JP4988395B2 - 液晶フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶フィルムの製造方法に関する。
液晶ディスプレイ(LiquidCrystalDisplay; LCD)には、視野角の改良や色補償のために液晶フィルムが利用されている。この液晶フィルムにおいては、光学的異方性を持たせるために液晶分子を所定の方向に配向させることが必要である。その方法として一般に、液晶層の下地層となる配向基板フィルムの表面を、レーヨン等の繊維からなるラビング布が巻かれたラビングロールを軽く接触させて一定方向(ラビング方向)に沿って擦るラビング処理が採用されている。このラビング処理工程の後、液晶ポリマーを含む溶液を配向基板フィルム上に塗布する塗布工程、溶液を乾燥させて溶媒を揮発させる乾燥工程、加熱して液晶相を発現させる熱処理工程を経て、液晶分子がラビング方向に配向した液晶層を配向基板フィルム上に得ることができる。こうして液晶フィルムが得られる。
ところで、液晶フィルムは通常、数百メートルの長さの長尺状に製造される。そのため、上記塗布工程では、長尺状の配向基板フィルム(塗布基板)の一端部から他端部まで、順次液晶ポリマーの溶液(塗布液)を塗布している。具体的には、配向基板フィルムの裏面を搬送ロールの周囲に所定の抱き角で接触させると共に、搬送ロールの位置を基準として、配向基板フィルムの長手方向上流側部分及び下流側部分にそれぞれ所定の値の張力を付与する。そして、それぞれの張力の値を一定に保ちながら搬送ロールを一定速度で回転させることにより、配向基板フィルムをその長手方向に一定速度で搬送させる。続いて、配向基板フィルムの表面に向かって、液晶ポリマーの溶液を一定流量で吐出させることにより、液晶ポリマーの溶液の塗布を行っている。
上述の塗布を行う際、配向基板フィルムの搬送速度に変動が生じると、塗布された液晶ポリマーの溶液の膜厚にむらが発生し、最終的に得られる液晶フィルムの光学特性のばらつきに繋がることがある。このような塗布むらの発生を防止するため、塗布工程では、配向基板フィルムが搬送ロールの表面上を滑ることがないように諸条件が設定されている。具体的には、配向基板フィルムの上流側部分に与えられた張力と下流側部分に与えられた張力との差の絶対値が、配向基板フィルムの搬送ロールに対する最大静止摩擦力よりも小さくなるように、抱き角及び配向基板フィルムに与えられる張力の大きさが設定されている。長尺状のフィルムへの塗布・乾燥に関しては、液晶パネル等の色補償に用いる複屈折層の形成において、延伸時の張力を維持した状態で延伸基材上へ複屈折層形成材料の塗布・乾燥を行う方法(特許文献1)や、ダイコーター等による塗布において、バックアップロールの振れ幅と被塗物であるウェブの張力を特定する方法(特許文献2)などが知られている。
特開2004−046068号公報 特開2003−251260号公報
しかしながら、上述のように液晶ポリマーの溶液の塗布の際の諸条件を設定しても、以下のようなことが原因で、配向基板フィルムが搬送ロールの表面上を滑ってしまうことがあり、液晶ポリマーの溶液の塗布むらが発生することがあった。
即ち、連続的に搬送される配向基板フィルムに厳密に一定の大きさの張力を与え続けることは困難であり、張力の大きさは設定値を中心としてある程度変動する。このため、配向基板フィルムに与えられた上流側部分への張力と下流側部分への張力との差の絶対値が、配向基板フィルムに対する搬送ロールの最大静止摩擦力よりも大きくなってしまう場合がある。このようなことが起きると、配向基板フィルムが搬送ロールの表面上を滑ってしまい、配向基板フィルムの搬送速度に変動が生じる結果、液晶ポリマーの溶液の塗布むらが発生してしまう。
従って、本発明の目的は、液晶フィルムにおける光学特性のばらつきを十分に低減できる液晶フィルムの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る液晶フィルムの製造方法は、搬送ロールによって裏面から支持されながら連続的に搬送される配向基板フィルムの表面に、下記式(1)、式(2)及び式(3)を満たすようにT1、T2、F、t1、t2を設定して液晶ポリマーを塗布する塗布工程を有することを特徴とする。
(1):|T1−T2|<F
(2):5(N/mm2)≦t1≦20(N/mm2
(3):5(N/mm2)≦t2≦20(N/mm2
ただし、
1:前記配向基板フィルムのうち、前記搬送ロールの下流側部分に付与されている張力の設定値(N)
2:前記配向基板フィルムのうち、前記搬送ロールの上流側部分に付与されている張力の設定値(N)
F:配向基板フィルムの前記搬送ロールに対する最大静止摩擦力(N)
1:T1の値を、配向基板フィルムの搬送方向と垂直な断面の面積で除した値(N/mm2
2:T2の値を、配向基板フィルムの搬送方向と垂直な断面の面積で除した値(N/mm2
