JP4989029B2 - 内装材のレーザビーム加工方法 - Google Patents

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本発明は、収縮しているエアバッグを覆うための内装材に対して、エアバッグが膨張する際に破断する脆弱部をレーザビームにより形成する内装材のレーザビーム加工方法に関し、特に、内装材とレーザ発振器とを相対的に移動させながら加工を行う内装材のレーザビーム加工方法に関する。
近年、自動車の車両等において、エアバッグシステムが普及するに至り、このエアバッグシステムには、衝撃吸収装置用空気袋として機能するエアバッグが設けられている。前記エアバッグは、折り畳まれて収納容器内に収納され、センサによって車両の衝突が検出されたとき、ガス発生器から供給されるガスによって瞬時に膨張することにより、運転者あるいは乗客の衝撃を吸収するクッションとして機能するものである。
また、前記エアバッグは、例えば、ステアリングホイールカバー又はインストルメントパネル等の樹脂製の内装材で覆われており、該エアバッグが膨張することによりエアバッグ展開用のドアパネルが強制的に開かれて収納容器の外部に露呈する。
この場合、前記ドアパネルの開放を確実にするために、内装カバーのドアパネルには、例えば、溝、孔部等からなる所定の加工パターンによって脆弱部が形成されている。
この脆弱部を形成する方法としては、加熱刃やレーザを用いる加工方法が知られている。レーザを用いる加工方法では、所定位置に配置された距離センサによって内装材の表面位置を測定し、この測定結果に基づいてレーザの出力を制御しながら所望の深さの溝を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、移動手段としては多軸のロボットが挙げられる。
特開平8−282420号公報
内装材に対して、レーザビームを照射して脆弱部を形成する際には、例えばロボットにより内装材を保持及び移動させ、レーザが照射される位置に対して所定の経路に沿って一定の速度で移動させるとよい。この場合、レーザビームを適当な出力で連続的に照射することにより、所定深さの溝形状の脆弱部が形成され、また、パルス的に照射することにより、適当な間隔の微小孔からなるミシン目形状の脆弱部が形成される。
ところで、ロボット等の移動手段は、停止状態から動作を開始した直後には、移動速度又は移動方向が多少不安定である場合があり、このような動作開始直後にレーザビームを照射すると、形成される脆弱部の溝深さや微小孔のピッチが不均一となり、又は脆弱部の延在方向が規定された方向からずれる懸念がある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、移動手段によって内装材とレーザ発振器とを相対的に移動させながらレーザビームを照射して脆弱部を形成する際、均一な形状の脆弱部を得ることを可能にする内装材のレーザビーム加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、収納されたエアバッグを覆うための内装材をレーザ発振器から発するレーザビームにより加工し、前記エアバッグが膨張する際に破断する線状の脆弱部を形成する内装材のレーザビーム加工方法であって、前記内装材と前記レーザ発振器とを相対的に移動させるプログラム動作可能な移動手段を用い、前記脆弱部の少なくとも一部を形成する最初の加工開始点に対して、加工を行う方向と反対方向に離間した動作準備点に前記レーザビームの焦点を配置させる工程と、前記焦点を前記加工開始点に接近させながら移動速度を安定化させる工程と、前記焦点が前記加工開始点に到達した後、前記レーザ発振器から前記レーザビームを発して前記脆弱部の加工を開始する工程と、を有することを特徴とする。
このように、レーザを照射するのに先立って、加工開始点に対して、加工を行う方向と反対方向に離間した動作準備点に焦点を配置させておき、その後、焦点を加工開始点に接近させながら移動速度を安定化させることにより、移動手段の加速に必要な助走域が確保されることになる。したがって、加工開始点が焦点に達したときには、移動手段の動作速度及び相対移動速度が安定し、レーザ発振器から前記レーザビームを発することにより、均一な形状の脆弱部が得られる。
