JP4989030B2 - 内装材のレーザ加工方法 - Google Patents

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本発明は、収縮、収納されたエアバッグを覆うための内装材に対して、エアバッグが膨張する際に破断する脆弱部をレーザにより形成する内装材のレーザ加工方法に関する。
近年、自動車の車両等において、エアバッグシステムが普及するに至り、このエアバッグシステムには、衝撃吸収装置用空気袋として機能するエアバッグが設けられている。前記エアバッグは、折り畳まれて収納容器内に収納され、センサによって車両の衝突が検出されたとき、ガス発生器から供給されるガスによって瞬時に膨張することにより、運転者あるいは乗客の衝撃を吸収するクッションとして機能するものである。
また、前記エアバッグは、例えば、ステアリングホイールカバーまたはインストルメントパネル等の樹脂製の内装材で覆われており、該エアバッグが膨張することによりエアバッグ展開用のドアパネルが強制的に開かれて収納容器の外部に露呈する。
この場合、前記ドアパネルの開放を確実にするために、内装カバーのドアパネルには、例えば、溝、孔部等からなる所定の加工パターンによって脆弱部が形成されている。
この脆弱部を形成する方法としては、加熱刃やレーザを用いる加工方法が知られている。レーザを用いる加工方法では、所定位置に配置された距離センサによって内装材の表面位置を測定し、この測定結果に基づいてレーザの出力を制御しながら所望の深さの溝を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−300748号公報
しかしながら、上記のようにレーザの出力を制御するためには、制御装置の構成が複雑となり製造コストが高騰する。また、レーザの出力を制御するためにはレーザ発振器内の発振部を直接的に操作する必要があり、装置が複雑化するとともに制御手順が煩雑となる。さらに、薄いインストルメントパネルに設けられる脆弱部の溝は極微小な溝にする必要があるが、このような微小溝が適切な形状となるようにレーザの出力を微妙に変化させることは、実際には困難である。
また、脆弱部を連続した微小孔の列として構成する場合には、表面側にできる微小孔の径を視認不能な程度の微小且つ均一にすることが外観品質上好ましい。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、簡便な装置及び手順で内装材に対して適切且つ均一な形状の脆弱部を形成するとともに高い外観品質の維持が可能な内装材のレーザ加工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る内装材のレーザ加工方法は、収納されたエアバッグを覆うための内装材に対して、前記エアバッグが膨張する際に破断する脆弱部を形成する内装材のレーザ加工方法であって、前記内装材が車両に搭載されたときに表面となる第1面の位置を計測する第1工程と、前記第1工程で計測された結果に基づいて、前記第1面を基準とした所定深さの位置に対して前記レーザの焦点位置が一致するように調整する第2工程と、前記内装材が車両に搭載されたときに裏面となる第2面に対して前記レーザを照射して前記脆弱部の少なくとも一部を形成する第3工程と、を有することを特徴とする。
このように、焦点位置を調整することにより、レーザのエネルギー源や発振部等を調整する必要がなく、簡便な装置及び手順で内装材に対して適切且つ均一な形状の脆弱部を形成することができる。また、脆弱部は第1面を基準とした均一な形状となり、通常走行時には破壊することなく、且つエアバックの膨張時には確実に破断する適度な脆弱性を持たせることができる。
また、微小孔を内装材に対して連通させる場合において、加工中におけるレーザの焦点が第1面から一定の深さとなるよう位置決めを行うことにより、微小孔の第1面側における開口を微小径で且つ均一に形成することができ、高い外観品質が維持される。
さらに、実際のインストルメントパネルには、板厚のわずかなばらつきがあるが、第1面側から表面距離を計測することにより、板厚のばらつきに影響されずに、焦点を第1面を基準とした所定深さに設定することができる。
前記第2工程では、前記内装材又は前記レーザを照射するレーザ発振器の位置を移動させることにより、内装材とレーザ発振器との相対距離を変化させて前記レーザの焦点を調整することができる。
前記第2工程では、前記レーザを照射するレーザ発振器の光学手段を動かすことにより、前記レーザの焦点を調整するようにしてもよい。