本発明によれば、塗布工程において配向基板フィルムは搬送ロールによって、搬送ロールの下流側及び上流側にそれぞれ張力が付与されながら搬送される。このとき、配向基板フィルムのうち、搬送ロールの下流側に付与されている張力の設定値T1(以下、「下流側張力の設定値T1」という)、配向基板フィルムのうち搬送ロールの上流側に付与されている張力の設定値T2(以下、「上流側張力の設定値T2」という)、及び前記配向基板フィルムに働く前記搬送ロールに対する最大静止摩擦力Fは、上記式(1)を満たしている。
ここで、下流側張力の実際の大きさをT1´、上流側張力の実際の大きさをT2´とすると、|T1´−T2´|がFよりも小さければ、配向基板フィルムが搬送ロールの表面上を滑ることはない。しかし、T1´及びT2´は、それぞれ設定値T1及び設定値T2を中心としてある程度変動するため、|T1´−T2´|がFよりも大きくなり、配向基板フィルムが搬送ロールの表面上を滑る可能性がある。
そこで、本発明においては、T1の値を配向基板フィルムの搬送方向と垂直な断面の面積で除した値t1は上記式(2)を満たし、また、T2の値を配向基板フィルムの搬送方向と垂直な断面の面積で除した値t2は上記式(3)を満たすようにしている。一般的な液晶フィルムの製造方法においては、t1又はt2は、0.8〜4N/mm2程度であるのに対して、本発明においては上記式(2)及び上記式(3)で規定されるように、非常に大きな値となっている。これにより、配向基板フィルムが搬送ロールを押す力が大きくなるため、最大静止摩擦力Fも大きくなる。そのため、T1´及びT2´が設定値T1及び設定値T2からある程度変動しても、|T1´−T2´|がFよりも大きくなる可能性を十分に低下させることができ、配向基板フィルムが搬送ロールの表面上を滑る可能性を十分に低下させることができる。その結果、液晶ポリマーの溶液の塗布むらの発生を十分に低減させ、最終的に得られる液晶フィルムにおける光学特性のばらつきを十分に低減させることができる。
さらに、T1´及びT2´の変動は、一般に配向基板フィルムの搬送速度が早い程大きくなる傾向がある。本発明においては、上述のとおり最大静止摩擦力Fを大きくしているため、T1´及びT2´の変動の許容量が大きくなっている。そのため、配向基板フィルムの搬送速度を早くすることが可能であり、最終的に得られる液晶フィルムの生産性の向上に繋がる。
また、塗布工程が、磁歪効果を利用した張力検出器によって、前記配向基板フィルムの前記下流側部分に付与されている張力と、上流側部分に付与されている張力とを測定する工程と、前記下流側部分に付与されている張力をT1に近づけるように制御する工程と、前記上流側部分に付与されている張力をT2に近づけるように制御する工程とを含むことが好ましい。
これにより、配向基板フィルムが搬送ロールの表面上を滑る可能性をより低下させることができる。即ち、一般的な液晶フィルムの製造方法においては、下流側部分の張力の実際の大きさT1´及び上流側部分の張力の実際の大きさT2´の測定は、圧電素子やひずみゲージを利用した張力検出器を使用するのに対して、本発明においては、より測定精度の高い磁歪効果を利用した張力検出器を使用している。そして、その測定結果を基に、T1´及びT2´をそれぞれ設定値T1及び設定値T2に近づけるように、下流側部分の張力及び
上流側部分の張力の大きさを制御している。そのため、T1´及びT2´の変動をより精度よく抑制することが可能であり、配向基板フィルムが搬送ロールの表面上を滑る可能性をより低下させることができる。
本発明によれば、液晶フィルムにおける光学特性のばらつきを十分に低減できる液晶フィルムの製造方法が提供される。
以下に、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同一の要素は、同一の符号を用いて表す。また、図面中の構成要素内及び構成要素間の寸法比率は、図示のものに限られない。
まず本発明に係る液晶フィルムの製造方法の実施形態について図1を参照して詳細に説明する。図1の(a)〜(f)は、本実施形態に係る液晶フィルムの製造方法の一連の工程図である。
はじめに、本実施形態に係る液晶フィルムの製造方法で得られる液晶フィルム30について説明する。
図1の(f)に示すように、液晶フィルム30は、透明基板フィルム26の上に、接着剤層24、液晶層23、オーバーコート層28及び保護フィルム29を順次積層するようにして構成されている。
液晶フィルム30は以下のようにして製造される。
即ち、図1に示すように、液晶フィルム30は、主として、ラビング装置10によって配向基板フィルム20の表面にラビング処理を施すラビング工程(図1の(a)参照)、ラビング処理した配向基板フィルム20の表面に液晶ポリマーの溶液22を塗布する塗布工程(図1の(b)参照)、液晶ポリマーの溶液22を乾燥させる乾燥工程(図1の(c)参照)、乾燥後の液晶ポリマーの溶液22を加熱して液晶相を発現させ、液晶層23を得る熱処理工程(図1の(d)参照)、液晶層23と透明基板フィルム26とを接着剤層24を介して貼り合わせた後、配向基板フィルム20を液晶層23から剥がし、液晶層23を配向基板フィルム20から透明基板フィルム26に転写する転写工程(図1の(e)参照)及び、液晶層23の透明基板フィルム26側とは反対側の面に、オーバーコート層28及び保護フィルム29を貼り合わせ、液晶フィルム30を得る保護層形成工程(図1の(f)参照)を経ることによって得られる。