本発明に係る内装材のレーザビーム加工方法によれば、移動手段によって内装材とレーザ発振器とを相対的に移動させながらレーザビームを照射して脆弱部を形成する際、焦点を加工開始点に接近するように移動手段を動作させることにより、移動手段の動作速度及び相対移動速度が安定する。したがって、その後にレーザビームの照射を開始することにより均一な形状の脆弱部が得られる。
以下、本発明に係る内装材のレーザ加工方法について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図8を参照しながら説明する。本実施の形態に係る内装材のレーザ加工方法は、車両のダッシュボード部、ステアリングハンドル中央部又はドア等に収納されたエアバッグを覆う薄い樹脂板であるインストルメントパネル(内装材)12に対して、エアバッグが膨張する際に破断する脆弱部200(図5参照)をレーザにより形成するレーザ加工方法であって、図1に示すレーザ加工システム10が用いられる。
図1に示すように、レーザ加工システム10は四方を壁で覆われた加工ブース14に設けられており、エンドエフェクタ16aによりインストルメントパネル12を保持して加工位置Pに配置させる多関節型のロボット16と、加工ブース14に対してインストルメントパネル12を供給及び搬出するための搬入ライン18a及び搬出ライン18bと、加工位置Pに配置されたインストルメントパネル12に対してレーザを照射するレーザ発振器20と、加工位置Pを基準としてレーザ発振器20の側と反対側に配置されてインストルメントパネル12の表面12aの位置を検出する非接触距離センサ22と、多関節のロボット16の制御を行うロボット制御装置24と、レーザ発振器20の制御を行うレーザ制御装置26とを有する。搬入ライン18aにはインストルメントパネル12を正確に保持する治具が設けられており、ロボット16は搬入されたインストルメントパネル12の規定された箇所を正確に保持することができる。
インストルメントパネル12は、例えば、車両のダッシュボードに用いられる薄い樹脂成型品であり、表面12aは車両搭載時に搭乗者から視認される面であり、その反対面である裏面12bは、収納されたエアバックに対面する面である。ロボット16は、プログラム動作が可能な6軸の産業用ロボットであり、保持したインストルメントパネル12を加工位置Pへ移動させる際、表面12aが非接触距離センサ22の側で、裏面12bがレーザ発振器20の側となるように配置させる。
レーザ発振器20は角柱形状の本体部20a及び先端に設けられた細い筒状の照射ヘッド20bを有し、支持台20c上に水平設置されている。本体部20aで発生したレーザは照射ヘッド20bに進行し、照射ヘッド20b先端部に設けられたレンズ20dにより集光され、焦点距離Fの焦点fで収束する(図2参照)。レーザ発振器20は、複数のレンズ及びミラーによりレーザを屈折及び反射した後に照射する構成であってもよい。
レーザ発振器20としては、例えば、CO2、エキシマ、半導体、アルゴンガス、ダイオード等のレーザ発振器等を用いるとよい。
図2に示すように、レーザ発振器20から照射されたレーザは、光軸Cに沿って進行し、焦点fの位置に収束する。基本的に焦点fは、インストルメントパネル12の厚みtの幅内であって、表面12aからの深さt1の位置に設定される。インストルメントパネル12は裏面12bが光軸Cに対して略直角となるように設定される。
非接触距離センサ22はレーザ式(例えば、半導体式)のセンサであって、インストルメントパネル12の表面12aにおける光軸C上の近傍点までの表面距離Lを計測し、レーザ制御装置26に供給する。
レーザ制御装置26では、この表面距離Lに基づいてインストルメントパネル12の表面12aの位置をリアルタイムで認識することができる。なお、非接触距離センサ22が表面12aに照射するレーザはあくまで計測用の微弱エネルギーのレーザであって、レーザ発振器20が照射するレーザとは異なり、インストルメントパネル12を加工又は変形させることがないことはもちろんである。
図3に示すように、レーザ制御装置26は、非接触距離センサ22の計測結果を読み込むセンサ入力部50と、インストルメントパネル12が配置されるべき基準距離を示す焦点位置基準データ52及びセンサ入力部50を介して得られる非接触距離センサ22の計測結果に基づいて焦点位置の誤差εを算出する焦点誤差算出部54とを有し、算出された誤差εはロボット制御装置24に供給する。