本発明に係る内装材のレーザ加工方法によれば、焦点位置を調整することにより、レーザのエネルギー源や発振部等を調整する必要がなく、簡便な装置及び手順で内装材に対して適切且つ均一な形状の脆弱部を形成することができる。また、脆弱部は第1面を基準とした均一な形状となり、通常走行時には破壊することなく、且つエアバックの膨張時には破断する適度な脆弱性を持たせることができる。
さらに、第1面は車両の搭乗者から視認される面であり、このような第1面を基準とすることにより外観品質を保つことができる。つまり、微小孔を内装材に対して連通させる場合においては、加工中におけるレーザの焦点が第1面から一定の深さとなるよう位置決めを行うことにより、微小孔の第1面側における開口を微小径で且つ均一に形成することができ、高い外観品質が維持される。
以下、本発明に係る内装材のレーザ加工方法について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図9Bを参照しながら説明する。本実施の形態に係る内装材のレーザ加工方法は、車両のダッシュボード部、ステアリングハンドル中央部又はドア等に収納されたエアバッグを覆う薄い樹脂板であるインストルメントパネル(内装材)12に対して、エアバッグが膨張する際に破断する脆弱部200(図5参照)をレーザにより形成するレーザ加工方法であって、図1に示すレーザ加工システム10が用いられる。
図1に示すように、レーザ加工システム10は四方を壁で覆われた加工ブース14に設けられており、エンドエフェクタ16aによりインストルメントパネル12を保持して加工位置Pに配置させる多関節型のロボット16と、加工ブース14に対してインストルメントパネル12を供給及び搬出するための搬入ライン18a及び搬出ライン18bと、加工位置Pに配置されたインストルメントパネル12に対してレーザを照射するレーザ発振器20と、加工位置Pを基準としてレーザ発振器20の側と反対側に配置されてインストルメントパネル12の表面(第1面)12aの位置を検出する非接触距離センサ22と、多関節のロボット16の制御を行うロボット制御装置24と、レーザ発振器20の制御を行うレーザ制御装置26とを有する。搬入ライン18aにはインストルメントパネル12を正確に保持する治具が設けられており、ロボット16は搬入されたインストルメントパネル12の規定された箇所を正確に保持することができる。
インストルメントパネル12は、例えば、車両のダッシュボードに用いられる薄い樹脂成型品であり、表面12aは車両搭載時に搭乗者から視認される面であり、その反対面である裏面(第2面)12bは、収納されたエアバックに対面する面である。ロボット16は、プログラム動作が可能な6軸の産業用ロボットであり、保持したインストルメントパネル12を加工位置Pへ移動させる際、表面12aが非接触距離センサ22の側で、裏面12bがレーザ発振器20の側となるように配置させる。
レーザ発振器20は角柱形状の本体部20a及び先端に設けられた細い筒状の照射ヘッド20bを有し、支持台20c上に水平設置されている。本体部20aで発生したレーザは照射ヘッド20bに進行し、照射ヘッド20b先端部に設けられたレンズ(光学手段)20dにより集光され、焦点距離Fの焦点fで収束する(図2参照)。レーザ発振器20は、複数のレンズ及びミラー(光学手段)によりレーザを屈折及び反射した後に照射する構成であってもよい。
レーザ発振器20としては、例えば、CO2、エキシマ、半導体、アルゴンガス、ダイオード等のレーザ発振器等を用いるとよい。
図2に示すように、レーザ発振器20から照射されたレーザは、光軸Cに沿って進行し、焦点fの位置に収束する。基本的に焦点fは、インストルメントパネル12の厚みtの幅内であって、表面12aからの深さt1の位置に設定される。インストルメントパネル12は裏面12bが光軸Cに対して略直角となるように設定される。
非接触距離センサ22はレーザ式(例えば、半導体式)のセンサであって、インストルメントパネル12の表面12aにおける光軸C上の近傍点までの表面距離L2を計測し、レーザ制御装置26に供給する。非接触距離センサ22による表面12aの計測位置は誤差εを特定できる範囲であれば必ずしも光軸C上の点である必要はなく、また、計測方向(つまり表面距離L2が示す方向)は、光軸C上と非平行であってもよい。
レーザ制御装置26では、この表面距離L2に基づいてインストルメントパネル12の表面12aの位置をリアルタイムで認識することができる。なお、非接触距離センサ22が表面12aに照射するレーザはあくまで計測用の微弱エネルギーのレーザであって、レーザ発振器20が照射するレーザとは異なり、インストルメントパネル12を加工又は変形させることがないことはもちろんである。