以下、各工程について詳細に説明する。
(ラビング工程) まずラビング工程について説明する。ラビング工程は、上述したように、ラビング装置10によって配向基板フィルム20の表面にラビング処理を施す工程である。
ここで、配向基板フィルム20は、その表面をラビング処理することによって、その表面上に液晶層23を形成した際に液晶層23内の液晶分子の配向方向を、配向基板フィルム20の面内に配向させることが可能なものであれば特に限定されない。このような配向基板フィルム20の材質としては、例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ナイロンなどのポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂及びポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂などが挙げられるが、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、PEEK、ポリビニルアルコールなどの熱可塑性樹脂は、後工程における液晶相を発現させるための加熱によってラビング処理の効果が消滅又は減少する恐れがなく、好ましい。
図2は、配向基板フィルムに対してラビング処理するラビング装置を示す斜視図である。図2に示すように、ラビング装置10は、例えば円柱状をなすロール本体1a及びロール本体1aの外周面に沿って巻かれるラビング布2を有するラビングロール1を備えている。ここで、ロール本体1aは、その中心軸を回転軸として、モータ等の駆動機構(図示せず)によって回転可能となっている。
上記ラビング装置10を用いて配向基板フィルム20のラビング処理を行う場合、ラビング装置10は、例えば、ラビングロール1の回転軸が配向基板フィルム20の搬送方向と直交するように配置する。
そして、搬送装置(図示せず)によって、配向基板フィルム20をガイドロール25上で図2の矢印A方向に一定速度で搬送させた状態で、ラビングロール1を回転させる。このときのラビングロール1の回転方向は、ラビングロール1と配向基板フィルム20とが接触する位置で、配向基板フィルム20の搬送方向と同一となる方向にする。
これにより、配向基板フィルム20の表面は、ラビング布2によって配向基板フィルム20の搬送方向と同一方向に擦られる。
この処理により、後の工程で配向基板フィルム20の表面に液晶層23を形成した際に、液晶層23の液晶分子の長手方向を、配向基板フィルム20の面に平行な面内であって、ラビング処理を行った方向に向かせることができる。
(塗布工程) 次に、ラビング工程後に行われる塗布工程について説明する。塗布工程は、図1の(b)に示すように、上記ラビング工程においてラビング処理された配向基板フィルム20上に、液晶ポリマーの溶液22を塗布する工程である。
液晶ポリマーの溶液22は、ネマティック液晶、スメクティック液晶、コレステリック液晶、ディスコティック液晶等のサーモトロピック液晶のポリマーを、適当な溶剤に溶解した溶液である。この液晶ポリマーは、例えば、カルボン酸基、アルコール基、フェノール基、アミノ基、チオール基などを有する化合物を縮合させて成る縮合系液晶ポリマー、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基など二重結合を有する液晶性化合物などを原料として得られる液晶性ビニルポリマー、アルコキシシラン基を有する液晶化合物などから合成される液晶性ポリシロキサン、エポキシ基を有する液晶性化合物などから合成される液晶性エポキシ樹脂、又は上記液晶ポリマーの混合物を用いることができる。これらの各種液晶ポリマーの中でも、得られる液晶フィルムの光学特性などの点から縮合系液晶ポリマーが最も好ましい。
液晶ポリマーの溶液22の溶剤としては、上記液晶ポリマーを溶解可能なものであれば特に限定されないが、例えば、一般的にアセトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ブトキシエチルアルコール、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノール、ベンジルオキシエタノールなどのエーテルアルコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、フェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系などやこれらの混合系が好ましく用いられる。また、配向基板フィルム20上に均一な塗膜を形成するために、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤などを溶液に添加してもよい。