レーザ制御装置26は、さらにロボット制御装置24から得られる指示情報に基づいてレーザの照射開始及び停止の判断を行いレーザ発振器20の照射を開始、停止させるレーザ照射判断部56とを有する。レーザ照射判断部56では、レーザの照射時間及びその間隔についても判断を行い、パルス状にレーザを照射するようにレーザ照射部に指示を与える。
図4に示すように、ロボット制御装置24は、搬入ライン18a及び搬出ライン18bと情報交換を行いながらインストルメントパネル12の搬入及び搬出動作の判断を行う搬入・搬出動作判断部100と、脆弱部200における加工区間毎の経路形状等の情報である加工区間データ102から加工を行うべき区間を順に選択する加工区間選択部104と、各加工区間データ102の経路の最初の点である加工開始点Bn及び動作準備点Qnを特定する基準点特定部106と、経路の最後の点である加工終了点Eを特定する動作終了点特定部108とを有する。なお、加工開始点Bn及び動作準備点Qnの添え字nは、複数の加工区間データ102のうち加工順序を示す識別子であり、n=1,2,3,4,5として識別される。以下、上部線204、下部線208、右線210、左線212及び中央線206の順に加工が行われ、この順に識別子としての添え字nが対応するものとする。
ロボット制御装置24は、さらに加工区間選択部104で選択された加工区間について加工開始点Bn及び加工終了点Enを動作の開始及び終了点としてロボット16を動作させる加工区間動作判断部110と、所定の加工区間の加工が終了した後に次の加工区間に対応した加工開始点Bnに焦点fが一致するようにロボット16を移動させる加工区間遷移動作判断部112と、各動作判断部100、110及び112の判断結果に基づいてロボット16を駆動するロボット駆動部114とを有する。
また、ロボット制御装置24は、加工区間動作判断部110と協働しながらロボット16の現在位置に基づいてレーザの照射開始及び停止の判断を行いレーザ制御装置26に指示を与えるレーザ照射開始終了指示部116と、現在のロボット16の姿勢を認識するとともにレーザ制御装置26から得られる誤差εに基づいて、ロボット16の姿勢を補正するロボット位置補正部118とを有する。
該ロボット位置補正部118により求められた補正姿勢は加工区間動作判断部110を介してロボット駆動部114に供給され、ロボット16は補正された姿勢をとる。
レーザ制御装置26及びロボット制御装置24は、それぞれ主たる制御部としてのCPU(Central Processing Unit)と、記憶部としてのRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)及びドライバ等を有しており、上記の各機能部は、CPUがプログラムを読み込み、記憶部等と協働しながらソフトウェア処理を実行することにより実現される。また、レーザ制御装置26とロボット制御装置24との機能分担は上記の説明と異なっていてもよく、さらに、レーザ制御装置26とロボット制御装置24は一体型であってもよい。
次に、レーザ加工システム10によってインストルメントパネル12に形成される脆弱部200について説明する。
図5に示すように、脆弱部200は、いわゆるミシン目状に整列された複数の微小孔202からなり、レーザ加工システム10ではこれらの微小孔202をレーザによる孔あけ加工を行って脆弱部200を形成する。脆弱部200は、横長平行に延在する上部線204、中央線206及び下部線208と、左右両端で縦方向に延在する右線210及び左線212とを有する。右線210及び左線212の上下端部は、滑らかな円弧形状となって上部線204及び下部線208と接続されている。
レーザ加工システム10においては上部線204、中央線206、下部線208、右線210及び左線212をそれぞれ個別の加工区間として設定しており、その加工区間データ102は前記のロボット制御装置24に格納されている。このうち、例えば上部線204については、図5における左側の加工開始点Bnから加工が開始され、右側の加工終了点Eで終了する。
また、脆弱部200は、加工区間によって微小孔202のピッチやレーザの照射時間が異なる。具体的には、中央線206においては短いピッチP2の間隔で微小孔202が設けられていて脆弱性が最も高く(つまり強度が低く)、エアバックが膨張する際に最初に割目が生ずる。