図3に示すように、レーザ制御装置26は、非接触距離センサ22の計測結果を読み込むセンサ入力部50と、インストルメントパネル12が配置されるべき基準距離L0(図2参照)を示す焦点位置基準データ52及びセンサ入力部50を介して得られる非接触距離センサ22の計測結果に基づいて焦点位置の誤差εを算出する焦点誤差算出部54とを有し、算出された誤差εはロボット制御装置24に供給する。
レーザ制御装置26は、さらにロボット制御装置24から得られる指示情報に基づいてレーザの照射開始及び停止の判断を行いレーザ発振器20の照射を開始、停止させるレーザ照射判断部56とを有する。レーザ照射判断部56では、レーザの照射時間及びその間隔についても判断を行い、例えば、パルス状にレーザを照射するようにレーザ照射部に指示を与える。
図4に示すように、ロボット制御装置24は、搬入ライン18a及び搬出ライン18bと情報交換を行いながらインストルメントパネル12の搬入及び搬出動作の判断を行う搬入・搬出動作判断部100と、脆弱部200における加工区間毎の経路形状等の情報である加工区間データ102から加工を行うべき区間を順に選択する加工区間選択部104と、各加工区間データ102の経路の最初の点である加工開始点B(図5参照)を特定する基準点特定部106と、経路の最後の点である加工終了点E(図5参照)を特定する動作終了点特定部108とを有する。
ロボット制御装置24は、さらに加工区間選択部104で選択された加工区間について加工開始点B及び加工終了点Eを動作の開始及び終了点としてロボット16を動作させる加工区間動作判断部110と、所定の加工区間の加工が終了した後に次の加工区間に対応した加工開始点Bに焦点fが一致するようにロボット16を移動させる加工区間遷移動作判断部112と、各動作判断部100、110及び112の判断結果に基づいてロボット16を駆動するロボット駆動部114とを有する。
また、ロボット制御装置24は、加工区間動作判断部110と協動しながらロボット16の現在位置に基づいてレーザの照射開始及び停止の判断を行いレーザ制御装置26に指示を与えるレーザ照射開始終了指示部116と、現在のロボット16の姿勢を認識するとともにレーザ制御装置26から得られる誤差εに基づいて、ロボット16の姿勢を補正するロボット位置補正部118とを有する。
該ロボット位置補正部118により求められた補正姿勢は加工区間動作判断部110を介してロボット駆動部114に供給され、ロボット16は補正された姿勢をとる。
レーザ制御装置26及びロボット制御装置24は、それぞれ主たる制御部としてのCPU(Central Processing Unit)と、記憶部としてのRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)及びドライバ等を有しており、上記の各機能部は、CPUがプログラムを読み込み、記憶部等と協動しながらソフトウェア処理を実行することにより実現される。また、レーザ制御装置26とロボット制御装置24との機能分担は上記の説明と異なっていてもよく、さらに、レーザ制御装置26とロボット制御装置24は一体型であってもよい。
次に、レーザ加工システム10によってインストルメントパネル12に形成される脆弱部200について説明する。
図5に示すように、脆弱部200は、いわゆるミシン目状に整列された複数の微小孔202からなり、レーザ加工システム10ではこれらの微小孔202をレーザによる孔あけ加工を行って脆弱部200を形成する。脆弱部200は、横長平行に延在する上部線204、中央線206及び下部線208と、左右両端で縦方向に延在する右線210及び左線212とを有する。右線210及び左線212の上下端部は、滑らかな円弧形状となって上部線204及び下部線208と接続されている。
レーザ加工システム10においては上部線204、中央線206、下部線208、右線210及び左線212をそれぞれ個別の加工区間として設定しており、その加工区間データ102は前記のロボット制御装置24に格納されている。このうち、例えば上部線204については、図5における左側の加工開始点Bから加工が開始され、右側の加工終了点Eで終了する。
また、脆弱部200は、加工区間によって微小孔202のピッチやレーザの照射時間が異なる。具体的には、中央線206においては短いピッチP2の間隔で微小孔202が設けられていて脆弱性が最も高く(つまり強度が低く)、エアバックが膨張する際に最初に割目が生ずる。
すなわち、車両におけるエアバックは、インストルメントパネル12の裏面12bにおいて脆弱部200の近傍に収納されており、膨張する際にインストルメントパネル12の裏面12bを押圧し、先ず脆弱部200の中央部に当接して中央線206を破断させる。その後エアバックの膨張に伴って微小孔202同士がつながるように割目を拡げさせて右線210及び左線212との接点まで達する。