図3は、本発明の実施形態における液晶フィルムの製造装置を概略的に示す模式図であり、図4は塗布工程における配向基板フィルムに作用する各種の力を示す模式図である。図3に示すように、液晶フィルムの製造装置は、搬送装置35によって連続的に搬送される配向基板フィルム20上に、塗布装置35から吐出される液晶ポリマーの溶液22を塗布することが可能となっている。
ここで、液晶フィルムの製造装置は、配向基板フィルム20を搬送する搬送装置35と、配向基板フィルム20の表面上に液晶ポリマーの溶液22を塗布するダイ31を有する塗布装置と、液晶ポリマーの溶液22を乾燥させる乾燥ユニット40とを少なくとも備えている。なお、図3において、配向基板フィルム20の表面をラビング処理するラビング処理装置等は省略している。
図3に示すように、搬送装置35は、送出し装置32、インフィード装置33、上流側張力検出器34、搬送ロール37、下流側張力検出器36、アウトフィード装置38及び巻取り装置39を備えている。
送出し装置32は、ロール状の部材を有し、塗布工程の開始前はその外周に配向基板フィルム20が巻かれている。そして、塗布工程においては、送出し装置32は、ロール状の部材を回転させることにより、長尺状の配向基板フィルム20を送り出す。
インフィード装置33は、送出し装置32から送り出され、ラビング処理等が施された配向基板フィルム20をガイドする役割を果たし、また、配向基板フィルム20のうち、インフィード装置33と接する位置から搬送ロール37と接する位置までの部分(以下、「上流側フィルム20a」という)に対して、所定の張力を与えるための装置である。
このインフィード装置33は、上流側フィルム20aに対してT2の大きさの張力を与えるように設定されているが、上流側フィルム20aに与えられている実際の張力T2´(以下「上流側張力T2´」という)は配向基板フィルム20の搬送に伴ってある程度変動し、設定値T2と異なる場合もある。また、設定値T2の大きさを配向基板フィルム20の搬送方向と垂直な断面の面積で除した値であるt2の大きさは、一般的な液晶フィルムの製造方法においては0.8〜4N/mm程度であるのに対して、本実施形態では5〜20N/mm、好ましくは7〜16N/mmである。
上流側張力検出器34は、上流側張力T2´を測定し、その測定値を基に上流側張力T2´を設定値T2に近づけるようにインフィード装置33にフィードバックをかける装置である。例えば、上流側張力検出器34で上流側張力T2´を測定し、上流側張力T´が設定値Tよりも大きいときは、インフィード装置33に対して張力を小さくするように信号を送る。逆に上流側張力T´が設定値Tよりも小さいときは、インフィード装置33に対して張力を大きくするように信号を送る。
上流側張力検出器34の具体的な構成は上流側張力T2´を測定することができれば特に制限されないが、例えば円柱状のロールの外周面に配向基板フィルム20を一定の抱き角で接触させ、このロールが受ける力を測定して上流側張力T2´を検出する構成が挙げられる。本実施形態においては、上流側張力検出器34として、後に詳述するように磁歪効果を利用した張力検出器を使用している。
搬送ロール37は、配向基板フィルム20を搬送する際に、配向基板フィルム20を支持するためのロール状の部材である。配向基板フィルム20は、ラビング処理されていない裏面が搬送ロール37の外周面と接触しており、搬送ロール37が矢印B方向に回転するのに伴い、配向基板フィルム20は、搬送ロール37と接触する位置でのロールの回転方向と同一方向に連続的に搬送される。
アウトフィード装置38は、後述の下流側張力検出器36を経た配向基板フィルム20をガイドする役割を果たし、また、配向基板フィルム20のうち、搬送ロール37と接する位置からアウトフィード装置38と接する位置までの部分(以下、「下流側フィルム20b」という)に対して、所定の張力を与えるための装置である。
このアウトフィード装置38は、下流側フィルム20bに対してT1の大きさの張力を与えるように設定されているが、下流側フィルム20bに与えられている実際の張力T1´(以下「下流側張力T1´」という)は配向基板フィルム20の搬送に伴ってある程度変動し、設定値T1と異なる場合もある。また、設定値T1の大きさを配向基板フィルム20の搬送方向と垂直な断面の面積で除した値であるt1の大きさは、一般的な液晶フィルムの製造方法においては0.8〜4N/mm程度であるのに対して、本実施形態においては5〜20N/mm、好ましくは7〜16N/mmである。
