6に例示した搬送装置の側面説明図である。 搬送装置の更に別の変更例を示す平面説明図である。 図8に例示した搬送装置の側面説明図である。
符号の説明
1A、2A、1B、2B :本発明に係る堆積方法の実施に用いる搬送装置
A1 :搬送装置1A、2Aを構成する前段の搬送機構
A2 :搬送装置1Aを構成する後段の搬送機構
A3 :搬送装置2Aを構成する後段の搬送機構
B1 :搬送装置1B、2Bを構成する前段の搬送機構
B2 :搬送装置1Bを構成する中段の搬送機構
B3 :搬送装置1B、2Bを構成する中段の搬送機構
B4 :搬送装置1B、2Bを構成する後段の搬送機構
B5 :搬送装置2Bを構成する中段の搬送機構
C ;搬送装置1B、2Bを構成する振分け機構
1、2、3、4、5、6 :定尺単板
a1、a5、a8、b1、b5 :回転軸
a2、a6、a9、b2、b6 :回転車
a3、a7、a10、b3、b7 :搬送ベルト
a4、b4、b8、b9、b10、b11:固定速駆動源
a11、a13 :可変速駆動源
a12 :連結部材

Claims (5)

  1. 定尺ベニヤ単板の多数枚を、順々に堆積場所の上方まで搬送してから落下させて、堆積場所へ堆積するに際し、落下させる前の搬送過程に於て、奇数枚目又は偶数枚目の少なくともいずれか一方の定尺ベニヤ単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に、各定尺ベニヤ単板の搬送及び落下に支障が生じず、且つ、搬送する定尺ベニヤ単板が僅かに時計回り方向又は反時計回り方向へ転回し得る程度の微細な差異を設けることによって、搬送過程に於ける各定尺ベニヤ単板の搬送姿勢を、一枚毎に微少だけ異ならせて搬送し、落下させることを特徴とする定尺ベニヤ単板の堆積方法。
  2. 奇数枚目又は偶数枚目のいずれか一方の定尺ベニヤ単板を搬送する際の、搬送方向の右側及び左側に於ける搬送速度を、同一速度に揃えると共に、残る他方の定尺ベニヤ単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に差異を設けて成る請求項1記載の定尺ベニヤ単板の堆積方法。
  3. 奇数枚目又は偶数枚目のいずれか一方の定尺ベニヤ単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に差異を設けると共に、残る他方の定尺ベニヤ単板を搬送する際の、搬送方向の右側と左側との搬送速度に、前記いずれか一方の定尺ベニヤ単板に対する搬送速度の差異とは対称的な差異を設けて成る請求項1記載の定尺ベニヤ単板の堆積方法。
  4. 定尺ベニヤ単板の搬送経路を、単一の搬送経路とすると共に、該単一の搬送経路を、複数の区域に分割し、分割した一部の区域に於て、少なくとも奇数枚目又は偶数枚目のいずれか一方の定尺ベニヤ単板を搬送する毎に、都度、搬送方向の右側と左側との搬送速度に差異を設けて、定尺ベニヤ単板を順々に搬送して成る請求項1又は請求項2又は請求項3記載の定尺ベニヤ単板の堆積方法。
  5. 定尺ベニヤ単板の搬送経路を、搬送経路の途中に於て、一旦二経路に分岐させてから、該分岐させた二経路を、後で再び一経路に合流させる複合搬送経路とすると共に、分岐させた少なくともいずれか一方の分岐経路に於ける搬送方向の右側と左側との搬送速度に差異を設け、分岐させた二経路へ、定尺ベニヤ単板を交互に搬入して搬送して成る請求項1又は請求項2又は請求項3記載の定尺ベニヤ単板の堆積方法。
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