右線210及び左線212においては、ピッチP2よりも長いピッチP1の間隔で微小孔202が設けられるとともに、各微小孔202の中間部にショートピッチ穴(図示せず)がそれぞれ設けられている。このショートピッチ穴は、レーザ照射時間を短く設定することにより得られる非連通の穴である。右線210及び左線212はショートピッチ穴が設けられていることから、脆弱性が比較的高く、中央線206で発生した割れを上下方向へ継続して進行させることができる。
上部線204及び下部線208においては、右線210及び左線212と同様のピッチP1の間隔で微小孔202が設けられており、且つショートピッチ穴が設けられてなく、比較的小さい適度な脆弱性を有する。したがって、右線210及び左線212に沿って進行する割れは、上部線204及び下部線208との接点でその進行が停止するが、適度な脆弱性により折れ曲がる。このようにして、上部線204及び中央線206に挟まれた上部領域214が上方に開くとともに、下部線208及び中央線206に挟まれた下部領域216が下方に開き、エアバックは車室内に膨らんで搭乗者に対するクッションとして機能する。このとき、上部線204及び下部線208は折れ曲がるだけで破断することがないため、上部領域214及び下部領域216はインストルメントパネル12から離間及び飛散することがない。
また、図5では模式的に微小孔202を比較的大径に示しているが、実際には視認不能な程度の微小径(例えば、100μm以下)に形成されている。図5における破線は脆弱部200を容易に把握できるように付加した仮想線である。
次に、レーザ加工システム10を用いて、インストルメントパネル12に脆弱部200を形成するためのレーザ加工方法について図6を参照しながら説明する。以下の説明では、断りのない限り表記したステップ番号順に処理が実行されるものとする。また、レーザ加工システム10においては、焦点fが固定であって、インストルメントパネル12がロボット16の作用下に移動するが、以下の説明では、図面と対比して理解が容易なように、インストルメントパネル12に対して焦点fが移動するよう表記する。実際には、焦点fとインストルメントパネル12は相対移動するように構成されていればよいことはもちろんである。
先ず、ステップS1において、ロボット16は搬入・搬出動作判断部100の作用下に、搬入ライン18aによって搬送されたインストルメントパネル12をエンドエフェクタ16aにより保持して、加工位置Pまで移動させる。このとき、インストルメントパネル12の向きは裏面12bがレーザ発振器20に対向するように移動させる。
ステップS2において、加工区間選択部104により、その時点で脆弱部200に未加工の区間があるか否かを確認する。未加工の区間がある場合には、次に加工すべき区間を特定してステップS3へ移り、脆弱部200の全ての加工が終了していると認められるときには、ステップS8へ移る。
ステップS3において、基準点特定部106及び動作終了点特定部108により、次に加工すべき区間についての加工開始点B及び加工終了点Eを求める。
ステップS4において、加工区間遷移動作判断部112により、ロボット16の動作を規定し、焦点fが加工開始点Bに一致するようにインストルメントパネル12を移動させる。
ステップS5において、加工区間動作判断部110からレーザ照射開始終了指示部116を介してレーザ制御装置26に指示を与え、レーザ発振器20によるインストルメントパネル12へのレーザ照射を開始する。前記のとおり、インストルメントパネル12に対するレーザはパルス状に照射される。
ステップS6において、加工区間動作判断部110は、ロボット16の動作を規定してインストルメントパネル12を所定の移動速度Vで移動させることにより、相対的に、加工区間に沿って焦点fを加工開始点Bから加工終了点Eへ移動させる。
ステップS7において、焦点fが加工終了点Eへ達した時点で、加工区間動作判断部110からレーザ照射開始終了指示部116を介してレーザ制御装置26に指示を与え、レーザ発振器20によるインストルメントパネル12へのレーザ照射を停止する。この後、ステップS2へ戻り、未加工の加工区間が残っている場合には、加工を継続する。
一方、ステップS8(脆弱部200の全ての加工が終了している場合)においては、搬入・搬出動作判断部100の作用下に、ロボット16を動作させて加工の終了したインストルメントパネル12を搬出ライン18b上に配置し、該インストルメントパネル12を次工程へ搬出する。
この後、ステップS9において、未加工のインストルメントパネル12が搬入ライン18aから搬入されるまで待機し、搬入が確認されたときにステップS1へ戻る。