下流側張力検出器36は、下流側張力T1´を測定し、その測定値を基に下流側張力T1´を設定値T1近づけるようにアウトフィード装置38にフィードバックをかける装置である。例えば、下流側張力検出器36で下流側張力T1´を測定し、下流側張力T1´が設定値T1よりも大きいときは、アウトフィード装置38に対して張力を小さくするように信号を送る。逆に下流側張力T1´が設定値T1よりも小さいときは、アウトフィード装置38に対して張力を大きくするように信号を送る。なお、下流側張力検出器36の具体的な構成は、上流側張力検出器34と同様の構成にすることができる。
巻取り装置39は、送出し装置32と同様にロール状の部材を有しており、配向基板フィルム20を再び巻き取るための装置である。
なお、配向基板フィルム20の搬送速度は、搬送ロール37の回転速度で制御してもよいし、巻取り装置39で制御してもよい。
次に、下流側張力検出器34及び上流側張力検出器36について、図5及び図6を用いて詳細に説明する。
図5は、下流側張力検出器34及び上流側張力検出器36における張力検出のための検出部を示す斜視図である。
図5に示すように、検出部50は、検出部本体51、第1コイル53及び第2コイル55を有している。検出部本体51は、鉄等の磁性材料を含む材料で構成されており、検出部本体51の表面51Aから裏面51Bまで貫通する4つの貫通穴51a、51b、51c、51dを有している。これらの貫通穴は、貫通穴51b及び貫通穴51cの表面51Aにおける位置を結ぶ直線と、貫通穴51a及び貫通穴51dの表面51Aにおける位置を結ぶ直線とが直交する位置関係となっており、裏面51Bにおける位置関係も同様となっている。そして、貫通穴51bと貫通穴51cの内部を通るように金属線がコイル状に巻かれて第1コイル53を形成しており、同様に貫通穴51aと貫通穴51dの内部を通るように金属線がコイル状に巻かれて第2コイル55を形成している。このように形成された第1コイル53と第2コイル55は、検出部本体51の表面51A及び裏面51Bにおいて互いに直交している。
図6は、検出部50を示す図であり、(a)は、検出部に力が加わっていない状態を示す正面図、(b)は、検出部に力が加わった状態を示す正面図である。
測定時には、第1コイルに電流を流す。この際の電流は直流でもよいが、交流であることが好ましい。
すると、図6(a)に示すように、第1コイル53の周りには磁場53aが発生するが、第1コイル53と第2コイル55は直交するため、この磁場53aによる第2コイル55を貫く磁束の変化量は全体として相殺され、第2コイル55に誘導起電力は生じない。
これに対し、図6(b)に示すように、検出部本体51に力Fが加えられると、検出部本体51に含まれる鉄等の磁性材料の透磁率は、例えば力Fが加えられた方向では減少し、力Fと直交する方向では増加する。その結果、第1コイル53の周りに発生する磁場53aの分布が変化し、その磁場53aよる第2コイル55を貫く磁束の変化量は全体として相殺しなくなる。このため、第2コイル55には誘導起電力が生じる。この誘導起電力は、検出部本体51に加えられた力Fの大きさに依存するため、誘導起電力の大きさを測定することにより、力Fの大きさを求めることができる。
なお、下流側張力検出器34及び上流側張力検出器36は、磁歪効果を利用し、力Fを測定するものであれば、上述の検出器とは異なる構成であってもよい。
また、下流側張力検出器34及び上流側張力検出器36は、上述のように磁歪効果を利用したもの以外に、歪によって金属の電気抵抗率が変化する現象を利用した歪ゲージや、圧力を電気信号に変換する圧電素子を利用した圧力センサーであってもよい。ただし、本実施形態のように磁歪効果を利用した張力検出器は、他の方式のものと比較して測定精度が高いため、好ましい。
次に、搬送装置35を用いた塗布方法について説明する。
配向基板フィルム20に液晶ポリマーの溶液22を塗布する際は、まず搬送装置35によって配向基板フィルム20を一定の速度で連続的に搬送させる。
このとき、下記式(1)、式(2)及び式(3)を満たすようにT1、T2、F、t1、t2を設定する。
(1):|T1−T2|<F
(2):5(N/mm2)≦t1≦20(N/mm2
(3):5(N/mm2)≦t2≦20(N/mm2
ただし、
1:配向基板フィルム20のうち、搬送ロール37の下流側部分に付与されている張力の設定値(N)
2:配向基板フィルム20のうち、搬送ロール37の上流側部分に付与されている張力の設定値(N)
F:配向基板フィルム20の搬送ロール37に対する最大静止摩擦力(N)
1:T1の値を、配向基板フィルム20の搬送方向Aと垂直な断面の面積で除した値(N/mm2
2:T2の値を、配向基板フィルム20の搬送方向Aと垂直な断面の面積で除した値(N/mm2
この状態で、図3に示すように、搬送ロール37に近接する位置に設けられたダイ31から液晶ポリマーの溶液22を吐出させ、液晶ポリマーの溶液22を配向基板フィルム20の表面とダイ31間に液架橋させることにより、液晶ポリマーの溶液22の塗布を行う(塗布工程)。