すなわち、車両におけるエアバックは、インストルメントパネル12の裏面12bにおいて脆弱部200の近傍に収納されており、膨張する際にインストルメントパネル12の裏面12bを押圧し、先ず脆弱部200の中央部に当接して中央線206を破断させる。その後エアバックの膨張に伴って微小孔202同士がつながるように割目を拡げさせて右線210及び左線212との接点まで達する。
右線210及び左線212においては、ピッチP2よりも長いピッチP1の間隔で微小孔202が設けられるとともに、各微小孔202の中間部にショートピッチ穴(図示せず)がそれぞれ設けられている。このショートピッチ穴は、レーザ照射時間を短く設定することにより得られる非連通の穴である。右線210及び左線212はショートピッチ穴が設けられていることから、脆弱性が比較的高く、中央線206で発生した割れを上下方向へ継続して進行させることができる。
上部線204及び下部線208においては、右線210及び左線212と同様のピッチP1の間隔で微小孔202が設けられており、且つショートピッチ穴が設けられてなく、比較的小さい適度な脆弱性を有する。したがって、右線210及び左線212に沿って進行する割れは、上部線204及び下部線208との接点でその進行が停止するが、適度な脆弱性により屈曲する。このようにして、上部線204及び中央線206に挟まれた上部領域214が上方に開くとともに、下部線208及び中央線206に挟まれた下部領域216が下方に開き、エアバックは車室内に膨らんで搭乗者に対するクッションとして機能する。このとき、上部線204及び下部線208は屈曲するだけで破断することがないため、上部領域214及び下部領域216はインストルメントパネル12から離間及び飛散することがない。
また、図5では模式的に微小孔202を比較的大径に示しているが、実際には視認不能な程度の微小径(例えば、100μm以下)に形成されている。図5における破線は脆弱部200を容易に把握できるように付加した仮想線である。
図6に示すように、複数の加工区間のうち直線状の上部線204についての加工開始点B1は、上部線204を形成する直線部の一端(図6においては左端)に設定されており、実際の加工はこの加工開始点B1から開始し加工終了点E1の方向(図6においては右方)に向かって行われる。また、動作準備点Q1は加工開始点B1に対して、加工を行う方向と反対方向(つまり、図6の左方)に所定の助走距離だけ離間した箇所に設けられており、動作準備点Q1と加工開始点B1との間は助走域Tとして規定される。動作準備点Q1は、加工開始点B1を基準として脆弱部200のうち対応する加工区間が延在する方向の延長線上の点として設定され、仮に加工区間における加工開始側端部が曲線状である場合には該端部を基準とした接線上に設ければよい。このように、動作準備点Q1を加工開始点B1を基準として脆弱部200が延在する方向の延長線上の点として設定することにより、ロボット16及び焦点fの動作方向が安定し、適切な形状の脆弱部200が得られる。
助走域Tは、動作開始時にロボット16の動作速度が安定するとともに焦点fの移動速度が規定の移動速度Vまで加速及び安定化するために設けられた区間であり、その長さは、ロボット16の動作特性に対応して規定される。助走域Tは、加工区間の加工開始点Bnにそれぞれ対応して設定される。
図7に示すように、複数の加工区間のうち直線状の上部線204についての加工終了点E1は、直線部における前記の加工開始点B1に対する他端(図7においては右端)に設定されており、実際の加工はこの加工終了点E1で終了する。つまり、加工終了点E1は右線210のうち円弧端部における点と一致している。なお、この加工終了点E1では加工を終了するに際して、レーザの照射を停止させるとともにロボット16の動作を停止させる。ロボット16は上部線204を加工するため一定の移動速度Vで移動していることから、加工終了点E1で停止させる場合にも慣性により多少動作し、減速域D内で停止することになる。
ところで、右線210についての加工開始点B3は、上方円弧端部に設定された加工終了点E1よりもやや左方に配置されており、動作準備点Q3はさらにその左方に配置されている。加工開始点B3と加工終了点E1との間のラップ域Lpについては、上部線204について加工を行う際と、右線210について加工を行う際に重複的に加工が行われる。このラップ域Lpの長さは、少なくともピッチP1以上に設定されて、1ピッチ分以上重複し、上部線204と右線210が確実に接続される。これにより、エアバックが膨張して右線210が破断する際、その破断の力が確実に上部線204に伝えられ、上部線204が折り曲げられる。