次に、前記ステップS6におけるインストルメントパネル12の加工手順について図7を参照しながら説明する。図7に示す処理は、ロボット制御装置24及びレーザ制御装置26によって微小時間毎に連続的に行われる。
図7のステップS101において、レーザ制御装置26は、センサ入力部50の作用下に非接触距離センサ22から計測された表面距離L2を入力するとともに、該表面距離L2、非接触距離センサ22の位置データ及び光軸Cに対する傾斜角等のデータに基づいて、レーザ発振器20からインストルメントパネル12の表面12aまでの計測算出距離L1を求める。
ステップS102において、焦点誤差算出部54により、計測算出距離L1から基準距離L0を減算することにより誤差εを求め、該誤差εをロボット制御装置24へ供給する。
ステップS103において、ロボット制御装置24は、誤差εに基づいてロボット位置補正部118の作用下に移動すべきエンドエフェクタ16aの姿勢を求める。つまり、図2に示すように、インストルメントパネル12が光軸Cの方向に誤差εだけ移動するように、エンドエフェクタ16aの移動位置を求める。この移動位置は、エンドエフェクタ16aの位置及び姿勢を基準としたツール座標であるTCP(Tool Center Point、図8参照)で表さる。誤差εだけ光軸C方向にインストルメントパネル12を移動する際、この移動が、ツール座標の直交するX、Y、Z座標のうち表面12aに対する法線方向のX座標及び平行方向のY座標によって形成される平面内の平行移動である場合に、該移動はX座標に関する移動量ΔX及びY座標に関する移動量ΔYとして表され、移動元をTCP0としたとき、移動先のTCP1は、TCP0に対して移動量ΔX及びΔYを加算することによって求められる。移動量ΔX及びΔYは、X座標と光軸Cとのなす角度等に基づいて求められる。
説明の便宜上、図2においてはインストルメントパネル12における加工点が移動しない静的な状態における移動量ΔX、ΔYを示しているが、実際には、インストルメントパネル12に対する焦点fが相対的に移動する移動速度Vを考慮して、移動先のTCP1は誤差ε及び移動速度Vをベクトル的に加算した位置として求めるとよい。また、移動先のTCP1は移動元のTCP0に対してZ座標方向にも変化し、また平行移動に限らず回転移動をともなう場合もあるが、これらの場合にもZ座標方向の移動量ΔZや回転による姿勢変化量を考慮することにより移動先のTCP1を求めることができる。
また、移動先のTCP1を求める方法は、これに限らず、ロボット16の軸構成等に基づいて種々の方法を採りうることはもちろんである。
ステップS104において、ロボット位置補正部118は、移動先のTCP1に基づいて、公知の逆変換行列演算又は所定の収束演算を行い、ロボット16の各軸角度を求める。
ステップS105において、加工区間動作判断部110は、ロボット位置補正部118から供給される補正された姿勢データに基づいて、移動速度Vを考慮しながらロボット16を駆動する。
ステップS106において、焦点fが加工終了点Eに達したか否かを確認する。焦点fが加工終了点Eに達したときは、図6に示す処理を終了し、未達である場合にはステップS101へ戻り処理を続行する。
このように、本実施の形態に係るレーザ加工方法によれば、非接触距離センサ22により計測された表面距離L2に基づいてロボット16を用いてインストルメントパネル12を移動させ、該インストルメントパネル12とレーザ発振器20との相対距離を変化させる。これにより、表面12aを基準とした深さt1の位置に対してレーザの焦点fの位置が一致するように調整される。したがって、レーザ発振器20内の本体部20a内におけるエネルギー源や発振部等を調整する必要がなく、簡便な装置及び手順で内装材に対して適切な形状の脆弱部を形成することができるとともに、レーザ発振器20として汎用品を採用することができる。
また、脆弱部200を構成する微小孔202は表面12aを基準とした均一な形状となり、通常走行時には破壊することなく、且つエアバックの膨張時には確実に破断する適度な脆弱性を持たせることができる。さらに、表面12aは車両の搭乗者から視認される面であり、このような表面12aを基準とすることにより高い外観品質が維持される。
つまり、図9Aに示すようにインストルメントパネル12の厚さtが比較的薄い場合、及び図9Bに示すように厚さtが比較的厚い場合のいずれの場合においても、焦点fは深さt1の位置に設定されることから、少なくとも表面12aから焦点fまでの間における微小孔202の形状は略同一に形成され、表面12aにおける開口部径aは略等しくなる。また、非連通のショートピッチ穴を形成する際においても、厚さtの大小に関わらず、表面12aの近傍部を均一な形状に形成することができる。