続いて、配向基板フィルム20は、後述の乾燥工程のため、乾燥ユニット40内に搬送される。
図3に示す塗布装置35を用いた塗布方法は、スロットダイコーティング法であるが、他の塗布方法であってもよい。例えば、スライドダイコーティング法やカーテンダイコーティング法が挙げられる。
上述のように、配向基板フィルム20に液晶ポリマーの溶液22の塗布を行うと、液晶ポリマーの溶液22の塗布むらの発生を十分に低減させることができる。即ち、本実施形態の塗布工程においては、t1は上記式(2)を満たし、t2は上記式(3)を満たしており、通常の液晶ポリマーの製造方法の塗布工程におけるこれらの値と比較して、非常に大きな値となっている。ここで、配向基板フィルム20の搬送方向Aと垂直な断面の面積は一定であり、この値がt1及びt2の算出に使用される。従って、t1及びt2が大きい値を示すということは、下流側張力の設定値T1及び上流側張力の設定値T2として、大きな値を設定することを意味する。このため、図4において、下流側張力T1´及び上流側張力T2´は大きな値となり、配向基板フィルム20が搬送ロール37を押す力T3も大きくなる。すると、搬送ロール37が配向基板フィルム20に与える抗力Nは、配向基板フィルム20が搬送ロール37を押す力T3と同じ値であるから、Tが大きくなれば同様に大きくなる。そして、配向基板フィルム20に働く搬送ロール37に対する最大静止摩擦力Fは、搬送ロール37と配向基板フィルム20間の静止摩擦係数に抗力Nを乗じた値であるため、最大静止摩擦力Fも大きな値となる。
すると、下流側張力T1´及び上流側張力T2´がそれぞれ設定値T1及び設定値T2の大きさからある程度変動しても、|T1´−T2´|の値が最大静止摩擦力Fよりも大きくなる可能性は低く、配向基板フィルム20が搬送ロール37の表面上を滑る可能性は十分に低減される。この結果、配向基板フィルム20の搬送速度の変動は十分に防止され、液晶ポリマーの溶液22の塗布むらの発生は十分に低減されることとなり、ひいては最終的に得られる液晶フィルム30における光学特性のばらつきを十分に低減させることができる。
さらに、下流側張力T1´及び上流側張力T2´の変動は、一般に配向基板フィルム20の搬送速度が早い程大きくなる傾向がある。本実施形態においては、上述のとおり最大静止摩擦力Fを大きくしているため、下流側張力T1´及び上流側張力T2´の変動の許容量が大きくなっている。そのため、配向基板フィルム20の搬送速度を早くすることが可能であり、最終的に得られる液晶フィルムの生産性の向上に繋がる。
また、本実施形態においては、塗布工程において、配向基板フィルム20の下流側張力T1´及び上流側張力T2´は、磁歪効果を利用した張力検出器34、36を用いて測定されている。磁歪効果を利用した張力検出器は、他の形式の張力検出器(例えば、歪によって金属の電気抵抗率が変化する現象を利用した歪ゲージや、圧力を電気信号に変換する圧電素子を利用した圧力センサー等)と比較して、測定精度がよいことが知られている。そのため、下流側張力T1´及び上流側張力T2´は精度よく測定され、|T1´−T2´|の値が最大静止摩擦力Fよりも大きくなる可能性はより低減されている。これにより、液晶ポリマーの溶液22の塗布むらの発生はより低減されることとなり、最終的に得られる液晶フィルム30における光学特性のばらつきの発生はより低減されている。また、液晶フィルムの生産性もより向上されている。
(乾燥工程) 上記塗布工程の後に行われる乾燥工程は、図1の(c)に示すように、配向基板フィルム20を加熱し、その表面に塗布された液晶ポリマーの溶液22の溶剤を気化させる工程である。具体的には、図3に示すように配向基板フィルム20上の液晶ポリマーの溶液22を、例えば、相互に隣接する複数の乾燥炉からなる乾燥ユニット40に順次通しながら搬送し、各乾燥炉に、液晶ポリマーの溶液22を乾燥させるためのガスを導入して、配向基板フィルム20の長手方向に沿って液晶ポリマーの溶液22を連続的に乾燥させる。このとき、各乾燥炉ごとに異なる乾燥条件を設定すると好ましい。この場合、液晶ポリマーの溶液22を均一に乾燥させることが可能となる。
なお、図3において、乾燥ユニット40は搬送ロール37と下流側張力検出器36の間に設けられているが、搬送ロール37よりも配向基板フィルム20の搬送方向下流側の位置であれば、どこに設けられていてもよい。
(熱処理工程) 上記乾燥工程の後は、熱処理工程を行う。熱処理工程は、図1の(d)に示すように、乾燥後の液晶ポリマーの溶液22を加熱して液晶相を発現させた後に冷却し、液晶分子が所定の方向に配向した液晶層23を得る工程である。具体的には、配向基板フィルム20を熱処理炉の中を通して搬送し、液晶ポリマーの溶液22の温度が、液晶ポリマーが固体から液晶へ転移する温度(以下、「液晶転移温度」という)以上になるようにした後に冷却する。このとき、冷却は、熱処理炉から排出することにより行えばよい。