このラップ域Lpは、図6に示すように上部線204の左端にも設けられ、加工終了点E4は加工開始点B1よりも右方に設けられる。また、下部線208の両端についても同様のラップ域Lpが設けられ、これらの箇所については、隣り合う2つの加工区間のうち一方の加工開始点Bnと他方の加工終了点Enの間にラップ域Lpが設けられることになる。なお、中央線206については、端部が左線212及び右線210の中央部とT字形状に接しているためラップ域Lpを設ける必要がないが、仮に、中央線206が左右2つの加工区間から構成される場合には、その接続部にラップ域Lpを設けるとよい。
次に、レーザ加工システム10を用いて、インストルメントパネル12に脆弱部200を形成するためのレーザ加工方法について図8を参照しながら説明する。以下の説明では、断りのない限り表記したステップ番号順に処理が実行されるものとする。また、レーザ加工システム10においては、焦点fが固定であって、インストルメントパネル12がロボット16の作用下に移動するが、以下の説明では、図面と対比して理解が容易なように、インストルメントパネル12に対して焦点fが移動するよう表記する。実際には、焦点fとインストルメントパネル12は相対移動するように構成されていればよいことはもちろんである。
先ず、ステップS1において、ロボット16は搬入・搬出動作判断部100の作用下に、搬入ライン18aによって搬送されたインストルメントパネル12をエンドエフェクタ16aにより保持して、加工位置Pまで移動させる。このとき、インストルメントパネル12の向きは裏面12bがレーザ発振器20に対向するように移動させる。
ステップS2において、加工区間選択部104により、その時点で脆弱部200に未加工の区間があるか否かを確認する。未加工の区間がある場合には、次に加工すべき区間を特定してステップS3へ移り、脆弱部200の全ての加工が終了していると認められるときには、ステップS9へ移る。
ステップS3において、基準点特定部106及び動作終了点特定部108により、次に加工すべき加工区間についての加工開始点Bn、動作準備点Qn及び加工終了点Eを求める。
ステップS4において、加工区間遷移動作判断部112により、ロボット16の動作を規定し、焦点fが動作準備点Qnに一致するようにインストルメントパネル12を移動させる。なお、この時点では、レーザビームは照射されていない。焦点fが動作準備点Qnに一致した後、ロボット16を一時停止させる。
ステップS5において、ロボット16の動作を開始し、焦点fが加工開始点Bnに接近するように前記移動手段を動作させ、図6に示すように、ロボット16の動作に基づく焦点fの移動を加速及び安定化させて規定の移動速度Vを維持させる。
この場合、ロボット16は6軸構成であって、各軸毎に始動時の動作特性が異なることにより焦点fの動作軌跡220(図6参照)は助走域Tの直線経路から僅かにずれる事態が発生し得るが、各軸の動作特定はやがて安定し、加工開始点Bnに接近したときには焦点fは助走域T上の直線経路を正確に移動することになる。なお、近時のロボット16は動作特性に優れており比較的瞬時に動作速度が安定化することから、助走域Tを過度に長く設定する必要はない。
ステップS6において、焦点fが加工開始点Bnに到達したとき、レーザ発振器20からレーザビームを発して脆弱部200(例えば上部線204)の加工を開始する。このとき、焦点fは正確に移動速度Vで移動しているため、レーザ発振器20からはレーザビームを一定周期(例えば、P1/V又はP2/V)でパルス状に照射することにより、インストルメントパネル12に均一のピッチP1又はP2で、しかも想定された経路上に微小孔202を形成することができる。
この後、ステップS7において、加工区間動作判断部110は、ロボット16の動作を規定してインストルメントパネル12を移動速度Vで移動させることにより、加工区間に沿って焦点fを加工開始点Bnから加工終了点Enへ相対移動させる。
ステップS8において、焦点fが加工終了点Enへ到達した時点で、加工区間動作判断部110からレーザ照射開始終了指示部116を介してレーザ制御装置26に指示を与え、レーザ発振器20によるインストルメントパネル12へのレーザ照射を停止する。この時点でラップ域Lpについての加工が行われ、隣接する他の加工区間とを確実に接続させることができる。