本実施の形態においては、ロボット16は焦点fを加工区間に沿って平面的に相対移動させる平面方向移動手段と、表面12aを基準とした深さt1の位置に焦点fを合わせる光軸方向移動手段として兼用的に作用し、レーザ発振器20は固定しておけばよい。
また、ロボット16を平面方向移動手段として作用させるとともに、光軸方向移動手段として、レーザ発振器20を移動させてもよい。この場合、レーザ発振器20を光軸Cに沿って直線的に誤差εだけ移動させればよく、演算手順及び制御手順が簡便である。さらに、光軸方向移動手段として、レーザ発振器20のレンズ20dを所定のアクチュエータを用いて光軸Cに沿って動かすようにしてもよい。
上記の説明では、誤差εをステップS6においてリアルタイムに補正すると説明したが、必ずしもリアルタイム的な処理に限らず、脆弱部200に対する各加工区間の加工開始時(ステップS5)にのみ誤差εを求め、ステップS6における加工中には、誤差εに基づいて得られた固定的なオフセット値を用いてインストルメントパネル12の位置を補正するようにしてもよい。また、誤差εを求めるタイミングは、例えば、レーザ加工システム10の毎始動時や、インストルメントパネル12のロット毎に求めるようにしてもよい。
本発明に係る内装材のレーザ加工方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成乃至工程を採り得ることはもちろんである。
レーザ加工システムの斜視図である。 非接触距離センサ、レーザ発振器及び加工位置に配置されたインストルメントパネルを示す模式平面図である。 レーザ制御装置のブロック構成図である。 ロボット制御装置のブロック構成図である。 脆弱部の模式図である。 レーザ加工方法の手順を示すフローチャートである。 焦点を基準点から動作終了位置へ移動させる際のロボットの姿勢を求める手順を示すフローチャートである。 エンドエフェクタにより保持されたインストルメントパネルを示す模式斜視図である。 図9Aは、比較的薄いインストルメントパネルに形成された微小孔を示す断面図であり、図9Bは、比較的厚いインストルメントパネルに形成された微小孔を示す断面図である。
符号の説明
10…レーザ加工システム 12…インストルメントパネル
12a…表面 12b…裏面
16…ロボット 16a…エンドエフェクタ
20…レーザ発振器 22…非接触距離センサ
24…ロボット制御装置 26…レーザ制御装置
106…基準点特定部 108…動作終了点特定部
110…加工区間動作判断部 116…レーザ照射開始終了指示部
118…ロボット位置補正部 200…脆弱部
202…微小孔 B…加工開始点
C…光軸 E…加工終了点
F…焦点距離 f…焦点
L0…基準距離 L1…計測算出距離
L2…表面距離 V…移動速度
a…開口部径

Claims (3)

  1. 収納されたエアバッグを覆うための内装材に対して、前記エアバッグが膨張する際に破断する脆弱部を形成する内装材のレーザ加工方法であって、
    前記内装材が車両に搭載されたときに表面となる第1面の位置を計測する第1工程と、
    前記第1工程で計測された結果に基づいて、前記第1面を基準とした所定深さの位置に対して前記レーザの焦点位置が一致するように調整する第2工程と、
    前記内装材が車両に搭載されたときに裏面となる第2面に対して前記レーザを照射して前記脆弱部の少なくとも一部を形成する第3工程と、
    を有し、
    前記第2工程は、前記第1工程で計測された結果に基づいて、前記レーザを照射するレーザ発振器から前記第1面までの距離を算出する第1算出工程と、
    前記第1算出工程により算出された距離に基づいて、前記レーザ発振器から前記第1面までの基準距離に対する誤差を求める第2算出工程と、を有し、且つ前記誤差に基づいて前記レーザの焦点位置を調整し、
    前記第1工程、前記第2工程、及び前記第3工程を行うことにより、前記脆弱部における少なくとも前記第1面から前記レーザの焦点までの部分を均一な形状に形成することを特徴とする内装材のレーザ加工方法。
  2. 請求項1記載のレーザ加工方法において、
    前記第2工程では、前記内装材又は前記レーザを照射するレーザ発振器の位置を移動させることにより内装材とレーザ発振器との相対距離を変化させて、前記レーザの焦点を調整することを特徴とする内装材のレーザ加工方法。
  3. 請求項1記載のレーザ加工方法において、
    前記第2工程では、前記第2算出工程で求められた前記誤差に基づいて記レーザ発振器の集光レンズ前記レーザの光軸に沿って動かすことにより、前記レーザの焦点を調整することを特徴とする内装材のレーザ加工方法。
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