液晶転移温度以上に加熱された液晶ポリマーは固相から液晶相に相転移して流動性を有する。そのため、液晶ポリマーは、配向基板フィルム20の表面におけるラビング処理方向に向けて容易に配向する。
その後、配向基板フィルム20を液晶転移温度以下に冷却すると、液晶ポリマーはガラス状態となって流動性を失い、液晶分子は液晶相での配向状態で固定化される。このようにして、液晶分子が所定の方向に配向した液晶層23が得られる。
(転写工程) 上記熱処理工程の後は、転写工程を行う。転写工程は、図1の(e)に示すように、液晶層23と等方性透明基板フィルム26とを接着剤層24を介して貼り合わせた後に、配向基板フィルム20を液晶層23から剥がすことにより、液晶層23を配向基板フィルム20から等方性透明基板フィルム26に転写する工程である。
等方性透明基板フィルム26は、光学特性が等方的であり可視光に対して透明な材料で構成されたフィルムであり、最終的な液晶フィルムを支持する機能を有する。この材質は、上記の条件を満たし、適度な平面性を有するものであれば特に制限されないが、例えば、TAC(トリアセチルセルロース)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの他、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、エチレン−環状オレフィン共重合体、ポリシクロオレフィンなども用いることができる。また、光学的に異方性を有していても、目的とする液晶フィルムの機能に対して問題を与えないものであれば使用することができる。このような例としては、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリカーボネートなどの位相差フィルムがあげられる。
接着剤層24としては、可視光に対する吸収率が十分に小さく、光学的等方性を有しているものが好ましく、例えば、アクリル系、エポキシ系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ゴム系、ウレタン系、およびこれらの混合系などを用いることができる。また接着剤層24は、熱硬化型、光硬化型、電子線硬化型などのいずれの型の接着剤でも問題なく使用することができる。
液晶層23からの配向基板フィルム20の剥離方法は、例えば、ロールなどを用いて機械的に剥離する方法、これらの構成材料に対する貧溶媒に浸漬したのち機械的に剥離する方法、貧溶媒中で超音波をあてて剥離する方法、配向基板フィルム20と液晶層23との熱膨張係数の差を利用して温度変化を与えて剥離する方法、配向基板フィルム20自体を溶解除去する方法などを採用することができる。剥離性は、配向基板フィルム20と液晶層23の密着性によって異なるため、液晶層23からの配向基板フィルム20の剥離方法は、上記方法の中から適宜選択される。
上述のように、液晶層23を配向基板フィルム20から等方性透明基板フィルム26に転写する工程を採用することにより、配向基板フィルム20の材料選択の自由度が増加するという利点がある。即ち、配向基板フィルム20は、液晶分子を配向させうる機能を有すること、及び熱処理工程における耐熱性を有すること等の条件を具備することが必要である。本実施形態のように液晶層23の転写工程を採用すると、配向基板フィルム20に必要な条件が少なくなるため、液晶分子を所望の態様で配向させるために、より適した材料の選択が可能となる。
(保護層形成工程) 上記転写工程の後は、保護層形成工程を行う。保護層形成工程は、図1の(f)に示すように、液晶層23の等方性透明基板フィルム26側とは反対側の面に、オーバーコート層28及び保護フィルム29を貼り合わせる工程である。
オーバーコート層28は、液晶層23を保護するための層である。オーバーコート層28の材質は液晶層23を保護するものであり、可視光に対する吸収率が十分に小さく、光学的に等方性のものが好ましく、保護フィルム29との付着性等を考慮すると前述の接着剤層24と同様の材質とすることができる。
保護フィルム29は、オーバーコート層28をさらに保護するためのフィルムであり、オーバーコート層28の表面に直接貼られていてもよいし、接着剤を介して貼られていてもよい。この場合の接着剤として、接着剤層24と同様の材質からなり、光硬化型や電子線硬化型の接着剤を用いた場合には、該接着剤をオーバーコート層28の表面に塗布後、未硬化の接着剤層上に保護フィルム29を貼ってから接着剤層を硬化させることにより、オーバーコート層28と保護フィルム29とを貼り合せることができる。
保護フィルム29に使用される材質は、製品検査等のために可視光領域で透明なものが好ましく、例えば、PET、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリシクロオレフィン、ポリオレフィン、トリアセチルセルロースなどをあげることができる。これらの材質等からなる保護フィルム29の厚さは、得られる液晶フィルム30の後加工に適用される工程に合わせて適宜選択することができるが、通常は1〜500μm、好ましくは10〜100μmである。