また、ロボット制御装置24から停止指令を与えることによりロボット16を停止させる。ロボット16は慣性により多少動作するため、図7示すように、焦点fは加工終了点Enを多少オーバーし、減速域D内で停止する。
この後、ステップS2へ戻り、未加工の加工区間が残っている場合には、加工を継続する。
一方、ステップS9(脆弱部200の全ての加工が終了している場合)においては、搬入・搬出動作判断部100の作用下に、ロボット16を動作させて加工の終了したインストルメントパネル12を搬出ライン18b上に配置し、該インストルメントパネル12を次工程へ搬出する。
この後、ステップS10において、未加工のインストルメントパネル12が搬入ライン18aから搬入されるまで待機し、搬入が確認されたときにステップS1へ戻る。
上述したように、本実施の形態に係る内装材のレーザビーム加工方法では、加工開始点Bnが焦点fに接近するようにロボット16を動作させることにより、ロボット16の加速に必要な助走域Tが確保されることになり、焦点fが加工開始点Bnに達したときには、ロボット16の動作に基づく焦点fは安定した移動速度Vとなる。したがって、焦点fが加工開始点Bnに到達した後、レーザ発振器20からレーザビームを照射することにより、微小孔202が均一なピッチ及び形状で形成される。
本発明に係る内装材のレーザ加工方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成乃至工程を採り得ることはもちろんである。
レーザ加工システムの斜視図である。 非接触距離センサ、レーザ発振器及び加工位置に配置されたインストルメントパネルを示す模式平面図である。 レーザ制御装置のブロック構成図である。 ロボット制御装置のブロック構成図である。 脆弱部の模式図である。 上線部における加工開始点近傍部と、移動速度との関係を示す模式図である。 上線部における加工終了点近傍部と、移動速度との関係を示す模式図である。 レーザ加工方法の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10…レーザ加工システム 12…インストルメントパネル
12a…表面 12b…裏面
16…ロボット 16a…エンドエフェクタ
20…レーザ発振器 22…非接触距離センサ
24…ロボット制御装置 26…レーザ制御装置
106…基準点特定部 108…動作終了点特定部
110…加工区間動作判断部 116…レーザ照射開始終了指示部
118…ロボット位置補正部 200…脆弱部
202…微小孔 204…上部線
206…中央線 208…下部線
210…右線 212…左線
220…動作軌跡
Bn、B1〜B5…加工開始点 E、En、E1〜E5…加工終了点
Qn、Q1〜Q4…動作準備点 D…減速域
Lp…ラップ域 P1、P2…ピッチ
T…助走域 V…移動速度

Claims (1)

  1. 収納されたエアバッグを覆うための内装材をレーザ発振器から発するレーザビームにより複数の穴が線状に配列するように加工することで、略平行で対向する一対の第1の辺と、前記各第1の辺の端部同士を接続して四角形状を形成する一対の第2の辺と、前記一対の第1の辺における中間に設けられて両端が前記一対の第2の辺に接する中央線とを備える脆弱部を形成し、
    前記エアバッグが膨張する際に、前記中央線及び前記一対の第2の辺が破断して前記一対の第1の辺が折れ曲がる内装材のレーザビーム加工方法であって、
    前記第1の辺の加工終了点と前記第2の辺の加工開始点との間、及び該第1の辺の加工開始点と該第2の辺の加工終了点との間に重複して加工が行われるラップ域が形成されるように、前記加工開始点及び前記加工終了点を求める工程と、
    前記内装材と前記レーザ発振器とを相対的に移動させるプログラム動作可能な移動手段を用い、
    前記加工開始点に対して、加工を行う方向と反対方向に離間した動作準備点に前記レーザビームの焦点を配置させる工程と、
    前記焦点を前記加工開始点に接近させながら移動速度を安定化させる工程と、
    前記焦点が前記加工開始点に到達した後、前記レーザ発振器から前記レーザビームを発して前記脆弱部の加工を開始する工程と、
    を有し、
    前記ラップ域の長さは、前記第1の辺又は前記第2の辺に形成される複数の穴のピッチ以上に設定されていることを特徴とする内装材のレーザビーム加工方法。
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