以上の工程を経ることにより、液晶フィルム30が得られる。こうして液晶フィルム30の製造が完了する。
こうして得られる液晶フィルム30において、液晶層23内の液晶分子の配向は精密に制御する必要があるため、塗布工程中に塗布むらが発生すると、例えそれが微細な塗布むら部分だとしても最終的に得られる液晶フィルム30の不良に繋がる恐れがある。上述の実施形態では、塗布工程中の塗布むらの発生が十分に防止される。その結果、最終的に得られる液晶フィルム30の光学特性のばらつきを十分に低減でき、製造の際の歩留まりを向上させることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、液晶ポリマーの溶液22は、上記実施形態のように液晶のポリマーを溶剤に溶解させた溶液には限られず、液晶ポリマー自体を融解して液状にしたものを使用することもできる。かかる場合、上述の乾燥工程は省略される。
また、液晶層23の液晶分子の配向の固定化は、上記実施形態のように液晶転移温度が高いサーモトロピック液晶の相転移を利用する方法に限られず、配向後に光架橋や熱架橋によって配向を固定化してもよい。かかる場合、液晶転移温度が低い液晶ポリマーを使用することが可能である。この場合、上述の熱処理工程に代えて、光架橋や熱架橋を行う工程が行われる。
また、配向基板フィルム20が光学的に等方的であり可視光に対して透明な材料であれば、配向基板フィルム20を最終的な液晶フィルムの支持フィルムとすることもできる。即ち、上述の転写工程を省略し、配向基板フィルム20上に、液晶層23、オーバーコート層28、保護フィルム29をこの順に積層して液晶フィルムとすることも可能である。
さらに、液晶フィルム30は、液晶層23の液晶分子を特定の配向状態に固定し、その配向状態から生じる光学異方性を利用したフィルムであれば特に制限はされず、例えば、視野角改良フィルムや色補償フィルムとして利用されるものが挙げられる。
また、上記実施形態では、ラビングロール1の延び方向と配向基板フィルム20の搬送方向とが直交しているが、これらが直交する場合に限られず、鋭角又は鈍角で交差していてもよい。
さらに、液晶フィルム30は、必ずしもオーバーコート層28及び保護フィルム29を有していなくてもよい。したがって、この場合、上述した保護層形成工程は省略してもよい。
本発明に係る液晶フィルムの製造方法の実施形態の一連の製造工程を示す工程図である。 本発明に係る液晶フィルムの製造方法の実施形態で用いるラビング装置を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る液晶フィルムの方法を実施する液晶フィルムの製造装置を示す模式図である。 本発明に係る液晶フィルムの製造方法の実施形態の塗布工程における配向基板フィルム等に作用する各種の力を示す模式図である。 本発明に係る液晶フィルムの製造方法の実施形態で用いる張力検出器を構成する検出部を示す斜視図である。 本発明に係る液晶フィルムの製造方法の実施形態で用いる張力検出器を構成する検出部を示す図である。
符号の説明
20…配向基板フィルム、22…液晶ポリマーの溶液、30…液晶フィルム、34…上流側張力検出器、35…塗布装置、36…下流側張力検出器、37…搬送ロール。

Claims (2)

  1. 搬送ロールによって搬送される配向基板フィルムの表面に、下記式(1)、式(2)及び式(3)を満たすようにT1、T2、F、t1、t2を設定して液晶ポリマーを塗布する塗布工程を有することを特徴とする液晶フィルムの製造方法。
    (1):|T1−T2|<F
    (2):5(N/mm2)≦t1≦20(N/mm2
    (3):5(N/mm2)≦t2≦20(N/mm2
    ただし、
    1:前記配向基板フィルムのうち、前記搬送ロールの下流側部分に付与されている張力の設定値(N)
    2:前記配向基板フィルムのうち、前記搬送ロールの上流側部分に付与されている張力の設定値(N)
    F:前記配向基板フィルムの前記搬送ロールに対する最大静止摩擦力(N)
    1:T1の値を、前記配向基板フィルムの搬送方向と垂直な断面の面積で除した値(N/mm2
    2:T2の値を、前記配向基板フィルムの搬送方向と垂直な断面の面積で除した値(N/mm2
  2. 前記塗布工程が、磁歪効果を利用した張力検出器によって、前記配向基板フィルムの前記下流側部分に付与されている張力と、上流側部分に付与されている張力とを測定する工程と、
    前記下流側部分に付与されている張力をT1に近づけるように制御する工程と、
    前記上流側部分に付与されている張力をT2に近づけるように制御する工程とを含む、請求項1に記載の液晶フィルムの製造方法。
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